JP2005153576A - 車両用空調装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 エバポレータで発生した凝縮水のもつエネルギを有効利用する。
【解決手段】 空調ユニット11内に収容されたエバポレータ6と、エバポレータ6で発生した凝縮水を空調ユニット11の外側に排出する排水経路41,51と、凝縮水が有する低温の熱を蓄冷または放冷する蓄冷器31と、低温の熱を蓄冷する排水経路41内の蓄冷位置からエバポレータ6を通過した空気に対して放冷する放冷位置に蓄冷器31を移動させる移動手段34とを備える。
【選択図】図1

Description

本発明は、エバポレータで発生した排水を有効利用するようにした車両用空調装置に関する。
従来より、エバポレータなどの熱交換器を有する車両用空調装置においては、空調ユニット内に取り込まれた空気がエバポレータを通過して冷却され、空気温度が露点温度に達して凝縮水が発生する。発生した凝縮水は、空調ユニットの下方に設けられた排水口を介し、車外に排出される。この種の車両用空調装置に関する先行技術文献としては以下のものがある。
特開平8−40052号公報 特開平9−76727号公報
しかしながら、エバポレータで発生した凝縮水は比較的低温であるにも拘わらず、従来はこの凝縮水を何ら有効利用することなく車外に排出していたため、非効率的であった。
本発明による車両用空調装置は、空調ユニットケース内に収容されたエバポレータと、エバポレータで発生した凝縮水を空調ユニットケースの外側に排出する排水経路と、排水経路内の蓄冷位置で凝縮水が有する低温の熱を蓄冷し、エバポレータ下流の放冷位置でエバポレータを通過した空気に対して放冷する蓄冷器と、排水経路内の蓄冷位置からエバポレータ下流の放冷位置に蓄冷器を移動させる移動手段とを備えることを特徴とする。
本発明によれば、エバポレータで発生した凝縮水が有する低温の熱を蓄冷器に蓄冷し、この蓄冷器をエバポレータ下流に移動してエバポレータを通過した空気に対して放冷するようにしたので、エバポレータ通過後の空気を冷却することができ、凝縮水の有する熱エネルギを有効利用することができる。
−第1の実施の形態−
以下、図1〜図5を参照して本発明による車両用空調装置の第1の実施の形態について説明する。
図1は、本発明の第1の実施の形態に係わる車両用空調装置の概略構成を示す図である。車両用空調装置は冷媒ユニット1と空調ユニット11から構成される。冷媒ユニット1は、コンプレッサ2とコンデンサ3とリキッドタンク4と膨張弁5とエバポレータ6とこれらを接続する配管8とにより周知の冷凍サイクルを形成する。コンデンサ3の前面には冷却ファン7が配設される。コンプレッサ2はエンジンにより駆動され、コンプレッサ2の駆動により冷媒が圧縮される。圧縮された冷媒は、コンデンサ3,リキッドタンク4、膨張弁5、エバポレータ6を順次通過し、コンプレッサ2に戻る。
空調ユニット11の入口にはブロアファン13が配設され、モータ14の駆動によりブロアファン13が回転する。ブロアファン13の上流には内外気切換ドア12が設けられ、内外気切換ドア12の回動に応じて内気のみまたは外気のみまたは内気と外気の両方が空調ユニット11内に導入される。ブロアファン13により送風された空気はクーリングユニットケース20内に収容されたエバポレータ6を通過し、冷媒との熱交換により冷却される。この際、空気温度は露点温度に達し、凝縮水が発生する。
エバポレータ6の下流にはヒータコア15が配設されている。エバポレータ6を通過した冷却空気はエバポレータ下流の空気通路42を通過した後、エアミックスドア16の開度に応じてヒータコア15を通過またはバイパスする。ヒータコア15を通過した冷却空気はエンジン冷却水との熱交換により加熱され、この加熱空気とヒータコア15をバイパスした冷却空気がヒータコア15の下流で混合し、空気温度が調整される。温度調整後の空気は、それぞれフットドア17,デフロスタドア18,ベントドア19を介し、図示しないベント吹出口、デフロスタ吹出口、フット吹出口から車室内に向かって吹き出される。各吹出口ドア17〜19は吹出モードに応じて開閉される。
クーリングユニットケース20の下部には、エバポレータ6の下流側において下方に膨出した貯水タンク41が設けられ、エバポレータ6で発生した凝縮水は貯水タンク41に溜められる。貯水タンク41には排水口51が設けられている。貯水タンク41の水位が一定以上に上昇すると貯水タンク41の水が排水口51を介して空調ユニットの外側に排出され、貯水タンク41の水位が一定以下に抑えられる。貯水タンク41には、エバポレータ6の下端部を支点にして貯水タンク41から空気通路42にかけて上下方向に回動可能に蓄冷器31が設けられ、貯水タンク41は蓄冷器31の回動軌跡に沿うように略扇状に形成されている。なお、以下では図1の紙面に垂直な方向を蓄冷器31の幅方向と定義する。
蓄冷器31は図3(a)に示すように幅方向に延在した一対の支持部31a,31bと、これら支持部31a,31bに垂直に連結された複数の連結部31cとを有し、略格子状に形成されている。蓄冷器31の幅はエバポレータ6の幅とほぼ等しい。支持部31bと連結部31cは、その断面図である図3(b)に示すように中空状に形成された楕円状の骨格部材33と、骨格部材33の内部に封入された蓄冷材32とをそれぞれ有する。骨格部材33は熱伝導性のよい金属、例えばアルミニウムを構成材とする。蓄冷材32は例えばパラフィンを構成材とする。パラフィンは、熱伝導率が高く熱容量が大きいという特性をもつが、このような特性をもつ材料であればパラフィン以外により蓄冷材32を構成してもよい。
蓄冷器31を回動する回動部材34の構成について説明する。回動部材34は図4に示すように折り曲げ形状の回動プレート35と、回動プレート35の端面に連設されたベースプレート36とを有する。回動プレート35は形状記憶合金により形成され、回動プレート35の母材温度Tbが所定値T1以上になると回動プレート35はベースプレート36と一体に図示点線に示すように回動し、母材温度Tbが所定値T1未満になると図示実線に示すように回動する。蓄冷器31は、図5に示すようにベースプレート36の上面に固設され、ベースプレート36と一体に回動する。ベースプレート36は回動プレート35への伝熱量を低減するように熱伝導性の悪い材質、例えばゴムなどを構成材とする。
図1に示すように、回動部材34はエバポレータ6の下端部に固設され、エバポレータ通過後の空気温度(吸込温度Tint)もしくは吸込温度Tincと相関関係を有する温度(エバポレータ6の表面温度等)に応じて回動プレート35の母材温度Tbが変化する。例えば吸込温度Tincが所定値T2未満では母材温度Tbは所定値T1未満となり、蓄冷器31は図示実線に示すように貯水タンク41に位置する(これを蓄冷位置と呼ぶ)。吸込温度Tincが所定値T2以上になると母材温度Tbは所定値T1以上となり、蓄冷器31は図1の点線に示すようにエバポレータ下流の空気通路42内に位置する(これを放冷位置と呼ぶ)。なお、母材温度Tbは空気の流速(熱伝達率)やエバポレータ6のヒートマス等による影響を受けるため厳密には吸込温度Tincと異なるが、長期的に見ればその差は小さいため、両者を等しいとして扱ってもよい。
次に、第1の実施の形態に係わる車両用空調装置の主要な動作について説明する。
(1)蓄冷モード
図示しない空調スイッチの操作によりコンプレッサ2およびブロアファン13を駆動すると、空調ユニット11内に吸い込まれた空気がエバポレータ6で冷却される。これにより吸込温度Tincは所定値T2未満となり、露点温度まで低下する。その結果、エバポレータ6の近傍で凝縮水が発生し、発生した凝縮水は図2に示すように貯水タンク41に溜まり、水位が一定以上になると排水口51から排出される。このとき蓄冷器31は図2の実線の蓄冷位置に回動して凝縮水に浸水し、凝縮水の温度に相当する低温の熱エネルギが蓄冷器31に蓄えられる(以下、これを蓄冷エネルギと呼ぶ)。以上が蓄冷モードである。
(2)放冷モード
上述した蓄冷モードの後、コンプレッサ2の稼働を停止すると、空調ユニット11内に吸い込まれた空気がエバポレータ6で冷却されず、吸込温度Tincが上昇する。これにより吸込温度Tincが所定値T2以上となり、蓄冷器31は図2の点線の放冷位置に回動する。エバポレータ6を通過した空気は蓄冷器31を通過して冷却される。したがって、コンプレッサ2の非稼働時であっても所望の吹出風温度を得ることができ、乗員の空調快適性を維持できる。すなわち、吸込温度Tincの上昇による冷却能力の不足を凝縮水のもつ熱エネルギの有効利用により補うことができる。その結果、コンプレッサ2の稼働時間を節約することができ、燃費向上を達成できる。以上g放冷モードである。
放冷モードにおいて蓄冷エネルギが所定量以上消費されると、蓄冷器31の冷却能力が低下するため、コンプレッサ2を再稼働する。これにより吸込温度Tincが低下する。吸込温度Tincが所定値T2未満になると、蓄冷器31は再び蓄冷位置に回動する。これにより凝縮水が有する低温の熱が蓄冷器31に蓄冷される。
蓄冷モードおよび放冷モードにおけるコンプレッサ2の稼働,停止は乗員の手動操作により行ってもよいが、例えば蓄冷器31を通過した後の空気温度を検出し、この検出値に応じて自動的に行うようにしてもよい。この場合、コンプレッサ停止後に蓄冷エネルギを消費し尽くして温度検出値が所定値以上に増加するとコンプレッサ2を稼働し、コンプレッサ稼働後に温度検出値が所定値以下に低下してから所定時間(蓄冷に要する時間)が経過するとコンプレッサ2を停止すればよい。また、コンプレッサ2の稼働,停止の時間のみを計時し、コンプレッサ停止から所定時間経過後にコンプレッサ2を再稼働するようにしてもよい。
第1の実施の形態によれば以下のような作用効果を奏することができる。
(1)エバポレータで発生した凝縮水を溜める貯水タンク41(蓄冷位置)からエバポレータ下流の空気通路42(放冷位置)にかけて上下方向に回動可能に蓄冷器31を設け、エバポレータ通過後の吸込温度Tincが所定値T2未満のとき蓄冷器31を蓄冷位置に回動し、所定値T2以上のとき放冷位置に回動するようにした。これによりコンプレッサ停止時に蓄冷エネルギにより空気を冷却することができ、燃費が改善される。
(2)貯水タンク41に凝縮水を溜め、蓄冷器31が蓄冷位置に回動したときに蓄冷器31全体が凝縮水に浸されるようにしたので、凝縮水の熱エネルギを蓄冷器31全体に効率よく伝達することができる。
(3)形状記憶合金からなる回動プレート35により回動部材34を形成し、この回動部材34のベースプレート36に蓄冷器31を固設するようにしたので、吸込温度Tincに応じて蓄冷器31を容易に回動させることができる。
(4)ベースプレート36の構成材を熱伝導性の悪いゴムとしたので、蓄冷エネルギがベースプレート36を伝わって外部に流出することを抑制できる。
(5)形状記憶合金からなる回動プレート35により回動部材34を形成したので、蓄冷器31を回動するためのアクチュエータが不要であり、構成が容易である。
(6)蓄冷器31を支持部31a,31bと複数の連結部31cとの連結により格子状に形成したので、蓄冷器の31表面積が増大し、熱交換効率がよい。
(7)支持部31bと連結部31cを断面楕円形状としたので、蓄冷器31が回動する際の回動抵抗、および蓄冷器31が放冷位置に回動した際の通気抵抗が小さい。また、蓄冷器31が貯水タンク41から回動する際に、空気通路42内に水が飛散することを防止できる。
(8)中空状の骨格部材32とその内部に封入された蓄冷材33により蓄冷器31を形成し、骨格部材32の構成材を熱伝導性のよいアルミニウムとしたので、十分な強度を保ちつつ、熱の授受を効率よく行うことができる。
(9)蓄冷材33の構成材をパラフィンとしたので、蓄冷効果が高く、かつ蓄冷材を覆う金属に対する腐食防止作用が高い。
なお、第1の実施の形態の車両用空調装置は、空調装置が作動中であっても車室内の空調状態や車両加速状態に応じてコンプレッサを停止できる車両や、例えば車両停車中にエンジンがストップする、いわゆるハイブリッドカー,アイドルストップカーなどに適用可能である。すなわちこの種の車両においてはエンジンの稼働/停止が繰り返され、その都度、コンプレッサ2が稼働/停止する。このような車両において、コンプレッサ稼働時に蓄冷器31に低温の熱エネルギを蓄え、コンプレッサ停止時にその蓄冷エネルギにより空気を冷却するようにすれば、コンプレッサ2の稼働頻度を減少することができる。したがって、コンプレッサ2を稼働するためにエンジンを再始動する必要がなく、あるいはエンジン再始動までの時間を延長することができ、燃費を効果的に改善することができる。
第1の実施の形態に係わる車両用空調装置は、上記以外の通常の車両にも適用可能であり、例えばエアコンカット制御を行う車両に適用することができる。エアコンカット制御とは、登板走行や急加速等の車両の高負荷運転を行ったときに、エンジントルクを確保するためにコンプレッサの稼働を停止するというものである。エアコンカット制御中は吸込温度Tincが上昇するため、蓄冷器31は放冷位置に回動する。これにより吹出風の温度を低減することができ、乗員の不快感を低減することができる。エアコンカット制御が終了し、コンプレッサが稼働を再開すると吸込温度Tincが低下する。これにより蓄冷器31が蓄冷位置に回動し、蓄冷器31に低温の熱エネルギが蓄えられる。
−第2の実施の形態−
図6〜図12を参照して本発明による車両用空調装置の第2の実施の形態について説明する。
第2の実施の形態は、蓄冷器31が蓄冷位置から放冷位置に回動する際に貯水タンク41に溜まった凝縮水を除去できるように構成する。なお、以下では第1の実施の形態との相違点を主に説明する。
図6は、第2の実施の形態に係わる車両用空調装置の概略構成を示す図であり、図7〜図10はその要部拡大図である。なお、図1〜図5と同一の箇所には同一の符号を付す。第2の実施の形態では、図7に示すように回動部材340が幅方向で2分割されている。回動部材341,342はそれぞれ第1の実施の形態と同様に形状記憶合金により構成され、母材温度Tbに応じて回動部材341と回動部材342は互いに独立して回動される。すなわち、母材温度Tbが所定値T1に達すると回動部材341,342はそれぞれ蓄冷位置から放冷位置に向けて回動を開始する。
図6,8に示すように、一方の回動部材341の上面には蓄冷器31が固設され、他方の回動部材342の下面には排水プレート37が固設されている。排水プレート37は図9に示すように幅方向中央にかけて下方に傾斜し、排水プレート37上の水を中央の凹部37aに導くように形成されている。
図10に示すように貯水タンク41の内側側壁には、貯水タンク41内に突起した爪部(突起部材)38が設けられ、爪部38の下端面38aは排水口51にかけて下方に傾斜している。排水口51は、排水プレート37の凹部37aの位置に対応し、貯水タンク41の幅方向中央に設けられている。
貯水タンク41の平面視である図12に示すように、排水プレート37は蓄冷器31よりも幅広であり、排水プレート37の端部はクーリングユニットケース20の側壁に近接している。爪部38の突起先端は排水プレート37の端面よりも内側に位置し、蓄冷器31の端面よりも外側に位置する。これにより排水プレート37が回動すると、排水プレート37が爪部38に当接し、回動量が規制される。これに対し、蓄冷器31は爪部38に当接しないので回動量は規制されない。
第2の実施の形態に係わる車両用空調装置は以下のように動作する。
(1)蓄冷モード
コンプレッサ2が稼働し、吸込温度Tincが所定値T2未満となると、蓄冷器31は図11の蓄冷位置に回動する。これにより蓄冷器31は貯水タンク41に溜まった凝縮水に浸され、低温の熱エネルギが蓄冷器31に蓄えられる。この点は第1の実施の形態と同様である。
(2)放冷モード
コンプレッサ2の稼働を停止し、吸込温度Tincが所定値T2以上となると、回動部材341と蓄冷器31、および回動部材342と排水プレート37はそれぞれ蓄冷位置から放冷位置に向かって回動を開始し、排水プレート37は貯水タンク41の凝縮水をすくい上げる。このとき図11に示すように蓄冷器31は放冷位置まで回動する。これによりエバポレータ下流の空気が蓄冷器31により冷却される。一方、排水プレート37の上端面は爪部38の下端面に当接し、それ以上回動しない。これにより排水プレート37の先端が排水口51に向かって傾斜した状態で停止する(排水位置)。したがって、排水プレート37によりすくい上げられた凝縮水が中央の凹部37aに集められ、凹部37aから排水口51へと流れる。その結果、排水口51よりも下方に位置する凝縮水を排水口51から排出することができる。排水プレート37は空気通路42まで回動しないので、通気抵抗を悪化することもない。
放冷モードにおいてコンプレッサ2を再稼働すると、吸込温度Tincが低下し、蓄冷器31は再び蓄冷位置に回動するとともに、貯水タンク41に新たに凝縮水が溜まる。この場合、古い凝縮水は既に排出されているため、貯水タンク41内の凝縮水の温度は低い。したがって、より低温のエネルギを蓄冷器31に蓄えることができる。すなわち、凝縮水を貯水タンク41に放置しておくと、周囲の熱により凝縮水が加熱され、凝縮水の温度が上昇する。そのため、低温の熱を効率よく蓄冷できないが、本実施の形態のように放冷モードの際に貯水タンク41の凝縮水を除去すれば、効率的な蓄冷が可能となる。
このように第2の実施の形態によれば、回動部材340を幅方向で2分割し、一方の回動部材341に蓄冷器31を固設し、他方の回動部材342に排水プレート37を固設するようにしたので、上記第1の実施の形態で述べた作用効果に加え、さらに次のような作用効果を奏することができる。すなわち、放冷モード時に排水プレート37の回動により凝縮水を排出することができ、蓄冷効率が向上する。蓄冷器31の回動と同時に排水プレート37が回動するので、タイミングよく凝縮水を排出することができる。排水プレート37を回動するためのアクチュエータ等が不要であり、構成が容易である。
クーリングユニットケース20の側壁に、放冷モード時の排水プレート37の位置を規制するための爪部38を設けたので、排水プレート37を排水口51に向けて傾斜した位置で停止することができ、凝縮水を良好に排水口51に導くことができる。排水プレート37を幅方向中央にかけて下方に傾斜して形成したので、排水プレート37上の凝縮水が凹部37aを伝わって排水口51に流れ、排水口51の面積をそれほど大きくとる必要がない。
なお、以上では、排水プレート37の回動を突起部38により規制したが、回動部材3421と342で形状記憶金属の記憶形状を変更し、母材温度Tbが所定値T1以上のときに回動部材342が図11の排水位置に回動するようにしてもよい。
−第3の実施の形態−
図13,図14を参照して本発明による車両用空調装置の第3の実施の形態について説明する。
第1の実施の形態では、コンプレッサ停止時の空調運転を補助するために蓄冷エネルギを用いたが、第3の実施の形態では、コンプレッサ稼働時の空調運転を補助するために蓄冷エネルギを用いる。なお、以下では第1の実施の形態との相違点を主に説明する。
図13は、第3の実施の形態に係わる車両用空調装置の概略構成を示す図である。なお、図1と同一の箇所には同一の符号を付す。図13に示すように、第3の実施の形態では回動部材34の代わりにアクチュエータ45を設け、アクチュエータ45により蓄冷器31を回動する。また、温度センサ46によりエバポレータの表面温度Teを検出し、温度検出値Teに応じてアクチュエータ45を駆動し、蓄冷器31の回動を制御する。なお、吸込温度Tincに応じて蓄冷器31を回動制御してもよい。
表面温度Teに対する蓄冷器31の回動パターンを図14に示す。図14に示すように蓄冷器31が蓄冷位置にあるとき、表面温度Teが所定値T3以下になると蓄冷器31は放冷位置に回動し、放冷位置にあるとき、表面温度Teが所定値T4(>T3)以上になると蓄冷位置に回動する。所定値T4は例えば凝縮水が発生し始める温度に相当し、コンプレッサ稼働時に表面温度TeがT3以下に減少するまで蓄冷器31は蓄冷位置にあり、蓄冷器31に低温の熱エネルギが蓄えられる。
表面温度Teが所定値T3以下に減少すると蓄冷器31は放冷位置に回動し、エバポレータ通過後の空気は蓄冷器31を通過する。これにより空調風を冷却することができ、その分コンプレッサ2の稼働を抑制することができる。この稼働抑制は、例えば表面温度Teが所定値T4以上に上昇し、蓄冷器31が蓄冷位置に回動するまで継続され、表面温度Teが所定値T4以上となると同時に稼働抑制を解除する。その後、表面温度Teが所定値T3以下に減少すると、蓄冷器31は再び放冷位置に回動し、同様な動作を繰り返す。
このように第3の実施の形態では、エバポレータ6の表面温度Teが所定値T3以下になると蓄冷器31を蓄冷位置から放冷位置に回動し、その後、表面温度Teが所定値T4以上になると放冷位置から蓄冷位置に回動するようにした。すなわち蓄冷器31が蓄冷位置から放冷位置に回動する温度よりも高い温度で蓄冷器31が放冷位置から蓄冷位置に回動するようにしたので(T3<T4)、蓄冷位置で吸収した蓄冷エネルギを用いて放冷位置で空気を冷却することができ、その分コンプレッサ2の稼働を抑制することができる。
なお、アクチュエータ45による蓄冷器31の回動パターンは上述したものに限らず、蓄冷器31が蓄冷位置で吸収したエネルギを放冷位置で放出し、エバポレータ下流の空気が冷却されるのであれば、アクチュエータ45をいかに制御してもよい。
上記実施の形態では、エバポレータ6で発生した凝縮水を貯水タンク41に溜めて排水口51から排出するように排水経路を設け、蓄冷モード時にこの排水経路の途中(貯水タンク41)に蓄冷器31を配設したが、排水経路内に蓄冷器31が配設されて凝縮水の熱が蓄冷されるのであれば、上述した以外に排水経路を設けてもよい。すなわち貯水タンク41の位置,形状等は上述したものに限らず、蓄冷位置も上述した位置に限らない。放冷モード時に蓄冷器31がエバポレータ6を通過した空気に対して放冷するのであれば、放冷位置は上述した位置に限らない。
回動部材34およびアクチュエータ45により蓄冷位置から放冷位置にかけて蓄冷器31を回動させるようにしたが、他の移動手段を用いてもよく、回動以外の動作により蓄冷器31を移動させてもよい。排水プレート37の回動により貯水タンク41内の凝縮水を排出するようにしたが、排出手段の形態はこれに限らない。排水プレート37の中央に凹部37aを設けるようにしたが、排水プレート37上の凝縮水が排水口51に向かって流れるようにするのであれば、排水プレート37の形状は上述したものに限らない。すなわち、本発明の特徴、機能を実現できる限り、本発明は実施の形態の車両用空調装置に限定されない。
本発明の第1の実施の形態に係わる車両用空調装置の概略構成を示す図。 本発明の第1の実施の形態に係わる車両用空調装置の動作の一例を示す図。 図3(a)は図1の車両用空調装置を構成する蓄冷器の斜視図であり、図3(b)はその断面図。 図1の車両用空調装置を構成する回動部材の斜視図。 第1の実施の形態に係わる蓄冷器と回動部材を組み合わせた図。 本発明の第2の実施の形態に係わる車両用空調装置の概略構成を示す図。 図6の車両用空調装置を構成する回動部材の斜視図。 第2の実施の形態に係わる蓄冷器と回動部材と排水プレートを組み合わせた図。 図8の排水プレートの斜視図。 図6の車両用空調装置を構成する貯水タンクの斜視図。 本発明の第2の実施の形態に係わる車両用空調装置の動作の一例を示す図。 第2の実施の形態に係わる貯水タンク内の構成を示す平面図。 本発明の第3の実施の形態に係わる車両用空調装置の概略構成を示す図。 第3の実施の形態に係わる蓄冷器の動作特性を示す図。
符号の説明
6 エバポレータ
11 空調ユニット
31 蓄冷器
32 蓄冷材
33 骨格部材
34 回動部材
35 回動プレート
37 排水プレート
38 爪部
41 貯水タンク
51 排水口
341,342 回動部材

Claims (12)

  1. 空調ユニットケース内に収容されたエバポレータと、
    前記エバポレータで発生した凝縮水を前記空調ユニットケースの外側に排出する排水経路と、
    前記排水経路内の蓄冷位置で前記凝縮水が有する低温の熱を蓄冷し、前記エバポレータ下流の放冷位置で前記エバポレータを通過した空気に対して放冷する蓄冷器と、
    前記排水経路内の蓄冷位置から前記エバポレータ下流の放冷位置に前記蓄冷器を移動させる移動手段とを備えることを特徴とする車両用空調装置。
  2. 請求項1に記載の車両用空調装置において、
    前記移動手段は、前記エバポレータ通過後の空気温度と相関関係を有する物理量に基づき、前記蓄冷器を前記蓄冷位置と前記放冷位置の間で移動させることを特徴とする車両用空調装置。
  3. 請求項1または2に記載の車両用空調装置において、
    前記空調ユニットケースには、前記エバポレータよりも下方に位置して前記凝縮水を溜める貯水タンクが設けられ、前記蓄冷器は前記蓄冷位置で前記貯水タンクに浸水して設けられることを特徴とする車両用空調装置。
  4. 請求項3に記載の車両用空調装置において、
    前記移動手段は、前記エバポレータの下端部近傍を回動軸として前記蓄冷器を上下方向に回動させることを特徴とする車両用空調装置。
  5. 請求項3に記載の車両用空調装置において、
    前記蓄冷器の前記蓄冷位置から前記放冷位置への移動に連動して前記貯水タンクに溜まった凝縮水を排出する排出手段をさらに備えることを特徴とする車両用空調装置。
  6. 請求項5に記載の車両用空調装置において、
    前記排出手段は、前記貯水タンクの凝縮水を所定高さの排水口まですくい上げる排水プレートを、前記移動手段は、前記エバポレータの下端部近傍を回動軸として回動する一対の回動部材をそれぞれ有し、前記一方の回動部材は、前記蓄冷位置から前記放冷位置にかけて前記蓄冷器を上下方向に回動可能に支持し、前記他方の回動部材は、前記貯水タンクから前記排水口にかけて前記排水プレートを上下方向に回動可能に支持することを特徴とする車両用空調装置。
  7. 請求項6に記載の車両用空調装置において、
    前記貯水タンクの内壁に、前記排水プレートに当接して前記排水プレートの上方への回動を規制するとともに前記排水プレートが前記排水口に向けて下方に傾斜するように突起部材が設けられることを特徴とする車両用空調装置。
  8. 請求項7に記載の車両用空調装置において、
    前記排水プレートの上面は、前記排水プレート上の凝縮水が前記排水口に向かって流れるように形成されることを特徴とする車両用空調装置。
  9. 請求項4または6〜8のいずれか1項に記載の車両用空調装置において、
    前記移動手段は、前記エバポレータ通過後の空気温度の変化により母材温度が予め設定した所定値以上または所定値以下になると、記憶された形状となるように回動を開始する形状記憶金属を有することを特徴とする車両用空調装置。
  10. 請求項1〜9のいずれか1項に記載の車両用空調装置において、
    前記蓄冷器は、金属を構成材とする複数の中空状骨格部材を連結して格子状に形成され、前記骨格部材の内部に蓄冷材が封入されることを特徴とする車両用空調装置。
  11. 請求項10に記載の車両用空調装置において、
    前記骨格部材は、断面が略楕円形状であることを特徴とする車両用空調装置。
  12. 請求項10または11に記載の車両用空調装置において、
    前記蓄冷材は、パラフィンを構成材とすることを特徴とする車両用空調装置。
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