JP2005154642A - 発光体材料およびその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 入手しやすい材料を用い、安価な発光体材料を提供する。また、発光体材料を簡単な装置で製造できる方法を提供する。
【解決手段】 少なくとも酸化亜鉛を含む酸化物半導体が、絶縁性酸化物で被覆されていることを特徴とする発光体材料である。酸化物半導体は、さらに酸化チタンを含む発光体材料である。
少なくとも酸化亜鉛を含む酸化物半導体を、絶縁性酸化物で被覆し、さらに少なくとも200℃の温度で熱処理することを特徴とする発光体材料の製造方法である。
【選択図】 図1

Description

この発明は、酸化亜鉛を含む発光体材料、およびその製造方法に関する。
従来から紫外線、電子線もしくは電界による励起で可視光を放射する発光体材料が、多く開発されている。これら発光体材料を用いて、ブラウン管(CRT)や蛍光ランプが実用に供されている。近年では、フラットパネルディスプレイとして有望なEL素子や、小型で高い輝度の特長をもつ蛍光表示管(VFD)の開発が、盛んに行われている。
例えば、発光体材料として酸化亜鉛(ZnO)を用い、緑色や青色に発光する発光素子の可能性が指摘されており、盛んに研究が行われている。
特開2002−76025号公報には、「基板上に目的とするZnO系酸化物半導体層の成長温度より低温で酸素を含む材料源を供給することによりZnO系酸化物半導体からなるバッファ層を成長し、ついで酸素の供給を止めてから目的とするZnO系酸化物半導体の成長温度まで基板温度を上昇させ、その後酸素を含む材料源を供給することによりZnO系酸化物半導体を成長することを特徴とするZnO系酸化物半導体層の成長方法」が開示されている。
特開2002−298753号公報には、「基板上に、酸化亜鉛微粒子からなる前駆体膜を形成させたのち、この酸化亜鉛微粒子のバンドギャップよりも高いエネルギーを有し、かつ5〜500mJ/cm2の範囲内で、膜厚が薄い場合は小さく、また膜厚が厚い場合には大きくなるように制御されたエネルギー密度をもつ活性線を照射して薄膜状発光素子を製造する」方法が開示されている。
さらに、特開平8−236275号公報には、「酸化亜鉛(ZnO)、希土類元素および酸化亜鉛中で1価のイオンとなる電荷補償材とを、希土類元素の添加濃度が0.1〜5モル%となるように混合し、不活性雰囲気中で熱処理して形成される発光材料」が開示されている。
また、青色顔料ではあるが、特開平5−59358公報には、「青色発光蛍光体の表面に付着するための、CoO・ZnO・SiO2系青色顔料の製造方法において、コバルトと亜鉛を含む水溶液にアルカリ水溶液を添加し、コバルトと亜鉛を水酸化物として共沈させ、有機溶媒で水を置換した後、加水分解により酸化珪素を沈殿の表面に沈着し、焼成することを特徴とする蛍光体用青色顔料の製造方法」が開示されている。
特開2002−76025号公報 特開2002−298753号公報 特開平8−236275号公報 特開平5−59358公報
しかし、特開2002−76025号公報に記載の技術では、高真空を必要とするMBE(Molecrlar Beam Epitaxy)装置を用いており、これは高価な装置である。また、特開2002−298753号公報に記載の技術でも、エキシマレーザなどのレーザ装置を必要としている。
また、特開平8−236275号公報に記載の技術では、ZnOのほかに希土類元素などを必要としている。
そこで、本発明の目的は、入手しやすい材料を用い、安価な発光体材料を提供することにある。また、発光体材料を簡単な装置で製造できる方法を提供する。
上記の目的を達成するために、本発明の発光体材料は、請求項1に記載の発明として、
少なくとも酸化亜鉛を含む酸化物半導体が、絶縁性酸化物で被覆されていることを特徴とする発光体材料である。
請求項2に記載の発明として、
前記酸化物半導体は、さらに酸化チタンを含む請求項1に記載の発光体材料である。
請求項3に記載の発明として、
前記絶縁性酸化物がシリカである請求項1または2に記載の発光体材料である。
請求項4に記載の発明として、
前記発光体材料の形状が鱗片状である請求項1〜3のいずれか1項に記載の発光体材料である。
請求項5に記載の発明として、
少なくとも酸化亜鉛を含む酸化物半導体を、絶縁性酸化物で被覆し、さらに少なくとも200℃の温度で熱処理することを特徴とする発光体材料の製造方法である。
本発明による発光体材料は、市販されている材料を用い、しかも簡便な方法で製造することができる。このため、安価な発光体材料を提供することができる。
また、本発明による発光体材料は、構造が単純な酸化物から構成されているので、電子線、イオン、真空紫外線などエネルギー線の照射や熱処理、さらには外部環境によって劣化することが少なく、安定な発光体材料である。
さらに、本発明による発光体材料を蛍光体として用いることも可能である。
以下、この発明の実施形態について、詳細に説明する。
本発明に用いられる主な酸化物半導体はZnOである。このZnOとしては、市販のZnO粒子を用いることができる。
本発明において、酸化物半導体を被覆する絶縁性酸化物としては、所定の光に対して透明であることが好ましく、シリカ(SiO2)やアルミナ(Al23)を例示できる。
図1は、本発明による発光体材料の断面を模式的に表した図である。この場合、酸化物半導体としてZnOのみを用いている。発光体材料1は、酸化物半導体2(ZnO21)を絶縁性酸化物3(SiO2)で被覆したものである。
酸化物半導体を絶縁性酸化物にて被覆すると、その理由は定かではないが、発光強度を強くできることを、本発明者は見いだしたのである。
本発明に用いられる酸化物半導体として、ZnOに加えて、ZrO2,KTaO3,SrTiO3,TiO2,Nb25,Fe23,WO3,SnO2等を組み合わせることもできる。これらのうち、安価で入手しやすく、さらに可視領域に発光をもつTiO2,Nb25,Fe23,WO3,SnO2を組み合わせることが好ましく、TiO2が最も好ましい。
図2は、本発明の別形態による発光体材料の断面を模式的に表した図である。この場合、酸化物半導体としてZnOとTiO2を用いている。発光体材料1は、酸化物半導体であるZnO粒子21とTiO2を絶縁性酸化物3で被覆したものである。
このように酸化物半導体として、ZnOと、さらに上述した少なくとも1種類の酸化物半導体とを混合すると、発光強度が向上するため好ましい。特に、ZnOと他の酸化物半導体とが、接触した状態で発光体材料を構成していることが好ましい。
ZnOと他の酸化物半導体とが接触していると、その理由は定かではないが、発光強度をより強くできることを、本発明者は見いだしたのである。
また、酸化物半導体の形状は、特に限定されるものではなく、針状、球状、多角形状、鱗片状やその他不定形の粒子を用いることができる。
酸化物半導体の平均粒径は、その値が1nm〜20μmであることが好ましい。平均粒径が1nm未満の場合は、製造コストが極端に高くなり現実的でなく、絶縁性酸化物中での分散も困難になる。一方、20μmを超えると、均一な発光体層の形成が困難になる。
発光体材料として、2種類以上の酸化物半導体を含む場合、それぞれの粒径比が異なっていることが好ましい。特に、平均粒径で、最も大きな酸化物半導体の粒子群と、最も小さな酸化物半導体の粒子群との粒径比が、10倍以上であることが好ましい。粒径比が10倍未満であると、異なる酸化物半導体の粒子群との間で、接触部分が少なくなるため、発光体材料として発光強度が向上しなくなる。具体的には、平均粒径の大きな酸化物半導体がZnOであり、平均粒径の小さな酸化物半導体がTiO2である。
また、2種類以上の酸化物半導体の粒子群における好ましい混合比は、存在する粒子の粒径比によって異なる。例えば、粒径比が10:1である2種類の酸化物半導体の粒子群を混合する場合、平均粒径の小さな粒子群が全酸化物半導体中の10〜50体積%存在することが好ましい。10体積%以下であると、2種類の酸化物半導体の接触部分が少なくなるため、発光強度の向上が少なく、50体積%以上存在すると小さな粒子群が過剰となる。理想的には、平均粒径の大きな粒子群を、平均粒径の小さな粒子群で完全に被覆する量が最も好ましい(図2参照)。
発光体材料中の酸化物半導体の量は、全体に対して30〜95体積%であることが好ましく、さらには50〜90体積%がより好ましい。30体積%未満であると、酸化物半導体の量が少なくなるので、発光強度が低下する。また、95体積%を超えると、絶縁性酸化物で酸化物半導体を充分に被覆できなくなるので、発光強度が低下する。
本発明による発光体材料は、2種類以上の酸化物半導体を絶縁性酸化物で被覆できる方法によって製造することができる。例えば、ゾルゲル法等によって絶縁性酸化物を形成する溶液に、2種類以上の酸化物半導体を撹拌機やホモミキサー等を用いて均一に分散し、絶縁性酸化物を形成すると同時に、酸化物半導体を含有させる方法等が挙げられる。酸化物半導体は、絶縁性酸化物を形成するときにゾルゲル法や共沈法によって同時に作製してもよい。
具体的には、
(1)加水分解および縮重合可能な有機金属化合物(珪素、アルミニウムの有機化合物)と水を含む溶液に、酸化物半導体を添加分散し、これを乾燥する方法、
(2)加水分解および縮重合可能な有機金属化合物(珪素、アルミニウムの有機化合物)と水を含む溶液に、酸化物半導体を形成できる(Ti、Nb、Zn、Fe、W、Snの)アルコキシド、アセチルアセトン化合物、シュウ酸化合物、硫酸化合物、ハロゲン化物等を添加溶解し、乾燥する方法、
等が例示できる。
また、金属塩から酸化物を析出させる方法、ゾルゲル法、CVD法、液相析出(LPD)法などの公知の方法で、酸化物半導体を被覆してもよい。例えば、以下の方法において、粉状体として酸化物半導体の粒子を適用すればよい。
金属塩から酸化物を析出させる方法としては、特公昭46−9555号公報に示されたように、ケイ酸ナトリウム(水ガラス)をアルカリ環境下で粉状体スラリーに添加し、粉状体表面にシリカを析出させる方法を例示できる。
ゾルゲル法としては、特公昭48−32415号公報や特開平3−54126号公報に示されたように、粉状体とテトラアルコキシシランとの混合物を塩基性溶液中またはアルカリ性溶液中に投入し、テトラアルコキシシランの加水分解により粉状体表面にシリカ皮膜を形成する方法を例示できる。
LPD法としては、特開平3−66764号公報に示されたようにケイフッ化水素酸溶液中に粉状体を懸濁させ、ホウ酸やアルミニウムを添加したり温度を上昇させたりして平衡をずらし、粉状体にシリカ皮膜を形成する方法を例示できる。
発光体材料は、粉体状や板状など、どのような形状に成形してもよい。なお、塗布溶液としてこの発光体材料を含ませ、コーティングによって発光体を得ることを考慮すると、鱗片状に成形することが好ましい。
発光体材料を鱗片状に形成する場合、平均厚さ0.3〜5μm、平均粒径5〜120μmであって、アスペクト比(平均粒径/平均厚さ)7〜120であることが好ましい。
平均厚さが0.3μm以下のもの、または平均粒径が5μm以下のものは製造が困難であり、現実的ではない。また、発光体材料中における酸化物半導体の含有量を高めることが困難になる。
一方、平均厚さが5μmまたは平均粒径が120μmを越えると、この発光体材料を含む塗布溶液を構成したとき、その塗布性が悪くなる。
また、アスペクト比が7以下であると発光体の面方向への並びが悪くなり、スペクト比が120以上では、鱗片状粉体の強度が不足して破砕され易くなり、平均粒径が維持されなくなる。
鱗片状に形成する方法は、加水分解および縮重合可能な有機金属化合物と水に酸化物半導体を添加分散した溶液、または加水分解および縮重合可能な有機金属化合物と水および酸化物半導体を形成できる化合物を添加溶解した溶液を、好ましくは表面が平滑な基材の表面上に塗布し、乾燥して基材から剥離させて得る方法が例示できる。
本発明による製造方法の特徴は、上述した方法によって作製された発光体材料を、少なくとも200℃で熱処理することである。この熱処理によって、発光体材料を緻密化、結晶化することができる。より好ましい熱処理温度としては、500℃以上である。高い温度で熱処理するほど、酸化亜鉛粒子の結晶化が進行して、発光強度が向上する。
本発明の発光体材料は、陰極線管(CRT)、プラズマ表示装置(PDP)、真空蛍光表示装置(VFD)、光ダイオード発光装置(LED)、電気蛍光表示装置(EL)、電界放出型表示装置(FED)などに代表される表示装置に使用することができる。また、各種ランプ用蛍光体としても使用することができる。
以下、実施例および比較例により、この発明をさらに具体的に説明する。なお、この発明の要旨を越えない限り、以下の実施例に限定されるものではない。
(実施例1)
市販の酸化亜鉛粒子(商品名:酸化亜鉛 1種、ハクスイテック(株)製、粒子径約0.3μm) 38g、2−プロパノール 77g、精製水 77gをホモジナイザーにて混合し、ゾル液Aを作製した。また、0.2モル/m3(規定)の硝酸 52g、シリコンテトラメトキシド 30g、2−プロパノール 77gを、ホモジナイザーにて混合してゾル液Bを作製した。このゾル液Bに、前記ゾル液Aを加えてホモジナイザーにて混合し、50℃で約15時間養生して塗布液とした。
この塗布液に、表面を研磨して平滑にした厚さ0.5mmのステンレス板を浸漬し、約30cm/minの速度で引き上げて、ステンレス板に塗布液を塗布した(ディップコート法)。これを120℃で乾燥して、形成されたゲル膜を剥離し粉砕した。
こうして、酸化物半導体である酸化亜鉛粒子が、絶縁性酸化物であるシリカで被覆された発光体材料を得た。この発光体材料の形態は、鱗片状粉体であり、平均厚さ0.7μm、平均粒径約10μmであった。
化学分析の結果、酸化亜鉛の含有量は、約77質量%であった。この値について、酸化亜鉛の比重を5.6、シリカの比重を2.2として換算したところ、酸化亜鉛の含有量は、約56体積%であった。
(実施例2)
実施例1で得られた鱗片状粉体を、1000℃で3時間熱処理した。化学分析の結果は実施例1とほぼ同様であった。
(実施例3)
実施例1と同様にして、市販の酸化亜鉛粒子(商品名:酸化亜鉛 1種、ハクスイテック(株)製、粒子径約0.3μm) 33g、2−プロパノール 67g、精製水 67gをホモジナイザーにて混合し、ゾル液Aを作製した。また、市販の含水酸化チタンコロイド TiO(OH)2(商品名:チタニアゾルCS−N、石原産業(株)製、二酸化チタン換算含有量約30質量%、粒子径約30nm、水分散) 17g、0.2モル/m3(規定)の硝酸 52g、シリコンテトラメトキシド 30g、2−プロパノール 85gをホモジナイザーにて混合してゾル液Bを作製した。このゾル液Bに、前記ゾル液Aを加えてホモジナイザーにて混合し、50℃で約15時間養生して塗布液とした。
この塗布液に、表面を研磨して平滑にした厚さ0.5mmのステンレス板を浸漬し、約30cm/minの速度で引き上げた。これを120℃で乾燥して、形成されたゲル膜を剥離し粉砕し、さらに1000℃で3時間熱処理した。
こうして、酸化物半導体である酸化亜鉛粒子が、絶縁性酸化物であるシリカで被覆された発光体材料を得た。この発光体材料の形態は、鱗片状粉体であり、平均厚さ0.7μm、平均粒径約10μmであった。
化学分析の結果、酸化亜鉛の含有量が約67質量%、酸化チタンの含有量約10質量%であった。この値について、実施例1と同様、酸化亜鉛の比重を5.6、シリカの比重を2.2として換算したところ、酸化亜鉛の含有量が約48体積%、酸化チタンの含有量約10体積%で、全体に占める酸化物半導体の含有量は約58体積%であった。また、粒径の小さな酸化チタンが全粒子中に占める割合は約18体積%であった。
(実施例4)
実施例3で得られた鱗片状粉体を、1000℃で3時間熱処理した。化学分析の結果は実施例3とほぼ同様であった。
(比較例1)
実施例1で使用した市販の酸化亜鉛粒子30gを、そのまま発光評価に供した。
(比較例2)
実施例1で使用した市販の酸化亜鉛粒子30gを、1000℃で3時間熱処理して、発光評価に供した。
実施例1〜4および比較例1〜2で作製した発光体について、下記の試験を行った。試験の結果を表1にまとめて示す。
〔発光評価〕
上述のように作製した各発光体材料 2.5gを、内径1cmの円筒状の金属容器に詰め込み、20MPaでプレスし、ペレット状に成形した。成形されたペレットの厚さは、いずれも約2mmであった。このペレットを、(株)エイコー・エンジニアリング製IB−3型イオンコーターの下部電極上にセットし、上部電極にある金ターゲットをセットして、13.33Pa(0.1Torr)の減圧下で、上下電極間に電源を接続したところ、2mAの電流が流れた(図3参照)。また、各発光体材料の発光状態を目視にて観察し、発光色とその発光強度を相対的に評価した。
図3において、イオンコーター4は、本体41上に設けられたガラス製チャンバー42内に、下部電極43と上部電極44が設けられており、本体41内の電源に接続されている。下部電極43上には発光体ペレット11がセットされ、上部電極44には金ターゲット45がセットされている。ガラス製チャンバー42内は、図示しない排気ポンプにて減圧されている。
(表1)
───────────────────────────────
酸化物半導体 熱処理 発光状態
色 強度
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
実施例1 ZnO なし 青 やや強い
実施例2 ZnO 1000℃-3h 青 強い
実施例3 ZnO+TiO2 なし 青 やや強い
実施例4 ZnO+TiO2 1000℃-3h 青 かなり強い
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
比較例1 ZnO なし 緑 かなり弱い
比較例2 ZnO 1000℃-3h 緑 弱い
───────────────────────────────
上記実施例の結果から、本発明による発光体材料は、減圧下で電圧を印加することにより、発光することが確認できた。また、比較例に比べて明らかに、発光強度が強いことが分かる。
実施例1および実施例3と比較例1との対比から、酸化亜鉛のみでは発光強度が弱く、酸化亜鉛をシリカで被覆すると、発光強度が強くなっていることが分かる。
また、実施例2と実施例4との対比から、酸化物半導体として、酸化亜鉛と酸化チタンを混合すると、さらに発光強度が強くなっていることが分かる。
さらに、実施例2と実施例4との対比から、この発光体材料を、1000℃で熱処理することによって、より発光強度が強くなっていることが分かる。
また、本発明による発光体材料の形状を鱗片状とし、この発光体材料を含むコーティング液を調製し、基体表面に塗布すると、均一な膜状の発光体を構成することができる。この基体として、ガラス板、繊維、クロス、不織布、ビーズ等を挙げることができる。
また、上述の説明から、以下の発明が把握される。
前記酸化亜鉛と前記酸化チタンとの平均粒径比をDZn/DTiとしたとき、
Zn/DTi ≧ 10である発光体材料である。
前記酸化物半導体全体に占める前記酸化チタンの体積比が、10〜50体積%である発光体材料である。
前記発光体材料全体に占める前記酸化物半導体の体積割合が、30〜95体積%である発光体材料である。
本発明による発光体材料の断面模式図である。(ZnOのみ) 本発明の別形態による発光体材料の断面模式図である。(ZnO+TiO2 イオンコーターを説明する図である。
符号の説明
1:発光体材料
11:発光体ペレット
2:酸化物半導体
21:ZnO粒子
22:TiO2粒子
3:絶縁性酸化物
4:イオンコーター
41:イオンコーター本体
42:ガラス製チャンバー
43:下部電極
44:上部電極
45:Auターゲット

Claims (5)

  1. 少なくとも酸化亜鉛を含む酸化物半導体が、絶縁性酸化物で被覆されていることを特徴とする発光体材料。
  2. 前記酸化物半導体は、さらに酸化チタンを含む請求項1に記載の発光体材料。
  3. 前記絶縁性酸化物がシリカである請求項1または2に記載の発光体材料。
  4. 前記発光体材料の形状が鱗片状である請求項1〜3のいずれか1項に記載の発光体材料。
  5. 少なくとも酸化亜鉛を含む酸化物半導体を、絶縁性酸化物で被覆し、さらに少なくとも200℃の温度で熱処理することを特徴とする発光体材料の製造方法。
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