JP2005151700A - パルストランス型ゲート駆動回路 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】パルストランスT1の出力巻線Coのコンデンサ側の端子がハイレベルとなる場合に、トランジスタQ1をオンし、ダイオードD1をオフして、出力巻線Coの電力をトランジスタQ1を通じてスイッチング素子1のゲート電極に供給してスイッチング素子1をオンする。この時、ダイオードD2はオンされるが、その影響がスイッチング素子1のゲート電極に作用するのは、トランジスタQ2のオフにより阻止される。出力巻線Coのコンデンサ側の端子がローレベルとなる場合に、トランジスタQ2をオンし、ダイオードD2をオフして、スイッチング素子1のゲート電荷を出力巻線Coを通じて放電し、スイッチング素子1をオフする。この時、ダイオードD1はオンされるが、その影響がスイッチング素子1のゲート電極に作用するのは、トランジスタQ1のオフにより阻止される。
【選択図】図1
Description
前記スイッチング素子1の電荷注入側主電極の電位が陽極に、前記コンデンサC3と前記トランジスタQ2との接続点が陰極となるクランプ素子D2とを備え、前記トランジスタQ1及び前記クランプ素子D2は、前記入力パルス電圧がハイレベルとなる場合にオンされ、前記トランジスタQ2及び前記クランプ素子D1は、前記入力パルス電圧がローレベルとなる場合にオンされるパルストランス型ゲート駆動回路からなる。
好適な態様において、主端子の一方が前記電荷注入側主電極に,主端子の他方が前記コンデンサC2と前記トランジスタQ1との接続点に接続されて、前記入力パルス電圧が停止した場合にのみオンされるるトランジスタQ3を有する。このようにすれば,入力パルスが停止した時にコンデンサC2に充電されていた電荷が放電されるため,入力パルスが停止した後に前記トランジスタQ1がオンした場合にでも,前記スイッチング素子1の誤点弧を防止でき,完全なスイッチング素子1のオフ状態の維持ができる。
好適な態様において、前記トランジスタQ3は、フォトカプラの2次側トランジスタから構成され,前記フォトカプラの1次側を通じての前記入力パルス電圧の停止信号の入力によりオンする。このようにすれば,フォトカプラ1次側からの前記入力パルス電圧の停止信号をフォトカプラ一次側に入力することで前記スイッチング素子1の停止後の誤点弧を防止できる。
好適な態様において、前記トランジスタQ1、Q2、Q3と前記コンデンサC1、C2と前記クランプ素子D1、D2とを有する第一のトランス二次回路と同一構成を有するとともに、第二のスイッチング素子2のゲート電極に駆動電圧を印加して前記第二のスイッチング素子2を前記スイッチング素子1に対して逆動作させる第二のトランス二次回路と、前記パルストランスT1に装備されて前記第二のトランス二次回路に給電する出力巻線Co’とを備え、前記出力巻線Co’は、前記出力巻線Coが前記第一のトランス二次回路に与える電圧の向きと反対向きの電圧を前記第二のトランス二次回路に与える。このようにすれば、たとえばインバータ回路に用いられるような相補動作する二つのスイッチング素子1、2を単一のパルストランスT1により駆動することができ、ゲート駆動回路の構成を簡素化することができる。
[実施例1]
(回路構成)
このパルストランス型ゲート駆動回路は、パルストランスT1、トランジスタQ1、Q2、Q3、ダイオードD1、D2、コンデンサC1、C2、C3により構成されている。パルス電圧である入力パルス信号はDCカット用のコンデンサC1を通じてパルストランスT1の入力巻線Ciに印加される。
(スイッチング素子1のターンオン動作)
パルストランスT1に入力される入力パルス信号(入力パルス電圧ともいう)は方形波であり、その交流成分がコンデンサC1により抽出されてパルストランスT1の入力巻線Ciに印加される。入力パルス電圧がハイレベルとなると、出力巻線Coの他端(コンデンサC2側)の電位がスイッチング素子1のソース電位を基準としてハイレベルとなり、コンデンサC2とトランジスタQ1との接続点の電位は上昇する。この時、ダイオードD1は逆バイアスされ、オンしない。これにより、PチャンネルトランジスタであるトランジスタQ1のソース電位が上昇し、トランジスタQ1がターンオンし、出力巻線Coの他端のハイレベル電位とスイッチング素子1のターンオフ期間中に充電されたコンデンサC2の電位の和が、スイッチング素子1のゲート電極にソース基準としてプラスの電圧として印加されてスイッチング素子1がターンオンする。また、出力巻線Coの他端電位の上記上昇により、コンデンサC3とトランジスタQ2との接続点電位が上昇しようとするが、コンデンサC3とトランジスタQ2との接続点電位は、ダイオードD2のオンによりスイッチング素子1のソース電位+ダイオードD1の電圧降下量ΔVd(0.7V程度)に維持される。いずれにせよ、トランジスタQ2は上記電位上昇によりオンしない。このとき,コンデンサC3は出力巻線Coの両端にかかる電位に充電される。電位の向きとしては,トランジスタQ2とダイオードD2の接続点を基準としてコンデンサC3と出力巻線Coの接続点方向に電位が高くなる。
(スイッチング素子1のターンオフ動作)
入力パルス電圧がローレベルとなると、出力巻線Coの他端(コンデンサC3側)の電位がスイッチング素子1のソース電位を基準としてローレベルとなり、コンデンサC2とトランジスタQ1との接続点の電位は低下する。この電位低下は、ダイオードD1により、スイッチング素子1のソース電位からダイオードD1の電位低下量ΔVd(0.7V程度)低い値に維持される。これにより、トランジスタQ1のソース/ゲート間電圧は、ΔVdだけ逆バイアスされた水準に維持され、トランジスタQ1がターンオフされる。このとき,コンデンサC2は出力巻線Coの両端にかかる電位に充電される。電位の向きとしては,トランジスタQ1とダイオードD1の接続点を基準としてコンデンサC2と出力巻線Coの接続点方向に電位が低くなる。また、出力巻線Coの上記他端電位の低下により、コンデンサC3とトランジスタQ2との接続点電位が低下する。この時、ダイオードD2は逆バイアスされ、オンしない。これにより、NチャンネルトランジスタであるトランジスタQ2のソース電位が低下し、トランジスタQ2がターンオンし、出力巻線Coの電位とスイッチング素子1のターンオン期間中に充電されたコンデンサC3の電位との和が、スイッチング素子1のゲート電極にソース基準としてマイナス電圧として印加されてスイッチング素子1がターンオフする。
(スイッチング素子1の停止時)
スイッチング素子1の停止時,すなわちパルストランスT1への入力パルス信号が停止した場合,入力パルス電圧がローレベルになることから,スイッチング素子1はトランジスタQ2を通じてスイッチング素子1のゲート電極に速やかにスイッチング素子1のソース電位を基準としてローベルとなる逆バイアス電圧を印加することができる。しかしこの間にもコンデンサC2にコンデンサC2とトランジスタQ1の接続点を正方向とする電位が蓄積される。出力巻線Coの電位が零になると,PチャンネルトランジスタであるトランジスタQ1のソース電位がコンデンサC2に充電された電位分上昇し、トランジスタQ1がターンオンしてスイッチング素子1がオンする場合がありうる。そこで入力パルス信号停止時にトランジスタQ3をオンし,コンデンサC2に蓄積された電荷を放電しておき,停止後のスイッチング素子1の誤点弧を防止し,完全なスイッチング素子1のオフ状態の維持ができる。
この実施例のパルストランス型ゲート駆動回路によれば以下の作用効果が生じる。
[実施例2]
(回路構成)
このパルストランス型ゲート駆動回路は、実施例1で説明したトランス二次回路(出力巻線Co、トランジスタQ1、Q2、Q3、ダイオードD1、D2、コンデンサC2、C3)Aに加えて、スイッチング素子2を駆動するための第二のトランス二次回路(出力巻線Co’、トランジスタQ1’、Q2’、Q3’、ダイオードD1’、D2’、コンデンサC2’、C3’)Bを追加したものである。したがって、パルストランスT1’は、入力巻線Ciと出力巻線Co、Co'をもつ。第二のトランス二次回路Bは、第一のトランス二次回路Aと原理的に同一の回路構成をもつが、その動作は逆となる。
パルストランスT1’に入力される入力パルス電圧がハイレベルとなると、出力巻線Co’の他端電位がローレベルとなる。これにより、トランジスタQ1’は入力パルス電圧がローレベルとなった場合のトランジスタQ1と同じ動作を行い、トランジスタQ2’は入力パルス電圧がローレベルとなった場合のトランジスタQ2と同じ動作を行う。これにより、スイッチング素子2のゲート電極にはそのソース電圧よりも低いローレベル電位に維持され、スイッチング素子2はオフされる。
上記実施例では、クランプ素子として接合ダイオードを用い、トランジスタとしてMOSトランジスタを用いたが、本発明の動作にとって必須の基本機能が同等である他の公知素子を用いることは当然可能である。
Q1 トランジスタ
Q2 トランジスタ
Q3 トランジスタ
D1 ダイオード
D2 ダイオード
C1 コンデンサ
C2 コンデンサ
C3 コンデンサ
1 スイッチング素子
2 スイッチング素子
Claims (8)
- 入力パルス電圧が入力巻線Ciに印加されるパルストランスT1と、
前記パルストランスT1の出力巻線Coの一端に接続される電荷注入側主電極を有するスイッチング素子1と、主端子の一方がコンデンサC2を通じて前記出力巻線Coの他端に接続され、主端子の他方が前記スイッチング素子1の制御電極に接続されるトランジスタQ1と、主端子の一方がコンデンサC3を通じて前記出力巻線Coの他端に接続され、主端子の他方が前記スイッチング素子1の制御電極に接続されるトランジスタQ2と、
前記スイッチング素子1の電荷注入側主電極の電位が陰極に,前記コンデンサC2と前記トランジスタQ1との接続点が陽極となるクランプ素子D1と、
前記スイッチング素子1の電荷注入側主電極の電位が陽極に,前記コンデンサC3と前記トランジスタQ2との接続点が陰極となるクランプ素子D2とを備え、
前記トランジスタQ1及び前記クランプ素子D2は、前記入力パルス電圧がハイレベルとなる場合にオンされ、前記トランジスタQ2及び前記クランプ素子D1は、前記入力パルス電圧がローレベルとなる場合にオンされることを特徴とするパルストランス型ゲート駆動回路。 - 請求項1記載のパルストランス型ゲート駆動回路において、
前記入力巻線Ciと直列接続されて前記入力パルス電圧の交流成分を前記入力巻線Ciに印加するコンデンサC1を有することを特徴とするパルストランス型ゲート駆動回路。 - 請求項2記載のパルストランス型ゲート駆動回路において、
主端子の一方が前記電荷注入側主電極に,主端子の他方が前記コンデンサC2と前記トランジスタQ1との接続点に接続されて、前記入力パルス電圧が停止した場合にのみオンされるるトランジスタQ3を有することを特徴とするパルストランス型ゲート駆動回路。 - 請求項3記載のパルストランス型ゲート駆動回路において、
前記スイッチング素子1は電子を主要なキャリアとし、
前記トランジスタQ1は、前記スイッチング素子1の前記電荷注入側主電極に接続されるゲート電極をもつPチャンネルMOSトランジスタからなり、
前記トランジスタQ2は、前記スイッチング素子1の前記電荷注入側主電極に接続されるゲート電極をもつNチャンネルMOSトランジスタからなることを特徴とするパルストランス型ゲート駆動回路。 - 請求項4記載のパルストランス型ゲート駆動回路において、
前記クランプ素子D1は、アノードが前記スイッチング素子1の電荷注入側主電極に、カソードが前記コンデンサC2と前記トランジスタQ1との接続点に接続されるダイオードからなることを特徴とするパルストランス型ゲート駆動回路。 - 請求項5記載のパルストランス型ゲート駆動回路において、
前記クランプ素子D2は、カソードが前記スイッチング素子1の電荷注入側主電極に、アノードが前記コンデンサC3と前記トランジスタQ2との接続点に接続されるダイオードからなることを特徴とするパルストランス型ゲート駆動回路。 - 請求項6記載のパルストランス型ゲート駆動回路において、
前記トランジスタQ3は、フォトカプラの2次側トランジスタから構成され,前記フォトカプラの1次側を通じての前記入力パルス電圧の停止信号の入力によりオンすることを特徴とするパルストランス型ゲート駆動回路。 - 請求項1乃至7のいずれか記載のパルストランス型ゲート駆動回路において、
前記トランジスタQ1、Q2と前記コンデンサC1、C2と前記クランプ素子D1、D2とを有する第一のトランス二次回路と同一構成を有するとともに、第二のスイッチング素子2のゲート電極に駆動電圧を印加して前記第二のスイッチング素子2を前記スイッチング素子1に対して逆動作させる第二のトランス二次回路と、
前記パルストランスT1に装備されて前記第二のトランス二次回路に給電する出力巻線Co’とを備え、前記出力巻線Co’は、前記出力巻線Coが前記第一のトランス二次回路に与える電圧の向きと反対向きの電圧を前記第二のトランス二次回路に与えることを特徴とするパルストランス型ゲート駆動回路。
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