JP2005155384A - ターボチャージャを備える内燃機関の故障診断装置 - Google Patents

ターボチャージャを備える内燃機関の故障診断装置 Download PDF

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Abstract

【課題】 この発明は、ターボチャージャを備える内燃機関の故障診断装置に関し、タービン回転数が変化する過渡時においても精度良く故障診断を行うことを目的とする。
【解決手段】 タービンシャフト32の角速度ωsの演算をループ内に含むモデル演算を行って、コンプレッサ通過ガス流量(mドットcomp)、および吸気マニホールド圧力Pinのモデル演算値を算出する。コンプレッサ28の下流に配置されたエアフロメータ42によりmドットcompを実測する。スロットルバルブ34の下流に配置した吸気圧センサ44によりPinを実測する。mドットcompの実測値とモデル演算値との偏差、およびPinの実測値とモデル演算値との偏差が正常範囲に収まっているか否かにより故障を診断する。
【選択図】 図2

Description

この発明は、ターボチャージャを備える内燃機関の故障診断装置に係り、特に、ターボチャージャを備える内燃機関に故障が生じているか否かをモデル演算により診断する故障診断装置に関する。
特開2003−120304号公報には、ターボチャージャを備える内燃機関の故障診断装置が開示されている。ここに開示される内燃機関は、より具体的には、可変容量ターボを備えている。上記従来の装置は、可変容量ノズルが最大開度、或いは最小開度にある場合に限定して故障診断を行うことで、可変容量ノズルの影響を排除して故障診断を行うことを可能としている。
そして、この装置は、可変容量ノズルが最大開度、或いは最小開度である場合に、機関回転数Neと燃料噴射量とに対応する規定過給圧が発生しているか否かを見ることで、ターボチャージャを備える内燃機関に故障が生じているか否かを判断することとしている。このような装置によれば、システムに何らかの異常が発生して、正常な過給が行い得なくなった場合に、故障の発生を速やかに検知することができる。
特開2003−120304号公報
しかしながら、ターボチャージャによる過給圧は、タービン回転数の変化する過渡時には、機関回転数Neおよび燃料噴射量に対して一義的には決まらない。そして、上記従来の装置によれば、機関回転数Neと燃料噴射量に対して過給圧が一義的に決まらない状況下では、正確な故障診断を行うことができない。このため、この装置は、タービン回転数が一定となる定常時にしかシステムの故障診断を行い得ないものであった。
この発明は、上述のような課題を解決するためになされたもので、ターボチャージャを備える内燃機関に故障が生じているか否かを、タービン回転数が変化する過渡時においても精度良く判断することのできる故障診断装置を提供することを目的とする。
第1の発明は、上記の目的を達成するため、ターボチャージャを備えた内燃機関の故障診断装置であって、
コンプレッサ通過ガス流量(mドットcomp)およびコンプレッサ通過エンタルピ(eドットcomp)と、コンプレッサ下流空間からの流出ガス流量および流出エンタルピとに基づいて、コンプレッサ下流温度Tcompおよびコンプレッサ下流圧力Pcompを算出するコンプレッサ下流空間モデルと、
コンプレッサ下流温度Tcompおよびコンプレッサ下流圧力Pcompと、内燃機関の運転状態とに基づいて、コンプレッサ下流空間からの流出ガス流量および流出エンタルピを演算する第1エンジンモデルと、
大気圧Patm、大気温度Tatm、コンプレッサ下流圧力Pcompおよびタービンシャフト回転数ωsに基づいて、コンプレッサ通過ガス流量(mドットcomp)およびコンプレッサ通過エンタルピ(eドットcomp)を算出するコンプレッサガスモデルと、
排気マニホールド圧力Pex、排気マニホールド温度Tex、大気圧Patmおよびタービンシャフト回転数ωsに基づいて、タービン通過ガス流量(mドットturb)およびタービン通過エンタルピ(eドットturb)を算出するタービンガスモデルと、
タービンがタービンシャフトに及ぼす機械エネルギLturbと、コンプレッサがタービンシャフトから受け取る機械エネルギLcompとに基づいてタービンシャフト回転数ωsを算出するシャフト回転数モデルと、
タービン通過ガス流量(mドットturb)、排気マニホールド圧力Pex、排気マニホールド温度Tex、大気圧Patmおよびタービンシャフト回転数ωsに基づいて、タービンがタービンシャフトに及ぼす機械エネルギLturbを算出するタービンモデルと、
コンプレッサ通過ガス流量(mドットcomp)、大気圧Patm、大気温度Tatm、コンプレッサ下流圧力Pcompおよびタービンシャフト回転数ωsに基づいて、コンプレッサがタービンシャフトから受け取る機械エネルギLcompを算出するコンプレッサモデルと、
内燃機関の運転状態に基づいて、内燃機関から排気マニホールドに流出する排気ガス流量(mドットex)および排気エンタルピ(eドットex)を算出する第2エンジンモデルと、
タービン通過ガス流量(mドットturb)およびタービン通過エンタルピ(eドットturb)と、排気ガス流量(mドットex)および排気エンタルピ(eドットex)とに基づいて、排気マニホールド圧力Pexおよび排気マニホールド温度Texを算出する排気マニホールドモデルと、
上記のモデルにより算出されるガス流量、温度、および圧力のうち少なくとも一つを実測する実測センサと、
前記実測センサによる実測値と、その実測値に対応するモデル算出値との比較結果に基づいて故障の有無を判定する故障判定手段と、
を備えることを特徴とする。
また、第2の発明は、第1の発明において、
前記タービンと吸気マニホールドの間に配置されたスロットルバルブを備え、
前記コンプレッサ下流空間は、前記スロットルバルブの上流の空間であり、
前記コンプレッサ下流空間からの流出ガス流量および流出エンタルピは、それぞれスロットル流通ガス流量(mドットth)およびスロットル流通エンタルピ(eドットth)であり、
前記第1エンジンモデルは、
コンプレッサ下流温度Tcomp、コンプレッサ下流圧力Pcomp、スロットル開度、および吸気マニホールド圧力Pinに基づいて、スロットル流通ガス流量(mドットth)およびスロットル流通エンタルピ(eドットth)を算出するスロットルモデルと、
内燃機関の運転状態、吸気マニホールド圧力Pin、および吸気マニホールド温度Tinに基づいて内燃機関への筒内流入ガス流量(mドットcyl)および筒内流入エンタルピ(eドットcyl)を算出する筒内流入モデルと、
スロットル流通ガス流量(mドットth)およびスロットル流通エンタルピ(eドットth)と、筒内流入ガス流量(mドットcyl)および筒内流入エンタルピ(eドットcyl)とに基づいて、吸気マニホールド圧力Pin、および吸気マニホールド温度Tinを算出する吸気マニホールドモデルと、を含み、
前記第2エンジンモデルは、
筒内流入ガス流量(mドットcyl)と燃料噴射量qfとに基づいて排気ガス流量(mドットex)を算出する排気ガス流量モデルと、
筒内流入エンタルピ(eドットcyl)と、燃料の燃焼エネルギ(eドットqf)と、外部への仕事エネルギWcrankと、損失エネルギ(eドットloss)との収支計算により排気エンタルピ(eドットex)を算出する排気エンタルピモデルとを含むことを特徴とする。
また、第3の発明は、第1又は第2の発明において、
前記ターボチャージャは、タービンの有効径を変化させる可変ノズルを備え、
前記タービンガスモデルは、更に可変ノズル開度を基礎として前記タービン通過ガス流量(mドットturb)を算出し、
前記タービンモデルは、更に可変ノズル開度を基礎として前記機械エネルギLturbを算出することを特徴とする。
また、第4の発明は、第1乃至第3の発明の何れかにおいて、
大気圧センサと、
大気温度センサと、
コンプレッサ下流圧力センサと、
排気マニホールド圧力センサと、
排気マニホールド温度センサと、
前記タービンモデルが用いる演算式に、排気マニホールド圧力Pexの実測値、排気マニホールド温度Texの実測値、および大気圧Patmの実測値を代入することで、タービンがタービンシャフトに及ぼす機械エネルギLturbの実推定値を算出するタービンエネルギ実推定値算出手段と、
前記コンプレッサモデルが用いる演算式に、大気圧Patmの実測値、大気温度Tatmの実測値、およびコンプレッサ下流圧力Pcompの実測値を代入することで、コンプレッサがタービンシャフトから受け取る機械エネルギLcompの実推定値を算出するコンプレッサエネルギ実推定値算出手段と、
前記機械エネルギLturbの実推定値と、前記機械エネルギLcompの実推定値とに基づいて、タービンシャフト両側のエネルギ収支が釣り合っているか否かを判断するエネルギ収支判断手段と、
前記故障判定手段によって故障の発生が判定されている場合に、前記エネルギ収支の釣り合いが認められる場合は、故障の発生箇所を内燃機関と特定し、一方、前記エネルギ収支の釣り合いが認められない場合は、故障の発生箇所をターボチャージャと特定する故障個所特定手段と、
を備えることを特徴とする。
また、第5の発明は、第4の発明において、
吸入空気量を測定するエアフロメータを備え、
前記コンプレッサエネルギ実推定値算出手段は、前記コンプレッサモデルが用いる演算式に、前記エアフロメータによる実測空気量を前記コンプレッサ通過ガス流量(mドットcomp)として代入することで、前記機械エネルギLcompの実推定値を算出することを特徴とする。
また、第6の発明は、第4又は第5の発明において、吸入空気量を測定するエアフロメータと、
内燃機関の噴射される燃料量を検知する燃料噴射量検知手段とを備え、
前記タービンエネルギ実推定値算出手段は、
前記タービンモデルが用いる演算式に、前記エアフロメータによる実測空気量と燃料噴射量との和を前記タービン通過ガス流量(mドットturb)として代入することで、前記機械エネルギLturbの実推定値を算出することを特徴とする。
また、第7の発明は、第4乃至第6の発明の何れかにおいて、
前記タービンエネルギ実推定値算出手段は、タービンシャフトωsに代えて、代表的な既定のタービン効率ηtを基礎として前記機械エネルギLturbの実推定値を算出し、
前記コンプレッサエネルギ実推定値算出手段は、タービンシャフトωsに代えて、代表的な既定のコンプレッサ効率ηcを基礎として前記機械エネルギLcompの実推定値を算出することを特徴とする。
また、第8の発明は、第4乃至第7の発明の何れかにおいて、
タービンシャフトの回転数が一定となる定常状態の成立を検知する定常状態検知手段を備え、
前記エネルギ収支判断手段は、前記定常状態の成立時に、前記機械エネルギLturbの実推定値と、前記機械エネルギLcompの実推定値とが実質的に等しい場合にタービンシャフト両側のエネルギ収支が釣り合っていると判断することを特徴とする。
第1の発明によれば、コンプレッサ通過ガス流量(mドットcomp)、コンプレッサ下流温度Tcomp、コンプレッサ下流圧力Pcomp、コンプレッサ下流空間からの流出ガス流量、排気ガス流量(mドットex)、排気マニホールド圧力Pex、排気マニホールド温度Tex、タービン通過ガス流量(mドットturb)を、モデル演算により求めることができる。そして、このモデル演算によれば、それらの値をタービン回転数の変化する過渡時においても算出することができる。このため、本発明によれば、内燃機関がどのような運転状態にあるかによらず、モデル演算値と実測値との比較に基づき、ターボチャージャを備える内燃機関に故障が生じているか否かを正確に診断することができる。
第2の発明によれば、コンプレッサの下流にスロットルバルブを備えるシステムにおいて、スロットルバルブ上流の圧力および温度をコンプレッサ下流圧力Pcompおよびコンプレッサ下流温度Tcompとしてモデル演算することができる。また、本発明によれば、スロットル流通ガス流量(mドットth)と共に、スロットルバルブ下流の圧力および温度を、吸気マニホールド圧力Pinおよび吸気マニホールド温度Tinとしてモデル演算することができる。更に、この発明によれば、内燃機関への筒内流入ガス流量(mドットcyl)や筒内流入エンタルピ(eドットcyl)をモデル演算し、筒内で生ずるガス流量の収支、およびエネルギの収支を演算することで、排気ガス流量(mドットex)および排気エンタルピ(eドットex)を精度良く算出することができる。
第3の発明によれば、ターボチャージャが可変ノズルを備えるシステムにおいて、タービン通過ガス流量(mドットturb)、およびタービンがタービンシャフトに及ぼす機械エネルギLturbに、可変ノズルの開度の影響を反映させることができる。このため、本発明によれば、可変ノズルの開度によらず、正確な故障診断を実現することができる。
第4の発明によれば、排気マニホールド圧力Pexの実測値、排気マニホールド温度Texの実測値、および大気圧Patmの実測値に基づいて、タービンがタービンシャフトに及ぼす機械エネルギLturbの実推定値を算出することができる。また、この発明によれば、大気圧Patmの実測値、大気温度Tatmの実測値、およびコンプレッサ下流圧力Pcompの実測値に基づいて、コンプレッサがタービンシャフトから受け取る機械エネルギLcompの実推定値を算出することができる。ターボチャージャが正常に機能していれば、タービンシャフトの両側でエネルギ収支が釣り合うはずである。本発明によれば、上記の如く算出した2つの機械エネルギLturb、Lcompの実推定値が釣り合っているか否かに基づき、故障の発生箇所を、内燃機関およびターボチャージャの一方に特定することができる。
第5の発明によれば、エアフロメータにより実測された空気量をコンプレッサ通過ガス流量(mドットcomp)として用いて、コンプレッサがタービンシャフトから受ける機械エネルギLcompの実推定値を算出することができる。機械エネルギLcompの実推定値は、その基礎となるデータが実測値で占められているほど高精度となる。このため、本発明によれば、機械エネルギLcompの実推定値を、高い精度で算出することができる。
第6の発明によれば、エアフロメータにより実測された空気量と燃料噴射量との和をタービン通過ガス流量(mドットturb)として用いて、タービンがタービンシャフトに及ぼす機械エネルギLturbの実推定値を算出することができる。機械エネルギLturbの実推定値は、その基礎となるデータが実測値で占められているほど高精度となる。このため、本発明によれば、機械エネルギLturbの実推定値を、高い精度で算出することができる。
第7の発明によれば、 タービンがタービンシャフトに及ぼす機械エネルギLturbの実推定値、およびコンプレッサがタービンシャフトから受ける機械エネルギLcompの実推定値を、何れも、既定のタービン効率ηtを基礎として算出することができる。この場合、タービンシャフトωsのモデル演算値がその基礎とされる場合に比して、簡単な処理で誤差の少ない値を得ることができる。
第8の発明によれば、タービンシャフトの回転数が一定となる定常状態の成立時に、機械エネルギLturbの実推定値と、機械エネルギLcompの実推定値とが実質的に等しいか否かを見ることで、タービンシャフトの両側のエネルギ収支が釣り合っているか否かを簡単かつ正確に判断することができる。
実施の形態1.
[実施の形態1における制御の概要]
図1は、本発明の実施の形態1の構成の概要を説明するための制御ブロック図である。本実施形態の故障診断装置は、ECU(Electronic Control Unit)と、ターボチャージャを備えた内燃機関10とで構成される。ECUは、エンジン制御の基本ロジックが実装された基本制御ブロック12や、故障診断のためのロジックが実装された故障診断ブロック14を備えている。基本制御ブロック12や故障診断ブロック14は、CPUやメモリ素子を含むハードウェアとROMに格納されたソフトウェアとが協働することにより実現されている。
基本制御ブロック12は、内燃機関10の運転に必要なアクチュエータ駆動信号を出力する。アクチュエータ信号には、内燃機関10のスロットル開度を指令するスロットル信号や、燃料噴射量を指令する燃料噴射量信号等が含まれる。内燃機関10に搭載されたターボチャージャが、可変ノズルを備える可変容量式ターボチャージャである場合は、その可変ノズルの開度を指令するためのVN信号が、基本制御ブロック12から更に発せられる。
内燃機関10は、これらの信号を受信して、基本制御ブロック12の指令に応じた運転状態を実現する。また、内燃機関10は、吸入空気量Gaを検出するエアフロメータ(AFM)や、吸気マニホールド圧Pin(過給圧)を検出する吸気圧センサなどを備えており、それらの検出値をECUに対して供給している。
ECUの故障診断ブロック14は、エンジンモデルブロック16、偏差演算器18、および異常判定ブロック20により構成されている。エンジンモデルブロック16には、内燃機関10の状態を模擬して各種の状態変数を算出するエンジンモデルが、より具体的には、基本制御ブロック12から発せられるアクチュエータ駆動信号を受けて各種の状態変数を算出するエンジンモデルが実装されている。エンジンモデルブロック16により算出された各種状態変数のうち、内燃機関10から供給されるセンサ計測値(AFM出力や吸気圧センサ出力など)に対応するモデル演算値は、偏差演算器18に供給される。
偏差演算器18は、内燃機関10から供給されるセンサ計測値と、そのセンサ計測値に対応するモデル演算値との偏差を算出し、その算出値を異常判定ブロック20に供給する。ターボチャージャを備える内燃機関10が正常に作動している場合は、センサ計測値とモデル演算値との間に大きな乖離は生じないはずである。このため、両者が大きく乖離している場合は、ターボチャージャまたは内燃機関10に何らかの故障が生じていると推定することができる。
異常判定ブロック20は、センサ計測値とモデル演算値との偏差が正常値であるか異常値であるかを判断し、その偏差が異常値であると認められる場合に故障の発生を判定するためのロジックが実装されている。本実施形態において、ECUは、上記の如く構成されているため、ターボチャージャを備える内燃機関10の故障診断を精度良く行うことができる。
[実施の形態1におけるハードウェア構成およびエンジンモデルの概要]
図2は、本実施形態で用いられるハードウェア構成およびエンジンモデルの概要を説明するための図である。図2に示すように、内燃機関10は、吸気通路22および排気通路24を備えている。また、内燃機関10には、ターボチャージャ26が組み込まれている。
ターボチャージャ26は、吸気通路22に組み込まれたコンプレッサ28と、排気通路24に組み込まれたタービン30とを備えている。コンプレッサ28とタービン30とは、タービンシャフト32により連結されている。吸気通路22の内部にはスロットルバルブ34が配置されている。スロットルバルブ34は、電子制御式の弁機構であり、ECUの基本制御ブロック12から供給されるスロット開度信号に応じた開度を実現することができる。以下、本実施形態では、説明の便宜上、スロットルバルブ34とコンプレッサ28とで挟まれた空間36を「コンプレッサ下流空間36」と称し、また、スロットルバルブ34の下流空間を「吸気マニホールド38」と称することとする。更に、ここでは、排気通路24におけるタービン30の上流空間を「排気マニホールド40」と称することにする。
本実施形態のシステムは、上記のAFM42をコンプレッサ下流空間36に備えている。AFM42によれば、コンプレッサ28の下流において、吸気通路22を流れる吸入空気量Gaを計測すること、つまり、コンプレッサ28を通過して流通する空気量を計測することができる。また、本実施形態のシステムは、上記の吸気圧センサ44をスロットルバルブ34の下流に備えている。吸気圧センサ44によれば、吸気マニホールド38の内部で過給圧を検出することができる。
ECUのエンジンモデル16には、コンプレッサ下流空間36の圧力Pcompや温度Tcomp、吸気マニホールド38の圧力Pinや温度Tin、更には排気マニホールド40の圧力Pexや温度Texなど、内燃機関10の運転状態に応じて変化する種々の状態変数を算出するためのモデルが実装されている。以下、それらのモデルの内容を順次説明する。尚、以下の記載において、あるパラメータ(例えば、「mcomp」)の微分値を示す必要がある場合には、便宜上「ドット」の添え字を付してその値(例えば「mドットcomp」)を示すものとする。
(コンプレッサ下流空間モデル)
エンジンモデル16には、「コンプレッサ下流空間モデル」が実装されている。このモデルは、コンプレッサ下流空間36におけるガスの流入出量およびエネルギの流入出量から、その空間内の圧力Pcomp、温度Tcompおよびガス質量Mcompを算出するためのモデルである。ここでは、先ず、コンプレッサ下流空間モデルの基礎である「空間モデル」の内容を説明し、その後にコンプレッサ下流空間モデルの内容を説明することとする。
(空間モデル)
図3は、楕円で囲まれた空間50を対象として、その内部の圧力Pv、温度Tvおよびガス質量Mvを演算するための空間モデルを説明するための図である。ここでは、空間50の容積をVvとし、また、ガス定数をRvとする。
空間50に流入するガスの質量流量がmドット、そこから流出するガスの質量流量がmドットであるとすると、質量保存の法則より、以下の関係式が成立する。
dMv/dt=Mドットv
=mドット−mドット ・・・(1)
また、空間50に流入するガスの持つエンタルピがeドット、そこから流出するガスの持つエンタルピがeドットであるとすると、エネルギ保存の法則より、以下の関係式が成立する。
(ν/2)・Rv・(Mドットv・Tv+Mv・Tドット
=eドット−eドット ・・・(2)
但し、上記(2)式における「ν」は、空間50の上流におけるガスの自由度である。自由度νは、ガスの比熱比と相関を有する値である。ここでは、νは一定であるものとして演算を行うが、ガスの組成や温度などに基づいてその値を厳密に計算することとしてもよい(この点、以下のモデルも同様)。
空間50の内部では、上記(1)式および(2)式に加えて、以下に示す気体の状態方程式が成立する。
Pv・Vv=Mv・Rv・Tv ・・・(3)
上記の(1)、(2)および(3)式において、自由度ν、ガス定数Rvおよび空間容積Vvは固定値である。このため、ガスの流入出量mドットおよびmドットと共にエネルギの流入出量eドットおよびeドットが判明すれば、それらの関係式を解くことにより、空間50内のガス質量Mv、温度Tvおよび圧力Pvを算出することが可能である。
コンプレッサ下流空間モデルは、図3に示す空間モデルを、コンプレッサ下流空間36に対して当てはめたモデルである(図2参照)。ここでは、コンプレッサ28を流通するガス流量mドットcompおよびエンタルピeドットcompが、その空間36に流入するガス流量mドットおよびエネルギeドットとなる。また、スロットルバルブ34を通過するガス流量mドットthおよびエンタルピeドットthが、その空間36から流出するガス流量mドットおよびエネルギeドットとなる。従って、コンプレッサ下流空間36に関しては、その内部の圧力Pcomp、温度Tcompおよびガス質量Mcompについて、以下に示す関係式が成立する。
Mドットcomp=mドットcomp−mドットth ・・・(4)
(ν/2)・Rv・(Mドットcomp・Tcomp+Mcomp・Tドットcomp)
=eドットcomp−eドットth ・・・(5)
Pcomp・Vcomp=Mcomp・Rv・Tcomp ・・・(6)
上記の(4)、(5)および(6)式において、自由度ν、ガス定数Rvおよび空間容積Vcompは固定値である。このため、コンプレッサ28を流通するガス量mドットcompおよびエンタルピeドットcompと共に、スロットルバルブ34を流通するガス流量mドットthおよびエンタルピeドットthが判明すれば、関係式(4)乃至(6)を解くことにより、コンプレッサ下流空間36内のガス質量Mcomp、温度Tcompおよび圧力Pcompを算出することができる。
コンプレッサ28を流れるガス量mドットcompおよびエンタルピeドットcompは、後述する「コンプレッサガスモデル」により算出することができる。また、スロットルバルブ34を流れるガス流量mドットthおよびエンタルピeドットthは、後述する「スロットルモデル」により算出することができる。コンプレッサ下流空間モデルでは、それらのモデルで算出されたmドットcompおよびeドットcomp、並びにmドットthおよびeドットthを、上記(4)式乃至(6)式に代入することで、コンプレッサ下流空間36におけるMcomp、TcompおよびPcompが算出される。
(スロットルモデル)
エンジンモデル16には、「スロットルモデル」が実装されている。このモデルは、コンプレッサ下流空間36の温度Tcompおよび圧力Pcomp、スロットルの有効開度Ath、並びに吸気マニホールド圧力Pinに基づいて、スロットルバルブ34を流通するガス流量mドットthとエンタルピeドットthとを算出するためのモデルである。
スロットルバルブ34を流通するガス流量mドットthは、圧縮性流体の一般式により、次式の通り表すことができる。但し、次式において、「κ」はガスの比熱比である。
Figure 2005155384
また、スロットルバルブ34を流通するガスが有するエンタルピeドットthは、エンタルピの一般式により、次式の通り表すことができる。但し、次式における「ρcomp」は、コンプレッサ下流空間36におけるガス密度であり、コンプレッサ下流圧力Pcompとコンプレッサ下流温度Tcompより、ρcomp=Pcomp/(Rv・Tcomp)として算出される値である。
Figure 2005155384
上記の(7)式および(8)式によれば、コンプレッサ下流空間36の圧力Pcompと温度Tcomp、並びに吸気マニホールド圧力Pinが決まれば、スロットルバルブ34を流れるガス流量mドットthおよびエンタルピeドットthを算出することができる。PcompとTcompは、既述したコンプレッサ下流空間モデルにより算出することができる。一方、Pinは、後述する吸気マニホールドモデルにより算出することができる。スロットルモデルでは、それらのモデルで算出されたPcomp、TcompおよびPinを、上記(7)式および(8)式に代入することで、スロットル流通ガス流量mドットthおよびスロットル流通エンタルピeドットthが算出される。
(吸気マニホールドモデル)
エンジンモデル16には、「吸気マニホールドモデル」が実装されている。このモデルは、スロットルバルブ34を流通するガス流量mドットthおよびエンタルピeドットth、並びに筒内に流入するガス流量mドットcylおよびエンタルピeドットcylに基づいて、吸気マニホールド圧力Pin、および吸気マニホールド温度Tinを算出するためのモデルである。
吸気マニホールドモデルは、図3に示す空間モデルを、吸気マニホールド38に対して当てはめたモデルである。ここでは、スロットルバルブ34を通過するガス流量mドットthおよびエンタルピeドットthが、吸気マニホールド38に流入するガス流量mドットおよびエネルギeドットとなる。また、筒内に流入するガス流量mドットcylおよびエンタルピeドットcylが、吸気マニホールド38から流出するガス流量mドットおよびエネルギeドットとなる。従って、吸気マニホールド38に関しては、その内部の圧力Pin、温度Tinおよびガス質量Minについて、以下に示す関係式が成立する。
Mドットin=mドットth−mドットcyl ・・・(9)
(ν/2)・Rv・(Mドットin・Tin+Min・Tドットin)
=eドットth−eドットcyl ・・・(10)
Pin・Vin=Min・Rv・Tin ・・・(11)
上記の(9)、(10)および(11)式において、自由度ν、ガス定数Rvおよび空間容積Vinは固定値である。このため、スロットルバルブを通過するガス量mドットthおよびエンタルピeドットthと共に、筒内に流入するガス流量mドットcylおよびエンタルピeドットcylが判明すれば、関係式(9)乃至(11)を解くことにより、吸気マニホールド38内のガス質量Min、温度Tinおよび圧力Pinを算出することができる。
スロットルバルブ34を流れるガス量mドットthおよびエンタルピeドットthは、上述した「スロットルモデル」により算出することができる。また、筒内に流入するガス流量mドットcylおよびエンタルピeドットcylは、後述する「筒内流入モデル」により算出することができる。吸気マニホールドモデルでは、それらのモデルで算出されたmドットthおよびeドットth、並びにmドットcylおよびeドットcylを、上記(9)式乃至(11)式に代入することで、吸気マニホールド38におけるMin、TinおよびPinが算出される。
(筒内流入モデル)
エンジンモデル16には、「筒内流入モデル」が実装されている。このモデルは、内燃機関の運転状態、吸気マニホールド圧力Pin、および吸気マニホールド温度Tinに基づいて筒内に流入するガス流量mドットcylおよびエンタルピeドットcylを算出するためのモデルである。
内燃機関10の筒内に流入するガスの質量流量mドットcylは、内燃機関10の運転状態と吸気マニホールド圧力Pinにより、ほぼ一義的に決定される。例えば、そのガス流量mドットcylは、機関回転数Neを用いて次式のように表すことができる。
mドットcyl=(Ka・Pin+Kb)・Ne ・・・(12)
但し、上記(12)式において、KaおよびKbは、それぞれ内燃機関10の運転状態に応じて適宜設定される変数である。ECUは、それらを設定するためのマップを記憶しており、そのマップを参照することで、現在の運転状態に応じた適切なKaおよびKbを設定する。ここで、ECUは、例えば内燃機関10の負荷率KLを、KaおよびKbを決めるための運転状態の特性値として考慮する。尚、ここで考慮すべき変数は、負荷率KLに限定されるものではなく、バルブタイミングが可変であるような場合には、そのタイミングをも考慮してKa、Kbを決めることとしてもよい。
KaおよびKbを決めるために考慮すべき変数の値は、基本制御ブロック12から、或いは内燃機関10のセンサから供給される。このため、筒内流入モデルは、KaおよびKBを決定することができる。更に、吸気マニホールド圧Pinは、既述した吸気マニホールドモデルにより算出することができる。このため、筒内流入モデルは、上記(12)式に従って、筒内に流入するガス流量mドットcylを算出することができる。
筒内に流入するガスが有するエンタルピeドットcylは、エンタルピの一般式により、次式の通り表すことができる。但し、次式における「ρin」は、吸気マニホールド38におけるガス密度であり、吸気マニホールド38における圧力Pinと温度Tinより、ρin=Pin/(Rv・Tin)として算出される値である。
Figure 2005155384
mドットcylは上記(12)式により算出することができる。また、吸気マニホールド38の圧力Pinおよび温度Tinは、既述した吸気マニホールドモデルにより算出することができる。このため、筒内流入モデルは、上記(13)式に従って、筒内に流入するガスが有するエンタルピeドットcylを算出することができる。
(排気ガス流量モデルおよび排気エンタルピモデル)
エンジンモデル16には、「排気ガス流量モデル」および「排気エンタルピモデル」が実装されている。図4は、これらのモデルの内容を説明するための図、より具体的には、筒内におけるガスの質量流量の収支、およびエネルギの収支を説明するための図である。
内燃機関10の筒内では、筒内に流入するガスの流量mドットcylと、燃料燃料量qfと、排気ガス流量mドットexとの間に質量保存の法則が成立する。つまり、流入ガス流量mドットcylと、燃料噴射量qfと、排気ガス流量mドットexとの間では、以下に示す関係が成立する(図4参照)。
mドットex=mドットcyl+qf ・・・(14)
上記(14)式中、mドットcylは既述した筒内流入モデルにより算出することができる。また、qfは基本制御ブロック12により算出される。このため、排気ガス流量モデルは、それらの値を(14)式に代入することで、排気ガス流量mドットexを算出することができる。
内燃機関10の筒内では、また、エネルギ保存の法則が成立する。以下に示す関係式は、排気マニホールドに排出されるガスが有するエンタルピ、つまり排気エンタルピeドットexを、その法則に則って表した式である(図4参照)。
eドットex=eドットcyl+eドットqf−Wドットcrank−eドットloss
・・・(15)
上記(14)式中、eドットcylは、つまり、筒内流入ガスのエンタルピは、既述した筒内流入モデルにより算出することができる。eドットqfは、筒内に噴射された燃料が燃焼することで発生するエネルギである。この値eドットqfは、燃料噴射量qfの関数として、より具体的には、例えばqfに係数Kを掛け合わせることなどにより算出することができる。
Wドットcrankは、ピストンが外部にするエネルギである。この値は、内燃機関10の発するトルクTorqに、クランクシャフトの角速度ωcを掛け合わせることにより、次式の通り算出することができる。
Wドット=Torq・ωc ・・・(16)
内燃機関10がディーゼル機関である場合は、トルクTorqは、燃料噴射量qfによりほぼ一義的に決定される。また、内燃機関10がガソリン機関である場合は、トルクTorqは、燃料噴射量qf、混合気の空燃比A/F、および点火時期AOPによりほぼ決定される。このため、上記(16)式中、トルクTorqは、例えば、内燃機関10の種類に応じて以下のようなマップを参照することにより算出することができる。
Diesel機関の場合:Torq=MAP(qf)
ガソリン機関の場合:Torq=MAP(qf, A/F, AOP) ・・・(17)
クランクシャフトの角速度ωcについては、以下に示す関係式が成立する。但し、この式において、Icはクランクシャフト周りの慣性モーメントであり、Tloadはクランクシャフトに作用する負荷トルクTloadである。
Ic・ωドットc=Torq−Tload ・・・(18)
上記(18)式中、慣性モーメントIcは、既定値として扱うことができる。また、Torqは、上記(17)式のマップにより求めることができる。更に、負荷トルクTloadは、車速SPDと変速機のシフト位置とに基づいて推定することができる。ここで、シフト位置については、ECUの指令を見ることで検知が可能である。また、車速SPDは、クランクシャフトの角速度ωc(ここでは、算出済みの値を用いる)とシフト位置とに基づいて算出することができる。このため、ECUは、上記(18)式の関係を特定することができ、更に、その関係式を解くことでクランクシャフトの角速度ωcを算出することができる。そして、その値ωcを上記(16)式に代入すると、外部への仕事エネルギWcrankを算出することができる。
上記(15)式中、eドットlossは、熱などにより外部に放出される損失エネルギである。その値は、例えば機関回転数Ne等を基礎としてマップ化することができる。そして、機関回転数Neは、上記の手法で演算されたクランクシャフトの角速度ωcに基づいて演算することが可能である。このため、ECUは、損失エネルギeドットlossを演算により求めることができる。
以上説明した通り、上記(15)式中、右辺に含まれる全ての項は、ECUの内部で演算により求めることができる。そして、排気エンタルピモデルは、それらの演算値を(15)式に代入することにより、排気エンタルピeドットexを算出する。
(排気マニホールドモデル)
エンジンモデル16には、「排気マニホールドモデル」が実装されている。このモデルは、タービン通過ガス流量mドットturbおよびタービン通過エンタルピeドットturbと、排気ガス流量mドットexおよび排気エンタルピeドットexとに基づいて、排気マニホールド圧力Pexおよび排気マニホールド温度Texを算出するためのモデルである。
排気マニホールドモデルは、図3に示す空間モデルを、排気マニホールド40に対して当てはめたモデルである。ここでは、排気ガス流量mドットexおよび排気エンタルピeドットexが、排気マニホールド40に流入するガス流量mドットおよびエネルギeドットとなる。また、タービン30を通過するガス流量mドットturbおよびエンタルピeドットturbが、排気マニホールド40から流出するガス流量mドットおよびエネルギeドットとなる。従って、排気マニホールド40に関しては、その内部の圧力Pex、温度Texおよびガス質量Mexについて、以下に示す関係式が成立する。
Mドットex=mドットex−mドットturb ・・・(19)
(ν/2)・Rv・(Mドットex・Tex+Mex・Tドットex)
=eドットex−eドットturb ・・・(20)
Pex・Vex=Mex・Rv・Tex ・・・(21)
上記の(19)、(20)および(21)式において、自由度ν、ガス定数Rvおよび空間容積Vexは固定値である。このため、排気ガス流量mドットexおよび排気エンタルピeドットexと共に、タービン30を通過するガス流量mドットturbおよびエンタルピeドットturbが判明すれば、関係式(19)乃至(21)を解くことにより、排気マニホールド40内のガス質量Mex、温度Texおよび圧力Pexを算出することができる。
排気ガス流量mドットexおよび排気エンタルピeドットexは、上述した「排気ガス流量モデル」および「排気エンタルピモデル」により算出することができる。また、タービン30を通過するガス流量mドットturbおよびエンタルピeドットturbは、後述する「タービンガスモデル」により算出することができる。排気マニホールドモデルでは、それらのモデルで算出されたmドットexおよびeドットex、並びにmドットturbおよびeドットturbを、上記(19)式乃至(21)式に代入することで、排気マニホールド40におけるMex、TexおよびPexが算出される。
(タービンガスモデル)
エンジンモデル16には、「タービンガスモデル」が実装されている。このモデルは、排気マニホールド圧力Pex、排気マニホールド温度Tex、大気圧Patmおよびタービンシャフト回転数ωsに基づいて、タービン通過ガス流量mドットturbおよびタービン通過エンタルピeドットturbを算出するためのモデルである。
タービン30を流れるガス流量mドットturbは、タービン30前後の圧力比、つまり、排気マニホールド圧力Pexと大気圧Patmとの比、およびタービン回転数、つまり、タービンシャフト32の角速度ωsによりほぼ決定される。排気マニホールド圧力Pexは上記の排気マニホールドモデルにより算出することができ、大気圧Patmは大気圧センサにより検知することができる。更に、タービンシャフト32の角速度ωsは、後述する「シャフト回転数モデル」により算出することができる。タービンガスモデルは、PexとPatmの比、および角速度ωsを軸とするmドットturbのマップを含んでおり、そのマップに圧力比Pex/Patmおよびωsを当てはめることにより、タービン30を通過するガス流量mドットturbを算出する。
ところで、上記の説明は、ターボチャージャ26が可変ノズルを備えていない場合を前提としたものであるが、ガス流量mドットturbは、ターボチャージャ26が可変ノズルを備えている場合でも算出することができる。具体的には、この場合は、タービン30前後の圧力比と、タービン回転数と、可変ノズルの開度とを軸とするmドットturbのマップを準備し、可変ノズルの開度をも基礎パラメータとしてマップを参照することにより、タービン30を通過するガス流量mドットturbを精度良く算出することができる。
タービン30を通過するガスが有するエンタルピeドットturbは、エンタルピの一般式により、次式の通り表すことができる。但し、次式における「ρex」は、排気マニホールド40におけるガス密度であり、排気マニホールド40における圧力Pexと温度Texより、ρex=Pex/(Rv・Tex)として算出される値である。
Figure 2005155384
mドットturbは、上記の如くマップを参照することで算出できる。また、排気マニホールド40の圧力Pexおよび温度Texは、既述した排気マニホールドモデルにより算出することができる。このため、タービンガスモデルは、上記(22)式に従って、タービン30を通過するガスが有するエンタルピeドットturbを算出することができる。
(シャフト回転数モデル)
エンジンモデル16には、「シャフト回転数モデル」が実装されている。このモデルは、タービン30がタービンシャフト32に及ぼす機械エネルギLturbと、コンプレッサ28がタービンシャフト32から受け取る機械エネルギLcompとに基づいてタービンシャフトの角速度ωsを算出するためのモデルである。
タービンシャフト32の角速度ωsについては、以下に示す関係式が成立する。但し、この式において、Isはタービンシャフト32周りの慣性モーメントである。また、Torqtは、タービン30からタービンシャフト32に与えられるトルクであり、Torqcは、タービンシャフト32からコンプレッサ28に与えられるトルクである。
Is・ωドットs=Torqt−Torqc ・・・(23)
Torqtは、タービン30がタービンシャフト32に与える機械的エネルギLturbと、タービンシャフト32の角速度ωsとにより、以下のように表すことができる。
Torqt=Lturb/ωs ・・・(24)
同様に、Torqcは、コンプレッサ28がタービンシャフト32から受ける機械的エネルギLcompと、タービンシャフト32の角速度ωsとにより、以下のように表すことができる。
Torqc=Lcomp/ωs ・・・(25)
従って、LturbとLcompが判明すれば、それらを、タービンシャフト32の角速度ωs(ここでは、算出済みの値を用いる)と共に上記(23)式に当てはめることにより、タービンシャフト32の角加速度ωドットsを算出することができる。そして、その値を積分すれば、角速度ωsを算出(更新)することができる。タービン30の発する機械エネルギLturbは、後述する「タービンモデル」により算出することができる。また、コンプレッサ28の受ける機械エネルギLcompは、後述する「コンプレッサモデル」により算出することができる。シャフト回転数モデルは、それらを(23)式に代入することにより、タービンシャフト32の角速度ωs(つまり回転数)を算出する。
(タービンモデル)
エンジンモデル16には、「タービンモデル」が実装されている。このモデルは、タービン通過ガス流量mドットturb、排気マニホールド圧力Pex、排気マニホールド温度Tex、大気圧Patmおよびタービンシャフト32の角速度ωs(回転数)に基づいて、タービン30の発する機械エネルギLturbを算出するためのモデルである。
タービン30がタービンシャフト32に及ぼす機械エネルギLturbは、タービン30周りのエネルギの釣り合いにより、以下のように表すことができる。但し、次式において、κは比熱比であり、ηtはタービン効率である。
Figure 2005155384
上記(26)式中、mドットturbは既述したタービンガスモデルにより算出することができる。また、TexおよびPexは排気マニホールドモデルにより算出することができ、更に、Patmは大気圧センサにより実測することができる。そして、ECUは、タービンシャフト32の角速度ωs(回転数)とタービン効率ηtとの関係を定めたマップを記憶しており、このマップを参照することで、ηtを算出することができる。タービンモデルは、それらの算出値や検出値を上記(26)式に代入することにより、タービン30が発する機械的エネルギLturbを算出する。このようにして算出されたLturbは、既述した通り、シャフト回転数モデルにおける演算の基礎として利用される。
ところで、上述したタービン効率ηtの算出手法は、ターボチャージャ26が可変ノズルを備えていない場合を前提としたものであるが、ηtは、ターボチャージャ26が可変ノズルを備えている場合でも算出することができる。具体的には、この場合は、タービンシャフト32の角速度ωsと可変ノズルの開度とを軸とするηtのマップを準備し、可変ノズルの開度をも基礎パラメータとしてマップを参照することにより、タービン効率ηtを精度良く算出することができる。
(コンプレッサモデル)
エンジンモデル16には、「コンプレッサモデル」が実装されている。このモデルは、コンプレッサ28を通過するガス流量mドットcomp、大気圧Patm、大気温度Tatm、コンプレッサ下流圧力Pcompおよびタービンシャフト回転数ωsに基づいて、コンプレッサ28がタービンシャフト32から受け取る機械エネルギLcompを算出するためのモデルである。
コンプレッサ28がタービンシャフト32から受け取る機械エネルギLcompは、コンプレッサ28周りのエネルギの釣り合いにより、以下のように表すことができる。但し、次式において、κは比熱比であり、ηcはコンプレッサ効率である。
Figure 2005155384
上記(27)式中、mドットcompは後述するコンプレッサガスモデルにより算出することができる。また、TatmおよびPatmは、それぞれ大気温センサおよび大気圧センサにより検出することができる。更に、Pcompは、既述したコンプレッサ下流空間モデルにより算出することができる。そして、ECUは、タービンシャフト32の角速度ωs(回転数)とコンプレッサ効率ηcとの関係を定めたマップを記憶しており、このマップを参照することで、ηcを算出することができる。コンプレッサモデルは、それらの算出値や検出値を上記(27)式に代入することにより、コンプレッサ28が受け取る機械的エネルギLcompを算出する。このようにして算出されたLcompは、既述した通り、シャフト回転数モデルにおける演算の基礎として利用される。
(コンプレッサガスモデル)
エンジンモデル16には、「コンプレッサガスモデル」が実装されている。このモデルは、大気圧Patm、大気温度Tatm、コンプレッサ下流圧力Pcomp、およびタービンシャフト32の角速度ωs(回転数)に基づいて、コンプレッサ通過ガス流量mドットcompと、コンプレッサ通過エンタルピeドットcompとを算出するためのモデルである。
コンプレッサ28を流れるガス流量mドットcompは、コンプレッサ28前後の圧力比、つまり、大気圧Patmとコンプレッサ下流圧力Pcompとの比、およびコンプレッサ回転数、つまり、タービンシャフト32の角速度ωsによりほぼ決定される。大気圧Patmは大気圧センサにより実測することができ、一方、コンプレッサ下流圧力Pcompは既述したコンプレッサ下流空間モデルにより算出することができる。更に、タービンシャフト32の角速度ωsは、上述した「シャフト回転数モデル」により算出することができる。コンプレッサガスモデルは、PatmとPcompとの比、および角速度ωsを軸とするmドットcompのマップを含んでおり、そのマップに圧力比Patm/Pcompおよびωsを当てはめることにより、コンプレッサ28を通過するガス流量mドットcompを算出する。
コンプレッサ28を通過するガスが有するエンタルピeドットcompは、エンタルピの一般式により、次式の通り表すことができる。但し、次式における「ρatm」は、コンプレッサ28上流におけるガス密度、つまり大気におけるガス密度であり、大気圧Patmと大気温度Tatmより、ρatm=Patm/(Rv・Tatm)として算出される値である。
Figure 2005155384
mドットcompは、上記の如くマップを参照することで算出できる。また、大気圧Patmおよび大気温Tatmは、それぞれ大気圧センサおよび大気温センサにより実測することができる。このため、コンプレッサガスモデルは、上記(28)式に従って、コンプレッサ28を通過するガスが有するエンタルピeドットcompを算出することができる。
このようにして算出されたコンプレッサ流通ガス流量mドットcomp、およびコンプレッサ流通エンタルピeドットcompは、上述したコンプレッサ下流空間モデルにおける演算の基礎とされる(上記(4)式および(5)式参照)。また、コンプレッサ流通ガス流量mドットcompについては、更に、既述したコンプレッサモデルでの演算の基礎ともされる(上記(27)式参照)。
既述した全てのモデルは、以上説明した通り、所望の演算を行う上で必要な全ての変数を基本制御ブロック12から、或いは他のモデルより、更にはセンサによる実測値として取得することができる。つまり、本実施形態において用いられる全てのモデルは、何れかのモデルの演算値を基礎として順次演算を進めることが可能なループを構成している。更に、これらのモデルにより算出されるべきモデル演算値のいくつかについては、初期値を既知のものとして扱うことが可能である。
具体的には、例えば、シャフト回転数モデルにより算出されるべきタービンシャフト32の角速度ωsについては、その初期値はゼロとして扱うことができる。また、各部を流れるガス流量(「mドットx」とする)やエンタルピ(「eドットx」とする)についても、その初期値はゼロとして扱うことができる。更に、吸気通路22や排気通路24の圧力((「Px」とする)や温度(「Tx」とする)については、その初期値を大気圧Patmまたは大気温Tatmと扱うことができる。
このため、エンジンモデルブロック16は、内燃機関10の始動と同時に、既知の初期値を用いてモデル演算を開始することにより、既述した全てのモデルにおいて、所望の演算処理を進めることができる。その結果、本実施形態におけるエンジンモデルブロック16によれば、内燃機関10の運転中に、各部を流れるガスの流量mドットxや、各部における圧力Px、更には各部における温度Txを逐次算出することが可能である。
[故障診断ブロック14の具体的処理]
既述した通り、ECUの故障診断ブロック14では、センサによる計測値と、その計測値に対応するモデル演算値との偏差に基づいて、ターボチャージャ26を備える内燃機関10の故障診断が行われる。本実施形態のシステムは、図2に示すように、コンプレッサ28の下流で吸入空気量Gaを計測するAFM42と、スロットルバルブ34の下流で過給圧を計測する吸気圧センサ44を備えている。このため、故障診断ブロック14は、より具体的には、AFM42の計測値とコンプレッサ流通ガス流量mドットcompとの偏差が正常範囲に収まっているか否か、および、吸気圧センサ44の計測値と吸気マニホールド圧力Pinとの偏差が正常範囲に収まっているか否かに基づき、システムの故障診断を実行する。
図5は、上記の機能を実現するために、基本制御ブロック12および故障診断ブロック14を内蔵するECUにおいて実行されるルーチンのフローチャートを示す。図5に示すルーチンでは、先ず、基本制御ブロック12において、内燃機関10を駆動するために決定された指令値が、エンジンモデルブロック16に供給される(ステップ100)。エンジンモデルブロック16では、供給された指令値を基礎とする新たなモデル演算が実行される。その結果、コンプレッサ流通ガス流量mドットcompや吸気マニホールド圧力Pinなどを含む種々のモデル演算値が新たに算出される。
図5に示すルーチンでは、次に、AFM42による吸入空気量Gaの計測、つまり、コンプレッサ流通ガス流量mドットcompの実測、および、吸気圧センサ44により過給圧の計測、つまり、吸気マニホールド圧力Pinの実測が行われる(ステップ102)。次に、mドットcompの実測値とモデル演算値との偏差、および、Pinの実測値とモデル演算値との偏差がそれぞれ計算される(ステップ104)。
ターボチャージャ26、および内燃機関10が、共に正常に作動している場合は、モデル演算値と、現実の物理量との間に不当に大きな偏差は生じない。mドットcompの実測値とモデル演算値との偏差、および、Pinの実測値とモデル演算値との偏差が共に十分に小さな値であれば、システムに故障は生じていないと判断できる。一方、少なくとも一方の偏差が不当に大きな値である場合は、ターボチャージャ26および内燃機関10の少なくとも一方に故障が生じている可能性が高いと判断できる。ECUは、それらの偏差のそれぞれにつき、正常範囲の判定値を記憶しており(図1に示す異常判定ブロック20の枠内参照)、ステップ104で計算された2つの偏差のそれぞれにつき、その偏差が正常範囲に収まっているか否かを判断する(ステップ106)。
その結果、それらの偏差が何れも正常範囲に収まっていると判別された場合は、ターボチャージャ26を備える内燃機関10が、全体として正常であると判断される(ステップ108)。一方、少なくとも一方の偏差が正常範囲から外れていると認められた場合は、システムの異常が判定される(ステップ110)。
以上説明した通り、図5に示すルーチンによれば、センサによる実測値と、モデルによる演算値とが整合しているか否かに基づき、システムの故障診断を行うことができる。そして、ここでは、モデル演算のループにタービンシャフト32の角速度ωsを算出するための演算が含まれているため、全てのモデル演算値は、時々刻々変化するタービン回転数が反映された値として算出される。このため、本実施形態の装置によれば、タービン回転数が変化する過渡状態であるか、その変化が生じない定常状態であるかによらず、如何なる状況下であっても精度良く故障診断を行うことができる。
ところで、上述した実施の形態1においては、コンプレッサ下流空間36にAFM42が配置されており、また、スロットルバルブ34の下流に吸気圧センサ44が配置されていることから、コンプレッサ流通ガス流量mドットcompの実測値とモデル演算値の偏差、および、吸気マニホールド圧力Pinの実測値とモデル演算値の偏差を故障診断の基礎としているが、その基礎となる偏差は、これらに限定されるものではない。すなわち、本実施形態におけるモデル演算によれば、コンプレッサ下流空間36の圧力Pcompおよび温度Tcomp、吸気マニホールド38の圧力Pinおよび温度Tin、排気マニホールド40の圧力Pexおよび温度Tex、コンプレッサ流通ガス流量mドットcomp、スロットル流通ガス流量mドットth、筒内流入ガス流量mドットcyl、排気ガス流量mドットex、およびタービン流通ガス流量mドットturbなどを算出することができる。そして、これらのモデル演算値を実測するセンサを設けることとすれば、何れのモデル演算値も故障診断の基礎とすることが可能である。
また、上述した実施の形態1においては、スロットルバルブ34の上流をコンプレッサ下流空間36とし、その下流を吸気マニホールド38として別々にモデル演算を行うこととしているが、スロットルバルブ34の存在は、モデル演算を進めるうえで必須のものではない。すなわち、吸気バルブの開弁期間により吸入空気量を制御するような所謂スロットルレスのシステムでは、また、スロットル開度が大きく、その上流と下流を区別する必要がないような状況下では、コンプレッサ36の下流空間を吸気マニホールドとしてモデル演算を行うこととしてもよい。
尚、上述した実施の形態1においては、スロットルモデル、筒内流入モデル、および吸気マニホールドモデルが前記第1の発明における「第1エンジンモデル」に、排気ガス流量モデル、および排気エンタルピモデルが前記第1の発明における「第2エンジンモデル」に、AFM42および吸気圧センサ44が前記第1の発明における「実測センサ」に、それぞれ相当している。また、実施の形態1においては、ECUにより実現される偏差演算器18および異常判定ブロック20が前記第1の発明における「故障判定手段」に相当している。
実施の形態2.
[実施の形態2の特徴]
次に、図6を参照して、本発明の実施の形態2について説明する。本実施形態の装置は、図2に示すハードウェア構成に対して、(a)コンプレッサ下流圧力Pcompを計測するためのセンサ、(b)排気マニホールド圧力Pexを計測するためのセンサ、および(c)排気マニホールド温度Texを計測するためのセンサを追加すると共に、図1に示すECU(12および14)に、上記図5に示すルーチンに代えて後述する図6に示すルーチンを実行させることにより実現することができる。
上述した実施の形態1の装置においては、センサによる実測値とモデル演算値とを比較することにより、ターボチャージャ26を備える内燃機関10が、全体として正常に機能しているか否かは判断することができるが、その機能に異常が認められた場合に、ターボチャージャ26に故障が生じているのか、或いは、内燃機関10に故障が生じているのかを特定することができない。これに対して、本実施形態の装置は、異常の発生が認められた場合に、故障の発生箇所をターボチャージャ26か内燃機関10の何れかに特定し得る点に特徴を有している。
[故障個所の特定原理]
タービンモデルの項で説明した通り、タービン30がタービンシャフト32に及ぼす機械エネルギLturbは、上記(26)式により表すことができる。また、コンプレッサモデルの項で説明した通り、コンプレッサ28がタービンシャフト32から受ける機械エネルギLcompは、上記(27)式により表すことができる。タービンシャフト32は、それらの機械エネルギLturb、Lcompのバランスにより加減速し、両者が釣り合う場合に一定速度を維持する。
換言すると、タービン30が発する機械エネルギLturbと、コンプレッサ28が受ける機械エネルギLcompとの間には、タービンシャフト32の角速度ωsが一定となる定常運転時には、本来Lturb=Lcompの関係、つまり、次式の関係が成立するはずである。
Figure 2005155384
このため、ターボチャージャ26の定常運転時に、上記(29)式の関係が成立しているか否かを見れば、ターボチャージャ26が正常に作動しているか否かを判断することができる。そして、実施の形態1の手法によりシステムの異常が認められている状況下で、ターボチャージャ26が正常であると判断できれば、故障の発生個所を内燃機関10に特定することができ、一方、ターボチャージャ26の異常が認められれば、故障の発生個所をターボチャージャ26に特定することができる。
ところで、本実施形態の装置は、実施の形態1の場合と同様のモデル演算を実行する。このため、上記(29)式に含まれる変数、つまり、コンプレッサ流通ガス流量mドットcomp、コンプレッサ下流圧力Pcomp、コンプレッサ効率ηc、タービン流通ガス流量mドットturb、排気マニホールド圧力Pex、排気マニホールド温度Tex、およびタービン効率ηtは、モデル演算により算出することができる。そして、それらのモデル演算値を(29)式に代入することで、Lturb=Lcompの関係が成立しているか否かを判断することも可能である。
しかしながら、ターボチャージャ26を備える内燃機関10において、何らかの異常が発生している場合は、モデル演算値が正しく算出されない可能性がある。このため、システムに異常が生じている状況下で、上記(29)式にモデル演算値を代入したのでは、その代入の結果から、現実にLturb=Lcompが成立しているのか否かが正しく判断できない事態が生ずる。このため、故障個所の特定を正しく行うためには、実測による変数を上記(29)式に代入してLturb=Lcompの成立性を判断することが望ましい。
本実施形態のシステムでは、AFM42によりコンプレッサ流通ガス流量mドットcompを実測することができる。また、その実測値に燃料噴射量qfを加算することにより、タービン流通ガス流量mドットturbを近似的に算出することができる。更に、本実施形態のシステムは、既述した通り、(a)コンプレッサ下流圧力Pcompを検出するセンサ、(b)排気マニホールド圧力Pexを検出するセンサ、および(c)排気マニホールド温度Texを検出するセンサを備えており、それらの変数を実測することができる。加えて、コンプレッサ効率ηcやタービン効率ηtは、代表的な値を近似的に用いることが可能である。そこで、本実施形態では、故障個所の特定が要求された際には、上記の実測による変数を(29)式に代入してLturb=Lcompの成立性を判断することとした。
[実施の形態2における具体的処理]
図6は、上記の機能を実現するために本実施形態においてECUが実行する処理の内容を説明するためのフローチャートである。図6に示すルーチンでは、先ず、ターボチャージャ26を含む内燃機関10の故障診断が行われる(ステップ120)。本ステップ120では、より具体的には、実施の形態1の場合と同様の処理、つまり、図5に示すステップ100〜110の処理が実行される。
次に、上記の故障診断により、システム内の異常が認められたか否かが判別される(ステップ122)。その結果、異常の発生が認められないと判断された場合は、その後速やかに今回の処理サイクルが終了される。一方、異常の発生が認められると判別された場合は、以後、故障個所を特定すべく、ターボチャージャ26を対象とした異常診断が開始される。
ここでは、先ず、異常診断の前提として、ターボチャージャ26の定常判定が成立しているか否かが判別される(ステップ124)。具体的には、車速SPDの実測値が一定であるか、スロットル開度TAの実測値が一定であるか、機関回転数Neの実測値が一定であるか、或いは、過給圧の実測値が一定であるか、などの定常判定条件の成立性が判断される。そして、本ステップ124の処理は、定常判定の成立が認められるまで繰り返し実行される。
定常判定の成立が認められたら、次に、AFM42により吸入空気量Ga、つまり、コンプレッサ流通ガス流量mドットcompが実測され、また、基本制御ブロック12により算出された燃料噴射量qfが読み込まれる。更に、(a)コンプレッサ下流圧力Pcompを計測するためのセンサ、(b)排気マニホールド圧力Pexを計測するためのセンサ、および(c)排気マニホールド温度Texを計測するためのセンサにより、それらの圧力および温度が計測される(ステップ126)。
次いで、mドットcomp(つまりGa)、Tatm、Patm、およびPcompが(29)式左辺に代入され、その左辺の値が計算される。更に、mドットturb(つまりGa+qf)、Tex、Pex、およびPatmが(29)式右辺に代入され、その右辺の値が計算される(ステップ128)。その後、左辺=右辺が成立しているか、つまり、Lturb=Lcompが成立しているかが判別される(ステップ130)。
そして、左辺=右辺の成立が認められる場合は、ターボチャージャ26が正常であると判断され、故障の発生個所が内燃機関10に特定される(ステップ132)。一方、左辺=右辺の成立が認められない場合は、ターボチャージャ26が正常に機能していないと判断され、故障の発生箇所がターボチャージャ26に特定される(ステップ134)。
以上説明した通り、図6に示すルーチンによれば、タービン30の発生する機械エネルギLturbとコンプレッサ28が受ける機械エネルギLcompの収支が釣り合っているか否かに基づいて、ターボチャージャ26が正常に機能しているか否かを判断することができる。そして、システムに異常が認められる状況下でそのような判断を下すことにより、故障の発生箇所を特定することができる。このため、本実施形態の装置によれば、ターボチャージャ26を備える内燃機関10に故障が発生した場合に、その故障が内燃機関10に生じたものであるか、或いはターボチャージャ26に生じたものであるかを、区別して検知することができる。
ところで、上述した実施の形態2においては、ターボチャージャ26の異常診断の精度を高めるために、上記(29)式には、実測による変数を代入することとしているが、本発明はこれに限定されるものではない。すなわち、Lturb=Lcompが成立しているか否かは、上記(29)式にモデルにより演算された変数を代入して判断することとしてもよい。
また、上述した実施の形態2においては、タービンシャフト32周りのエネルギ収支が釣り合っているか否かを見るために、定常的な状況下でLturb=Lcompが成立しているか否かを見ることとしているが、その釣り合いを見る手法はこれに限定されるものではない。つまり、定常状態であるか否かを問わず、LturbおよびLcompを算出し、タービンシャフト32にその収支に応じた角加速度ωドットsが生じているか否かを見ることで、エネルギ収支の釣り合いを判断することとしてもよい。
尚、上述した実施の形態2においては、ECUが、上記ステップ128において(29)式の右辺を算出することにより前記第4の発明における「タービンエネルギ実推定値算出手段」が、(29)式の左辺を算出することにより前記第4の発明における「コンプレッサエネルギ実推定値算出手段」が、上記ステップ130の処理を実行することにより前記第4の発明における「エネルギ収支判断手段」が、上記ステップ132および134の処理を実行することにより前記第4の発明における「故障個所特定手段」が、それぞれ実現されている。
また、上述した実施の形態2においては、ECUが、上記ステップ126において、燃料噴射量qfを検知することにより、前記第6の発明における「燃料噴射量検知手段」が、上記ステップ124の処理を実行することにより前記第8の発明における「定常状態検知手段」が、それぞれ実現されている。
本発明の実施の形態1の構成の概要を説明するための制御ブロック図である。 本発明の実施の形態1で用いられるハードウェア構成およびエンジンモデルの概要を説明するための図である。 楕円で囲まれた空間を対象として、その内部の圧力Pv、温度Tvおよびガス質量Mvを演算するための空間モデルを説明するための図である。 内燃機関の筒内におけるガスの質量流量の収支、およびエネルギの収支を説明するための図である。 本発明の実施の形態1において実行されるルーチンのフローチャートである。 本発明の実施の形態2において実行されるルーチンのフローチャートである。
符号の説明
10 内燃機関
12 基本制御ブロック
14 故障診断ブロック
16 エンジンモデルブロック
18 偏差演算器
20 異常判定ブロック
22 吸気通路
24 排気通路
26 ターボチャージャ
28 コンプレッサ
30 タービン
32 タービンシャフト
34 スロットルバルブ
36 コンプレッサ下流空間
38 吸気マニホールド
40 排気マニホールド
Tatm 大気温
Patm 大気圧
mドットcomp コンプレッサ流通ガス流量
eドットcomp コンプレッサ流通エンタルピ
Pcomp コンプレッサ下流圧力
Tcomp コンプレッサ下流温度
mドットth スロットル流通ガス流量
eドットth スロットル流通エンタルピ
Pin 吸気マニホールド圧力
Tin 吸気マニホールド温度
mドットcyl 筒内流入ガス流量
eドットcyl 筒内流入エンタルピ
qf 燃料噴射量
eドットqf 燃料の燃焼エネルギ
Wドットcrank 仕事エネルギ
eドットloss 損失エネルギ
mドットex 排気ガス流量
eドットex 排気エンタルピ
Pex 排気マニホールド圧力
Tex 排気マニホールド温度
mドットturb タービン流通ガス流量
eドットturb タービン流通エンタルピ
Lturb タービンの発する機械エネルギ
Lcomp コンプレッサの受ける機械エネルギ

Claims (8)

  1. ターボチャージャを備えた内燃機関の故障診断装置であって、
    コンプレッサ通過ガス流量(mドットcomp)およびコンプレッサ通過エンタルピ(eドットcomp)と、コンプレッサ下流空間からの流出ガス流量および流出エンタルピとに基づいて、コンプレッサ下流温度Tcompおよびコンプレッサ下流圧力Pcompを算出するコンプレッサ下流空間モデルと、
    コンプレッサ下流温度Tcompおよびコンプレッサ下流圧力Pcompと、内燃機関の運転状態とに基づいて、コンプレッサ下流空間からの流出ガス流量および流出エンタルピを演算する第1エンジンモデルと、
    大気圧Patm、大気温度Tatm、コンプレッサ下流圧力Pcompおよびタービンシャフト回転数ωsに基づいて、コンプレッサ通過ガス流量(mドットcomp)およびコンプレッサ通過エンタルピ(eドットcomp)を算出するコンプレッサガスモデルと、
    排気マニホールド圧力Pex、排気マニホールド温度Tex、大気圧Patmおよびタービンシャフト回転数ωsに基づいて、タービン通過ガス流量(mドットturb)およびタービン通過エンタルピ(eドットturb)を算出するタービンガスモデルと、
    タービンがタービンシャフトに及ぼす機械エネルギLturbと、コンプレッサがタービンシャフトから受け取る機械エネルギLcompとに基づいてタービンシャフト回転数ωsを算出するシャフト回転数モデルと、
    タービン通過ガス流量(mドットturb)、排気マニホールド圧力Pex、排気マニホールド温度Tex、大気圧Patmおよびタービンシャフト回転数ωsに基づいて、タービンがタービンシャフトに及ぼす機械エネルギLturbを算出するタービンモデルと、
    コンプレッサ通過ガス流量(mドットcomp)、大気圧Patm、大気温度Tatm、コンプレッサ下流圧力Pcompおよびタービンシャフト回転数ωsに基づいて、コンプレッサがタービンシャフトから受け取る機械エネルギLcompを算出するコンプレッサモデルと、
    内燃機関の運転状態に基づいて、内燃機関から排気マニホールドに流出する排気ガス流量(mドットex)および排気エンタルピ(eドットex)を算出する第2エンジンモデルと、
    タービン通過ガス流量(mドットturb)およびタービン通過エンタルピ(eドットturb)と、排気ガス流量(mドットex)および排気エンタルピ(eドットex)とに基づいて、排気マニホールド圧力Pexおよび排気マニホールド温度Texを算出する排気マニホールドモデルと、
    上記のモデルにより算出されるガス流量、温度、および圧力のうち少なくとも一つを実測する実測センサと、
    前記実測センサによる実測値と、その実測値に対応するモデル算出値との比較結果に基づいて故障の有無を判定する故障判定手段と、
    を備えることを特徴とするのターボチャージャを備える内燃機関の故障診断装置。
  2. 前記タービンと吸気マニホールドの間に配置されたスロットルバルブを備え、
    前記コンプレッサ下流空間は、前記スロットルバルブの上流の空間であり、
    前記コンプレッサ下流空間からの流出ガス流量および流出エンタルピは、それぞれスロットル流通ガス流量(mドットth)およびスロットル流通エンタルピ(eドットth)であり、
    前記第1エンジンモデルは、
    コンプレッサ下流温度Tcomp、コンプレッサ下流圧力Pcomp、スロットル開度、および吸気マニホールド圧力Pinに基づいて、スロットル流通ガス流量(mドットth)およびスロットル流通エンタルピ(eドットth)を算出するスロットルモデルと、
    内燃機関の運転状態、吸気マニホールド圧力Pin、および吸気マニホールド温度Tinに基づいて内燃機関への筒内流入ガス流量(mドットcyl)および筒内流入エンタルピ(eドットcyl)を算出する筒内流入モデルと、
    スロットル流通ガス流量(mドットth)およびスロットル流通エンタルピ(eドットth)と、筒内流入ガス流量(mドットcyl)および筒内流入エンタルピ(eドットcyl)とに基づいて、吸気マニホールド圧力Pin、および吸気マニホールド温度Tinを算出する吸気マニホールドモデルと、を含み、
    前記第2エンジンモデルは、
    筒内流入ガス流量(mドットcyl)と燃料噴射量qfとに基づいて排気ガス流量(mドットex)を算出する排気ガス流量モデルと、
    筒内流入エンタルピ(eドットcyl)と、燃料の燃焼エネルギ(eドットqf)と、外部への仕事エネルギWcrankと、損失エネルギ(eドットloss)との収支計算により排気エンタルピ(eドットex)を算出する排気エンタルピモデルとを含むことを特徴とする請求項1記載のターボチャージャを備える内燃機関の故障診断装置。
  3. 前記ターボチャージャは、タービンの有効径を変化させる可変ノズルを備え、
    前記タービンガスモデルは、更に可変ノズル開度を基礎として前記タービン通過ガス流量(mドットturb)を算出し、
    前記タービンモデルは、更に可変ノズル開度を基礎として前記機械エネルギLturbを算出することを特徴とする請求項1又は2記載のターボチャージャを備える内燃機関の故障診断装置。
  4. 大気圧センサと、
    大気温度センサと、
    コンプレッサ下流圧力センサと、
    排気マニホールド圧力センサと、
    排気マニホールド温度センサと、
    前記タービンモデルが用いる演算式に、排気マニホールド圧力Pexの実測値、排気マニホールド温度Texの実測値、および大気圧Patmの実測値を代入することで、タービンがタービンシャフトに及ぼす機械エネルギLturbの実推定値を算出するタービンエネルギ実推定値算出手段と、
    前記コンプレッサモデルが用いる演算式に、大気圧Patmの実測値、大気温度Tatmの実測値、およびコンプレッサ下流圧力Pcompの実測値を代入することで、コンプレッサがタービンシャフトから受け取る機械エネルギLcompの実推定値を算出するコンプレッサエネルギ実推定値算出手段と、
    前記機械エネルギLturbの実推定値と、前記機械エネルギLcompの実推定値とに基づいて、タービンシャフト両側のエネルギ収支が釣り合っているか否かを判断するエネルギ収支判断手段と、
    前記故障判定手段によって故障の発生が判定されている場合に、前記エネルギ収支の釣り合いが認められる場合は、故障の発生箇所を内燃機関と特定し、一方、前記エネルギ収支の釣り合いが認められない場合は、故障の発生箇所をターボチャージャと特定する故障個所特定手段と、
    を備えることを特徴とする請求項1乃至3の何れか1項記載のターボチャージャを備える内燃機関の故障診断装置。
  5. 吸入空気量を測定するエアフロメータを備え、
    前記コンプレッサエネルギ実推定値算出手段は、前記コンプレッサモデルが用いる演算式に、前記エアフロメータによる実測空気量を前記コンプレッサ通過ガス流量(mドットcomp)として代入することで、前記機械エネルギLcompの実推定値を算出することを特徴とする請求項4記載のターボチャージャを備える内燃機関の故障診断装置。
  6. 吸入空気量を測定するエアフロメータと、
    内燃機関の噴射される燃料量を検知する燃料噴射量検知手段とを備え、
    前記タービンエネルギ実推定値算出手段は、
    前記タービンモデルが用いる演算式に、前記エアフロメータによる実測空気量と燃料噴射量との和を前記タービン通過ガス流量(mドットturb)として代入することで、前記機械エネルギLturbの実推定値を算出することを特徴とする請求項4または5記載のターボチャージャを備える内燃機関の故障診断装置。
  7. 前記タービンエネルギ実推定値算出手段は、タービンシャフトωsに代えて、代表的な既定のタービン効率ηtを基礎として前記機械エネルギLturbの実推定値を算出し、
    前記コンプレッサエネルギ実推定値算出手段は、タービンシャフトωsに代えて、代表的な既定のコンプレッサ効率ηcを基礎として前記機械エネルギLcompの実推定値を算出することを特徴とする請求項4乃至6の何れか1項記載のターボチャージャを備える内燃機関の故障診断装置。
  8. タービンシャフトの回転数が一定となる定常状態の成立を検知する定常状態検知手段を備え、
    前記エネルギ収支判断手段は、前記定常状態の成立時に、前記機械エネルギLturbの実推定値と、前記機械エネルギLcompの実推定値とが実質的に等しい場合にタービンシャフト両側のエネルギ収支が釣り合っていると判断することを特徴とする請求項4乃至7の何れか1項記載のターボチャージャを備える内燃機関の故障診断装置。
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