JP2008037934A - 含水土壌の改良剤、粒状化方法および粒状土 - Google Patents

含水土壌の改良剤、粒状化方法および粒状土 Download PDF

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Abstract

【課題】海洋浚渫土等の塩化ナトリウム濃度の高い含水土壌を、脱水等の処理を行わず、短時間に粒状化することにより、運搬し易く、再び盛土材や埋め戻し材等の土質材料として利用できるようにするための含水土壌の改良剤および粒状化方法を実現する。
【解決手段】本発明の含水土壌の改良剤は、カルボキシル基含有単量体とスルホン基含有単量体とを含む単量体成分を重合して得られる水溶性重合体と、架橋構造を有するアニオン性基含有化合物とを含む含水土壌の改良剤であり、該水溶性重合体は、スルホン基含有単量体の構成単位を、水溶性重合体の全構成単位に対して0.5〜50mol%の範囲内で有する。また、本発明の粒状化方法は、本発明の含水土壌の改良剤を含水土壌に混合する方法である。
【選択図】なし

Description

本発明は、建設汚泥や港湾、河川等の浚渫工事に伴って発生する浚渫土等の含水比の高い泥土を、脱水等の処理を行わず、短時間に粒状化することにより、運搬し易く、再び盛土材や埋め戻し材等の土質材料として利用できるようにするための含水土壌の改良剤および改良方法に関するものである。
従来、場所打杭工法や泥水シールド工法等を採用した掘削工事等に伴う建設廃材の処理において、掘削時に発生する発生土は、泥状、より詳しくは、粘土と共に水を多量に含んだスラリー状であるため、標準仕様ダンプトラックに山積みすることができない。また、上記発生土の上を人が歩けない状態となっている。従って、上記発生土は、そのままでは埋め戻し材等に再利用することができず、産業廃棄物として廃棄物処理法に則って処理しなければならない。
ところが、産業廃棄物としての処理には、多大な処分費用がかかる。また、建設廃材としての含水土壌の最終処分量は膨大な量に上ると共に、含水土壌を廃棄するための最終処分場用地の取得難等により、含水土壌の産業廃棄物として処理は日々困難となっている。そこで、含水土壌の再利用を図るため、様々な含水土壌の改良剤および改良方法が検討されている。
含水土壌の改良剤または改良方法として、水溶性高分子化合物や吸水性樹脂等を用いることが特許文献1〜9に示されている。例えば、特許文献1には、含水排土に吸水性樹脂と水溶性高分子化合物とを添加することによる含水排土の改質方法が示されている。また、特許文献2には、残土に吸水性樹脂と水溶性高分子化合物とを添加することによる残土処理用固化剤および固化処理方法が示されている。また、特許文献9には、含水土壌にカルボン酸およびスルホン酸を含有する水溶性高分子化合物を添加することによる含水土壌の改良剤または改良方法が示されている。
特開平2−38615号公報(平成2年2月8日公開) 特開平8−299994号公報(平成8年11月19日公開) 特開昭63−139973号公報(昭和63年6月11日公開) 特開平5−32970号公報(平成5年2月9日公開) 特開平6−287556号公報(平成6年10月11日公開) 特開平6−41534号公報(平成6年2月15日公開) 特開平9−47794号公報(平成9年2月18日公開) 特開平9−71968号公報(平成9年3月18日公開) 特開2000−136383号公報(平成12年5月16日公開)
しかしながら、上記従来の含水土壌の改良剤または改良方法では、港湾等の浚渫工事に伴って発生する海洋浚渫土等の塩化ナトリウム濃度の高い含水土壌を改良することが困難であるという問題点を有している。
本発明は、上記従来の問題点に鑑みなされたものであり、その目的は、海洋浚渫土等の塩化ナトリウム濃度の高い含水土壌を、脱水等の処理を行わず、短時間に粒状化することにより、運搬し易く、盛土材や埋め戻し材等の土質材料として利用できるようにするための含水土壌の改良剤および粒状化方法を提供することにある。
本発明者は上記課題を解決するために鋭意検討を行った。該検討の過程において、本発明者は、塩化ナトリウム濃度の高い含水土壌を改良することが困難である原因は、含水土壌中の塩化ナトリウムが、水溶性高分子化合物が土粒子と効率良く吸着することを阻害しているためであると考えた。そして、含水土壌中の塩化ナトリウムを効率良く取り込むことが可能な、架橋構造を有するアニオン性基含有化合物と、含水土壌中の塩化ナトリウム濃度が高い場合であっても土粒子と効率良く吸着することが可能な、スルホン基およびカルボキシル基を所定の割合で含む水溶性重合体とを含水土壌に混合することにより、塩化ナトリウム濃度の高い含水土壌であっても良好に粒状化することができることを見出し、本発明を完成するに至った。
即ち、本発明の含水土壌の改良剤は、上記課題を解決するために、カルボキシル基含有単量体とスルホン基含有単量体とを含む単量体成分を重合して得られる水溶性重合体と、架橋構造を有するアニオン性基含有化合物とを含む含水土壌の改良剤であり、該水溶性重合体は、スルホン基含有単量体の構成単位を、水溶性重合体の全構成単位に対して0.5〜50mol%の範囲内で有することを特徴としている。
上記構成によれば、上記アニオン性基含有化合物中に塩化ナトリウムを取り込むと考えられるため、上記水溶性重合体は、含水土壌中の塩化ナトリウムの影響を受け難い。このため、上記水溶性重合体は、土粒子に効率良く吸着し、土粒子を凝集させることができる。そして、水溶性重合体と土粒子とからなる凝集物内に自由水(水和してなく、単独で存在する水)が取り込まれ、含水土壌中の自由水が減少する。より具体的には、上記水溶性重合体は、主としてカルボキシル基が含水土壌中の土粒子と作用することにより、土粒子に効率良く吸着し、スルホン基が含水土壌中の水と作用することにより、水溶性重合体と土粒子とからなる凝集物内に自由水を取り込む。その結果、含水土壌を粒状化させることができる。
従って、上記構成によれば、海洋浚渫土等の塩化ナトリウム濃度の高い含水土壌を、脱水等の処理を行わず、短時間に粒状化することにより、運搬し易く、盛土材や埋め戻し材等の土質材料として利用できるようにするための含水土壌の改良剤を提供することができるという効果を奏する。
また、本発明の含水土壌の改良剤は、更に、水硬性物質を含有することが好ましい。
上記構成によれば、水硬性物質が上記水溶性重合体と土粒子との間に包含されている水と水和反応するため、粒状化された含水土壌の強度を増大させることができるという更なる効果を奏する。
本発明の含水土壌の粒状化方法は、上記課題を解決するために、カルボキシル基含有単量体とスルホン基含有単量体とを含む単量体成分を重合して得られる水溶性重合体と、架橋構造を有するアニオン性基含有化合物とを含水土壌に混合する含水土壌の粒状化方法であり、該水溶性重合体は、スルホン基含有単量体の構成単位を、水溶性重合体の全構成単位に対して0.5〜50mol%の範囲内で有することを特徴としている。
上記方法によれば、上記アニオン性基含有化合物中に塩化ナトリウムを取り込むと考えられるため、上記水溶性重合体は、含水土壌中の塩化ナトリウムの影響を受け難い。このため、上記水溶性重合体は、土粒子に効率良く吸着し、土粒子を凝集させることができる。そして、水溶性重合体と土粒子とからなる凝集物内に自由水(水和してなく、単独で存在する水)が取り込まれ、含水土壌中の自由水が減少する。より具体的には、上記水溶性重合体は、主としてカルボキシル基が含水土壌中の土粒子と作用することにより、土粒子に効率良く吸着し、スルホン基が含水土壌中の水と作用することにより、水溶性重合体と土粒子とからなる凝集物内に自由水を取り込むと考えられる。その結果、含水土壌を粒状化させることができる。
従って、上記方法によれば、海洋浚渫土等の塩化ナトリウム濃度の高い含水土壌を、脱水等の処理を行わず、短時間に粒状化することにより、運搬し易く、盛土材や埋め戻し材等の土質材料として利用することができるという効果を奏する。
また、本発明の含水土壌の粒状化方法は、更に、水硬性物質を含水土壌に混合することが好ましい。
上記方法によれば、水硬性物質が上記水溶性重合体と土粒子との間に包含されている水と水和反応するため、粒状化された含水土壌の強度を増大させることができるという更なる効果を奏する。
また、本発明の含水土壌の粒状化方法では、水溶性重合体と上記アニオン性基含有化合物とを含水土壌に混合することにより含水土壌を塊状化させた後、塊状化した含水土壌に水硬性物質を混合させることが好ましい。
これにより、含水土壌中に自由水(水和してなく、単独で存在する水)が減少した後に、水硬性物質を混合するため、水硬性物質は、上記水溶性重合体と土粒子との間に包含されている水とより効率良く水和反応をすることができる。従って、粒状化された含水土壌の強度をより増大させることができるという更なる効果を奏する。
また、本発明の含水土壌の粒状化方法では、上記アニオン性基含有化合物を含水土壌に混合した後に、水溶性重合体を含水土壌に混合することが好ましい。
上記方法によれば、上記アニオン性基含有化合物が塩化ナトリウムを取り込んだ後に、水溶性重合体を含水土壌に混合するため、水溶性重合体は塩化ナトリウムの影響をより受け難い。このため、水溶性重合体は土粒子により効率良く吸着し、土粒子を凝集させることができる。従って、より少ない水溶性重合体の使用量で含水土壌を粒状化することができるという更なる効果を奏する。
また、本発明の含水土壌の粒状化方法では、上記含水土壌の塩化ナトリウム濃度が、0〜5質量%の範囲内であることが好ましい。
上記方法によれば、上記塩化ナトリウム濃度の含水土壌であっても、含水土壌を粒状化させることができる。
また、本発明の含水土壌の粒状化方法では、上記含水土壌は、海洋浚渫土であることが好ましい。
上記方法によれば、塩化ナトリウム濃度の高い海洋浚渫土であっても、含水土壌を粒状化させることができる。
本発明の含水土壌の粒状土は、上記課題を解決するために、上記本発明の粒状化方法により得られることを特徴としている。
上記構成によれば、上記本発明の粒状化方法により得られるため、運搬し易く、盛土材や埋め戻し材等の土質材料として利用することができるという効果を奏する。
本発明の含水土壌の改良剤は、以上のように、カルボキシル基含有単量体とスルホン基含有単量体とを含む単量体成分を重合して得られる水溶性重合体と、架橋構造を有するアニオン性基含有化合物とを含む含水土壌の改良剤であり、該水溶性重合体は、スルホン基含有単量体の構成単位を、水溶性重合体の全構成単位に対して0.5〜50mol%の範囲内で有することを特徴としている。
これにより、海洋浚渫土等の塩化ナトリウム濃度の高い含水土壌を、脱水等の処理を行わず、短時間に粒状化することにより、運搬し易く、盛土材や埋め戻し材等の土質材料として利用することができるようにするための含水土壌の改良剤を提供することができるという効果を奏する。
本発明の含水土壌の粒状化方法は、以上のように、カルボキシル基含有単量体とスルホン基含有単量体とを含む単量体成分を重合して得られる水溶性重合体と、架橋構造を有するアニオン性基含有化合物とを含水土壌に混合する含水土壌の粒状化方法であり、該水溶性重合体は、スルホン基含有単量体の構成単位を、水溶性重合体の全構成単位に対して0.5〜50mol%の範囲内で有することを特徴としている。
これにより、海洋浚渫土等の塩化ナトリウム濃度の高い含水土壌を、脱水等の処理を行わず、短時間に粒状化することにより、運搬し易く、盛土材や埋め戻し材等の土質材料として利用することができるという効果を奏する。
本発明の含水土壌の粒状土は、以上のように、上記本発明の粒状化方法により得られることを特徴としている。
これにより、運搬し易く、盛土材や埋め戻し材等の土質材料として利用することができるという効果を奏する。
以下、本発明について詳しく説明するが、本発明の範囲はこれらの説明に拘束されることはなく、以下の例示以外についても、本発明の趣旨を損なわない範囲で適宜変更実施し得るものである。
尚、本明細書中、「重量」は「質量」と同義語として扱い、「重量%」は「質量%」と同義語として扱う。また、「(メタ)アクリル酸」等に用いられる「(メタ)アクリル」はアクリルおよびメタクリルを意味する。つまり、「(メタ)アクリル酸」は、アクリル酸およびメタクリル酸を意味する。また、範囲を示す「A〜B」は、A以上、B以下であることを示す。
本発明に係る含水土壌の改良剤は、カルボキシル基含有単量体とスルホン基含有単量体とを含む単量体成分を重合して得られる水溶性重合体と、架橋構造を有するアニオン性基含有化合物とを含む含水土壌の改良剤であり、水溶性重合体は、スルホン基含有単量体の構成単位を0.5〜50mol%の範囲内で有する。
また、本発明に係る含水土壌の粒状化方法は、カルボキシル基含有単量体とスルホン基含有単量体とを含む単量体成分を重合して得られる水溶性重合体と、架橋構造を有するアニオン性基含有化合物とを含水土壌に混合する含水土壌の粒状化方法であり、水溶性重合体は、スルホン基含有単量体の構成単位を0.5〜50mol%の範囲内で有する。
上記水溶性重合体と上記アニオン性基含有化合物との重量比は、1:1000〜100:1であることが好ましい。
(I)含水土壌
本発明に係る改良剤および粒状化方法の対象とされる含水土壌は、水分を含んだ土であれば特には限定されない。例えば、港湾等に存在する海洋浚渫土;地中連続壁工法や泥水シールド工法等を採用した掘削工事での掘削時に発生する発生土を土砂と泥水とに分離し、その泥水を脱水プレス等して固液分離を行った後に、脱水ケーキ等として得られる汚泥;建設作業に伴って発生する泥水を沈殿槽に静置した後に、沈殿物として得られる汚泥;掘削残土;軟弱残土等が挙げられる。
これらの中で、海洋浚渫土は海水を含有しているため塩化ナトリウム濃度が高く、従来の改良剤および粒状化方法では、改良することが困難である。しかしながら、本発明に係る改良剤を用いることにより、海洋浚渫土等の塩化ナトリウム濃度の高い含水土壌であっても、脱水等の処理を行わず、短時間に粒状化することにより、運搬し易く、盛土材や埋め戻し材等の土質材料として利用できるようにすることができる。
本発明に係る改良剤および粒状化方法により粒状化が可能である含水土壌の塩化ナトリウム濃度は、特には限定されないが、好ましくは0〜5質量%の範囲内であり、より好ましくは0〜3質量%の範囲内である。特に、従来の改良剤および粒状化方法では改良が困難であった、塩化ナトリウム濃度が0.1〜5質量%の範囲内(特に、0.7〜3質量%の範囲内)である含水土壌に対して好適に用いることができる。
また、本発明に係る改良剤および粒状化方法により粒状化が可能である含水土壌の含水比(JIS A 1203(含水比試験方法)に基づいて測定され、「(水(g)/固形分(g))×100」で表される)は、特には限定されないが、好ましくは5〜500%の範囲内である。含水土壌の含水比が500%を超える場合、改良剤を多量に用いなければ含水土壌を粒状化させることができないため、含水土壌の粒状化にかかるコストが高くなってしまう。
上記含水土壌の出所は、特に限定されるわけではない。また、上記含水土壌は、粘土やシルトの他に、ベントナイト等を含有するものであってもよい。
(II)水溶性重合体
本発明に係る上記水溶性重合体(以下、単に「重合体」と記す場合がある)は、カルボキシル基を有する単量体(カルボキシル基含有単量体)とスルホン基を有する単量体(スルホン基含有単量体)とを含む単量体成分を重合して得られ、水溶性重合体は、スルホン基含有単量体の構成単位を、水溶性重合体の全構成単位に対して0.5〜50mol%の範囲内で有する。
尚、本発明における「カルボキシル基」には、−COOH基(遊離のカルボキシル基)に加えて、この官能基のアルカリ金属塩やアンモニウム塩等の塩も含むこととする。また、本発明における「スルホン基」には、−SOH基に加えて、この官能基のアルカリ金属塩やアンモニウム塩等の塩も含むこととする。上記重合体は、例えば、カルボキシル基含有単量体およびスルホン基含有単量体を含むと共に、本発明の効果を損なわない範囲で、或いは、必要に応じて、これら両単量体と共重合可能なその他の単量体(以下、単に、「その他の単量体」と記す)をさらに含む単量体成分(組成物)を重合させることにより、容易に得ることができる。つまり、上記単量体成分は、カルボキシル基含有単量体およびスルホン基含有単量体を含んでいるか、或いは、該カルボキシル基含有単量体およびスルホン基含有単量体と、その他の単量体とを含んでいる。
尚、上記の重合体は、例えば、カルボキシル基含有単量体を含むと共に、必要に応じて、スルホン基含有単量体やその他の単量体をさらに含む単量体成分を重合させて得られる重合体に対して、スルホン基を導入する後変性処理を行うことにより、製造することもできる。該製造方法については、後段にて詳述する。
上記カルボキシル基含有単量体は、カルボキシル基を有する単量体であればよく、特に限定されるものではない。カルボキシル基含有単量体としては、具体的には、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、ビニル酢酸、マレイン酸、イタコン酸、メサコン酸、フマル酸、シトラコン酸、N−(メタ)アクリロイルアスパラギン酸、および、これら単量体のアルカリ金属塩やアンモニウム塩等が挙げられる。これら単量体は、一種類のみを用いてもよく、また、二種類以上を併用してもよい。上記例示の単量体のうち、(メタ)アクリル酸および/またはその塩がより好ましく、(メタ)アクリル酸が特に好ましい。
上記スルホン基含有単量体は、スルホン基を有する単量体であればよく、特に限定されるものではない。スルホン基含有単量体としては、具体的には、例えば、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸、(メタ)アリルスルホン酸、アリルオキシベンゼンスルホン酸、2−ヒドロキシ−3−(2−プロペニルオキシ)プロパンスルホン酸、イソプロペニルスルホン酸、スチレンスルホン酸、ビニルスルホン酸、スルホエチル(メタ)アクリレート、イソプレンのスルホン化物、および、これら単量体のアルカリ金属塩やアンモニウム塩等が挙げられる。これら単量体は、一種類のみを用いてもよく、また、二種類以上を併用してもよい。上記例示の単量体のうち、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸、スルホエチル(メタ)アクリレート、および、これら単量体のアルカリ金属塩やアンモニウム塩等がより好ましく、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸、スルホエチル(メタ)アクリレートが特に好ましい。
また、上記その他の単量体は、カルボキシル基含有単量体およびスルホン基含有単量体と共重合可能な単量体であればよく、特に限定されるものではない。つまり、本発明に係る重合体を構成する、カルボキシル基含有単量体単位およびスルホン基含有単量体単位以外の構造単位は、特に限定されるものではない。
その他の単量体としては、具体的には、例えば、アリルホスホン酸、イソプロペニルホスホン酸、ビニルホスホン酸、および、これら単量体のアルカリ金属塩やアンモニウム塩等の、モノエチレン性不飽和酸;ポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート等の、ポリアルキレングリコールと上記カルボキシル基含有単量体とのエステル;メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリル酸エステル;酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、ピバリン酸ビニル、安息香酸ビニル、桂皮酸ビニル等のビニルエステル;メチルビニルエーテル、エチルビニルエーテル等のアルキルビニルエーテル;アリルアルコール、メタリルアルコール、3−メチル−3−ブテン−1−オール、3−メチル−2−ブテン−1−オール、2−メチル−3−ブテン−2−オール等の不飽和アルコール;アクロレイン等のアルデヒド基含有ビニル単量体;(メタ)アクリロニトリル等のニトリル基含有ビニル単量体;(メタ)アクリルアミド、N−t−ブチルアクリルアミド等のアミド系単量体;ホスホエチルメタクリレート、スチレン、アリルアルコールのエチレンオキシド付加物、N−ビニル−2−ピロリドン、N−ビニルアセトアミド、N−ビニルホルムアミド等の、上記以外の官能基を含有する単量体;等が挙げられる。
上記例示のその他の単量体の中で、モノエチレン性不飽和酸;ポリアルキレングリコールと上記カルボキシル基含有単量体とのエステル;(メタ)アクリル酸エステル;ビニルエステル;アルキルビニルエーテル;不飽和アルコール;ホスホエチルメタクリレート、スチレン、アリルアルコールのエチレンオキシド付加物、N−ビニル−2−ピロリドン、N−ビニルアセトアミド、N−ビニルホルムアミド等の、上記以外の官能基を含有する単量体;等の、含水土壌の改良時にアンモニア等の気体を発生するおそれが無い単量体がより好ましい。これらその他の単量体は、必要に応じて、一種類のみを用いてもよく、また、二種類以上を併用してもよい。上記例示のその他の単量体の中で、メチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、および、N−ビニル−2−ピロリドンが特に好ましい。
従って、本発明に係る重合体は、(メタ)アクリル酸と、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸および/またはスルホエチル(メタ)アクリレートとを含む単量体成分を重合させることによって得られる重合体が、最も好ましい。
本発明において、上記単量体成分中における上記カルボキシル基含有単量体の割合、即ち、上記の重合体を構成する全単量体単位に占めるカルボキシル基含有単量体単位の割合は、50〜99.5モル%の範囲内が好ましく、75〜99モル%の範囲内がより好ましく、80〜99モル%の範囲内がさらに好ましい。上記カルボキシル基含有単量体の割合が50モル%未満であれば、含水土壌に対する重合体の添加量(使用量)を増加させなければならないおそれがあると共に、場合によっては含水土壌を粒状化することができなくなる。
本発明において、上記単量体成分中における上記スルホン基含有単量体の割合、即ち、上記の重合体を構成する全単量体単位に占めるスルホン基含有単量体単位の割合は、0.5〜50モル%の範囲内が好ましく、1〜25モル%の範囲内がより好ましく、1〜20モル%の範囲内が特に好ましい。上記スルホン基含有単量体の割合が0.5モル%未満であれば、水に対する重合体の溶解速度を向上させる効果が乏しくなるので好ましくない。また、上記スルホン基含有単量体の割合が50モル%を越えると、含水土壌に対する重合体の添加量(使用量)を増加させなければならないおそれがあると共に、場合によっては含水土壌を粒状化することができなくなる。
つまり、本発明に係る重合体は、(i)カルボキシル基とスルホン基とを含有し、かつ、重合体を構成する全単量体単位に占めるスルホン基含有単量体単位の割合が0.5〜50モル%の範囲内であること、或いは、(ii)カルボキシル基とスルホン基とを含有し、かつ、該カルボキシル基とスルホン基とのモル比が199:1〜1:1の範囲内であること、好ましくは該モル比が99:1〜4:1の範囲内であること、が好ましい。尚、重合体におけるカルボキシル基とスルホン基とのモル比は、例えば、常法に従って、pHが2に調節された水溶液と、pHが10に調節された水溶液とを用いたコロイド滴定を行うことによって、容易に求めることができる。
上記重合体の製造方法、即ち、上記単量体成分の重合方法は、特に限定されるものではなく、例えば、ラジカル重合開始剤等の重合開始剤を用いる重合方法;イオン化放射線、電子線等の放射線や、紫外線を照射する重合方法;加熱による重合方法;等の、従来公知の種々の方法を採用することができる。
上記ラジカル重合開始剤としては、過酸化物系やレドックス系、アゾ系の開始剤を用いることができ、具体的には、例えば、過硫酸アンモニウム、過硫酸カリウム、過酸化水素、過酸化ベンゾイル、t−ブチルパーオキサイド等の、過酸化物系やレドックス系で好適に用いられる過酸化物;亜硫酸水素ナトリウム、メタ重硫酸ナトリウム、硫酸第一鉄アンモニウム、L−アスコルビン酸、トリエタノールアミン等の、レドックス系で好適に用いられる還元剤;2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2’−アゾビス(2−アミノプロパン)二塩酸塩、2,2’−アゾビスイソブチルアミド二水和物、2,2’−アゾビス〔2−(2−イミダゾリン−2−イル)プロパン〕二塩酸塩等のアゾ系開始剤;等が挙げられるが、特に限定されるものではない。尚、重合開始剤の使用量や、重合反応の反応条件等は、特に限定されるものではない。
本発明において、得られる重合体の質量平均分子量は、特に限定されるものではないが、100,000〜20,000,000の範囲内であることがより好ましく、50万〜1500万の範囲内であることがさらに好ましく、300万〜1500万の範囲内であることが特に好ましい。質量平均分子量が20,000,000を越える重合体は、水に対する溶解速度が遅くなる場合がある。また、上記の重合体を含水土壌に混合したときに増粘効果が生じて両者を均一に混合することができなくなるおそれがあると共に、該重合体の製造が困難である。尚、重合体の質量平均分子量は、GPC(ゲルパーミュエーションクロマトグラフィー)により測定した。
上記重合体の質量平均分子量が100,000未満である場合には、改良後の含水土壌を粒状化することができなくなるので好ましくない。本願発明者等が検討した結果、関東地方で発生した含水土壌は、上記重合体の質量平均分子量が小さい場合、具体的には、100,000未満の場合には、粒状化せず、一方、質量平均分子量が大きい程、粒状化させるために必要とする重合体の使用量が少なくて済むことが判った。また、本願発明者等がさらに検討した結果、上記重合体の使用量が等しければ、上記重合体の質量平均分子量が大きい程、改良後の含水土壌、即ち、含水土壌の固化物を、産業廃棄物の規定にあてはまらない範囲内で、細粒化させる(粒径を小さくする)ことができることが判った。このため、上記重合体の質量平均分子量の好適な範囲は、水に対する溶解速度、該重合体の使用量、或いは固化物の細粒化の程度、等を考慮に入れて設定される。
また、上記の重合体中に含まれるカルボキシル基、即ち、上記の重合体を構成するカルボキシル基含有単量体が有するカルボキシル基は、遊離酸または塩の何れの状態で存在していてもよいが、遊離のカルボキシル基が含まれていることがより好ましい。また、上記の塩としては、具体的には、例えば、ナトリウム塩、カリウム塩等のアルカリ金属塩;カルシウム塩、マグネシウム塩等のアルカリ土類金属塩;アンモニウム塩;アミン塩;等が挙げられるが、特に限定されるものではない。
上記重合体中に含まれるカルボキシル基のうち、遊離のカルボキシル基の割合としては、5モル%以上であることが好ましく、20モル%以上であることがより好ましく、40モル%以上であることが最も好ましい。上記遊離のカルボキシル基の割合が5モル%未満の場合、即ち、上記重合体の中和率が95モル%を越える場合には、改良後の含水土壌を細粒化することができなくなるおそれがある。そして、改良すべき含水土壌が、関東地方で発生(排出)した含水土壌である場合には、上記重合体として、該重合体中に含まれるカルボキシル基が全て遊離のカルボキシル基である重合体が最も好ましい。
上記重合体は、水溶液またはエマルションとして用いてもよく、粉体として用いてもよいが、該重合体の水溶液は、粘度が高いために、必要に応じて、取り扱いが容易な程度にまで該水溶液の濃度を低下させなければならない。つまり、不必要な水を大量に加えなければならない。また、粘度が高い状態で重合体の水溶液を含水土壌に混合すると、含水土壌に対する該水溶液の混合性が著しく低下する。このため、取り扱い性並びに混合性の観点から、上記重合体は、必要に応じて、乾燥、粉砕することにより、粉体として用いる方がより好ましい。尚、上記重合体の乾燥方法並びに粉砕方法は、特に限定されるものではない。
本発明に係る重合体は、上記単量体成分を重合する上記の重合方法によって製造することができるが、例えば、カルボキシル基含有単量体を含むと共に、必要に応じて、スルホン基含有単量体やその他の単量体をさらに含む単量体成分(以下、「変性用単量体成分」と記す)を重合させて得られる重合体(以下、「変性用重合体」と記す)に対して、スルホン基を導入する後変性を行うことにより、製造することもできる。
変性用単量体成分に含まれるカルボキシル基含有単量体やスルホン基含有単量体、その他の単量体としては、具体的には、例えば、上記例示の各種化合物が挙げられる。また、変性用単量体成分を重合して変性用重合体を得る方法としては、例えば、上記例示の各種方法が挙げられる。該変性用重合体としては、具体的には、例えば、ポリ(メタ)アクリル酸が好適であり、ポリアクリル酸が最適である。
変性用重合体に対してスルホン基を導入する後変性処理の方法としては、変性用重合体に対してスルホン基導入化合物を反応させる方法が好適であり、より具体的には、例えば、(i)変性用重合体が含有するカルボキシル基と、スルホン基導入化合物としてのイセチオン酸ナトリウム(ヒドロキシエタンスルホン酸ナトリウム)が含有するヒドロキシル基とをエステル結合させる方法、(ii)変性用重合体が含有するカルボキシル基と、スルホン基導入化合物としてのタウリン・ナトリウム塩(アミノエタンスルホン酸ナトリウム)が含有するアミノ基とをアミド結合させる方法、(iii) スルホン基導入化合物としての発煙硫酸等を用いて、変性用重合体をスルホン化する方法、等が挙げられるが、特に限定されるものではない。
上記のスルホン基導入化合物は、変性用重合体にスルホン基を導入することができる化合物であればよく、特に限定されるものではない。該スルホン基導入化合物としては、具体的には、例えば、エステル結合を形成するのに好適な、ヒドロキシメタンスルホン酸ナトリウム、ヒドロキシエタンスルホン酸ナトリウム、ヒドロキシプロパンスルホン酸ナトリウム等の化合物;アミド結合を形成するのに好適な、アミノメタンスルホン酸ナトリウム、アミノエタンスルホン酸ナトリウム、アミノプロパンスルホン酸ナトリウム等の化合物;発煙硫酸;等が挙げられる。
後変性処理の反応方法としては、例えば、変性用重合体とスルホン基導入化合物とを混合して加熱すればよいが、特に限定されるものではない。また、変性用重合体に対するスルホン基導入化合物の使用量等の、後変性処理の反応条件は、変性用重合体の組成やスルホン基導入化合物の種類、両者の組み合わせ等に応じて設定すればよく、特に限定されるものではない。さらに、上記単量体成分を重合する上記の重合方法によって得られる重合体(カルボキシル基とスルホン基とを含有する重合体)に対して、スルホン基の割合を高めるために、必要に応じて、上記の後変性処理を行うこともできる。
変性用重合体を後変性処理することによって得られる本発明に係る重合体は、(i)カルボキシル基とスルホン基とを含有し、かつ、重合体を構成する全単量体単位に占めるスルホン基含有単量体単位の割合が0.5モル%〜50モル%の範囲内であること、或いは、(ii)カルボキシル基とスルホン基とを含有し、かつ、該カルボキシル基とスルホン基とのモル比が199:1〜1:1の範囲内であること、好ましくは該モル比が99:1〜4:1の範囲内であること、が好ましい。後変性処理によって製造される該重合体は、上記の重合方法によって製造される重合体と同じく、水溶液またはエマルションとして用いてもよいが、取り扱い性並びに混合性の観点から、上記重合体は、必要に応じて、乾燥、粉砕することにより、粉体として用いる方がより好ましい。尚、上記重合体の乾燥方法並びに粉砕方法は、特に限定されるものではない。
上記の重合体を粉体(粒子)として用いる場合における該重合体の質量平均粒子径は、0.01mm〜2mmの範囲内が好ましく、0.02mm〜1mmの範囲内がより好ましい。上記重合体の粒子径が2mmを超える場合には、上記の固化物を細粒化するために必要とする上記重合体の使用量を多くしなければならないのでコストが高くなり、好ましくない。一方、上記重合体の粒子径が0.01mm未満である場合には、上記重合体を取り扱う際に粉塵が発生し易くなると共に、重合体が吸湿し易くなる。従って、作業性が低下すると共に、含水土壌に添加した際に継粉を生じることになる。このため、含水土壌を改良してなる固化物を細粒化するためには使用量を多くしなければならないのでコストが高くなり、好ましくない。
尚、質量平均粒子径は、JIS標準ふるい分級で規定される。質量平均粒子径の測定方法としては、目開き4mm、2mm、1mm、850μm、710μm、600μm、500μm、425μm、300μm、212μm、150μm、45μm等のJIS標準ふるいで各粒子を篩分けし、篩分け後の残留百分率R(質量%)を対数確率紙にプロットし、R=50質量%に相当する粒子径を質量平均粒子径(D50)とする。
(III)アニオン性基含有化合物
本発明に係る上記アニオン性基含有化合物は、アニオン性基を含有し、架橋構造を有する化合物であれば特に限定されず、例えば、吸水性樹脂やアルギン酸ナトリウム等が挙げられる。その中でも、架橋構造を有する吸水性樹脂を主成分として含有することが好ましい。
上記吸水性樹脂としては、水を吸収することにより膨潤し、自重に対するイオン交換水の吸水倍率が3倍以上(25℃、1時間)の樹脂であることが好適である。より好ましくは、吸水倍率が10倍以上のものである。このような吸水性樹脂としては、例えば、ポリ(メタ)アクリル酸架橋体、ポリ(メタ)アクリル酸塩架橋体、スルホン酸基を有するポリ(メタ)アクリル酸エステル架橋体、ポリオキシアルキレン基を有するポリ(メタ)アクリル酸エステル架橋体、ポリ(メタ)アクリルアミド架橋体、(メタ)アクリル酸塩と(メタ)アクリルアミドとの共重合架橋体、(メタ)アクリル酸ヒドロキシアルキルと(メタ)アクリル酸塩との共重合架橋体、ポリジオキソラン架橋体、架橋ポリエチレンオキシド、架橋ポリビニルピロリドン、スルホン化ポリスチレン架橋体、架橋ポリビニルピリジン、デンプン−ポリ(メタ)アクリロニトリルグラフト共重合体のケン化物、デンプン−ポリ(メタ)アクリル酸若しくはその塩のグラフト架橋共重合体、ポリビニルアルコールと無水マレイン酸若しくはその塩との反応生成物、架橋ポリビニルアルコールスルホン酸塩、ポリビニルアルコール−アクリル酸グラフト共重合体、ポリイソブチレンマレイン酸若しくはその塩の架橋重合体、等の水溶性又は親水性化合物を架橋剤で架橋させた合成吸水性樹脂;ゼラチン、寒天等の天然水膨潤性物等が挙げられる。これらは、一種のみ用いてもよいし二種以上併用してもかまわない。
上記吸水性樹脂としては、水溶性若しくは親水性化合物を架橋剤で架橋した合成吸水性樹脂がより好ましい。これにより、膨潤倍率、水可溶分、吸水速度、強度等のバランスが良好となり、更にそのバランスの調製も容易に行うことができるため、含水土壌の改良剤として最適な添加量(使用量)での樹脂の設計が可能となる。
また、上記吸水性樹脂としては、例えば、(メタ)アクリル酸塩と(メタ)アクリルアミドとの共重合架橋体、(メタ)アクリル酸ヒドロキシアルキルと(メタ)アクリル酸塩との共重合架橋体等の、アミド基またはヒドロキシアルキル基を有するものがより好ましい。これらは、アルカリ水や海水等の金属イオンを含む水に対する吸水性が高いため、塩化ナトリウム濃度の高い含水土壌に対して好適に用いることができる。更には、上記吸水性樹脂は、ノニオン(非イオン)性基および/またはスルホン酸(塩)基を有することがより好ましい。尚、上記「スルホン酸(塩)基」とは、スルホン酸基および/またはスルホン酸塩基を意味する。
上記吸水性樹脂は、水溶性を有するエチレン性不飽和単量体と、必要に応じて架橋剤とを含む単量体成分を重合することにより得ることができる。水溶性を有するエチレン性不飽和単量体としては、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、マレイン酸、フマル酸、クロトン酸、シトラコン酸、ビニルスルホン酸、(メタ)アリルスルホン酸、2−(メタ)アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸、2−(メタ)アクリロイルエタンスルホン酸、2−(メタ)アクリロイルプロパンスルホン酸、並びにこれらの単量体のアルカリ金属塩やアンモニウム塩;N,N−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、並びにこれらの四級化物;(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチル(メタ)アクリルアミド、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリルアミド、ジアセトン(メタ)アクリルアミド、N−イソプロピル(メタ)アクリルアミド、(メタ)アクリロイルモルホリン等の(メタ)アクリルアミド類、並びにこれら単量体の誘導体;2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート等のヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート;ポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート、メトキシポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、メトキシポリプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート等のポリアルキレングリコールモノ(メタ)アクリレート;N−ビニル−2−ピロリドン、N−ビニルスクシンイミド等のN−ビニル単量体;N−ビニルホルムアミド、N−ビニル−N−メチルホルムアミド、N−ビニルアセトアミド、N−ビニル−N−メチルアセトアミド等のN−ビニルアミド単量体;ビニルメチルエーテル;等が挙げられる。これら単量体は一種のみ用いてもよいし、二種以上併用してもよい。
上記エチレン性不飽和単量体の中でも、ノニオン性基および/またはスルホン酸(塩)基を有するものがより好ましく、例えば、2−(メタ)アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸、2−(メタ)アクリロイルエタンスルホン酸、2−(メタ)アクリロイルプロパンスルホン酸、(メタ)アクリルアミド、ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート、メトキシポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート等の一種または二種以上の混合物が挙げられる。
また、エチレン性不飽和単量体を二種以上併用する場合における好ましい組み合わせとしては特には限定されないが、例えば、アクリル酸ナトリウム等の(メタ)アクリル酸アルカリ金属塩とアクリルアミドとの組み合わせ、(メタ)アクリル酸アルカリ金属塩とメトキシポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレートとの組み合わせ等が挙げられる。
上記架橋剤としては、特には限定されず、従来公知の架橋剤を用いることができる。また、直鎖状の高分子化合物に架橋剤を添加して架橋する形態には限定されず、例えば、電子線を高分子化合物に照射することにより、架橋を行ってもよい。
上記吸水性樹脂は、上述した単量体成分を(共)重合することにより得ることができるが、その(共)重合方法は特には限定されず、従来公知の方法により行うことができる。例えば、ラジカル重合開始剤等の重合開始剤を用いる重合方法;イオン化放射線、電子線等の放射線、紫外線等を照射する重合方法;加熱による重合方法;等の従来公知の重合方法を用いることができる。
また、吸水性樹脂の平均分子量や形状、平均粒子径は適宜設定すればよく、特に限定されるものではない。例えば、質量平均粒子径を1000μm以下、より好ましくは500μm以下、更に好ましくは200μm以下に設定することができる。また、平均粒子径を1μm以上、より好ましくは5μm以上、更に好ましくは10μm以上に設定することができる。
尚、質量平均粒子径は、JIS標準ふるい分級で規定される。質量平均粒子径の測定方法としては、目開き4mm、2mm、1mm、850μm、710μm、600μm、500μm、425μm、300μm、212μm、150μm、45μm等のJIS標準ふるいで各粒子を篩分けし、篩分け後の残留百分率R(質量%)を対数確率紙にプロットし、R=50質量%に相当する粒子径を質量平均粒子径(D50)とする。
(IV)水硬性物質
本発明に係る含水土壌の改良剤は、更に、水硬性物質を含むことが好ましい。上記水硬性物質としては、水中で硬化が進行する物質であればよく、特に限定されるものではない。具体的には、例えば、セメント、生石灰、消石灰、石膏、およびこれらの混合物等が挙げられる。上記例示の水硬性物質の中で、セメントおよび生石灰がより好ましい。
上記のセメントとしては、公知の各種セメントを採用することができる。該セメントとしては、具体的には、例えば、普通ポルトランドセメント、早強ポルトランドセメント、超早強ポルトランドセメント等のポルトランドセメント;高炉セメント;アルミナセメント;カルシウムセメント;フライアッシュセメント;等が挙げられるが、特に限定されるものではない。
(V)含水土壌の改良剤
本発明に係る改良剤における水溶性重合体は、含水土壌1mに対して0.01〜10kgとなるように含有されることが好ましく、0.1〜5kgとなるように含有されることがより好ましく、0.5〜3kgとなるように含有されることが更に好ましい。なお、上記水溶性重合体が、含水土壌1mに対して0.01kgより少なく含有される場合には、本発明の効果を奏しないおそれがある。また、上記水溶性重合体が、含水土壌1mに対して10kgを超えて含有される場合には、コストが高くなり好ましくない。
また、本発明に係る改良剤におけるアニオン性基含有化合物は、含水土壌1mに対して0.1〜100kgとなるように含有されることが好ましく、1〜50kgとなるように含有されることがより好ましく、5〜20kgとなるように含有されることが更に好ましい。なお、上記アニオン性基含有化合物が含水土壌1mに対して0.1kgより少なく含有される場合には、本発明の効果を奏しないおそれがある。また、上記アニオン性基含有化合物が含水土壌1mに対して100kgを超えて含有される場合には、コストが高くなり好ましくなく、本発明の効果を奏することもない。さらに、上記アニオン性基含有化合物が含水土壌1mに対して100kgを超えて含有される場合には、粒状化処理後にアニオン性基含有化合物の残留物が存在し、外観的にも好ましくない。
また、水溶性重合体とアニオン性基含有化合物との組み合わせとしては、(メタ)アクリル酸アルカリ金属塩とアミド基およびスルホン基を有する単量体との共重合体と、ポリアクリル酸ナトリウム架橋体との組み合わせがより好ましい。
また、本発明に係る改良剤が水硬性物質を含む場合、改良剤における水硬性物質は、含水土壌1mに対して1〜500kgとなるように含有されることが好ましく、5〜200kgとなるように含有されることがより好ましく、10〜100kgとなるように含有されることが更に好ましい。なお、上記水硬性物質が含水土壌1mに対して1kgより少なく含有される場合には、本発明の効果を奏しないおそれがある。また、上記水硬性物質が含水土壌1mに対して500kgを超えて含有される場合には、コストが高くなり好ましくない。さらに、上記水硬性物質が含水土壌1mに対して500kgを超えて含有される場合には、粒状土の量が増加しすぎて好ましくなく、粒状土の強度が大きくなりすぎて再利用する際に不都合を生じる場合がある。
〔含水土壌の粒状化方法〕
含水土壌の粒状化方法は、上記本発明に係る含水土壌の改良剤を含水土壌に混合させること以外は、特に限定されるものではなく、従来公知の粒状化方法を用いることができる。例えば、造粒機に含水土壌を仕込み、それに上記本発明に係る含水土壌の改良剤を混合すればよい。
また、上記本発明に係る含水土壌の改良剤の替わりに、含水土壌の改良剤に含まれる、水溶性重合体およびアニオン性基含有化合物等の各成分を別々に混合させてもよい。つまり、水溶性重合体を混合後にアニオン性基含有化合物を含水土壌に混合してもよいし、アニオン性基含有化合物を混合後に水溶性重合体を含水土壌に混合してもよい。水溶性重合体が受ける塩化ナトリウムの影響が少ないため、アニオン性基含有化合物を混合後に水溶性重合体を含水土壌に混合することがより好ましい。また、水溶性重合体とアニオン性基含有化合物とを含水土壌に混合後に、水硬性物質を更に混合させてもよい。
含水土壌と上記の改良剤とを混合する際に用いられる混合機としては、両者の混合物を混練することなく撹拌および混合することができる装置が好ましく、例えば、いわゆる遊星運動式または二軸式で、かつ、両者の混合物に対して剪断力を付与しながら撹拌することができるように、撹拌翼の形状が棒状や釣針状等に形成されている装置が好適である。つまり、撹拌翼は、撹拌および混合によって移動する混合物の移動方向に対して、できるだけ直角方向に拡がった形状が、混練による粒子径の粗大化を抑制することができると共に、撹拌翼や装置内壁への混合物の付着を防止することができるので、望ましい。
このような装置としては、例えば、水平軸型混合機や垂直軸型混合機が挙げられる。そして、水平軸型混合機としては、例えば、一軸および複数軸パドル型混合機が好ましい。垂直軸型混合機としては、例えば、パンミキサ型混合機が好ましく、遊星型混合機がより好ましく、さらに、該遊星型混合機のうち、ソイルミキサ、モルタルミキサ、およびアイリッヒ混合機がさらに好ましい。上記の混合機を用いて含水土壌と改良剤とを混合すると共に、撹拌翼によって生じる剪断力を用いることにより、混合物を粒子径が0.1〜50mmの範囲内、好ましくは0.3〜10mmの範囲内である粒子状に細粒化(粒状固化)させることができる。尚、含水土壌と改良剤との混合方法は、特に限定されるものではない。
また、水硬性物質を別途に混合させる場合において、改良土(粒状土)に水硬性物質を混合する際に用いられる混合機は、特に限定されるものではないが、両者の混合物を混練することなく撹拌および混合することができる装置が好適である。また、このような混合機を用いて混合する際には、上記含水土壌と改良剤との混合時ほどに剪断力がかからないようにし、改良土(粒状土)の表面に水硬性物質を付着させる(まぶす)ように撹拌することが好ましい。これにより、改良土(粒状土)の表面に水硬性物質がほぼ均一に付着した改良土(粒状土)が得られる。尚、水硬性物質は、その一部が改良土(粒状土)の内部に入り込んでいてもよい。また、改良土(粒状土)と水硬性物質との混合方法は、特に限定されるものではない。
得られた改良土(粒状土)は、即時埋め戻しを行ってもよいが、常温で3日間〜7日間程度放置することによって水硬性物質が養生されるので、所定の強度を備えることができる。
以上のようにして得られる改良土は、トラックで運搬することが可能であり、例えばその上を人が歩ける状態に改良された固化物、より好ましくは、粒状土である。従って、上記粒状土は、産業廃棄物には該当せず、再利用が可能である。特に、粒状土は、所定の粒子径および強度を備えているので、粉砕やふるい分け等の操作を行わなくても、例えば砂の代替品等の資源としての再利用を図ることができる。つまり、掘削孔の埋め戻しが必要な土木工事においては、砂等を別途に用意しなくとも、該粒状土を用いて埋め戻しを行うことができる。また、上記粒状土は、地面に埋め戻した際の通水性を向上させることができるので、より広い範囲での含水土壌の再利用が可能となる。上記粒状土は、例えば、埋設管や構造物等を埋め戻す際の埋め戻し材、人工砂等としての遮断層材、のり面に吹き付けて該のり面を加工する植生基材、土壌改良材、保水材、透水材、水質改善材等に好適に用いることができる。このように、本発明の改良剤並びに改良方法(粒状化方法)を用いれば、通常、汚泥として廃棄される含水土壌を再利用することができるので、環境保全、省資源、および廃棄場所の延命を図ることができると共に、含水土壌の処分費用を低減することができる。
本発明は以上説示した各構成に限定されるものではなく、特許請求の範囲に示した範囲内で種々の変更が可能であり、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。
以下、実施例および比較例により、本発明を更に詳細に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
〔粒状化処理後の状態の評価方法〕
海洋浚渫土の粒状化処理後の状態は、目視により評価した。具体的には、海洋浚渫土の一粒の直径が1〜10mmである、粒の揃った粒状を「◎」(図2参照)とし、海洋浚渫土の一粒の直径が1〜50mmである粒状と塊状との間の状態を「○」(図3参照)とし、海洋浚渫土の一粒の直径が20〜100mmである塊状と団子状との間の状態を「△」(図4参照)とし、団子状を「△×」(図5参照)とし、粒状化処理前と比べて増粘しただけであり、流動性を有した状態を「×」(図6参照)とした。尚、粒状化処理前の海洋浚渫土の状態を図1に示す。
〔海洋浚渫土〕
実施例で用いた海洋浚渫土は、模擬的に、粘土(商品名:スミクレー、住友大阪セメント製)270質量部と、シルト♯250(丸中白土株式会社製)75質量部と、砂(豊浦標準砂)5質量部と、人工海水(八洲製薬株式会社製、塩化ナトリウム濃度2.85質量%)350質量部とを混合することにより作成した。尚、海洋浚渫土の塩化ナトリウム濃度は1.425質量%であった。
〔実施例1〕
海洋浚渫土700質量部(比重1.4)を、ビーター型攪拌機を備えた混合機(ソイルミキサー(容量3L))に仕込み、160rpmで攪拌した。それに、助剤として、架橋構造を有するアニオン性基含有化合物であるアクアリックCA(株式会社日本触媒製)(以下、「CA」と記す)を、5質量部(海洋浚渫土1m当たりに固形分換算質量で10kg)混合し、約1分間攪拌した。その後、水溶性重合体としてアクリル酸ソーダと2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸ソーダとを90:10のモル比で重合させた共重合体(質量平均分子量500万)(以下、「ポリマーA」と記す)を1.4質量部(海洋浚渫土1m当たりに固形分換算質量で2.8kg)混合し、約3分間攪拌した。更にその後、水硬性物質として高炉セメントB種(太平洋セメント株式会社製)(以下、「セメント」と記す)を25質量部(海洋浚渫土1m当たりに固形分換算質量で50kg)混合し、約30秒間攪拌し、海洋浚渫土の状態を確認しながら攪拌を終了した。その結果、粒状化処理後の海洋浚渫土の状態は、直径1〜10mmの粒状(判定◎)であった。
なお、ポリマーAの重合方法は以下の通りである。
まず、攪拌機、温度計、還流冷却器、窒素導入管を備えた5Lのステンレス鋼製セパラブルフラスコ(I)に、シクロヘキサン1000g、ソルビタンモノステアレート13.5gを入れ、攪拌しながら50ml/分の速度で窒素を導入し、70℃まで昇温した。
次に、攪拌機、温度計、還流冷却器、窒素導入管を備えた2Lのセパラブルフラスコ(II)に、アクリル酸332.5g、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸106.2g、48質量%水酸化ナトリウム水溶液42.8g、イオン交換水391.8gを入れ、攪拌して溶解させた。さらに攪拌を継続しながら、窒素を25分間セパラブルフラスコ(II)の溶液内に導入した後(溶液の溶存酸素濃度1mg/L以下)、2,2’−アゾビス[2−(2−イミダゾリン−2−イル)プロパン]二塩酸塩0.03質量%および次亜リン酸ソーダ水和物0.01質量%の水溶液126.9gをセパラブルフラスコ(II)の溶液に加え、さらに5分間窒素を導入した。
その後、セパラブルフラスコ(II)の内容物をセパラブルフラスコ(I)に2時間かけてフィードして重合を行い、30分間熟成した。次いで、6.50質量%2,2’−アゾビス[2−(2−イミダゾリン−2−イル)プロパン]二塩酸塩水溶液5.9gをセパラブルフラスコ(I)に加え、さらに30分間熟成を行った。引き続き脱水を行った後、30℃以下まで冷却し、内容物の固液分離を行い、乾燥してポリマーA(白色微粒子)を得た。
〔実施例2〕
ポリマーAの混合量を1.4質量部(海洋浚渫土1m当たりに固形分換算質量で2.8kg)から1.0質量部(海洋浚渫土1m当たりに固形分換算質量で2.0kg)に変更したこと以外は、実施例1と同様の操作を行った。その結果、粒状化処理後の海洋浚渫土の状態は、直径1〜10mmの粒状(判定◎)であった。
〔実施例3〕
ポリマーAを、アクリル酸ソーダと2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸ソーダとを95:5のモル比で重合させた共重合体(質量平均分子量500万)(以下、「ポリマーB」という)に変更したこと以外は、実施例2と同様の操作を行った。その結果、粒状化処理後の海洋浚渫土の状態は、直径1〜10mmの粒状(判定◎)であった。
なお、ポリマーBの重合方法については、アクリル酸ソーダと2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸ソーダとを95:5のモル比に変更したこと以外は、ポリマーAと同様である。
〔実施例4〕
CAの混合量を10kgから6kgに変更し、助剤と水溶性重合体とを同時に混合し、セメントを混合しなかったこと以外は、実施例2と同様の操作を行った。その結果、粒状化処理後の海洋浚渫土の状態は、直径1〜50mmの粒状〜塊状(判定○)であった。
〔実施例5〕
CAの混合量を5質量部(海洋浚渫土1m当たりに固形分換算質量で10kg)から3質量部(海洋浚渫土1m当たりに固形分換算質量で6kg)に変更し、助剤と水溶性重合体とを同時に混合したこと以外は、実施例2と同様の操作を行った。その結果、粒状化処理後の海洋浚渫土の状態は、直径1〜50mmの粒状〜塊状(判定○)であった。
〔実施例6〕
助剤を、CAからアルギン酸ナトリウム(和光純薬工業株式会社製)に変更し、助剤の混合量を5質量部(海洋浚渫土1m当たりに固形分換算質量で10kg)から25質量部(海洋浚渫土1m当たりに固形分換算質量で50kg)に変更したこと以外は、実施例3と同様の操作を行った。その結果、粒状化処理後の海洋浚渫土の状態は、直径20〜100mmの塊状〜団子状(判定△)であった。
〔実施例7〕
助剤と水溶性重合体とを同時に混合したこと以外は、実施例6と同様の操作を行った。その結果、粒状化処理後の海洋浚渫土の状態は、直径20〜100mmの塊状〜団子状(判定△)であった。
〔実施例8〕
助剤の混合量を25質量部(海洋浚渫土1m当たりに固形分換算質量で50kg)から15質量部(海洋浚渫土1m当たりに固形分換算質量で30kg)に変更したこと以外は、実施例7と同様の操作を行った。その結果、粒状化処理後の海洋浚渫土の状態は、直径が測定不能である団子状(判定△×)であった。
〔実施例9〕
助剤の混合量を15質量部(海洋浚渫土1m当たりに固形分換算質量で30kg)から10質量部(海洋浚渫土1m当たりに固形分換算質量で20kg)に変更したこと以外は、実施例8と同様の操作を行った。その結果、粒状化処理後の海洋浚渫土の状態は、直径が測定不能である団子状(判定△×)であった。
〔実施例10〕
助剤を、CAからアルギン酸ナトリウムに変更したこと以外は、実施例2と同様の操作を行った。その結果、粒状化処理後の海洋浚渫土の状態は、直径が測定不能である団子状(判定△×)であった。
〔実施例11〕
アルギン酸ナトリウムの混合量を5質量部(海洋浚渫土1m当たりに固形分換算質量で10kg)から10質量部(海洋浚渫土1m当たりに固形分換算質量で20kg)に変更したこと以外は、実施例10と同様の操作を行った。その結果、粒状化処理後の海洋浚渫土の状態は、直径20〜100mmの塊状〜団子状(判定△)であった。
〔比較例1〕
助剤を混合せず、ポリマーAの混合量を1.4質量部(海洋浚渫土1m当たりに固形分換算質量で2.8kg)から1.5質量部(海洋浚渫土1m当たりに固形分換算質量で3.0kg)に変更したこと以外は、実施例1と同様の操作を行った。その結果、粒状土の最終形状は、直径が測定不能である流動性を有した状態(判定×)であった。
〔比較例2〕
助剤を混合せず、水溶性重合体としてポリマーAからポリマーBに変更したこと以外は、実施例1と同様の操作を行った。その結果、粒状化処理後の海洋浚渫土の状態は、直径が測定不能である流動性を有した状態(判定×)であった。
〔比較例3〕
水溶性重合体としてポリマーAを、ポリアクリル酸ソーダ(質量平均分子量500万、株式会社日本触媒製)に変更し、水溶性重合体の混合量を1.4質量部(海洋浚渫土1m当たりに固形分換算質量で2.8kg)から1.5質量部(海洋浚渫土1m当たりに固形分換算質量で3.0kg)に変更したこと以外は、実施例1と同様の操作を行った。その結果、粒状化処理後の海洋浚渫土の状態は、直径が測定不能である流動性を有した状態(判定×)であった。
〔比較例4〕
水溶性重合体としてポリマーAからポリアクリル酸(質量平均分子量80万、株式会社日本触媒製)に変更したこと以外は、比較例3と同様の操作を行った。その結果、粒状化処理後の海洋浚渫土の状態は、直径が測定不能である流動性を有した状態(判定×)であった。
〔比較例5〕
助剤を、CAからベントナイト(商品名:「クニゲル」、クニミネ工業株式会社製)に変更し、助剤の混合量を5質量部(海洋浚渫土1m当たりに固形分換算質量で10kg)から25質量部(海洋浚渫土1m当たりに固形分換算質量で50kg)に変更し、ポリマーAの混合量を1.4質量部(海洋浚渫土1m当たりに固形分換算質量で2.8kg)から1.0質量部(海洋浚渫土1m当たりに固形分換算質量で2.0kg)に変更し、助剤と水溶性重合体とを同時に混合したこと以外は、実施例1と同様の操作を行った。その結果、粒状化処理後の海洋浚渫土の状態は、直径が測定不能である流動性を有した状態(判定×)であった。
〔比較例6〕
助剤を、CAからベントナイト(商品名:「クニゲル」、クニミネ工業株式会社製)に変更し、ポリマーAの混合量を1.4質量部(海洋浚渫土1m当たりに固形分換算質量で2.8kg)から1.0質量部(海洋浚渫土1m当たりに固形分換算質量で2.0kg)に変更したこと以外は、実施例1と同様の操作を行った。その結果、粒状化処理後の海洋浚渫土の状態は、直径が測定不能である流動性を有した状態(判定×)であった。
表1に、実施例1〜11および比較例1〜6における粒状化処理条件並びに粒状化処理後の海洋浚渫土の状態(最終形状)を示す。実施例1〜11では、直径が測定不能である団子状(判定△×)となる場合はあっても、含水土壌を運搬できないような、直径が測定不能である流動性を有した状態(判定×)とはなっていない。それに対して、比較例1〜6では、全て、直径が測定不能である流動性を有した状態(判定×)となっている。
また、アニオン性基含有化合物であるアクアリックCAを水溶性重合体であるポリマーAまたはポリマーBより先添加した場合(実施例1〜3)の海洋浚渫土の状態(判定◎)は、アクアリックCAをポリマーAまたはポリマーBと同時添加した場合(実施例4,5)の海洋浚渫土の状態(判定○)と比べて、より粒状化されている。
以上のことから、本発明に係る改良剤を含水土壌に混合することにより、運搬し易く、再び盛土材や埋め戻し材等の土質材料として利用することができる粒状土を得ることができることが確認できた。
以上のように、本発明に係る含水土壌の改良剤および粒状化方法を用いることにより、海洋浚渫土等の塩化ナトリウム濃度の高い含水土壌を、脱水等の処理を行わず、短時間に粒状化することにより、運搬し易く、再び盛土材や埋め戻し材等の土質材料として利用することができる。このため、本発明に係る含水土壌の改良剤および粒状化方法は、浚渫工事の含水泥土処理、シールド工事の掘削残土処理、推進工事の含水泥土処理、ベントナイト等の排泥処理、水処理場のスラッジ処理、海岸沿いの埋立作業等に広く利用することが可能である。
実施例における粒状化処理前の海洋浚渫土の状態の一例を示す図面である。 実施例における粒状化処理後の海洋浚渫土の状態の一例を示す図面である。 実施例における粒状化処理後の海洋浚渫土の状態の一例を示す図面である。 実施例における粒状化処理後の海洋浚渫土の状態の一例を示す図面である。 実施例における粒状化処理後の海洋浚渫土の状態の一例を示す図面である。 実施例における粒状化処理後の海洋浚渫土の状態の一例を示す図面である。

Claims (9)

  1. カルボキシル基含有単量体とスルホン基含有単量体とを含む単量体成分を重合して得られる水溶性重合体と、
    架橋構造を有するアニオン性基含有化合物とを含む含水土壌の改良剤であり、
    該水溶性重合体は、スルホン基含有単量体の構成単位を、水溶性重合体の全構成単位に対して0.5〜50mol%の範囲内で有することを特徴とする含水土壌の改良剤。
  2. 更に、水硬性物質を含むことを特徴とする請求項1に記載の含水土壌の改良剤。
  3. カルボキシル基含有単量体とスルホン基含有単量体とを含む単量体成分を重合して得られる水溶性重合体と、架橋構造を有するアニオン性基含有化合物とを含水土壌に混合する含水土壌の粒状化方法であり、
    該水溶性重合体は、スルホン基含有単量体の構成単位を、水溶性重合体の全構成単位に対して0.5〜50mol%の範囲内で有することを特徴とする含水土壌の粒状化方法。
  4. 更に、水硬性物質を含水土壌に混合することを特徴とする請求項3に記載の含水土壌の粒状化方法。
  5. 水溶性重合体と上記アニオン性基含有化合物とを含水土壌に混合することにより含水土壌を塊状化させた後、塊状化した含水土壌に水硬性物質を混合することを特徴とする請求項4に記載の含水土壌の粒状化方法。
  6. 上記アニオン性基含有化合物を含水土壌に混合した後に、水溶性重合体を含水土壌に混合することを特徴とする請求項3〜5の何れか1項に含水土壌の粒状化方法。
  7. 上記含水土壌の塩化ナトリウム濃度が、0〜5質量%の範囲内であることを特徴とする請求項3〜6の何れか1項に記載の含水土壌の粒状化方法。
  8. 上記含水土壌が海洋浚渫土であることを特徴とする請求項3〜6の何れか1項に記載の含水土壌の粒状化方法。
  9. 請求項3〜8の何れか1項に記載の含水土壌の粒状化方法により得られることを特徴とする含水土壌の粒状土。
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