以下、本発明の実施の形態に係る画像形成システムAについて、図面に基づいて説明する。この画像形成システムAは、図1に示すように、読取った原稿の画像データに対して設定情報に従って第1の画像処理を行う画像読取装置Bと、該画像読取装置BからUSB(所定のデータ転送インターフェース)を介して受信したプリントデータに対して設定情報に従って第2の画像処理を行ってその画像を用紙に記録する画像形成装置Cとから構成されている。
画像読取装置Bは、図示するように制御部(MPU:Microprocessing Unit)1、ROM(Read Only Memory)2、RAM(Random Access Memory)3、原稿読取部4、ページメモリ5、入力色変換回路6、画像処理回路7、出力色変換回路8、コーデック(CODEC:Coder and Decoder)9、画像メモリ10、操作部11、表示部12、PDL変換回路13、及びUSBホストコントローラ14を備えたものであって、各部1乃至14は、バス15によって通信可能に接続されている。
制御部1は、ROM2に格納されている制御プログラムに従って、この画像読取装置Bを構成する各部を制御する。ROM2は前記制御プログラムを格納している。RAM3は、制御部1の主メモリ、ワークエリア等として機能し、ファクシミリ番号などの他に、識別情報16が記憶されている。ここで、識別情報16は、USBによって接続された画像形成装置Cに関する情報であり、具体的には画像形成装置Cのメーカ名、型番、及び画像形成装置Cが解析可能なページ記述言語(PDL:Page Description Language)の種類である。なお、ここでは識別情報16の他に、画像形成装置Cがプリントデータに対して行うことが可能な画像処理の種類、扱うことができるデータ形式(色空間)等の情報もこのRAM3の所定領域に記憶されている。
また、RAM3には、設定情報格納テーブル17が設けられている。ここで、設定情報格納テーブル17は、各種画像処理を行う装置を設定した設定情報を記憶したものであり、画像読取装置Bにおいて読取られた原稿の画像データに対して行う画像処理の種類と、それらの各画像処理を行う装置の選択を対応づけて記憶したものである。この設定情報格納テーブル17は、図2に示すように画像読取装置B及び画像形成装置Cのどちらの装置においても実行可能な画像処理の機能が登録される「機能」フィールドと各画像処理を行う装置の選択が登録される「選択」フィールドからなり、それぞれの情報は同一レコードに記載されることにより対応づけられている。図示するように、「機能」フィールドにカラー画像データに対して行われる明度調整、色彩調整、彩度調整の色調整の他に、RGB調整、拡大/縮小処理、とじしろ処理、回転処理、ミラー処理、枠消去処理が画像読取装置B及び画像形成装置Cのどちらの装置においても実行可能な画像処理の機能として登録されている。
また、「選択」フィールドには原稿の画像を読取って生成したプリントデータをUSBを介して画像形成装置Cに転送する「スキャナ」(画像読取装置B)、又は転送されたプリントデータの画像を用紙に記録する「プリンタ」(画像形成装置C)のどちらかが登録されている。図示する設定情報格納テーブル17では、明度調整、色彩調整、彩度調整、RGB調整、回転処理、及びミラー処理が画像読取装置Bにおいて読取った原稿の画像データに対して行う第1の画像処理として設定されており、拡大/縮小処理、とじしろ処理、及び枠消去処理が画像形成装置Cにおいて画像読取装置Bから転送されたプリントデータに対して行う第2の画像処理として設定されている。したがって、自装置B側で画像データに対して行われる第1の画像処理の設定情報と画像形成装置C側でプリントデータに対して行われる第2の画像処理の設定情報とを記憶する設定情報格納テーブル17が記憶手段として機能する。
なお、画像形成装置Cの能力や画像読取装置Bから転送されるプリントデータのPDLの種類、プリントデータの色空間などによって、画像形成装置Cにおいて実行できない画像処理があり、逆にプリントデータの色空間などによって画像読取装置Bにおいて実行できない画像処理がある。例えば、RGB表色系(RGB color system)の画像データに基づいて生成されたプリントデータを自装置Bから画像形成装置Cに転送する場合には、自装置Bにおいて色相調整、彩度調整の画像処理を行うことはできない。したがって、画像読取装置Bの制御部1は、画像形成装置Cに関する情報及び画像読取装置Cにおける原稿の画像読取開始時にユーザによって指定される複写条件に基づいて、画像読取装置B及び画像形成装置Cのどちらの装置においても実行可能な画像処理の種類を判断し、「機能」フィールドに登録する。ここで、画像形成装置Cに関する情報とは、画像形成装置Cが解析可能なPDLの種類、プリントデータに対して行うことが可能な画像処理の種類、及び扱うことができるデータ形式(色空間)であり、画像形成装置Cから識別情報とともに取得する情報である。複写条件は、画像形成装置Cに転送するプリントデータの色空間、使用するPDLの種類等である。また、「選択」フィールドに登録される装置は、上記「機能」フィールドの画像処理が登録された後、操作部11からの所定操作によりユーザが設定変更することができる。すなわち、ユーザが「機能」フィールドに登録されている各画像処理を行わせたい装置を「スキャナ」又は「プリンタ」から選択することができる。なお、ここでは図示していないが、「スキャナ」又は「プリンタ」の選択の他に「OFF」を選択でき、これにより「OFF」の選択に対応する画像処理を画像読取装置Bと画像形成装置Cのどちらの装置においても実行させないように設定することが可能である。したがって、ユーザが画像読取装置Bにおいて行わせたい画像処理に対し「スキャナ」を選択し、他の画像処理に対し全て「OFF」を選択することにより、ユーザの指定した画像処理を全て画像読取装置B側で行って画像形成装置Cでは画像処理を行わないようにすることができる。また、逆にユーザが画像形成装置Cにおいて行わせたい画像処理に対し「プリンタ」を選択し、他の画像処理に対し全て「OFF」を選択することにより、画像読取装置Bでは画像処理を行わず、画像形成装置C側でユーザの指定した画像処理を全て行うこともできる。
原稿読取部4は、原稿の画像を走査して画像データとして読取るものであり、カラー原稿の画像を読取ることができる機構を備えたものである。原稿読取部4は、図示しないがカラーラインセンサ(CCD:Charge Coupled Device)、A/Dコンバータ等を具備しており、カラーラインセンサにより原稿の画像を読取ってA/D変換し、シェーディング補正、ずれ/ライン補正等を施したRGB表色系の画像データを所定の出力先へ出力する。ページメモリ5は、原稿読取部4で読取られた画像データ等を一時的に格納する。
入力色変換回路6は、原稿読取部4から出力されたRGB表色系の画像データをYCrCb表色系の画像データ又はL*a*b*表色系の画像データに変換する入力色変換を行う。画像処理回路7は、読取った原稿の画像データ、すなわち原稿読取部4から出力されたRGB表色系の画像データ、入力色変換回路6において入力色変換されたYCrCb表色系の画像データ、又はL*a*b*表色系の画像データに対して第1の画像処理を行う。この画像処理回路7において実行可能な画像処理は、明度調整、色相調整、色彩調整のカラー画像データに対する色調整の他、RGB調整、拡大/縮小処理、とじしろ処理、回転処理、ミラー処理、枠消去処理などであり、これらの画像処理のうちRAM3に格納されている設定情報格納テーブル17において、スキャナ(画像読取装置B)の選択がなされている画像処理が第1の画像処理としてこの画像処理回路7において行われる。なお、この画像処理回路7には、多値メモリコントローラ(不図示)が実装されており、多値メモリコントローラは、制御部1の制御命令に従って画像処理回路7において第1の画像処理が施された画像データをページメモリ5の多値領域に張り付けたり、ページメモリ5の多値領域に張り付けられている画像データをコーデック9、出力色変換回路8又は、コーデック9を介さずに画像メモリ10へ出力する。
出力色変換回路8は、画像処理回路7から出力された画像データを各成分1ビットのCMYKの出力色表色系の画像データに変換した後、誤差拡散処理等を行って二値化する処理を行う。また、出力色変換回路8には、二値メモリコントローラ(不図示)が実装されており、二値メモリコントローラは、制御部1の制御命令に従って前記二値化された画像データをページメモリ5の二値領域に張り付けたり、ページメモリ5の二値領域に張り付けられている画像データをコーデック9又はコーデック9を介さずに画像メモリ10へ出力する。
コーデック9は、多値メモリコントローラ又は二値メモリコントローラによってページメモリ5から読み出された画像データをJPEG(Joint Photographic Experts Group)、MH(Modified Huffman)、MR(Modified Read)、MMR(Modified Modified Read)、JBIG(Joint Bi-level Image Group)方式等により圧縮符号化する。
画像メモリ10は、ページメモリ5から読み出されてコーデック9によって圧縮符号化された画像データ、画像処理回路7若しくは出力色変換回路8から圧縮符号化されずに出力された画像データを格納する。
操作部11は、原稿読取部4に原稿の読取開始を指示するためのスタートキー、複写枚数等を入力するためのテンキー、各種設定を行うためのカーソルキーなど、表示部12と連動した各種操作キーを備えている。なお、原稿読取部4で読取った原稿の画像データに対して、画像処理を画像読取装置Bにおいて行うか、又は画像形成装置Cにおいて行うかを画像処理の種類に応じてこの操作部11から設定変更することができ、画像読取装置B側で画像データに対して行われる第1の画像処理と画像形成装置C側でプリントデータに対して行われる第2の画像処理を設定した設定情報格納テーブル17の設定情報がこの操作部11からの入力に基づいて制御部1により変更される。よって、この操作部11が設定変更受付手段として機能する。また、画像形成装置Cに転送するプリントデータの色空間や使用するPDLの種類等の複写条件は、原稿読取部4による原稿読取り開始前にこの操作部11から指定することができる。
表示部12は、各種の設定状態や画像読取装置Bの動作状態などを文字や図形などで表示する液晶表示装置(LCD:Liquid Crystal Display)18や、点灯又は消灯で表示するLEDランプ19などを備えており、プリントデータを解析できない未対応な画像形成装置CがUSBにより接続されている場合などに所定の警告を報知する。
PDL変換回路13は、画像処理回路7において第1の画像処理が施された後に画像メモリ10に格納された画像データを、例えばPostScript、PCL、ESC/PageなどのPDLに変換してプリントデータ(PDLデータ)を生成する。また、このPDL変換回路13は、RAM3の設定情報格納テーブル17の設定情報に基づいて、画像形成装置Cに第2の画像処理を行わせるための画像処理コマンドを生成する。
USBホストコントローラ14は、USB(Universal Serial Bus)のホストコントローラ機能を実行するものである。また、USBホストコントローラ14にはUSBポート21が設けられており、これにUSBケーブル20の一端が接続されることによりUSBが形成される。そして実際にUSBケーブル20により画像形成装置Cと接続されると、USBホストコントローラ14は、接続されたことを電気的に検出し、接続先デバイスである画像形成装置Cとの間でネゴシエーションを行って同画像形成装置Cの識別情報16を取得するようになっている。このようにUSBケーブル20により画像形成装置Cと接続された状態で、USBホストコントローラ14はPDL変換回路13において生成されたプリントデータと共に画像形成装置Cに第2の画像処理を行わせるための画像処理コマンドをUSBを介して転送する転送手段として機能する。なお、USBホストコントローラ14としては、USB−IF(Implement Forum)が公開している規格であるOTG(On-The-Go)を搭載したコントローラ等もある。
一方、画像読取装置Bから転送されたプリントデータに第2の画像処理を施した後、その画像を用紙に記録する画像形成装置Cは、図3に示すように制御部(MPU)31、ROM32、RAM33、USBデバイスコントローラ34、画像メモリ35、画像処理回路36、PDL展開回路37、プリント部38、操作部39、及び表示部40を備えたものであって、各部31乃至40は、バス41によって通信可能に接続されている。
制御部31は、ROM32に格納されている制御プログラムに従って、この画像形成装置Cを構成する各部を制御する。ROM32は前記制御プログラムを格納している。RAM33は、制御部31の主メモリ、ワークエリア等として機能するものであり、自装置Cの識別情報などを記憶している。
USBデバイスコントローラ34は、画像読取装置Bからの識別情報を要求するための所定信号に対して自装置Cの識別情報をUSBを介して画像読取装置Bに対して転送し、画像読取装置BからUSBを介して転送されたプリントデータ及び画像処理コマンドを受信するものである。また、このUSBデバイスコントローラ34は、自装置Cの識別情報に加え、自装置Cがプリントデータに対して行うことが可能な画像処理の種類、扱うことができるデータ形式(色空間)等の情報を画像読取装置Bに対してUSBを介して転送する。画像メモリ35は、画像読取装置Bから受信したプリントデータ及びPDL展開回路37において展開されたビットマップデータを一時的に格納する。
画像処理回路36は、画像メモリ35に格納されたプリントデータを解析して画像処理を行うものである。この画像処理回路36において実行可能な画像処理は、明度調整、色相調整、彩度調整のカラー画像データの色調整の他、RGB調整、拡大/縮小処理、とじしろ処理、回転処理、ミラー処理、枠消去処理などである。この画像処理回路36は、画像処理コマンドに基づいて画像読取装置Bから転送されたプリントデータに対し第2の画像処理を行う。具体的には、画像処理コマンドを解析した制御部31の制御命令に従ってプリントデータに対し第2の画像処理を行う。
PDL展開回路37は、画像処理回路36において第2の画像処理が施されたプリントデータを印字用画像データ(ビットマップデータ)に展開する処理を行うものである。このPDL展開回路37において展開された印字用画像データは、画像メモリ35の所定領域に一旦格納された後、1ページ分毎にプリント部38へ出力される。プリント部38は、画像メモリ35に格納された印字用画像データの画像を1ページ単位で用紙に記録するものであり、カラー及びモノクロの双方の画像を用紙に記録することができるものである。このプリント部38の記録方式としては、例えば、電子写真方式やインクジェット記録方式等の各種の記録方式を用いることができる。
操作部39は、ユーザが情報を入力する入力キーなど、表示部40と連動した各種操作キーを備えている。表示部40は、図示しないが各種の設定状態や画像形成装置Cの動作状態などを文字や図形などで表示する液晶表示装置や、点灯又は消灯で表示するLEDランプなどを備えている。
次に上記構成を備える画像読取装置Bと画像形成装置CがUSBにより接続された際に、画像読取装置Bが画像形成装置Cとの間でネゴシエーションを行って画像形成装置Cの識別情報16を取得する処理動作と、原稿の複写処理を行う場合に画像読取装置B及び画像形成装置Cにおいて行われる処理動作について、図4乃至図7に示すフローチャートに基づいて説明する。なお、以下のフローチャートに基づいて説明する画像読取装置Bの処理動作は、ROM2に格納されている制御プログラムに基づいて制御部1が発行する命令に従って行われ、画像形成装置Cの処理動作は、ROM32に格納されている制御プログラムに基づいて制御部31が発行する命令に従って行われる。
ユーザ等によって、USBケーブル20にて画像読取装置Bと画像形成装置CのUSBポート21が接続されると、画像読取装置BのUSBホストコントローラ14は、画像形成装置CとのUSBケーブル20による接続を電気的に検出する(S1)。画像読取装置BのUSBホストコントローラ14は、接続先である画像形成装置Cに所定信号を出力するなどして識別情報を要求し(S2)、画像形成装置Cからの応答として返信されてきた識別情報16を受信して(S3)、これをRAM3の所定領域に記憶する(S4)。なお、画像読取装置BのUSBホストコントローラ14は、識別情報16に加えて画像形成装置Cの能力や実行可能な画像処理の種類、扱うことのできるプリントデータの色空間等の情報も併せて取得し、それらの情報は識別情報16と共にRAM3の所定領域に記憶される。なお識別情報16は、USBケーブル20が外されるまで記憶され、その後新たにUSBケーブル20が接続されたときに新たに受信した識別情報に更新される。
このようにして画像読取装置Bと画像形成装置CとがUSBによって接続された状態で、画像読取装置Bの原稿読取部4にユーザにより原稿がセットされ、操作部11から使用するPDLの種類、色空間等の複写条件が指定され、複写(コピー)処理を開始するための操作(スタートキーの押下等)が行われて複写開始を受付けると(S11)、画像読取装置Bの制御部1は、その複写条件と画像形成装置Cから取得した識別情報16に基づいて対応する画像形成装置Cが接続されているか否かを判断する(S12)。具体的には、ユーザが指定した複写条件に基づいて生成したプリントデータをUSBを介して画像形成装置Cに転送した場合に、画像形成装置Cが受信したプリントデータを解析して印刷処理を実行できるか否かをユーザが指定した複写条件とRAM3に格納されている識別情報16に基づいて判断する。ここで、制御部1は、対応する画像形成装置Cが接続されていないと判断した場合(S12:NO)、例えば「指定されたPDLに対応できないプリンタが接続されています」などのメッセージを液晶表示装置18に表示させてエラーの発生を報知する(S13)。
一方、画像読取装置Bの制御部1は、対応する画像形成装置Cが接続されていると判断した場合には(S12:YES)、S11において指定された複写条件、識別情報16、該識別情報16と共に画像形成装置Cから取得した情報に基づいて画像読取装置B及び画像形成装置Cの両装置において実行可能な画像処理を判別し(S14)、設定情報格納テーブル17の「機能」フィールドにその画像処理に関する情報を登録する。そして、例えば「画像処理を行う装置を選択して下さい」等のメッセージを液晶表示装置18に表示させて画像処理の設定を要求する情報を報知する(S15)。そして、該報知に基づいてユーザによって操作部11から画像処理の設定がなされたか否かを判断する(S16)。すなわち、画像読取装置B側で行われる第1の画像処理と画像形成装置C側で行われる第2の画像処理が操作部11から設定されたか否かを判断する。そして、制御部1は操作部11から画像処理の設定がなされたと判断した場合(S16:YES)、その設定情報をRAM3の設定情報格納テーブル17の「選択」フィールドに画像処理の機能に対応づけて格納する(S17)。
次に、画像読取装置Bの原稿読取部4は、原稿の画像読取りを行い(S18)、入力色変換回路6は、原稿読取部4から出力されたRGB表色系の画像データを例えばL*a*b*表色系の画像データへと入力色変換する。そして、制御部1は、S17において格納した設定情報格納テーブル17の設定情報に基づいて、画像読取装置B側で行われる第1の画像処理が設定されているか否かを判断する(S19)。すなわち、両装置において実行可能な画像処理のうち、ユーザによって「スキャナ」の選択がなされた画像処理があるか否かを判断する。ここで、制御部1が第1の画像処理が設定されていると判断した場合には(S19:YES)、画像処理回路7はRAM3に格納されている設定情報に基づいて入力色変換された画像データに対し第1の画像処理を行う(S20)。この第1の画像処理は、設定情報格納テーブル17において、スキャナ(画像読取装置B)の選択がなされている画像処理である。
続いて、コーデック9は、原稿読取部4で読取られた原稿の画像データがカラー画像データである場合、画像処理回路7において第1の画像処理が施された画像データ、又は第1の画像処理が施されることなく入力色変換回路6から直接出力された画像データをJPEG方式により圧縮符号化する。このコーデック9において圧縮符号化された画像データは、一旦画像メモリ10に格納される。そして、PDL変換回路13は、画像メモリ10に格納された画像データに基づいてS11において指定されたPDLで表されるプリントデータを生成する(S21)。
そして、制御部1は、S17において格納された設定情報格納テーブル17の設定情報に基づいて、第2の画像処理が設定されているか否かを判断する(S22)。すなわち、両装置において実行可能な画像処理のうち、ユーザによって「プリンタ」の選択がなされた画像処理があるか否かを判断する。ここで、制御部1が第2の画像処理が設定されていないと判断した場合には(S22:NO)、USBホストコントローラ14はPDL変換回路13において生成されたプリントデータをUSBを介して画像形成装置Cに転送する(S23)。一方、制御部1が第2の画像処理が設定されていると判断した場合には(S22:YES)、PDL変換回路13は、RAM3の設定情報格納テーブル17に格納されている設定情報に基づいて、画像形成装置Cに第2の画像処理を実行させるための画像処理コマンドを生成し、USBホストコントローラ14は、このPDL変換回路13において生成されたプリントデータと共に画像処理コマンドをUSBを介して画像形成装置Cに転送する(S24)。なお、ここで生成される画像処理コマンドは、画像形成装置Cにプリントデータに対して第2の画像処理を行わせるためのコマンドであり、画像形成装置Cにプリントデータの複写処理を実行させるためのコマンドは、画像処理コマンドを転送するか否かに関わらずプリントデータと共に画像形成装置Cに転送される。
これに対し、画像形成装置Cの制御部31は、画像読取装置Bからプリントデータを受信すると(S31)、受信したプリントデータを画像メモリ35に格納し、プリントデータと共に画像処理コマンドを受信したか否かを判断する(S32)。そして、制御部31は、画像処理コマンドを受信したと判断した場合には(S32:YES)、受信した画像処理コマンドを解析して自装置Cにおいて実行すべき第2の画像処理を判別し、画像処理回路36は、画像メモリ35に格納されたプリントデータに対し第2の画像処理を行う(S33)。この第2の画像処理は、設定情報格納テーブル17において、プリンタ(画像形成装置C)の選択がなされている画像処理である。続いて、PDL展開回路37は、画像処理回路36において第2の画像処理が施されたプリントデータを印字用画像データに展開し(S34)、プリント部38は展開された印字用画像データの画像を1ページ毎に用紙に記録する(S35)。
以上説明したように、原稿の複写処理を行う場合に、画像処理の種類に応じて各画像処理を画像読取装置Bにおいて行うのか、又は画像形成装置Cにおいて行うのかを操作部11の所定操作に基づいて設定変更することができるので、画像読取装置B及び画像形成装置Cのうち、ユーザが希望する側の装置で各画像処理を行うことができる。なお、本実施の形態においては、原稿の読取開始の際にユーザが操作部11から画像処理の指定を行う場合につてい説明したが、原稿の複写条件や画像形成装置Cから予め取得した情報に基づいて、画像読取装置B側で行う第1の画像処理と画像形成装置C側で行う第2の画像処理を予め登録しておくことも当然可能である。
また、ここでは画像読取装置Bと画像形成装置CをUSBを介して接続した場合を例に挙げて説明したが、画像読取装置Bにおいて複写処理が実行される前に接続先の画像形成装置Cの識別情報を取得することができれば、所定のデータ転送インターフェースはUSBに限定されるものではない。その場合は、例えばUSBホストコントローラ14に代えてパラレルインターフェース、LAN(Local Area Network)インターフェース等を装備して、パラレル、LAN等を所定のデータインターフェースとして画像読取装置Bと画像形成装置Cを接続するようにしてもよい。