JP2005157465A - 歩数演算装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 加速度センサ100からのX,Y,Z成分1〜3に基づき傾斜判定部4〜6によって加速度センサ100の傾斜方向を算出、即ち加速度センサ100で測定されたX,Y,Z各成分の加速度の変動成分を除いた加速度が正か負かを判定する。この判定結果に基づいて、反転非反転部7〜9にてX,Y,Z成分1〜3の変動成分を反転又は非反転処理する。この何れかで処理された結果を3軸加算部10にて加算し、歩数有効成分抽出部11で歩数を演算するのに必要な成分を抽出し、歩数カウント部12で歩数のカウントを行い、その結果を歩数格納部13に格納する。
【選択図】 図1
Description
先の物理量として加速度を用いて歩数を演算する場合には、歩行に伴って生じる加速度が鉛直方向に対して周期的に変化するが水平方向には変化しない、という特徴を適用するのが一般的である。しかしながら、携帯機器に歩数計を組み込もうとした場合、歩行者の所持する携帯機器の携帯部位あるいは携帯方向は様々であって、尚且つ携帯方向については歩行に伴って時々刻々と変化する。このため、歩数を演算するには、特許文献1のように3軸の加速度センサを互いに垂直になるように配置するのが望ましい。この方式に基づくものとして、前述の特許文献1の他に、後述する特許文献2〜5が提案されている。
これらの歩数計においては、各々で細かな計算方法は異なるものの、最終的には2個以上の加速度センサの中から鉛直方向に最も近い加速度センサを選択し、この選択された加速度センサの出力結果のみによって歩数を演算している。この方式の場合、前述したように携帯方向が時々刻々と変化するため、演算にかかる加速度センサ選択の遷移が不定期に行われることになる。また、逆に加速度センサ選択の遷移が瞬時に行われないように工夫したとしても、この場合には選択された加速度センサが鉛直方向を向いていないため、歩行に伴って生じる加速度を的確にとらえることができなくなり、この結果、歩数の演算精度が著しく低下することになる。
一方、特許文献1の方法は、加速度の2乗和を演算することにより歩数を算出する方法である。この方法は、上述の特許文献4、6及び7のように、携帯方向の変化に伴って歩数の演算が困難になるということはない。しかし、この方法は積和演算を逐次行う必要があるため、演算の精度を確保するには必然的にデジタル演算を行う構成にならざるを得ない。このため、A/D(Analog/Digital)コンバータ等の回路が必要となりコスト高につながることになる。
本発明は、このような課題に鑑みてなされたものであり、歩数を正確に演算することができ、この構成を低コストで実現することができる歩数演算装置を提供することを目的としている。
この構成によれば、加速度センサ各軸の加速度の正負が精度よく求められるので、結果としてカウントされる歩数の精度が向上する。
この構成によれば、歩行リズムの変化(歩行に伴って生じる一歩ごとの時間変動)に適応するとともに、歩数の計算を逐次獲得することができる。そのため、歩数計としての利便性が格段に向上する。
また、本発明の請求項4による前記カウント手段は、前記抽出手段で抽出された加速度の変化のパワースペクトルの最大値を検出し、この検出された最大値をカウントすることを特徴としている。
この構成によれば、パワースペクトルの最大値をカウントするので、歩数の計算の精度が著しく向上する。
(実施の形態)
図1は、本発明の実施の形態に係る歩数演算装置の構成を示すブロック図である。
図1に示す歩数演算装置は、一般的に知られているX,Y,Z軸の3軸が互いに垂直に交わる関係となるように配置された3軸の加速度センサ100と、X成分傾斜判定部4と、Y成分傾斜判定部5と、Z成分傾斜判定部6と、X成分反転非反転処理部7と、Y成分反転非反転処理部8と、Z成分反転非反転処理部9と、3軸加算部10と、歩数有効成分抽出部11と、歩数カウント部12と、歩数格納部13とを備えて構成されている。
加速度センサX成分1はX成分傾斜判定部4及びX成分反転非反転処理部7に、加速度センサY成分2はY成分傾斜判定部5及びY成分反転非反転処理部8に、加速度センサZ成分3はZ成分傾斜判定部6及びZ成分反転非反転処理部9に入力されるようになっている。
Z成分傾斜判定部6は、加速度センサZ成分3をもとに、加速度センサ100のZ成分がどちらの方向に傾いているかを演算し、この演算結果の傾斜情報をZ成分反転非反転処理部9へ出力するものである。
X成分反転非反転処理部7は、X成分傾斜判定部4からの傾斜情報に基づき、加速度センサX成分1を反転させるか、そのままの状態つまり非反転させるかの何れかの処理を施して3軸加算部10へ出力するものである。
Y成分反転非反転処理部8は、Y成分傾斜判定部5からの傾斜情報に基づき、加速度センサY成分2を反転させるか、非反転させるかの何れかの処理を施して3軸加算部10へ出力するものである。
3軸加算部10は、各処理部7,8,9からのX,Y,Z成分1,2,3を加算するものである。この3軸加算部10の加算結果の信号が、後段での歩数演算を行うための基礎情報となる。後段での具体的な演算方法としては、まず、歩数とみなしうる加速度変化成分だけを抽出するために、歩数有効成分抽出部11にてフィルタリングを行う。
歩数有効成分抽出部11に続いては、歩数カウント部12によって歩数が演算され、この結果が歩数格納部13に格納されるようになっている。
図3に示すX成分傾斜判定部4及びX成分反転非反転選択部7は、HPF(ハイパスフィルタ)14と、X成分非反転部15と、X成分反転部16と、スイッチ17と、LPF(ローパスフィルタ)18と、ヒステリシスコンパレータ19とを備えて構成されている。
また、加速度センサX成分は、HPF14と同時にLPF18にも並列に入力される。このLPF18は、X成分1を平均化するものである。このLPF18は、例えば図7に示すように、OpAmpに、抵抗器R8,R9及びコンデンサC3を組み合わせて構成される簡単な1次LPFが用いられる。
LPF18の出力値が、ヒステリシスコンパレータ19によって、予め格納されたX軸のオフセット値(X軸の加速度が0となる出力値)と比較される。この大小比較により、スイッチ17を相互に切り替える。例えば、LPF18の出力値がオフセット値よりも大きければX成分非反転部15の出力を選択する信号をスイッチ17へ出力し、逆に小さければX成分反転部16の出力を選択する信号をスイッチ17へ出力する。これによってスイッチ17で選択された非反転及び反転の何れかの出力信号が、3軸加算部10へ出力される。
ここで、上記の図3を参照して説明した一連の処理が意味のある処理であることを、特別な場合について説明する。
まず、図8(a)の加速度センサ100の平面図及び(b)の側面図に示すように、加速度センサ100のZ軸が鉛直方向を向いている場合の歩行加速度波形について検討する。
この場合、重力GはY軸の負方向とZ軸の負方向の丁度中間の方向となる。従って、Y軸とZ軸は鉛直方向にのみ生じる歩行加速度変化については符号も含めて同じ値をとることになり、歩行加速度は図12(a)(b)(c)に示すような波形となって現れる。この波形であれば、Y軸とZ軸の加速度をそのまま加え合わせれば振動波形が得られるため、歩数の測定は図10の波形の場合と同様に可能となる。
この場合、重力GはY軸の正方向とZ軸の負方向の丁度中間の方向になる。従って、Y軸とZ軸は鉛直方向にのみ生じる歩行加速度変化については、絶対値は等しいが符号が反対の値をとることになり、歩行加速度は図14(a)(b)(c)に示すような波形となって現れる。この波形をそのまま加え合わせると、Y軸の歩行加速度とZ軸の歩行加速度は、直流レベルも交流レベルも符号が反転しているため正負が相殺されて定常的にゼロとなり、歩行として検出することができない。即ち、歩数の測定は不可能となる。だが、この場合には、Y軸の歩行加速度波形を反転させれば、手前に45°傾けたときと同様に単に加え合わせることによって歩数の測定が可能になる。
つまり、その判別を行うのがX,Y,Z成分傾斜判定部4〜6であり、この判別結果に従って反転か非反転の結果を選択するのがX,Y,Z成分反転非反転選択部7〜9である。この選択制御は、X軸、Y軸、Z軸とも、その軸の負方向に重力Gが向いている場合には非反転結果を選択し、正方向に重力Gが向いているときには反転結果を選択すればよい。又は、上記の選択は全ての軸で逆にしてもよい。具体的には、その軸の正方向に重力Gが向いている場合に非反転結果を選択し、負方向に重力Gが向いているときに反転結果を選択する、という方法でも上記同様に演算可能なことは明らかである。
歩数カウント部12は、3軸加算部10の加算結果又は、歩数有効成分抽出部11の演算結果から歩数を演算するものであり、例えば図15に示すように、ピーク検出部20、ピーク検出数カウント部21及びピークレベル閾値設定部22を備えて構成される。この構成は、歩数の演算手段としてピーク検出法を用いた場合の構成例である。
まず、ピークとみなす閾値が、ピークレベル閾値設定部22にて設定される。この設定値は、ターゲットとする目的等により最適となるように変更することができる。更に、ピーク検出部20で、その閾値を越えた部分を歩行によってピークを越えたものと判断し、この検出数をピーク検出数カウント部21でカウントする。このカウント結果が歩数格納部13に格納される。
この他、歩数カウント部12のもう一つの構成例を図16に示す。この構成例は、ピーク検出法に代わり、パワースペクトルの最大値を検出する方法の例である。つまり、スペクトル演算部23によって、3軸加算部10の加算結果又は、歩数有効成分抽出部11の演算結果のパワースペクトルを演算し、最大スペクトル検出部24によって、そのパワースペクトルの最大値を検出し、この検出結果を歩数格納部13に格納する。この場合、最大値の検索範囲は、ターゲットとする目的等により最適となるように変更することができる。
2 加速度センサY成分
3 加速度センサZ成分
4 X成分傾斜判定部
5 Y成分傾斜判定部
6 Z成分傾斜判定部
7 X成分反転非反転選択部
8 Y成分反転非反転選択部
9 Z成分反転非反転選択部
10 3軸加算部
11 歩数有効成分抽出部
12 歩数カウント部
13 歩数格納部
14 HPF
15 信号非反転部
16 信号反転部
17 スイッチ
18 LPF
19 ヒステリシスコンパレータ
20 ピーク検出部
21 ピーク検出数カウント部
22 ピークレベル閾値設定部
23 スペクトル演算部
24 最大スペクトル検出部
Claims (4)
- X,Y,Z軸が互いに垂直に交わるように配置された3軸の加速度センサで歩行体の加速度を測定し、この測定されたX,Y,Z軸の各軸の加速度に基づき歩行体の歩数を求める歩数演算装置において、
前記加速度センサで測定された各軸の加速度から変動成分を除いた加速度が正か負かを判定する判定手段と、
前記判定手段の判定結果に応じて、前記加速度センサで測定された各軸の加速度の変動成分を反転か非反転とする処理手段と、
前記処理手段で処理された各軸の加速度を加算する加算手段と、
前記加算手段で加算された加速度の変化を抽出する抽出手段と、
前記抽出手段での抽出回数をカウントするカウント手段と
を備えたことを特徴とする歩数演算装置。 - 前記判定手段は、前記加速度センサで測定された各軸の加速度の平均値を各軸各々で求め、この求められた平均値が加速度ゼロに対して正か負かを判定する
ことを特徴とする請求項1に記載の歩数演算装置。 - 前記カウント手段は、前記抽出手段で抽出された加速度の変化のピークを抽出し、このピークをカウントする
ことを特徴とする請求項1または2に記載の歩数演算装置。 - 前記カウント手段は、前記抽出手段で抽出された加速度の変化のパワースペクトルの最大値を検出し、この検出された最大値をカウントする
ことを特徴とする請求項1から3の何れか1項に記載の歩数演算装置。
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