JP2005152400A5 - - Google Patents
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Description
本発明は、家庭用及び業務用に用いられる誘導加熱式の炊飯器に関するものである。
従来の誘導加熱炊飯器において、加熱コイルからの漏洩磁界を低減する方式として誘導加熱装置(例えば、特許文献1参照)について図面を用いて説明する。図6は、加熱コイルの漏洩磁界を低減した従来の誘導加熱装置である。本実施例では、加熱コイル1の外周部に電磁シールド環を配置し、誘導加熱装置を構成している。この構成の誘導加熱装置では、加熱コイル1で生じた高周波磁界に誘導され電磁シールド環2に誘導電流が流れ、更にこの誘導電流により、電磁シールド環2には加熱コイル1から発生する高周波磁界とは逆向きの高周波磁界が発生する。この結果、電磁シールド環2から発生する高周波磁界が、加熱コイル1の外周部に発生する高周波磁界を打ち消す様に作用するため、加熱コイル1から漏洩する20k〜50kHz高周波漏洩磁界が減少する。なお、電磁シールド環2はアルミ板やリード線などを環状にしたものが知られている。
他の加熱コイルから発生する漏洩磁界を低減する誘導加熱装置(例えば、特許文献2参照)について説明する。図7は従来の漏洩磁界を低減した誘導加熱装置である。加熱コイル1の外周近傍に巻き線を施してインダクタンス5を構成するとともに、加熱コイル1から発生する高周波磁界と、インダクタンス5が発生する高周波磁界成分が互いに打ち消す方向に配置している。図8に従来の誘導加熱装置の回路例を示す。図8の誘導加熱装置は商用電源などで構成される電源部3と電源部3の電力を高周波電力に変換する高周波発振部11と高周波発振部11の電力を高周波磁界に変換する加熱コイル1と加熱コイル1からの磁界を受けて発熱する内鍋15で構成されており、高周波発振部11は、商用電源を整流する整流手段4と整流手段4の出力を平滑化するインダクタ5及び平滑コンデンサ6と加熱コイル1への電力供給を制御する半導体スイッチ8及び半導体スイッチ8のスイッチング動作を滑らかにする共振コンデンサ7から構成されている。図8の従来例ではインダクタ5を巻き線のみで構成していおり、インダクタンス5のコア材を不要とし装置の小型化を図るとともに高周波ノイズの低減効果を併せ持っている。
特開昭57−115795号公報
特公昭63−7672号公報
しかし、図6の様な従来の加熱コイルからの漏洩磁界を低減した誘導加熱装置においては、高周波の漏洩磁界は電磁シールド環2の効果により、減少させることができるが、加熱コイル1から発生する電源周波数または電源の2倍周波数の磁界(以下低周波磁界)は、電磁シールド環2では抑制できないので内鍋15にほとんど吸収されず外部に放出され、また電磁シールド環2は逆向きの磁界を十分発生させないので、低周波磁界が減少しない。
一方、図7の従来の誘導加熱装置においては、巻き線をインダクタンスとして動作させるため(数100μH程度)、巻き線の巻き数が多くなることになる。この際、巻き線から放出される低周波磁界が加熱コイルから放出される低周波磁界より大きくなり、外部に放出する低周波磁界が増加する課題が生じることになる。また、従来の誘導加熱装置は高周波磁界を打ち消すことを目的としており、漏洩磁界低減用の巻き線は加熱コイルの近傍に限定され配置の自由度がなく、更に加熱コイル近傍に配置することで鍋などの加熱物への磁界分布が変わり、特に炊飯器の場合には炊飯性能へ大きく影響を及ぼすという課題が生じることになる。また、上記の様に従来の誘導加熱装置は高周波の漏洩磁界を低減させるもので、低周波の漏洩磁界の低減に着目してこなかった。しかし、低周波漏洩磁界を低減することにより、因果関係は明確ではないが一部の調査で懸念されている低周波磁界の人体への影響に対する機器使用者の不安を取り除くことができ、また機器の極近傍の電子機器の誤動作のリスクを排除することもできる。
本発明は上記の課題を解決するべく従来の誘導加熱装置では認知されなかった低周波漏洩磁界にも焦点をあて対策するもので、低周波磁界が加熱コイルから放射されることを減少させかつ高周波成分の漏れ磁界も両立して抑制し、機器から発生する不要な電磁波を減少させるとともに、組み立て作業性の良い炊飯器を提供することを目的としている。
上記課題を解決するために本発明は、内鍋と、前記内鍋を保持する内枠と、前記内枠の外面に配置し、前記内鍋の底部を誘導加熱する底面加熱コイルと、前記内枠の外面に配置し、前記内枠の側面を誘導加熱する側面加熱コイルと、電源部に接続され商用周波数の電力を整流し商用周波数の2倍の周波数の低周波成分を持った電力に変換する整流手段と、前記低周波成分を持った電力を高周波電力に変換し前記底面加熱コイル及び前記前記側面加熱コイルに前記低周波成分と高周波成分が重畳した高周波電流を供給する高周波発振部と、アルミ板やリード線を環状に施し前記側面加熱コイルの外周部に配置される電磁シールド環とを備え、前記高周波発振部内にあり前記低周波成分を持つ低周波電流が流れる配線を、前記配線より発生する低周波磁界と前記加熱コイルより発生する低周波磁界が互いに打ち消す方向となるように縦列に積み重ねリング状に構成した低周波磁界打ち消し手段を有するとともに、前記側面加熱コイル近傍で前記電磁シールド環の内側に前記電磁シールド環と平行して配置した炊飯器としている。
これにより、高周波発振部内にあり側面加熱コイルに流れる電流の低周波成分と同じ周波数成分で側面加熱コイルと逆向きに電流が流れるように配置した低周波磁界打ち消し手段から発生する磁界が、低周波の漏洩磁界が多く発生する側面加熱コイルからの漏洩磁界と互いに打ち消し合って低周波の漏洩磁界を大きく低減させるとともに、高周波磁界も電磁シールド間により大きく低減させることができ、しかも低周波磁界打ち消し手段がコイル上に積層される構成となるため一つの部品として扱えるため取り扱いが容易となり、組み立て作業性の良くすることができる。
本発明の炊飯器は、簡易な構成で加熱コイルから発生する低周波及び高周波漏洩磁界を低減することができる。
第1の発明は、内鍋と、前記内鍋を保持する内枠と、前記内枠の外面に配置し、前記内鍋の底部を誘導加熱する底面加熱コイルと、前記内枠の外面に配置し、前記内枠の側面を誘導加熱する側面加熱コイルと、電源部に接続され商用周波数の電力を整流し商用周波数の2倍の周波数の低周波成分を持った電力に変換する整流手段と、前記低周波成分を持った電力を高周波電力に変換し前記底面加熱コイル及び前記前記側面加熱コイルに前記低周波成分と高周波成分が重畳した高周波電流を供給する高周波発振部と、アルミ板やリード線を環状に施し前記側面加熱コイルの外周部に配置される電磁シールド環とを備え、前記高周波発振部内にあり前記低周波成分を持つ低周波電流が流れる配線を、前記配線より発生する低周波磁界と前記加熱コイルより発生する低周波磁界が互いに打ち消す方向となるように縦列に積み重ねリング状に構成した低周波磁界打ち消し手段を有するとともに、前記側面加熱コイル近傍で前記電磁シールド環の内側に前記電磁シールド環と平行して配置することにより、高周波発振部内にあり側面加熱コイルに流れる電流の低周波成分と同じ周波数成分で側面加熱コイルと逆向きに電流が流れるように配置した低周波磁界打ち消し手段から発生する磁界が、低周波の漏洩磁界が多く発生する側面加熱コイルからの漏洩磁界と互いに打ち消し合って低周波の漏洩磁界を大きく低減させるとともに、高周波磁界も電磁シールド環により大きく低減させることができ、しかも低周波磁界打ち消し手段がコイル状に積層される構成となるため一つの部品として扱えるため取り扱いが容易となり、組み立て作業性の良くすることができる。
第2の発明は、特に第1の発明の炊飯器を、底面加熱コイル及び側面加熱コイルを構成する線材が同方向に電流が流れるように巻くことにより、低周波漏洩磁界打ち消し手段から発生する低周波磁界と底面加熱コイルから発生する低周波漏洩磁界及び側面加熱コイルから発生する低周波漏洩磁界が互いに打ち消し合うため、より多くの低周波漏洩磁界を低減することができる。
第3の発明は、特に第1または第2の発明の炊飯器を、低周波打ち消し手段が加熱コイル近傍に配置される防磁フェライトの下部に配置するようにすることにより、鍋と加熱コイルと防磁フェライトで構成される閉磁界の外に低周波打ち消し手段が配置されるため、低周波打ち消し手段に含まれる高周波成分が、加熱コイルから発生する高周波磁界が鍋に吸収されることを妨げないため、鍋に入る磁界分布を妨げず炊飯性能に影響が少ない漏洩磁界対策を行うことができる。
第4の発明は、特に第1〜第3の発明の炊飯器を、縦列に積み重ねリング状に構成した低周波打ち消し手段の径を側面加熱コイルの内周の径よりも大きくなるようにすることにより、低周波打ち消し手段から発生する低周波の磁界が多くなるため、より多くの低周波の漏洩磁界を打ち消すことができる。
第5の発明は、特に第1〜第4の発明の炊飯器を、電磁シールド環の一部に低周波打ち消し手段を収納する凹部を設けることにより、低周波打ち消し手段を構成するコイル上の巻き線を電磁シールド環に沿って配置することができ、電磁シールド環と低周波打ち消し手段を一体に扱うことができるため、漏洩磁界対策を行う際に組み立て作業性の良くすることができる。
第6の発明は、特に第1〜第4の発明の炊飯器を、電磁シールド環を構成する導体は一部に低周波打ち消し手段を支持する支持手段を設けることにより、低周波磁界打ち消し手段を簡易にしかも安価に配置することができるため、漏洩磁界対策を安価に行うことができる。
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら説明する。なお、この実施の形態によっては本発明が限定されるものではない。
(実施の形態1)
図1は本発明の実施の形態における炊飯器の構成図を示すものである。図1において、商用電源を含む電源部3は、高周波発振部11に接続され、高周波発振部11は底面加熱コイル1a及び側面加熱コイル1bに接続される。底面加熱コイル1a及び側面加熱コイル1bは内枠16の底面及び側面に配置され、内枠16上面に置かれた内鍋15と磁気結合する形で設置される。底面加熱コイル1a及び側面加熱コイル1bの下部には内鍋15との磁気結合を高める防磁フェライト13が配置され、側面加熱コイル1bの外周で加熱コイル及び鍋の一部を囲む形で電磁シールド環2が配置される。また、高周波発振部11は電源部3に接続される整流手段4と、整流手段4と直列に接続されるインダクタ5と平滑コンデンサ6の直列接続と、平滑コンデンサ6に並列に接続される共振コンデンサ7と半導体スイッチ8の直列接続からなり、共振コンデンサ7は底面加熱コイル1a及び側面加熱コイル1bと並列に接続される。なお、底面加熱コイル1aと側面加熱コイルは1bは同時通電を行う場合は直列接続され(以下加熱コイル1と呼ぶ)、更に底面加熱コイル1a及び側面加熱コイル1bは同方向に巻く方が望ましい。一方、インダクタ5の配線は側面加熱コイル1bの近傍で電磁シールド環2の内側に、側面加熱コイル1bの巻き方向とは逆に複数回巻かれ環状に積み重ねる構成をとるともに、電磁シールド環2と平行に配置され低周波打ち消し手段を構成する。
図1は本発明の実施の形態における炊飯器の構成図を示すものである。図1において、商用電源を含む電源部3は、高周波発振部11に接続され、高周波発振部11は底面加熱コイル1a及び側面加熱コイル1bに接続される。底面加熱コイル1a及び側面加熱コイル1bは内枠16の底面及び側面に配置され、内枠16上面に置かれた内鍋15と磁気結合する形で設置される。底面加熱コイル1a及び側面加熱コイル1bの下部には内鍋15との磁気結合を高める防磁フェライト13が配置され、側面加熱コイル1bの外周で加熱コイル及び鍋の一部を囲む形で電磁シールド環2が配置される。また、高周波発振部11は電源部3に接続される整流手段4と、整流手段4と直列に接続されるインダクタ5と平滑コンデンサ6の直列接続と、平滑コンデンサ6に並列に接続される共振コンデンサ7と半導体スイッチ8の直列接続からなり、共振コンデンサ7は底面加熱コイル1a及び側面加熱コイル1bと並列に接続される。なお、底面加熱コイル1aと側面加熱コイルは1bは同時通電を行う場合は直列接続され(以下加熱コイル1と呼ぶ)、更に底面加熱コイル1a及び側面加熱コイル1bは同方向に巻く方が望ましい。一方、インダクタ5の配線は側面加熱コイル1bの近傍で電磁シールド環2の内側に、側面加熱コイル1bの巻き方向とは逆に複数回巻かれ環状に積み重ねる構成をとるともに、電磁シールド環2と平行に配置され低周波打ち消し手段を構成する。
本実施例では、誘導加熱装置に用いられる一般的な回路構成を示しているが、加熱コイル1に低周波磁界成分が重畳する回路構成であれば特に限定するものではない。
以上のように構成された炊飯器について、以下その動作、作用を説明する。図2はインバータ回路の各区間における電流経路を示した図である。I3は入力電流を、I5はインダクタ5及び低周波磁界打ち消し手段12に流れる電流を、I1は加熱コイル1に流れる電流を示している。電源部3は商用電源などで構成され、高周波発振部11に商用周波数の電力を供給する。そのため、入力電流I3は、商用周波数成分を持つ電流になる。高周波発振部11では整流手段4により商用電力を整流して商用電源の2倍の周波数成分を持った電力に変換し、更に半導体スイッチ8を用いて20k〜50kHz程度の高周波電力に変換される。そしてこの高周波電力は加熱コイル1に供給され、加熱コイル1から高周波磁界の形で内鍋15に供給される。内鍋15は、高周波磁界に従い表層部に渦電流が生じ、その結果発熱するに至る。そのため、インダクタ5及び低周波磁界打ち消し手段12に流れる電流は商用周波数の2倍の周波数の電流I5が流れ、また加熱コイル1bには半導体スイッチ8が導通状態になったときに電源部1→整流手段4→加熱コイル1→半導体スイッチ8のループで生じる商用周波数の2倍の成分をもつ低周波電流と、半導体スイッチ8の周波数に従って加熱コイル1に流れる高周波成分が重畳した電流I11が流れる。よって加熱コイル1と低周波磁界打ち消し手段12の低周波磁界が互いに打ち消すように配置することにより、加熱コイル1から発生する低周波磁界を打ち消すことができる。この際、側面加熱コイル1bの方が底面加熱コイル1aよりもコイル径が大きくまた内鍋15との結合も取りにくいことから漏洩磁界が大きい。このため、少なくとも側面加熱コイル1bと低周波磁界打ち消し手段12は互いに打ち消し合う様に配置することが望ましく、更に底面加熱コイル1aと側面加熱コイル1bは同方向に巻くことで、低周波磁界打ち消し手段12の磁界打ち消し効果をより大きくすることができる。
一方、側面加熱コイル1bの外周で加熱コイル1から内鍋15の側面の一部までを覆うように電磁シールド環2を配置することにより、加熱コイル1で生じた高周波磁界に誘導され電磁シールド環2に誘導電流が流れ、更にこの誘導電流により、電磁シールド環2には加熱コイル1から発生する高周波磁界とは逆向きの高周波磁界が発生する。この結果、電磁シールド環2から発生する高周波磁界が、加熱コイル1の外周部に発生する高周波磁界を打ち消す様に作用するため、加熱コイル1から漏洩する20k〜50kHz高周波漏洩磁界が減少する。なお、電磁シールド環2はアルミ板やリード線などを環状にしたものがある。
ここで、低周波磁界打ち消し手段12は、図3に示すように低周波打ち消し手段12を縦列に積み重ねリング状に構成し、側面加熱コイル1b近傍で電磁シールド環2の近傍に配置される。このような配置を配置を行うことで、漏洩磁界が多く発生している側面加熱コイル1bの近傍に低周波打ち消し手段12を配置することができ、しかも電磁シールド環2の内側に配置されるため筐体が大きくならずコンパクトにすることができる。また、低周波打ち消し手段12を縦方向に積み重ねる構成をとることで、実装可能な最大径でコイル状に低周波磁界打ち消し手段12を構成することができるため、漏洩磁界に対する打ち消し効果を多くすることができる。そのため、少なくとも低周波打ち消し手段12は側面加熱コイル1bの内径より大きくすることが望ましい。さらに、本実施の形態の炊飯器では、電磁シールド環2と低周波打ち消し手段12を独立に扱うことができることにより、漏洩磁界対策を行う際の作業性を向上させることができる。
また、低周波打ち消し手段12は、わずかながら高周波成分が含まれている。本実施例の構成では、加熱コイル1から発生する低周波成分を打ち消すとともに、わずかながら高周波成分を打ち消すことになる。そのため、内鍋15と加熱コイル1と防磁フェライト13の磁界ループの外側に配置することが望ましく、そのため防磁フェライト13の下部に低周波打ち消し手段12を配置することが望ましい。
以上のように本実施の形態においては、側面加熱コイル1bに流れる電流の低周波成分と同じ周波数成分を持つ配線を側面加熱コイル1bと互いに逆向きに電流が流れるように配置した低周波磁界打ち消し手段12を同径で複数回コイル状に積層して構成するとともに、側面加熱コイル1b近傍に電磁シールド環2の内側に電磁シールド環と平行に配置することにより、低周波の漏洩磁界が多く発生する側面加熱コイル1bからの漏洩磁界と互いに打ち消し合って低周波の漏洩磁界を大きく低減させるとともに、高周波磁界も電磁シールド環2により大きく低減させることができ、しかも低周波磁界打ち消し手段12がコイル状に積層される構成となるため一つの部品として扱えるため取り扱いが容易となり、漏洩磁界対策を行う際の組み立て作業性の良くすることができる。
(実施の形態2)
図4は、本発明の実施の形態の炊飯器の構成図である。本実施の形態の炊飯器が実施の形態1と異なるのは、電磁シールド環2の下部に低周波打ち消し手段12を配置する凹部18を設けている点である。
図4は、本発明の実施の形態の炊飯器の構成図である。本実施の形態の炊飯器が実施の形態1と異なるのは、電磁シールド環2の下部に低周波打ち消し手段12を配置する凹部18を設けている点である。
以上のように構成された炊飯器について、以下その動作、作用を説明する。低周波打ち消し手段12は、巻き数が多く径が大きいほど打ち消し磁界を多く発生する。そのため、径が大きくとれる場所に配置することが望ましい。一方、径を大きくすると炊飯器の大きさが大きくなるため設置場所等に制限が出る。そこで図4に示すように電磁シールド環2の内側に低周波磁界打ち消し手段12を収めることができる凹部18を設けることにより、径を大きくとれしかもコンパクトに低周波磁界打ち消し手段12を収めることが可能になる。また、電磁シールド環2と低周波磁界打ち消し手段12を一体に扱うことができるため、漏洩磁界対策を行う際の作業性が向上することになる。
以上のように本実施の形態によれば、電磁シールド環2の一部に低周波打ち消し手段12を収納する凹部18を設けることにより、低周波打ち消し手段12を構成するコイル上の巻き線を電磁シールド環2に沿って配置することができ、電磁シールド環2と低周波打ち消し手段12を一体に扱うことができるため、漏洩磁界対策を行う際に組み立て作業性の良くすることができる。
(実施の形態3)
図5は、本発明の実施の形態の炊飯器の構成図である。本実施の形態の炊飯器が実施の形態1と異なるのは、電磁シールド環2の一部に支持部17を設け、低周波打ち消し手段12を電磁シールド環2に固定する点である。
図5は、本発明の実施の形態の炊飯器の構成図である。本実施の形態の炊飯器が実施の形態1と異なるのは、電磁シールド環2の一部に支持部17を設け、低周波打ち消し手段12を電磁シールド環2に固定する点である。
以上のように構成された炊飯器について、以下その動作、作用を説明する。低周波打ち消し手段12は、巻き数が多く径が大きいほど打ち消し磁界を多く発生する。そのため、径が大きくとれる場所に配置することが望ましい。一方、径を大きくすると炊飯器の大きさが大きくなるため設置場所等に制限が出る。そこで図5に示すように電磁シールド環2の内側に低周波磁界打ち消し手段12を配置するとともに、電磁シールド環2の一部に低周波磁界低減手段12を固定する支持部17を設け、固定するものとしている。これにより、簡易な方法で低周波磁界打ち消し手段12を固定することができ、特に電磁シールド環2に切り掛けをいれ、その切り掛けを突出させる構成をとり、電磁シールド環2との間に挟み込む構成をとることで、簡易にそして安価に防磁対策を行うことができる。
以上のように本実施の形態によれば、電磁シールド環2を構成する導体は一部に低周波打ち消し手段12を支持する支持手段17を設けることにより、低周波磁界打ち消し手段12を簡易にしかも安価に配置することができるため、漏洩磁界対策を安価に行うことができる。
1 加熱コイル
1a 底面加熱コイル
1b 側面加熱コイル
2 電磁シールド環
3 電源部
4 整流手段
5 インダクタ
6 平滑コンデンサ
7 共振コンデンサ
8 半導体スイッチ
11 高周波発振部
12 低周波磁界打ち消し手段
13 防磁フェライト
15 内鍋
16 内枠
17 支持部
18 凹部
1a 底面加熱コイル
1b 側面加熱コイル
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6 平滑コンデンサ
7 共振コンデンサ
8 半導体スイッチ
11 高周波発振部
12 低周波磁界打ち消し手段
13 防磁フェライト
15 内鍋
16 内枠
17 支持部
18 凹部
Claims (6)
- 内鍋と、前記内鍋を保持する内枠と、前記内枠の外面に配置し、前記内鍋の底部を誘導加熱する底面加熱コイルと、前記内枠の外面に配置し、前記内枠の側面を誘導加熱する側面加熱コイルと、電源部に接続され商用周波数の電力を整流し商用周波数の2倍の周波数の低周波成分を持った電力に変換する整流手段と、前記低周波成分を持った電力を高周波電力に変換し前記底面加熱コイル及び前記前記側面加熱コイルに前記低周波成分と高周波成分が重畳した高周波電流を供給する高周波発振部と、アルミ板やリード線を環状に施し前記側面加熱コイルの外周部に配置される電磁シールド環とを備え、前記高周波発振部内にあり前記低周波成分を持つ低周波電流が流れる配線を、前記配線より発生する低周波磁界と前記加熱コイルより発生する低周波磁界が互いに打ち消す方向となるように縦列に積み重ねリング状に構成した低周波磁界打ち消し手段を有するとともに、前記側面加熱コイル近傍で前記電磁シールド環の内側に前記電磁シールド環と平行して配置した炊飯器。
- 底面加熱コイル及び側面加熱コイルを構成する線材は線材を流れる電流の方向が同一方向になるようにした請求項1記載の炊飯器。
- 低周波打ち消し手段は、加熱コイル近傍に配置される防磁フェライト下部に配置された請求項1または2に記載の炊飯器。
- 縦列に積み重ねリング状に構成した低周波打ち消し手段の径を側面加熱コイルの内周の径よりも大きくした請求項1〜3いずれか1項に記載の炊飯器。
- 電磁シールド環の一部に低周波打ち消し手段を収納する凹部を設けた請求項1〜4のいずれか1項に記載の炊飯器。
- 電磁シールド環を構成する導体の一部に低周波打ち消し手段を支持する支持手段を設けた請求項1〜4記載の炊飯器。
Priority Applications (1)
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