JP2005151955A - 納豆加工食品及びその製造法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 納豆に含有されるナットウキナーゼを熱的に安定化された状態とさせる方法を開発することにより、納豆加工品製造後、加熱殺菌処理してもナットウキナーゼの活性を残すことができるようにする。そのことにより、雑菌汚染がなく、二次発酵もせず、保存性も良好で、優れた食味、食感を持った納豆加工品、特に、納豆ペーストを工業規模で簡便、安価に製造することを可能とする。
【解決手段】 糖類、糖アルコール類、アミノ酸類、有機酸または無機のアルカリ金属塩類、無機のアンモニア塩類、またはこれらの化合物を含有する食品、食品素材を、単独または2種類以上添加することにより、納豆中のナットウキナーゼを熱的に安定化した状態とすることにより解決した。特に、納豆ペーストの場合には、塩化カルシウム添加により糸引き、粘りを減少させ、製造工程操作を非常に簡便にした。
【選択図】 なし

Description

本発明は、納豆加工食品に関する。更に詳しくは、熱的に安定化されたナットウキナーゼを含有する納豆加工食品、特に、納豆ペースト食品に関する。
本発明における重要な機能性物質であるナットウキナーゼは、納豆に含有される蛋白質分解酵素の一種であり、フィブリン選択性が高いため、血栓症の予防、治療への適用が期待される。事実、ヒトにおいて、経口で血中線溶系亢進作用が確認され、脳梗塞、虚血性心疾患(心筋梗塞など)などの血栓症の治療および予防に役立つことが報告されている(非特許文献1及び2参照)。
ナットウキナーゼに関する従来技術において、ナットウキナーゼを熱的に安定化させることに着目した発明は、これまで全く知られていない。従って、熱的に安定化されたナットウキナーゼを含有する納豆加工品も全く知られていない。
納豆ペーストに関する従来技術としては、いろいろな製品形態のついて開示されているが、それらの中で、本発明のように、納豆に各種の成分を添加、混合、粉砕、攪拌して、口当たりの滑らかな、木目が細かく、優れた食感を持った、マヨネーズ様あるいはクリーム様の、食品として適した流動性を持った納豆ペーストに関する従来技術としては、特許文献1、2、3及び4が知られている。
特許文献1は、納豆ペーストを内臓した握り飯の構造に関する考案であり、本発明とは全く異質のものである。
特許文献2は、特に子供向けの食品として、納豆に桂皮とピーナッツバターと砂糖を配合した製品で、これら4素材の配合を発明の構成要件としており本発明と異なることは明白である。
特許文献3は、納豆嫌いな人や子供向けの食品として、納豆に桂皮とココア、マヨネーズ、カレーのいずれかの素材と砂糖を配合した製品で、これら4素材の配合を発明の構成要件としており本発明と異なることは明白である。
特許文献4は、オカラを原料とした納豆に桂皮とココア、マヨネーズ、カレーのいずれかの素材と砂糖を配合した製品で、これら4素材の配合を発明の構成要件としており本発明と異なることは明白である。
納豆を粉砕、攪拌して良好なペースト状とする際の大きな障害は、納豆の糸引きと粘りである。糸引き、粘りを減少または除去するために、いろいろな方法が開示されている。それらについて要約する。
酸、またはアルカリを加え、pHを6以下または10以上として、温度を0〜100℃で処理する方法(特許文献5参照)。
納豆を5〜30%のゼラチン溶液と混合し、ゲル化させた食品(特許文献6参照)。
糊料を添加して製造した納豆(特許文献7参照)。
カレー粉を添加して製造した納豆(特許文献8参照)。
納豆に食用酸を混合し、水切りして、粘りを除去した製品(特許文献9参照)。
ジアスターゼを作用させて、粘質物を水に浸出させ除去する方法(特許文献10参照)。
卵を使用した製品(特許文献11参照)。
また、特許文献2、3及び4にも、糸引きが減少した製品として開示されている。
以上のように、糸引きや粘りを減少または除去させた、いろいろな方法と製品が開示されているが、簡便、安価で工業的に実施できる方法としては極めて不十分であり、更に優れた糸引き、粘りの減少または除去方法の開発が望まれている。
「須見洋行、バイオインダストリー、7巻、12(1990)、P12、P16、図3」 「須見洋行、化学と生物、29巻、119(1991)、P120〜122、図3、表3」 実用新案登録第3071205号 特開平11−103810 特開2000−262238 特開2001−128 特開昭60−19467 特開平6−319478 特開平7−255408 特開平8−103239 特開平8−256720 特開平8−84569 特開平10−229845
活性を保持したナットウキナーゼを含有し、納豆菌の生きた芽胞だけを含有し、雑菌汚染が無く、衛生的で、二次発酵をしなく、品質保持期限が大幅に長くなった納豆加工品は多大な商品価値を有する。そのような加工品の中でも、特に、納豆特有の糸引きや臭いのない納豆ペーストは、パンに塗るなど食品としての用途を大幅に広げることができ、その商品価値は大きい。本発明は、それらの完成を課題とする。
納豆菌の生きた芽胞だけを含有し、雑菌汚染が無く、衛生的で、二次発酵せず、品質保持期限も大幅に長い納豆加工品を、安価で、簡便で、工業的に実施できる最良の製造方法は、納豆加工品を加熱殺菌処理することである。加熱殺菌処理は、芽胞以外の納豆菌及び製造工程中に混入した雑菌を死滅させるに充分な程度行う。しかるに、ナットウキナーゼの活性は、それが本来酵素蛋白質であるので、この加熱殺菌処理工程中に蛋白質の変性をきたし活性が著しく減少するか失活してしまう。従って、ナットウキナーゼを加熱しても安定な状態にすることができれば、課題は解決できることになる。
本発明者らは、ナットウキナーゼの加熱時の安定化について、鋭意検討した結果、驚くべきことに、糖類、糖アルコール類、アミノ酸類、有機酸のアルカリ金属塩類、無機のアルカリ金属塩類、無機のアンモニア塩類を単独または2種類以上を配合して相当量添加することにより、ナットウキナーゼの熱安定性を大幅に増強することができることを発見し、本発明を完成させるに至った。
また、商品価値の大きい食品形態である納豆ペースト製造の粉砕、攪拌工程において、納豆の糸引きと粘りは大きな障害となる。
本発明者らは、この障害を克服するべく鋭意検討した結果、相当量の塩化カルシウムを添加して粉砕、攪拌すると、納豆の糸引き、粘りが著しく減少するか殆ど無い状態とできることを見出し、納豆ペーストを安価で、簡便に工業的に製造できることを可能とした。
納豆中に含有されるナットウキナーゼを、活性を残したままで、納豆加工品を60〜70℃以上90〜100℃まで、加熱殺菌することができる。その結果、ナットウキナーゼの活性を残したまま、納豆菌の生きた芽胞だけを含有し、雑菌汚染が無く、衛生的で、二次発酵せず、品質保持期限も大幅に延長した納豆加工品を、及びその安価で、簡便な工業的製造法を提供できる。
相当量の塩化カルシウムを添加して粉砕、攪拌することで、糸引きのない納豆ペーストを甚だ簡便にペースト化することができる。その結果、ナットウキナーゼの活性を残したまま、生きた芽胞を含有し、生きた納豆菌(芽胞以外)を含有しない納豆ペーストの安価で、簡便な工業的製造法を提供できる。
発明を実施するための最良の形態・実施例
以下、本発明にかかわる納豆加工品の代表的実施形態について説明するが、本発明は以下の実施例によって制限されるものでない。
本発明で使用できる糖類としては、D−グルコース、フラクトース、D−キシロースなどの単糖類、マルトース、ラクトース、シュークロースなどの2糖類、スクラロースなどの半合成2糖類、3個以上の単糖類が結合した、オリゴ糖類、フラクトオリゴ糖類、また可溶性澱粉などの多糖体類などを意味する。基本的には、これらの糖類が単独で約5%以上、好ましくは、10〜50%、複数種類の糖類を使用する場合は、それらの糖類の合計が約5%以上、好ましくは、10〜50%含まれれば良い。使用する糖類は、例えば、米、麦などの粉、米飯、うどん、芋類、とろろ、水飴、果実、蜂蜜のように糖類を含有する果実、食品あるいは食品素材などでも良い。
糖類以外の、糖アルコール類、アミノ酸類、有機酸などのアルカリ金属塩類、無機のアルカリ金属塩類、無機のアンモニウム塩類などと配合して使用することもできる。その場合は、それらの安定化剤がナットウキナーゼの熱に対する安定性を相補的に発揮するので、それぞれの添加量を適宜加減して全体として充分な安定化効果を発揮するように添加すれば良い。
本発明で使用できる糖アルコール類としては、D−ソルビトール、D−キシリトール、D−マンニトールなどの単糖アルコール類、マルチトール、ラクチトールなどの2糖アルコール類、3個以上の単糖類が結合した糖類を還元して製造される糖アルコール類などを意味する。基本的には、これらの糖アルコール類が単独で5%以上、好ましくは、10〜50%、複数種類の糖アルコール類を使用する場合は、それらの糖アルコール類の合計が5%以上、好ましくは、10〜50%含まれれば良い。使用する糖類は、例えば、東和化成工業株式会社の製品である、PO−20、PO−30、PO−30、PO−40、アマミール、アマルティシロップのように複数の糖アルコールの混合物から成る食品あるいは食品素材などでも良い。
糖アルコール類以外の、糖類、アミノ酸類、有機酸などのアルカリ金属塩類、無機のアルカリ金属塩類、無機のアンモニウム塩類などと配合して使用することもできる。その場合の添加量は糖類の所で明示したことと同様である。
本発明で使用できるアミノ酸類としては、DL−アラニン、グリシン、L−グルタミン酸ナトリウム、L−グルタミン酸カリウムなどの通常のもので良い。基本的には、これらのアミノ酸類が単独で5%以上、好ましくは、10〜50%、複数種類のアミノ酸を使用する場合は、それらのアミノ酸の合計が5%以上、好ましくは、10〜50%含まれれば良い。使用するアミノ酸類は、例えば、牛肉、豚肉などの畜肉、トリ肉、魚介類、缶詰、佃煮、甘露煮などのそれらの加工品、肉エキス、「かつおだし」のように必要なアミノ酸の混合物を含有する食品あるいは食品素材などでも良い。
アミノ酸類以外の、糖類、糖アルコール類、有機酸などのアルカリ金属塩類、無機のアルカリ金属塩類、無機のアンモニウム塩類などと配合して使用することもできる。その場合の添加量は糖類の所で明示したことと同様である。
本発明で使用できる有機酸のアルカリ金属塩類としては、食品分野で一般的に使用されている有機酸を意味する。例えば、L−アスコルビン酸ナトリウム、酢酸ナトリウム、コハク酸一ナトリウム、コハク酸ニナトリウム、乳酸ナトリウム、クエン酸一カリウム、クエン酸三カリウム、クエン酸三ナトリウム、グルコン酸カリウム、リンゴ酸ナトリウム、フマル酸一ナトリウム、L−酒石酸ナトリウムなどを意味する。これらの有機酸のアルカリ金属塩が単独で5%以上、好ましくは、10〜50%、複数種類の有機酸のアルカリ金属塩を使用する場合は、それらの合計が5%以上、好ましくは、10〜50%含まれれば良い。使用する有機酸のアルカリ金属塩類は、例えば、酢類、ヨーグルトなどの酢酸、乳酸を含むもの、オレンジ、リンゴ、レモンなどの果実、果実ジュース、濃縮果実ジュースなどを、使用時、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、塩酸などでpHを調整した、有機酸のアルカリ金属塩類を含有する果実類、その他の食品あるいは食品素材などでも良い。
有機酸のアルカリ金属塩類以外の、糖類、糖アルコール類、アミノ酸類、無機のアルカリ金属塩類、無機のアンモニウム塩類などと配合して使用することもできる。その場合の添加量は糖類の所で明示したことと同様である。
本発明で使用できる無機のアルカリ金属塩類としては、食品分野で使用される塩化ナトリウム、塩化カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、リン酸水素二カリウムなどを意味する。これらの無機のアルカリ金属塩類が単独で約1%以上、好ましくは、5〜20%、複数種類の無機のアルカリ金属塩類を使用する場合は、それらの合計が約1%以上、好ましくは、5〜20%含まれれば良い。梅干、佃煮、にがり、漬物類など、これらを含有する食品あるいは食品素材などでも良い。
無機のアルカリ金属塩類以外の、糖類、糖アルコール類、アミノ酸類、有機酸などのアルカリ金属塩類、無機のアンモニウム塩類などと配合して使用することもできる。その場合の添加量は糖類の所で明示したことと同様である。
本発明で使用できる無機のアンモニウム塩類としては、食品分野で使用される塩化アンモニウム、炭酸アンモニウム、硫酸アンモニウムなどを意味する。これらの無機のアンモニウム塩類が単独で1%以上、好ましくは、5〜20%、複数種類の無機のアンモニウム類を使用する場合は、それらの合計が1%以上、好ましくは、5〜20%含まれれば良い。これらを含有する食品あるいは食品素材などでも良い。
無機のアンモニウム類以外の、糖類、糖アルコール類、アミノ酸類、有機酸などのアルカリ金属塩類、無機のアルカリ金属塩類などと配合して使用することもできる。その場合の添加量は糖類の所で明示したことと同様である。
本発明により、熱的に安定化されたナットウキナーゼを含有する納豆加工品を製造する場合には、グルコン酸カリウム、グルコン酸ナトリウム、L−グルタミン酸ナトリウム、L−グルタミン酸カリウム、グリシン、DL−アラニン、5’−イノシン酸ニナトリウム、2’−グアニル酸ニナトリウム、クエン酸一カリウム、クエン酸ニカリウム、フマル酸一ナトリウム、DL−リンゴ酸ナトリウム、DL−酒石酸ナトリウム、乳酸ナトリウム、塩化ナトリウム、塩化カリウムなどの調味料、糖類、糖アルコール類、アスパルテーム、ステビオシード、サッカリンナトリウムなどの甘味料、バジル、ターメリック(うこん)、ペッパー、レッドペッパー、シナモンシュガー、パセリ、タバスコ、カレー粉、からし、乾燥にんにく粉末、その他の各種スパイスなどの香辛料、L−アスコルビン酸ナトリウム、エリソルビン酸ナトリウム、トコフェロールなどの酸化防止剤、クリーム、ホエイなどの乳製品、バニリン、シトロネロール、ケイ皮酸エチル、ローストアーモンド、ビターアーモンド、シュガーオイルなどの着香料、β−カロテン、各種食用色素などの着色料、安息香酸ナトリウム、プロピオン酸ナトリウム、ソルビン酸カリウムなどの食品保存剤、ニューレストール(日本新薬株式会社製)などの二次発酵抑制剤、塩化アンモニウムなどの膨張剤、チョコレート、ココア、ピーナツバター、ミートソース、ケチャップ、乾燥野菜、乾燥果実、濃縮野菜(または濃縮還元野菜)ジュース、濃縮果実(または濃縮還元果実)ジュース、かつおだし、いりこだし、こんぶだしなどの食品または食品素材を、更には、必要に応じて乳化剤を添加して、コーン油、ゴマ油、サラダ油などの食用油などを適宜添加することにより、優れた食味、食感、安定した品質、長期保存性などを持った食品としての特質を向上させた納豆加工品とすることができる。
本発明によれば、非常に多くの食品または食品素材が、それ自体で、ナットウキナーゼを熱的に安定な状態とすることができるので、そのことに留意して添加物を選択するべきである。
多くの種類の、ナットウキナーゼを熱的に安定化できる化合物、食品素材、食品を納豆に添加した場合、全体としての効果がどのように発現されるのかは、その解析が非常に複雑であり不明である。即ち、各成分の効果が、加成的なのか、相乗的なのか、両方なのかなどは不明である。
しかし、実施例にも明示したように、各成分の効果が相補的に作用することは確実であり、その結果、各成分を配合することにより、各成分の添加量が少量づつでも、全体としては充分な熱安定化効果を得ることができる。
従って、各成分の選択とそれらの添加量を工夫することにより、熱的に安定なナットウキナーゼを含有し、優れた食味、食感、安定した品質、長期保存性などを持った食品の製造が可能となる。
例えば、甘味料の糖類、糖アルコール類としては、合わせて5〜20%、調味料のアミノ酸としては1〜5%、酸化防止剤としてのアスコルビン酸ナトリウムとしては、1〜5%、塩味をつけるための食塩、塩化カリウムとしては1〜2%などと配合した場合、全体としての熱安定化効果は、それぞれ単独の場合よりも大幅に高くすることができるのである。
これらの各種成分の添加は、それ自体、優れた食品または食品加工品の製造にとって必要なことである。即ち、各種成分の添加により、ナットウキナーゼを熱的に安定化させる効果を高めることは、それ自体、食品特性を高めることになり、このことが本発明の大きな特徴の一つなのである。
クエン酸、グルコン酸、コハク酸、酢酸、乳酸、DL−リンゴ酸、食用酢などの酸味料も添加することができるが、その場合にはナットウキナーゼがpH4程度より失活するので、pH4.5〜5以上となるように添加するべきである。また、水酸化ナトリウム、塩酸などのpH調整剤を用いてpHを調整しても良い。
また、必要に応じて、亜塩素酸ナトリウム、亜硫酸水素ナトリウムなどの漂白剤を用いて、納豆加工品の色相を調整することもできる。
以上の糖類、糖アルコール類、アミノ酸類、有機酸のアルカリ金属塩類、無機のアルカリ金属塩類、無機のアンモニウム塩類などが、どのようにしてナットウキナーゼを熱的に安定化できるのか、そのメカニズムは未知である。
しかし、これらのナットウキナーゼを熱的に安定化できる化合物が納豆中に存在するナットウキナーゼと直接コンプレックスを形成するか、あるいは、ナットウキナーゼの近辺に、または、ナットウキナーゼと共に存在するポリーγ−グルタミン酸、その他の化合物が介在した状態でコンプレックスを形成し、その結果、ナットウキナーゼが熱的に安定化された、即ち、「熱的に安定なナットウキナーゼ」へと変化すると考えられる。
あるいは、コンプレクッス形成は不充分であるとも考えられる。その場合でも、これらのナットウキナーゼを熱的に安定化できる化合物がナットウキナーゼの近辺に存在することにより、または、共存することにより、納豆加工品中のナットウキナーゼが熱的に安定な状態になっていることが考えられる。
即ち、ナットウキナーゼの熱的に安定になるメカニズムは未知であるが、本発明を実施することにより、何らかの新しいナットウキナーゼとして、あるいは、新しい状態として納豆加工品中に存在させることができるのである。
納豆加工品の代表的製品形態として納豆ペーストがある。いろいろな納豆ペーストの製造方法が開示されているが、最も工業化に適した方法は、納豆を機械的に粉砕、攪拌することである。そのためには、例えば、家庭用のジューサーまたはフードプロセッサーから、バーチカルカッターミキサーにより、切断、粉砕、混合、ペースト化などができる業務用粉砕機や容器内を真空状態にして空気混入による泡立ちなどを防ぎ、均一でなめらからペースト製品製造ができる粉砕機など、いろいろな機械が使用できる。
納豆ペーストを製造する原料としては、通常の粒状納豆を使用できることは当然のことであるが、豆腐製造時に副生する「おから」を水浸漬大豆に混合して、蒸煮、納豆菌接種、発酵工程を経て製造した「おから納豆」を用いることもできる。おからの添加量は、数%以上から90%以上まで添加可能であるが、「おから納豆」としては、50%以下とすることが好ましい。
また、「おから」自体でもビオチンを添加すれば、納豆菌を発酵させることが可能であり、このようにして製造した納豆菌発酵物も原料として使用できる。
「おから」を用いてペースト状製品を製造しても、必要ならばコロイドミルを用いて、微粉砕するので、口あたりのスムースな食味、食感を持った納豆加工品とすることができ、「おから」の食品としての応用範囲を広げることにもなる。
納豆の状態、特に、製造時の水の存在量などによって異なるが、一般的には、納豆を粉砕、攪拌する時、納豆特有の糸引き、粘りは粉砕、攪拌の障害となり、時には、納豆自体が固まりとなって、機械的な粉砕、攪拌を継続できなくなる場合もある。塩化カルシウムの添加は粉砕、攪拌工程における糸引き、粘りを著しく減少させ、粉砕、攪拌工程を効率良く実施する上で非常に有用である。その添加量は、カルシウムとして0.05%程度の低濃度から効果が見られるが、好ましくは、0.3〜1%程度である。これ以上の添加も、更に有効であるが、塩化カルシウムの使用に関しては、通常、カルシウムとして1%が上限との使用基準があるので、その範囲で使用するべきであり、また、その添加量で充分な効果がある。
ナットウキナーゼを熱的に安定化できる各種の化合物によって、ナットウキナーゼが熱的に安定化される程度は、納豆加工品中の水分量によって影響される。一般的には、水分量が多くなれば、安定化される程度は減少する。
また、納豆ペーストのばあいには、その水分量は納豆ペーストの流動性に大きく影響する。換言すれば、納豆ペースト製造時の水分含量を調節することにより、納豆ペーストの流動性とネットウキナーゼの熱的安定性の程度を調節することができる。従って、各種添加物の種類、添加量に加えて、添加する水も最適量を添加することが好ましい。
納豆ペースト以外の製品形態として、例えば、粒状納豆に対する本発明の適用では、その一例として、D−ソルビトールと食塩の適当量を混合溶解した溶液を粒状納豆表面にかけ、その後、例えば、90℃で加熱殺菌して、ナットウキナーゼ活性を残し、且つ、生きた納豆芽胞を含有し、常温での長期保存性のある衛生的な納豆加工品の実施形態を挙げることができる。
その他、いろいろな納豆加工品に対する本発明の実施の形態も同様に考えることができる。
納豆は、大豆を水浸漬、水切りした後に高圧加熱滅菌した大豆に納豆菌を純粋に発酵させて製造しており、納豆中には基本的に納豆菌以外の微生物は存在していない。従って、納豆加工品における課題は、納豆を加工する工程における微生物汚染と納豆の胞子は生存させ、生菌だけを死滅させることである。納豆菌の胞子は生存させ、生菌だけを死滅させる条件は、通常、80〜95℃で1〜20分程度である。この加熱殺菌処理は、同時に、納豆加工品製造中にコンタミした恐れのある雑菌、カビなどを死滅させることができる。
本発明によってナットウキナーゼが熱的に安定化されている時は、この程度の加熱殺菌処理条件では、充分量のナットウキナーゼ活性を残存させることができる。添加物の選択、配合、添加量を工夫することにより100%近い活性残存も可能である。
この加熱殺菌条件では、勿論、高度耐熱菌は死滅させることはできないが、通常の食品製造場で、衛生的に製造している限り、高度耐熱菌に汚染されるケースは非常に少ない。従って、この加熱殺菌処理によって、微生物汚染防止と二次発酵防止の両面で充分な効果が期待できるが、製造管理を充分に実施することと、製品製造後の雑菌テストも充分に行うのは当然のことである。
納豆加工品に対する加熱殺菌処理は、通常、一般的に広く実施されている方法で行うことができる。
特に、納豆ペーストの場合、瓶などに封入後加熱処理しても良いが、納豆ペーストをポリビニルアルコール系、アル箔、バリアナイロン系、ナイロン系、ポリエステル系、ポリプロピレン系、ポリエチレン系、ポリアミド系などのフィルムを用いて密封包装した後に加熱処理することは好ましい方法である。その時、酸素透過性のないポリビニル系フィルムの使用やエージレスなどの酸素吸収剤の使用は長期保存の上で好ましい方法である。
次に実施例を挙げて、更に詳細に説明するが、本発明がこれらの実施例に限定されるものでないことは明らかである。
参考例
ナットウキナーゼの測定法は、フィブリンプレート法により測定した(非特許文献3参照)。0.85%の食塩水にアガロース(2%)、トロンビン(25u/ml)、フィブリノーゲン(0.2%)を溶解した溶液を用い、約1.5mmの厚さのプレートを調製しフィブリンプレートとした。測定時、アスピレーターに連結させた直径2mmの管で、ゲルを吸引除去して容量が約10μlの穴を開け、ここにサンプルの10μlを添加してアッセイした。
納豆菌の生菌数及び雑菌試験は、文献の方法で実施した(非特許文献4参照)。
「納豆試験法研究会編、納豆試験法、1990年、P82〜83、発行所 株式会社 光琳」 「納豆試験法研究会編、納豆試験法、1990年、P66〜67、発行所 株式会社 光琳」
水(30g)をジューサーに加えた後、塩化カルシウム(2水和物;1.27g)を加え溶解した。更に、納豆50gを加え、約10分間、粉砕、攪拌してペースト状態の納豆(約81g)を調製した。ペースト状態の納豆(10g)を乳鉢に入れ、更に、被検サンプルの4.8gを加え練合した。各サンプルの約0.2gを試験管にとり、室温または冷蔵庫に保管し、コントロールとした。残りのサンプルは、蓋付き試験管に入れ密封し、80℃の温浴にて1時間加熱処理した。加熱処理サンプルの約0.2gを試験管に秤量した。コントロール及び加熱処理サンプルの重量の20倍になるように蒸留水を加え、室温にて1時間放置した後、上澄液の10μlをフィブリンプレートの穴に添加し、37℃で40分間静置した後、フィブリンプレート上の透明ゾーンの直径を測定することにより、ナットウキナーゼの活性を判定した。その結果を表1に示した。表中にて、残存活性は、(加熱サンプルの透明ゾーンの直径/非加熱サンプルの透明ゾーンの直径)×100で示した。
Figure 2005151955
実施例1と同様にして、有機酸のアルカリ金属塩について検討した。結果を表2に示した。
Figure 2005151955
実施例1と同様にして、乳製品について検討した。使用した乳製品は、森永乳業株式会社製、ホエイパウダーNF(チーズホエイを脱塩した粉末)、クリーミングパウダー275N(乳成分を主要原料に調製した植物脂タイプ)、ホエイパウダー3D(チーズホエイを脱塩、脱臭、脱色した粉末)であった。その結果、ホエイパウダーNFで83.3%、クリーミングパウダー275Nで80.0%、ホエイパウダー3Dで53.3%の活性が保持された。
実施例1と同様にして、「だし」について検討した。使用した「だし」は、味の素株式会社製、ほんだし(かつお味)、ヤマキ株式会社製、いりこだし(煮干)であった。その結果、ほんだしを添加した場合の残存活性は97.4%、いりこだしを添加した場合の残存活性は98.6%であった。
実施例1と同様にして、無機のアルカリ金属塩、無機のアンモニウム塩について検討した。その結果、塩化ナトリウムで91.7%、塩化カリウムで98.8%、炭酸ナトリウムで100%、炭酸カリウムで100%、塩化アンモニウムで97.9%、硫酸アンモニウムで98.7%の残存活性が保持された。
アミノ酸類について検討した。水(15g)をジューサーに加えた後、塩化カルシウム(2水和物;1.27g)を加え溶解した。更に、納豆50gを加え、約10分間、粉砕、攪拌してペースト状態の納豆(約66g)を調製した。ペースト状態の納豆(5g)を乳鉢に入れ、更に、被検サンプルの1.15gを加え練合した。以下、実施例1と同様にして測定した。結果を表3に示した。
Figure 2005151955
固形分70〜72%、水分28〜30%のシロップ状の還元澱粉糖化物類(東和化学工業株式会社製)について検討した。水(13g)をジューサーに加えた後、塩化カルシウム(2水和物;1.27g)を加え溶解した。更に、納豆50gを加え、約10分間、粉砕、攪拌してペースト状態の納豆(約64g)を調製した。ペースト状態の納豆(6g)を乳鉢に入れ、更に、被検サンプルの6.7gを加え練合した。以下は、実施例1と同様にして測定した。結果は、PO30(73.6%)、PO40(65.3%)、PO60(81.1%)、アマルティシロップ(87.7%)、アマミール(89.3%)であった。但し,()内は、残存活性である。
水分を約15%含む液状の水飴類について検討した。使用したサンプルは、向後スターチ株式会社製の酸糖化水飴(水分14〜16%)、酵素糖化水飴(水分14〜16%)及び麦芽水飴(15〜17%)であった。水(23g)をジューサーに加えた後、塩化カルシウム(2水和物;1.27g)を加え溶解した。更に、納豆50gを加え、約10分間、粉砕、攪拌してペースト状態の納豆(約74g)を調製した。ペースト状態の納豆(10g)を乳鉢に入れ、更に、被検サンプルの6.4gを加え練合した。以下は、実施例1と同様にして測定した。その結果、使用した3種類の水飴について、80℃、1時間の熱処理後66〜72%のナットウキナーゼ活性が残存した。
被検サンプルの添加量と安定化効果の関係を検討した。水(30g)をジューサーに加えた後、塩化カルシウム(2水和物;1.27g)を加え溶解した。更に、納豆50gを加え、約10分間、粉砕、攪拌してペースト状態の納豆(約81g)を調製した。ペースト状態の納豆を10gづつ乳鉢に入れ、それぞれに被検サンプルを4.8g(32.4%)、2.5g(20.0%)、1.2g(10.7%)、0.64g(6.0%)、0.31g(3.0%)加え、練合した。以下、実施例1と同様にして測定した。その結果、グルタミン酸ナトリウム・1水和物の場合は、添加量6.0%から若干安定化し、10.7%で約80%の残存活性を保持し、20〜32.4%では90〜100%の残存活性を保持した。クエン酸2ナトリウム・2水和物の場合は、添加量6.0〜10.7%から若干安定化し、20〜32.4%では90〜100%の残存活性を保持した。
被検サンプルの添加量と安定化効果の関係を検討した。納豆を10gづつ乳鉢に加え、それぞれに被検サンプルを5g(33.3%)、2.5g(20.0%)、1.25g(11.1%)、0.625g(5.9%)を加え、練合した。以下、実施例1と同様にして測定した。その結果、シュークロースの場合は、添加量5.9%から若干安定化し、11.1%で約78%の残存活性を保持し、20〜33.3%では92〜97%の残存活性を保持した。D−ソルビトールの場合も同様であった。
被検サンプルの添加量と安定化効果の関係を検討した。納豆を10gづつ乳鉢に加え、それぞれに被検サンプルを2.5g(20.0%)、1.25g(11.1%)、0.625g(5.9%)、0.313g(3.0%)、0.156g(1.5%)を加え、練合した。以下、実施例1と同様にして測定した。その結果、塩化ナトリウムの場合は、添加量1.5%から若干安定化し、3.0%で69%、5.9%で88%、11.1〜20%では97〜100%の残存活性を保持した。塩化カリウム、塩化アンモニウムの場合も同様であった。
加熱殺菌処理の温度、時間とナットウキナーゼ残存活性について検討した。実施例1と同様にして調製した納豆ペースト10gを乳鉢に入れ,これに砂糖2.4g、食塩2.4gを加え、練合した。この約0.7gを、ナイロン、メタロセンポリエチレンの2層から成るフィルム・チューブ(幅が約4.5cm、長さが約4cm)中に充填しシールした。これを、各温度の温浴中に一定時間浸漬した後、フィブリンプレート法によりナットウキナーゼ活性を測定した。検討した条件は、85℃で15分、90℃で5分、10分、15分、95℃で5分であった。この結果、80℃、1時間で100%の残存活性、85℃、15分で94.1%の残存活性、90℃、5分で94.1%、10分で87.1%、15分で84.7%の残存活性であった。95℃、5分でも若干の活性を残していた。
加熱殺菌処理の温度、時間とナットウキナーゼの残存活性について検討した。アマミール(東和化成工業株式会社製、水分含量:30%)39g、砂糖12g、食塩1.2g、塩化カルシウム(2水和物)1.2g、ニューレストールHB(日本新薬株式会社製)1.2g、ローストアーモンド0.24g、水15.2gをジューサーに加えた。納豆50gを加え、粉砕、攪拌して、納豆ペーストを調製した。これを実施例12と同様にして加熱処理しナットウキナーゼ残存活性を測定した。検討した条件は、85℃で15分、90℃で15分であった。この結果、85℃15分で91.9%、90℃15分で31.5%の残存活性であった。
砂糖6.08g(7.6%)、D−ソルビトール4.8g(6%)、アスコルビン酸ナトリウム0.8g(1%)、酢酸ナトリウム0.8g(1%)、食塩0.8g(1%)、塩化カルシウム(2水和物)0.8g(1%)、ニューレストールHB(日本新薬株式会社製)0.8g(1%)、ローストアーモンド0.16g(0.2%)、水15gをジューサーに加えた。納豆50gを加え、粉砕、攪拌して、納豆ペーストを調製した。別に、対照として、納豆に水15gと塩化カルシウム(2水和物)0.8gを加え納豆ペーストを調製した。以下のサンプルについて、水で20倍希釈した後、その10μlを用いて、フィブリンプレート法によりナットウキナーゼ活性を測定した。コントロール:各種成分添加納豆ペーストで非加熱サンプル、検体:各種成分添加納豆ペーストで90℃、5分加熱サンプル、ネガティブコントロール1:水と塩化カルシウムだけを添加した納豆ペーストで非加熱サンプル、ネガティブコントロール:水と塩化カルシウムだけを添加した納豆ペーストで90℃、5分加熱サンプル。その結果、各種成分を添加しなかった場合は、ナットウキナーゼの活性はなくなったが、添加した場合は、コントロールの100%の活性が残存した。
酵素糖化水飴(ヤマコーソ、向後スターチ株式会社製、水分含量:15%)7.5g(固形分としで8%)、アマミール(東和化成工業株式会社製、水分含量:30%)4.6g(固形分として4%)、アスコルビン酸ナトリウム1.4g(1.8%)、グルタミン酸ナトリウム1.4g(1.8%)、食塩0.8g(1%)、塩化カルシウム(2水和物)0.8g(1%)、ニューレストールHB(日本新薬株式会社製)0.8g(1%)、ローストアーモンド0.16g(0.2%)、水12.5gをジューサーに加えた。納豆50gを加え、粉砕、攪拌して、納豆ペーストを調製した。別に、対照として、納豆に水15gと塩化カルシウム(2水和物)0.8gを加え納豆ペーストを調製した。実施例14と同様に、90℃、5分の加熱処理をして検討した。その粘果、各種成分を添加しなかった場合は、ナットウキナーゼの活性はなくなったが、添加した場合は、コントロールの100%の活性が残存した。
酵素糖化水飴(ヤマコーソ、向後スターチ株式会社製、水分含量:15%)4.7g(固形分として5%)、アマミール(東和化成工業株式会社製、水分含量:30%)3.8g(固形分として3.3%)、ホエイパウダーNF4g(5%)、アスコルビン酸ナトリウム0.8g(1%)、グルタミン酸ナトリウム0.4g(0.5%)、グリシン0.64g(0.8%)、食塩0.8g(1%)、塩化カルシウム(2水和物)0.8g(1%)、ニューレストールHB(日本新薬株式会社製)0.8g(1%)、ローストアーモンド0.16g(0.2%)、水13.2gをジューサーに加えた。納豆50gを加え、粉砕、攪拌して、納豆ペーストを調製した。別に、対照として、納豆に水15gと塩化カルシウム(2水和物)0.8gを加え納豆ペーストを調製した。実施例14と同様に、90℃、5分の加熱処理をして検討した。その結果、各種成分を添加しなかった場合は、ナットウキナーゼの活性はなくなったが、添加した場合は、コントロールの100%の活性が残存した。
アマミール(東和化成工業株式会社製、水分含量:30%)117g、砂糖36g、食塩3.6g、塩化カルシウム(2水和物)3.6g、ニューレストールHB(日本新薬株式会社製)3.6g、ローストアーモンド0.72g、水45.6gをジューサーに加えた。納豆150gを加え、粉砕、攪拌して、納豆ペーストを調製した。別に、対照として、納豆50gに水15.2gと塩化カルシウム(2水和物)1.2gを加え納豆ペーストを調製した。これをナイロン、メタロセンポリエチレンの2層から成るフィルム・チューブ(幅が約4.5cm、長さが約12cm)中に約25〜35gを充填しシールした。以下のサンプルについて、水で20倍希釈した後、その10μlを用いて、フィブリンプレート法によりナットウキナーゼ活性を測定した。コントロール:各種成分添加納豆ペーストのフィルム包装品で非加熱サンプル、検体:各種成分添加納豆ペーストのフィルム包装品で80℃、50分加熱サンプル、ネガティブコントロール1:水と塩化カルシウムだけを添加した納豆ペーストで非加熱サンプル、ネガティブコントロール2:水と塩化カルシウムだけを添加した納豆ペーストで80℃、50分加熱サンプル。その結果、各種成分を添加しなかった場合は、ナットウキナーゼの活性は無くなったが、添加した場合は、コントロールの約95%の活性が残存した。また、生菌数は、各種成分添加納豆ペーストのフィルム包装品で非加熱サンプルが1.8×1010個/g、各種成分添加納豆ペーストのフィルム包装品で80℃、50分加熱サンプルが 1.6×1010個/gで加熱処理前後で殆ど変化しなかった。各種成分添加納豆ペーストのフィルム包装品を室温に放置して、ナットウキナーゼと生菌数の経時変化を検討した。21日と55日放置品について検討した結果、ナットウキナーゼも生菌数も殆ど変化していなかった。

Claims (12)

  1. 熱的に安定化されたナットウキナーゼを含有することを特徴とする納豆加工品及びその製造法
  2. 糖類、糖類を含有する食品または食品素材を単独または組み合わせて、糖類として5%以上含有させることにより、熱的に安定化されたナットウキナーゼを含有することを特徴とする請求項1記載の納豆加工品及びその製造法
  3. 糖アルコール類、糖アルコール類を含有する食品または食品素材を単独または組み合わせて、糖アルコール類として5%以上含有させることにより、熱的に安定化されたナットウキナーゼを含有することを特徴とする請求項1記載の納豆加工品及びその製造法
  4. アミノ酸類、アミノ酸類を含有する食品または食品素材を単独または組み合わせて、アミノ酸類として5%以上含有させることにより、熱的に安定化されたナットウキナーゼを含有することを特徴とする請求項1記載の納豆加工品及びその製造法
  5. 有機酸のアルカリ金属塩類、有機酸のアルカリ金属塩類を含有する食品または食品素材を単独または組み合わせて、有機酸のアルカリ金属塩類として5%以上含有させることにより、熱的に安定化されたナットウキナーゼを含有することを特徴とする請求項1記載の納豆加工品及びその製造法
  6. 無機のアルカリ金属塩類、無機のアルカリ金属塩類を含有する食品または食品素材を単独または組み合わせて、無機のアルカリ金属塩類として1%以上含有させることにより、熱的に安定化されたナットウキナーゼを含有することを特徴とする請求項1記載の納豆加工品及びその製造法
  7. 無機のアンモニウム塩類、無機のアンモニウム塩類を含有する食品または食品素材を単独または組み合わせて、無機のアンモニウム塩類として1%以上含有させることにより、熱的に安定化されたナットウキナーゼを含有することを特徴とする請求項1記載の納豆加工品及びその製造法
  8. 糖類、糖アルコール類、アミノ酸類、有機酸のアルカリ金属塩類、無機のアルカリ金属塩類、無機のアンモニア塩類、それらを含有する食品または食品素材の2種類以上の組み合わせを配合し、無機のアルカリ金属塩類、無機のアンモニア塩類、それらを含有する食品または食品素材を配合した場合は、配合合計含量が1%以上であり、無機のアルカリ金属塩類、無機のアンモニア塩類、それらを含有する食品または食品素材を配合しない場合は、配合合計含量が5%以上であることを特徴とする請求項1記載の納豆加工品及びその製造法
  9. 糖類、糖アルコール類、アミノ酸類、有機酸のアルカリ金属塩類、無機のアルカリ金属塩類、無機のアンモニア塩類、それらを含有する食品または食品素材の単独、且つ、糖類、糖アルコール類、アミノ酸類、有機酸のアルカリ金属塩類の場合は5%以上、無機のアルカリ金属塩類、無機のアンモニア塩類の場合は1%以上であり、2種類以上の組み合わせで配合する場合で、無機のアルカリ金属塩類、無機のアンモニア塩類、それらを含有する食品または食品素材を配合した場合は、配合合計含量が1%以上であり、無機のアルカリ金属塩類、無機のアンモニア塩類、それらを含有する食品または食品素材を配合しない場合は、配合合計含量が5%以上であり、更に、調味料、甘味料、香辛料、酸化防止剤、クリーム及びホエイなどの乳製品、着香料、着色料、食品保存剤、二次発酵抑制剤、天然または加工した食品、食品素材などを単独または複数を組み合わせて添加した請求項1記載の納豆加工品及びその製造法
  10. 納豆加工品が納豆ペーストであることを特徴とする請求項1、2、3、4、5、6、7、8及び9記載の納豆ペースト及びその製造法
  11. 納豆のペースト化において、塩化カルシウムを用いることを特徴とする請求項10記載の納豆ペースト及びその製造法
  12. 納豆加工品を60〜100℃で加熱することを特徴とする請求項1、2、3、4、5、6、7、8、9及び10記載の納豆加工品及びその製造法
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