JP2005153576A - 車両用空調装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 空調ユニット11内に収容されたエバポレータ6と、エバポレータ6で発生した凝縮水を空調ユニット11の外側に排出する排水経路41,51と、凝縮水が有する低温の熱を蓄冷または放冷する蓄冷器31と、低温の熱を蓄冷する排水経路41内の蓄冷位置からエバポレータ6を通過した空気に対して放冷する放冷位置に蓄冷器31を移動させる移動手段34とを備える。
【選択図】図1
Description
以下、図1〜図5を参照して本発明による車両用空調装置の第1の実施の形態について説明する。
図1は、本発明の第1の実施の形態に係わる車両用空調装置の概略構成を示す図である。車両用空調装置は冷媒ユニット1と空調ユニット11から構成される。冷媒ユニット1は、コンプレッサ2とコンデンサ3とリキッドタンク4と膨張弁5とエバポレータ6とこれらを接続する配管8とにより周知の冷凍サイクルを形成する。コンデンサ3の前面には冷却ファン7が配設される。コンプレッサ2はエンジンにより駆動され、コンプレッサ2の駆動により冷媒が圧縮される。圧縮された冷媒は、コンデンサ3,リキッドタンク4、膨張弁5、エバポレータ6を順次通過し、コンプレッサ2に戻る。
(1)蓄冷モード
図示しない空調スイッチの操作によりコンプレッサ2およびブロアファン13を駆動すると、空調ユニット11内に吸い込まれた空気がエバポレータ6で冷却される。これにより吸込温度Tincは所定値T2未満となり、露点温度まで低下する。その結果、エバポレータ6の近傍で凝縮水が発生し、発生した凝縮水は図2に示すように貯水タンク41に溜まり、水位が一定以上になると排水口51から排出される。このとき蓄冷器31は図2の実線の蓄冷位置に回動して凝縮水に浸水し、凝縮水の温度に相当する低温の熱エネルギが蓄冷器31に蓄えられる(以下、これを蓄冷エネルギと呼ぶ)。以上が蓄冷モードである。
上述した蓄冷モードの後、コンプレッサ2の稼働を停止すると、空調ユニット11内に吸い込まれた空気がエバポレータ6で冷却されず、吸込温度Tincが上昇する。これにより吸込温度Tincが所定値T2以上となり、蓄冷器31は図2の点線の放冷位置に回動する。エバポレータ6を通過した空気は蓄冷器31を通過して冷却される。したがって、コンプレッサ2の非稼働時であっても所望の吹出風温度を得ることができ、乗員の空調快適性を維持できる。すなわち、吸込温度Tincの上昇による冷却能力の不足を凝縮水のもつ熱エネルギの有効利用により補うことができる。その結果、コンプレッサ2の稼働時間を節約することができ、燃費向上を達成できる。以上g放冷モードである。
(1)エバポレータで発生した凝縮水を溜める貯水タンク41(蓄冷位置)からエバポレータ下流の空気通路42(放冷位置)にかけて上下方向に回動可能に蓄冷器31を設け、エバポレータ通過後の吸込温度Tincが所定値T2未満のとき蓄冷器31を蓄冷位置に回動し、所定値T2以上のとき放冷位置に回動するようにした。これによりコンプレッサ停止時に蓄冷エネルギにより空気を冷却することができ、燃費が改善される。
(3)形状記憶合金からなる回動プレート35により回動部材34を形成し、この回動部材34のベースプレート36に蓄冷器31を固設するようにしたので、吸込温度Tincに応じて蓄冷器31を容易に回動させることができる。
(4)ベースプレート36の構成材を熱伝導性の悪いゴムとしたので、蓄冷エネルギがベースプレート36を伝わって外部に流出することを抑制できる。
(5)形状記憶合金からなる回動プレート35により回動部材34を形成したので、蓄冷器31を回動するためのアクチュエータが不要であり、構成が容易である。
(7)支持部31bと連結部31cを断面楕円形状としたので、蓄冷器31が回動する際の回動抵抗、および蓄冷器31が放冷位置に回動した際の通気抵抗が小さい。また、蓄冷器31が貯水タンク41から回動する際に、空気通路42内に水が飛散することを防止できる。
(8)中空状の骨格部材32とその内部に封入された蓄冷材33により蓄冷器31を形成し、骨格部材32の構成材を熱伝導性のよいアルミニウムとしたので、十分な強度を保ちつつ、熱の授受を効率よく行うことができる。
(9)蓄冷材33の構成材をパラフィンとしたので、蓄冷効果が高く、かつ蓄冷材を覆う金属に対する腐食防止作用が高い。
図6〜図12を参照して本発明による車両用空調装置の第2の実施の形態について説明する。
第2の実施の形態は、蓄冷器31が蓄冷位置から放冷位置に回動する際に貯水タンク41に溜まった凝縮水を除去できるように構成する。なお、以下では第1の実施の形態との相違点を主に説明する。
(1)蓄冷モード
コンプレッサ2が稼働し、吸込温度Tincが所定値T2未満となると、蓄冷器31は図11の蓄冷位置に回動する。これにより蓄冷器31は貯水タンク41に溜まった凝縮水に浸され、低温の熱エネルギが蓄冷器31に蓄えられる。この点は第1の実施の形態と同様である。
コンプレッサ2の稼働を停止し、吸込温度Tincが所定値T2以上となると、回動部材341と蓄冷器31、および回動部材342と排水プレート37はそれぞれ蓄冷位置から放冷位置に向かって回動を開始し、排水プレート37は貯水タンク41の凝縮水をすくい上げる。このとき図11に示すように蓄冷器31は放冷位置まで回動する。これによりエバポレータ下流の空気が蓄冷器31により冷却される。一方、排水プレート37の上端面は爪部38の下端面に当接し、それ以上回動しない。これにより排水プレート37の先端が排水口51に向かって傾斜した状態で停止する(排水位置)。したがって、排水プレート37によりすくい上げられた凝縮水が中央の凹部37aに集められ、凹部37aから排水口51へと流れる。その結果、排水口51よりも下方に位置する凝縮水を排水口51から排出することができる。排水プレート37は空気通路42まで回動しないので、通気抵抗を悪化することもない。
図13,図14を参照して本発明による車両用空調装置の第3の実施の形態について説明する。
第1の実施の形態では、コンプレッサ停止時の空調運転を補助するために蓄冷エネルギを用いたが、第3の実施の形態では、コンプレッサ稼働時の空調運転を補助するために蓄冷エネルギを用いる。なお、以下では第1の実施の形態との相違点を主に説明する。
11 空調ユニット
31 蓄冷器
32 蓄冷材
33 骨格部材
34 回動部材
35 回動プレート
37 排水プレート
38 爪部
41 貯水タンク
51 排水口
341,342 回動部材
Claims (12)
- 空調ユニットケース内に収容されたエバポレータと、
前記エバポレータで発生した凝縮水を前記空調ユニットケースの外側に排出する排水経路と、
前記排水経路内の蓄冷位置で前記凝縮水が有する低温の熱を蓄冷し、前記エバポレータ下流の放冷位置で前記エバポレータを通過した空気に対して放冷する蓄冷器と、
前記排水経路内の蓄冷位置から前記エバポレータ下流の放冷位置に前記蓄冷器を移動させる移動手段とを備えることを特徴とする車両用空調装置。 - 請求項1に記載の車両用空調装置において、
前記移動手段は、前記エバポレータ通過後の空気温度と相関関係を有する物理量に基づき、前記蓄冷器を前記蓄冷位置と前記放冷位置の間で移動させることを特徴とする車両用空調装置。 - 請求項1または2に記載の車両用空調装置において、
前記空調ユニットケースには、前記エバポレータよりも下方に位置して前記凝縮水を溜める貯水タンクが設けられ、前記蓄冷器は前記蓄冷位置で前記貯水タンクに浸水して設けられることを特徴とする車両用空調装置。 - 請求項3に記載の車両用空調装置において、
前記移動手段は、前記エバポレータの下端部近傍を回動軸として前記蓄冷器を上下方向に回動させることを特徴とする車両用空調装置。 - 請求項3に記載の車両用空調装置において、
前記蓄冷器の前記蓄冷位置から前記放冷位置への移動に連動して前記貯水タンクに溜まった凝縮水を排出する排出手段をさらに備えることを特徴とする車両用空調装置。 - 請求項5に記載の車両用空調装置において、
前記排出手段は、前記貯水タンクの凝縮水を所定高さの排水口まですくい上げる排水プレートを、前記移動手段は、前記エバポレータの下端部近傍を回動軸として回動する一対の回動部材をそれぞれ有し、前記一方の回動部材は、前記蓄冷位置から前記放冷位置にかけて前記蓄冷器を上下方向に回動可能に支持し、前記他方の回動部材は、前記貯水タンクから前記排水口にかけて前記排水プレートを上下方向に回動可能に支持することを特徴とする車両用空調装置。 - 請求項6に記載の車両用空調装置において、
前記貯水タンクの内壁に、前記排水プレートに当接して前記排水プレートの上方への回動を規制するとともに前記排水プレートが前記排水口に向けて下方に傾斜するように突起部材が設けられることを特徴とする車両用空調装置。 - 請求項7に記載の車両用空調装置において、
前記排水プレートの上面は、前記排水プレート上の凝縮水が前記排水口に向かって流れるように形成されることを特徴とする車両用空調装置。 - 請求項4または6〜8のいずれか1項に記載の車両用空調装置において、
前記移動手段は、前記エバポレータ通過後の空気温度の変化により母材温度が予め設定した所定値以上または所定値以下になると、記憶された形状となるように回動を開始する形状記憶金属を有することを特徴とする車両用空調装置。 - 請求項1〜9のいずれか1項に記載の車両用空調装置において、
前記蓄冷器は、金属を構成材とする複数の中空状骨格部材を連結して格子状に形成され、前記骨格部材の内部に蓄冷材が封入されることを特徴とする車両用空調装置。 - 請求項10に記載の車両用空調装置において、
前記骨格部材は、断面が略楕円形状であることを特徴とする車両用空調装置。 - 請求項10または11に記載の車両用空調装置において、
前記蓄冷材は、パラフィンを構成材とすることを特徴とする車両用空調装置。
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