JP2001081448A - 掘削安定液用増粘剤、これを用いる掘削安定液と掘削工法およびその処理方法 - Google Patents

掘削安定液用増粘剤、これを用いる掘削安定液と掘削工法およびその処理方法

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JP2001081448A
JP2001081448A JP25938399A JP25938399A JP2001081448A JP 2001081448 A JP2001081448 A JP 2001081448A JP 25938399 A JP25938399 A JP 25938399A JP 25938399 A JP25938399 A JP 25938399A JP 2001081448 A JP2001081448 A JP 2001081448A
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Katsuyuki Kono
克之 河野
Teruo Kikuta
照夫 菊田
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Nippon Shokubai Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 増粘剤を水性媒体と混和する際に「ママコ」
が生じにくく、容易に混和して粘度を高めることがで
き、しかも、増粘剤を混和した液が腐敗しにくい粉体の
掘削安定液用増粘剤とその利用および廃棄についての工
夫を提供する。 【解決手段】 掘削安定液用増粘剤は、水性媒体の下で
アルカリ性物質により増粘するポリマーの粉体を含む。
好ましくは、アルカリ性物質により親水性が高まる基を
有する重合性単量体を含む単量体成分を重合して得られ
るエマルションを乾燥、粉体とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、掘削安定液用増粘
剤、これを用いる掘削安定液と掘削工法およびその処理
方法に関する。
【0002】
【従来の技術】地下鉄建設工事等のボーリング工事にお
いて、通常、掘削された穴の壁面の崩れを防止するため
に、ベントナイトを含む掘削安定液(掘削泥水というこ
ともある)を用いて掘削壁面の安定化を図っている。近
年、地下鉄建設工事等で、使用済の掘削安定液を廃棄す
る際の廃泥処理の簡便さからベントナイトの含有量を減
らした掘削安定液が用いられている。掘削安定液中のベ
ントナイトの含有量を減らすと、掘削安定液の粘度が低
下し、壁面を安定化させる能力(濾水性)が低下した
り、ベントナイトが沈降してしまい、掘削安定液として
用いることができなくなったりすることがある。
【0003】このような問題を解決するために、通常、
掘削安定液には、CMC(カルボキシメチルセルロー
ス)等の増粘剤が配合されているが、CMCには腐敗し
やすいという問題や、分散しにくく、「ママコ」が生じ
易くて、安定した物性の掘削安定液が得られにくいとい
う問題があった。「ママコ」について述べれば、例え
ば、CMCをベントナイト等とともに水に混和して掘削
安定液を調製する際に、水性媒体との混和に大きな攪拌
動力を必要とし、掘削安定液を大量に使用する大規模な
掘削工事では、噴射ジェット式ミキサーのような強力な
攪拌が可能な大型ミキサーを用いることが必要とされて
いる。他方、例えば、水道工事や下水工事等では、漏水
防止のために泥状物を増粘することが必要な場合がある
が、CMCを使用しようとしても、比較的簡便な攪拌機
では「ママコ」の発生を防ぐことが難しいために、上記
水道工事等の小規模工事現場等での泥状物等の増粘には
不向きであると言う問題もあった。
【0004】このような問題を解決するものとして、特
開昭60−133084号公報には、アクリル酸ソーダ
を含む単量体を油中水型乳化重合して得られた油中水型
重合体エマルションをベントナイトの分散液に配合した
泥土化材組成物が開示されている。しかし、この組成物
は、油が使用されているため、土壌汚染の原因となった
り、引火性を有するために取扱いにくく、消防法の危険
物の対象となっている。また、これを掘削安定液に配合
して使用した場合、廃泥に油が混入するという問題もあ
る。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記従来の
増粘剤の問題を解決して、増粘剤を水性媒体と混和する
際に「ママコ」が生じにくく、容易に混和して粘度を高
めることができ、しかも、増粘剤を混和した液が腐敗し
にくい、粉体の掘削安定液用増粘剤、これを用いる掘削
安定液と掘削公報およびその処理方法を提供することで
ある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者は、上記課題を
解決するために種々検討し、実験を重ねた結果、水媒体
の下でアルカリ性物質により増粘するポリマーの粉体
は、水性媒体と混和し、次いで、アルカリ性物質を添加
することにより、容易に粘度を高めることができ、ま
た、混和した液は腐敗しにくいこと、しかも、前記ポリ
マーの粉体は、水性媒体に混和した後、アルカリ性物質
を添加することにより、容易に水に溶解して「ママコ」
を生じないことを見いだし、上記課題を一挙に解決し
て、本発明に到達した。
【0007】すなわち、本発明に係る掘削安定液用増粘
剤は、ポリマーの粉体を含む掘削安定液用増粘剤であっ
て、前記ポリマーが、水性媒体の存在下でアルカリ性物
質に接したとき親水性が高まる基を有する重合性単量体
を含有する単量体成分を重合してなるポリマーであるこ
とを特徴とする。本発明に係る掘削安定液は、上記本発
明に係る掘削安定液用増粘剤を含有する。
【0008】本発明に係る掘削工法は、増粘剤を含有す
る掘削安定液を用いる掘削工法において、前記増粘剤の
少なくとも一部として、上記本発明に係る掘削安定液用
増粘剤を用いることを特徴とする。本発明に係る掘削工
法は、上記増粘剤を用いて泥状物を増粘させ、掘削壁面
の崩れを防止しながら掘削を行う工法であって、地中連
続壁工法、柱列式地中連続壁工法、シールド工法、地中
杭工法、推進工法、ボーリング等がある。
【0009】本発明に係る掘削安定液用増粘剤の処理方
法は、上記本発明に係る掘削安定液用増粘剤を含有する
廃泥を廃棄する際に処理する方法であって、前記廃泥に
カチオン系凝集剤を添加することを特徴とする。
【0010】
【発明の実施の形態】〔掘削安定液用増粘剤〕本発明に
係る掘削安定液用増粘剤(「増粘剤」と略称する)は、
水性媒体の下でアルカリ性物質により親水性が高まって
増粘するポリマー(「増粘性ポリマー」と略称する)の
粉体を含み、これを有効成分とするものである。
【0011】本発明に用いられる増粘性ポリマーは、分
子内にアルカリ性物質により親水性が高まる基を有する
ポリマーであり、アルカリ性物質により親水性が高まる
基としては、特に限定はされないが、例えば、カルボキ
シル基、スルホン酸基、フェノール性水酸基、リン酸基
等の酸性基やカルボン酸エステル基、リン酸エステル
基、硫酸エステル基等、容易に加水分解して酸基が生成
するエステル基等を有するポリマーを挙げることができ
る。これらの中でも、カルボキシル基を有するポリマー
は、水性媒体の下でアルカリ性物質の添加によって速や
かに中和反応が進行し、親水性のカルボキシルイオンと
なって水性媒体と容易に馴染むために、好ましい。
【0012】本発明に用いられる増粘性ポリマーの増粘
機構は、水性媒体の下でアルカリ性物質によりポリマー
の親水性が高まるともに、水性媒体に一部または全部が
溶解するか、湿潤、膨潤するか、または、その両方が起
こることによって増粘すると推定される。本発明の増粘
剤は、粉体からなる固形状のものであり、粉体の粒度と
しては500μm以下が好ましく、300μm以下がよ
り好ましい。粒度は、ポリマーが速やかに親水化するた
めには細かい方が好ましく、500μmをこえて大きく
なると、水性媒体に混和、溶解しにくくなるため、増粘
するための時間が長くかかるので、好ましくない。
【0013】本発明の増粘剤は、アルカリ性物質の非存
在下に水性媒体と混和すると、粉体粒子が水性媒体に溶
解せずに分散する。次いで、アルカリ性物質を接触する
ことにより親水性が高まり、溶解が速やかに進むために
「ママコ」が生じ難いと考えられる。本発明に用いられ
る増粘性ポリマーは、水性媒体の下でアルカリ性物質に
より親水性が高まる基を有する重合性単量体を含む単量
体成分を重合することにより、得ることができる。重合
方法としては、例えば、乳化重合、マイクロサスペンシ
ョン重合、溶液重合等が挙げられるが、得られたポリマ
ーが増粘性をもつものであれば、その重合方法は必ずし
も限定されない。
【0014】本発明に用いられる増粘性ポリマーとして
は、例えば、水性媒体の下で乳化重合して得られるエマ
ルションを乾燥して粉体としたものが、本発明の増粘剤
として好適である。なお、上記エマルションは、そのも
の自体、アルカリ性物質により増粘し、増粘剤として使
用できるが、大量の水を含むために、保管・貯蔵に不便
で、運搬も不経済である。このため、本発明の増粘剤
は、エマルションを乾燥して水分を除去し、容量を減ら
すことによって、エマルションに比べての利便性を大幅
に向上させたものである。
【0015】上記エマルションを乾燥し、粉体にする方
法は、特に限定はされないが、例えば、以下に示す方法
が好ましい。 (1)凍結乾燥法:エマルションを液体窒素等で急速冷
却して凍結させた後、凍結したエマルションを凍結乾燥
機を用いて減圧乾燥する。この方法により、粒度数μm
以下の粉体が得られる。 (2)噴霧乾燥法:スプレードライヤーを用い、エマル
ションを熱風中に噴霧して乾燥する。この方法により、
粒度100μm以下の粉体が得られる。 (3)被膜乾燥法:ドラムドライヤーやベルトドライヤ
ーを用い、エマルションを塗布して膜厚100μm以下
の乾燥被膜を形成した後、得られた乾燥被膜を粉砕し、
分級して粒度300μm以下の粉体を得る。 (4)凝集解砕乾燥法:ニーダーを用い、エマルション
に凝集剤を加えて混練し、エマルション全体を凝集させ
た後、生じた上澄み液を捨てる。エマルションの凝集し
た固まりにイオン交換水を加えて混練し、生じた上澄み
液を捨てる操作を数回繰り返し、洗浄した後、固まりを
2〜3mmの粗粒にまで解砕する。得られた粗粒を減圧
下常温で乾燥または加熱乾燥した後、粉砕し、分級して
粒度300μm以下の粉体を得る。
【0016】次に、アルカリ性物質により親水性が高ま
る基を含有する単量体成分の乳化重合について説明す
る。用いる単量体成分は、アルカリ性物質により親水性
が高まる基を含有する重合性単量体(A)を必須とし、
好ましくは、これと共重合可能な他の重合性単量体を含
有する単量体成分が用いられる。
【0017】重合性単量体(A)としては、具体的に
は、例えば、(メタ)アクリル酸、イタコン酸、クロト
ン酸、マレイン酸、無水マレイン酸等のカルボキシル基
含有重合性単量体;ビニルスルホン酸、スチレンスルホ
ン酸、スルホエチル(メタ)アクリレート等のスルホン
酸基含有重合性単量体;ビニルフェノール、イソプロペ
ニルフェノール、アリルフェノール等のフェノール性水
酸基含有単量体pH10のアルカリ水溶液中でアクリル
酸ブチルより加水分解性の高い重合性単量体、例えば、
アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸ヒド
ロキシエチル等の比較的容易に加水分解して酸基が生成
するカルボン酸エステル基含有重合性単量体;2−(メ
タ)アクリロイルオキシエチルアシッドホスフェート、
2−(メタ)アクリロイルオキシプロピルアシッドホス
フェート、2−(メタ)アクリロイルオキシ−3−クロ
ロプロピルアシッドホスフェート、2−(メタ)アクリ
ロイルオキシエチルフェニルホスフェート等の酸性リン
酸エステル基含有重合性単量体等を挙げることができ、
これらが1種または2種以上使用される。
【0018】上記例示の重合性単量体(A)のうちで
も、(メタ)アクリル酸および(メタ)アクリル酸エス
テルが好ましく、メタクリル酸およびアクリル酸エステ
ルがより好ましい。これらにより、得られる増粘剤は増
粘性能が高くなる。用いる単量体成分に占める重合性単
量体(A)の割合は、3〜100モル%が好ましく、1
0〜100モル%がより好ましい。重合性単量体(A)
の割合が3モル%未満であると、得られるポリマーの増
粘性が低くなるおそれがある。
【0019】重合性単量体(A)と共重合可能な他の重
合性単量体としては、次の単量体が用いられる。例え
ば、スチレン、ビニルトルエン、α−メチルスチレン、
クロロメチルスチレン等のスチレン系重合性単量体;
(メタ)アクリルアミド、N−モノメチル(メタ)アク
リルアミド、N−モノエチル(メタ)アクリルアミド、
N,N−ジメチル(メタ)アクリルアミド等の(メタ)
アクリルアミド系重合性単量体;メタクリル酸メチル、
メタクリル酸エチル、メタクリル酸ブチル等のメタクリ
ル酸と炭素数1〜18のアルコール(環式アルコールを
除く)とのエステルや、アクリル酸と炭素数4〜18の
アルコール(環式アルコールを除く)とのエステルであ
る(メタ)アクリル酸エステル系重合性単量体;(メ
タ)アクリル酸シクロヘキシル等のシクロヘキシル基含
有重合性単量体;メタクリル酸2−ヒドロキシエチル、
(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシプロピル等の(メ
タ)アクリル酸とポリプロピレングリコールとのモノエ
ステルであるヒドロキシル基含有(メタ)アクリル酸エ
ステル系重合性単量体;ポリエチレングリコール(メ
タ)アクリルエステル等のポリエチレングリコール鎖含
有重合性単量体(ただし、アクリル酸2−ヒドロキシエ
チルを除く);酢酸ビニル;(メタ)アクリロニトリ
ル;N−ビニルピロリドン、(メタ)アクリル酸ジメチ
ルアミノエチル、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリ
ルアミド、ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリルア
ミド、ビニルピリジン、ビニルイミダゾール等の塩基性
重合性単量体;N−メチロール(メタ)アクリルアミ
ド、N−ブトキシメチル(メタ)アクリルアミド等の架
橋性(メタ)アクリルアミド系重合性単量体;ビニルト
リメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、γ−
(メタ)アクリロイルプロピルトリメトキシシラン、ヒ
ニルトリス(2−メトキシエトキシ)シラン、アリルト
リエトキシシラン等のケイ素原子に直結する加水分解性
ケイ素基含有重合性単量体;(メタ)アクリル酸グリシ
ジル、アクリルグリシジルエーテル等のエポキシ基含有
重合性単量体;2−イソプロペニル−2−オキサゾリ
ン、2−ビニルオキサゾリン等のオキサゾリン基含有重
合性単量体;(メタ)アクリル酸−2−アジリジニルエ
チル、(メタ)アクロイルアジリジン等のアジリジン基
含有重合性単量体;フッ化ビニル、フッ化ビニリデン、
塩化ビニル、塩化ビニリデン等のハロゲン含有重合性単
量体;(メタ)アクリル酸と、エチレングリコール、
1,3−ブチレングリコール、ジエチレングリコール、
1,6−ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール、
ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、ポリ
プロピレングリコール、トリメチロールプロパン、ペン
タエリスリトール、ジペンタエリスリトール等の多価ア
ルコールとのエステル化物等の分子内に重合性不飽和基
を2個以上有する多官能(メタ)アクリル酸エステル系
重合性単量体;メチレン(メタ)アクリルアミド等の分
子内に重合性不飽和基を2個以上有する多官能(メタ)
アクリル酸アミド系重合性単量体;ジアリルフタレー
ト、ジアリルマレート、ジアリルフマレート等の分子内
に重合性不飽和基を2個以上有する多官能アリル系重合
性単量体;(メタ)アクリル酸アリル、ジビニルベンゼ
ン等を挙げることができ、これらが1種または2種以上
使用される。
【0020】乳化重合は、水性媒体の下、乳化剤の存在
下で重合開始剤を用いて行うのが好ましい。重合性単量
体を乳化重合の反応系に添加する方法は、特に限定はな
く、例えば、一括添加法、重合性単量体滴下法、プレエ
マルション法、パワーフィード法、シード法、多段添加
法等が挙げられ、これらの方法を、必要に応じ、適宜、
組み合わせて用いることができる。
【0021】水性媒体としては、水が用いられ、得られ
る増粘性ポリマーの物性に悪影響を及ぼさない範囲で親
水性溶媒や添加剤等を水に加えることができる。乳化剤
としては、特に制限はなく、例えば、アニオン系界面活
性剤、ノニオン系界面活性剤、カチオン系界面活性剤、
両性界面活性剤、高分子界面活性剤およびこれらの反応
性界面活性剤等を挙げることができる。
【0022】アニオン系界面活性剤として具体的には、
例えば、ナトリウムドデシルサルフェート、カリウムド
デシルサルフェート、アンモニウムアルキルサルフェー
ト等のアルキルサルフェート塩;ナトリウムドデシルポ
リグリコールエーテルサルフェート;ナトリウムスルホ
リシノエート、スルホン化パラフィン塩等のアルキルス
ルホネート;ナトリウムドデシルベンゼンスルホネー
ト、アルカリフェノールヒドロキシエチレンのアルカリ
金属サルフェート等のアルキルスルホネート;高アルキ
ルナフタレンスルホン酸塩;ナフタレンスルホン酸ホル
マリン縮合物;ナトリウムラウレート、トリエタノール
アミンオレエート、トリエタノールアミンアビエテート
等の脂肪酸塩;ポリオキシアルキルエーテル硫酸エステ
ル塩;ポリオキシエチレンカルボン酸エステル硫酸エス
テル塩;ポリオキシエチレンフェニルエーテル硫酸エス
テル塩;コハク酸ジアルキルエステルスルホン酸塩;ポ
リオキシエチレンアルキルアリールサルフェート塩等の
2重結合を有した反応性アニオン乳化剤等を挙げること
ができ、これらが1種または2種以上使用される。
【0023】ノニオン系界面活性剤として具体的には、
例えば、ポリオキシエチレンアルキルエーテル;ポリオ
キシエチレンアルキルアリールエーテル;ソルビタン脂
肪族エステル;ポリオキシエチレンソルビタン脂肪族エ
ステル;グリセロールのモノラウレート等の脂肪族モノ
グリセライド;ポリオキシエチレンオキシプロピレン共
重合体;エチレンオキサイドと脂肪族アミン、アミドま
たは酸との縮合生成物等を挙げることができ、これらが
1種または2種以上使用される。
【0024】高分子界面活性剤として具体的には、例え
ば、ポリビニルアルコールおよびその変性物;(メタ)
アクリル酸系水溶性高分子;ヒドロキシエチル(メタ)
アクリル酸系水溶性高分子;ヒドロキシプロピル(メ
タ)アクリル酸系水溶性高分子;ポリビニルピロリドン
等を挙げることができ、これらが1種または2種以上使
用される。
【0025】重合開始剤は、熱によって分解し、ラジカ
ル分子を発生させる物質であり、たとえば、過硫酸カリ
ウム、過硫酸アンモニウム、過硫酸ナトリウム等の過硫
酸塩類;2,2’−アゾビス(2−アミジノプロパン)
二塩酸塩、4,4’−アゾビス(4−シアノペンタン
酸)等の水溶性アゾ化合物;過酸化水素等の熱分解系開
始剤;過酸化水素とアスコルビン酸、t−ブチルヒドロ
パーオキサイドとロンガリット、過硫酸カリウムと金属
塩、過硫酸アンモニウムと亜硫酸水素ナトリウム等のレ
ドックス系重合開始剤等を挙げることができ、これらが
1種または2種以上使用される。
【0026】重合温度については、特に限定はなく、好
ましくは0〜100℃、さらに好ましくは40〜95℃
である。重合時間は、特に限定はなく、好ましくは、3
〜15時間である。本発明の増粘剤は、上記増粘性ポリ
マーの粉体を有効成分とするものであるが、あらじめ、
アルカリ性物質を配合しておくことができる。
【0027】増粘剤に配合されるアルカリ性物質として
は、水性媒体の下で増粘性ポリマーを高親水性化させる
ことができるものであればよく、水溶性固体のアルカリ
性物質が好ましい。例えば、水酸化ナトリウム、水酸化
カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、水酸
化カルシウム、セメント等の顆粒や粉体で、粉体のポリ
マーに混合できるものであればよい。
【0028】アルカリ性物質の配合量は、必ずしも限定
されないが、増粘剤を水性媒体と混合して掘削安定液化
したとき速やかに親水化し増粘することを考慮して後述
のような量が好ましい。本発明の増粘剤にはさらに消泡
剤を配合しておくことができ、消泡剤としてはは、粉体
型消泡剤が好ましい。乳化重合で得たポリマーは乳化剤
を含むことが多く、増粘剤を使用した場合に発泡する恐
れがあり、発泡を防ぐために、予め増粘剤に消泡剤を配
合しておくのがよいのである。消泡剤は、固体物質で増
粘剤と混合して悪影響を及ぼさないものであれば、適
宜、配合することができる。例えば、SNデフォーマ7
7−P(サンノプコ(株)製)等の粉体型消泡剤が挙げ
られる。消泡剤の配合量も、必ずしも限定されないが、
掘削安定化を考慮して、後述のような量とすることが好
ましい。
【0029】本発明の増粘剤は粉体であり、吸湿性が低
く、潮解性もないため、紙袋梱包して、貯蔵・保管、運
搬が容易で、簡便に取り扱うことができる。 〔掘削安定液〕本発明に係る掘削安定液は、これをを用
いて掘削穴の内壁面の崩壊を防止しながら地中を掘削す
る工法に使用されるものである。
【0030】本発明の掘削安定液は、水性媒体に溶解し
た上記本発明の増粘剤を含む掘削安定液であって、水性
媒体と、増粘剤を必須成分とし、必要に応じて上述のア
ルカリ性物質および/または消泡剤や、以下に述べる粘
土鉱物やその他の添加剤を含んでいてもよい。増粘剤と
しては、本発明の増粘剤以外を併用してもよい。掘削安
定液に用いられる粘土鉱物は、掘削安定液に基本的な粘
度特性と濾水性とを付与するものである。粘土鉱物とし
ては、たとえば、セピオライト、アタパルジャイト、エ
ントリガイド、ベントナイト、カオリンクレー、モンモ
リロナイト、エクトライト、サポナイト、バイデライ
ト、ゼオライト、パリゴルスカライト、雲母等を挙げる
ことができ、1種または2種以上使用される。これらの
中でも、セピオライト、アタパルジャイト、エントリガ
イド、ベントナイトおよびカオリンクレーから選ばれた
少なくとも1種は、濾水性が高いため、好ましい。
【0031】掘削安定液を構成する増粘剤中の増粘性ポ
リマー成分と粘土鉱物の配合割合は、特に限定はない
が、掘削安定液100重量部中、好ましくは、増粘性ポ
リマー成分0.01〜20重量部および粘土鉱物0.1
〜20重量部であり、さらに好ましくは、増粘性ポリマ
ー成分0.05〜10重量部および粘土鉱物0.5〜1
0重量部である。増粘性ポリマー成分含量が0.01重
量部未満であると、粘度が低く、濾水性が低下する恐れ
がある。他方、増粘性ポリマー成分含量が20重量部を
超えると、掘削安定液の粘度が高くなりすぎて取り扱い
難くなる恐れがある。粘土鉱物が0.1重量部未満であ
ると、濾水性が低下する恐れがある。他方、粘土鉱物が
20重量部を超えると、粘度が高くなりすぎる恐れがあ
る。
【0032】アルカリ性物質の量については、掘削安定
液のpHが6以上となるのに必要な量であれば、特に制
限はないが、好ましくは、上限は、掘削安定液のpHが
13以下となる量である。掘削安定液のpHが6未満で
あると、掘削安定液の粘度が低くなる恐れがある。他
方、掘削安定液のpHが13を超えると、掘削安定液の
濾水性が低下する恐れがある。
【0033】掘削安定液に含まれる水の量については、
特に限定されないが、掘削安定液100重量部中、好ま
しくは80〜99.9重量部、さらに好ましくは90〜
99重量部である。水の量が80重量部未満であると、
掘削安定液の粘度が高くなり過ぎるおそれがある。他
方、99.9重量部を超えると、掘削安定液の粘度が低
くなり過ぎたり、濾水性が低下するおそれがある。
【0034】掘削安定液は、上記各成分以外に、例え
ば、シリコーン系消泡剤や、プロルニック型消泡剤、鉱
物系消泡剤等の消泡剤;ポリアクリル酸系分散剤等の分
散剤;CMC、ポリアクリルアミド、ポリビニルアルコ
ール等の水溶性高分子等の添加剤を配合したものでもよ
い。これらの消泡剤のうちでも、シリコーン系消泡剤お
よびプロルニック型消泡剤から選ばれた少なくとも1種
を配合する好ましく、掘削安定液の製造時や使用時に発
泡が抑制され、取り扱い易くなる。
【0035】消泡剤の配合量については、特に限定はな
いが、掘削安定液100重量部中、好ましくは0.00
1〜3重量部、さらに好ましくは0.01〜1重量部で
ある。消泡剤の配合量が0.001重量部未満である
と、消泡効果がほとんど得られない恐れがある。他方、
消泡剤の配合量が3重量部を超えると、消泡剤が分離し
たり、掘削安定液の性能を損ねたりする恐れがある。
【0036】本発明の掘削安定液の製造については、特
に限定はなく、予め調製しておくことや工事現場等で施
工直前に調製すること等、任意の時点で製造することが
可能であり、上記各成分の配合の順序や段階も、必要に
応じ、適宜、選ぶことができる。例えば、増粘剤と適当
量のアルカリ性物質とをあらかじめ水性媒体に混和した
液を、掘削安定液の製造に時に、粘土鉱物と混合し、ア
ルカリ性物質や水等を加えて所定の濃度に調整すること
もできる。増粘剤を水性媒体に溶解する場合、増粘剤を
水に分散し、次いでアルカリ性物質を添加する方法が最
も「ママコ」になりにくい。
【0037】上記本発明によれば、腐敗しにくく、粘度
が高く、濾水性に優れた掘削安定液を得ることができ
る。本発明の掘削安定液は、掘削穴の内壁面に隔膜を形
成して掘削穴の崩壊を防止しながら地中を掘削する、地
中の掘削工法に使用される。 〔廃泥処理〕掘削安定液を用いて掘削を行った後の安定
液を廃泥と言い、産業廃棄物となるため処理して廃棄し
なければならない。この時最も困難とされるのは、廃泥
からの脱水処理で、流動性の高い廃泥をトラック等で運
搬できる固形状態等にする行程である。脱水は、フィル
タープレス等により行うことが多いが、安定液の性質上
大変水分をしぼりにくい為、脱水行程が困難となってい
る。このため、通常は、凝集剤添加による凝集処理を行
い粘土粒子を凝集させてフィルタープレスにかけること
を行っているが、安定液用増粘剤として通常用いられて
いるCMCを使用している場合は、効果的に凝集剤が効
かないため、凝集剤を必要以上投入しなければならな
い。
【0038】これに対し、本発明の掘削安定液は、増粘
剤として、アルカリ性物質により親水性が高まる基を有
しているポリマーを使用しているため、特にカチオン系
の凝集剤が効率的に効き、凝集剤の少量添加によりフィ
ルタープレスを用いた廃泥の脱水が難なく行える。これ
は、アルカリで溶解した本発明の増粘剤は、アニオン電
荷を帯びているためにカチオン系の凝集剤と効率的に吸
着し、増粘剤同士のイオン架橋を起こし、増粘性が無く
なるため、および、イオン架橋した増粘剤が、ベントナ
イトなどの粘土粒子をフロック状に凝集させるためであ
る。
【0039】カチオン系凝集剤としては、多価金属カチ
オンを発生させる無機系凝集剤、水溶性カチオンポリマ
ー等の高分子系凝集剤等があり、この中でも硫酸アルミ
ニウム、アルミン酸ナトリウム塩化アルミニウム、硫酸
第一鉄、塩化第二鉄、塩化カルシウム、水酸化カルシウ
ム等の無機系凝集剤の効果が高い。また、これらの凝集
剤を2種類以上併用することもできる。
【0040】
【実施例】以下に、本発明の実施例と比較例とを示す
が、本発明は下記実施例に限定されない。以下では、
「%」は「重量%」、「部」は「重量部」のことであ
る。製造例1〜5で得られた増粘剤(1)〜(5)を、
それぞれ、実施例1〜5に用いた。比較製造例で得られ
た比較用増粘剤を比較例3に用いた。 〔製造例1〕次の方法で、アルカリ増粘性ポリマーを含
有するエマルションを調製した。
【0041】滴下ロート2基、攪拌機、窒素ガス導入
管、温度系および冷却器を備えたフラスコに、イオン交
換水227部およびハイテノールN−08(第一工業製
薬(株)製)4部を仕込み、72℃で攪拌しながらハイ
テノールN−08を完全に溶解させた。ハイテノールN
−08を含む水溶液を72℃に保ちながら、フラスコ内
を窒素ガス置換した後、予め調製しておいたメタアクリ
ル酸105部およびアクリル酸メチル195部および
1.6%ハイテノールN−08水溶液300部からなる
プレエマルション混合物のうちの30部を投入し、5分
間攪拌した。次いで、5%過硫酸カリウム水溶液1部お
よび1%過硫酸アンモニウム水溶液4部を投入し、72
℃に保ちながら20分間攪拌を続け、初期重合を行っ
た。初期重合を終えたフラスコ内に、プレエマルション
混合物の残り570部を2時間かけて滴下した後、80
℃に昇温して1時間攪拌を続け、重合を終了した。重合
を終えた反応混合物を冷却して、不揮発分濃度30.8
%のアルカリ増粘性ポリマーを含有するエマルションを
得た。
【0042】得られたエマルション100部をナス型フ
ラスコにとり、エマルションの入ったフラスコを液体窒
素で冷却された断熱容器中で回転させながら、エマルシ
ョンをフラスコの内壁に凍結させた。次に、エマルショ
ンが凍結したフラスコを凍結乾燥機にセットし、減圧下
で6時間乾燥した。凍結乾燥したエマルションは粉体と
なり、増粘剤(1)として、粒度が数μm以下の粉体3
0部を得た。 〔製造例2〕製造例1で得た増粘剤(1)30部に無水
炭酸ナトリウム2.6部を加え、よく混合して、増粘剤
(2)32.6部を得た。 〔製造例3〕製造例1で得た増粘剤(1)30部に無水
炭酸ナトリウム2.6部、および消泡剤であるSNデフ
ォーマー77−P(サンノプコ(株)製)48部を加
え、よく混合して、増粘剤(3)80.6部を得た。 〔製造例4〕製造例1で調製した乾燥前のエマルション
150部を攪拌しながら、凝集剤として10%塩化カル
シウム水溶液10部を加え、エマルション全体を凝集さ
せた。凝集した塊の上澄み液を捨て、イオン交換水10
0部を加えてよく練った後、静置し生じた上澄み液を捨
てた。このイオン交換水による洗浄操作を数回繰り返し
た。洗浄を終えた塊を乳鉢にとり、乳棒を用いて2〜3
mmの大きさに砕いた。減圧乾燥機を用い解砕した粒状
物を減圧下常温で乾燥した後、乳鉢で擂り潰し、篩で分
級して粒度300μm以下の粉体である増粘剤(4)2
0部を得た。 〔製造例5〕製造例1で得られた乾燥前のエマルション
150部をスプレードライヤーを用いて乾燥した後、乳
鉢で擂り潰し、篩で分級して粒度300μm以下の粉体
である増粘剤(4)20部を得た。 〔比較製造例〕製造例1で得られた増粘剤(1)50部
を乳鉢にとり、乳棒で攪拌しながら霧吹きを用いてイオ
ン交換水約1部をふりかけ、攪拌を続けていると、微細
な粉体が凝集して一旦数個の固まりができた。そのまま
固まりを乳棒で突き崩しながら攪拌を続け、数mm以下
の粉粒状になるまで粉砕した。得られた粒状体を乾燥し
た後、篩で分級して粒度700〜1000μmの比較用
増粘剤を得た。 〔実施例1〕ステンレスカップに水道水600部にベン
トナイトであるクニゲル(クニミネ工業(株)製)18
部と増粘剤(1)1.2部の混合物を加え、さらにシリ
コン系消泡剤であるノプコ8034L(サンノプコ
(株)製)0.6部を加えた後、速直ちにハミルトンビ
ーチミキサーを用い回転速度1200rpmで攪拌しな
がら、0.1N水酸化ナトリウム水溶液1.5部を加
え、15分間攪拌した。攪拌後24時間放置した後、再
度ハミルトンビーチミキサーを用いて15分間攪拌し
て、掘削安定液を得た。得られた掘削安定液について、
AMERICAN PETROLEUM INSTIT
UTE(API)の試験方法に準拠して、ファンネル粘
度および濾水量を以下の方法で測定した。結果を表1に
示す。 <ファンネル粘度>漏斗型のファンネル粘度計に上記の
掘削安定液を500ml採り、その全量が流出するまで
の時間を測定した。 <濾水量>濾水量測定装置のシリンダー(内径76.2
mm)内に安定液を290ml入れ、直径9cmの東洋
濾紙No.4を置き、ドレン付きの蓋をセットする。シ
リンダーを所定位置に固定し、メスシリンダーをセット
した後に窒素ガスボンベをもちいてシリンダー内に圧力
(3kg/cm2)をかけ、30分間に流出する水の量
(ml)をメスシリンダーで測定した。 〔実施例2〕増粘剤(1)の代わりに製造例2で得た増
粘剤(2)1.3部を用い、0.1N水酸化ナトリウム
水溶液を加えなかったこと以外は、実施例1と同様にし
て、掘削安定液を得た。 〔実施例3〕増粘剤(1)の代わりに製造例3で得た増
粘剤(3)4.0部を用い、シリコン系消泡剤および
0.1N水酸化ナトリウム水溶液を加えなかったこと以
外は、実施例1と同様にして、掘削安定液を得た。 〔実施例4〕増粘剤(1)の代わりに製造例4で得た増
粘剤(4)1.2部を用いたこと以外は、実施例1と同
様にして、掘削安定液(4)を得た。 〔実施例5〕増粘剤(1)の代わりに製造例5で得た増
粘剤(5)1.2部を用いたこと以外は、実施例1と同
様にして、掘削安定液(5)を得た。 〔実施例6〕ステンレスカップに、イオン交換水600
mlと、ベントナイトであるクニゲルVI(クニミネ工
業(株)製)18gと、掘削安定液の最終総量600m
lに対し固形分で0.2重量%となるように計量した増
粘剤(1)を加え、さらにシリコーン系消泡剤であるノ
プコ8034L(サンノプコ(株)製)を総量の0.1
%加え、速やかにハミルトンビーチミキサーを用いて回
転速度1200rpmで25分間攪拌し、次に凝集剤を
添加しない及び、さらに硫酸バンドまたは、塩化カルシ
ウムを固形分で、それぞれ、0.5重量%となるように
加え、さらに、5分間攪拌し、凝集処理した比較用安定
液を得た。そのファンネル粘度および濾水量を測定し、
結果を表2に示す。 〔比較例1〕ステンレスカップに水道水600部を採
り、クニゲル(クニミネ工業(株)製)18部とセルロ
ーズDS−P((株)テルナイト製)1.2部との混合
物を加え、直ちにハミルトンビーチミキサーを用いて回
転速度1200rpmで攪拌し、15分間攪拌状態を保
持した。攪拌後24時間放置した後、再度ハミルトンビ
ーチミキサーを用いて15分間攪拌して、掘削安定液を
得た。 〔比較例2〕比較例1のテルセルローズDS−Pの代わ
りに、テルポリマー30((株)テルナイト製)1.8
部を用いたこと以外は、比較例1と同様にして、掘削安
定液を得た。 〔比較例3〕増粘剤(1)の代わりに比較製造例1で得
た比較用増粘剤1.2部を用いたこと以外は、実施例1
と同様にして、掘削安定液(4)を得た。 〔比較例4〕イオン交換水600mlと、ベントナイト
であるクニゲルVI(クニミネ工業(株)製)18g
と、掘削安定液の最終総量600mlに対し固形分で、
0.3重量%となるように計量したテルポリマーTP−
30((株)テルナイト製)とをステンレスカップに加
え、速やかにハミルトンビーチミキサーを用いて回転速
度1200rpmで25分間攪拌し、次に凝集剤を添加
しない及び、さらに硫酸バンドまたは、塩化カルシウム
を固形分で、それぞれ、0.5重量%となるように加
え、さらに、5分間攪拌し、凝集処理した比較用安定液
を得た。そのファンネル粘度および濾水量を測定し、結
果を表2に示す。 〔参考例〕ステンレスカップに水道水596部、シリコ
ン系消泡剤であるノプコ8034L(サンノプコ(株)
製)0.6部および製造例1で得られたエマルション
4.1部を採り、これにクニゲル(クニミネ工業(株)
製)18部を加え、直ちにハミルトンビーチミキサーを
用いて回転速度1200rpmで攪拌し、15分間攪拌
状態を保持した。攪拌後24時間放置した後、再度ハミ
ルトンビーチミキサーを用いて15分間攪拌して、掘削
安定液を得た。
【0043】
【表1】
【0044】
【表2】
【0045】
【発明の効果】本発明に係る掘削安定液用増粘剤は、水
性媒体の下でアルカリ性物質により容易に親水化して湿
潤し速やかに溶解するために、水性媒体に混和する際に
「ママコ」が生じにくく、比較的攪拌動力の小さい簡便
な攪拌機で水性媒体に溶解して用いることができる。こ
のため、上記本発明に係る固化用増粘剤は、所謂、掘削
安定液にとどまらず、広く泥状物を増粘させることの必
要な工法に用いることができる。
【0046】本発明に係る掘削安定液は、増粘剤の少な
くとも一部として上記本発明に係る掘削安定液用増粘剤
を用いているので、粘度が高く濾水性に優れ、かつ、腐
敗しにくい。本発明に係る掘削工法は、上記本発明の掘
削安定液用増粘剤を含む安定液を用いて実施するので、
作業性が良い。
【0047】本発明に係る掘削安定液用増粘剤の処理方
法は、カチオン系凝集剤を添加するだけで、効率良く、
廃棄を行うことができる利点を有する。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C09K 17/22 C09K 17/22 P E21D 9/06 301 E21D 9/06 301S // C09K 103:00 109:00 Fターム(参考) 2D054 AC05 DA12 DA33 DA35 4D059 AA09 AA30 BE16 BE55 BE56 BE57 BJ00 DA05 DA07 DA16 DA17 DA23 DA24 DB11 4H026 CB02 CB08 CC06

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ポリマーの粉体を含む掘削安定液用増粘剤
    であって、前記ポリマーが、水性媒体の存在下でアルカ
    リ性物質に接したとき親水性が高まる基を有する重合性
    単量体を含有する単量体成分を重合してなるポリマーで
    あることを特徴とする、掘削安定液用増粘剤。
  2. 【請求項2】前記親水性が高まる基が、カルボキシル
    基、スルホン酸基、フェノール性水酸基、リン酸基、容
    易に加水分解して酸基が生成するカルボン酸エステル
    基、リン酸エステル基、および、硫酸エステル基よりな
    る群から選ばれる1種または2種以上の基である、請求
    項1に記載の掘削安定液用増粘剤。
  3. 【請求項3】前記重合が乳化重合である、請求項1また
    は2に記載の掘削安定液用増粘剤。
  4. 【請求項4】アルカリ性物質の粉体が更に配合されてな
    る、請求項1から3までのいずれかに記載の掘削安定液
    用増粘剤。
  5. 【請求項5】粉体型消泡剤が更に配合されてなる、請求
    項1から4までのいずれかに記載の掘削安定液用増粘
    剤。
  6. 【請求項6】請求項1から5までのいずれかに記載の掘
    削安定液用増粘剤を含有する掘削安定液。
  7. 【請求項7】粘土鉱物が更に配合されてなる、請求項6
    に記載の掘削安定液。
  8. 【請求項8】増粘剤を含有する掘削安定液を用いる掘削
    工法において、前記増粘剤の少なくとも一部として、請
    求項1から5までのいずれかに記載の掘削安定液用増粘
    剤を用いることを特徴とする、掘削工法。
  9. 【請求項9】請求項1から5までのいずれかに記載の掘
    削安定液用増粘剤を含有する廃泥を廃棄する際に処理す
    る方法であって、前記廃泥にカチオン系凝集剤を添加す
    ることを特徴とする、掘削安定液用増粘剤の処理方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2002088273A1 (fr) * 2001-04-27 2002-11-07 Nippon Shokubai Co., Ltd. Epaississeur de boues d'excavation, boues d'excavation utilisant l'epaississeur, et procede de realisation de pieux souterrains coules sur place et procede de realisation de murs continus souterrains au moyen de boues d'excavation
WO2005035686A1 (ja) * 2003-10-07 2005-04-21 Kao Corporation 界面活性剤組成物
JP2009249860A (ja) * 2008-04-02 2009-10-29 Taisei Corp 地盤改良用粒状材料の製造方法
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