JP2005155216A - 屋上の外断熱防水工法 - Google Patents

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Abstract

【課題】断熱材を下地に容易に且つ確実に固定又は張付け可能とすると共に、断熱材の吸水劣化を防止することにより、施工し易く、防水性及び耐久性の優れた屋上の外断熱防水工法を提供する。
【解決手段】下地に防水性及び接着性を兼ね備えるアクリルゴム系張付材を塗布し、その上に有機系断熱材を張付けた後、アクリルゴム系塗膜防水材を施工する外断熱防水工法。
【選択図】なし

Description

本発明は、建築物の屋上を構成するコンクリートやプレキャスト板などに有用な屋上の外断熱防水工法に関する。
従来、コンクリートやプレキャスト板などの上に外断熱防水工法を露出施工する工法としては、下地に直接ボード状の断熱材を設置した後、この断熱材の上に防水材を施工する工法や、下地に防水材を施工した上で、断熱材に次いで更に防水材を施工する工法がある(例えば、特許文献1〜3参照)。
断熱材の下の防水材は、樹脂系の薄いシートタイプの製品が多く、主に室内側からの湿気が断熱材中に移行して結露し、断熱材が吸水して断熱性能が低下することを防ぐ目的で、断熱材の下に施工されるものである。また、含水率の高い下地に断熱材を直接張った場合に下地の水分が下地と断熱材との界面に集まり、断熱材がこの水分を吸ってしまう現象を防止する意味もある。
一方、断熱材の固定方法には、接着剤による張付けとピン、釘やボルトなどにによる機械固定があるが、機械固定の場合は、下地側の防水材に穴を開けることになるので断熱材が結露水や下地水分を吸ってしまうことを防止し難い(特許文献4)。
断熱材の張付けに用いる接着剤としては、水溶性エマルション系接着剤や合成ゴム系接着剤などがある(特許文献5及び6)。
水溶性エマルション系接着剤には、アクリルエマルション系、エチレン−酢酸ビニル系等があり、両者とも接着剤の水分がある程度蒸発した半乾き段階で断熱材張付けに必要な粘りを発現するものであるが、乾き過ぎると粘りが無くなり、断熱材に付着しなくなる。この接着剤が、粘り発現に至る時間及び粘り保持時間は、気温、湿度、風などの気象条件、施工場所の日当たり、下地の含水率、塗布量などによって大きく変わるため、施工管理が非常に難しく、接着しない箇所ができ易い。従って、通常の塗布量0.3〜0.5kg/m2大幅に越えて塗布できないため、下地の小さな段差、凹凸を埋められず、断熱材が全面接着しないことが多い。さらに水溶性エマルション系であるため、接着面に水分が供給されると吸水膨潤し、接着性が低下して、断熱材が剥れる危険性が生じる。
合成ゴム系接着剤には、クロロプレン系、ニトリルゴム系、スチレンブタジエンゴム (SBR)系などがあるが、いずれも溶剤系であり、作業員や周辺環境に影響があるばかりでなく、火気があると引火する危険性がある。また、下地側の防水材上に塗布すると、防水材が溶剤を吸収して膨潤し下地から浮き上がって剥げたり、施工完了まで溶剤が抜けていない場合には、溶剤が太陽熱で気化して断熱防水工法の構成層内で内圧が生じ、断熱材上に施工された防水材が膨れたり浮いたりする場合がある。さらに、通常の塗布量0.4〜0.5kg/m2では、下地の小さな段差、凹凸を埋めきれず、断熱材が全面接着しない場合がある。
特開2001−32365号公報(課題を解決するための手段) 特開平7−292876号公報(特許請求の範囲) 特開平9−177259号公報(特許請求の範囲) 特開平10−317600号公報(課題を解決するための手段) 特開平9−32215号公報(課題を解決するための手段) 特開2001−311263号公報(特許請求の範囲)
本発明は、前記背景技術の欠点を改良する目的でなされたもので、断熱材を下地に容易に且つ確実に固定又は張付け可能とすると共に、断熱材の吸水劣化を防止することにより、施工し易く、防水性及び耐久性の優れた屋上の外断熱防水工法を提供することである。
本発明者らは、鋭意検討した結果、下地にアクリルゴム系張付材を塗布して有機系断熱材を張付け後、アクリルゴム系塗膜防水材を施工する外断熱防水工法が上記課題を解決できることを見出し、本発明を完成させたのである。
本発明の外断熱防水工法によれば、下地に断熱材を張付ける時に用いるアクリルゴム系張付材が、接着耐久性及び耐水接着性に優れると共に、機械固定と組み合わせた状態でも防水材の役割を果たし、断熱材を健全な状態に保つため、高い断熱性と防水性を長期間維持することができ、施工性を踏まえた効率的な断熱防水が可能である。
本発明の外断熱防水工法は、下地にアクリルゴム系張付材を塗布し、有機系断熱材を張付け、必要に応じてアクリルゴム系張付材が増粘する前に当該断熱材を機械固定した後、アクリルゴム系塗膜防水材を施工することを特徴とする。
以下、本発明を、使用する主要な施工材料と共に図面を参照しながら順を追って詳細に説明する。
なお、当該図面は本発明の外断熱防水工法の特徴を開示することが目的であって、これらの形状、大きさ等は限定されるものではない。
[1]下地へのアクリルゴム系張付材の塗布
本発明の外断熱防水工法は、建築物の屋上を構成する鉄筋コンクリートなどのコンクリートスラブ、プレキャストコンクリート板(以下、PC板という)、ALC板などに施工することができる。
断熱材を張付施工するに当たり、下地の段差、凹み、欠損などは、ポリマーセメントモルタルやモルタルなどを充填し、細かい凸部はサンダーケレンにより除去し、下地面を平滑にしておくことが好ましい。また、PC板やALC板などの下地の場合は、継ぎ手に不織布からなるテープを張る。これらの処理後、下地に断熱材を固定するため、アクリルゴム系張付材を下地1に塗布する。
○アクリルゴム系張付材
本発明の工法で用いるアクリルゴム系張付材は、1)エマルション、2)無機質水硬性物質及び3)フィラーから構成されるが、以下各々の成分について説明する。
1)エマルション
アクリルゴム系張付材を構成するエマルションは、(a)炭素数4〜10のアルキル基を有するアルキル(メタ)アクリレートから選ばれた1種以上の単量体、(b)(メタ)アクリル酸及び(c)グリシジル(メタ)アクリレートを必須構成単量体とする重合体を界面活性剤により水に乳化分散させたものであり、以下それぞれの成分について説明する。
(a)炭素数4〜10のアルキル基を有するアルキル(メタ)アクリレート:炭素数4〜10のアルキル基を有するアルキル(メタ)アクリレートの具体例としては、n−ブチル(メタ)アクリレート、iso−ブチル(メタ)アクリレート、sec−ブチル(メタ)アクリレート、n−アミル(メタ)アクリレート、iso−アミル(メタ)アクリレート、n−ヘキシル(メタ)アクリレート、n−ヘプチル(メタ)アクリレート、オキソヘプチル(メタ)アクリレート、n−オクチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、n−ノニル(メタ)アクリレート、オキソノニル(メタ)アクリレート、n−デシル(メタ)アクリレート及びオキソデシル(メタ)アクリレート等が挙げれられる。炭素数が4より小さいアルキル基を有する(メタ)アクリレートは、耐アルカリ性の点で好ましくなく、他方炭素数が10を越えるものは、耐寒性が低下するので好ましくない。所望単量体を含めた全単量体中の上記単量体の割合は、30〜98質量%であり、更に好適には40〜90質量%である。この割合が30質量%を下回ると塗膜の下地ひび割れ追従性、耐水性及び耐アルカリ性が劣るものとなり、一方、98質量%を越えると塗膜にタックが生じるばかりか、十分な塗膜強度を得ることができない。
(b)(メタ)アクリル酸:(メタ)アクリル酸は、重合体において他の必須構成単量体成分であるグリシジル(メタ)アクリレートとの架橋成分として働き、又、エマルションと無機質水硬性物質を混合した場合、無機質水硬性物質中のカルシウムイオン等の多価金属イオンとカルボキシル基との内部架橋を形成して、塗膜に強靭性を付与し、更には混練安定性を付与する分散剤としても働く。これらの全単量体中の割合は、0.1〜3質量%の範囲である。この割合が0.1質量%に満たない場合は接着性が低下し、得られる塗膜の強靭性及び耐外傷性が低下してしまう。一方、3質量%を越える場合には、塗膜の耐水性、耐アルカリ性が極端に低下するため好ましくない。
(c)グリシジル(メタ)アクリレート:グリシジル(メタ)アクリレートは、重合体における架橋成分として働き、塗膜に強靭性を付与する。グリシジル(メタ)アクリレートは、全単量体中に0.1〜5質量%の任意の範囲で使用されるが、好ましくは0.1〜3質量%の範囲で使用することが重合操作の面から好ましい。グリシジル(メタ)アクリレートが0.1質量%に満たない場合は、接着性が低下し、得られる塗膜の強靭性及び耐外傷性が低下してしまい、一方5質量%を越え使用すると、塗膜の強靭性が大きすぎるばかりか、重合操作上凝集物が生じ易く、好ましくない。
(d)その他の単量体:アクリルゴム系張付材を構成するエマルションで使用される重合体は、上記必須単量体に加え、それらと共重合可能な不飽和エチレン結合を有する単量体を、重合体の諸物性を制御するための所望単量体として必要に応じて使用することができ、具体的には、スチレン、アクリロニトリル及び酢酸ビニル等が挙げられる。これらは、全単量体に対し、1〜70質量%とすることが好ましい。又、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、n−プロピル(メタ)アクリレート、iso−プロピル(メタ)アクリレート等の炭素数が3以下のアルキル基を有する(メタ)アクリレートも所望単量体として用いることができるが、得られる塗膜の物性に悪影響を生じない範囲内、具体的には全単量体に対し、0.1〜28質量%とすることが望ましい。又、防水塗膜に強靭性を付与するために、重合体における架橋成分として、N−メチロールアクリルアミド、N−ブトキシメチルアクリルアミド等を適宜使用することもできる。
(e)ガラス転移温度:アクリルゴム系張付材を構成するエマルションで使用される重合体は、上記単量体を重合して得られるガラス転移温度(以下、Tgという)が−20℃以下の重合体である。Tgが−20℃を越えるものは、下地ひび割れ追従性に劣り、接着性が低下し、又、多くの場合、耐水性が不良になるために好ましくない。重合体のTgとは、無定型重合体の各種性質が急変する温度で、この温度以下では、重合体の無定型部分の分子セグメント運動が凍結されるような温度であるり、重合体を構成する個々の単独モノマーの単独重合体について既に知られているTgから、次の計算式によって算出される。
Figure 2005155216
CA;重合体における単量体Aの質量分率
CB;重合体における単量体Bの質量分率
CN;重合体における単量体Nの質量分率
TgA;単量体A単独重合体のTg(絶対温度)
TgB;単量体B単独重合体のTg(絶対温度)
TgN;単量体N単独重合体のTg絶対温度)
ここで、CA+CB+・・・+CN=1である。
Tgが−20℃以下の単独重合体の主な例を挙げると(括弧内はTg)、ポリエチルアクリレート(−22℃)、ポリ−n−ブチルアクリレート(−54℃)、ポリ−2−エチルヘキシルアクリレート(−85℃)等があり、これらと共重合可能なモノマーからなりTgが−20℃以下になる重合体としては、ポリアクリル酸メチル(8℃)、ポリスチレン(87℃)、ポリ酢酸ビニル(30℃)、ポリメタクリル酸メチル(130℃)等がある(これら以外の重合体のTgについては、丸善(株)発行の化学便覧等を参照)。共重合体のTgの計算例を示すと、ブチルアクリレート70質量部とスチレン30質量部との共重合体のTgは、前記式より−23℃となる。以上のように、本発明方法におけるエマルションに用いられる重合体のTgは−20℃以下であり、かかる柔らかい重合体を使用することにより、防水材として厚塗りした時、成膜時にひび割れ、亀裂等が生じることがない。
(f)その他の成分:アクリルゴム系張付材を構成するエマルションは、前記単量体を水中でカチオン性又はノニオン性界面活性剤の存在下に常法により重合して容易に得ることができ、通常は得られるエマルションの重合体固形分濃度が30〜70質量%になるように行われる。又、このエマルションのpH値は7〜10であることが安定性の面より好ましく、アンモニア、水溶性アミン、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等を用いて、エマルションのpH値を調整しておくことが好ましい。ただし、弱酸性又は酸性領域でも、安定性の良いエマルションであれば、本発明の目的にそのままで十分に利用できる。本発明に用いるエマルションには、その他の成分、例えば消泡剤を配合することができる。消泡剤としては、オクチルアルコール、カプリルアルコール、アウリルアルコールおよびシクロヘキサノール等の一般に使用される消泡剤が使用できる。消泡剤の配合割合としては、重合体固形分に対して、0.1〜5質量%が好ましい。
(g)界面活性剤:アクリルゴム系張付材を構成するエマルションの製造に使用される界面活性剤は、ノニオン性又はカチオン性の界面活性剤の中から、任意に用いることができる。アニオン性の界面活性剤は、塗膜の耐水性を低下させるので、常時水に接触する本発明の用途には不適である。
本発明に使用し得るカチオン性界面活性剤としては種々のものがあり、具体的には、トリメチルオクタデシルアンモニウムクロライド、トリメチルドデシルアンモニウムクロライド、トリメチルヘキサデシルアンモニウムクロライド、アルキルジメチルベンジルアンモニウムクロライド、ジステアリルジメチルアンモニウムクロライド及びトリメチルステアリルアンモニウムクロライド等の4級アンモニウム塩、ジメチルオクチルアミン、ジメチルデシルアミン、ジメチルラウリルアミン、ジメチルミリスチルアミン、ジメチルパルミチルアミン、ジメチルステアリルアミン、ジメチルオレイルアミン、トリオクチルアミン、N−メチルモルフォリン、ジメチルベンジルアミン及びポリオキシエチレンアルキルアミン等の3級アミン等が挙げられる。
本発明におけるノニオン性界面活性剤としては、通常のアクリル系エマルションで使用されるものであれば、何れのものも使用できる。具体例を挙げれば、ポリオキシエチレンセチルエーテル、ポリオキシエチレンステアリルエーテル、ポリオキシエチレンオレイルエーテル、ポリオキシエチレンオクチルフェノールエーテル及びポリオキシエチレンノニルフェノールエーテル等のポリオキシエチレンのアルキル又はアルキルフェノールエーテル、ソルビタンモノステアレート、ソルビタンモノラウレート、ソルビタンジステアレート、ソルビタンモノオレエート及びソルビタントリオレエート等のソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタンモノラウレート等のポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリエチレングリコール脂肪酸エステル並びにグリセリンモノ脂肪酸エステル等が挙げられる。
これらの界面活性剤のうち、特に重合安定性、機械的・化学的安定性が良好となる点で、HLB値15以上のポリエチレンオキサイド系ノニオン界面活性剤を使用することが好ましい。界面活性剤の配合量は、エマルションに対して要求される性質に応じて変わりうるが、エマルションの安定性を向上させるには、界面活性剤の配合量が多いことが好ましく、乾燥性及び塗膜の耐水性を向上させるためには、配合量が少ない方が好ましい。好適な配合量は、これらのバランスを考慮して定めればよく、エマルション中の重合体に対して、好ましくは1〜10質量%の範囲内で目的に応じて決められる。
2)無機質水硬性物質
本発明で使用するアクリルゴム系張付材を構成する無機質水硬性物質は、前記のエマルションと混合することにより、得られる塗膜を強靭にすると共に、塗膜の耐水性、湿潤面に対する接着性及び乾燥成膜性を向上させる。無機質水硬性物質としては、各種セメント、無水及び半水石膏、生石灰並びに亜鉛華等が挙げられる。これらの中でもセメントが好ましく、普通ポルトランドセメント、アルミナセメント、早強セメント、超早強セメント、中庸熱ポルトランドセメント、耐硫酸塩ポルトランドセメント、フライアッシュセメント、高炉セメント、白色セメント、シリカセメント、コロイドセメント及び特殊セメント等がある。これらの中でも、普通ポルトランドセメント及びアルミナセメントが好ましく、アルミナセメントを使用することが、耐酸性、耐温水性等に優れているためより好ましい。無機質水硬性物質は、2種類以上を併用することも可能である。
3)フィラー
本発明で使用するアクリルゴム系張付材は、前記のエマルション、無機質水硬性物質に加え、さらにフィラーを配合してなるものである。フィラーは骨材を主成分とするもので、さらに骨材と増粘剤からなるものを使用することが好ましい。
(a)骨材:骨材は、前記エマルション及び無機質水硬性物質とを混合する場合において、粘度調整及び増量を目的として好ましく使用されるものである。骨材としては、乾燥硅砂、珪石粉、タルク、炭酸カルシウム、カオリン、クレー、石膏、珪藻土、シリカフューム、フライアッシュ、高炉スラグ等のポゾラン材料、天然及び合成シリカ、並びにガラス又は有機樹脂のビーズ及びバルーン等といった一般汎用の充填材を挙げることができる。これらの中でも、組成物の緻密性と練上り粘度の最適化を図ることができるため、乾燥硅砂とその他の充填材とを組合せることが好ましい。乾燥硅砂とは、珪酸分に富んだ石英砂の総称であり、産地により化学成分、吸水率等が異なるが、本発明に適した乾燥硅砂としては、吸水率が低く、48〜500メッシュの粒度を有するものが好ましい。その他の充填材としては、炭酸カルシウム又は/及びクレーの組み合わせが好ましく、得られる塗膜が耐酸性及び耐アルカリ性に優れたものとなるため、クレーを使用することがより好ましい。乾燥硅砂とその他の充填材の割合としては、乾燥硅砂:その他の充填材=0.5:9.5〜9.5:0.5(質量比)が好ましく、物性及び作業性を考慮して決定することができる。
(b)増粘剤:増粘剤は、前記エマルション、無機質水硬性物質及び骨材を混合する場合において、増粘性付与及び立上り面への施工の際の垂れを防止することを目的にして好ましく使用されるものである。増粘剤としては、増粘剤、タレ防止剤及び揺変剤等と称される一般的なものが使用可能であり、繊維材料を使用することが好ましい。繊維材料の具体例としては、塩基性硫酸マグネシウム、セピオライト(結晶性マグネシウム珪酸塩粘土鉱物)及びゾノライト(結晶性珪酸カルシウム)等のアスベスト以外の無機系繊維等があり、これらの中でもセピオライトが好ましい。セピオライト繊維とは、含水珪酸マグネシウムを主成分とする天然の繊維状粘土鉱物を特殊加工したものであり、繊維長さ5〜50μm及び繊維径0.2μm以下のものが好ましい。この他の増粘剤の例としては、シリカ及びベントナイト等の無機系増粘剤、エチルセルロース、メチルセルロース及びヒドロキシエチルセルロース等の水溶性セルロース化合物、多糖類及びザンサンガム等の天然有機増粘剤、並びにポリビニルアルコール等のポリビニル系化合物、ポリアクリル酸ソーダ等のアクリル系化合物、ポリエチレンオキサイド等の合成有機増粘剤が挙げられる。増粘剤は2種類以上を併用することも可能である。増粘剤の配合割合としては、無機質水硬性物質及び骨材の合計量に対して、8質量部以下とすることが塗装作業を良好にできるため好ましい。
4)無機質水硬性物質とフィラーの割合
本発明で使用するアクリルゴム系張付材を構成する無機質水硬性物質とフィラーの割合としては、無機質水硬性物質100質量部に対して、フィラーが50〜600質量部となる割合が好ましく、より好ましくは100〜500質量部である。この割合が50質量部未満では、無機質水硬性物質が過剰となるため、塗膜の柔軟性が損なわれる場合があり、他方600質量部を越える場合は、塗膜の強靭性が充分でなくなることがある。
5)その他の配合物
本発明で使用するアクリルゴム系張付材は、骨材及び増粘剤以外のその他の配合物として、減水及び流動調整を目的とした流動化剤、減水剤及び高性能減水剤等、可使時間を得るための遅延を目的としたクエン酸、クエン酸ソーダ、グルコン酸及びホウ酸等のセメント用遅延剤、硬化促進を目的とした塩化カルシウム及びアルミン酸塩等のセメント用硬化促進剤、炭素繊維、ポリプロピレン繊維等の補強用短繊維等を、施工性及び得られる塗膜の性能を阻害しない範囲内で使用することができる。
6)アクリルゴム系張付材の製造
本発明で使用するアクリルゴム系張付材は、前記のエマルション、無機質水硬性物質及びフィラーを常法に従い混合することにより得られる。この場合、アクリルゴム系張付材を形成するための組成物が、無機質水硬性物質及びフィラーの合計100質量部に対して、重合体が25〜150質量部からなるものを使用することがより好ましい。張付材を形成するための組成物中の重合体の割合が25質量部に満たない場合は、柔軟性が低下し、下地ひび割れ追従性が著しく損なわれることがあり、他方150質量部を越えると、下地と断熱材を張付ける性能が低下したり、強靭性が十分でなくなる場合がある。
本発明で使用するアクリルゴム系張付材の粘度は、塗布方法により異なるが、1,000cps以上(B型粘度計、12回転、ローターNo.4、20℃での測定)ものを使用することが施工性上好ましく、より好ましくは2,000〜500,000cpsである。粘度が1,000cpsより小さいと、一度に厚塗りすることが困難になったり、下地と断熱材の張付け性能が十分発現しないことがあり、又高粘度となると、施工性に不具合を生じる。施工現場において、使用する組成物の粘度が所定粘度より高い場合は、水で希釈して粘度を調整することもできる。
本発明の工法で使用するアクリルゴム系張付材は、下地と断熱材を強固に接着させるために使用するが、当該張付材は防水性も持ち合わせている。
下地に多少の凹凸があっても確実に断熱材を張付けるには、アクリルゴム系張付材は1kg/m2以上塗布することが好ましい。
また、防水性は膜厚が厚いほど高まる傾向にあり、アクリルゴム系張付材2の膜厚としては300μm以上であることが好ましく、より好ましくは500〜3,000μmである。この厚さが300μmに満たないと、下地ひび割れ追従性が低下し、塗膜欠損が生じやすく防水性を損なう場合があり、他方この値が大きすぎると、下地ひび割れ追従性は向上するものの、乾燥性に劣る場合があり、以降の工程に影響することがある。
アクリルゴム系張付材の塗工方法としては、通常の方法を採用すればよく、下地1に対して、例えば、刷毛、ウールローラー、マスチックローラー、こて又はレーキ等により塗布したり、エアレス又はエアスプレー等により吹き付ける方法が挙げられる。
[2]断熱材の張付
本発明の工法で用いる断熱材としては、プラスチック製のフォームからなる有機系断熱材が挙げられる。具体的には、ポリスチレンフォーム、ポリウレタンフォーム、イソシアヌレートフォーム、ポリエチレンフォーム、フェノールフォーム等を用いることが出来る。これらの中でもフェノールフォームがより好ましい。
本発明の工法では、所定の大きさの断熱材を、アクリルゴム系張付材を塗布しながら、1枚ずつアクリルゴム系張付材になじませるように張付ける。断熱材同士は、側面にアクリルゴム系張付材を塗布し張り合わせるか、継ぎ手に金属ラミネートフィルム、不織布、ガラスクロス、ポリエステルクロス、紙等の粘着テープを張る。
断熱材は厚さが薄いと断熱性に劣り、厚すぎても施工性、運搬等が煩雑になる為、好ましくは10mm〜100mmの範囲のものが良いが、これに限定されるものではない。断熱材の大きさは特に限定されず、施工性及び運搬性等から縦横500mm〜1,800mmの矩形上のものが一般的である。
[3]断熱材の固定
断熱材の固定は、前記アクリルゴム系張付材2により下地1と断熱材3を化学的に張付けているが、さらに確実に固定するため、ピン、釘やボルト等の道具を用いて下地に物理的に固定することも可能である。この物理的な固定方法は、接着剤を用いる化学的な工法に比べ、施工時の気象条件を選ばず、多少下地の凹凸があっても確実に固定できる。断熱材をピン、釘やボルト等を使用して下地に固定するには、通常1m2に1〜5本打設する。ピン、釘やボルトの周囲にアクリルゴム系張付材が隙間なくなじむようにするため、アクリルゴム系張付材が増粘する前にピン、釘やボルトを打設する。これにより、下地凹凸によって断熱材が張付いていなかった箇所も押さえ込まれ、アクリルゴム系張付材で断熱材が下地に張付いた状態で硬化することができ、より確実な全面接着状態が得られる。
[4]プライマーの塗布
次に、固定された断熱材に防水材を施工する方法について説明する。
本発明の工法では、断熱材3と後記のアクリルゴム系塗膜防水材4との接着性及び接着耐久性等を向上させるために、断熱材にプライマーを塗布することが好ましい。プライマーは、断熱材の種類及び使用箇所に応じて選定することが可能であり、溶剤系又は水系のエポキシ樹脂プライマー、溶剤系のウレタン樹脂プライマー等を使用することができる。この場合、プライマーは、通常の方法で施工することができ、断熱材3の表面に、刷毛又はローラー等により塗布したり、又はスプレーガン等で吹付ける等の一般的な方法により塗布し、塗膜を形成させる。
プライマーの塗布量としては、0.05〜1kg/m2であることが好ましく、より好ましくは0.08〜0.5kg/m2である。この量が0.05kg/m2に満たないと、プライマーとしての機能を失うこととなる。
[5]アクリルゴム系塗膜防水材の塗布
さらに、前記のプライマーの上に下記アクリルゴム系塗膜防水材を施工する。
○アクリルゴム系塗膜防水材
本発明で使用するアクリルゴム系塗膜防水材は、炭素数4〜10のアルキル基を有するアルキル(メタ)アクリレートから選ばれる1種以上の単量体60〜90質量%、メチル(メタ)アクリレートから選ばれる1種以上の単量体0.1〜8質量%及び下記一般式で表される単量体0.01〜30質量%を必須構成単量体とし、単体量の合計量が30質量%以上であり、かつTgが−20℃以下である重合体がカチオン性又はノニオン性の界面活性剤により水に乳化分散されているエマルションと無機質硬性物質から構成されるが、以下各々の成分について説明する。
Figure 2005155216
1:水素又はメチル基
2:水素又は炭素数1〜4のアルキル基
1)エマルション
アクリルゴム系塗膜防水材を構成するエマルションは、(a)炭素数4〜10のアルキル基を有するアルキル(メタ)アクレートから選ばれる1種以上の単量体、(b)メチル(メタ)アクリレートから選ばれる1種以上の単量体及び(c)上記一般式(1)で表される単量体を必須構成単量体とする重合体を界面活性剤により水に乳化分散させたものであり、以下それぞれの成分について説明する。
(a)炭素数4〜10のアルキル基を有するアルキル(メタ)アクリレート:該アルキル(メタ)アクリレートとしては、前記のアクリルゴム系張付材で挙げた炭素数4〜10のアルキル基を有するアルキル(メタ)アクリレートと同様の単量体が使用できる。炭素数が10を越えるものは、得られる重合体の柔軟性が低下して、防水材が下地ひび割れ追従性に欠けるものになったり、耐寒性が低下するので好ましくない。該アルキル(メタ)アクリレートの割合は、全単量体中の60〜90質量%である。この割合が、60質量%を下回ると、塗膜の下地ひびわれ追従性が劣るものとなり、他方90質量%を越えると、塗膜の強度が低下したり、塗膜にタックが生じたりする。
(b)メチル(メタ)アクリレート:メチル(メタ)アクリレートは、その易加水分解性を利用しており、無機水硬性物質と混合することにより、メチルエステル基が徐々に加水分解を受け、水溶性のカルボキシル基を遊離し、混練分散性を良くする事により本発明の防水材の可使時間を適度に延長せしめ、また、ある程度効果が進んだ段階では、無機質水硬性物質より遊離されるカルシウム等の多価金属イオンと前記カルボキシル基が化学結合することにより、塗膜を強靱ならしめるなど、他の単量体では得ることができない特異な効果を得ることができる。本発明に用いる上で特に好ましいのは、メチルアクリレートである。メチル(メタ)アクリレートは、全単量体中で0.1〜8質量%使用することにより本発明の目的が達成されるが、好ましくは0.1〜5質量%である。この割合が、1質量%に満たない場合は、本発明の効果が発揮されず、他方8質量%を越えると、塗膜の耐水性、耐アルカリ性が低下してしまう。
(c)N−メチロール(メタ)アクリルアミド又はN−アルコキシメチル(メタ)アクリルアミド:N−メチロール(メタ)アクリルアミド又はN−アルコキシメチル(メタ)アクリルアミドは、下記一般式で示される化合物である。ここで、R1は水素又はメチル基であり、R2は水素又は炭素数1〜4のアルキル基、すなわちメチル基、エチル基、プロピル基又はブチル基である。
Figure 2005155216
該化合物の具体例としては、N−メチロール(メタ)アクリルアミド、N−(ブトキシメチル)(メタ)アクリルアミド等がある。この単量体の共重合による効果としては、塗膜の耐水性を悪化させずに無機質水硬生物質、充填材等との混合性を向上させること、重合体に適当な架橋を行い塗膜を強靱化し機械的損傷を受けにくくすること、さらに塗膜のタックを軽減すること等がある。通常、無機質水硬生物質、充填材等とエマルションの混合性を向上せしめるものには、分散剤、湿潤剤等の低分子量水溶性高分子が使用されることが多いが、これらは、塗膜の耐水性を低下させ、かつ塗膜タックを増加させる欠点があり、無制限に添加使用することは困難であった。本発明では、この点を上記単量体を使用することにより解決している。これらの全単量体中の割合は、0.01〜30質量%であり、好ましくは0.1〜10質量%である。この割合が、0.01質量%に満たない場合は、本発明の効果が発揮されず、30質量%を越える場合には、塗膜の柔軟性が低下し、下地ひび割れ追従性が低下してしまう。
(d)その他の単量体:アクリルゴム系塗膜防水材を構成するエマルションで使用する重合体は、上記必須単量体に加え、それらと共重合可能な不飽和エチレン結合を有する単量体を必要に応じて重合されたものであってもよい。これらの具体例としては、スチレン、(メタ)アクリロニトリル、(メタ)アクリルアミド、ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート、酢酸ビニル及び/又は塩化ビニリデン等が挙げられる。これらは、全単量体に対し、70質量%未満の割合で使用することができる。
(e)ガラス転移温度:アクリルゴム系塗膜防水材を構成するエマルションで使用される重合体は、上記単量体を重合して得られる重合体のうち、Tg点が−20℃以下のものを使用する。Tg点が−20℃を越えるものは、下地ひびわれ追従性に劣り、接着性が低下し、また多くの場合、耐水性が不良になるので好ましくない。
(f)その他の成分:アクリルゴム系塗膜防水材を構成するエマルションは、前記の単量体を水中で前記のアクリルゴム系張付材で示したカチオン性又はノニオン性界面活性剤の存在下に常法により重合して容易に得ることができ、通常は得られるエマルションの固形分濃度が30〜70質量%になるように行われる。又、このエマルションのpH値は7〜10であることが安定性の面より好ましく、アンモニア、水溶性アミン、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等を用いて、エマルションのpH値を調整しておくことが好ましい。但し、弱酸性、又は酸性領域でも、安定性の良いエマルションであれば、そのままで十分に利用できる。エマルションには、その他の成分として消泡剤を配合することができる。消泡剤としては、オクチルアルコール、カプリルアルコール、アウリルアルコール及びシクロヘキサノール等の一般に使用される消泡剤が使用できる。消泡剤の配合割合としては、重合体固形分に対して0.1〜5質量%が好ましい。
2)無機質水硬性物質
アクリルゴム系塗膜防水材を構成する無機質水硬性物質は、前記のアクリルゴム系張付材で示した無機質水硬性物質と同様のものが使用でき、好ましくはアルミナセメントとポルトランドセメントである。これらは、可使時間が比較的長くとれる長所があり、中でも特に好ましいのがアルミナセメントであり、最も長い可使時間を得ることができ、ポルトランドセメントに比較して防水材の下地ひびわれ追従性に優れる傾向がある。無機質水硬性物質は、重合体固形分100質量部に対して5〜100質量部の範囲で使用すことが好ましく、より好ましい範囲は、10〜50質量部である。5質量部に満たないと、無機質水硬性物質の添加効果が十分に発揮されず、100質量部を越える場合には、可使時間が短くなり、下地ひびわれ追従性が低下する傾向がある。
3)その他の成分
アクリルゴム系塗膜防水材には、一般汎用の充填材を配合することも可能である。充填材を配合する場合には、塗布作業性の向上、塗膜への強靱性の付与、塗膜タックの低減などの効果が認められる場合がある。充填材の具体例としては、各種等級の硅砂、タルク、炭酸カルシウム、カオリン、チタン、タルク、木粉、酸化マグネシウム、マイカ、ケイソウ土、石英、鉄粉、ジルコニア、炭酸バリウム、炭酸ストロンチウム、アルミ粉、石膏及び珪藻土等の、一般汎用のものを用いることができる。充填材の配合量は、組成物中の無機質水硬性物質に対して、20〜600質量部であることが好ましい。20質量部に満たない場合には、特に充填材の配合効果が認められなくなることがあり、他方600質量部を越える場合には、防水材組成物の塗膜が下地ひびわれ追従性に劣るものになったり、また組成物が高粘度になり、塗装作業性が低下することがある。
アクリルゴム系塗膜防水材の粘度としては、塗布方法に応じて異なるが、300cps以上(B型粘度計、12回転、ローターNo.4、20℃)であることが施工性に優れるため好ましく、より好ましくは1,000〜50,000cpsである。粘度が300cpsより小さいと、一度に厚塗りすることが難しくなり、また高粘度となる場合は、厚塗りができる利点があるが、高粘度に過ぎるときは施工性に難点が生じることがある。
防水層を形成させる際には、ポリエステル、ビニロン、ガラス等のクロス及びメッシュ等を用いて補強することも可能であり、断熱材上面又はプライマーと防水材の界面に敷設し、ひび割れ追従性、疲労等に対する抵抗性を高めることができる。
アクリルゴム系塗膜防水材の施工は、プライマーと同様の施工方法により行えばよいが、防水材の場合は、塗膜に優れた下地ひびわれ追従性を付与するために、膜厚への配慮を行うことが好ましい。
下地ひびわれ追従性は一般には塗膜厚が厚くなるほど大きくなるので、防水材は基本的に膜厚が厚くなるように施工するのが好ましいが、アクリルゴム系塗膜防水材の膜厚としては、300μm以上であることが好ましく、より好ましくは500〜3,000μmである。この厚さが300μmに満たないと、下地ひび割れ追従性が低下し、ピンホール等の塗装欠陥が生じ易く漏水の原因となる場合があり塗膜本来の機能を損なう場合があり、他方この値が大きすぎると、下地ひびひび割れ追従性等が向上するものの、乾燥性等に劣る場合がある。
[6]上塗材の塗布
本発明の工法では、美観の向上及び防水材の保護を目的として、前記のアクリルゴム系塗膜防水材の上に上塗材を施工することも可能である。上塗材としては、水系、溶剤系及び無溶剤系のアクリル樹脂、アクリルウレタン樹脂、アクリルシリコン樹脂、フッ素樹脂、並びにエポキシ樹脂等が使用可能であり、これに表面強度を上げたり、滑りを防止することを目的に珪砂、ゴムチップなどを添加したり、遮熱性向上を目的に特殊顔料を添加することもできる。
以下に実施例及び比較例を挙げ、本発明をより具体的に説明する。
○実施例1
まず、2−エチルヘキシルアクリレート50質量部、n−ブチルアクリレート20質量部、スチレン27質量部、アクリル酸2質量部、グリシジルメタクリレート1質量部、アゾビスアミノプロパン塩酸塩1質量部、界面活性剤のポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル1質量部及び水102質量部からなる混合液を乳化重合して、固形分濃度50%のアクリルエマルションを製造した(以下、アクリルエマルションAという)。
アクリルエマルションAの153質量部に、セメント50質量部、珪砂6号50質量部、カオリン45質量部、セピオライト5質量部、ナフタレンスルホン酸系減水剤0.3質量部及び水10質量部を混合し、アクリルゴム系張付材を調製した(以下、アクリルゴム系張付材Aという)。
鉄筋コンクリート建築物(平屋、築30年)の屋上コンクリート下地を、ハンドグラインダーを用いてケレンし、既存の防水材や脆弱部を撤去、清掃した後、アクリルゴム系張付材Aを2.0kg/m2塗布しながら、断熱材として両面アルミ箔面材付きフェノールフォーム910×910mm、厚さ30mm(商品名「スーパーフォームSFA」、日東紡(株)製)10枚を張付材の上に張付けた。このうち5枚は、すぐにエアー式ピン打ち機(商品名「エアロスミス」、(株)シュナイダージャパン製)を用いて、1枚当たり2ヶ所ピンとディスク板で固定した。さらに、断熱材とピン、ディスク板の上に水系エポキシ樹脂エマルションプライマー(商品名「アロン水性プライマー」、東亞合成(株)製)0.1kg/m2を塗布し、アクリルゴム系塗膜防水材(商品名「アロンコートSQ」、東亞合成(株)製)2.0kg/m2を塗布し、保護仕上材(商品名「アロン水性RU」、東亞合成(株)製)0.2kg/m2を塗布し、施工を完了した。
施工完了の7日後に断熱材を強制的に剥がし、張付材の状態及び断熱材の付着状態を観察した。その結果を表1に示す。
○実施例2及び実施例3
アクリルエマルションAの102質量部に、セメント90質量部、珪砂6号90質量部、カオリン60質量部、セピオライト10質量部、ナフタレンスルホン酸系減水剤0.2質量部及び水15質量部を混合し、アクリルゴム系張付材を調製した(以下、アクリルゴム系張付材Bという)。
また、アクリルエマルションAの328質量部に、セメント25質量部、珪砂6号10質量部、カオリン50質量部、セピオライト15質量部、ナフタレンスルホン酸系減水剤0.2質量部、メチルセルロース系増粘剤0.2質量部及び水15質量部を混合し、アクリルゴム系張付材を調製した(以下、アクリルゴム系張付材Cという)。
実施例1のアクリルゴム系張付材Aをアクリルゴム系張付材BまたはCに置き換えて、その他は全て実施例1と同じ材料を用い同様な操作により施工した。アクリルゴム系張付材Bを用いたものを実施例2、アクリルゴム系張付材Cを用いたものを実施例3とした。7日後に断熱材を強制的に剥がし、張付材の状態及び断熱材の付着状態を観察した。その結果を表1に示す。
○比較例1及び比較例2
実施例1のアクリルゴム系張付材Aを、水溶性アクリルエマルション系接着剤(塗布量は、0.4及び0.8kg/m2で実施)に変更して、その他は全て実施例1と同じ材料を用い同様な操作により施工し、7日後に断熱材を強制的に剥がし、張付材の状態及び断熱材の付着状態を観察した。その結果を表1に示す。
この他、以下に示す評価項目と試験方法で評価を行った。評価結果は表1に記載した。
(透水量)
スレート板(400×200mm、厚さ4mm)に、各々のアクリルゴム系張付材A〜Cを2kg/m2の厚みで塗布し、23℃、湿度50%で14日間養生後、JIS A 6909「建築用仕上塗材」透水試験B法に準拠して測定した。また、アクリルゴム系張付材に換え、水溶性アクリルエマルション系接着剤を0.4及び0.8kg/m2で同様に測定した。
透水量が0.5ml以下であれば良好と判定される。
(下地ひび割れ追従性)
スレート板(75×150mm、厚さ4mm)に、各々のアクリルゴム系張付材A〜Cを2kg/m2の厚みに塗布し、23℃、湿度50%で14日間養生後、スレート板を長手方向の中央部で折り、スレート板を5mm/分の引張速度で引張り、アクリルゴム系張付材膜に穴が開く時の引張り幅を求めた。
コンクリートに生じるひび割れは最大で1.5mm幅程度と言われており、 安全率を2倍とすると3mm以上が防水性維持の目安となる。
(接着強さ)
コンクリート板(300×300mm、厚さ30mm)に断熱材を張付け、23℃、湿度50%で7日間養生後に、建研式接着力試験機で測定した。
断熱材が凝集破壊した場合は、接着部の接着強さが断熱材の引張強度以上であると考え、良好と判断した。建築基準法に基づいて屋根に掛かる風圧力を計算すると、最低0.04N/mm2以上の接着強さが必要となる。
(水浸時接着強さ)
接着強さ試験と同様に試験体を作製し、水浸漬7日後、同様に接着強さを測定した。なお、断熱材は吸水しないよう、両面アルミ箔タイプのものを用い、側面はあらかじめエポキシ樹脂でコーティングした。
判断基準は接着強さの項目に準ずる。
Figure 2005155216
アクリルゴム系張付材Aを用いた実施例1では、アクリルゴム系張付材は完全成膜して断熱材を接着するのに十分な強度を発現しており、また、2kg/m2塗布したことで下地の凹凸十分埋めており、断熱材の接着状況は良好であった。さらに、これにピン固定を併用すると、断熱材は下地にほぼ100%接着する状況となった。アクリルゴム系張付材Bを用いた実施例2も断熱材の接着状況は良好であった。アクリルゴム系張付材Cを用いた実施例3では、張付材の粘りが弱く、成膜後も強度がやや低いため、断熱材を十分に張付けるには至らなかった。
水溶性アクリルエマルション系接着剤を0.4kg/m2塗布した比較例1では、経年劣化および脆弱部をハンドグラインダーでケレンすることにより生じた下地のわずかな凹凸を埋めるに至らず、断熱材は50%程度しか付着していなかった。また、水溶性アクリルエマルション系接着剤を0.8kg/m2塗布した比較例2では、断熱材張付けに必要な粘りが発現するまでに50分待ったが、接着剤に塗布厚みむらが生じやすく、既に成膜している箇所やまだ液状で粘りのない箇所があった。この状態で張付けたが、7日養生後でも断熱材は40%しか接着しなかった。接着部も接着剤の乾燥が不十分で、接着力が弱い状態であった。
表1で示されるように、アクリルゴム系張付材を使用すれば、オープンタイム不要で断熱材を張付けることができ、且つ優れた遮水性、下地ひび割れ追従性、接着性、耐水接着性を発現する。
水溶性アクリルエマルション系接着剤は、通常の塗布量0.4kg/m2の場合、下地が完全に平滑であれば十分な接着力を発現するが、耐水性が低く、吸水すると強度が低下する。塗布量を増やすと接着剤自体が乾燥しにくく強度が上がらない状態となる。
本発明の外断熱防水工法によれば、建築物の屋上を構成する鉄筋コンクリートなどのコンクリートスラブ、PC板、ALC板などの下地に対して、防水性を有するアクリルゴム系張付材を用いて断熱材を張付けることで、下地に直接防水材を施工することなく断熱材の吸水劣化を防止することができるため、効率的で経済的な断熱防水が可能である。また、機械固定と組み合わせた状態で断熱材下の防水ができるため、断熱材を確実に固定した状態で断熱材の吸水劣化を防止でき、より確実な断熱防水が可能となる。
本発明の外断熱防水工法による屋上の施工仕様の一実施例を示す断面図である。
符号の説明
1.下地
2.アクリルゴム系張付材
3.断熱材(フェノールフォーム系断熱材)
4.アクリルゴム系塗膜防水材
5.上塗材
6.断熱材固定具(アンカーピン+ディスク板)








Claims (4)

  1. 屋上の外断熱防水工法であって、
    下地にアクリルゴム系張付材を塗布し、有機系断熱材を張付けた後、アクリルゴム系塗膜防水材を施工することを特徴とする外断熱防水工法。
  2. 有機系断熱材を張付けた後、アンカー固定を併用する請求項1記載の外断熱防水工法。
  3. アクリルゴム系張付材が、(a)炭素数4〜10のアルキル基を有するアルキル(メタ)アクリレートから選ばれる1種以上の単量体、(b)(メタ)アクリル酸及び(c)グリシジル(メタ)アクリレートを必須構成単量体とし、全単量体に対する各々の割合が、(a)30〜98質量%、(b)0.1〜3質量%及び(c)0.1〜5質量%であり、且つガラス転移温度が−20℃以下である重合体をカチオン性又はノニオン性界面活性剤により水に乳化分散させてなるエマルション、無機質水硬性物質及びフィラーから構成され、重合体の割合が、無機質水硬性物質及びフィラーの合計量100質量部に対して20〜150質量部である請求項1又は2に記載の外断熱防水工法。
  4. アクリルゴム系塗膜防水材が、2成分反応系のアクリル系エマルションからなる塗膜防水材である請求項1〜3のいずれかに記載の外断熱防水工法。



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