JP2005153126A - プラズマ窒化セラミック硬質膜被覆工具 - Google Patents
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Abstract
【課題】従来のセラミック被覆工具に比べて耐摩耗性に優れ、生産性の向上、工具費コストの低減を図ることができるプラズマ窒化セラミック硬質膜被覆工具を提供。
【解決手段】高速度工具鋼、合金工具鋼からなる工具母材にイオンプレーティング装置を用いてプラズマ窒化処理を施すとともに、さらに同装置内でそのまま連続してセラミック硬質膜を被覆したことを特徴とするプラズマ窒化セラミック硬質膜被覆工具。好ましくは、前記プラズマ窒化処理を施した硬化層の厚さは20〜80μmであり、前記セラミック硬質膜の厚さは2〜10μmであり、前記セラミック硬質膜直下の表面の窒化層の硬さが工具母材の硬さより50〜250HV上昇しており、窒化硬さが窒化表面から内部に向かって漸次減少していることがより好ましい。
【選択図】図2
【解決手段】高速度工具鋼、合金工具鋼からなる工具母材にイオンプレーティング装置を用いてプラズマ窒化処理を施すとともに、さらに同装置内でそのまま連続してセラミック硬質膜を被覆したことを特徴とするプラズマ窒化セラミック硬質膜被覆工具。好ましくは、前記プラズマ窒化処理を施した硬化層の厚さは20〜80μmであり、前記セラミック硬質膜の厚さは2〜10μmであり、前記セラミック硬質膜直下の表面の窒化層の硬さが工具母材の硬さより50〜250HV上昇しており、窒化硬さが窒化表面から内部に向かって漸次減少していることがより好ましい。
【選択図】図2
Description
本発明は、エンドミル、ドリル、ホブなどの高速度工具鋼、合金工具鋼を部材とした、鋭利な刃を有する切削工具表面にプラズマ窒化を行い、連続的にセラミック硬質膜を被覆することによって得られたプラズマ窒化セラミック硬質膜被覆工具に関する。
プラズマ窒化セラミック硬質膜被覆工具に適用される窒化処理、または窒素の負グロー放電を利用して窒化処理を行ういわゆるイオン窒化(プラズマ窒化)処理の目的は、工具表面に窒化層を形成することで表面硬さを上げて耐摩耗性を向上させることにあるが、ビッカース硬度は600〜1200HV程度であり、母材を強化する窒化処理だけでは近年の工具を使用する時の過酷な高速切削条件下では十分な硬度とはいえない。一方ではイオンプレーティング装置の普及でTiNやTiAlNなどの、ビッカース硬度が2000HV以上の硬さのセラミック硬質膜を工具表面に被覆して高速条件下での工具の寿命を大幅に向上させることが可能となった。このセラミック硬質膜被覆技術は表面改質技術として一般的に行われているものであり、工具の寿命を延長させるためには非常に有効な手法であるが、さらに工具の寿命を延ばすために、上記の窒化処理技術とセラミック硬質膜形成技術を組み合わせた技術の開発が進んでいる。
かかる従来の窒化処理技術とセラミック硬質膜形成技術を組み合わせた技術としては、例えば特許文献1、特許文献2のように、イオン窒化処理技術とPVD法(Physical Vapour Deposition:物理蒸着)によるセラミック硬質膜の形成を複合的に行うことによって密着性と耐久性に優れた硬質膜を金属部材に形成する方法や、さらに特許文献2のように高周波電源を用いることでイオン窒化にともなう脆化層の発生を防ぎ、その上に連続的にセラミック硬質膜の形成を行うことによって窒化層上のセラミック硬質膜の密着性の改善を図った例がある。一方特許文献3では窒化層を施した硬質膜被覆工具のチッピング対策として、窒化層に対して応力集中を起こさせないために予め工具刃先に面状の切れ刃を施すことを提案しており、工具種類に応じて切れ刃の幅を細かく規定している。しかし切れ刃への面取り作業は複雑な工具形状に対しては施すことが難しく、主に手作業となるため量産に対応しきれるものではなく実用的とは言えない。
特開平8-35075 号公報図1〔0006〕〔0023〕〔0024〕
特開平5-98422 号公報図1〜図4〔0008〕〜〔0011〕
特開2000-5904 号公報〔0041〕〔0042〕
しかしながらこれらの従来技術は、窒化処理とセラミック硬質膜を形成する技術が製造過程において分割されているため生産上の品質面、特に窒化層上に形成するセラミック硬質膜の密着品質に大きく影響する。例えば特許文献1の〔0006〕では、窒化層を形成するためのイオン窒化装置とセラミック硬質膜を形成するためのイオンプレーティング装置(PVD装置)とは「同一装置、あるいは別の装置」で行うと記載するが、特許文献1、図1では両者を同一の装置で行う開示はなく、特許文献1、特許文献2では、両者は異なる真空装置で行っており、2つの全く別の装置で2工程の生産するのは費用面から不利であるし、また窒化処理後に一度大気中に晒されるため窒化層上の硬質膜の密着性が悪く、膜の剥離につながる要因ともなるため好ましい方法とはいえない。また特許文献2では、同一真空装置で窒化処理と硬質膜形成処理を連続で行うことを特徴としているが、窒化処理にともなう脆化層の発生を防ぐために窒化処理には高周波電源を用いており、さらにセラミック硬質膜形成には直流電源を用いるなど脆化層のない良質な窒化層を得るための工夫はあるが、窒化層形成とセラミック硬質膜形成は連続的に処理されているとはいえ、イオン窒化の処理条件においてもイオン化形成のための真空度が(0.1〜8Torr)と比較的低く、窒化処理工程を一度終了した後に、再度高真空領域までの真空引きが必要であり、イオン窒化処理とセラミック硬質膜処理は分割した工程となっているため不連続処理による密着不良が懸念される。またイオンプレーティング装置におけるイオン窒化用の高周波電源とセラミック硬質膜用の直流電源の複数電源の準備が必要であることから処理プロセスは複雑になり、安定した品質を確保する点で実用的とはいえない。一方でイオン窒化で形成した窒化層についても切削工具に適用する場合は細心の注意が必要であり、特にエンドミルのような鋭利な刃を持つ工具については窒化層の厚さが切削中のコーナ刃欠けの原因になるため、セラミック硬質膜の厚さとともに耐摩耗性のある高機能ハイス工具を製作するうえでは重要な因子となる。しかしながら上記引用例にはいずれもその範囲は明確に規定されていないため、実際の鋭利な刃を持つ工具、特にエンドミルに適用する場合には窒化処理の効果は保証されるものではない。
さらにこれら特許文献1及び特許文献2の発明は、窒化処理とセラミック硬質膜を形成するための技術的な改善(窒化による異常層の防止や密着性の改善等)を主眼とするものであり、形成された窒化層とセラミック層は実際の切削工具に適用した場合に、そのままでは切削工具に対する効果を十分に発揮できるものではない。特に窒化層とセラミック硬質層の厚さと硬さは、鋭利な刃を持つ切削工具に大きく影響することは公知の事実である。例えば窒化層が厚すぎる場合や、表面に向かって窒化層内の硬さが急激に上昇する場合は、刃部の先端に局所的な応力集中が発生しチッピングを起こして寿命に至ることがあり、逆にあまりに窒化層が少ないときには窒化処理の効果が得られず短寿命に終わる。また良好な窒化層が得られたとしてもセラミック硬質膜との密着が良くない場合には硬質膜が剥離を引き起こしてしまい、窒化層と硬質膜の複合作用が十分に機能しなくなる。このように鋭利な刃を持つ切削工具に適用する場合は、第1に窒化層に異常層(窒化により形成される化合物層で白層ともいう)や酸化層がないこと、第2に窒化層の表面硬さ分布の減少勾配が適切であること、第3に窒化層とセラミック硬質層との密着が確保されていること、第4にセラミック硬質膜の厚さと窒化層の厚さのバランスが取れていること、が重要な因子となる。
上記の観点から、高速度工具鋼および合金工具鋼を母材とする切削工具に対して窒化層とセラミック硬質膜との密着性を確保するための窒化処理製法を研究し、かつ鋭利な切れ刃を持つ切削工具に最も適した窒化処理とセラミック硬質膜の組合せを研究し、本発明に到達したものである。
上記の観点から、高速度工具鋼および合金工具鋼を母材とする切削工具に対して窒化層とセラミック硬質膜との密着性を確保するための窒化処理製法を研究し、かつ鋭利な切れ刃を持つ切削工具に最も適した窒化処理とセラミック硬質膜の組合せを研究し、本発明に到達したものである。
本発明の課題は、ドリル、エンドミル、ホブなどの鋭い切れ刃を有する切削工具において、イオン窒化層とセラミック硬質膜の密着性が良く、従来のセラミック被覆工具に比べて耐摩耗性に優れ、生産性の向上、工具費コストの低減を図ることができるプラズマ窒化セラミック硬質膜被覆工具を提供することにある。
このため本発明は、高速度工具鋼、合金工具鋼からなる工具母材にイオンプレーティング装置を用いてプラズマ窒化処理を施すとともに、さらに同装置内でそのまま連続してセラミック硬質膜を被覆したことを特徴とするプラズマ窒化セラミック硬質膜被覆工具によって上記した課題を解決した。
上記した本発明は、切削加工において工具表面の母材強度を向上させる目的で、セラミック硬質膜を形成するためのイオンプレーティング装置を用いて、工具表面にプラズマ窒化処理を施すことで工具母材表面の硬さを向上させ、さらに同装置内でそのまま連続してセラミック硬質膜を被覆することにより、密着性の高いセラミック硬質膜を被覆した高機能ハイス工具を作製し、鋭利な刃を持つ切削工具において最適なプラズマ窒化層とセラミック硬質膜を被覆したので、従来のセラミック被覆工具に比べて耐摩耗性に優れ、生産性の向上、工具費コストの低減を図ることができるプラズマ窒化セラミック硬質膜被覆工具を提供するものとなった。プラズマ窒化層とセラミック硬質膜層の間に酸化層が存在する場合、例えば一般的な窒化装置で窒化処理を行った後に、PVD装置でその窒化した製品をコーティング処理する時は、高温で大気に曝された窒化表面に形成された酸化層の上にセラミック硬質膜が成膜されるため膜の密着性は大きく低下する。またイオン窒化(プラズマ窒化)のような真空中で処理をしたとしても、一度大気に曝せば窒化表面は酸化されセラミック硬質膜との密着は低下する。一方本発明においては、窒化処理と硬質膜処理を大気に曝されることなく真空中で連続して行うため、窒化層上に酸化層が形成されることがなく表面が正常な状態で密着の良いセラミック硬質膜を得ることができる。
好ましくは、前記プラズマ窒化処理を施した硬化層の厚さは20〜80μmであり、前記セラミック硬質膜の厚さは2〜10μmであり、前記セラミック硬質膜直下の表面の窒化層の硬さが工具母材の硬さより50〜250HV上昇しており、窒化硬さが窒化表面から内部に向かって漸次減少していることがより好ましい。プラズマ窒化による硬化層の厚さは20μm以下では硬化層の効果は期待できず、80μm以上では硬化層が厚すぎるために、窒化層上のセラミック硬質膜とともに切削中、特にエンドミル加工においては鋭利なコーナー部で刃こぼれを起こす危険性があるため上記の範囲に限定した。また窒化層の硬度減少勾配が大きく急な場合は工具母材とセラミック硬質膜直下の窒化硬さとの差が大きくなり、刃先に掛かる応力集中に耐えきれず窒化層からのチッピング(微少な刃欠け)が起こる。またセラミック硬質膜の厚さは2μ以下では切削における耐摩耗性の効果は期待できず、10μ以上ではセラミック硬質膜層での微少チッピングが発生しやすくなるためこの範囲に限定した。
さらに好ましくは、高速度工具鋼、合金工具鋼からなる工具母材に、例えばアークイオンプレーティング装置を用いて、工具母材を400〜550℃に加熱するとともに、アルゴンガスと窒素ガスを導入して10〜0.1Paの真空度状態で工具母材に−10〜−500Vの負電圧を印加し、負グロー放電によるイオンボンバード処理でプラズマ窒化を施すことが好ましい。プラズマ窒化処理を施した後で、アークイオンプレーティング法で連続して、硬化層の上に直接Ti、V、Cr等の4a族、5a族、6a族の元素と、Si、
Al、Bの1種以上の組み合わせからなる窒化物、炭化物、炭窒化物、酸化物の単層又は2層以上の多層膜であるセラミック硬質膜を形成することがより好ましい。
Al、Bの1種以上の組み合わせからなる窒化物、炭化物、炭窒化物、酸化物の単層又は2層以上の多層膜であるセラミック硬質膜を形成することがより好ましい。
また好ましくは、前記プラズマ窒化層上に成膜されたセラミック硬質膜はロックウェル硬度計(Cスケール)を用いて押圧した場合に生じる圧痕を100倍の倍率で観察した結果が、前記圧痕の外周1mm以上の範囲で膜と工具母材との間で剥離が認められない程度の密着性を有することが切削工具においてより好ましい。この密着性の判定として実施するロックウェル硬度計を用いて行う剥離判定試験は、ドイツ連邦共和国では規格化(VD13198 Coating of cold forging tools)されており、現在硬質被覆膜の密着判定方法として簡易的に行うことができて、しかも信頼性の高い方法であるため本発明方法による工具の硬質膜の密着判定方法として採用し、研究結果として密着性と切削試験結果との対応から、その判定基準として請求項の範囲を設定した。
本発明を実施するための最良の形態の一例を図1乃至図4を参照して説明する。図1に代表的なアーク方式によるイオンプレーティング装置(アークイオンプレーティング装置)の概略図を示す。図2は本発明品であるプラズマ窒化セラミック硬質膜の構成を示すブロック図、図3は本発明のセラミック硬質膜下のプラズマ窒化層の硬さ分布と本特許請求の範囲を示すグラフ、図4はロックウェル硬度計による圧痕剥離判定基準(高速度工具鋼上のPVD被膜の密着強度を規定した模式図)をそれぞれ示す。
本発明を実施するための最良の形態のプラズマ窒化セラミック硬質膜被覆工具の図1に示すイオンプレーティング装置による処理プロセスは、真空容器内を排気する→製品を加熱する→アルゴンイオンボンバードでコーティング被覆前に工具表面を清浄にする→コーティングする→取り出し温度まで冷却する、ことである。このうち、真空容器内部での工具表面の清浄度を向上させるために、不活性ガスによる負グロー放電を利用して行うイオンボンバード工程(一般的にはアルゴンイオンを用いて工具表面をクリーニングするアルゴンイオンボンバード工程)があるが、通常は表面清浄を行った後すぐにコーティング工程に移行してセラミック硬質膜の成膜を行うが、コーティング工程に移行する前の表面の清浄な状態で真空中で窒化すれば異常層や酸化層ができにくく最も効率のよい窒化処理を施すことができ、かつセラミック硬質膜を連続して被覆すれば窒化層との密着性も格段に向上するという知見を得た。
本発明を実施するための最良の形態のプラズマ窒化セラミック硬質膜被覆工具について具体的に説明する。高速度工具鋼(以下ハイスと称する)SKH59相当材(合金工具鋼でもよい)を母材とした外径6mmの2枚刃の無処理エンドミルを図1のアークイオンプレーティング装置の工具取り付け治具3に設置して真空容器1を所定の真空度まで真空排気し、加熱用ヒータ11で450℃(400〜550°Cでもよい)に工具本体を加熱して1時間保持した。その後、真空容器内にアルゴンガス導入口から真空圧力3Pa(10〜0.1Paの真空圧力でもよい)になるまでアルゴンガスを導入し、電子銃2とアノード4の間で負グロー放電によるアルゴンプラズマを発生させた状態で、取り付け治具3に負電圧−200Vを印加してイオンボンバード処理により60分間工具表面を清浄化した。アルゴンイオンボンバード終了後、アルゴンガスとの流量バランスを取りながら所定の圧力になるまで窒素ガスを導入して、負電圧を−10〜−500Vの範囲で印加し、中真空領域でのプラズマ窒化処理を所定時間行った。プラズマ窒化完了後はさらに同真空容器内でそのまま金属蒸発源(ターゲット)に取り付けた、例えばTi合金にアーク放電を起こしてTiを蒸発させ、アルゴンガスと窒素ガスの流量を所定の比率に設定してアークイオンプレーティング方式により代表的なセラミック硬質膜であるTiNを約3μm成膜した。またTiAlNを成膜する時にはTiAlターゲットを用いて同様に成膜した。所定の膜厚を得た後は全ての電源とガスを停止して真空容器内が180℃以下になるまで冷却してから工具を取り出した。同様な方法で各種の窒化層とセラミック硬質膜の組合せを製作し、窒化層の硬さ分布とセラミック硬質膜の厚さを調べた結果を表1に示す。
またプラズマ窒化の上に成膜されたセラミック硬質膜の密着性を評価するため、一般的に行われているロックウェル硬度計を用いた圧痕剥離試験を行った。この試験法は標準的なロックウェル(Cスケール)硬度計を用いておこなうものであり、ダイヤモンド圧子を工具表面に押圧した場合に生ずる圧痕を100倍の倍率で観察した結果が、前記圧痕の外周1mm以上の範囲で膜と工具母材との間で剥離が認められない程度の密着性であれば工具の切削に十分耐えうるだけの密着性を有すると判断するものである。例えば密着性の劣るものはダイヤモンド圧子の剪断力により密着の程度に応じて圧痕の周囲に硬質被膜の剥離が生じるため密着性の判断が出来る。このためセラミック硬質膜の密着性の一般的な評価方法として良く知られているロックウェル硬度計圧痕剥離判定基準(図4)により判定を行ったところ、プラズマ窒化上のセラミック硬質膜の密着性は全てHF1(外周剥離1mm以下)で申し分のないものであった。この結果、本発明によるプラズマ窒化層には化合物による脆弱層がなく、セラミック硬質膜が密着性良く工具母材に付いていることが確認できた。本発明品と比較品のロックウェル硬度計による圧痕写真を図5に示す。本発明品(No8)は圧痕周囲から膜の剥離は認められなかった(密着判定HF1)。しかしプラズマ窒化後に一度大気に曝し、その後セラミック硬質膜を被覆した比較品(No7)は圧痕全周に膜の剥離が生じており判定結果はHF6で窒化層上のセラミック硬質膜の密着性は良好でない。
本発明品であるプラズマ窒化セラミック硬質膜被覆工具の効果を確認するため切削工具による比較試験を行った結果を次に示す。
ハイスエンドミル切削試験
切削工具:外径6mm×柄径8mm2枚刃ハイスエンドミル(材質SKH59相当材)
切削条件:ドライ(エアブロー)
加工方法:側面切削(ダウンカット)
切削速度:12.4m/min(660min−1)
送り速度:0.027mm/刃(35mm/min)
切り込み:aa=6mm ar=1.5mm
切削長:1m
被削材:SKD11(硬さ180HB)
ハイスエンドミル切削試験
切削工具:外径6mm×柄径8mm2枚刃ハイスエンドミル(材質SKH59相当材)
切削条件:ドライ(エアブロー)
加工方法:側面切削(ダウンカット)
切削速度:12.4m/min(660min−1)
送り速度:0.027mm/刃(35mm/min)
切り込み:aa=6mm ar=1.5mm
切削長:1m
被削材:SKD11(硬さ180HB)
本発明品と比較品とのハイスエンドミル切削試験結果を表1に示す。
本発明品(No8〜12)は比較品(No1〜7)に比べてエンドミル切削後の逃げ面摩耗量(VB摩耗)およびコーナ摩耗量(VC摩耗)が小さく、異常摩耗も見られないことから、プラズマ窒化処理で形成された窒化層の上に、連続的に成膜されたセラミック硬質膜との密着性は良好であり、窒化層の表面硬さの上昇による摩耗量の低減が図られている。比較品の特徴として窒化層が深いNo2は刃先にチッピング(刃欠け)現象を引き起こしており、深い窒化処理は鋭利な工具に対して逆効果になる。一方で窒化層が浅いNo3はセラミック硬質膜による耐摩耗効果だけで窒化層による効果が認められない。またセラミック硬質膜の密着性の判定結果がHF6であった試料No7は剥離先行型の摩耗を引き起こし、大きな摩耗となった。
本発明品(No8〜12)は比較品(No1〜7)に比べてエンドミル切削後の逃げ面摩耗量(VB摩耗)およびコーナ摩耗量(VC摩耗)が小さく、異常摩耗も見られないことから、プラズマ窒化処理で形成された窒化層の上に、連続的に成膜されたセラミック硬質膜との密着性は良好であり、窒化層の表面硬さの上昇による摩耗量の低減が図られている。比較品の特徴として窒化層が深いNo2は刃先にチッピング(刃欠け)現象を引き起こしており、深い窒化処理は鋭利な工具に対して逆効果になる。一方で窒化層が浅いNo3はセラミック硬質膜による耐摩耗効果だけで窒化層による効果が認められない。またセラミック硬質膜の密着性の判定結果がHF6であった試料No7は剥離先行型の摩耗を引き起こし、大きな摩耗となった。
切削試験で用いた代表的なエンドミルの切り刃を断面で切断し、セラミック硬質被覆層直下の窒化層表面から内部の深さ方向に向かって硬さの分布を調べた結果を図6に示す。比較品である窒化が過剰なNo2はエンドミル刃のコーナ部がチッピング(刃欠け)している。また窒化不足のNo3は窒化の効果はほとんど見られない。
実施例1と同様な工程で製作した本発明品と、本発明を施していないセラミック硬質膜のみを被覆したもの(比較品)との切削性能比較を行った。
ハイスドリル切削試験条件
切削工具:外径6mm
(溶解ハイス:SKH51相当材、粉末ハイス:SKH40相当材)
切削条件:水溶性エマルジョン
加工方法:19mm通し穴
切削速度:48m/min(2550min−1)
送り速度:410mm/min(0.162mm/rev)
被削材:S50C(硬さ212HB)
ハイスドリル切削試験条件
切削工具:外径6mm
(溶解ハイス:SKH51相当材、粉末ハイス:SKH40相当材)
切削条件:水溶性エマルジョン
加工方法:19mm通し穴
切削速度:48m/min(2550min−1)
送り速度:410mm/min(0.162mm/rev)
被削材:S50C(硬さ212HB)
本発明品と比較品との比較試験結果を表2に示す。
一般的なハイスドリルに本発明品を施したもの(本発明品)と、本発明をほどこしていない、セラミック硬質膜のみを被覆したもの(比較品)と比べて本発明品は約1.7倍の寿命であった。
〔本発明の最良の実施形態の効果〕
一般的なハイスドリルに本発明品を施したもの(本発明品)と、本発明をほどこしていない、セラミック硬質膜のみを被覆したもの(比較品)と比べて本発明品は約1.7倍の寿命であった。
上記の本発明の最良の実施形態から、本発明品プラズマ窒化セラミック硬質膜被覆工具はハイス材を母材とする工具(ドリル、エンドミル、タップ、ホブ、金型等)に適用することにより、従来の一般溶解ハイス工具の寿命を飛躍的に向上させることができる。その効果は高価な高級粉末ハイス工具の持つ寿命に匹敵、かつそれ以上の性能を示しており、本発明品の特徴である、第1の、母材表面から内部に向かってのなだらかな窒化硬さの傾斜効果と、第2の、同一装置内での連続処理による、窒化層とセラミック硬質膜の密着性の良さ、第3の、セラミック硬質膜の厚さと窒化層の厚さの良好なバランスが大きく作用している。以上の様に本発明品のプラズマ窒化セラミック硬質膜被覆工具は、従来のセラミック被覆工具に比べて耐摩耗性に優れ、生産性の向上、工具費コストの低減に極めて有効である。
好ましくは、前記プラズマ窒化処理を施した硬化層の厚さは20〜80μmであり、前記セラミック硬質膜の厚さは2〜10μmであり、前記セラミック硬質膜直下の表面の窒化層の硬さが工具母材の硬さより50〜250HV上昇しており、窒化硬さが窒化表面から内部に向かって漸次減少していることがより好ましい。プラズマ窒化による硬化層の厚さは20μm以下では硬化層の効果は期待できず、80μm以上では硬化層が厚すぎるために、窒化層上のセラミック硬質膜とともに切削中、特にエンドミル加工においては鋭利なコーナー部で刃こぼれを起こす危険性があるため上記の範囲に限定した。また窒化層の硬度減少勾配が大きく急な場合は工具母材とセラミック硬質膜直下の窒化硬さとの差が大きくなり、刃先に掛かる応力集中に耐えきれず窒化層からのチッピング(微少な刃欠け)が起こる。またセラミック硬質膜の厚さは2μ以下では切削における耐摩耗性の効果は期待できず、10μ以上ではセラミック硬質膜層での微少チッピングが発生しやすくなるためこの範囲に限定した。
さらに好ましくは、高速度工具鋼、合金工具鋼からなる工具母材に、例えばアークイオンプレーティング装置を用いて、工具母材を400〜550℃に加熱するとともに、アルゴンガスと窒素ガスを導入して10〜0.1Paの真空度状態で工具母材に−10〜−500Vの負電圧を印加し、負グロー放電によるイオンボンバード処理でプラズマ窒化を施すことが好ましい。プラズマ窒化処理を施した後で、さらに同装置内でそのままアークイオンプレーティング法で連続して、硬化層の上に直接Ti、V、Cr等の4a族、5a族
、6a族の元素と、Si、Al、Bの1種以上の組み合わせからなる窒化物、炭化物、炭
窒化物、酸化物の単層又は2層以上の多層膜であるセラミック硬質膜を形成することがより好ましい。
、6a族の元素と、Si、Al、Bの1種以上の組み合わせからなる窒化物、炭化物、炭
窒化物、酸化物の単層又は2層以上の多層膜であるセラミック硬質膜を形成することがより好ましい。
また好ましくは、前記プラズマ窒化層上に成膜されたセラミック硬質膜はロックウェル硬度計(Cスケール)を用いて押圧した場合に生じる圧痕を100倍の倍率で観察した結果が、前記圧痕の外周1mm以上の範囲で膜と工具母材との間で剥離が認められない程度の密着性を有することが切削工具においてより好ましい。この密着性の判定として実施するロックウェル硬度計を用いて行う剥離判定試験は、ドイツ連邦共和国では規格化(VD13198 Coating of cold forging tools)されており、現在硬質被覆膜の密着判定方法として簡易的に行うことができて、しかも信頼性の高い方法であるため本発明方法による工具の硬質膜の密着判定方法として採用し、研究結果として密着性と切削試験結果との対応から、その判定基準として請求項の範囲を設定した。
Claims (5)
- 高速度工具鋼、合金工具鋼からなる工具母材にイオンプレーティング装置を用いてプラズマ窒化処理を施すとともに、さらに同装置内でそのまま連続してセラミック硬質膜を被覆したことを特徴とするプラズマ窒化セラミック硬質膜被覆工具。
- 前記プラズマ窒化処理を施した硬化層の厚さは20〜80μmであり、前記セラミック硬質膜の厚さは2〜10μmであり、前記セラミック硬質膜直下の表面の窒化層の硬さが工具母材の硬さより50〜250HV上昇しており、窒化硬さが窒化表面から内部に向かって漸次減少していることを特徴とする請求項1記載のプラズマ窒化セラミック硬質膜被覆工具。
- 前記セラミック硬質膜は、Ti、V、Cr等の4a族、5a族、6a族の元素と、Si
、Al、Bの1種以上の組み合わせからなる窒化物、炭化物、炭窒化物又は酸化物の単層又は2層以上の多層膜であることを特徴とする請求項1又は請求項2記載のプラズマ窒化セラミック硬質膜被覆工具。 - 前記プラズマ窒化層上に成膜されたセラミック硬質膜はロックウェル硬度計(Cスケール)を用いて押圧した場合に生じる圧痕を100倍の倍率で観察した結果が、前記圧痕の外周1mm以上の範囲で膜と工具母材との間で剥離が認められない程度の密着性を有することを特徴とする請求項2記載のプラズマ窒化セラミック硬質膜被覆工具。
- 前記プラズマ窒化処理は、工具母材を400〜550°Cに加熱するとともに、イオンボンバードで使用するアルゴンガスを含む不活性ガスに窒素ガスを導入して10〜0.1Paの真空度状態を保ちながら、工具母材に−10〜−500Vの負電圧を印加し、負グロー放電によるイオンボンバード処理で発生するプラズマを利用して窒化を施すことを特徴とする請求項1又は請求項2記載のプラズマ窒化セラミック硬質膜被覆工具。
Priority Applications (1)
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