JP2005152862A - 洗浄装置用ノズル - Google Patents
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Abstract
【課題】噴射形態を容易に変更することのできる洗浄装置用ノズルを提供する。
【解決手段】洗浄装置用ノズルの噴出口から洗浄液を圧縮気体により加圧して噴出することによって、該被洗浄物の表面に付着している汚染物質を除去する洗浄装置に用いられる洗浄装置用ノズルにおいて、一方の端部側から導入した洗浄液と圧縮気体とを混合する所定形状の第1の管路を備えた本体部と、上記本体部の上記第1の管路の他方の端部側と一方の端部側が連通し噴出口を他方の端部側に有する所定形状の第2の管路を備えた噴射管と、上記本体部に上記噴射管を着脱自在に取り付ける取り付け機構とを有する。
【選択図】 図2
【解決手段】洗浄装置用ノズルの噴出口から洗浄液を圧縮気体により加圧して噴出することによって、該被洗浄物の表面に付着している汚染物質を除去する洗浄装置に用いられる洗浄装置用ノズルにおいて、一方の端部側から導入した洗浄液と圧縮気体とを混合する所定形状の第1の管路を備えた本体部と、上記本体部の上記第1の管路の他方の端部側と一方の端部側が連通し噴出口を他方の端部側に有する所定形状の第2の管路を備えた噴射管と、上記本体部に上記噴射管を着脱自在に取り付ける取り付け機構とを有する。
【選択図】 図2
Description
本発明は、洗浄装置用ノズルに関し、さらに詳細には、例えば、半導体シリコンウェーハや液晶用ガラス基板などの洗浄装置における洗浄装置用ノズルに関するものであって、さらに詳細には、洗浄液を圧縮気体で加圧して噴出することで、微小かつ高速な洗浄液のミストを生成するノズルとして用いて好適な、半導体ウェーハや液晶用ガラス基板などの洗浄装置の洗浄装置における洗浄装置用ノズルに関する。
従来より、半導体シリコンウェーハや液晶用ガラス基板などの各種基板の表面に、液体と気体とを混合してミストを噴射し、基板の表面に付着したパーティクルなどの汚染物質を除去して洗浄するノズルが知られている。
こうした従来のノズル200は、例えば、図1に示すように、液体を導入するための導入口202bと気体を導入するための導入口202cとに枝分かれした管路202aが一体形成された本体部202を有している。そして、ノズル200の導入口202b,202c近傍においては、管路202aの内径側にメスネジ202e,202fが形成されている。このメスネジ202e,202fには、メイルコネクタ204,206のシールテープが巻き付けられたネジ部204a,206aがネジ込まれてネジ結合している。
このノズル200の導入口202b,202cにそれぞれネジ込まれたメイルコネクタ204,206を介して接続された液体の導入管208と気体の導入管210とによって、液体と気体とが管路202aに導入され、管路202aにおいて液体と気体とが混合されると、本体部202の先端で管路202aが開口する噴射口202dから、被洗浄物である基板の表面にミストが噴射される。
上記した従来のノズル200においては、導入口202b,202cから噴射口202dまで至る管路202aが、本体部202に一体形成されているので、管路202aや噴射口202の形状に応じた単一の噴射形態で噴射口202dからミストが噴射されるだけであった。つまり、複数の異なる管路や噴射口の形状に対応させて異なる噴射形態でミストを噴射させるためには、ノズル200ごと交換する必要があるという問題点があった。
また、従来のノズル200においては、噴射口202dから噴射されたミストが四方八方に飛散してしまったり、あるいは、被洗浄物である基板の表面に衝突したミストが大きく巻き上がってしまうので、被洗浄物の表面から除去された汚染物質などによって汚染されたミストが、洗浄された被洗浄物に再付着して被洗浄物が再汚染されるという問題点があった。
また、従来のノズル200の管路202aは、切削加工されて本体部202に一体形成されており、その仕上げ処理としてリーマ加工が施されている。しかしながら、リーマ加工では、管路202aの内表面の表面粗さの最大高さ(Ry)をおよそ4μmにすることしかできないので、ノズル200の管路202aに高圧かつ大流量の気体を導入すると、異物が発生してしまうこととなっていた。こうした異物の発生はノズル200の製作直後などに顕著に生起されていた。
さらに、従来のノズル200においては、管路202aの内径側に形成されたメスネジ202e,202fに、メイルコネクタ204,206のネジ部204a,206aがネジ込まれるので、液体の導入管208ならびに気体の導入管210を管路202aを接続するための継手部位が本体部202と擦れる構成となっており、管路202aの内径側に形成されたメスネジ202e,202f近傍において異物が発生していた。
即ち、従来のノズル200においては、管路202aの内表面が滑らかでないことや、管路202aの内径側に継手部位が形成されていることに起因して、管路202a内に異物が発生し易く、こうした異物がミストとともに噴射されて被洗浄物が汚染されるという問題点があった。
本発明は、上記したような従来の技術の有する種々の問題点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、噴射形態を容易に変更することのできる洗浄装置用ノズルを提供しようとするものである。
また、本発明の目的とするところは、被洗浄物が汚染されるのを防止して、被洗浄物の洗浄効果を向上することのできる洗浄装置用ノズルを提供しようとするものである。
上記目的を達成するために、本発明のうち請求項1に記載の発明は、洗浄装置用ノズルの噴出口から洗浄液を圧縮気体により加圧して噴出することによって、該被洗浄物の表面に付着している汚染物質を除去する洗浄装置に用いられる洗浄装置用ノズルにおいて、一方の端部側から導入した洗浄液と圧縮気体とを混合する所定形状の第1の管路を備えた本体部と、上記本体部の上記第1の管路の他方の端部側と一方の端部側が連通し噴出口を他方の端部側に有する所定形状の第2の管路を備えた噴射管と、上記本体部に上記噴射管を着脱自在に取り付ける取り付け機構とを有するようにしたものである。
また、本発明のうち請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、上記取り付け機構は、上記本体部の外周側に形成されたネジ部と、上記本体部の上記第1の管路の上記他方の端部側の内径側に形成され上記噴射管の上記一方の端部側が嵌合する凹部と、上記凹部に上記一方の端部側を嵌合した上記噴射管を内挿し上記本体部の上記ネジ部にネジ結合する袋ナットとを有するようにしたものである。
また、本発明のうち請求項3に記載の発明は、請求項1または請求項2のいずれか1項に記載の発明において、さらに、上記噴射管の上記噴出口の外周側を被覆するようにして、上記噴射管に上記噴射管の軸線方向と一致する方向で移動自在に配設されたカバーを有するようにしたものである。
また、本発明のうち請求項4に記載の発明は、請求項1または請求項2のいずれか1項に記載の発明において、さらに、上記噴射管を内挿して上記噴射管の外周側に固定的に配設された袋ナットと、全体が略筒状体に形成され一方の開口部側に上記袋ナットにネジ結合するネジ部を備えた被覆部材とを有し、上記被覆部材の上記ネジ部を上記袋ナットにネジ込む量を変化させることにより、上記噴射管の上記噴出口の外周側を被覆するようにして、上記噴射管に上記噴射管の軸線方向と一致する方向で移動自在に上記被覆部材を配設するようにしたものである。
また、本発明のうち請求項5に記載の発明は、請求項1、請求項2、請求項3または請求項4のいずれか1項に記載の発明において、さらに、上記本体部は、一方の端部側から導入した洗浄液と圧縮気体とを混合し上記一方の端部側が二股に分岐した上記第1の管路と、上記第1の管路の二股に分岐した一方側の開口部の外周側に上記本体部と一体的に形成され、上記第1の管路に上記洗浄液を導入するための配管を接続可能な接続部と、上記第1の管路の二股に分岐した他方側の開口部の外周側に上記本体部と一体的に形成され、上記第1の管路に上記圧縮気体を導入するための配管を接続可能な接続部とを有するようにしたものである。
また、本発明のうち請求項6に記載の発明は、請求項1、請求項2、請求項3、請求項4または請求項5のいずれか1項に記載の発明において、さらに、上記本体部の上記第1の管路または上記噴射管の上記第2の管路のうちの少なくともいずれか一つは、管路内の表面粗さの最大高さ(Ry)が1μm以内に形成されたものである。
また、本発明のうち請求項7に記載の発明は、請求項1、請求項2、請求項3、請求項4、請求項5または請求項6のいずれか1項に記載の発明において、SUS316、SUS316L、チタンまたはハステロイCを材質としたものである。
また、本発明のうち請求項8に記載の発明は、請求項1、請求項2、請求項3、請求項4、請求項5または請求項6のいずれか1項に記載の発明において、PFA、PTFEまたはPCTFEを材質としたものである。
本発明による洗浄装置用ノズルは、噴射形態を容易に変更することができるようになるという優れた効果を奏する。
また、本発明による洗浄装置用ノズルは、被洗浄物が汚染されるのを防止して、被洗浄物の洗浄効果を向上することができるようになるという優れた効果を奏する。
以下、添付の図面に基づいて、本発明による洗浄装置用ノズルの実施の形態の一例を詳細に説明するものとする。
図2には、本発明による洗浄装置用ノズルの実施の形態の一例を示す中央縦断面構成説明図が示されている。
この洗浄装置用ノズル10は、管路12aを備えた本体部12と、管路14aを備えた噴射管14と、本体部12の下端部12bに噴射管14を着脱自在に取り付ける取り付け機構16とを有して構成されている。
本体部12は、全体が略円柱状体に形成されており、所定の位置で二股に分岐した形状の管路12aを有している。より詳細には、管路12aは、本体部12の軸線方向と一致する方向に延長され延長方向と直交する方向における断面形状が略円形形状の主流管路12cと、主流管路12cの途中の合流ポイント12pで合流するように延長され延長方向と直交する方向における断面形状が略円形形状の支流管路12dとからなるものである。
従って、管路12aは、本体部12aの上端部12eにおいて主流管路12cが略円形形状で開口する開口部12fと、本体部12aの上端部12eにおいて支流管路12dが略円形形状で開口する開口部12gと、本体部12aの下端部12bにおいて主流管路12cが略円形形状で開口している開口部12hとを備えている。
管路12aの開口部12fの外周側には、ネジ山12kが本体部12から延設されて本体部12と一体的に形成されている。
そして、管路12aの開口部12fには、圧縮気体を管路12aに導入するための配管102が、ネジ山12kにネジ結合する袋ナット104によって接続されている。従って、配管102を介して、図示しないタンクから管路12aの主流管路12cには圧縮気体が供給可能となされている。なお、圧縮気体としては、例えば、圧縮空気や窒素(N2)ガスなどを用いることができる。
また、管路12aの開口部12gの外周側には、ネジ山12nが本体部12から延設されて本体部12と一体的に形成されている。
そして、管路12aの開口部12gには、洗浄液を管路12aに導入するための配管106が、ネジ山12nにネジ結合する袋ナット108によって接続されている。従って、配管106を介して、図示しないタンクから管路12aの支流管路12dには洗浄液が供給可能となされている。なお、洗浄液としては、例えば、純水や、酸性の洗浄剤、アルカリ性の洗浄剤のような各種薬品あるいはその他の金属を侵すような洗浄液などを用いることができる。
一方、管路12aの開口部12hは、主流管路12cの内径が本体部12の下端部12b側において拡大形成されているので、本体部12aの上端部12eにおいて主流管路12cが開口する開口部12kの内径より大きな内径を有するものである。このため、本体部12の下端部12bには、主流管路12cの内径が拡大形成されている範囲で、主流管路12cの内径側に開口部12hで開口する凹部12sが形成されている。
ここで、管路12aの開口部12hが開口している本体部12aの下端部12bの端面12bbは平滑面に形成されている。また、本体部12aの下端部12bの外周側面12tにはネジ山12wが形成されている。
噴射管14は、全体が略円柱状体に形成されており、軸線方向と一致する方向に延長され延長方向と直交する方向における断面形状が略円形形状の管路14aを有している(図2ならびに図3(a)参照)。
この管路14aの上端部14bにおいて略円形形状で開口する開口部14cの内径は、管路14aが下端部14dにおいて略円形形状で開口する開口部14eの内径に比べて大きくなるように寸法設定されている。この開口部14cの内径は、本体部12aの下端部12bの凹部12sの底部12ssにおいて開口する主流管路12cの内径と略一致するように寸法設定されている。
そして、管路14aはほぼ全長にわたって同一の内径を有するものであるが、開口部14c近傍が一部だけ末広がりになるように内径が拡大形成されている。また、開口部14cが開口している噴射管14の上端部14bの端面14bbは平滑面に形成されており、上端部14b全体は、本体部12の下端部12bに形成された凹部12sと嵌合可能なように寸法設定されている。
ここで、上記した洗浄装置用ノズル10の本体部12と噴射管14とはそれぞれ、その材質を限定されるものではない。洗浄装置用ノズル10においては、材質を適宜に選択することにより、種々の洗浄液を用いることができるようになる。
例えば、洗浄装置用ノズル10の本体部12と噴射管14との材質として、SUS316、SUS316L、チタンまたはハステロイCなどを用いれば、洗浄液として純水を用いた場合に、洗浄装置用ノズル10の寿命を長くすることが期待できる。
また、洗浄装置用ノズル10の本体部12と噴射管14との材質として、PFA(四フッ化エチレンパーフルオロアルキルビニルエーテル共重合樹脂)、PTFE(四フッ化エチレン樹脂)またはPCTFE(三フッ化塩化エチレン樹脂)などのフッ素樹脂やその他の樹脂材料を用いれば、洗浄液として酸性の洗浄剤やアルカリ性の洗浄剤を使用することが可能になる。
そして、上記したような種々の材料により、洗浄装置用ノズル10の本体部12ならびに噴射管14を製作する際には、本体部12の管路12aとなる孔の穿設や、噴射管14の管路14aとなる孔の穿設の仕上げ処理として、ラップ仕上げを行っている。その結果、本体部12ならびに噴射管14の管路12a,14aの内表面12aa,14aaは、非常に滑らかになっている。
具体的には、図4に本願出願人の実験の結果が示されているが、ラップ仕上げによって、PFAによりなる本体部12ならびに噴射管14の管路12a,14aの内表面12aa,14aaの表面粗さ、即ち、最大高さ(Ry)は1μm以内となされている。こうしたラップ仕上げによる結果は、同じくPFAによりなる本体部12ならびに噴射管14にリーマ加工をしたときの管路の内表面の表面粗さ4μmに比べて非常に優れたものである。
こうした本体部12と噴射管14とが、取り付け機構16によって組み付けられて洗浄装置用ノズル10が構成されている。この取り付け機構16は、本体部12の外周側面12tに形成されたネジ山12wと、本体部12の主流管路12cの内径側に形成された凹部12sと、袋ナット20とからなるものである。
より詳細には、本体部12の下端部12bの凹部12sに、噴射管14の上端部14bを嵌合させる。この際、噴射管14の上端部14bの端面14bbが、凹部12sの底部12ssに当接して位置決めされる。
そして、袋ナット20の袋部20aの孔20bに、本体部12の凹部12sに上端部14bが嵌合している噴射管14を内挿するようにして、袋ナット20を本体部12の下端部12側に被覆し、袋ナット20のネジ溝20cを本体部12aの下端部12bの外周側面12tに形成されたネジ山12wとネジ結合させる。これにより、袋ナット20の袋部20aの内面20dが、本体部12の下端部12bの端面12bbに当接し、噴射管14が本体部12の凹部12sから抜け落ちるのが防止された状態で、本体部12に噴射管14が着脱自在に取り付けられる。
こうして取り付け機構16によって本体部12と噴射管14とを組み付けて構成される洗浄装置用ノズル10においては、本体部12aの主流管路12cの開口部12hの端部側と噴射管14の管路14の開口部14cの端部側とが連通して、噴射管14の管路14aが下端部14dにおいて開口する開口部14eが、 洗浄装置用ノズル10の先端部たる噴出口となる。
さらに、洗浄装置用ノズル10においてはその噴出口の外周側を被覆するようにして被覆部材30が配設されている。
被覆部材30は、全体が略円筒状体に形成されており、略円形形状で開口する先端開口部30aの内径に比べて、略円形形状で開口する基部開口部30bの内径が小さくなるように寸法設定されている。この基部開口部30bの内径は、噴射管14の下端部14d近傍の外周と略一致するように寸法設定されている。そして、基部開口部30bの外周側にはネジ山30cが形成されている。
そして、被覆部材30のネジ山30cは、袋部32aの孔32bに噴射管14を内挿し、ネジ溝32cが噴射管14の下端部14d側を向くようにして噴射管14の外周側に固定的に配設された袋ナット32のネジ溝32cにネジ結合している。これにより、被覆部材30が噴射管14の外周側に位置して、噴射管14の下端部14dの管路14aの開口部14eを被覆する。
この際、被覆部材30のネジ山30cを袋ナット32にネジ込む量を変化させることにより、被覆部材30は噴射管14の軸線方向と一致する方向で移動可能なものであり、被覆部材30の固定位置は変動できる。従って、噴射管14の開口部14e、即ち、洗浄装置用ノズル10の先端部たる噴出口と被覆部材30の先端開口部30aとの位置関係を変化させ、噴射管14の開口部14eから被覆部材30の先端開口部30aまでの長さL(図2参照)が所定の長さとなるように調節することができる。
以上の構成において、本発明による洗浄装置用ノズル10を用いて、半導体シリコンウェーハや液晶用ガラス基板のような各種基板などの被洗浄物の洗浄を行うには、まず、図示しないタンクから配管102を介して、本体部12の管路12aの主流管路12cに圧縮気体を供給するとともに、図示しないタンクから配管106を介して、管路12aの支流管路12dに洗浄液を供給する。
そして、本体部12の管路12aの開口部12fから導入された圧縮気体と、管路12aの開口部12gから導入された洗浄液とは、主流管路12cの途中の合流ポイント12pにおいて混合してミストを生成する。このミストが開口部14cを介して本体部12の管路12aの主流管路12cと連通する噴射管14の管路14aに至り、管路14aの開口部14e、 即ち、洗浄装置用ノズル10の噴出口から噴出される。
こうして洗浄装置用ノズル10の噴出口から洗浄液を圧縮気体によって加圧し加速して噴出し、微小かつ高速な洗浄液のミストが被洗浄物に対して噴出されると、被洗浄物の表面に付着しているパーティクルなどの汚染物質が除去されて、被洗浄物が洗浄される。
この際、噴射管14の管路14aの開口部14eを被覆するようにして噴射管14の外周側に被覆部材30が配設されており、しかも被覆部材30がスルーコネクタ形状で噴射管14の軸線方向と一致する方向で移動し任意の位置で固定して長さL(図2参照)を調節できるので、管路14aの開口部14eから噴出した直後のミストの飛散が抑制され、被洗浄物に衝突したミストの巻き上がりも大きくならない。
その結果、管路14aの開口部14eから噴出したミストは、被覆部材30によって誘導されて、被覆部材30の先端開口部30aと被洗浄物との間に効率良く供給され、被洗浄物の表面から除去された汚染物質などによって汚染されたミストが、洗浄された被洗浄物に再付着して被洗浄物が再汚染されることを防止できる。
さらに、導入された圧縮気体に洗浄液が混合されミスト化して通過していく、本体部12ならびに噴射管14の管路12a,14aの内表面12aa,14aaは、ラップ仕上げを行っているので非常に滑らかになっている。従って、たとえ製作直後に高圧かつ大流量の気体が導入されても、本体部12ならびに噴射管14の管路12a,14aにおける異物の発生が抑えられる。
具体的には、噴射管14の管路12a,14aの内表面12aa,14aaのようにラップ仕上げで最大高さ(Ry)を1μm以内とすれば、図4に示すように、リーマ加工をした場合のパーティクルの発生量を激減させることができる。
また、洗浄装置用ノズル10においては、管路12aの開口部12f,12gの外周側に、ネジ山12k,12nが本体部12から延設されて本体部12と一体的に形成されている。このため、管路12aの開口部12f,12g近傍において管路12aの内径側にネジ溝を形成することなしに、圧縮気体を導入するための配管102や洗浄液を導入するための配管106を、袋ナット104,108によって管路12aの開口部12f,12gに接続することができる。
つまり、洗浄装置用ノズル10は、上記「背景技術」の項に記載したノズル200(図1参照)のように継手部位が本体部と擦れる構成とはなっておらず、管路12a内に異物が発生することもない。
このように、洗浄装置用ノズル10においては、管路12aの内表面が滑らかで、管路12aの内径側に継手部位が形成されていないので、管路12a内の異物の発生を抑制でき、異物がミストとともに噴射されて被洗浄物が汚染されるのを防止できる。
従って、本発明による洗浄装置用ノズル10は、被覆部材30を配設するようにしたため、被洗浄物の表面から除去された汚染物質などによって汚染されたミストが、洗浄された被洗浄物に再付着して被洗浄物が再汚染されることを防止できるようになり、管路12a,14aの内表面12aa,14aaにラップ仕上げを行い、管路12aの開口部12f,12gの外周側にネジ山12k,12nを本体部12と一体的に形成するようにしたので、異物の発生を抑制して被洗浄物が汚染されるのを防止できるようになり、被洗浄物の洗浄効果を向上することができる。
このため、本発明による洗浄装置用ノズル10を、例えば、超LSIの製造工程において用いることにより、各製造工程中にパーティクルなどの汚染物質が半導体ウェーハの表面に付看して、製品の歩留まりおよび品質を著しく低下させるような事態を回避することができる。
また、本発明による洗浄装置用ノズル10は、取り付け機構16によって、本体部12に噴射管14が着脱自在に取り付けられるようにしたため、洗浄装置用ノズル10全体を交換せずとも、洗浄装置用ノズル10の噴出口たる開口部14eを備えた噴射管14だけを容易に交換することができるようになった。このため、上記した噴射管14とは異なる管路や異なる噴出口の形状を有する噴射管を取り付け機構16によって本体部12に取り付けることにより、ミストの噴射形態を容易に変更することができる。
例えば、図3(b)に示すように、洗浄装置用ノズル10の噴出口となる開口部40b近傍において、管路40aがラッパ型に拡張されている噴射管40や、図3(c)に示すように、洗浄装置用ノズル10の噴出口となる管路42aの開口部42bが扇状のスリットとなっている噴射管42を、上記した噴射管14(図3(a)参照)に代わって、本体部12に取り付けることができる。
こうして噴射管14,40,42をそれぞれ交換するときには、本体部12aの下端部12bの外周側面12tに形成されたネジ山12wから袋ナット20を取り外すだけでよく、このように様々な形態の噴射管を容易に交換できることで、本発明による洗浄装置用ノズル10は多様な被洗浄物に対応することができるようになり、洗浄装置用ノズル10が配設される洗浄装置の汎用性も高められる。
また、本発明による洗浄装置用ノズル10は、取り付け機構16によって、本体部12に噴射管14が着脱自在に取り付けられるようにしたため、本体部12と噴射管14とを分割して製作することが可能になった。このため、洗浄装置用ノズル10においては、管路12aの開口部12f,12gから噴出口たる管路14aの開口部14eまで所定の長さを有する管路を、本体部12の管路12aと噴射管14の管路14aとに分割して製作することができる。
その結果、切削加工が容易になるとともに、本体部12の管路12aとなる孔や噴射管14の管路14aとなる孔にラップ仕上げを行うこともでき、本体部12ならびに噴射管14の管路12a,14aの内表面12aa,14aaを非常に滑らかにすることができるようになった。
なお、上記した実施の形態は、以下の(1)乃至(4)に説明するように適宜に変形してもよい。
(1)上記した実施の形態の洗浄装置用ノズル10においては、本体部12の管路12aとなる孔や噴射管14の管路14aとなる孔にラップ仕上げを行うにしたが、これに限られるものではないことは勿論であり、本体部12ならびに噴射管14の管路12a,14aの内表面12aa,14aaを非常に滑らかにすることができるような各種仕上げ加工、例えば、ブラスト仕上げを行うようにしてもよい。
(2)上記した実施の形態の洗浄装置用ノズル10においては、管路12aの開口部12f,12gの外周側にネジ山12k,12nを本体部12と一体的に形成するようにしたが、これに限られるものではないことは勿論であり、例えば、図5に示す洗浄装置用ノズル50のように、管路12aの開口部12f’,12g’が単管構造となるように、開口部12f’,12g’の外周側に本体部12から延設して本体部12と一体的に接続部を形成するようにしてもよい。
このようにすると、圧縮気体を導入するための配管や洗浄液を導入するための配管を、管路12aの開口部12f’,12g’にネジ結合によって接続することに限られないので、様々な継手との接続が可能になり、また製作加工も容易である。
(3)上記した実施の形態の洗浄装置用ノズル10において、さらに、洗浄液や被洗浄物の種類などに応じて各種変更を行うようにしてもよく、例えば、図5に示す洗浄装置用ノズル50のように、被覆部材30に孔を穿設して、供給管52を別途配設するようにしてもよい。この供給管の塗布口52aを、洗浄装置用ノズル50の噴出口たる噴射管14の開口部14e近傍に位置させて、洗浄装置用ノズル10の噴出口からのミストの噴出と塗布口52aからの洗浄液の塗布とを併用させることができる。
また、本体部12の管路12aならびに噴射管14の管路14aの内径やその全長、合流ポイント12pの位置や角度などを含めた各種寸法、袋ナットの種類や、被覆部材30の材質やその形状なども、洗浄液や被洗浄物の種類などに応じて適宜選択して変更可能なものである。例えば、外周カバー部54aの内部にスリット54bを設けてミストの飛び散りを分散させるような被覆部材54(図6参照)を、本発明による洗浄装置用ノズル10,50に配設するようにしてもよい。
(4)上記した実施の形態ならびに上記(1)乃至(3)に示す変形例は、適宜に組み合わせるようにしてもよい。
本発明は、例えば、超LSIの製造工程における洗浄装置で、半導体シリコンウェーハや液晶用ガラス基板などの各種基板の洗浄の段階で利用することができる。
10,50 洗浄乾燥用ノズル
12 本体部
14 噴射管
16 取り付け機構
20,32 袋ナット
30 被覆部材
12 本体部
14 噴射管
16 取り付け機構
20,32 袋ナット
30 被覆部材
Claims (8)
- 洗浄装置用ノズルの噴出口から洗浄液を圧縮気体により加圧して噴出することによって、該被洗浄物の表面に付着している汚染物質を除去する洗浄装置に用いられる洗浄装置用ノズルにおいて、
一方の端部側から導入した洗浄液と圧縮気体とを混合する所定形状の第1の管路を備えた本体部と、
前記本体部の前記第1の管路の他方の端部側と一方の端部側が連通し噴出口を他方の端部側に有する所定形状の第2の管路を備えた噴射管と、
前記本体部に前記噴射管を着脱自在に取り付ける取り付け機構と
を有する洗浄装置用ノズル。 - 請求項1に記載の洗浄装置用ノズルにおいて、
前記取り付け機構は、前記本体部の外周側に形成されたネジ部と、前記本体部の前記第1の管路の前記他方の端部側の内径側に形成され前記噴射管の前記一方の端部側が嵌合する凹部と、前記凹部に前記一方の端部側を嵌合した前記噴射管を内挿し前記本体部の前記ネジ部にネジ結合する袋ナットとを有する
ものである洗浄装置用ノズル。 - 請求項1または請求項2のいずれか1項に記載の洗浄装置用ノズルにおいて、さらに、
前記噴射管の前記噴出口の外周側を被覆するようにして、前記噴射管に前記噴射管の軸線方向と一致する方向で移動自在に配設されたカバー
を有する洗浄装置用ノズル。 - 請求項1または請求項2のいずれか1項に記載の洗浄装置用ノズルにおいて、さらに、
前記噴射管を内挿して前記噴射管の外周側に固定的に配設された袋ナットと、
全体が略筒状体に形成され一方の開口部側に前記袋ナットにネジ結合するネジ部を備えた被覆部材と
を有し、
前記被覆部材の前記ネジ部を前記袋ナットにネジ込む量を変化させることにより、前記噴射管の前記噴出口の外周側を被覆するようにして、前記噴射管に前記噴射管の軸線方向と一致する方向で移動自在に前記被覆部材を配設する
ものである洗浄装置用ノズル。 - 請求項1、請求項2、請求項3または請求項4のいずれか1項に記載の洗浄装置用ノズルにおいて、さらに、
前記本体部は、
一方の端部側から導入した洗浄液と圧縮気体とを混合し前記一方の端部側が二股に分岐した前記第1の管路と、
前記第1の管路の二股に分岐した一方側の開口部の外周側に前記本体部と一体的に形成され、前記第1の管路に前記洗浄液を導入するための配管を接続可能な接続部と、
前記第1の管路の二股に分岐した他方側の開口部の外周側に前記本体部と一体的に形成され、前記第1の管路に前記圧縮気体を導入するための配管を接続可能な接続部と
を有する
ものである洗浄装置用ノズル。 - 請求項1、請求項2、請求項3、請求項4または請求項5のいずれか1項に記載の洗浄装置用ノズルにおいて、さらに、
前記本体部の前記第1の管路または前記噴射管の前記第2の管路のうちの少なくともいずれか一つは、管路内の表面粗さの最大高さ(Ry)が1μm以内に形成された
ものである洗浄装置用ノズル。 - 請求項1、請求項2、請求項3、請求項4、請求項5または請求項6のいずれか1項に記載の洗浄装置用ノズルにおいて、
SUS316、SUS316L、チタンまたはハステロイCを材質とした
ものである洗浄装置用ノズル。 - 請求項1、請求項2、請求項3、請求項4、請求項5または請求項6のいずれか1項に記載の洗浄装置用ノズルにおいて、
PFA、PTFEまたはPCTFEを材質とした
ものである洗浄装置用ノズル。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003399046A JP2005152862A (ja) | 2003-11-28 | 2003-11-28 | 洗浄装置用ノズル |
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JP2003399046A JP2005152862A (ja) | 2003-11-28 | 2003-11-28 | 洗浄装置用ノズル |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2009277981A (ja) * | 2008-05-16 | 2009-11-26 | Tokyo Electron Ltd | 基板処理装置、基板処理方法、基板処理プログラム、及び基板処理プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体 |
KR101974418B1 (ko) * | 2018-10-10 | 2019-05-02 | 권오남 | 공정액 공급용 노즐튜브 및 이를 포함하는 노즐장치 |
KR20220020513A (ko) * | 2020-08-12 | 2022-02-21 | 한국기계연구원 | 초음파를 이용한 유체 분사 모듈 |
JP7034352B1 (ja) * | 2021-03-25 | 2022-03-11 | 株式会社スギノマシン | ノズル |
CN114352022A (zh) * | 2022-01-23 | 2022-04-15 | 陆越 | 一种可自主清洗式的混凝土喷射管 |
-
2003
- 2003-11-28 JP JP2003399046A patent/JP2005152862A/ja active Pending
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