JP2005151937A - 酸性水中油型乳化食品 - Google Patents

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Abstract

【課題】 冷凍解凍と加熱調理により油分離を生じることなく乳化状態を維持し、且つ、加熱調理により加熱凝固することがなく滑らかな食感を維持し、卵黄の風味が良好な酸性水中油型乳化食品を提供することを目的とする。
【解決手段】 HLBが3以下のポリグリセリン脂肪酸エステルを油相中に0.1〜3.0質量%含有しており、且つ、ホスホリパーゼA処理加塩卵黄に乾燥処理を施したホスホリパーゼA処理加塩卵黄パウダーを含有することを特徴とする酸性水中油型乳化食品を提供する。
【選択図】 なし

Description

本発明は、マヨネーズやドレッシング類等の酸性水中油型乳化食品に関する。さらに詳しくは、本発明は、冷凍解凍と加熱調理により油分離を生じることなく乳化状態を維持し、且つ、加熱調理により加熱凝固することがなく滑らかな食感を維持し、卵黄の風味が良好な酸性水中油型乳化食品に関する。
マヨネーズやドレッシング類等の酸性水中油型乳化食品は、乳化された油脂によるコクみと卵黄特有の良好な風味、食酢の爽快な酸味がバランスよく配合された風味と、乳化物特有の滑らかな食感が広く消費者に受け入れられ、従来の家庭や外食産業で生野菜にかける用途に限らず、惣菜、製パン、冷凍食品などの加工用途において様々な形態で使用されている。
特に冷凍食品においては、近年の冷凍技術の進歩と電子レンジの普及により冷凍食品のバラエティーも急速に広がってきており、冷凍食品へのマヨネーズやドレッシング類等の酸性水中油型乳化食品の需要が高まっている。
しかしながら、一般的なマヨネーズやドレッシング類等の酸性水中油型乳化食品を冷凍食品に用いたときには、冷凍保管中の油脂の結晶成長や卵黄蛋白質の冷凍変性により、解凍時にはその乳化状態が維持できず、結果として油が分離して、食品の外観、食感、風味が損なわれるという問題がある。
このような冷凍解凍による問題に加えて、冷凍食品の製造過程では、調理のために加熱調理される場合が多く、更には、冷凍食品を食する場合には電子レンジや油で揚げるといった過酷な加熱調理が行われる。このような過酷な加熱により、マヨネーズやドレッシング類等の酸性水中油型乳化食品は乳化が壊れて油分離が生じ、更には蛋白質の加熱凝固により固くなり、その外観、食感、風味が著しく損なわれるという問題も生じていた。
これらの問題を解決するための手段として、各種の水中油型乳化物が提案されている。例えば、加熱調理による問題を解決するための手段として、ホスフォリパーゼAによって変性させたホスフォリポー蛋白質を加える方法(例えば、特許文献1参照)やトリプシン処理した部分加水分解卵黄を用いる方法(例えば、特許文献2参照)が挙げられるが、これらの方法では冷凍解凍による分離は改善できない。
また、冷凍解凍による問題を解決するための手段として、不飽和脂肪酸残基及び中鎖脂肪酸残基のみからなる混酸基トリグリセリドを添加する方法(例えば、特許文献3参照)やHLBが3以下のポリグリセリン脂肪酸エステルとホエー蛋白を用いる方法(例えば、特許文献4参照)が挙げられるが、これらの方法では加熱調理による分離や加熱凝固の問題を改善できない。
更に、冷凍解凍と加熱調理の2つの問題を同時に解決するための手段としては、リゾ化卵黄と乳蛋白とゼラチンを配合する方法(例えば、特許文献5参照)が提案されているが、リゾ化卵黄と乳蛋白は加熱凝固しやすく、また、乳蛋白の独特の風味より、喫食時の食感と風味の低下が避けられない。
また、炭素数20以上の飽和脂肪酸1残基と不飽和脂肪酸2残基からなるトリグリセリドを含有する油脂と酵素処理による部分加水分解卵黄を使用する方法(例えば、特許文献6参照)も提案されているが、部分加水分解卵黄由来のペプタイド独特の風味が食味を低下させており、卵黄特有の良好な風味が欠けるという問題が生じている。
特公昭53−44426号公報 特公平5−47186号公報 特公平6−14710号公報 特開2000−50837号公報 特開平9−149772号公報 特開平10−235182号公報
本発明の目的は、上記従来の問題点を解消し、冷凍解凍と加熱調理により油分離を生じることなく乳化状態を維持し、且つ、加熱調理により加熱凝固することがなく滑らかな食感を維持し、卵黄の風味が良好な酸性水中油型乳化食品を提供することにある。
本発明者らは、上記の目的を達成すべく鋭意検討を重ねた結果、乳蛋白などの卵黄以外の蛋白質を使用しなくとも、HLBが3以下のポリグリセリン脂肪酸エステルを油相中に含有し、且つ、ホスホリパーゼA処理された加塩卵黄に乾燥処理を施したホスホリパーゼA処理加塩卵黄パウダーを含有することで、かかる酸性水中油型乳化食品が冷凍解凍と加熱調理による油分離と加熱凝固を防止できることを見出し、この知見に基づいて本発明を完成するに至った。
すなわち、請求項1に係る本発明は、HLBが3以下のポリグリセリン脂肪酸エステルを油相中に0.1〜3.0質量%含有しており、且つ、ホスホリパーゼA処理加塩卵黄に乾燥処理を施したホスホリパーゼA処理加塩卵黄パウダーを含有することを特徴とする酸性水中油型乳化食品を提供するものである。
請求項2に係る本発明は、乳蛋白を含まないことを特徴とする請求項1記載の酸性水中油型乳化食品を提供するものである。
請求項3に係る本発明は、ホスホリパーゼA処理加塩卵黄パウダーを生卵黄換算で1〜20質量%含有することを特徴とする請求項1又は2記載の酸性水中油型乳化食品を提供するものである。
請求項1〜3に係る本発明によれば、冷凍解凍と加熱調理により油分離を生じることなく乳化状態を維持し、且つ、加熱調理により加熱凝固することがなく滑らかな食感を維持し、卵黄の風味が良好な酸性水中油型乳化食品が提供される。
以下、本発明を詳細に説明する。
請求項1に係る本発明は、酸性水中油型乳化食品に関し、HLBが3以下のポリグリセリン脂肪酸エステルを油相中に0.1〜3.0質量%含有しており、且つ、ホスホリパーゼA処理加塩卵黄に乾燥処理を施したホスホリパーゼA処理加塩卵黄パウダーを含有することを特徴とするものである。
請求項1に係る本発明は、油相と水相とからなる酸性水中油型乳化食品に関するもので、具体的には例えばマヨネーズやドレッシング、タルタルソースなどが挙げられる。
請求項1に係る本発明においては、HLBが3以下のポリグリセリン脂肪酸エステルを油相中に含有していることが必要である。
すなわち、請求項1に係る本発明において用いるポリグリセリン脂肪酸エステルは、HLBが3以下であることが必要である。これは、通常、HLBが3.5〜6では、油中水型の乳化機能をとり、このようなポリグリセリン脂肪酸エステルを使用すると、乳化の際に容易に油中水型に転相しやすくなるためである。HLBが3以下のポリグリセリン脂肪酸エステルは、油相中に存在することで、低温下での油相の結晶性の制御に効果があるものと推定される。
さらに、ポリグリセリン脂肪酸エステルとしては、その主要構成脂肪酸が、C10:0、C12:0、C14:0、C16:0、C18:0、C18:1の中から選ばれた3種類以上で構成されており、且つ、フルエステル化されているものが好ましい。特に、C12:0、C16:0、C18:1で構成された脂肪酸組成のポリグリセリン脂肪酸エステルを用いた場合に、得られる酸性水中油型乳化食品の耐冷凍性が最も優れたものとなるため、最も好ましい。
請求項1に係る本発明の酸性水中油型乳化食品における該ポリグリセリン脂肪酸エステルの含有量は、酸性水中油型乳化食品を構成する油相のうちの0.1〜3.0質量%であり、好ましくは0.5〜2.0質量%である。ここで、該ポリグリセリン脂肪酸エステルの含有量が0.1質量%未満であると、得られる酸性水中油型乳化食品の冷凍解凍耐性が不充分となる。一方、該ポリグリセリン脂肪酸エステルを3.0質量%を超えて含有しても、含有量に応じた冷凍解凍耐性の改善効果が得られなかったり、得られる酸性水中油型乳化食品の風味が損なわれる。
なお、請求項1に係る本発明において、油相原料としては、大豆油、菜種油、コーン油、ひまわり油などの一般的な食用油脂が用いられる。
請求項1に係る本発明において用いるホスホリパーゼA処理加塩卵黄パウダーは、ホスホリパーゼA処理加塩卵黄に乾燥処理を施したものである。
ホスホリパーゼA処理加塩卵黄とは、酵素であるホスホリパーゼAを作用させてリゾ化処理を施した食塩を含有する卵黄である。ホスホリパーゼA処理されていない加塩卵黄パウダーを用いると、加熱耐性が不充分となるため好ましくない。また、ホスホリパーゼA処理加塩卵黄のリゾ化率が高いほど該乳化食品の乳化安定性が高まり、加熱耐性だけでなく冷凍解凍耐性も向上し、その程度は30%以上が好ましい。
ホスホリパーゼAにはホスホリパーゼA1とホスホリパーゼA2とがあるが、請求項1に係る本発明においては、通常、ホスホリパーゼA2が用いられる。
ホスホリパーゼA2は、pH6〜11に活性領域を有するホスホリパーゼである。このようなホスホリパーゼA2としては、例えばノボノルディスクA/S社製の「レシターゼ10L」(力価9800IU/ml)が挙げられる。
ホスホリパーゼA処理加塩卵黄におけるホスホリパーゼAの添加量は、特に制限されないが、卵黄に対して、通常、0.01〜0.5%程度である。
また、該卵黄は食塩を含有している必要がある。食塩の卵黄への添加時期としては、ホスホリパーゼA処理の前後は問わないが、乾燥処理前に加える必要がある。仮にホスホリパーゼAを作用させたホスホリパーゼA処理卵黄パウダーを使用しても、食塩を含まない場合には、食塩を含まないことにより乾燥処理時の蛋白質の熱変性が促進されるためか、得られる該乳化食品の冷凍解凍耐性と加熱耐性が不充分となるため好ましくない。食塩の含有量は、乾燥前のホスホリパーゼA処理加塩卵黄中、5〜15%が好ましい。
更に、本発明では、このようなホスホリパーゼA処理加塩卵黄について乾燥処理を施し、ホスホリパーゼA処理加塩卵黄パウダーとして使用することが必要である。乾燥方法は特には問わないが、スプレードライ製法を用いるのが一般的である。ホスホリパーゼA処理卵黄を使用すると、乾燥処理を施さない場合であっても、得られる該乳化食品の冷凍解凍耐性や加熱耐性は満足するものの、加熱時の蛋白変性による凝固が著しく、該乳化食品特有の滑らかな性状とはかけ離れたものになり、本発明の目的が達成されない。
このようなホスホリパーゼA処理加塩卵黄パウダーの製品中における含有量は、請求項3に記載したように、生卵黄換算で1〜20質量%が好ましく、特に好ましくは5〜15質量%である。生卵黄換算で1質量%未満の場合には、得られる酸性水中油型乳化食品の卵黄特有の風味が弱くなり、冷凍解凍耐性や加熱耐性も僅かではあるが低下し、一方、20質量%を超える場合には、該酸性水中油型乳化食品を製造する際の該卵黄パウダーの使用量が莫大になり、水相中に溶解するのが困難になる可能性が生じるため、いずれも好ましくない。なお、生卵黄換算とは、固形分換算で生卵黄の含有量を示すものとする。
請求項1に係る本発明においては、請求項2に記載したように、乳蛋白を含んでおらず、むしろ乳蛋白の使用は好ましくない。ここでいう乳蛋白とは、カゼインNa、カゼインK、カゼインMg、カゼインCa等のカゼイン塩やホエー蛋白、トータルミルクプロテインなどを指す。これらの乳蛋白を使用した場合には、乳蛋白独特の風味により、得られる該酸性水中油型乳化食品の風味を損ねるばかりか、特にホエー蛋白は該酸性水中油型乳化食品の加熱凝固を促進し、食味を著しく損なう結果となるため、好ましくない。
請求項1に係る本発明の酸性水中油型乳化食品は、上述の食品原料以外に、本発明の効果を損なわない範囲で、各種食品原料を適宜選択して含有させることができる。例えば、食酢やかんきつ類の果汁などの酸味料、グルタミン酸Naや食塩,砂糖,核酸,水あめ,しょうゆなどの各種調味料、動植物のエキス類、各種香辛料やその抽出物、キサンタンガム,タマリンドガムなどのガム類や澱粉、ピクルス,オニオン,ツナなどの具材が挙げられる。
請求項1に係る本発明における酸性水中油型乳化食品の代表的な製造方法を示すと、以下の通りである。
ホスホリパーゼA処理加塩卵黄パウダーと調味料等を清水に混合して均一に溶解し、食酢を加えて水相原料とする。一方、HLBが3以下のポリグリセリン脂肪酸エステルを食用油脂中に均一に溶解し、油相原料とする。前記水相原料を撹拌しながら、これに前記油相原料を徐々に加えていき、水中油型の粗乳化状態にした後、更にコロイドミルを通して仕上げの乳化処理を施すことで、本発明の酸性水中油型乳化食品が得られる。なお、本発明の酸性水中油型乳化食品の製造方法は、上記による方法に限定されるものではない。
以下に、本発明を実施例等により詳しく説明するが、本発明の範囲はこれらによって何ら制限されるものではない。
実施例1
(1)酸性水中油型乳化食品の製造
食塩5%を含有する殺菌卵黄に対して、ホスホリパーゼA2(「レシターゼ10L」ノボノルディスクA/S社製、力価9800IU/ml)を0.03%添加し、45℃で3時間処理した後に、スプレードライヤーで乾燥させて、リゾ化率60%、水分5%、食塩分10%のホスホリパーゼA処理加塩卵黄パウダーを得た。
次に、該卵黄パウダー、食塩、砂糖、グルタミン酸Na、食酢、キサンタンガムを下記に示した配合割合で清水に溶解させて水相原料とした。
一方、ポリグリセリン脂肪酸エステルとして、C12:0が20%、C16:0が60%、C18:1が20%の脂肪酸で構成されるデカグリセリン混合脂肪酸エステル(HLB1)を下記に示した配合割合で大豆油中に溶解して油相原料を得た。
次に、この水相原料を撹拌しつつ、下記に示した配合で油相原料を徐々に添加して粗乳化とし、更にコロイドミルに通して仕上げ乳化を施すことで、本発明の酸性水中油型乳化食品を製造した。
<水相原料>
・ホスホリパーゼA処理加塩卵黄パウダー 6.0%(生卵黄換算10質量%)
・食塩 1.4%
・砂糖 1.5%
・グルタミン酸Na 0.5%
・食酢(酸度15%) 5.0%
・キサンタンガム 0.5%
・清水 35.1%
<油相原料>
・大豆油 49.5%
・ポリグリセリン脂肪酸エステル 0.5%(油相中1質量%)
(2)冷凍解凍耐性、加熱耐性、加熱後の滑らかさ、風味についての評価
得られた酸性水中油型乳化食品について、冷凍解凍耐性、加熱耐性、加熱後の滑らかさ、風味についての評価を実施し、結果を表1に示した。
冷凍解凍耐性については、ポリプロピレン製容器に得られた酸性水中油型乳化食品50gを充填後、−25℃で所定期間恒温放置した後に取り出し、冷蔵庫内で1日間解凍後の状態を観察した。加熱耐性については、200ml容ビーカーに、得られた酸性水中油型乳化食品50gを充填し、600W・50秒間の電子レンジによる加熱を施した直後の状態を観察した。加熱後の滑らかさについては、前記の電子レンジにより加熱された酸性水中油型乳化食品の状態について調べた。風味については、調製翌日に食して評価を実施した。
なお、冷凍解凍耐性、加熱耐性、加熱後の滑らかさ、風味は、以下の基準で評価した。
<冷凍解凍耐性、加熱耐性>
・○:乳化状態が良好
・△:概ね良好であるが、僅かに油分離あり
・×:油分離
<加熱後の滑らかさ>
・○:加熱前と同様に滑らかで良好
・△:概ね良好であるが若干固い
・×:固まっている
<風味>
・◎:卵黄風味がちょうど良くマヨネーズとして非常に好ましい
・○:マヨネーズの好ましい風味があり良好
・△:卵黄風味が少し欠ける
・×:異風味があり好ましくない
比較例1
実施例1において、ホスホリパーゼA処理加塩卵黄パウダーの代わりに、ホスホリパーゼA処理を行わずに製造した加塩卵黄パウダーを使用したこと以外は、実施例1と同様にして酸性水中油型乳化食品を製造し、以下、得られた酸性水中油型乳化食品について、実施例1と同様にして冷凍解凍耐性、加熱耐性、加熱後の滑らかさ、風味についての評価を実施した。結果を表1に示した。
比較例2
実施例1において、ホスホリパーゼA処理加塩卵黄パウダーの代わりに、食塩を加えずに製造したホスホリパーゼA処理卵黄パウダーを使用したこと以外は、実施例1と同様にして酸性水中油型乳化食品を製造し、以下、得られた酸性水中油型乳化食品について、実施例1と同様にして冷凍解凍耐性、加熱耐性、加熱後の滑らかさ、風味についての評価を実施した。結果を表1に示した。
比較例3
実施例1において、ホスホリパーゼA処理加塩卵黄パウダーの代わりに、スプレードライヤーによる乾燥処理を行わずに製造したホスホリパーゼA処理卵黄を使用したこと以外は、実施例1と同様にして酸性水中油型乳化食品を製造し、以下、得られた酸性水中油型乳化食品について、実施例1と同様にして冷凍解凍耐性、加熱耐性、加熱後の滑らかさ、風味についての評価を実施した。結果を表1に示した。
比較例4
実施例1において、ホスホリパーゼA処理加塩卵黄パウダーの代わりに、通常の殺菌卵黄を使用したこと以外は、実施例1と同様にして酸性水中油型乳化食品を製造し、以下、得られた酸性水中油型乳化食品について、実施例1と同様にして冷凍解凍耐性、加熱耐性、加熱後の滑らかさ、風味についての評価を実施した。結果を表1に示した。
比較例5
実施例1において、ホエー蛋白1%を水相中に更に加えたこと以外は、実施例1と同様にして酸性水中油型乳化食品を製造し、以下、得られた酸性水中油型乳化食品について、実施例1と同様にして冷凍解凍耐性、加熱耐性、加熱後の滑らかさ、風味についての評価を実施した。結果を表1に示した。
比較例6
実施例1において、カゼインNa1%を水相中に更に加えたこと以外は、実施例1と同様にして酸性水中油型乳化食品を製造し、以下、得られた酸性水中油型乳化食品について、実施例1と同様にして冷凍解凍耐性、加熱耐性、加熱後の滑らかさ、風味についての評価を実施した。結果を表1に示した。
なお、比較例1〜6において、かかる酸性水中油型乳化食品に含まれる卵黄分の生卵黄換算量、食塩量が実施例1と同様になるように、各原料の配合を調整した。
Figure 2005151937
表1より、乳蛋白を用いずにホスホリパーゼA処理加塩卵黄パウダーを用いた実施例1の酸性水中油型乳化食品が、冷凍解凍と加熱調理により油分離を生じることなく乳化状態を維持し、且つ、加熱調理により加熱凝固することがなく滑らかな食感を維持し、卵黄の風味が良好であることが理解できる。
実施例2
実施例1において、デカグリセリン混合脂肪酸エステル(HLB1)の代わりにデカグリセリンステアリン酸エステル(HLB3)を用いたこと以外は、実施例1と同様にして酸性水中油型乳化食品を製造し、以下、得られた酸性水中油型乳化食品について、実施例1と同様にして冷凍解凍耐性、加熱耐性、加熱後の滑らかさ、風味についての評価を実施した。結果を実施例1の結果と共に表2に示した。
比較例7
実施例1において、デカグリセリン混合脂肪酸エステル(HLB1)の代わりにデカグリセリンベヘン酸エステル(HLB4)を用いたこと以外は、実施例1と同様にして酸性水中油型乳化食品を製造し、以下、得られた酸性水中油型乳化食品について、実施例1と同様にして冷凍解凍耐性、加熱耐性、加熱後の滑らかさ、風味についての評価を実施した。結果を表2に示した。
比較例8
実施例1において、デカグリセリン混合脂肪酸エステル(HLB1)を使用しなかったこと以外は、実施例1と同様にして酸性水中油型乳化食品を製造し、以下、得られた酸性水中油型乳化食品について、実施例1と同様にして冷凍解凍耐性、加熱耐性、加熱後の滑らかさ、風味についての評価を実施した。結果を表2に示した。
実施例3〜5
実施例1において、油相中におけるデカグリセリン混合脂肪酸エステル(HLB1)の使用量をそれぞれ0.1質量%、2質量%、3質量%に変えたこと以外は、実施例1と同様にして酸性水中油型乳化食品を製造し、以下、得られた酸性水中油型乳化食品について、実施例1と同様にして冷凍解凍耐性、加熱耐性、加熱後の滑らかさ、風味についての評価を実施した。結果を表2に示した。
比較例9
実施例1において、油相中におけるデカグリセリン混合脂肪酸エステル(HLB1)の使用量を4質量%としたこと以外は、実施例1と同様にして酸性水中油型乳化食品を製造し、以下、得られた酸性水中油型乳化食品について、実施例1と同様にして冷凍解凍耐性、加熱耐性、加熱後の滑らかさ、風味についての評価を実施した。結果を表2に示した。
Figure 2005151937
表2によれば、HLBが3以下のポリグリセリン脂肪酸エステルを油相中に0.1〜3.0質量%含有している酸性水中油型乳化食品であると冷凍解凍後にも乳化状態を維持できることが分かる。
実施例6〜7
実施例1において、ホスホリパーゼA処理加塩卵黄パウダーの使用量をそれぞれ0.6質量%、12質量%(生卵黄換算でそれぞれ1.0質量%、20質量%)としたこと以外は、実施例1と同様にして酸性水中油型乳化食品を製造し、以下、得られた酸性水中油型乳化食品について、実施例1と同様にして冷凍解凍耐性、加熱耐性、加熱後の滑らかさ、風味についての評価を実施した。結果を実施例1の結果と共に表3に示した。
Figure 2005151937
表3によれば、酸性水中油型乳化食品中にホスホリパーゼA処理加塩卵黄パウダーの使用量が生卵黄換算で1〜20質量%含有させることで、かかる酸性水中油型乳化食品中の冷凍解凍耐性と風味が良好になることが理解できる。
本発明によれば、冷凍解凍と加熱調理により油分離を生じることなく乳化状態を維持し、且つ、加熱調理により加熱凝固することがなく滑らかな食感を維持し、卵黄の風味が良好な酸性水中油型乳化食品が提供される。
従って、本発明は、食品産業において有効に利用することができる。

Claims (3)

  1. HLBが3以下のポリグリセリン脂肪酸エステルを油相中に0.1〜3.0質量%含有しており、且つ、ホスホリパーゼA処理加塩卵黄に乾燥処理を施したホスホリパーゼA処理加塩卵黄パウダーを含有することを特徴とする酸性水中油型乳化食品。
  2. 乳蛋白を含まないことを特徴とする請求項1記載の酸性水中油型乳化食品。
  3. ホスホリパーゼA処理加塩卵黄パウダーを生卵黄換算で1〜20質量%含有することを特徴とする請求項1又は2記載の酸性水中油型乳化食品。
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