JP2005153211A - 無機質板の製造方法 - Google Patents

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Seishi Okayama
誠史 岡山
Masahiro Kashida
雅弘 樫田
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Abstract

【課題】 生産性を低下させることなく、高い塗膜密着性と耐凍害性を有する無機質板の製造方法を提供する。
【解決手段】 少なくともセメント成分を固形分として含有する原料スラリーを抄造、押出し、または注型した後、プレス成形して得られる基板に、シーラーを塗装し、養生する無機質板の製造方法において、基板の含水率を真空乾燥により12〜20%の範囲に調整した後、シーラーを塗装する。
【選択図】なし

Description

この出願の発明は、無機質板の製造方法に関するものである。さらに詳しくは、この出願の発明は、真空乾燥により基板の含水率を12〜20%の範囲に調整した後、シーラーを塗装することを特徴とする無機質板の製造方法に関するものである。
無機質板は、外壁材や屋根材等の外装材として広く用いられており、表面に柄、目地等の凹凸模様、着色、塗装等の施された多種多様の意匠を有するものが提供されている。また、無機質板では、その使用目的から、一般に、強度はもとより耐水性や耐凍害性等の物性が要求される。
従来、無機質板は、少なくともセメントを固形分とする原料スラリーを抄造、押出し、または注型して湿潤板とし、これをプレス成形により模様付けし、次いで養生して得られる。また、上塗り塗装を施すことにより化粧塗膜を形成し、意匠性を高めている。
しかし、このような方法によって得られる無機質板では耐水性が十分でなく、降雨等により水が無機質板内部に浸透しやすくなり、濡れ染みやエフロレッセンスが発生したり、浸透した水分の凍結により無機質板そのものが劣化したりするという問題があった。
そのような問題を解決するべく、プレス成形後の基板にシーラーを塗装し、基板に防水性を付与することが行われている。これにより、降雨等による水の浸透がある程度防止され、濡れ染みやエフロレッセンスの発生が抑えられた。
一方で、このような方法では、基板の含水率が高いため、シーラーを塗装してもシーラーが基板に含浸されず、基板表面に留まることがあった。そのため、微量な水分の浸透は免れず、耐凍害性の面で十分とは言い難かったのが実情である。また、シーラーが基板に含浸されないことにより、防水層が基板表面に形成され、その上に化粧塗膜が形成された場合には、基板へのアンカリングが不十分となり、塗膜剥離が起こりやすくなるという新たな問題も見られた。
そこで、シーラー塗装前に基板をプレヒートして含水率を低下させることが検討された(例えば、特許文献1)。しかし、このようなプレヒート法では、基板温度が高くなるため、シーラーを塗装した際に、シーラー中の水分が蒸発して粘度上昇が起こり、シーラーの基板への含浸性がさらに低下する場合があった。そのため、プレヒート後に、空冷等により基板温度を低下させる必要があり、生産性の低下が懸念された。
特開平9−87003
そこで、この出願の発明は、以上のとおりの事情に鑑みてなされたものであり、従来技術の問題点を解消し、生産性を低下させることなく、高い塗膜密着性と耐凍害性を有する無機質板の製造方法を提供することを課題としている。
この出願の発明は、上記の課題を解決するものとして、少なくともセメント成分を固形分として含有する原料スラリーを抄造、押出し、または注型した後、プレス成形して得られる基板に、シーラーを塗装し、養生する無機質板の製造方法において、基板の含水率を真空乾燥により12〜20%の範囲に調整した後、シーラーを塗装することを特徴とする無機質板の製造方法を提供する。
この出願の発明の無機質板の製造方法では、基板の含水率を12〜20%に調整した後シーラーを塗装することにより、シーラーが基板に含浸されやすくなり、基板の表面に近い内部に防水層が形成される。これにより高い防水性が付与され、耐凍害性に優れた無機質板が得られる。また、シーラー塗装、養生に次いで上塗り塗装を施した場合でも、化粧塗膜が基板に十分にアンカリングされるため、高い塗膜密着性を有する無機質板が得られる。さらに、含水率の調整を真空乾燥により行うことから、基板の温度上昇によりシーラーが高粘度となり含浸性が低下するようなことがない。したがって、基板の冷却に時間を費やす必要もなく、生産性が低下する恐れがない。
この出願の発明の無機質板の製造方法は、原料スラリーを抄造、押出し、または注型した後、プレス成形して得られる基板を真空乾燥し、含水率が12〜20%となるように調整した後、シーラーを塗装し、養生することを特徴とするものである。
この出願の発明の無機質板の製造方法において使用される原料スラリーの組成や、抄造、押出しまたは注型の条件、プレス成形条件、および養生の条件はとくに限定されない。無機質板の製造において通常用いられる組成や条件を適用すればよい。
無機質板の製造方法では、プレス成形後の基板の含水率は、湿潤板の製造方法、すなわち、抄造、押出しまたは注型のいずれを採用するか、およびその条件によっても異なるが、一般的には22%以上である。
この出願の発明の無機質板の製造方法では、成形後の基板を真空乾燥し、含水率を20%以下とすることにより、シーラーの基板への含浸性が高まり、基板の表面に近い内部に防水層が形成される。同時に、含水率を12%以上に保つことにより、基板におけるクラックの発生を防止することができる。したがって、高い強度を有し、耐凍害性にも優れた無機質板が得られるようになる。また、シーラーが基板に十分に含浸されることから、養生に次いで上塗り塗装を施した場合でも、化粧塗膜が基板にアンカリングされ、高い塗膜密着性が実現できる。
この出願の発明の無機質板の製造方法において、含水率は真空乾燥により調整される。真空乾燥の条件はとくに限定されず、基板の含水率を12〜20%に調整できるものであればよい。例えば、基板を10-3 Torrの真空度に15分間置くことが考慮される。もちろん、この条件は、プレス成形後の基板の含水率、気温、湿度等に応じて適宜変更してもよい。また、設備が整えば、真空度をさらに高め、処理時間を短縮してもよい。
この出願の発明の無機質板の製造方法では、真空乾燥により含水率を調整することにより、基板の温度を上昇させることなく、含水率を12〜20%の範囲まで低下させることができる。したがって、シーラーを塗装した際に、シーラーの水分が蒸発し、粘度上昇を引き起こすことがなく、含水率の調整を行った後、直ちにシーラー塗装を行ってもシーラーが基板に含浸される。
以上のとおりのこの出願の発明の無機質板の製造方法では、シーラーはどのようなものであってもよいが、例えば、アクリル系、ウレタン系、シリコン系、フッ素系等の水性エマルジョン塗料が挙げられる。また、シーラーの組成、粘度、濃度等はとくに限定されない。無機質板に十分な防水性を付与でき、化粧塗膜の密着性に影響しない量を塗装すればよい。さらに、シーラーの塗装方法も限定されず、一般的に用いられる、ロール、スプレー、シャワー等の塗装方法が適用できる。
この出願の発明の無機質板の製造方法は、以上のとおりに、原料スラリーを抄造、押出し、または注型した後、プレス成形して得られる基板を真空乾燥し、含水率が12〜20%の範囲となるように調整した後、シーラーを塗装し、養生することを特徴とするものであるが、これらの工程以外にも、プレス成形前の前養生、シーラー塗装後の室温養生、蒸気養生、オートクレーブ養生、養生後の上塗り塗装等の各種工程を含んでいてもよい。
以下、実施例を示し、この発明の実施の形態についてさらに詳しく説明する。もちろん、この発明は以下の例に限定されるものではなく、細部については様々な態様が可能であることは言うまでもない。
<実施例1>
セメントを主成分とする原料スラリーを抄造し、さらにプレス成形して含水率22%の基板を得た。これを真空度10-3 Torrで15分間乾燥させ、含水率を20%まで低下させ、表面にシーラー(関西ペイント社製アクリル塗料;IM2103R-3)を塗装した。
乾燥後、180℃で4時間のオートクレーブ養生を行い、得られた無機質板を70×70×12mmの試験片に切断した。
ASTM B法に基づき、100サイクルおよび200サイクル後の体積増加率を求めて耐凍害性を評価した。
さらに、上塗り塗装を施し、得られた塗膜について、JISK5600−5−6により塗膜密着性を評価した。
結果を表1に示した。
<実施例2>
実施例1と同様の方法で、基板の含水率を18%とし、無機質板を製造した。
実施例1と同様に耐凍害性および化粧塗膜の密着性を評価し、表1に結果を示した。
<実施例3>
実施例1と同様の方法で、基板の含水率を12%とし、無機質板を製造した。
実施例1と同様に耐凍害性および化粧塗膜の密着性を評価し、表1に結果を示した。
<比較例1>
実施例1と同じ原料スラリーを抄造、プレス成形し、得られた基板の含水率を調整することなく、シーラー塗装を施した。
乾燥後、180℃で4時間のオートクレーブ養生を行い、得られた無機質板について、実施例1と同様の方法により耐凍害性および化粧塗膜の密着性を評価した。
結果を表1に示した。
<比較例2>
実施例1と同じ原料スラリーを抄造、プレス成形し、得られた基板を200℃で2分間ジェット乾燥して含水率を18%に調整した。表面にシーラー(関西ペイント社製アクリル塗料;IM2103R-3)を塗装し、乾燥後、180℃で4時間のオートクレーブ養生を行った。
得られた無機質板について、実施例1と同様の方法により耐凍害性および化粧塗膜の密着性を評価し、表1に結果を示した。
<比較例3>
実施例1と同様の方法で、基板の含水率を11%とし、無機質板を製造した。
実施例1と同様に耐凍害性および化粧塗膜の密着性を評価し、表1に結果を示した。
Figure 2005153211
表1より、真空乾燥により基板の含水率を12〜20%の範囲に調整した後、シーラー塗装を行うことにより、耐凍害性と塗膜密着性に優れた無機質板が得られることが確認された(実施例1〜3)。
一方、成形後の基板の含水率調整を行わず、含水率22%のままで基板にシーラー塗装を行った場合には、得られた無機質板は、耐凍害性および塗膜密着性の低いものとなった(比較例1)。
そこで、シーラーの基板への含浸量を測定したところ、基板の含水率を12〜20%の範囲に調整した場合(実施例1〜3)では24g/m2以上であったのに対し、基板の含水率が22%の場合(比較例1)では、20g/m2と少ないことが明らかになった。したがって、含水率が20%より高い場合には、シーラーが十分に基板に含浸されないことが示された。
また、含水率を12〜20%の範囲に調整した場合でも、ジェット乾燥により含水率の調整を行った場合には、耐凍害性および塗膜密着性の低い無機質板が得られた(比較例2)。
そこで、含水率調整後の基板温度を測定したところ、真空乾燥後の基板温度が30℃であったのに対し、ジェット乾燥後の基板の温度は80℃と高く、シーラー塗装の際にシーラーの粘度上昇が見られることが明らかになった。したがって、含水率調整の際に基板の温度が上昇した場合には、シーラー中の水分が蒸発し、シーラーの基板への含浸性が低下することが示された。
さらに、含水率を12%未満まで低下させた場合には、耐凍害性および塗膜密着性が低かった(比較例3)。
真空乾燥後の基板に多くのクラックが見られたことから、シーラー塗装による防水効果が発揮されなかったと考えられる。また、無機質板そのものの強度が低下し、塗膜の剥離が生じたと考えられる。
以上詳しく説明したとおり、この発明によって、生産性を低下させることなく、高い塗膜密着性と耐凍害性を有する無機質板の製造方法が提供される。

Claims (1)

  1. 少なくともセメント成分を固形分として含有する原料スラリーを抄造、押出し、または注型した後、プレス成形して得られる基板に、シーラーを塗装し、養生する無機質板の製造方法において、基板の含水率を真空乾燥により12〜20%の範囲に調整した後、シーラーを塗装することを特徴とする無機質板の製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2013176923A (ja) * 2012-02-29 2013-09-09 Nihon Kogyo Co Ltd コンクリート製品

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