JP2005155223A - 教室を構成する木造間仕切り装置 - Google Patents

Abstract

【課題】 学校の教室を仕切る為の木製間仕切りであって、外部に金属部分が露出することなく、明かりを通すガラス窓と通気性を有す回転パネルを備えた教室を構成する木製間仕切り装置の提供。
【解決手段】 枠組みした開口にガラス５を嵌めて開くことが出来ないガラス窓を設け、ガラス窓の間には木製の回転パネル６を取付けると共に、軸１６を介して回転することで開閉操作を可能としている。
【選択図】 図４

Description

本発明は、特に学校の校舎を仕切って教室を作る場合に据付ける木製の間仕切装置に関するものである。

図５は大きな部屋空間を仕切る金属製の間仕切り装置の断面を示しているが、その下端は床面に接し、上端は天井に達している。床面(イ)に固定した床レール(ロ)にはアジャスター(ハ)が配置され、このアジャスター(ハ)にて適当な高さに支持された巾木(ニ)にはパネル(ホ)、(ホ)が所定の間隔をおいて起立している。そしてパネル(ホ)、(ホ)の上端は天井パネル(ヘ)まで達し、天井パネル(ヘ)にネジ止めされた天井レール(ト)と該天井レール(ト)に取付けられたパネルガイド(チ)によって上端が支えられている。

両パネル(ホ)、(ホ)にて床から天井までの空間が仕切られるが、上記天井レール(ト)は天井パネル(ヘ)を取付けている下地材(リ)にネジ止めされている。そして、隣り合う各パネル(ホ)、(ホ)間にはスタッド(ル)が介在してパネル側端に設けている止着片が該スタッド(ル)にネジ止めされている。又、壁面(ワ)にはエンドレール(オ)が取着されていて、パネル側端を固定すると共に、壁面間に生じる隙間を塞いでいる。

ところで、このような構造の間仕切装置は、そのパネル(ホ)、スタッド(ル)、巾木(ニ)、天井レール(ト)等の構成部材は金属製であり、オフィス等で一般に使用されている。しかし、この種の間仕切装置を学校の教室を仕切る間仕切として使用するには、情操教育上好ましくないと言われる。近年の校舎は鉄筋コンクリートで構成され、机や椅子にしても金属製が使用されるなど、幼い子供の情緒性を損ない、不安や疲れを増すとも言われる。

その為に、授業への集中に欠け、構内暴力を誘発するなどの1つの原因に成っているとの見解も示されている。一方、金属製間仕切装置は湿気を吸収したり放出する機能は無く、教室の湿度が適度に保たれないことで生徒は咽を痛めたり、インフルエンザの繁殖を抑制することも出来ない。又、金属製パネルは紫外線の反射率が高くて、目を刺激して目に負担をかけることも多く、昔の木造校舎に比較して色々な問題がある。

そこで、従来においては上記金属製間仕切装置でなく、木製の間仕切装置が開発されて一部で使用されている。例えば、特許第２５６０１７５号に係る「間仕切パネル」、特開２０００−３０３５９５号に係る「間仕切パネル」、実公平６−３４４８８号に係る「間仕切パネル」、実公平６−２３６０９号に係る「間仕切パネル」、実公平５−２４７８７号に係る「間仕切パネル」が知られている。

これら間仕切パネルを用いて間仕切り装置を構成する訳であるが、上記パネルを用いて構成される間仕切装置は、その他の一部主要構成部材として金属製部品が使用されている。スタッド等の主な箇所に金属製部品を用いることで間仕切装置全体としての強度は高くなり丈夫であるが、金属製部品と木製部品との組合わせが容易でない。すなわち、硬い金属部品と比較的柔らかい木製部品を突き合わせる組合わせ構造では、接合面に弛みが発生し易い為に、この点を考慮した構造としなくては成らない。

一方、室内温度の変化に応じた収縮率が金属部品と木製部品とでは大きく違い、これが為に互いに接合して組合わせても期間が経過するに従って、接合面に隙間が発生したり、ガタツキを招く。従って、引き戸や開き戸を間仕切装置の一部に装着する場合、スムーズな開閉操作に支障を来たすこともある。

図６(ａ)、(ｂ)は木製間仕切りにガラス窓を設けた場合の概略図である。該ガラス窓は引戸にて構成され、対を成す２枚の引戸(カ)、(カ)及び(ヨ)、(ヨ)が装置されている。このように、アルミ製の枠にガラスを嵌めた引戸(カ)、(カ)、(ヨ)、(ヨ)を装着した場合、木製の間仕切りとの調和が崩れてしまう。また木製の間仕切りが乾燥して収縮することでアルミ製の引戸(カ)、(カ)及び(ヨ)、(ヨ)の開閉操作に支障を来たすこともある。

そこで、引戸を木製にするならば木製間仕切りとの調和を取ることは出来るが、木製の引戸の場合、引戸自体の収縮変形も加わり、開閉操作に更なる支障をもたらし、又閉じた場合には隙間を生じる事もある。一方、開口部に装着されて対を成す引戸(カ)、(カ)及び(ヨ)、(ヨ)は、開口した場合でも１／２の開口度しかなく、開口を全開することは出来ない。
特許第２５６０１７５号に係る「間仕切パネル」 特開２０００−３０３５９５号に係る「間仕切パネル」 実公平６−３４４８８号に係る「間仕切パネル」 実公平６−２３６０９号に係る「間仕切パネル」 実公平５−２４７８７号に係る「間仕切パネル」

このように、従来の木製間仕切り装置、特に該間仕切りに装着される引戸には上記のごとき問題がある。本発明が解決しようとする課題はこれら問題点であり、開口をほぼ全開することが出来ると共に、開閉操作に支障を来たすことがない回転パネルを備えた教室を構成する木製の間仕切り装置を提供する。

本発明に係る教室を構成する間仕切り装置は木製であり、この間仕切りにはガラス窓を設けている。ところが、このガラス窓は開くことが出来ず枠組みされた開口に嵌められている。そして、ガラス窓とは別に枠組みした開口を設け、この開口に木製の回転パネルを取付けている。回転パネルはその中心に回転軸を設け、該軸を介して自由に回転し、開口を開くことが出来る。

開く場合には、回転パネルを如何なる向きに静止することも可能であるが、閉じた場合にはその位置を決める為のストッパーが設けられると共にロックされる。回転パネルの大きさは限定しないが、ガラス窓の間に設けられ、上下に分離している場合には、回転軸を連結して下側のパネルを回転することで上側パネルも連動させることが出来る。

本発明では、木製間仕切り装置にガラス窓を設け、このガラス窓は開くことが出来ないように嵌っている。従ってガタ付くことはなく、ガラス窓を通して明かりを入れることは出来る。そして外部から空気の出入を行う場合には、別の木製回転パネルを回転させることで行われる。この回転パネルは開口が小さい割りに全開することが出来る。

上記回転パネルは軸を中心として回転することで開口を開閉するように成っている為に、従来の引戸のごとき木製間仕切りの収縮に基づいて開閉操作に支障を来たすことはない。そして、本発明の間仕切り装置はガラスを木製枠に直接嵌める為に金属製の枠を使用せず、外部に金属部分が殆ど表面化しない構造となる。

図１は本発明に係る間仕切り装置の外観を示す実施例であり、正面図を表している。この間仕切り装置は学校の教室と廊下が仕切られる。両側には木製のパネル１，１が取付けられ、該パネル１，１の上側にはガラス２，２が木製枠に嵌っている。該パネル１，１の隣には木製の引戸３，３が装着されて、教室へ入り出入口と成っている。又、引戸３，３の上側にもガラス２，２が嵌っている。そして、両引戸３，３の間には下側の木製パネル４，４・・と上側のガラス５，５・・とが対を成して配列されている。ここで、ガラス5は木製の枠に嵌って取付けられている。

そして、ガラス５，５・・の間には回転パネル６，６・・が取付けられ、該回転パネル６，６・・は軸を中心として回転することが出来、その結果、この部分は開口する。すなわち、ガラス２，２・・及びガラス５，５・・が嵌って構成されるガラス窓は開くことが出来ないが、明かりを通すことは出来る。しかし、通気性が損なわれる為に、上記回転パネル６，６・・を回転することで開口される。該間仕切り装置にはガラス５，５・・が嵌ったガラス窓を配列し、ガラス窓の間には開口することが出来る回転パネル６，６・・を取付けている。

図２は本発明の間仕切り装置を示す他の実施例である。該間仕切り装置はパネル４の代わりに枠に嵌ったガラス７が用いられ、ガラス５とガラス７との間には横桟８が介在している。そして、回転パネル６の下側には別の回転パネル９が取付けられ、該回転パネル9も回転して開口することが出来る。

図3は本発明に係る間仕切り装置を示すさらに別の実施例である。この実施例の間仕切り装置は、ガラス5を分割して上側に小さなガラス２を取付けた構造と成っている。すなわち、ガラス5の下側にはガラス7が、上側にはガラス２が取付けられている。そして、これらガラス５，５・・が嵌っているガラス窓の間には回転パネル６，６・・が、ガラス７，７・・が嵌っているガラス窓の間には回転パネル９，９・・が、そしてガラス２，２・・が嵌っているガラス窓の間には回転パネル１０，１０・・が夫々取付けられている。

このように、本発明の木製間仕切り装置にはガラス窓が設けられているが、該ガラス窓は開くことが出来ず、枠組みされた開口に嵌って取着されている。そして、ガラス窓の間に開閉窓を構成する回転パネルが設けられている。この回転パネルは木製であり、中心に設けている軸を基にして回転することで開閉することが出来る。すなわち、本発明では明かりを通すガラス窓は開くことなく、別に回転パネルによる開閉窓を設け、この回転パネルを回転することで通気性を確保することが出来る間仕切り構造と成っている。

図４は本発明の木製間仕切り装置の断面を示している。ガラス５の取付け構造は限定しないが、横幅寸法は左右の縦桟１１，１２ａ間寸法より僅かに小さくなっている。そして上桟１３と下桟１４には嵌合溝が形成されて、ガラス５の上端部と下端部が嵌っている。縦桟１１，１２ａにはガラス押え１５，１５・・が取着されて、ガラス５の側部を固定している。ガラス2及びガラス７の場合も同じ取付け構造である。

又、木製の回転パネル６はその中心に軸１６が設けられ、該軸１６を基にして回転することが出来る。そして、回転パネル６の向きは自由であり、適度な方向で静止することが出来る。すなわち、ある程度の摩擦があって自由に回転しないように成っている。又、閉じた場合には、縦桟１２ａ，１２ｂとの間に隙間を残さないように、又所定の位置で停止する為に、当たり１７ａ，１７ｂを形成している。さらに、回転して開かないようにロックされる。ロック手段はフランス落としが一般的である。

本発明に係る間仕切り装置の外観正面図。 本発明に係る間仕切り装置の外観正面図。 本発明に係る間仕切り装置の外観正面図。 間仕切り装置の縦断面図及び横断面図。 従来の金属製間仕切り装置。 木製間仕切り装置にアルミ製引戸を装着している場合。

符号の説明

１ パネル
２ ガラス
３ 引戸
４ パネル
５ ガラス
６ 回転パネル
７ ガラス
８ 横桟
９ 回転パネル
10 回転パネル
11 縦桟
12 縦桟
13 上桟
14 下桟
15 ガラス押え
16 軸
17 当り

Claims (3)

1. 学校の教室を仕切る為の木製間仕切りにおいて、枠組みした開口にガラスを嵌めて開くことが出来ないガラス窓を配列して設け、ガラス窓の間には木製の回転パネルを取付けると共に、軸を介して回転することで開閉操作を可能としたことを特徴とする教室を構成する間仕切り装置。
2. 回転パネルを取付けた開口の縦桟に当たりを形成してストッパーとした請求項1記載の教室を構成する間仕切り装置。
3. 横桟を間にして上下に設けた開口に回転パネルを取付けると共に、上下の回転パネルを軸を介して互いに連動可能にした請求項1、又は請求項2記載の教室を構成する間仕切り装置。
   
   

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