JP2005154653A - 含水土壌処理剤、含水土壌処理剤の製造方法、および含水土壌の粒状化方法 - Google Patents

含水土壌処理剤、含水土壌処理剤の製造方法、および含水土壌の粒状化方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 高含水比の含水土壌であっても少量で対応し得る含水土壌処理剤およその製造方法、ならびに含水土壌の粒状化方法を提供する。
【解決手段】 水溶性重合体と界面活性剤を構成要素に含む含水土壌処理剤を製造する方法であって、前記水溶性重合体を1種以上の単量体の溶液重合により合成する際に、前記界面活性剤を共存させておく含水土壌処理剤の製造方法である。
また、本発明の含水土壌処理剤は、カルボキシル基(カルボン酸塩基を含む、以下同じ)および/またはスルホン基(スルホン酸塩基を含む、以下同じ)を含有する水溶性重合体と、界面活性剤とを構成要素に含むものであることを特徴とするものである。
さらに、本発明の粒状化方法は、上記本発明の含水土壌処理剤を含水土壌に混合することを特徴とするものである。

Description

本発明は、含水土壌を改質し、砂などの代替品として埋め戻し材などに再利用し得るようにするための処理剤および粒状化方法に関するものである。本発明の処理剤および粒状化方法は、含水比が高く、極めて低粘度の含水土壌にも適用可能である。
土木工事などで発生する建設発生土のうち、掘削工事で発生する発生土は、掘削部へ水を流し込んで汚泥として外部へ排出することがあり、このような汚泥は含水比が高いため、そのままでは通常のトラックやダンプカーで運搬することすらできず、当然、埋め戻し材として使用することはできない。このため、泥土に対して、脱水処理や固化処理などを施して運搬可能な状態とすることが行われている。
しかし、脱水処理を行っても、上記のような再利用を行うには、さらに適切な改良を施す必要があり、また、固化処理を行う場合では、得られた固化土壌をどうするか、という点で、発生する泥土量と見合うだけの固化土壌の廃棄場所がそれほどない、という問題を抱えていた。
こういった観点から、泥土などの含水土壌をさらさらの砂状の粒状物にして、埋め戻し材に利用する検討がなされている。粒状化方法としては、例えば、カルボシキル基含有水溶性重合体粉末を添加混合し、次に石灰を添加混合し、養生を経て粒状化する方法がある(特許文献1)。また、カルボキシル基含有水溶性重合体粉末が含水土壌に溶け難い、という問題を解決した技術として、カルボキシル基とスルホン基とを含有する水溶性重合体を用いて粒状化する方法がある(特許文献2)。さらに、特許文献3には、アクリルアミドとアクリル酸との共重合体とアルギン酸ナトリウムとを、泥土に混ぜて粒状化する方法が開示されている。
上記従来技術は、夫々特色があり、それなりの効果を発揮しているが、含水比が高く粘度の低い泥土に適用するには、十分な処理性能を備えているとはいえない場合もあり、例えば、上述の水溶性重合体の如き処理剤を多量に必要とすることが多かった。
特開平6−17052号公報 特開2000−136383号公報 特開平10−152682号公報
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、高含水比の含水土壌であっても少量で対応し得る含水土壌処理剤、および含水土壌処理剤の製造方法、ならびに含水土壌の粒状化方法を提供することにある。
上記目的を達成し得た本発明の含水土壌処理剤の製造方法とは、水溶性重合体と界面活性剤を構成要素に含む含水土壌処理剤を製造するに当たり、前記水溶性重合体を1種以上の単量体の溶液重合により合成する際に、前記界面活性剤を共存させておくところに要旨が存在する。
また、本発明の含水土壌処理剤は、カルボキシル基(カルボン酸塩基を含む、以下同じ)およびスルホン基(スルホン酸塩基を含む、以下同じ)を含有する水溶性重合体と、界面活性剤とを構成要素に含むところに要旨を有するものである。なお、上記界面活性剤としては、非イオン系界面活性剤を用いるのが好ましい。さらに、上記水溶性重合体としては、カルボキシル基を有し、且つ全構成ユニット100mol%中、スルホン基含有ユニットが0.5〜50mol%であるものが望ましい。
以下、本明細書においては、上記水溶性重合体や該重合体を形成するための単量体における「カルボキシル基」には、特に断らない限り、遊離のカルボキシル基(−COOH基)に加えて、カルボン酸塩基も含めるものとし、同「スルホン基」には、特に断らない限り、遊離のスルホン基(−SO3H基)に加えて、スルホン酸塩基も含めることとする。
上記含水土壌処理剤が、さらに水硬性物質を構成要素とする場合も本発明の好ましい一態様である。
本発明の含水土壌の粒状化方法は、上記本発明の含水土壌処理剤を含水土壌に混合して粒状土とするところに要旨が存在する(すなわち、本発明の含水土壌の粒状化方法は、粒状土を製造する方法である)。なお、含水土壌処理剤の構成要素として水硬性物質を用いる場合には、含水土壌が粒状化した後に添加することが望ましい。
本発明の含水土壌処理剤の製造方法によれば、重合時に予め界面活性剤を存在させているため、製造作業性にすぐれ、且つ、継粉などの不都合を生じることがなく、短時間での粒状化が可能な優れた含水土壌処理性能を有する含水土壌処理剤を製造することができる。
また、本発明の含水土壌処理剤は、その構成要素として、構造が最適化され水への溶解性が制御された水溶性重合体と界面活性剤とを用いているため、フロー値(後述する)が非常に大きな高含水比土壌であっても、僅かな使用量で、例えば砂の代替品として使用可能な粒状土とすることができる。
このように、本発明の含水土壌処理剤および含水土壌の粒状化方法は、通常、汚泥として廃棄される含水土壌を再利用することができるので、環境保全、省資源、および廃棄場所の延命を図り得ると共に、含水土壌の処分費用を低減することが可能である。
上述の特許文献にも開示されているように、これまでにも水溶性重合体を含む含水土壌処理剤は種々提案されていた。一般に、含水土壌処理剤により含水土壌が粒状化されるメカニズムは次のように考えられている。まず、含水土壌中に水溶性重合体が添加混合されると、該水溶性重合体は土壌中に分散し、水に溶けながら水と結合することで水を取り込み、このように水を含んだ状態で水溶性重合体の分子鎖がいくつかの土壌粒子に吸着し、土壌粒子同士を付着結合することによって粒状化される。
しかしながら、上記処理剤を用いても、処理対象となる土壌が含水率の高い土壌である場合には継粉を生じてしまい、含水土壌の処理ができないといった問題があった。
本発明者らは、上記問題の生じる原因について検討を進めたところ、上述の現象は、水溶性重合体が含水土壌中に分散するよりも先に水に溶けだして、周囲に存在している水溶性重合体同士で付着するために発生することを突き止めた。
そこで、上記問題を解決すべく更なる検討をすすめた結果、水溶性重合体を合成する際に、界面活性剤を共存させておけば、含水比の高い土壌中に添加した場合であっても、継粉を生じることなく粒状化できることを見出し、本発明を完成した。
すなわち、本発明は、水溶性重合体と界面活性剤を構成要素に含む含水土壌処理剤を製造する方法であって、前記水溶性重合体を1種以上の単量体の溶液重合により合成する際に、前記界面活性剤を共存させておくところに特徴を有するものである。
上記含水土壌処理剤における界面活性剤の存在による効果は、次のようであると考えている。界面活性剤を含有する水溶性重合体は、その表面に存在する界面活性剤が剥離すると同時に水を取込み、土壌を付着結合させる機能を発揮する。よって、含水土壌への添加から、その機能が発現されるまでの間に、含水土壌中に均一に分散させ得るため、継粉となるのを防止できるのである。
また、本発明法を採用することで特に優れた効果が得られるのは次の理由によるものと考えている。前記水溶性重合体は、水溶性重合体を構成する単量体を重合させることで得られるが、この重合反応を界面活性剤の存在下で行えば、重合反応終了時には、水溶性重合体と界面活性剤の混合液が得られる。粉体状の含水土壌処理剤とする場合には、上記混合液から水を蒸発させた後、得られた水溶性重合体を乾燥・粉砕する。上記蒸発工程において水溶性重合体は、水が蒸発するのにしたがって凝集するが、このとき、上記水溶性重合体の分子鎖間には界面活性剤が取り込まれた状態となる。したがって、得られる水溶性重合体はその表面のみならず、重合体内部にも界面活性剤が存在することになる。
このような水溶性重合体は、上記の通り含水土壌中に添加されると、その表面の界面活性剤が剥離すると同時に水を取り込み、分子鎖がほぐれはじめるが、この分子鎖表面には未だ界面活性剤が存在しているため、近傍の分子鎖同士で付着結合することなく、含水土壌中に十分に分散した後に粘着能を発揮することができるのである。したがって、継粉を生じることなく優れた処理効果を得ることができる。なお、上記水溶性重合体を水溶液で用いる場合も同様に機能していると考えられる。以下、本発明の構成要素について詳細に説明する。
本発明で用いられる水溶性重合体は、25℃の水に0.1質量%以上溶解し得るものであれば、特に限定されない。具体例としては、ポリエチレンオキサイド、ポリプロピレンオキサイドなどのポリエーテル型重合体;ポリアクリルアミド、ポリメタクリルアミドなどのアミド型重合体;ポリビニルピロリドンなどのラクタム含有重合体;ポリビニルアルコールなどの水酸基含有重合体;ビーガム、ヒドロキシエチルセルロースなどの天然のノニオン型水溶性重合体;ポリアクリル酸、ポリメタクリル酸、ポリマレイン酸などのカルボキシル基含有重合体;ポリスチレンスルホン酸、ポリイソプレンのスルホン化物などのスルホン基含有重合体;アルギン酸ソーダ、カルボキシメチルセルロースなどのアニオン性水溶性重合体またはこれらの金属塩など;ポリエチレンイミンなどのアミン型重合体;ポリビニルピリジンなどのピリジン含有重合体;ポリジメチルアミノエチル(メタ)アクリレートなどの第4級アンモニウム塩含有重合体;キトサンなどのカチオン性水溶性重合体またはこれらの塩;などが挙げられる。
水溶性重合体の合成に際しては、上記水溶性重合体を構成する単量体を2種以上併用したり、その他の単量体、例えば、(メタ)アクリルアミド、ジメチルアクリルアミド、(メタ)アクリロニトリル、スチレン、アルキル(メタ)アクリレート[例えばメチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレートなど]、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、酢酸ビニルなどの単量体を、水溶性に影響が出ない程度に一部併用してもよい。
これらのうち、カルボキシル基含有単量体を重合して得られる水溶性重合体、あるいは(メタ)アクリルアミドを重合して得られる水溶性重合体は、安全で且つ粘ついた感じがなく、常温、常湿下でさらっとした粉末であることから好ましく用いられる。
カルボシキル基含有水溶性重合体の合成に用い得るカルボキシル基含有単量体としては、例えば、(メタ)アクリル酸、クロトン酸、ビニル酢酸、マレイン酸、イタコン酸、メサコン酸、フマル酸、シトラコン酸、N−(メタ)アクリロイルアスパラギン酸、およびこれらの単量体のカルボン酸塩(例えば、アルカリ金属塩やアンモニウム塩)が挙げられる。これらの重合性単量体は、1種を単独で使用する他、2種以上を併用することもできる。上記例示の単量体の中でも、(メタ)アクリル酸およびその塩が好ましく、(メタ)アクリル酸がより好ましい。
上述のカルボキシル基含有水溶性重合体の形成においては、上記カルボキシル基含有単量体と共重合可能な単量体を用いてもよい。このような他の単量体としては、アリルホスホン酸、イソプロペニルホスホン酸、ビニルホスホン酸、およびこれらの塩などのモノエチレン性不飽和酸;ポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレートなどの、ポリアルキレングリコールと上記カルボキシル基含有単量体とのエステル;メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレートなどの(メタ)アクリル酸エステル;酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、ピバリン酸ビニル、安息香酸ビニル、桂皮酸ビニルなどのビニルエステル;メチルビニルエーテル、エチルビニルエーテルなどのアルキルビニルエーテル;アリルアルコール、メタリルアルコール、3−メチル−3−ブテン−1−オール、3−メチル−2−ブテン−1−オール、2−メチル−3−ブテン−2−オールなどの不飽和アルコール;アクロレインなどのアルデヒド基含有ビニル単量体;(メタ)アクリロニトリルなどのニトリル基含有ビニル単量体;(メタ)アクリルアミド、N−t−ブチルアクリルアミドなどのアミド系単量体;ホスホエチルメタクリレート;スチレン;アリルアルコールのエチレンオキシド付加物;N−ビニル−2−ピロリドン;N−ビニルアセトアミド;N−ビニルホルムアミド:などが挙げられる。
上記例示の他の単量体のうち、モノエチレン性不飽和酸;ポリアルキレングリコールと上記カルボキシル基含有単量体とのエステル;(メタ)アクリル酸エステル;ビニルエステル;アルキルビニルエーテル;不飽和アルコール;ホスホエチルメタクリレート;スチレン;アリルアルコールのエチレンオキシド付加物;N−ビニル−2−ピロリドン;N−ビニルアセトアミド;N−ビニルホルムアミド;などのように、含水土壌の処理時にアンモニアなどの気体を発生する虞が無い単量体がより好適である。これらの他の単量体は、必要に応じて、1種のみを使用してもよく、2種以上を併用してもよい。上記例示の他の単量体の中でも、メチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、N−ビニル−2−ピロリドンが特に好ましい。
本発明において界面活性剤は、含水土壌中において水溶性重合体同士が急激に付着・結合するのを抑制して、継粉となるのを防ぐために用いるものである。本発明で使用可能な界面活性剤としては、上記水溶性重合体が含水土壌中に良好に分散するまで、該重合体同士が付着・結合するのを抑制できるものであれば特に限定されず、公知の界面活性剤が使用可能である。具体的には、非イオン界面活性剤が好ましく、例えば、エーテル型の非イオン界面活性剤としては、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンセチルエーテル、ポリオキシエチレンステアリルエーテル、ポリオキシエチレンオレイルエーテル、ポリオキシエチレン高級アルコールエーテルなどのポリオキシエチレンアルキルエーテル;ポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテルなどのポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテルの他、ポリオキシエチレン誘導体や、オキシエチレンオキシプロピレンブロックポリマーなどが挙げられる。エーテルエステル型の非イオン界面活性剤としては、ポリオキシエチレンソルビタンモノラウレート、ポリオキシエチレンソルビタンモノパルミテート、ポリオキシエチレンソルビタンモノステアレート、ポリオキシエチレンソルビタンモノオレエート、ポリオキシエチレンソルビタントリステアレートなどのポリオキシエチレンソルビタンモノ,ジ,トリ脂肪酸エステル(脂肪酸の炭素数12〜18、以下の脂肪酸についても同じ);ポリオキシエチレン脂肪酸エステルなどが挙げられる。エステル型の非イオン界面活性剤としては、ソルビタンモノラウレート、ソルビタンモノパルミテート、ソルビタンモノステアレート、ソルビタンモノオレエート、ソルビタントリステアレートなどのソルビタンモノ,ジ,トリ脂肪酸エステル;脂肪酸モノグリセライド;ショ糖エステルなどが挙げられる。これらの中でも、ソルビタン脂肪酸エステルが好ましい。
本発明の含水土壌処理剤の製造方法に係る重合方法は、上記水溶性重合体を構成する単量体を界面活性剤の共存下で重合できるものであれば、特に限定されるものではなく、例えば、ラジカル重合開始剤などの重合開始剤を用いる重合方法;イオン化放射線、電子線などの放射線や、紫外線などの電磁波を照射する重合方法;加熱による重合方法;などの従来公知の各種重合方法を採用することができ、さらに、これら重合方法の2種以上を併用することも可能である。
また、本発明法における重合形式は、溶剤の存在化で重合を行う溶液重合であるが、この他、例えば後述する本発明の含水土壌処理剤の製造においては、懸濁重合なども採用可能である。これらの重合形式であれば、水溶性重合体の分子鎖間に界面活性剤を存在させることが可能だからである。さらにこれらはバッチ式、連続式のいずれの態様であっても構わない。
上述の重合開始剤を用いる重合方法を採用する場合に用い得るラジカル重合開始剤は、特に限定されないが、例えば、過硫酸アンモニウム、過硫酸カリウム、過酸化水素、過酸化ベンゾイル、t−ブチルパーオキサイドなどの過酸化物;亜硫酸水素ナトリウム、メタ重硫酸ナトリウム、硫酸第一鉄アンモニウム、L−アスコルビン酸、トリエタノールアミンなどの、レドックス系で好適に用いられる還元剤;2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2’−アゾビス(2−アミノプロパン)二塩酸塩、2,2’−アゾビスイソブチルアミド二水和物、2,2’−アゾビス〔2−(2−イミダゾリン−2−イル)プロパン〕二塩酸塩、4,4’−アゾビス(4−シアノペンタン酸)などのアゾ系開始剤;などが使用可能である。なお、重合開始剤の使用量や、重合反応の条件などは、特に限定されるものではなく、使用する単量体の種類、量などに応じて適宜決定すればよい。
上記本発明の製造方法により得られる含水土壌処理剤の形態は限定されず、水溶液やエマルジョン、または粉体として使用することもできる。なお、上記水溶性重合体の種類や分子量などによっては、水溶液が非常に高粘度となり、取り扱い性が低下したり、含水土壌処理時において、含水土壌との混合性が低下する場合もあるため、このような水溶性重合体の水溶液の場合には、水を多量に使用して該水溶液濃度を下げ、粘度を低下させる必要がある場合もある。よって、取り扱い性や含水土壌との混合性を考慮すると、水溶性重合体は、必要に応じて乾燥、粉砕して、粉体として使用することが好ましい。なお、水溶性重合体の乾燥方法や粉砕方法は特に限定されず、従来公知の方法を採用すればよい。
尚、水溶性重合体を粉体(粒子)として用いる場合の粒径は、平均粒径で0.01〜2mmであることが好ましく、0.02〜1mmであることがより好ましい。平均粒径がこのような範囲の水溶性重合体であれば、この水溶性重合体を構成要素とする処理剤を含水土壌と混合しても継粉になり難く、取り扱い性も良好である。
次に、本発明の含水土壌処理剤について説明する。本発明の含水土壌処理剤は、上述の水溶性重合体の中でも、特にカルボキシル基(カルボン酸塩基を含む、以下同じ)およびスルホン基(スルホン酸塩基を含む、以下同じ)を含有する水溶性重合体と、界面活性剤とを構成要素に含むところにも特徴を有するものである。
上術のように、カルボキシル基とスルホン基を含有している水溶性重合体は、カルボキシル基のみを含有している重合体に比べて水への溶解速度が速いため、短時間での含水土壌の粒状化が可能となる。また、界面活性剤を含水土壌処理剤の構成要素としているため、使用時に継粉などの不良も生じ難い。
上記水溶性重合体は、カルボキシル基含有単量体とスルホン基含有単量体とを共重合させることにより得られる。カルボキシル基含有単量体としては、上記カルボシキル基含有水溶性重合体の合成に用い得る、上記例示の単量体と同様のものが使用できる。
上記スルホン基を含有する水溶性重合体の合成に使用し得るスルホン基含有単量体としては、スルホン基を有する重合性単量体であれば特に限定されないが、例えば、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸、(メタ)アリルスルホン酸、アリルオキシベンゼンスルホン酸、2−ヒドロキシ−3−(2−プロペニルオキシ)プロパンスルホン酸、イソプロペニルスルホン酸、スチレンスルホン酸、ビニルスルホン酸、スルホエチル(メタ)アクリレート、イソプレンのスルホン化物、およびこれら単量体のスルホン酸塩(アルカリ金属塩やアンモニウム塩など)が挙げられる。これらの単量体は、1種単独で使用する他、2種以上を併用することもできる。上記例示の単量体の中でも、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸、スルホエチル(メタ)アクリレート、およびこれらの塩が好ましく、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸、スルホエチル(メタ)アクリレートが特に好ましい。よって、カルボキシル基およびスルホン基含有水溶性重合体としては、(メタ)アクリル酸と、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸および/またはスルホエチル(メタ)アクリレートとを含む単量体組成物を重合させて得られる水溶性重合体が、最も好ましい。
カルボキシル基およびスルホン基含有水溶性重合体の形成においても、上述のカルボキシル基含有単量体やスルホン基含有単量体と共重合可能な他の単量体を用いてもよい。このような他の単量体としては、上記に例示した他の単量体と同じものが使用可能であり、またこれらの他の単量体は、必要に応じて、1種のみを使用してもよく、2種以上を併用することもできる。尚、上記例示の他の単量体の中でも、メチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、N−ビニル−2−ピロリドンが特に好ましい。
例えば、上記のカルボシキル基およびスルホン基含有水溶性重合体においては、該水溶性重合体の全構成ユニット100mol%中、カルボキシル基含有ユニットが50mol%以上、より好ましくは75mol%以上、さらに好ましくは80mol%以上であることが望ましい。カルボキシル基含有ユニット量が上記範囲を下回るときには、含水土壌に対する含水土壌処理剤の使用量を増加させる必要が生じる場合がある。他方、カルボキシル基含有ユニット量が多すぎると、土壌中に存在する金属イオンの影響を受け易くなり、含水土壌処理剤の使用量の変動幅が大きくなることもあるため、カルボシキル基含有ユニット量を99.5mol%以下とすることが好ましく、99mol%以下とすることがより好ましい。
また、カルボキシル基およびスルホン基含有水溶性重合体においては、該水溶性重合体の全構成ユニット100mol%中、スルホン基含有ユニットが0.5mol%以上、より好ましくは1mol%以上であって、50mol%以下、より好ましくは25mol%以下、さらに好ましくは20mol%以下であることが望ましい。
なお、本明細書において、カルボキシル基およびスルホン基含有水溶性重合体における上述の「構成ユニット」とは、水溶性重合体を構成する基本単位を意味し、カルボキシル基含有ユニットとは、こうした基本単位のうち、カルボキシル基を含有するものを、スルホン基含有ユニットとは、同じくスルホン基を含有するものを意味している。
スルホン基含有ユニット量が上記範囲を下回ると、スルホン基の導入による重合体の水溶解速度向上効果が十分に確保できない場合があり、他方、上記範囲を超えると、含水土壌に対する含水土壌処理剤の使用量を増加させる必要が生じる場合がある。
また、上記のカルボキシル基およびスルホン基含有水溶性重合体において、上述のカルボキシル基含有ユニット量とスルホン基含有ユニット量の好適範囲から導き出せるカルボキシル基とスルホン基との好適なモル比は、199:1〜1:1であり、このモル比は99:1〜4:1であることがより好ましい。なお、上記水溶性重合体におけるカルボシキル基とスルホン基とのモル比は、例えば、常法に従い、pH=2に調整された水溶液と、pH=10に調整された水溶液とを用いたコロイド滴定を実施することで容易に測定することができる。
上述のカルボキシル基およびスルホン基含有水溶性重合体の製造方法は特に限定されるものではなく、例えば、ラジカル重合開始剤などの重合開始剤を用いる重合方法;イオン化放射線、電子線などの放射線や、紫外線などの電磁波を照射する重合方法;加熱による重合方法;などの従来公知の各種重合方法を採用することができ、さらに、これら重合方法の2種以上を併用することも可能である。
また、重合形式としては、懸濁重合、溶液重合、乳化重合、塊状重合などの従来公知の各種重合形式を採用することができ、さらにこれらはバッチ式、連続式のいずれの態様であっても構わない。
上述の重合開始剤を用いる重合方法を採用する場合に用い得るラジカル重合開始剤としては、上記本発明の製造方法の説明において例示したものと同様のものが使用可能である。なお、重合開始剤の使用量や、重合反応の条件などは、特に限定されるものではなく、使用する単量体の種類、量などに応じて適宜決定すればよい。
上述のカルボキシル基およびスルホン基含有水溶性重合体では、その重量平均分子量は特に限定されないが、例えば10万以上、より好ましくは50万以上、さらに好ましくは100万以上であって、2000万以下、より好ましくは1000万以下であることが推奨される。重量平均分子量が上記範囲を超えると、水に対する溶解速度が低下する場合があり、また、このような水溶性重合体を構成要素とする含水土壌処理剤では、含水土壌と混合した際に増粘効果が生じて両者を均一に混合することが困難となる虞がある他、重合体の合成自体も困難となる傾向にある。他方、重量平均分子量が上記範囲を下回る場合には、この水溶性重合体を用いた含水土壌処理剤では、含水土壌処理性能(粒状化性能)が低下することがある。なお本発明者等の検討により、一般的には、上記水溶性重合体の重量平均分子量は、上記範囲内でもより高分子量側の方が、含水土壌処理性能が優れている傾向にあることが判明している。
ちなみに、含水土壌処理剤の取り扱い性の面から、水溶性重合体[カルボキシル基およびスルホン基含有水溶性重合体に限定されない]の水溶液の好適な粘度は、例えば、濃度0.2質量%の場合に25℃で5〜10000mPa・s、より好ましくは10〜2000mPa・sである。よって、水溶性重合体の重量平均分子量は、このような水溶液粘度を達成できるように調整することも好ましい。
上述の通り、カルボキシル基およびスルホン基含有水溶性重合体では、これらに含まれるカルボキシル基は、遊離のカルボキシル基またはカルボン酸塩基の態様で存在していればよいが、遊離のカルボキシル基が含まれていることがより好ましい。なお、カルボン酸塩基の場合の具体例としては、ナトリウム塩、カリウム塩などのアルカリ金属塩;カルシウム塩、マグネシウム塩などのアルカリ土類金属塩;アンモニウム塩;アミン塩;などが挙げられるが、これらに限定される訳ではない。
カルボキシル基およびスルホン基含有水溶性重合体中に含まれるカルボキシル基100mol%中、遊離のカルボキシル基の割合は、5mol%以上であることが好ましく、20mol%以上であることがより好ましく、40mol%以上であることがさらに好ましく、60mol%以上であることが特に好ましい。遊離のカルボキシル基の割合が上記下限値を下回ると、このような水溶性重合体を用いた含水土壌処理剤では、含水土壌処理性能が低下する場合がある。処理すべき含水土壌の性質によっては(例えば関東地方で排出される含水土壌)、遊離のカルボキシル基の割合は、100mol%であることが最も好ましい。
カルボキシル基およびスルホン基含有水溶性重合体が、カルボン酸塩基やスルホン酸塩基を有する場合では、これらの水溶性重合体を形成するための単量体としてカルボン酸塩基やスルホン酸塩基を含有するものを用いて合成する他、遊離のカルボキシル基や遊離のスルホン基を有する単量体を用いて一旦重合体を合成した後、これら遊離のカルボキシル基や遊離のスルホン基の一部または全部を中和して塩(カルボン酸塩基、スルホン酸塩基)としてもよい。中和のために利用できるアルカリとしては、ナトリウム、カリウム、リチウムなどのアルカリ金属の水酸化物や炭酸塩;アンモニア;モノメチルアミン、ジエチルアミン、トリメチルアミン、モノエチルアミン、ジメチルアミン、トリエチルアミンなどのアルキルアミン類;モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、イソプロパノールアミン、第2級ブタノールアミンなどのアルカノールアミン類などを挙げることができるが、ナトリウムの水酸化物や炭酸塩が一般的である。
また、カルボキシル基およびスルホン基含有水溶性重合体におけるスルホン基は、この水溶性重合体を形成するための重合性単量体が予め有していた基の他、特定の重合体を後変成することにより導入された基であってもよい。
スルホン基を後変成により導入するに当たり、ベースとなる重合体(後変成用重合体)としては、例えば、上記例示のカルボキシル基含有単量体、上記例示のスルホン基含有単量体やその他の単量体(上記例示の各単量体の他、例えばブタジエンやイソプレンの如き分子内に二重結合を2個以上有するもの)を、上記例示の各種方法で重合して得られるものが使用できる。このような後変成用重合体の中でも、ポリ(メタ)アクリル酸が好適であり、ポリアクリル酸がより好ましい。
上述の後変成用重合体にスルホン基を導入する後変成の方法としては、該水溶性重合体に、後述のスルホン基導入化合物を反応させる方法が採用できる。例えば、後変成用重合体の含有するカルボキシル基と、スルホン基導入化合物であるイセチオン酸ナトリウム(ヒドロキシエタンスルホン酸ナトリウム)が含有するヒドロキシル基とを、エステル結合させる方法;後変成用重合体が含有するカルボキシル基と、スルホン基導入化合物であるタウリン・ナトリウム塩(アミノエタンスルホン酸ナトリウム)が含有するアミノ基とを、アミド結合させる方法;スルホン基導入化合物である発煙硫酸などを用いて、後変成用重合体をスルホン化する方法;後変成用重合体が含有する二重結合に、スルホン基導入化合物である亜硫酸水素ナトリウムを付加反応させる方法;などが挙げられるが、これらに限定される訳ではない。
スルホン基導入化合物としては、後変成用重合体にスルホン基を導入し得るものであれば特に限定されない。上記例示の化合物以外の具体例としては、ヒドロキシメタンスルホン酸ナトリウム、ヒドロキシプロパンスルホン酸ナトリウムなどのエステル結合形成に好適な化合物;アミノメタンスルホン酸ナトリウム、アミノプロパンスルホン酸などのアミド結合形成に好適な化合物;などが挙げられる。
後変成の反応方法・条件は特に限定されず、使用するスルホン基導入化合物およびその反応のタイプに応じて、適宜選択すればよい。例えば、後変成用重合体とスルホン基導入化合物とを混合して加熱する方法などが採用できる。また、後変成用重合体に対するスルホン基導入化合物の使用量についても特に限定されず、必要なスルホン基量を満たし得るように、該重合体や該化合物の種類、これらの組み合わせなどに応じて、適宜決定すればよい。また、後変成用重合体として、カルボキシル基およびスルホン基含有水溶性重合体を用い、該水溶性重合体中のスルホン基量を高める目的で、上記の後変成を実施することも可能である。
なお、後変成によりスルホン基を導入した水溶性重合体において、スルホン基含有ユニット量を定量するに当たっては、この後変成によってスルホン基が導入された基本単位も、前記スルホン基含有ユニットに含めて評価する。
本発明の含水土壌処理剤に使用可能な界面活性剤としては、上記本発明製造方法で例示したものと同様のものが挙げられる。
また、水溶性重合体の含水土壌中における分散性を一層向上させるためには、上記界面活性剤に加えて、無機粉末を使用することも有効である。かかる無機粉末としては、二酸化珪素、酸化チタン、酸化アルミニウムなどが挙げられるが、前記無機粉末の中でも、その表面に疎水基(例えばメチル基などのアルキル基など)が導入処理されて疎水性を示すものが好ましく、例えば、商品名「アエロジル」(日本アエロジル株式会社製)などが好適に使用できる。
前記無機粉末は、水溶性重合体100質量部に対して、0.01質量部以上、より好ましくは0.5質量部以上、10質量部以下、より好ましくは5質量部以下である。なお、無機粉末は、少なくとも含水土壌に添加する前に水溶性重合体と混合しておくのが好ましい。
次に本発明の含水土壌処理剤を製造する方法について説明する。本発明の含水土壌処理剤は、水溶液状態で用いてもよいが、水溶性重合体の水溶液の粘度が高いこと、および含水土壌にさらに水を添加するのは好ましくないことなどから、上記水溶性重合体を粉状物として使用するのが好ましい。水溶性重合体と界面活性剤とを粉体化する方法としては、以下の製造方法が挙げられる。
[1]水溶性重合体を1種以上の単量体の重合により合成する際に、界面活性剤と前記単量体とを予め混合しておく方法。このように、水溶性重合体の重合時に界面活性剤を存在させておけば、重合終了時には水溶性重合体と界面活性剤の混合物が得られるため、この混合液から重合媒体(溶媒・分散媒)を蒸発させ、乾燥固化物を適宜公知の方法で粉砕することにより、粉体状の含水土壌処理剤を得ることができる。また、界面活性剤を配合しているので、重合容器から取り出す際の剥離性や、重合体粉砕時におけるほぐれ性も良好となる。尚、このときの界面活性剤の添加量は、水溶性重合体を構成する単量体100質量部に対して、0.01質量部以上、より好ましくは0.05質量部以上、さらに好ましくは0.1質量部以上であり、100質量部以下、より好ましくは10質量部以下、さらに好ましくは、5質量部以下である。当該製法としては、上述の本発明法(溶液重合法)も好ましいが、例えば、懸濁重合法や乳化重合法を採用してもよい。後者(懸濁重合法,乳化重合法)の場合には、界面活性剤は、重合時の分散剤や乳化剤としても作用する。
[2]水溶性重合体を合成した後、粉体化し、この粉体の表面に界面活性剤をコーティングする方法。この方法を採用する場合には、界面活性剤の使用量は水溶性重合体100質量部に対して0.5質量部以上、より好ましくは1質量部以上、さらに好ましくは5質量部以上であり、200質量部以下、より好ましくは150質量部以下、さらに好ましくは100質量部以下である。
[3]水溶性重合体を粉体化した後、粉体の界面活性剤と混合する方法。このときの界面活性剤の使用量は、水溶性重合体100質量部に対して0.1質量部以上、より好ましくは0.5質量部以上、さらに好ましくは1質量部以上であり、100質量部以下、より好ましくは50質量部以下、さらに好ましくは、10質量部以下である。
尚、水溶性重合体の溶解速度を制御し含水土壌中への分散性を向上させるためには、上記方法のうち[1]の方法を採用するのが好ましい。本発明において、界面活性剤は、含水土壌中における水溶性重合体同士の付着結合を防ぐために用いるものであり、かかる観点からは、界面活性剤の添加混合時期は、少なくとも含水土壌に添加する前であればよい。しかしながら、上記[1]の方法により得られた水溶性重合体は、重合体表面のみならず、重合体の内側にまで界面活性剤が存在しているため、特に含水比の高い土壌中でも継粉を生じることなく、速やかに含水土壌を粒状化することができる。
また、本発明の含水土壌処理剤では、それだけで処理後の粒状土を固化することが可能であるが、粒状土にさらなる強度向上が要求される場合など、必要に応じて水硬性物質も用いることができる。水硬性物質としては、水中で硬化が進行する物質であれば特に限定されないが、例えば、セメント、生石灰、消石灰、石膏(半水石膏、無水石膏)、およびこれらの混合物などが挙げられる。上記例示の水硬性物質の中でも、セメントが好適である。なお、上記含水土壌処理剤を用いる本発明の粒状化方法においては、通常の態様では、水硬性物質は、水溶性重合体を含水土壌と混合して粒状土を形成させた後に添加するのが好ましい(詳しくは後述する)。
上記のセメントとしては、公知の各種セメントを採用することができる。例えば、普通ポルトランドセメント、早強ポルトランドセメント、超早強ポルトランドセメントなどのポルトランドセメント;高炉セメント;アルミナセメント;カルシウムセメント;フライアッシュセメント;などが挙げられるが、これらに限定される訳ではない。
その他、本発明の含水土壌処理剤では、吸水性樹脂、吸水性繊維物質(セルロース、パルプ、回収古紙など)、タルク、ベントナイト、酸性白土、アルミナ、カオリン、シリカ、ゼオライト、パーライト、珪砂、珪藻土、フライアッシュなどを必要に応じて構成要素とすることもできる。
なお、水硬性物質を構成要素とする場合には、水溶性重合体とは、別個に包装した形態で採用することが好ましい。この理由については後述する。
本発明の含水土壌処理剤による含水土壌の粒状化方法は特に限定されず、該処理剤を含水土壌に添加し混合すればよい。尚、水溶性重合体を含水土壌に混合してから、含水土壌の粒状化完了までの時間(トータル処理時間)は420秒以内であることが望ましく、より望ましくは300秒以内である。
また、水硬性物質は、水溶性重合体を混合して含水土壌を粒状化した後に添加することが好ましい。含水土壌の粒状化前に水硬性物質を添加すると、含水土壌を粒状化することができなくなる場合がある。
含水土壌と水溶性重合体を混合する方法は特に限定されないが、これらを混練することなく撹拌・混合し得る混合機を用いることが好ましい。例えば、これらの混合物に剪断力を付与しながら撹拌し得るように、棒状や釣針状などに形成されている形状の撹拌翼を備えた装置が好適である。すなわち、撹拌翼は、撹拌・混合によって移動する混合物の移動方向に対して、できるだけ直角方向に拡がった形状である場合が、混練による粒子径の粗大化を抑制し得ると共に、撹拌翼や装置内壁への混合物の付着を防止することができるため、望ましい。
このような装置としては、水平軸型混合機や垂直軸型混合機などが挙げられる。水平軸型混合機としては、一軸および複数軸パドル型混合機が好ましい。垂直軸型混合機としては、例えば、パンミキサ型混合機が好ましく、遊星型混合機がより好ましく、該遊星型混合機の中でも、ソイルミキサや、モルタルミキサ、アイリッヒ混合機が特に好ましい。
粒状化までの時間は短い方が作業効率上好ましく、通常、数分以内である。撹拌によって、含水土壌はさらさらの粒状土になる。粒状土の粒径は、0.1〜100mm程度であることが好ましく、0.1〜10mmであることがより好ましい。
また、水溶性重合体を混合して得られる粒状土に水硬性物質を混合する方法も特に限定されないが、やはり、粒状土と水硬性物質を混練することなく撹拌・混合し得る装置を使用することが望ましい。また、上述の、含水土壌と水溶性重合体との混合時ほどには剪断がかからないようにし、例えば、粒状土の表面に水硬性物質をまぶすように付着させることが好ましい。別段、水硬性物質の一部が粒状土の内部に取り込まれても差し支えない。
こうした含水土壌の処理における処理剤の使用量は、含水土壌の態様(含水比や粘度、土壌成分の種類など)によって変動するが、例えば、含水土壌100質量部に対し、水溶性重合体の使用量を0.01質量部以上であって、5質量部以下、より好ましくは1質量部以下とすることが推奨される。また、水硬性物質を使用する場合では、その使用量を、含水土壌100質量部に対し、1質量部以上であって、35質量部以下、より好ましくは20質量部以下とすることが推奨される。よって、本発明の含水土壌処理剤における各構成要素の使用比率は、含水土壌100質量部に対する各構成要素の上記好適使用量の範囲内で、決定すればよい。
含水土壌では、含水比が同じであっても、土壌の成分組成などに応じてその粘度が異なり、処理の容易さにも違いが生じる。こうした成分組成などの違いによる影響を加味して、含水土壌の粘度に関係する特性を評価する指標として、例えば、後述の測定法によって得られるフロー値があるが、本発明の含水土壌処理剤および粒状化方法では、従来の処理剤が対象としていたフロー値55mm以上70mm未満程度の比較的低含水比の土壌のみならず、フロー値70mm以上1000mm以下程度の高含水比・低粘度の土壌に対しても、上述の如き少ない使用量で、従来レベルの粒径の粒状土とすることが可能であり、非常に優れた含水土壌処理性能を備えている。ちなみに、上記特許文献2では、例えば120%の高含水比土壌を処理した例が開示されているが、ここで使用している処理土壌は関東ロームの土であり、上記フロー値でいうと65mm未満となる。
上記フロー値は次のようにして求められる。内径:55mm、高さ:55mmの中空円筒をテーブル上に置き、該円筒内に含水土壌を詰めた後、円筒を垂直に持ち上げた際に、テーブルに広がった含水土壌の直径を2方向について測定し、この平均値をフロー値とする。
本発明の処理剤および粒状化方法で得られる粒状土は、トラックで運搬することが可能であり、砂の代替品としての埋め戻し材など、種々の用途に再利用することができる。
以下、実施例に基づいて本発明を詳細に述べる。ただし、下記実施例は本発明を制限するものではなく、前・後記の趣旨を逸脱しない範囲で変更実施をすることは、全て本発明の技術的範囲に包含される。なお、本実施例において、「部」は、特に断らない限り、質量基準である。
<評価土壌>
評価土壌は、豊浦標準砂:5部、シルト:75部、粘土:270部、および水道水:350部を十分に混合してなる含水土壌である。この評価土壌について、上述の測定法によって求められるフロー値は、250mmであった。
<水硬性物質>
後記実施例および比較例において水硬性物質としては、普通ポルトランドセメント(太平洋セメント株式会社製)を使用した。
<水溶性重合体>
水溶性重合体A
後記実施例および比較例において使用した水溶性重合体Aは、アクリル酸:90mol%と2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸ナトリウム:10mol%との共重合体である。この水溶性重合体Aの0.2質量%水溶液の25℃での粘度を測定した。測定は、B型粘度計で、ローター:No.2、30rpmの条件で行った。後記製造例1で得られた水溶性重合体Aの粘度は83mPa・sであり、後記製造例2で得られた水溶性重合体Aの粘度は90mPa・sであった。
水溶性重合体B
水溶性重合体Bとして、アクリル酸:70mol%とアクリル酸ナトリウム:30mol%との共重合体を用いた。この水溶性重合体Bの0.2質量%水溶液について、B型粘度計で、ローター:No.2、30rpmの条件で測定した25℃での粘度は、520mPa・sであった。
製造例1
界面活性剤の存在下、水溶性重合体Aを以下の方法で製造し、含水土壌処理剤No.1とした。
撹拌機、温度計、還流冷却器、窒素導入管を備えた1Lのステンレス鋼製セパラブルフラスコ(I)に、シクロヘキサン:340g、ソルビタンモノステアレート(花王株式会社、商品名「レオドールSP−S10」):4.59g(分散剤)を入れ、撹拌しながら50ml/分の速度で窒素を導入し、70℃まで昇温した。
撹拌機、温度計、還流冷却器、窒素導入管を備えた500mlのセパラブルフラスコ(II)に、アクリル酸:113.05g、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸:36.11g、48質量%水酸化ナトリウム水溶液:14.54g、イオン交換水:133.71gを入れ、撹拌して溶解させた。さらに撹拌を継続しながら窒素ガスを25分間セパラブルフラスコ(II)の溶液内に導入した後、2,2’−アゾビス〔2−(2−イミダゾリン−2−イル)プロパン〕二塩酸塩が0.02質量%、4,4’−アゾビス(4−シアノペンタン酸)が0.02質量%、および次亜リン酸ソーダ一水和物が0.02質量%の水溶液:42.62gをセパラブルフラスコ(II)の溶液に加え、さらに5分間窒素を導入することにより、該溶液中の溶存酸素を1mg/L以下とした。その後、セパラブルフラスコ(II)で調製した単量体を、セパラブルフラスコ(I)に2時間かけてフィードして重合を行い、さらに30分間熟成した。引き続き脱水を行った後、30℃まで冷却し、内容物の固液分離を行い、乾燥して、水溶性重合体Aと界面活性剤との混合物(含水土壌処理剤No.1)を得た。表1に含水土壌処理剤の配合組成を示す。
製造例2
界面活性剤の存在下、水溶性重合体Aを以下の方法で製造し、含水土壌処理剤No.2とした。
攪拌機、温度計、還流冷却機、窒素導入管を備えた500mlのセパラブルフラスコに、アクリル酸:113.05g、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸ナトリウム:36.11g、ソルビタンモノステアレート:0.765g、48質量%水酸化ナトリウム水溶液:14.54g、イオン交換水:133.71gを入れ、攪拌して溶解させた。さらに、攪拌を継続しながら窒素ガスを25分間セパラブルフラスコの溶液内に導入して、系内の溶存酸素濃度を1mg/L以下にまで低減した後、2,2’−アゾビス〔2−(2−イミダゾリン−2−イル)プロパン〕二塩酸塩が0.02質量%、4,4’−アゾビス(4−シアノペンタン酸)が0.02質量%、および次亜リン酸ソーダ一水和物が0.02質量%の水溶液:42.62gをセパラブルフラスコの溶液に加え、さらに5分間窒素ガスを導入した。ついで、この溶液を50℃まで昇温して2時間重合を行った後、30℃まで冷却して重合を終了させた。
得られた寒天状の重合体をミートチョッパで細粒状に粉砕した後、140℃で45分間乾燥することにより水溶性重合体Aと界面活性剤との混合物(含水土壌処理剤No.2)を得た。表1に含水土壌処理剤の配合組成を示す。
製造例3
界面活性剤の添加量を1部とした以外は、上記製造例2と同様にして、含水土壌処理剤No.3を得た。表1に含水土壌処理剤の配合組成を示す。
製造例4
界面活性剤の添加量を3部とした以外は、上記製造例2と同様にして、含水土壌処理剤No.4を得た。表1に含水土壌処理剤の配合組成を示す。
製造例5
界面活性剤の存在下、水溶性重合体Bを以下の方法で製造し、含水土壌処理剤No.5とした。表1に含水土壌処理剤の配合組成を示す。
内径20cm、容量1500mlのステンレス製容器に攪拌子を入れ、窒素導入管、排気管、温度計を装備したシリコーンゴム栓を装着した。ここに、純水:131.69g、37質量%アクリル酸ナトリウム水溶液:339.39g、アクリル酸:220.02g、ソルビタンモノステアレート:10.36gを入れて、攪拌しながら、窒素ガスを導入することにより、該溶液中の溶存酸素濃度が0.05ppm以下になるまで十分窒素置換した。窒素ガスの導入は、ステンレス製容器を氷水で冷却して、溶液の温度が10℃以下となるようにして行った。その後、1質量%次亜リン酸ソーダ水溶液:4.45g、光重合開始剤(商品名「ダロキュア1173」:商品名「イルガキュア819」〔いずれもチバスペシャルティ・ケミカルズ社製〕=8:2(質量比))を溶解した1質量%アクリル酸溶液:4.54gを加え、混合した反応液を得た。
得られた反応液を、予め窒素置換した直径200mmのテフロン(R)製重合容器に移し変え、22W/m2の紫外線を1分間照射した。重合発熱ピーク温度は約105℃であった。重合終了後、約700gの無色透明ゲルを得た。得られたゲル状の重合体をミートチョッパで細粒状に粉砕した後、熱風乾燥機により140℃で45分間乾燥することにより水溶性重合体Bと界面活性剤の混合物(含水土壌処理剤No.5)を得た。表1に含水土壌処理剤の配合組成を示す。
製造例6
界面活性剤を用いなかったこと以外は、上記製造例2と同様にして、水溶性重合体A(白色微粒子)を得た。
界面活性剤(商品名「レオドールSP−S10」、花王株式会社製):100部を80℃で溶解させ、ここに上記水溶性重合体A(界面活性剤比存在下で重合):100部を添加した。ついで、この溶液の温度が30℃以下になるまで冷却した後、粉砕・分級を行って含水土壌処理剤No.6を製造した。表2に含水土壌処理剤の配合組成を示す。
製造例7
上記製造例6で得られた水溶性重合体A:100部と、界面活性剤(商品名「レオドールSP−S10」、花王株式会社製):6部とを、いずれも粉体の状態で混合して、含水土壌処理剤No.7を製造した。表2に含水土壌処理剤の配合組成を示す。
製造例8
上記製造例6で得られた水溶性重合体A:100部と、界面活性剤(商品名「レオドールTW−S106」、花王株式会社製):6部とを、いずれも粉体の状態で混合して、含水土壌処理剤No.8を製造した。表2に含水土壌処理剤の配合組成を示す。
製造例9
上記製造例6で得られた水溶性重合体A:100部と、界面活性剤(商品名「レオドールMS−50」、花王株式会社製):6部とを、いずれも粉体の状態で混合して、含水土壌処理剤No.9を製造した。表2に含水土壌処理剤の配合組成を示す。
製造例10
上記製造例6で得られた水溶性重合体A:100部と、界面活性剤(「DKエステルF−50」、第一工業製薬製):6部とを、いずれも粉体の状態で混合して、含水土壌処理剤No.10を製造した。表2に含水土壌処理剤の配合組成を示す。
製造例11
上記製造例6で得られた水溶性重合体Aをそのまま含水土壌処理剤No.11として用いた。表3に含水土壌処理剤の配合組成を示す。
製造例12
界面活性剤を使用しなかったこと以外は、上記製造例5と同様にして、水溶性重合体Bを製造し、含水土壌処理剤No.12とした。表3に含水土壌処理剤の配合組成を示す。
製造例13
界面活性剤(商品名「レオドールSP−S10」、花王株式会社製)をそのまま含水土壌処理剤13として用いた。表3に含水土壌処理剤の配合組成を示す。
Figure 2005154653
Figure 2005154653
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表1〜3において、界面活性剤の添加方法欄に示す「重合時」は界面活性剤の存在下で水溶性重合体を合成したことを、「噴霧」は水溶性重合体を合成した後、粉体の水溶性重合体に界面活性剤溶液を噴霧して製造したことを、「粉体混合」は水溶性重合体と界面活性剤とを粉体の状態で混合して得られたものであることを、夫々意味している。
実施例1
評価土壌:100部を、ビーター型撹拌翼を供えた混合機に仕込み、160rpmで撹拌しながら、表1に示す処理剤No.1を0.16部添加し、120秒間攪拌した後、水硬性物質を10部添加して、さらに30秒間攪拌して評価土壌の処理を行った。処理後の評価土壌の状態を表4に示す基準に従って評価した。結果を表5に示す。
実施例2
評価土壌:100部を、ビーター型撹拌翼を供えた混合機に仕込み、160rpmで撹拌しながら、表1に示す処理剤No.2を0.16部添加し、70秒間攪拌した後、水硬性物質を10部添加して、さらに30秒間攪拌して評価土壌の処理を行った。処理後の評価土壌の状態を表4に示す基準に従って評価した。結果を表5に示す。
実施例3
評価土壌:100部を、ビーター型撹拌翼を供えた混合機に仕込み、160rpmで撹拌しながら、表1に示す処理剤No.3を0.16部添加し、70秒間攪拌した後、水硬性物質を10部添加して、さらに30秒間攪拌して評価土壌の処理を行った。処理後の評価土壌の状態を表4に示す基準に従って評価した。結果を表5に示す。
実施例4
評価土壌:100部を、ビーター型撹拌翼を供えた混合機に仕込み、160rpmで撹拌しながら、表1に示す処理剤No.4を0.16部添加し、70秒間攪拌した後、水硬性物質を10部添加して、さらに30秒間攪拌して評価土壌の処理を行った。処理後の評価土壌の状態を表4に示す基準に従って評価した。結果を表5に示す。
実施例5
評価土壌:100部を、ビーター型撹拌翼を供えた混合機に仕込み、160rpmで撹拌しながら、表1に示す処理剤No.5を0.16部添加し、210秒間攪拌した後、水硬性物質を10部添加して、さらに30秒間攪拌して評価土壌の処理を行った。処理後の評価土壌の状態を表4に示す基準に従って評価した。結果を表5に示す。
実施例6
評価土壌:100部を、ビーター型撹拌翼を供えた混合機に仕込み、160rpmで撹拌しながら、表2に示す処理剤No.6を0.16部添加し、360秒間攪拌した後、水硬性物質を10部添加して、さらに30秒間攪拌して評価土壌の処理を行った。処理後の評価土壌の状態を表4に示す基準に従って評価した。結果を表6に示す。
実施例7
評価土壌:100部を、ビーター型撹拌翼を供えた混合機に仕込み、160rpmで撹拌しながら、表2に示す処理剤No.7を0.16部添加し、100秒間攪拌した後、水硬性物質を10部添加して、さらに30秒間攪拌して評価土壌の処理を行った。処理後の評価土壌の状態を表4に示す基準に従って評価した。結果を表6に示す。
実施例8
評価土壌:100部を、ビーター型撹拌翼を供えた混合機に仕込み、160rpmで撹拌しながら、表2に示す処理剤No.8を0.16部添加し、440秒間攪拌した後、水硬性物質を10部添加して、さらに30秒間攪拌して評価土壌の処理を行った。処理後の評価土壌の状態を表4に示す基準に従って評価した。結果を表6に示す。
実施例9
評価土壌:100部を、ビーター型撹拌翼を供えた混合機に仕込み、160rpmで撹拌しながら、表2に示す処理剤No.9を0.16部添加し、360秒間攪拌した後、水硬性物質を10部添加して、さらに30秒間攪拌して評価土壌の処理を行った。処理後の評価土壌の状態を表4に示す基準に従って評価した。結果を表6に示す。
実施例10
評価土壌:100部を、ビーター型撹拌翼を供えた混合機に仕込み、160rpmで撹拌しながら、表2に示す処理剤No.10を0.16部添加し、700秒間攪拌した後、水硬性物質を10部添加して、さらに30秒間攪拌して評価土壌の処理を行った。処理後の評価土壌の状態を表4に示す基準に従って評価した。結果を表6に示す。
比較例1
評価土壌:100部を、ビーター型撹拌翼を供えた混合機に仕込み、160rpmで撹拌しながら、表3に示す処理剤No.11を0.3部添加し、600秒間攪拌した後、水硬性物質を10部添加して、さらに30秒間攪拌して評価土壌の処理を行った。処理後の評価土壌の状態を表4に示す基準に従って評価した。結果を表7に示す。
比較例2
評価土壌:100部を、ビーター型撹拌翼を供えた混合機に仕込み、160rpmで撹拌しながら、表3に示す処理剤No.12を0.3部添加し、600秒間攪拌した後、水硬性物質を10部添加して、さらに30秒間攪拌して評価土壌の処理を行った。処理後の評価土壌の状態を表4に示す基準に従って評価した。結果を表7に示す。
比較例3
評価土壌:100部を、ビーター型撹拌翼を供えた混合機に仕込み、160rpmで撹拌しながら、表3に示す処理剤No.13を0.3部添加し、600秒間攪拌した後、水硬性物質を10部添加して、さらに30秒間攪拌して評価土壌の処理を行った。処理後の評価土壌の状態を表4に示す基準に従って評価した。結果を表7に示す。
Figure 2005154653
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表4における処理後の評価値が4以上のものが合格、3以下が不合格である。なお、評価値4および5のものについては、トラックなどでの運搬が容易な程度に粒状化が達成されており、適用場所などによっては、埋め戻し材としての使用も可能である。さらに評価値6のものについては、埋め戻し材として好適に使用できる。なお、表5〜7における「粒状化状態」の数値は、表4の評価値を意味している。
表5〜7に示すように、実施例1〜10では、水溶性重合体と共に界面活性剤を構成要素とした含水土壌処理剤を使用しており、いずれも良好な含水土壌処理性能を有し、処理後の粒状土は埋め戻し材に好適であった。
特に、界面活性剤の存在下で水溶性重合体を重合した実施例1〜5の含水土壌処理剤は、短時間の処理で粒状化が完了しており、また、含水土壌処理剤の製造時において、重合容器からの重合体の剥離性や、該重合体を粉砕する際のほぐれ性も良好であり、製造作業性にも優れるものであった。
これに対し、表7に示す比較例1および2は、界面活性剤を含水土壌処理剤の構成要素としなかった例を示しており、比較例3は、界面活性剤のみを含水土壌処理剤とした例であるが、いずれの場合も、長時間かけても粒子が形成されなかったり、あるいは大き過ぎたりして埋め戻し剤として使用するには不適当なものであった。

Claims (7)

  1. 水溶性重合体と界面活性剤を構成要素に含む含水土壌処理剤を製造する方法であって、前記水溶性重合体を1種以上の単量体の溶液重合により合成する際に、前記界面活性剤を共存させておくことを特徴とする含水土壌処理剤の製造方法。
  2. カルボキシル基(カルボン酸塩基を含む、以下同じ)およびスルホン基(スルホン酸塩基を含む、以下同じ)を含有する水溶性重合体と、界面活性剤とを構成要素に含むものであることを特徴とする含水土壌処理剤。
  3. 上記界面活性剤が非イオン系界面活性剤である請求項2に記載の含水土壌処理剤。
  4. 上記水溶性重合体は、カルボキシル基を有し、且つ全構成ユニット100mol%中、スルホン基含有ユニットが0.5〜50mol%である請求項2または3に記載の含水土壌処理剤。
  5. さらに水硬性物質を構成要素とするものである請求項2〜4のいずれかに記載の含水土壌処理剤。
  6. 請求項2〜5のいずれかに記載の含水土壌処理剤を、含水土壌に混合することを特徴とする含水土壌の粒状化方法。
  7. 含水土壌が粒状化した後に水硬性物質を添加するものである請求項6に記載の粒状化方法。
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