JP2005156845A - 粘土用着色剤およびそれを用いた水系硬化型着色粘土 - Google Patents

粘土用着色剤およびそれを用いた水系硬化型着色粘土 Download PDF

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Abstract

【課題】 水系硬化型着色合成粘土における着色剤の水溶出性を防止する。
【解決手段】 顔料、あるいは油溶性染料の微粉末、あるいはこれに加工処理を施してなるプロセスカラーを、重合前のモノマーにできるだけ高濃度に含有させ、このモノマーを使用してサスペンジョン重合、あるいはインサイチュ重合を行わせる。樹脂に被包された微粒子状着色樹脂を分級し、粒径を1.15ミクロン以上に揃えることにより得られた粘土用着色剤を用いれば、(社)日本玩具協会の自主規制基準(STマーク認定基準)の定める水溶出試験を十分に満足させられる安全な有彩色の水系硬化型着色粘土を提供することができる。
【選択図】 なし

Description

本発明は、手工芸用、学校教材用、玩具用等に使用される造形用粘土の着色技術に関し、特に着色剤の水溶出防止を図るのに適用して有効な技術である。
従来、手工芸用、学校教材用、玩具用等に使用される造形用粘土として、天然粘土をはじめ、種々の合成粘土が使用されている。中でも、水系硬化型の合成粘土は、造形後乾燥させた状態で十分に硬化して、造形後の形態保持性が良好なため好んで用いられる。
かかる水系硬化型粘土の着色手法としては、無着色(白色系)の所謂無彩色粘土に、染色による手法、あるいは着色剤の水分散体を用いる手法が採用されてきた(例えば、特許文献1、2、3、4、5参照。)。
また、合成樹脂粉末を有機または無機顔料の水性エマルジョンおよび架橋剤としての自己架橋型アクリル樹脂との水の存在下で混合し、得られた合成樹脂のゲルを乾燥後粉砕した顔料着色性の合成樹脂粉末を使用して、色移りのない着色粘土を製造する方法も提案されている(例えば、特許文献6参照。)。
一方、水系硬化型着色合成粘土を含めた手工芸用、学校教材用、玩具用等に使用される造形用粘土に関しては、使用上の安全に配慮すべく、昭和23年に食品衛生法が施行され、その主旨を汲んで設けられた(社)日本玩具協会の自主規制基準(STマーク認定基準)に適合できるよう努力が図られている。
特公昭47−16421号公報(第1頁右欄第7行〜第29行) 特公昭48−19379号公報(第1頁右欄第8行〜第18行) 特公昭54−3184号公報(第1頁右欄第36行〜第2頁左欄第13行) 特開昭54−153826号公報(第3頁左下欄第11行〜第15行) 特開2001−202004号公報(段落番号[0011]) 特開平1−285982号公報(第3頁第7行〜第4頁第1行)
しかし、現在市販されている水系硬化型着色粘土では、(社)日本玩具協会の自主規制基準(STマーク認定基準)でその安全衛生性が認定された「STマーク」表示を有するものは、無彩色(白色系)無着色の水系硬化型着色合成粘土と、有彩色では水溶出が認められても、法定食用色素は安全なため法定食用色素を用いてSTマークを取得している商品はあるが、着色濃度が高くなるにしたがって、作業上、手にはげしく色移行したりして造形用としては適さず、どのような着色濃度に於ても、色の水溶出がない有彩色の水系硬化型着色合成粘土組成物では知られていない。
すなわち、(社)日本玩具協会の定める自主規制基準(STマーク認定基準)にある色が「水に溶出してはならない」との制限を、現状の水系硬化型着色合成粘土組成物はクリアーすることはできず、STマーク認定を容易に受けられないのが実状である。
これまでの水系硬化型着色合成粘土の着色には、前記の如く、生の無機顔料か有機顔料が、あるいはこれらを粉末分散助剤で易分散化した加工顔料、あるいはこれらの水分散加工着色剤が、あるいは染色手法に用いる水溶性染料が、あるいは法定食用色素が使用されていたため、明らかに水への激しい色の溶出が観察される。
一方、かかる色の水溶出を無くす方法として、無彩色(白色系)無着色水系硬化型着色合成粘土に粒径の大きい非水系着色片を均一に混練したものが市販されているが、しかし、かかる商品は、非水系着色片の粒径が大きく、粘土に一様な着色状態が得られず、着色部分が粘土の地色に点在したような所謂異色点在模様となってしまう。
また、特許文献6に記載の如く、微視的に網目状に結合した透明な樹脂が顔料を抱き込むことにより顔料の水への溶出性は抑制されるものと考えられるが、しかし、水溶出性試験の主旨を満足させるには公報記載の条件だけでは十分ではなく、他の条件が必要と本発明者らは考えた。
上記のように、従来または現状の水系硬化型着色合成粘土組成物には、使用着色剤の水溶出性の問題点、あるいは染色手法を用いた場合には染色助剤の安全衛生上の問題点、使用する加工着色剤の水溶出性がない場合には均一着色性が十分でない等の問題点が解決されていない。
本発明の目的は、水系硬化型着色粘土における着色剤の水溶出性を防止することにある。
本発明者らは上記問題点に鑑み鋭意検討の結果、以下の解決手段を見出した。
本発明は、粘土の着色に使用する着色剤であって、前記着色剤は、顔料あるいは油溶性染料のいずれかの微粉末を含有するモノマーのサスペンジョン重合あるいはインサイチュ重合によって得られる着色樹脂の微粒子であることを特徴とする。
上記の構成において、前記着色樹脂の微粉末又は微粒子は、その粒径が、500ミクロン以下で、且つ(社)日本玩具協会の定める自主規制基準(STマーク認定基準)の水溶出試験に使用される濾紙の目より大きい粒径であることを特徴とする。かかる構成において、濾紙の目より大きい前記粒径とは、1.15ミクロン以上であることを特徴とする。
上記の構成において、前記粘土用着色剤中に、前記顔料あるいは油溶性染料の微粉末は、0.05重量%以上、70重量%以下含有されていることを特徴とする。
上記の構成において、前記粘土用着色剤に含有される前記顔料あるいは油溶性染料は、ポリオレフィン等衛生協議会の定める自主規制基準色材ポジティブリスト記載品から選択されたものであることを特徴とする。
他の本発明は、上記いずれかの構成の粘土用着色剤が、水系硬化型粘土に混合されていることを特徴とする水系硬化型着色粘土である。
本発明により、水系硬化型着色合成粘土における粘土用着色剤の水溶出性を防止することができる。
併せて、かかる粘土用着色剤の粒径を規制することにより、(社)日本玩具協会の自主規制基準(STマーク認定基準)の定める水溶出試験を十分に満足させられる安全な有彩色の水系硬化型着色粘土を提供することができる。
以下、本発明の実施の形態を詳細に説明する。本発明は、非水溶性の媒体に顔料を分散させ、あるいは油溶性染料を非水溶性の媒体に溶解分散させて得られた着色物を、微粒子状で提供し、水系硬化型粘土に混合使用する粘土用着色剤である。
また、もう一つの本発明は、かかる粘土用着色剤を用いて製造される水系硬化型着色粘土であり、(社)日本玩具協会の定める自主規制基準(STマーク認定基準)にある色が「水に溶出してはならない」との基準をクリアーすることができるものでもある。
本実施の形態では、非水溶性の媒体に顔料を分散させ、あるいは油溶性染料を非水溶性の媒体に溶解分散させて得られた着色物を微粒子状態で水系硬化型粘土に混合使用する粘土用着色剤、およびそれを用いた水系硬化型着色粘土について説明する。
本実施の形態の粘土用着色剤は、重合法により、微粒子状の着色樹脂として形成されるものであり、非水溶性の媒体としては樹脂を使用する。
すなわち、本実施の形態の粘土用着色剤は、顔料あるいは油溶性染料のいずれかの微粉末を含有するモノマーを用いて、サスペンジョン重合あるいはインサイチュ重合することにより、当初から微粒子状の着色樹脂を得る。すなわち、非水溶性の媒体である樹脂中に、かかる樹脂の重合段階から、顔料、あるいは油溶性染料等を入れ込むことができる。
顔料としては、無機顔料、有機顔料のいずれをも使用することができる。また、これら顔料あるいは油溶性染料の微粉末は、そのまま直接使用してもよいし、あるいは微粉末を分散助剤、界面活性剤等で易分散化処理してドライカラー、湿潤性カラー、必要によってはペーストカラー、リキッドカラー等に加工処理を行ったものをプロセスカラーとして用いることもできる。
特に、水系硬化型着色粘土の着色に基づく安全衛生性を考慮する場合には、着色剤に含有させる顔料あるいは油溶性染料を、ポリオレフィン等衛生協議会の定める自主規制基準色材ポジティブリスト記載品から選択するようにすればよい。
但し、ポリオレフィン等衛生協議会の自主規制基準色材ポジティブリストに記載がなくても、使用着色剤の各種の安全衛生性に問題のないデータがあれば、この限りではない。
また顔料、油溶性染料を、モノマーに分散し、又は溶解させるための分散剤、あるいは分散助剤としては、脂肪酸およびこの誘導体、脂肪酸の金属塩、アマイド系、パラフィン系、あるいはワックス系滑剤、非イオン(両性、ノニオン)系、あるいはアニオン系界面活性剤、および可塑剤、植物油、鉱油、合成油、場合によってはグリース、グリセリン等の水に不溶の油性高沸点不揮発性液体、あるいは半固体等から選択すればよい。
また、かかる顔料、油溶性染料を混合するモノマーとしては、例えば、スチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエン、α−クロロスチレン、クロロスチレン、ジビニルベンゼン、ジイソプロペニルスチレン等のビニル系芳香族モノマー、(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸n−プロピル、(メタ)アクリル酸n−ブチル、(メタ)アクリル酸シクロヘキシル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸ヒドロキシブチル、(メタ)アクリル酸ジメチルアミノエチル、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコール(メタ)アクリレート、テトラエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ヘキサエチレングリコール(メタ)アクリレート、1,4−ブタンジオール(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、(メタ)アクリロニトリル等のアクリル系モノマー、エチルビニルエーテル、n−プロピルビニルエーテル、n−ブチルビニルエーテル、n−ヘキシルビニルエーテル、シクロヘキシルビニルエーテル、フェニルビニルエーテル等のビニルエーテル系モノマー、蟻酸ビニル、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、酪酸ビニル等のビニルエステル系モノマー、塩化ビニル、塩化ビニリデン、臭化ビニリデン等のハロゲン化ビニルモノマー、(メタ)アリルアルコール、メチル(メタ)アリルエーテル、1,4−ブタンジ(メタ)アリルエーテル、トリメチロールプロパントリ(メタ)アリルエーテル、酢酸(メタ)アリル、プロピオン酸(メタ)アリル、ジ(メタ)アリルフタレート、トリ(メタ)アリルシアヌレート等のアリル系モノマー等から選定すればよく、単体または2種以上を混合して共重合させてもよい。
重合させようとするモノマーに、無機顔料、有機顔料、油溶性染料が均一に分散または溶解するように、必要によっては分散助剤や架橋剤を加え、攪拌して均一化する。その後、別に用意した分散剤、分散安定剤を均一混合した温水溶液に徐々に添加して均一攪拌すると同時に、重合開始剤を加えて攪拌する。
場合によっては加圧下で、アルコール類、あるいは低沸点炭化水素系溶媒を添加して攪拌を続け、サスペンジョン重合、インサイチュ重合を行う。このようにして得られた着色重合物を、洗浄、濾過、乾燥(場合によっては、真空乾燥)して、目的とする微粒子状の粘土用着色剤が得られる。尚、架橋剤を併用した場合は、樹脂が3次元構造をとるので得られる着色樹脂は、熱硬化性樹脂の微粒子状の粘土用着色剤となる。
サスペンジョン重合、インサイチュ重合用懸濁温水溶液用分散剤としては、ポリビニルアルコール、カルボキシメチルセルロース、ゼラチン、デンプン等の水溶性高分子から選択する。また、分散安定剤としては、硫酸バリウム、硫酸カルシウム、炭酸バリウム、タルク、炭酸カルシウム、コロイダルシリカ等が使用できる。
重合開始剤としては、ベンゾイルパーオキサイド、ラウロイルパーオキサイド、ジクミルパーオキサイド、2,2‘−アゾビスイソブチロニトリル等のラジカル発生剤から選択して使用すればよい。
また、ブロッキング防止剤(外部潤滑剤)を用いる場合には、脂肪酸の金属塩、アマイド系滑剤、タルク、クレー、酸化珪素等を使用すればよい。
このようにして得られた粘土用着色剤微粉末の微粒子は、微視的には、球状、あるいは真球状に形成されている。
着色樹脂の微粒子形状が、球状、あるいは真球状に形成されていることにより、角や突起が見られる粒子形状の場合とは異なり、着色樹脂を混合させてなる水系硬化型着色粘土の手触りの滑らかさを向上させることができる。
このようにして得られた粘土用着色剤は、重合条件を適宜調節することにより得られる着色樹脂の粒径を揃え易いため、製造工程における分級の手間を抑えることができ、併せて、規格外粒径品の発生を少なくして規格内品の歩留まりを良好にすることができる。製造コストをより低く抑えることができる。
かかる構成の粘土用着色剤を、水系硬化型合成粘土に混合させることにより水系硬化型着色合成粘土を製造することができる。特に、本実施の形態の水系硬化型着色合成粘土では、粘土用着色剤として、粒子形状が丸みを帯びた形状となるため、得られる水系硬化型着色合成粘土の手触りがより滑らかとなる場合がある。
また、特にインサイチュ重合を採用する場合には、かかる粒子形状を有する微粒子状の粘土用着色剤では、顔料、あるいは油溶性染料等が、外殻樹脂に含まれ、内部は中空状態となっている。かかるインサイチュ重合を採用することにより粘土用着色剤はより軽量化され、水系硬化型着色合成粘土のより積極的な軽量化を図ることができる。
さらに、サスペンジョン重合、インサイチュ重合おいて、架橋剤を使用すれば、樹脂内が3次元の網目構造となり、網目内に顔料や油溶性染料等が閉じ込められた熱硬化性樹脂となる。
上記構成の粘土用着色剤であれば、色が水に溶出することはない。しかし、(社)日本玩具協会の定める自主規制基準(STマーク認定基準)の水溶出試験をクリアーさせるためには、かかる処理だけでは十分でないことに本発明者らは気付いた。すなわち、溶出試験では所定メッシュの濾紙で濾過した濾液に色がついてないことが求められている。
因みに、(社)日本玩具協会の定める自主規制基準(STマーク認定基準)の水溶出試験は、次のように規定されている。すなわち、表面積1cm2につき、2mlの割合の40℃の温水を加え、40℃に保ちながら、10分間試料を浸漬した後、アドバンテックNo.5Cの濾紙で濾過し、濾液について目視比色法で色の溶出を判定する。
確かに、本発明の粘土用着色剤を使用しても、従来品とは異なり、水に色が溶出する現象は防げるが、濾液に分散した粘土用着色剤の微粒子が濾液と共に濾紙を通過する場合も考えられる。本発明者らは、より厳格に、かかる着色剤の濾紙通過をも防止できるようにと考えた。
そこで、本発明者らは、粘土用着色剤の粒径を、試験に用いる濾紙の目より大きいものとすることを発案した。このようにすれば、濾紙を通過する水には一切着色現象が発生しない。
すなわち、粘土用着色剤の粒径が、(社)日本玩具協会の定める自主規制基準(STマーク認定基準)の水溶出試験に使用される濾紙の目を通過しない粒径以上となるように設定した。
現行の基準では、濾紙の目が1ミクロンに設定されているため、着色樹脂の粒径は、1ミクロンより大きければよいこととなる。粘土用着色剤が濾紙を通過する濾液に混じらないようにするには、1.15ミクロン以上に粒径を設定すれば十分であることが分かった。
一方、水系硬化型粘土に粘土用着色剤を混ぜた場合に、混合した粘土用着色剤である着色樹脂の粒子が粗いと粘土中の樹脂粒子が目立ち、見た目の着色の均一性が十分に得られない場合がある。そこで、実験の結果、着色の均一性が得られる範囲としては、その粒径が500ミクロン以下であればよいことが分かった。
このようにサスペンジョン重合、インサイチュ重合により得られた微粒子状の着色樹脂は、1.15ミクロン以上、500ミクロン以下の範囲内で、より好ましく5ミクロン以上、20ミクロン以下の範囲内に粒径が収まるように分級すれば、(社)日本玩具協会の定める自主規制基準(STマーク認定基準)の水溶出試験の基準を満たし、且つ、着色の均一性が確保される水系硬化型着色粘土用にできる粘土用着色剤が得られる。
尚、顔料あるいは油溶性染料の微粉末は、粘土用着色剤の0.05重量%以上、70重量%以下となるように混合すればよい。
本発明の水系硬化型着色粘土の構成では、上記粘土用着色剤を水系硬化型粘土に所定量混合させて着色状態を創出するため、粘土用着色剤の色が当初より薄くては着色させにくく、ある程度の濃さが必要である。
一方、本発明の粘土用着色剤は、顔料あるいは油溶性染料を樹脂に混合させて顔料あるいは油溶性染料が水に溶出しないように抑えるため、水溶出を効果的に抑制できるように樹脂量をある程度確保しなければならない。
すなわち、0.05重量%未満では、本発明の粘土用着色剤を混合させて得られる水系硬化型粘土の着色性が十分確保できない場合があり、一方70重量%より多く含有させると、樹脂量が少なく粘土用着色剤に用いた顔料あるいは油溶性染料の水溶出の虞がある。
そのため、かかる観点から、顔料、あるいは油溶性染料は、粘土用着色剤に対して、0.05重量%以上、70重量%以下となるように配合すればよい。より好ましくは、1重量%以上、45重量%以下である。
また、本発明の水系硬化型着色粘土は、上記説明の粘土用着色剤を、水系硬化型粘土に混合すれば製造できる。水系硬化型の粘土としては、種々の特長を有したものが上市され、あるいは考案されているが、その代表的な例として、表1にその組成を示す三つの水系硬化型合成粘土を挙げることができる。
Figure 2005156845
表1に示す組成物1として表示する水系硬化型合成粘土は、水溶性樹脂10重量部と、澱粉30重量部と、繊維素材10重量部と、充填剤5重量部と、水51重量部とからなる。
より具体的には、糊剤としての水溶性樹脂として、疎水性樹脂とポバールの共重合体(登録商標 HVポリマー)を使用する。澱粉としては、例えば、小麦粉等の澱粉質のものなら何でも使用することができる。中でも、粘土のキメ細かさ、肌の白さを得るにはコーンスターチが好ましい。
繊維素材としては、例えばパルプを使用する。充填剤としては、例えば、タルクを使用する。タルク等の無機質粉体以外にも、粘土全体の軽量化を図るためには、シラスバルーン等の多孔質体、発泡ポリスチレン等の発泡微粒球状を使用してもよい。
かかる組成を有する水系硬化型合成粘土では、充填剤をタルクのような無機質の無発泡体より、シラスバルーンあるいは発泡微粒球状(又は粉砕品)樹脂に置き換えることによって、比重は小さくなり、造形後の肌のキメが細かく、かつ適度に軟らかく、肌色が白い水系硬化型合成粘土になる。
かかる水系硬化型合成粘土は、表1に示す配合割合に限定する必要はなく、適宜必要に応じて、次に示すような範囲で配合割合を調節することができる。すなわち、水溶性樹脂量を1〜20重量部、好ましくはポリエチレンオキサイドを0.2〜3重量部、澱粉4〜60重量部、繊維素材1〜20重量部、残部を水、あるいは残部を水および多孔質材とすればよい。
例えば、水溶性樹脂10重量部と、澱粉25重量部と、繊維素材10重量部と、シラスバルーン5重量部と、水50重量部のような配合割合が挙げられる。あるいは、水溶性樹脂10重量部と、澱粉25重量部と、繊維素材10重量部と、微粒球状発泡樹脂5重量部のような配合割合も好ましい例として挙げられる。
表1に示す組成物2として表示する水系硬化型合成粘土は、水溶性樹脂11.2重量部と、澱粉2重量部と、繊維素材8重量部と、微小球状中空体樹脂16重量部、グリセリン5重量部、機械油5重量部、水44.8重量部とからなる。
より具体的には、水溶性樹脂として、カルボキシメチルセルロース(CMCと略記)とポリビニルアルコール(PVAと略記)を使用すればよい。かかるCMCとしては、エーテル化度が1.0以上で、1%水溶液の25℃の粘度が700mPa.sのものを使用した。PVAとしては、ポリビニルアセテートの部分ケン化物でケン化度が88mol%のものを使用した。尚、PVAは、1.2重量部使用した。
澱粉としては、α化澱粉を使用した。繊維素材としては、粉末パルプを使用した。微小球状中空体樹脂としては、粒子中に気体を内包する中空状微小球体の軽量微小素材である。一般に、外殻が塩化ビニリデン−アクリロニトリル共重合体
で、20〜150ミクロンの粒径で、嵩比重は0.02である。
かかる組成を有する水系硬化型合成粘土は、軽量であり、色も白く、適度な硬さと伸び易さと、適度なもろさを有し、べたつきの少ない合成粘土である。
尚、外殻を形成する樹脂は、酢酸ビニル−アクリロニトリル共重合樹脂、メチルメタクリレート−アクリロニトリル共重合樹脂等でもよい。また、CMCとPVAの比率が、重量比で10:0.5〜10:3の範囲で適宜調節することができる。
表1で組成物3として表示する水系硬化型合成粘土は、水溶性樹脂としてポリビニルアルコール(PVAと略記)10重量部と、ポリエチレンオキサイド(PEOと略記)1重量部、酢酸ビニル樹脂エマルジョン6重量部、微小球状中空体樹脂14重量部、繊維素材4重量部、非イオン系界面活性剤3重量部、水62重量部とからなる。
より具体的には、PVAは、ポリビニルアセテートの部分ケン化物で、ケン化度が88mol%、3%水溶液が20℃の粘度が850mPa.sのものを使用した。PEOは、平均分子量70万のエチレンオキサイドの開環重合体を使用した。酢酸ビニル樹脂エマルジョンは、昭和高分子社製ポリゾールS−6を使用した(使用量は、固形分量で示してある)。
繊維素材には、粉末パルプを使用した。非イオン系界面活性剤は、HLB=10.0〜18.9のポリオキシエチレンアルキルエーテルを使用した。微小中空体球状樹脂は、松本油脂社製のマイクロスフェアーF−50Eを使用した(使用量は、固形分量で示してある)。
かかる水系硬化型合成粘土は、表1の配合割合に限定する必要はなく、適宜必要に応じて、配合割合を調節することができる。
例えば、PVA5〜10重量部、PEO0.5〜1.5重量部、酢酸ビニル樹脂エマルジョン1.5〜7重量部、繊維素材0.5〜4重量部、微小球状中空樹脂5〜15重量部、非イオン系界面活性剤2〜8重量部、残部を水、あるいは水と流動パラフィン、ソルビトール、グリコール類等の補湿剤として、適宜必要に応じて配合割合を調節しても構わない。
かかる組成を有する水系硬化型合成粘土は、硬化時の変形耐久性に優れ、作業性、手触りが良好で、かつ、軽量である。
このようにして前記説明の粘土用着色剤を上記組成の無彩色の水系硬化型合成粘土に所要量混ぜることにより、有彩色の水系硬化型着色合成粘土組成物が製造できる。粘土用着色剤の混合量は、水系硬化型着色合成粘土に所要の色の濃さが演出されるように適当量混合すればよい。
以下、上記実施の形態で説明した本発明を、代表的な実施例でより具体的に示すとともに、併せて比較例と対比することにより本発明の有効性を検証する。
本実施例1で説明する粘土用着色剤は、前記実施の形態で説明した粘土用着色剤であって、顔料あるいは油溶性染料のいずれかの微粉末を含有するモノマーを用いて、サスペンジョン重合することにより、微粒子状に形成された着色樹脂である。
かかる粘土用着色剤は、次のようにして製造した。すなわち、5%苛性ソーダ水溶液で重合抑制剤を除去したメタクリル酸メチルモノマー100重量部に、カラーインデックスナンバーソルベントレッド24(オリエント化学工業社製、Oil Red RR)の油溶性染料20重量部と、染料の分散助剤として非イオン系界面活性剤のポリオキシエチレンラウリルエーテル(HLB=6.3)を染料に対して3重量部を、常温で、窒素置換下ホモミキサーで攪拌して均一化した。
上記均一化したものに、さらに1.5重量部のベンゾイルパーオキサイドを加えて均一化させたものを、別に用意した55℃の温水200重量部に、完全ケン化ポリビニルアルコール(重合度1700、酢酸基1mol%)1.5重量部、部分ケン化ポリビニルアルコール(重合度1700、酢酸基10mol%)0.2重量部と、窒素置換下ホモミキサーで均一化させた温水液に徐々に添加攪拌を続け、均一になった後に、さらに炭酸カルシウム5重量部を加えて、水温を80℃にて6時間攪拌を行った。
その後、徐々に冷却して、60℃の温水で、洗浄、濾過、乾燥させて、分級して平均粒径20ミクロンの赤色真球状の加工着色剤を得た。再凝集を防止するために、ブロッキング防止剤としてエチレンビスステアロアマイド微粉末を加工着色剤に対して0.1重量部を外部潤滑した。
かかる赤色の粘土用着色剤を、実施の形態で説明した組成物1、2、3の3種の水系硬化型粘土に、表1記載の全量に対して10重量部混練して水系硬化型着色合成粘土を製造した。
このようにして得られた各々の水系硬化型着色合成粘土を、前記実施の形態で説明した(社)日本玩具協会の定める自主規制基準(STマーク認定基準)の水溶出試験にかけ、その結果を表2に示す。濾液には着色が見られず、粘土用着色剤の水溶出性は認められなかった。
尚、水溶出試験は、次のようにして行った。本発明に係る水系硬化型着色合成粘土を、50mm×50mm×1mmの板状にしたものをビーカーに入れ、40℃の温水50mlを加えて浸漬し、ウォーターバス上で40℃、10分間溶出試験を行った。その後、アドバンテックNo.5C濾紙で濾過後、目視比色法で判定した。
本実施例2で説明する粘土用着色剤は、顔料あるいは油溶性染料のいずれかの微粉末を含有するモノマーを用いて、サスペンジョン重合することにより、微粒子状に形成された着色樹脂である。
かかる粘土用着色剤は、次のようにして製造した。すなわち、蒸留精製して、重合抑制剤を除去したメタクリル酸メチルモノマー100重量部と、エーテル化ポリアミン1重量部を、窒素置換下ホモミキサーで攪拌して均一化した後、カラーインデックスナンバーピグメントレッド122(ヘキスト社製、PV Fast Pink E)の赤色有機顔料20重量部と、顔料の分散助剤としてソルビタンモノオレート(HLB=4.3)の非イオン系界面活性剤を顔料に対して3重量部とエチレンビスステアロアマイド5重量部を加え、常温で攪拌して均一化した。
かかる均一化したのものに、さらに、1.5重量部のベンゾイルパーオキサイドを加えて均一化させ、別に用意した60℃の温水200重量部に、完全ケン化ポリビニルアルコール(重合度1700、酢酸基1mol%)1.5重量部、部分ケン化ポリビニルアルコール(重合度1700、酢酸基10mol%)0.2重量部を、窒素置換下ホモミキサーで均一化させた温水液に徐々に添加し、攪拌を続け均一になった後に、炭酸カルシウム5重量部を加えて、水温を80℃にて6時間攪拌を行った。
その後、徐々に冷却して、60℃の温水で、洗浄、濾過、乾燥させて、分級して平均粒径20ミクロンの赤色真球状の加工着色剤を得た。再凝集を防止するために、ブロッキング防止剤としてエチレンビスステアロアマイド微粉末を加工着色剤に対して0.1重量部を外部潤滑した。
かかる赤色の粘土用着色剤を、実施の形態で説明した組成物1、2、3の3種の水系硬化型粘土に、表1記載の全量に対して15重量部混練して水系硬化型着色合成粘土を製造した。
このようにして得られた各々の水系硬化型着色合成粘土を、前記実施の形態で説明した(社)日本玩具協会の定める自主規制基準(STマーク認定基準)の水溶出試験にかけ、その結果を表2に示す。濾液には着色が見られず、粘土用着色剤の水溶出性は認められなかった。
本実施例3で説明する粘土用着色剤は、顔料あるいは油溶性染料のいずれかの微粉末を含有するモノマーを用いて、インサイチュ重合することにより、微粒子状に形成された着色樹脂である。
かかる粘土用着色剤は、次のようにして製造した。すなわち、蒸留精製して、重合抑制剤を除去したメタクリル酸メチルモノマー50重量部と、アクリロニトリルモノマー50重量部、カラーインデックスナンバーソルベントブルー78(バイエル社製、Ceres Blue R)の青色油溶性染料20重量部と、染料の分散助剤としてポリオキシエチレンラウリルエーテル(HLB=6.3)の非イオン系界面活性剤を染料に対して3重量部とエチレンビスステアロアマイド5重量部とを加え、常温で窒素置換下ホモミキサーで攪拌して均一化させた。
かかる均一化したのものに、さらに、1重量部のアゾイソブチロニトリルとイソブタン10重量部を加えて均一化させた後、別にオートクレーブ中に用意した水200重量部、コロイダルシリカ10重量部、アジピン酸エタノールアミン縮合物1重量部を常温で、窒素置換下ホモミキサーで攪拌して均一化させたものに、徐々に添加して均一分散させた。
この分散液をオートクレーブ中で、加圧窒素置換下70℃で15時間攪拌した。その後、洗浄、濾過、乾燥、分級して平均粒径10ミクロンの青色真球状の加工着色剤を得た。その後、100℃で1分間加熱すると嵩は5倍の中空状になった。冷却後、再凝集を防止するために、ブロッキング防止剤としてエチレンビスステアロアマイド微粉末を加工着色剤に対して0.1重量外部潤滑した。
かかる青色の粘土用着色剤を、実施の形態で説明した組成物1、2、3の3種の水系硬化型粘土に、表1記載の全量に対して15重量部混練して水系硬化型着色合成粘土を製造した。
このようにして得られた各々の水系硬化型着色合成粘土を、前記実施の形態で説明した(社)日本玩具協会の定める自主規制基準(STマーク認定基準)の水溶出試験にかけ、その結果を表2に示す。濾液には着色が見られず、粘土用着色剤の水溶出性は認められなかった。
以上の例は、乾燥させた完全な最終製品を使用したが、乾燥させずに、例えば、スラリー状の中間製品を使用してもよい。
(比較例1)
本比較例1では、前記実施例1〜3までの本発明にかかわる粘土用着色剤と比較するため、粘土用の着色剤を顔料の水の分散体とした場合を示す。
すなわち、水80重量部、カラーインデックスナンバーピグメントレッド238(山陽色素社製、Permanent Carmine F5B)の赤色有機顔料17重量部と、ポリオキシエチレンラウリルエーテル(HLB=10.5)2重量部、ジアルキルスルホコハクン酸ナトリウム(固形分70%)1重量部を、ボールミルで均一分散混合して、粘土用の着色剤としての赤色有機顔料の水分散体を得た。
かかる赤色の着色剤を、実施の形態で説明した組成物1、2、3の3種の水系硬化型粘土に、表1記載の全量に対して15重量部を加え、オープン型ニーダーで均一混練することにより均一に着色された水系硬化型着色合成粘土を製造した。
このようにして得られた各々の水系硬化型着色合成粘土を、前記実施の形態で説明した(社)日本玩具協会の定める自主規制基準(STマーク認定基準)の水溶出試験にかけ、その結果を表2に示す。濾液は着色しており、明らかに着色剤の水溶出性が認められた。
(比較例2)
本比較例2でも、比較例1と同様に、粘土用の着色剤を顔料の水分散体とした場合を示す。
すなわち、水80重量部、カラーインデックスナンバーピグメントイエロー151(大日本インキ化学工業社製、Symuler Fast Yellow 4GO)の黄色有機顔料15重量部と、ポリオキシエチレンラウリルエーテル(HLB=10.5)3重量部、ジアルキルスルホコハクン酸ナトリウム(固形分70%)2重量部を、ボールミルで均一分散混合して、黄色有機顔料の水分散体を得た。
かかる黄色の着色剤を、実施の形態で説明した組成物1、2、3の3種の水系硬化型粘土に、表1記載の全量に対して20重量部を加え、オープン型ニーダーで均一混練することにより均一に着色された水系硬化型着色合成粘土を製造した。
このようにして得られた各々の水系硬化型着色合成粘土を、前記実施の形態で説明した(社)日本玩具協会の定める自主規制基準(STマーク認定基準)の水溶出試験にかけ、その結果を表2に示す。濾液は着色しており、明らかに着色剤の水溶出性が認められた。
(比較例3)
本比較例3でも、比較例1と同様に、粘土用の着色剤を顔料の水分散体とした場合を示す。
すなわち、水80重量部、カラーインデックスナンバーピグメントブルー15−3(山陽色素社製、Cyanine Blue KRO)の青色有機顔料15重量部と、ポリオキシエチレンラウリルエーテル(HLB=10.5)3重量部、ジアルキルスルホコハクン酸ナトリウム(固形分70%)2重量部を、ボールミルで均一分散混合して、青色有機顔料の水分散体を得た。
かかる青色の着色剤を、実施の形態で説明した組成物1、2、3の3種の水系硬化型粘土に、表1記載の全量に対して20重量部を加え、オープン型ニーダーで均一混練することにより均一に着色された水系硬化型着色合成粘土を製造した。
このようにして得られた各々の水系硬化型着色合成粘土を、実施の形態で説明した(社)日本玩具協会の定める自主規制基準(STマーク認定基準)の水溶出試験にかけ、その結果を表2に示す。濾液は着色しており、明らかに着色剤の水溶出性が認められた。
(比較例4〜8)
本比較例4〜8までは、顔料そのままを粘土用の着色剤として用い、実施の形態で説明した組成物1、2、3の3種の水系硬化型粘土に、表1記載の全量に対して下記の混合量で、オープン型ニーダーで均一混練することによりおおむね均一に着色された水系硬化型着色合成粘土を製造した。
比較例4では赤色有機顔料として前記ピグメントレッド238を2.5重量部、比較例5では黄色有機顔料としてピグメントイエロー83(山陽色素社製、Pigment Yellow IRC )を2.5重量部、比較例6では青色有機顔料として前記ピグメントブルー15−3を2.5重量部、比較例7では赤色無機顔料としてピグメントレッド101〜102(戸田工業社製、弁柄140M)を4重量部、比較例8では黄色無機顔料としてピグメントイエロー53(石原産業社製、Tipaque Yellow TY-70S)を4重量部用いて、水系硬化型着色粘土をつくった。
このようにして得られた各々の水系硬化型着色合成粘土を、実施の形態で説明した(社)日本玩具協会の定める自主規制基準(STマーク認定基準)の水溶出試験にかけ、その結果を表2に示す。比較例4〜8まで、全て濾液は着色しており、明らかに着色剤の水溶出性が認められた。
Figure 2005156845
本発明は、上記実施の形態、実施例に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で必要に応じて変更してもよい。
例えば、本発明の粘土用着色剤は、前記表1に例示した水系硬化型合成粘土に着色する場合を示したが、当然にその他の組成の合成粘土、天然粘土に混ぜるようにしても構わない。
本発明は、手工芸用、学校教材用、玩具用等に使用される造形用粘土における着色剤の水溶出防止着色技術に利用できる。

Claims (6)

  1. 粘土の着色に使用する着色剤であって、
    前記着色剤は、顔料あるいは油溶性染料のいずれかの微粉末を含有するモノマーのサスペンジョン重合あるいはインサイチュ重合によって得られる着色樹脂の微粒子であることを特徴とする粘土用着色剤。
  2. 請求項1記載の粘土用着色剤において、
    前記着色樹脂の微粒子は、その粒径が、500ミクロン以下で、且つ(社)日本玩具協会の定める自主規制基準(STマーク認定基準)の水溶出試験に使用される濾紙の目より大きい粒径であることを特徴とする粘土用着色剤。
  3. 請求項2記載の粘土用着色剤において、
    濾紙の目より大きい前記粒径とは、1.15ミクロン以上であることを特徴とする粘土用着色剤。
  4. 請求項1ないし3のいずれか1項に記載の粘土用着色剤において、
    前記粘土用着色剤中に、前記顔料あるいは油溶性染料の微粉末は、0.05重量%以上、70重量%以下含有されていることを特徴とする粘土用着色剤。
  5. 請求項1ないし4のいずれか1項に記載の粘土用着色剤において、
    前記粘土用着色剤に含有される前記顔料あるいは油溶性染料は、ポリオレフィン等衛生協議会の定める自主規制基準色材ポジティブリスト記載品から選択されたものであることを特徴とする粘土用着色剤。
  6. 請求項1ないし5のいずれか1項に記載の粘土用着色剤が、水系硬化型粘土に混合されていることを特徴とする水系硬化型着色粘土。
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