JPH07268166A - 仮防水用防水材組成物 - Google Patents

仮防水用防水材組成物

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JPH07268166A
JPH07268166A JP8602494A JP8602494A JPH07268166A JP H07268166 A JPH07268166 A JP H07268166A JP 8602494 A JP8602494 A JP 8602494A JP 8602494 A JP8602494 A JP 8602494A JP H07268166 A JPH07268166 A JP H07268166A
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meth
water
waterproofing
weight
emulsion
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JP8602494A
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English (en)
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Hajime Irita
一 入田
Shin Tanigawa
伸 谷川
Masahiro Yoshikawa
昌宏 吉川
Takashi Oguri
嵩 小栗
Yasunobu Nishiki
保信 錦
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toagosei Co Ltd
Original Assignee
Toagosei Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】塗膜の下地ひびわれ追従性、下地及び本防水材
との接着性及び接着耐久性の全てを満足する仮防水用の
防水材組成物を提供する。 【構成】炭素数4〜10のアルキル基を有するアルキル
(メタ)アクリレートから選ばれる1種又は2種以上の
単量体20〜95重量%、メチル(メタ)アクリレート
又はエチル(メタ)アクリレートから選ばれる1種又は
2種以上の単量体0.1〜20重量%及び(メタ)アク
リル酸から選ばれる1種又は2種の単量体0.1〜5重
量%を必須構成単量体とする重合体がカチオン性又はノ
ニオン性界面活性剤により水に乳化分散されているエマ
ルションと、該エマルション固形分100重量部に対し
て50〜500重量部の無機質水硬性物質からなる仮防
水用防水材組成物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、屋上防水の改修等で用
いられる仮防水用防水材組成物に関するものであり、土
木建築の分野において、特に屋上防水工事において賞用
され得るものである。
【0002】
【従来の技術】屋上防水工法としては、一般にシート防
水、アスファルト防水、塗膜防水の3つが一般に行われ
る。これらの屋上防水工法が汎用的に行われるようにな
って久しいが、これらの工法に使用される防水材も年と
共に劣化するため、近年ではこれらの防水材の改修工事
が頻繁に行われるようになってきている。改修工事の際
は、まず旧防水層を撤去する必要があるが、天候の都合
等で新規に防水材組成物を施工するまでに期間を要する
場合がある。この際、場合によっては突然の降雨のため
漏水が発生する場合があり、一時的でも防水処理を施す
必要が生じるため、仮防水が行われる。仮防水した塗膜
の上からは、最終的には本防水を目的として新規な防水
材組成物を施工するが、仮防水用防水材組成物の塗膜が
そのまま下地に残るために、仮防水用防水材組成物の性
能としては、下地及び本防水用組成物との接着性に優れ
ていることが要求される。前記の目的のために、様々の
仮防水が試みられている。これらの例としては、シート
仮設、アスファルトエマルション、エチレン酢ビエマル
ション及びそのセメント混合物、アクリル並びにSBR
等のポリマーを用いたポリマーセメントモルタル等の仮
防水用防水材組成物の塗布等がある。シート仮設は、仮
防水すべき躯体の表面にシートを覆う方法であるが、シ
ート同志の継ぎ目からの漏水や、シートの固定が不十分
になりやすく、風により飛ばされることなどから、確実
な方法ではなかった。アスファルトエマルションは手軽
に塗布できるメリットがあり、一応の仮防水効果があ
る。しかしながら、生成した塗膜の耐溶剤性に問題があ
り、又本防水としてシート防水や塗膜防水を行う場合に
は、シート防水におけるシート用接着剤や塗膜防水材用
溶剤系プライマー等により溶解されるため、その様な本
防水工法を採用することができず、アスファルト防水の
みが本防水として可能であるという、適用範囲が狭いと
いう点で、好ましい仮防水材ではなかった。エチレン酢
ビエマルション及びそのセメント混合物は、手軽に塗布
できるメリットがあり、一応の仮防水効果があるが、エ
チレン酢ビエマルションは本質的に耐水性に劣るもので
あり、長期的な下地との接着性に問題があり、耐水性の
悪さを少しでも緩和しようとセメント配合量の多いもの
を使用すると、下地のひびわれに対する追従性に劣るも
のとなる問題があった。アクリル、SBR等のポリマー
を用いたポリマーセメントモルタルは、下地との密着性
に優れ、手軽に施工できる点でメリットはあるが、硬質
であり下地ひびわれ追従性に劣るものであった。ここで
下地ひびわれ追従性とは、防水材組成物を施工後、コン
クリート等の硬化収縮等によって下地にひびわれが起こ
った場合、これによって発生する防水材塗膜の伸びに対
して塗膜が破断せず伸びに柔軟に追従する性能をいう。
そして、この特性は冬期の低温条件下でも塗膜が硬化せ
ず柔軟に追従することを要求され、そのために塗膜に対
して高い柔軟性が求められるのである。以上のように、
従来の仮防水用防水材組成物では、塗膜の下地ひびわれ
追従性、下地及び本防水材との接着性及び接着耐久性の
面で、全てを満足するものがなかった。
【0003】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、前記の状
況を鑑み、鋭意研究を行った結果、ある特定のアクリル
エマルションと無機質水硬性物質とを、特定の重量比で
混合してなる組成物が前記課題を解決する仮防水用防水
材組成物となることを見いだし、本発明を完成した。即
ち、本発明は、炭素数4〜10のアルキル基を有するア
ルキル(メタ)アクリレートから選ばれる1種又は2種
以上の単量体20〜95重量%、メチル(メタ)アクリ
レート又はエチル(メタ)アクリレートから選ばれる1
種又は2種以上の単量体0.1〜20重量%及び(メ
タ)アクリル酸から選ばれる1種又は2種の単量体0.
1〜5重量%を必須構成単量体とする重合体がカチオン
性又はノニオン性界面活性剤により水に乳化分散されて
いるエマルションと、該エマルション固形分100重量
部に対して50〜500重量部の無機質水硬性物質から
なる仮防水用防水材組成物に関するものである。以下本
発明を詳細に説明する。尚、本明細書においては、アク
リレート及びメタクリレートを(メタ)アクリレートと
いい、アクリル酸及びメタクリル酸を(メタ)アクリル
酸といい、アクリロニトリル及びメタクリロニトリルを
(メタ)アクリロニトリルといい、アクリルアミド及び
メタクリルアミドを(メタ)アクリルアミドという。
【0004】○炭素数4〜10のアルキル基を有するア
ルキル(メタ)アクレート 本発明における、炭素数4〜10のアルキル基を有する
アルキル(メタ)アクレートは、具体例として、n−ブ
チル(メタ)アクレート、iso−ブチル(メタ)アク
レート、sec−ブチル(メタ)アクレート、n−アミ
ル(メタ)アクレート、iso−アミル(メタ)アクレ
ート、n−ヘキシル(メタ)アクレート、n−ヘプチル
(メタ)アクレート、オキソヘプチル(メタ)アクレー
ト、n−オクチル(メタ)アクレート、2−エチルヘキ
シル(メタ)アクレート、n−ノニル(メタ)アクレー
ト、オキソノニル(メタ)アクレート、n−デシル(メ
タ)アクレート、オキソデシル(メタ)アクレート等が
挙げられる。炭素数が10を越えるものは耐寒性が低下
するので好ましくない。上記単量体の全単量体中に占め
る割合は、20〜95重量%であり、さらに好適には6
0〜90重量%である。この割合が、20重量%を下回
ると、下地ひびわれ追従性、塗膜の耐水性、耐アルカリ
性が劣るものとなり、他方95重量%を越えると、塗膜
の強度が低下してしまう。
【0005】○メチル(メタ)アクレート又はエチル
(メタ)アクレート 本発明で使用するメチル(メタ)アクレート又はエチル
(メタ)アクレートは、これに由来する重合体のエステ
ル基が無機質水硬性物質と混合することにより、徐々に
加水分解を受け水溶性のカルボキシル基となり、これに
よって組成物の混練分散性を改善して防水材組成物の可
使時間を適度に延長せしめ、又、組成物の硬化がある程
度進んだ段階では、水硬性物質より遊離されるカルシウ
ム等の多価金属イオンと前記カルボキシル基が化学結合
することにより、塗膜を強靱にする等、他の単量体では
得ることができない特異な効果を発揮することができ
る。本発明では、これらの中でも、メチルアクリレート
を使用することが好ましい。これらの単量体の全単量体
中の割合は1〜20重量%であり、好ましくは1〜10
重量%である。1重量部に満たない場合は、本発明の効
果を発揮することができず、他方20重量%を越える場
合は、耐アルカリ性が低下してしまう。
【0006】○(メタ)アクリル酸 本発明で用いる(メタ)アクリル酸は、エマルションと
無機質水硬性物質とを混合した場合、混練安定性を付与
する分散剤として働き、又無機質水硬性物質より遊離さ
れるカルシウムイオン等の多価金属イオンと内部架橋を
形成し、塗膜に強靱性を付与する。これらの全単量体に
対しする割合は0.1〜5重量%である。この割合が、
0.1重量%に満たない場合は、本発明の効果を発揮す
ることができず、他方5重量%を越える場合は、塗膜の
耐水性、耐アルカリ性が極端に低下し、また塗膜タック
が増大するので好ましくない。
【0007】○その他の単量体 本発明では、上記必須単量体に加え、それらと共重合可
能な不飽和エチレン結合を有する単量体を必要に応じて
使用することができ、具体的には、スチレン、(メタ)
アクリロニトリル、(メタ)アクリルアミド及び/又は
ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート等が挙げられ
る。これらは、全単量体に対し、1〜70重量%の割合
で使用することができる。
【0008】○エマルション 本発明において用いられるエマルションは、前記単量体
を水中で下記界面活性剤の存在下に常法により重合して
容易に得ることができ、通常は得られるエマルションの
固形分濃度が、30〜70重量%になるように行われ
る。又、このエマルションのpH値は7〜10であるこ
とが安定性の面より好ましく、アンモニア、水溶性アミ
ン、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等を用いて、エ
マルションのpH値を調整しておくことが好ましい。但
し、弱酸性、又は酸性領域でも、安定性の良いエマルシ
ョンであれば、本発明の目的にそのままで十分に利用で
きる。本発明に用いるエマルションには、その他の成分
として消泡剤を配合することができる。消泡剤として
は、オクチルアルコール、カプリルアルコール、アウリ
ルアルコール及びシクロヘキサノール等の一般に使用さ
れる消泡剤が使用できる。消泡剤の配合割合としては、
重合体固形分に対して0.1〜5重量%が好ましい。
【0009】○界面活性剤 本発明に用いるエマルションの製造に使用される界面活
性剤は、ノニオン、カチオン性の界面活性剤の中から、
任意に用いることができる。アニオン性の界面活性剤
は、塗膜の耐水性を低下させるので、常時水に接触する
本発明の用途には不適である。本発明に使用し得るカチ
オン性界面活性剤としては、種々のものが使用でき、具
体的には、トリメチルオクタデシルアンモニウムクロラ
イド、トリメチルドデシルアンモニウムクロライド、ト
リメチルヘキサデシルアンモニウムクロライド、アルキ
ルジメチルベンジルアンモニウムクロライド、ジステア
リルジメチルアンモニウムクロライド及びトリメチルス
テアリルアンモニウムクロライド等の4級アンモニウム
塩、ジメチルオクチルアミン、ジメチルデシルアミン、
ジメチルラウリルアミン、ジメチルミリスチルアミン、
ジメチルパルミチルアミン、ジメチルステアリルアミ
ン、ジメチルオレイルアミン、トリオクチルアミン、N
−メチルモルフォリン、ジメチルベンジルアミン及びポ
リオキシエチレンアルキルアミン等の3級アミン等が挙
げられる。本発明に使用し得るノニオン性界面活性剤と
しては、通常アクリル系エマルションで使用されるもの
であれば、何れのものも使用できる。具体例を挙げれ
ば、ポリオキシエチレンセチルエーテル、ポリオキシエ
チレンステアリルエーテル、ポリオキシエチレンオレイ
ルエーテル、ポリオキシエチレンオクチルフェノールエ
ーテル及びポリオキシエチレンノニルフェノールエーテ
ル等のポリオキシエチレンのアルキル又はアルキルフェ
ノールエーテル、ソルビタンモノステアレート、ソルビ
タンモノラウレート、ソルビタンジステアレート、ソル
ビタンモノオレエート及びソルビタントリオレエート等
のソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソル
ビタンモノラウレート等のポリオキシエチレンソルビタ
ン脂肪酸エステル、ポリエチレングリコール脂肪酸エス
テル、並びにグリセリンモノ脂肪酸エステル等が挙げら
れる。これらの界面活性剤の内、特に重合安定性、機械
的化学的安定性が良好となる点で、HLB値15以上の
ポリエチレンオキサイド系ノニオン系界面活性剤を使用
することが好ましい。界面活性剤の配合量は、エマルシ
ョンに対して要求される性質に応じて変わりうるが、エ
マルションの安定性を向上させるには、界面活性剤の配
合量が多いことが好ましく、乾燥性及び塗膜の耐水性を
向上させるためには、配合量が少ない方が好ましい。好
適な配合量範囲は、エマルションの重合体固形分に対し
て、1〜10重量%であり、目的に応じて配合量を決め
れば良い。
【0010】○無機質水硬性物質 本発明で用いられる無機質水硬性物質は、前記エマルシ
ョンに配合することにより、下地との密着性及び仮防水
された塗膜の上から施工される各種の防水材との密着性
が良好となり、塗膜に適度な強靭性を付与し、さらに水
系の塗布材料であるにもかかわらず迅速な成膜速度を得
ることができ、突然の降雨に対する防水効果に優れる
等、多様な効果を得ることができるものである。無機質
水硬性物質としては、各種のセメント、無水及び半水石
膏、生石灰並びに亜鉛華等が挙げられる。これらの中で
もセメントを使用することが好ましく、例えば、普通ポ
ルトランドセメント、アルミナセメント、早強セメン
ト、フライアッシュセメント、高炉セメント、白色セメ
ント、コロイドセメント及び中庸熱ポルトランドセメン
ト等があり、さらにこれらの中でも、特に入手が容易
で、適度な可使時間と良好な下地ひびわれ追従性を両立
できるため、ポルトランドセメント又はアルミナセメン
トが好ましい。これらの無機質水硬性物質は、前記エマ
ルションの固形分100重量部に対して、50〜500
重量部する。50重量部に満たない場合には塗膜の強靭
性が不足し、水硬性物質を混合することにより得られる
効果によるが認められず、又湿潤面に対する接着性に劣
る。他方500重量部を越える場合には、防水材の可使
時間が著しく短くなり、施工作業性に悪影響を与え、ま
た塗膜のひびわれ追従性が低下しまう。無機質水硬性物
質は、2種以上を併用することもできる。
【0011】○その他の成分 本発明の防水材組成物には、一般汎用の充填材を配合す
ることも可能である。充填材を配合する場合には、塗布
作業性の向上、塗膜への強靭性の付与、塗膜タックの低
減などの効果が認められる場合がある。充填材の具体例
としては、各種等級の硅砂、炭酸カルシウム、カオリ
ン、チタン、タルク、木粉、酸化マグネシウム、マイ
カ、ケイソウ土、石英、鉄粉、ジルコニア、炭酸バリウ
ム、炭酸ストロンチウム、アルミ粉等の、一般汎用のも
のを用いることができる。充填材の配合割合は、組成物
中の無機質水硬性物質に対して、20〜600重量部で
あることが好ましい。20重量部に満たない場合には、
特に充填材の配合効果が認められなくなることがあり、
他方600重量部を越える場合には、防水材組成物の塗
膜が下地ひびわれ追従性に劣るものになったり、また組
成物が高粘度になり、塗装作業性が低下することがあ
る。
【0012】○防水材組成物の施工方法 次に本発明の防水材組成物の施工方法を説明する。防水
材組成物は、通常の方法で施工することができ、例えば
防水すべき構造物の表面に、刷毛またはローラー等によ
り塗布したり、またはスプレーガンで吹付ける等の一般
的な方法により塗布し、塗膜を形成させる。防水材組成
物の粘度は、塗布方法に応じて異なるが、300cps
以上(B型粘度計、12回転、ローターNo.4、20
℃)であることが施工性に優れるため好ましく、より好
ましくは1000〜50000cpsである。粘度が3
00cpsより小さいと、一度に厚塗りすることが難し
くなり、また高粘度となる場合は、厚塗りができる利点
があるが、高粘度に過ぎるときは施工性に難点が生じる
傾向にある。
【0013】防水材組成物の基材に対する塗布量は、成
膜後の膜厚が100μm以上となるよう調整して塗布す
ることが好ましく、より好ましくは300〜5000μ
mである。膜厚が薄すぎると、下地ひびわれ追従性が低
下して漏水の原因となり、他方膜厚が厚すぎる場合に
は、下地ひびわれ追従性が向上し、亀裂、ひびわれが発
生し難くなる利点はあるが、組成物の使用量が増えるば
かりでそれに対応した効果が得られず、また塗膜内部が
乾燥しにくくなる場合もある。
【0014】
【実施例】以下に、実施例及び比較例を挙げ、本発明を
より具体的に説明する。尚、以下において、「部」とは
「重量部」を、「%」は「重量%」を意味する。
【0015】○評価方法 (1)下地ひびわれ追従性試験 スレート板(30×30×0.5cm)に仮防水用防水
材組成物を刷毛で1.0kg/m2 塗布し、20℃、6
0%R.H.条件下で7日放置して、評価用試験体とし
た。作製した試験体の塗膜を塗布していないスレート面
に、切り込みを入れ、図1に示すひびわれ追従性試験体
に加工した。この試験体を図1の矢印の方向に5mm/
分引張速度で引張試験を行い、塗膜にピンホール、叉は
破断を生じた時の追従ひびわれ幅を測定した。尚、下記
表3及び表5における下地ひびわれ追従性試験の判定の
○及び×は、以下の意味を示す。 ○:良好;1mm以上の下地ひびわれ追従性を有する ×:不良;1mm未満の下地ひびわれ追従性しか有しな
【0016】(2)接着力試験 コンクリート舗道板(30×30×5cm)に仮防水用
防水材組成物を刷毛で1.0kg/m2 塗布し、20
℃、60%R.H.条件下で7日放置した。これに、市
販のアスファルト防水用プライマー〔日新工業(株)
製、アスファルトプライマー〕を標準施工要領に従い塗
布し、標準的な施工方法に従いアスファルト防水材〔日
新工業(株)製、仕様番号SW−312(シグマコート
S等〕を施工して、20℃、60%R.H.条件下で7
日放置して、接着力試験用試験体を作製した。これを、
試験体という。上記仮防水された板に、シート防水用
接着剤〔ロンシール工業(株)製、プルーフセメント
E〕を標準施工要領に従い塗布し、標準的な施工方法に
従い、シート防水材〔ロンシール工業(株)製、ロンプ
ルーフ〕を施工して、上記と同様にして接着力試験用試
験体を作製した。これを、試験体という。上記仮防水
された板に、塗膜防水用プライマー〔三井東圧化学
(株)製、サンシラールサンPC〕を標準施工要領に従
い塗布し、標準的な施工方法に従い、塗膜防水材〔三井
東圧化学(株)製、サンシラールN〕を施工して、上記
と同様にして接着力試験用試験体を作製した。これを、
試験体という。作製した試験体は、20℃の水中に1
ケ月間浸漬し、取り出した後、建研式接着力試験機で接
着力を測定し、剥離箇所も記録した。尚、下記表3及び
表5における剥離箇所において、A,B及びCは、以下
の意味を示す。 A:本防水材と仮防水材の界面破壊 B:仮防水材の凝集破壊 C:下地コンクリートと仮防水材との界面破壊 又接着力の判定の○,△及び×は、以下の意味を示す。 ○:良好;剥離箇所が何れかの材料の凝集破壊であり、
また接着力が10kg f/cm2 以上 △:可 ;良好におけるどちらか1方の条件が満たされ
ない ×:不良;良好における何れの条件も満さない
【0017】○実施例1 内容積20リットルの撹拌機を備えたステンレス製反応
釜中に、水53部を仕込んだ。これに2−エチルヘキシ
ルアクリレート70部、メチルアクリレート1部、スチ
レン28部、アクリル酸1部、乳化剤のポリオキシエチ
レンノニルフェニルエーテル(HLB:18.5)3部
及び水41部からなる混合液を撹拌下連続的に滴下し、
一方で、重合触媒として、2,2’−アゾビス(2−ア
ミノジプロパン)の10%水溶液10部(単量体の合計
100部に対して1部)撹拌下連続的に滴下し、重合反
応を実施した。6時間後に重合反応を完了し、固形分濃
度50%のエマルションを得た。このエマルションをエ
マルションNo.1という。100部のエマルションN
o.1、普通ポルトランドセメント100部及び7号珪
砂100部を撹拌混合し、仮防水用防水材組成物を得
た。得られた組成物に対して、上記の評価を行った。そ
の結果を表3に示す。この組成物の塗膜は、下地ひびわ
れ追従性、及び下地コンクリート又は塗膜上に施工され
た防水材との接着性に優れていた。
【0018】○実施例2〜4 反応釜に水53.5部仕込み表1に示す組成の単量体及
び乳化剤を使用した以外は実施例1と同様の方法でエマ
ルションNo.2を製造した。又、表1に示す組成の単
量体及び乳化剤を使用した以外は実施例1と同様の方法
でエマルションNo.3,4を製造した。これらをエマ
ルションを使用して実施例1と同様の方法で表2に示す
組成物の仮防水材組成物を製造した。得られた組成物に
対して、上記評価を行った。その結果を表3に示す。こ
れらの組成物の塗膜は、下地ひびわれ追従性、及び下地
コンクリート又は塗膜上に施工された防水材との接着性
に優れていた。
【0019】
【表1】
【0020】
【表2】
【0021】
【表3】
【0022】○比較例1 表1に示す組成の単量体及び乳化剤を使用した以外は実
施例1と同様の方法でエマルションNo.5を製造し、
これを使用して実施例1と同様の方法で表4に示す組成
の仮防水用防水材組成物を製造した。得られた組成物に
対して、上記評価を行った。その結果を表5に示す。こ
の組成物は、本発明の必須成分であるメチルアクリレー
ト又はエチルアクリレート及び(メタ)アクリル酸が含
まれていない重合体のエマルションを使用したもので、
無機質水硬性物質との相互作用が得られず、ひびわれ追
従性は優れているものの、下地との接着性に劣るもの
で、仮防水材として好ましくない。
【0023】
【表4】
【0024】
【表5】
【0025】○比較例2 表1に示す組成の単量体及び乳化剤を使用した以外は実
施例1と同様の方法でエマルションNo.6を製造し、
これを使用して実施例1と同様の方法で表4に示す組成
の仮防水用防水材組成物を製造した。得られた組成物に
対して、上記評価を行った。その結果を表5に示す。こ
の組成物は、本発明の必須成分である炭素数4〜10の
アルキル基を有するアルキル(メタ)アクリレートが単
量体合計の20重量%に満たない重合体のエマルション
を使用したものであり、ひびわれ追従性に劣り、仮防水
材として好ましくない。
【0026】○比較例3 実施例1で得られたエマルションNo.1を使用し、実
施例1と同様の方法で表4に示す組成の仮防水材組成物
を製造した。得られた組成物に対して、上記評価を行っ
た。その結果を表5に示す。この組成物は、アクリルエ
マルションと無機質水硬性物質との重量比が本発明の範
囲外のものであり、ひびわれ追従性に劣り、仮防水材と
して好ましくない。
【0027】
【発明の効果】本発明の仮防水用防水材組成物は、その
塗膜が下地ひびわれ追従性に優れ、下地コンクリート及
びその塗膜の上から施工される本防水材との接着性に優
れた仮防水材となり得るもので、土木建築工事に貢献す
ること大なるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、実施例及び比較例において、下地ひび
割れ追従性試験で使用した試験体を示す図であり、
(a)は上面図であり、(b)は側面図である。
【符号の説明】
1 防水材
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 小栗 嵩 愛知県名古屋市港区昭和町17番地の23東亞 合成化学工業株式会社名古屋工場内 (72)発明者 錦 保信 愛知県名古屋市港区昭和町17番地の23東亞 合成化学工業株式会社名古屋工場内

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】炭素数4〜10のアルキル基を有するアル
    キル(メタ)アクリレートから選ばれる1種又は2種以
    上の単量体20〜95重量%、メチル(メタ)アクリレ
    ート又はエチル(メタ)アクリレートから選ばれる1種
    又は2種以上の単量体0.1〜20重量%及び(メタ)
    アクリル酸から選ばれる1種又は2種の単量体0.1〜
    5重量%を必須構成単量体とする重合体がカチオン性又
    はノニオン性界面活性剤により水に乳化分散されている
    エマルションと、該エマルション固形分100重量部に
    対して50〜500重量部の無機質水硬性物質からなる
    仮防水用防水材組成物。
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