JP2005154940A5 - - Google Patents

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疑似接着紙用原紙およびその製造方法
本発明は、一時的に接着するが、必要時に容易に剥離できる機能を有する疑似接着紙に使用する疑似接着紙用原紙およびその製造方法に関する。
このような疑似圧着紙として、疑似接着紙用原紙に文字・図形等を印刷・印字等した後、当該印刷・印刷面等に疑似接着剤層を設けて製造されるいわゆる後糊方式の疑似接着紙が知られている。
一方、近年、高速かつ高精細な印字・印刷に適したインクジェット記録装置が普及し、後糊方式の疑似接着用紙に用いる疑似接着紙用原紙の印字・印刷においてもその使用が高まっている。そして、ここ数年のインクジェット記録装置の改良等による性能向上は著しく、これに対応すべく疑似接着紙用原紙のインクジェット記録性能を高めていくことが、紙業界の努力課題の一つとされている。
他方、疑似接着用紙は、例えば、親展情報等の各種情報を印字・印刷した疑似接着剤層面を内面にして折り畳み、重ね合わせ面を疑似接着して情報を隠蔽して郵送し、受取人が疑似接着部分を剥離して隠蔽情報を読み取る葉書システム等に使用されることが多い。このような用途では、親展情報が透けて第三者に読み取られないように高い隠蔽性が要求される。従って、疑似接着用紙では隠蔽性向上のために不透明度向上も課題の一つとされている。
特開2002−265903号公報 特開2000−364335号公報
ここで、紙の不透明度を高める手段の一つとして、原料パルプ中の機械パルプの割合を高める方法が知られている。しかし、機械パルプは親水性が高いため、原料パルプ中の機械パルプの割合を高めると、不透明度は向上するものの水性インクの使用が一般的なインクジェットインク記録機による印字・印刷ではパルプ繊維に沿ってインクがにじむ現象(フェザリング)が発生しやすくなる。このフェザリングの発生は、例えば上記葉書システム等において多用されるバーコード印刷等の認識力を低下させ葉書システムの効率のよい運用の妨げの原因となる。
他方、原料パルプ中の機械パルプの割合を高めると、紙のZ軸方向の内部結合強さが弱まる傾向にあることが知られている。従って、後糊方式の疑似接着紙に使用する疑似接着紙用原紙おいて過度に機械パルプを混合すると、再剥離のさいに紙層間で剥離がおき、疑似接着剤層で剥離するといった疑似接着紙の基本機能が担保できなくなる。
そこで、本発明の主たる課題は、疑似接着紙用原紙に必要とされる基本機能(再剥離性、フォーム印刷加工適性等)を備え、かつ、不透明度およびインクジェット記録性の双方に優れた疑似接着紙用原紙を提供することにある。
上記課題を解決した本発明およびその作用効果は次記のとおりである。
<請求項1記載の発明>
文字・図形を印字・印刷した後、当該印字・印刷面上あるいは非印刷面上に通常の状態では接着せずに所定の条件が付与されると剥離可能に疑似接着する疑似接着剤層を形成して疑似接着紙とする疑似接着紙用原紙であって、
機械パルプを5〜40重量%含み、カチオン強度が0.3meq/g以上のカチオン性重合体を含み、無機填料を5〜40重量%含み、
かつ、JAPAN TAPPI 18−2に規定されるインターナルボンド法に基づいて測定される内部結合強さが100〜500mJであることを特徴とする疑似接着紙用原紙。
<請求項2記載の発明>
前記機械パルプが、砕木パルプ、加圧下で砕木されたパルプ、サーモメカニカルパルプ、ケミサーモメカニカルパルプの群の中から選択される単独のパルプであるか、または2種以上を混合した混合パルプである請求項1記載の疑似接着紙用原紙。
<請求項3記載の発明>
文字・図形を印字・印刷した後、当該印字・印刷面上あるいは非印字・印刷面上に通常の状態では接着せずに所定の条件が付与されると剥離可能に疑似接着する疑似接着剤層を形成して疑似接着紙とする疑似接着紙用原紙の製造方法であって、
機械パルプを5〜40重量%含み、カチオン強度が0.3meq/g以上のカチオン性重合体0.1〜5重量%を含み、無機填料を5〜40重量%含む抄紙前原料を抄紙し、
JAPAN TAPPI 18−2に規定されるインターナルボンド法に基づいて測定される内部結合強さが100〜500mJとすることを特徴とする疑似接着紙用原紙の製造方法。
<請求項4記載の発明>
文字・図形を印字・印刷した後、当該印字・印刷面上あるいは非印字・印刷面上に通常の状態では接着せずに所定の条件が付与されると剥離可能に疑似接着する疑似接着剤層を形成して疑似接着紙とする疑似接着紙用原紙の製造方法であって、
機械パルプを5〜40重量%含みかつ無機填料を5〜40重量%含む抄紙前原料を抄紙した後、カチオン強度が0.3meq/g以上のカチオン性重合体1〜10重量%を含む塗工液を塗工し、
JAPAN TAPPI 18−2に規定されるインターナルボンド法に基づいて測定される内部結合強さが100〜500mJ以上とすることを特徴とする疑似接着紙用原紙の製造方法。
<請求項5記載の発明>
前記機械パルプが、砕木パルプ、加圧下で砕木されたパルプ、サーモメカニカルパルプ、ケミサーモメカニカルパルプの群の中から選択される単独のパルプであるか、または2種以上を混合した混合パルプである請求項3または4記載の疑似接着紙用原紙の製造方法。
本発明にかかる疑似接着紙用原紙は、機械パルプの割合が5〜40重量%としたので高不透明度である。また、機械パルプはクッション性が高いため、オフセットインキのインキ転写性も優れたものとなり、インクジェット記録装置での印字・印刷のみならずオフセット印刷装置による印字・印刷にも優れたものとなる。また、前記疑似接着紙用原紙は、カチオン強度0.3meq/g以上のカチオン性重合体を含むものであるので、インク定着力が強くインク液滴がパルプ繊維に沿ってにじむフェザリングが抑制される。特に、カチオン性重合体は水性インクに対して効果的であるため、水性インクの使用が一般的なインクジェット記録装置による印字・印刷性が優れるようになる。さらに、JAPAN TAPPI 18−2に規定されるインターナルボンド法に基づいて測定される内部結合強さを100〜500mJの範囲とすることで、機械パルプ配合に起因する紙層間剥離のおそれが格段に少なくなる。さらには、内部結合強さを上記範囲とすることにより印刷加工時あるいは疑似接着剤塗工時の紙粉発生トラブルも低減される。
次いで、本発明の実施の形態を以下に詳述する。
本発明の疑似接着用原紙は、オフセット印刷、インクジェットプリンター等の各種プリンターで印字・印刷した後、当該印字・印刷面あるいは非印字・印刷面に表裏面の少なくとも片面に通常の状態では接着せずに所定の条件が付与されると剥離可能に疑似接着する疑似接着剤層を設けて使用するものである。
そして、本実施例にかかる疑似接着紙用原紙は、機械パルプを含む原料パルプとカチオン性重合体と無機填料とを含む抄紙前原料を抄紙してあるいは、機械パルプを含む原料パルプと無機填料とを含む抄紙前原料を抄紙したのちカチオン性重合体を含む塗工液を塗工して製造することができる。
前記原料パルプは、バージンパルプのほか、新聞、チラシ、雑誌、コピー用紙等の古紙パルプを用いることができる。原料パルプは、必要に応じて漂白して使用することができる、その場合には塩素を用いない漂白方法で漂白するのが望ましい。すなわち、漂白パルプを用いる場合には、TCFパルプ、ECFパルプを用いるのが望ましい。原料パルプ中の機械パルプの種類は特に限定されないが、不透明度を向上させやすく、内部結合強さを本発明の範囲にしやすいことから、加圧下で砕木されたパルプ(PWG)、砕木パルプ(RGP)、サーモメカニカルパルプ(TMP)、ケミサーモメカニカルパルプ(CTMP)の群の中から選択される単独のパルプであるか、または2種以上を混合した混合パルプを用いるのが好適である。
機械パルプの割合は、5〜40重量%とする。機械パルプの配合量が、5重量%未満であると、不透明度の向上効果が小さく、反対に40重量%を越えると層間剥離防止効果が得られづらくなるとともに、後述のカチオン性重合体との関係でフェザリング抑制効果および層間剥離防止効果が得られづらくなる。機械パルプの割合の調整は、抄紙前原料における機械パルプの配合割合を調整することにより行なうことができる。抄紙前原料における機械パルプの配合割合と疑似接着紙用原紙中の機械パルプの配合割合はほぼ同様になる。なお、疑似接着紙用原紙中の機械パルプの割合は、JIS P 8120による繊維組成試験法により測定することが可能である。
カチオン強度が0.3meq/g未満であると、フェザリング改善効果が十分でなく、インク発色性、定着性(耐水性)について十分な品質とならない。カチオン強度の上限は特に限定されないが、概ね2.5meq/g以上から効果の向上が小さくなり、3.0meq/g程度で効果が飽和するので3.0meq/g程度を上限とする。なお、カチオン強度の測定法としては、いわゆる「コロイド滴定法」がある。コロイド滴定法とはコロイド粒子間のイオン会合反応を利用する方法で、分子構造が既知であるイオン性高分子を溶解した溶液を規定液とし、既知試料と反対のイオン性を有する未知高分子試料のイオン強度を測定する方法である。前記滴定法において、規定液にアニオン性高分子を用いることでカチオン性重合体のカチオン強度を測定することができる。なお、疑似接着紙原紙中に含まれるカチオン重合体のカチオン強度の測定は、熱抽出法によって抽出した熱抽出液に対してコロイド滴定を行えば測定することができる。
カチオン性重合体の具体例としては、塩化ジメチルジアリルアンモニウム重合物、塩化ジメチルジアリル・アクリルアミド共重合物、塩化ジアリルアンモニウム・アクリルアミド共重合物、塩化ジメチルジアリルアンモニウム・ジアリルアミン/エピクロルヒドリン共重合物、ポリメチルジアリルアミン・エピクロルヒドリン共重合物、ポリエチレンイミン、ポリジアリルアミン、ポリアリルアミン、特開昭59−20696号、同59−33176号、同59−33177号、60−11389号、同60−49990号、同62−198493号、同63−115780号、特開平1−40371号、同6−234268号、同7−125411号、同10−193776号公報等に記載された1〜3級アミノ基、4級アンモニウム塩基を有するポリマー等が挙げられ、特に4級アンモニウム塩基を含むカチオン性重合体が好適である。
前記カチオン性重合体は、抄紙前原料に配合する場合には、全抄紙前原料中の0.1〜5重量%、好適には、0.2〜3重量%とするのが望ましい。0.1重量%未満では、十分なフェザリング防止効果が発揮されない。また、5重量%を超えて配合してもフェザリング防止効果が飽和しコスト高となるだけである。また、サイズプレス液等の塗工液に含有させて塗工する場合には、塗工液中に1〜10重量%、好適には、2〜6重量%配合するのが望ましい。1重量%未満では、十分なフェザリング防止効果が発揮されない。また、5重量%を超えて配合してもフェザリング防止効果が飽和しコスト高となるだけである。塗工液の塗工によりカチオン性重合体を含む疑似接着紙用原紙を製造する場合には、前記塗工液を従来既知の塗工機により3〜15g/m2程度の塗工量で塗工すればよい。ここで、上記例のカチオン性重合体については必要に応じて後述の疑似接着剤層にも添加しインクジェット記録適性を向上させるために使用してもよい。
一方、無機填料は、疑似接着紙用原紙中の無機填料の割合が5〜40重量%となるように抄紙前原料に対して配合すればよい。填料が5重量%未満であると不透明度向上効果が小さく、反対に40重量%を越えると所望の内部結合強さ100〜500mJの範囲にするのが困難となるとともに、疑似接着剤の定着性が悪くなる。填料の割合の調整は、抄紙前原料における顔料の配合割合等を適宜調整することにより行なうことができる。具体的な抄紙法や紙中への留まり率を考慮して顔料の配合割合を適宜調整する。基紙中の填料の割合は、基紙断面を画像解析方法、例えば、ミクロトームで基紙をカットし、断面の顔料分布状態を画像解析することにより測定することができる。断面の顔料分布状態は電子顕微鏡、光学顕微鏡等で観察すればよい。
前記無機填料の種類は特に限定されない。紙の製造に用いられる填料のなかから、白色度を考慮して選択すればよい。具体例としては、クレー、一次または二次凝集体を形成しているカルサイト系沈降性炭酸カルシウム(白石工業株式会社製:PC、カルライトKT)、二次凝集体を形成しているアラゴナイト系沈降性炭酸カルシウム(白石工業株式会社製:カルライトSA)、炭酸カルシウム、シリカ、合成微粒子シリカ、アミノ表面改質シリカ、ワックス表面処理シリカ、球状シリカ、通常のカルシウムや、亜鉛、マグネシウム、アルミニウムもしくはチタン等の金属の酸化物、水酸化物、炭酸塩、珪酸塩等の無機填料、またはこれらの混合物が挙げられる。これらの、填料であれば、白色度を70%以上とするのが容易である。無機填料例の中でも本発明に特に好適なものは、紡錘形あるいは針状の軽質炭酸カルシウムである。この形状の炭酸カルシウムは、繊維間のからみを良好なものとするので顔料配合に伴う内部結合強さの低下が少ない。また、炭酸カルシウムが二次凝集しているものである場合には、不透明性向上効果が高く坪量が低くても高不透明度の紙となるため、低坪量で高不透明度の基紙としやすいので好適である。特に重量規定のある葉書システム等に用いる疑似接着紙の基紙として使用する場合に好適である。
疑似接着紙用原紙の抄紙方法については、一般的な洋紙の製造マシンが使用でき、長網抄紙機、丸網抄紙機、ツインワイヤータイプの抄紙機、多層抄の抄紙機等の抄紙機を使用して抄紙することができる。
ここで、本発明の疑似接着紙用原紙は、JAPAN TAPPI 18−2に規定されるインターナルボンド法に基づいて測定される内部結合強さが100〜500mJである。疑似接着紙用原紙の内部結合強さが100mJ未満であると、紙層間剥離のおそれが高くなる。他方、内部結合強さが500mJを越えると紙の離解性が困難となり、古紙利用時等の他の弊害が生ずる。
内部結合強さを上記範囲に調整するには、例えば、抄紙前原料に対して添加する紙力増強増剤の量と顔料の量とを調整することにより達成できる。紙力増強剤としては、水溶性樹脂、水性エマルジョン樹脂等が使用できる。具体例としては、ポリアクリルアミド、アクリル共重合体樹脂、PVA、酢酸ビニル樹脂、スチレン・ブタジエン系ラテックス、アクリル・スチレン共重合体、オレフィン系樹脂等が挙げられる。ポリアクリルアミド樹脂を使用するのであれば、抄紙前原料に対して1〜10kg/パルプトン程度添加すればよい。
なお、JAPAN TAPPI 18−2に規定されるインターナルボンド法による内部結合強さの測定は、インターナルボンドテスター(熊谷理機工業(株)社製)を使用して測定することが可能である。
他方、本発明にかかる疑似接着紙用原紙は、JIS P 8148に基づいて測定されたISO白色度が70%以上、JIS P 8138に基づいて測定された不透明度が96〜100%であるのが望ましい。白色度が70%未満であると不透明度は向上するが印刷物としてのコントラストが低下し、特にカラー印字・印刷においては見栄えが悪くなる。そして白色度が70%以上で記録情報を隠蔽するには96%以上の不透明度があれば十分である。このような白色度に調整するには、原料パルプの漂白処理等の従来既知の方法により調整すればよい。
一方、前記疑似接着層は、非剥離性接着剤(以下、接着基剤という)に対して、当該接着基剤に非親和性を示す充填剤を含有せしめて疑似接着力を付与した疑似接着剤を塗工して設けてもよく、また、従来既知の方法に従って疑似接着性を示すフィルムを紙面に密着させて設けてもよい。
疑似接着剤を使用する場合には、前記非剥離接着剤と充填剤との配合割合は、剥離性接着剤に対して充填剤を添加して形成する種の疑似接着剤の一般的な配合割割合でよく、具体的には、剥離性接着剤100重量部に対して、充填剤5〜500重量部程度である。本発明において、特に好適な範囲を示せば、剥離性接着剤100重量部に対して、充填剤10〜300重量部である。
前記接着基剤としては、ラテックス、具体的には天然ゴム、合成ゴム等の従来通常の接着基剤に使用されているものの中から任意に選択して使用することができるが、特に天然ゴムを無硫黄加硫し、メタアクリル酸メチルと混合した天然ゴムラテックス、天然ゴムにメタアクリル酸メチルをグラフト共重合させて得られた天然ゴムラテックス、アクリル変性ゴムラテックス、ゴムラテックスと保護コロイド系アクリル共重合エマルジョンとの混合物が、耐ブロッキング性、耐経時劣化等の点で好適である。
前記充填剤の種類は、特に限定されない。無機顔料を含むもの、特には吸油量が80ml/100g以上の無機顔料を含むものが好適である。無機顔料の具体例としては、一次または二次凝集体を形成しているカルサイト系沈降性炭酸カルシウム、二次凝集体を形成しているアラゴナイト系沈降性炭酸カルシウム、重質炭酸カルシウム、焼成カオリン、合成シリカ等が挙げられる。これらは、単独で用いてもよいし二種以上が混合されていてもよい。その他、スチレンビーズ、合成微粒子シリカ、アミノ表面改質シリカ、ワックス表面処理シリカ、球状シリカ、通常のカルシウムや、亜鉛、マグネシウム、アルミニウムもしくはチタン等の金属の酸化物、水酸化物、炭酸塩、珪酸塩またはこれらの混合物等が含まれていてもよい。
なお、本発明においては、疑似接着剤に配合するその他の助剤として、滑剤、印刷適性向上剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、導電剤、蛍光染料、着色染料、防腐剤、保湿剤、インクジェットインク用定着剤などを必要に応じて配合することができる。
前記疑似接着剤の塗工は、従来既知の塗工機を用いた塗工方法により行なうことができる。本発明においては、塗工機は、エアーナイフコーター、ブレードコーター、ロッドメタリングコーター、カーテンコーター、ロールコーターを用いて塗工するのが好適である。塗工量としては、3〜15g/m2とするのが望ましい。3g/m2未満であると、所望の接着力が得られず意図しない剥離が生じやすくなる。15g/m2を超えると、接着力が強くなりすぎて再剥離しづらいものとなるとともに、塗工時に塗工ロールに糊粕が付着して操業上および品質上のトラブルを招きやすくなる。
疑似接着剤を塗工により設けた後には、塗工面を平滑化処理するのが望ましい。平滑化処理するにあたっては、通常のカレンダー処理により行なうことができる。カレンダー処理は、塗工機と一連のカレンダー(オンマシンカレンダー)により行うこともできるし、塗工機と一連ではなく完全に別体のカレンダー(オフマシンカレンダー)のどちらで行なってもよい、カレンダーの種類は、特に限定されない。金属ロールと弾性ロールとを備えるカレンダー、金属ロール同士を組み合わせたカレンダー等、従来既知のカレンダーを使用することができる。
本発明にかかる疑似接着紙用原紙(実施例1〜14)と本発明とは異なる疑似接着紙用原紙(比較例1〜)とについて、隠蔽性、剥離性、フェザリングの発生具合、電子写真方式のプリンターでのトナー転写性について試験し評価した。電子写真方式のプリンターでのトナー転写性については、後糊方式の疑似接着紙では、先糊方式と異なり電子写真方式での印刷も行なわれることが多いことから適性試験を行い評価した。また、剥離性については、疑似接着剤層を設けて試験し評価した。
各実施例および各比較例は、抄紙前原料に内添サイズ剤(AKD)を3kg/パルプトン配合し、また、坪量は全て104.7g/m2に調整した。サイズプレス装置にて、澱粉が乾燥重量で7%、カチオン性重合体が乾燥重量で3%配合されたサイズプレス液を片面につき1.5g/m2両面に塗布した。
剥離性試験のさいの疑似接着剤層は、疑似接着紙用原紙に疑似接着剤層形成用紫外線硬化型アクリルニス(互応化学工業社製:プラスサイズOP−5220)を5g/m2塗布した後、紫外線照射して硬化させて形成した。
各実施例、各比較例において用いた基紙の填料およびその割合、基紙中の機械パルプの割合、抄紙前原料中の内添紙力増強剤(ポリアクリルアミド系水溶性樹脂を使用)の配合割合、使用したカチオン性重合体のカチオン強度は、試験結果とともに下記表1中に示す。
Figure 2005154940
なお、試験方法および物性測定方法の詳細は次記のとおりである。試験結果等は、表2に示す。
[白色度]JIS P 8148に基づいてISO白色度を測定した。
[不透明度]JIS P 8138に基づいて不透明度を測定した。
[内部結合強]JAPAN TAPPI 18−2に規定されるインターナルボンド法に基づいて測定した。
[剥離性]二枚一組で一つの試料(幅50mm×長さ100mm)とし、その疑似接着剤層同士をメールシーラー(MS−900:大日本印刷株式会社製)を用いてロールギャップ14の設定で加圧して疑似接着し、5分間放置した後、T型剥離試験機を用いて、500mm/分の条件で長さ方向の端から剥離する試験を行なった。各実施例および各比較例それぞれについて試料10組を用意し試験した。評価は、基紙層内で剥離した試料数により評価した。評価基準は、基紙層剥離した試料がなかったものを○、基紙層間剥離した試料が1〜2組あったものを△、基紙層間剥離した試料が3組以上あったものを×と評価した。
[隠蔽性]インクジェットプリンター(Pixus850i:株式会社キャノン社製)により大きさ10ポイント、黒色インキで5文字印字した後、印字面と反対側面から印字した文字を目視で判読できるか否かを試験した。評価は、目視では文字を判読することができなかったものを○、一部判読できたものを△、全ての文字を判読できたものを×とした。
[フェザリング] 疑似接着剤層形成面に対してインクジェットプリンター(Pixus850i:株式会社キャノン社製)により、黒インキで5mm長さの細線を印刷し、当該細線を基端としてそこからヒゲ状に何mインクがにじんだかを測定した。評価は、0.1mm以内の長さのヒゲ状のにじみしかなかったものを○、0.1mを越え0.2mm以内のヒゲ状のにじみが確認されたものを△、0.2mmを越えたヒゲ状のにじみが確認されたものを×とした。
[トナー転写性]試験は、各実施例および各比較例をA4サイズに裁断し、ページプリンター(IPSiO NX6505:RICOH社製)に専用の黒色トナーをセットして、縦2mm×横2mmの正方形の図形を縦3段、横3列、合計9個印刷した。各図形間は、縦横均等に10mm間隔とした。印刷後、各図形を目視にて観察し、白く抜けた部位(一般的には白抜けといわれる)がないか確認した。評価は、9個の図形中に直径0.1mm以上の白抜けが確認されなかったものを○、直径0.1mm以上の白抜けが認められる図形が、9個の図形中1個または2個であったものを△、直径0.1mm以上の白抜けが認められる図形が、9個の図形中3個以上あったものを×とした。
Figure 2005154940
表2からみてとれるように、本発明の実施例1〜14は、インクジェットプリンター印字、電子写真方式でのプリンター印字、隠蔽性、剥離性のすべての試験項目で○の評価となる結果となった。それに対して、比較例1〜については、各試験において△あるいは×の評価がある結果となった。以上の本試験例により本発明の疑似接着紙用原紙が、インクジェット記録時のフェザリングの発生がほとんどなく、隠蔽性が高く、また剥離性にも優れ、さらに電子写真方式のプリンター適性に優れていることが示された。
本発明は、親展性を有するラベル、情報隠蔽紙、親展性葉書、親展性封筒等に使用可能である。

Claims (5)

  1. 文字・図形を印字・印刷した後、当該印字・印刷面上あるいは非印刷面上に通常の状態では接着せずに所定の条件が付与されると剥離可能に疑似接着する疑似接着剤層を形成して疑似接着紙とする疑似接着紙用原紙であって、
    機械パルプを5〜40重量%含み、カチオン強度が0.3meq/g以上のカチオン性重合体を含み、無機填料を5〜40重量%含み、
    かつ、JAPAN TAPPI 18−2に規定されるインターナルボンド法に基づいて測定される内部結合強さが100〜500mJであることを特徴とする疑似接着紙用原紙。
  2. 前記機械パルプが、砕木パルプ、加圧下で砕木されたパルプ、サーモメカニカルパルプ、ケミサーモメカニカルパルプの群の中から選択される単独のパルプであるか、または2種以上を混合した混合パルプである請求項1記載の疑似接着紙用原紙。
  3. 文字・図形を印字・印刷した後、当該印字・印刷面上あるいは非印字・印刷面上に通常の状態では接着せずに所定の条件が付与されると剥離可能に疑似接着する疑似接着剤層を形成して疑似接着紙とする疑似接着紙用原紙の製造方法であって、
    機械パルプを5〜40重量%含み、カチオン強度が0.3meq/g以上のカチオン性重合体0.1〜5重量%を含み、無機填料を5〜40重量%含む抄紙前原料を抄紙し、
    JAPAN TAPPI 18−2に規定されるインターナルボンド法に基づいて測定される内部結合強さが100〜500mJとすることを特徴とする疑似接着紙用原紙の製造方法。
  4. 文字・図形を印字・印刷した後、当該印字・印刷面上あるいは非印字・印刷面上に通常の状態では接着せずに所定の条件が付与されると剥離可能に疑似接着する疑似接着剤層を形成して疑似接着紙とする疑似接着紙用原紙の製造方法であって、
    機械パルプを5〜40重量%含みかつ無機填料を5〜40重量%含む抄紙前原料を抄紙した後、カチオン強度が0.3meq/g以上のカチオン性重合体1〜10重量%を含む塗工液を塗工し、
    JAPAN TAPPI 18−2に規定されるインターナルボンド法に基づいて測定される内部結合強さが100〜500mJ以上とすることを特徴とする疑似接着紙用原紙の製造方法。
  5. 前記機械パルプが、砕木パルプ、加圧下で砕木されたパルプ、サーモメカニカルパルプ、ケミサーモメカニカルパルプの群の中から選択される単独のパルプであるか、または2種以上を混合した混合パルプである請求項3または4記載の疑似接着紙用原紙の製造方法。
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