JP2005150572A - 焼結磁石およびその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】S/V値が2.5mm-1以上の超小型焼結磁石について、スパッタ法による成膜や制御の難しい熱処理を用いることなく、磁気特性を改善することにある。
【解決手段】本発明の焼結磁石は、加工された表面を少なくとも一部に有し、かつ体積V(mm3)に対する全表面積S(mm2)の比S/Vが2.5mm-1以上である焼結磁石であって、前記加工された表面は、中心線平均粗さRaが0.1μm以下である平滑化面を含んでいる。
【選択図】図2

Description

本発明は、切削などの機械的加工を受けた表面を有する焼結磁石およびその製造方法に関しており、特に、体積V(mm3)に対する全表面積S(mm2)の比S/Vが2.5mm-1以上である焼結磁石およびその製造方法に関している。
希土類焼結磁石は、各種の機器に利用されている。なかでもR−Fe−B系焼結磁石は優れた磁気特性を示す永久磁石であり、さまざまな用途に用いられている。
従来、磁気回路に組み込まれるR−Fe−B系焼結磁石の1個あたりの重量は100g〜1kg程度であり、用途によっては1kgを超える大型のものもあった。しかしながら、近年、光ピックアップや超小型モータなどの用途に小型の焼結磁石が用いられるようになってきた。このような小型の焼結磁石には、重量が1gを下回るものもある。
このように小型で軽量の磁石を採用する磁気回路は、最終製品の小型化・軽量化の要求に応えながら、最終製品の機能を低下させないことが求められる。したがって、このような磁気回路に用いられる磁石は、小型であっても強力な磁石特性を発揮することが求められる。このため、小型磁石の分野でも高性能なR−Fe−B系焼結磁石に対する需要がますます高まりつつある。
しかしながら、R−Fe−B系焼結磁石は、小型になればなるほど、本来の優れた磁石特性を発揮しにくくなるという問題点を有している。その理由は、小型化に伴って磁石表面における加工変質層の体積比率が増加するためである。より詳細に説明すると、焼結磁石の表面には、どうしても機械加工によって保磁力が失われた加工変質層が形成されてしまう。このような加工変質層では磁石の保磁力が失われているため、着磁しても磁石として機能しない。焼結磁石の体積が充分に大きい場合には、たとえ加工変質層が存在したとしても、その体積比率が小さいため、加工変質層によって磁石全体の特性が劣化することは殆ど無い。しかし、焼結磁石の体積が小さくなると、加工変質層の体積比率が大きくなるため、その影響を無視できなくなる。
ここで、機械的加工後の焼結磁石の体積をV、焼結磁石の全表面積をS、加工変質層の厚さをdとする。すると、加工変質層の体積は近似的にSdで表される。このため、焼結磁石の体積Vに対する加工変質層の体積比率は、Sd/Vとなる。焼結磁石全体のうち、保磁力が失われていない部分の体積は、V−Sdで表される。このため、加工後の磁石全体の残留磁束密度の値は加工前の値に(V−Sd)/V=1−Sd/Vを掛け合わせたものになる。すなわち、ある磁石のSd/Vの値は、その磁石の加工変質層が磁気特性に与える影響の大きさを示す指標となる。
Sd/Vは、S/Vとdとの積であり、前者は磁石の形状のみによって決まる因子、後者は加工変質層の加工履歴によって決まる因子である。磁石体積が小さくなるほど、S/Vが大きくなるため、dを小さくすることが求められる。
以下、焼結磁石の表面になんらかの処理を行なう従来の技術を説明する。
特許文献1は、Nd−Fe−B焼結磁石を実用形状に加工した後、500〜900℃で時効処理を行なう永久磁石の製造方法を開示している。
特許文献2は、機械的研磨または化学的研磨によって加工変質層の一部または全部を除去されたR−TM(遷移金属)−B系磁石を開示している。この磁石では、表面から深さ5μmまでに位置する磁石層に含まれるR(希土類)量が磁石全体のR量よりも小さくなっている。特許文献2に開示されている実施例によれば、20mm×20mm×5mmのブロック形状に研削加工されたR−TM−B系磁石の表面が、アセトン脱脂後、混合酸でエッチングされる。このエッチングによって磁石表面の加工変質層が除去される。
特許文献3は、表面粗さRmaxが3μm未満の磁石基材の表面に薄膜を設けたR−Fe−B系焼結磁石を開示している。実施例としては、長さ50mm、幅30mm、厚さ20mmの直方体形状を持ち、表面粗さRmaxが0.2μmの試験用サンプルが用いられている。そのサンプルの全表面は膜厚2μmのNiP合金メッキ層で被覆されている。
本願の出願人を含む出願人らによる特許出願の公開公報である特許文献4は、S/Vの値が2mm-1以上で、かつ体積が100mm3以下の機械加工された希土類磁石を開示している。特許文献4は、加工によって形成された変質損傷部を改質するため、希土類金属を磁石表面から拡散し、それによって磁石表面に露出している結晶粒子の半径に相当する値よりも深くに希土類金属を浸透させている。
特開昭61−140108号公報 特開平9−270310号公報 特開2002−75716号公報 特願2003−96866号公報
近年、超小型磁石の需要が増えてきている。例えば、光ピックアップや超小型モータ等の用途に加えて、心臓外科または脳外科手術の分野でも需要が高まっている。これらの先端医療分野では、小型の高性能磁石を血管カテーテルの先端に取り付け、体外からの磁場印加によって血管の分岐点におけるカテーテルの進行方向を制御する技術が検討されている。また、磁気誘導手術システムでは、体内の特定の場所に超小型磁石を埋め込み、位置マーカーとして用いることが検討されている。このような用途に用いられる超小型磁石は、例えば直径0.3mm、長さ2mmの円柱形状を有することが求められる。この場合、S/Vの値は10mm-1を越える。また、小型であっても充分な機能を発揮するように、高い磁気特性を備えている必要がある。
しかしながら、磁石のサイズを小さくした場合、大型の状態では発揮されえる磁石特性が充分に発揮されない問題がある。
なお、特許文献1は、小型磁石について、加工後の特性劣化を教示する記載はない。また、特許文献2の開示する実施例では、S/Vの値が0.6mm-1程度以下であり、加工変質層の除去目的は、磁石の耐食性の向上である。更に、特許文献3の開示する実施例でも、S/Vの値が0.2mm-1程度以下であり、試験用サンプルの推定重量は200gを超えていると考えられる。
このように、上記の特許文献1から3は、いずも、S/Vの値が小さい磁石に関するものに過ぎず、S/Vが2.5mm-1以上になるような超小型磁石について加工変質層を除去することを教示も示唆もしていない。
これに対して、特許文献4は充分に小さな磁石の表面を改質することを教示しているが、教示されている方法は、スパッタ法によって磁石表面へ希土類金属の膜を堆積した後、熱処理によって希土類金属を磁石表面領域へ拡散・浸透させる工程を必須としている。この熱処理においては、雰囲気中の酸素量や露点を高い精度で制御することが必要になるため、特許文献4の方法には生産効率およびコストの点で問題がある。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、その主たる目的は、S/V値が2.5mm-1以上の超小型焼結磁石について、スパッタ法による成膜や制御の難しい熱処理を用いることなく、磁気特性を改善することにある。
本発明の焼結磁石は、加工された表面を少なくとも一部に有し、かつ体積V(mm3)に対する全表面積S(mm2)の比S/Vが2.5mm-1以上である焼結磁石であって、前記加工された表面は、中心線平均粗さRaが0.1μm以下である平滑化面を含んでいる。
好ましい実施形態において、前記平滑化面は、前記加工された表面のうち、磁石配向方向に略平行な面に形成されている。
好ましい実施形態において、前記加工された表面には、加工によって生じた流動層が存在し、前記流動層の厚さは、前記平滑化面が形成されている領域では、平均粒子径の1/4以下である。
好ましい実施形態において、前記流動層の厚さは、前記平滑化面が形成されている領域では、平均粒子径の1/12以下である。
好ましい実施形態において、体積Vは30mm3以下である。
好ましい実施形態において、前記加工された表面に存在する加工変質層に起因する応力は1MPa以下である。
好ましい実施形態において、厚さ30μm以下の耐食性被膜が表面に形成されている。
好ましい実施形態において、希土類−鉄−硼素系、または1−5系R−Co系の組成を有する。
本発明による焼結磁石の製造方法は、加工された表面を少なくとも一部に有し、かつ体積V(mm3)に対する全表面積S(mm2)の比S/Vが2.5mm-1以上である焼結磁石素材を用意する工程と、前記加工された表面の少なくとも一部に対して研磨を行なうことにより、中心線平均粗さRaが0.1μm以下の平滑化面を形成する工程とを含む。
好ましい実施形態において、前記平滑化面の表面に存在する流動層に含まれている粒子の少なくとも一部を取り除く仕上げ処理を行なう工程を含む。
好ましい実施形態において、前記仕上げ処理はCMPである。
好ましい実施形態において、前記仕上げ処理はバフ研磨である。
好ましい実施形態において、前記仕上げ処理は、平均粒径が0.01〜2μmの遊離砥粒を用いて行なう。
好ましい実施形態において、加工された表面における流動層の厚さを、波長400〜700nmの単色光を用いた偏光解析法によって測定する工程を更に含む。
好ましい実施形態において、加工された表面に存在する加工変質層に起因する応力を評価する工程を更に含む。
本発明によれば、近年需要が増加している超小型(S/Vの値が2.5mm-1以上)の焼結磁石において、切削などの機械的加工によって形成される加工変質層の影響による磁気特性の低下を防止することができる。
本発明では、まず、公知の方法によって機械加工された焼結磁石素材を用意する。この焼結磁石素材の体積V(mm3)に対する全表面積S(mm2)の比S/Vは2.5mm-1以上であるものとする。本発明では、上記焼結磁石素材の加工表面の少なくとも一部に対して研磨を行なうことにより、中心線平均粗さRaが0.1μm以下の平滑化面を形成する。本発明の好ましい実施形態では、上記平滑化面を形成する際、平滑化面の表面に存在する加工変質層(特に流動層)の粒子を取り除くための仕上げ処理を行なう。この仕上げ処理の詳細については、後述する。
まず、本発明の焼結磁石の大きさについて、S/Vの値を2.5mm-1以上に限定している理由を以下に説明する。
S/Vが2.5mm-1以上となる磁石は極めて小さな磁石である。例えば一辺の長さが2mmの立方体のS/Vは3mm-1となるが、一辺の長さが3mmの立方体のS/Vは2mm-1であり、2.5mm-1を下まわる。このことからも明らかなように、S/Vが2.5mm-1以上となるような焼結磁石は、各種電子機器に用いられている焼結磁石よりも格段に小さい。
前述のように、磁石全体の体積Vに対する加工変質層の体積比率は「Sd/V」で表される。ダイヤモンド砥石による研削加工を行なった場合、磁石表面に形成される加工変質層の厚さdは25μm程度である。この場合において、S/Vが2.5mm-1となるような小型磁石では、Sd/Vは6.3%となる。このように体積比率で全体の約6%が加工変質層によって占められると、磁気特性の低下は顕著なレベルに達する。S/Vの値が2.5mm-1を超えて大きくなるほど、本発明による磁気特性の改善効果は高まってゆく。より具体的には、S/Vが5.0mm-1以上の磁石の場合に本発明の効果は顕著となり、S/Vが10.0mm-1以上になると、本発明を適用しない限り、実用に耐える磁石は得られない可能性がある。本発明による焼結磁石のS/Vの値の上限は特に定めないが、現実の磁石形状でS/Vの値が50mm-1を越えるケースはまれである。例えば、一辺が0.1mmの立方体のS/Vの値は60mm-1であり、通常の用途では、このような超小型磁石が使用されることはほとんどない。また、仮にこのような超小型の焼結磁石が作製される場合であっても、通常の研磨が行なわれず、表面に加工変質層が形成されない可能性もある。従って、S/Vの値の上限は50mm-1以下であることが好ましい。
一方、S/Vが0.5mm-1よりも小さくなると、Sd/Vは1.0%程度となり、加工による磁気特性への影響はほとんどなくなる。1辺の長さが12mmの立方体のS/Vは0.5mm-1である。このため、数cm角の立方体と同程度の大きさの焼結磁石であれば、本発明を適用しなくとも、加工変質層による磁石特性劣化を無視することができる。
以上の理由から、本発明では、S/Vの値を2.5mm-1以上の焼結磁石だけを対象とする。なお、本発明の好ましい実施形態において、焼結磁石の体積Vは30mm3以下である。現実の磁石形状のうち、S/Vの値が2.5mm-1以上となる磁石のほとんどがこの体積範囲内に含まれることになる。磁石の体積Vが30mm3を越えると、S/Vの値が小さくなり、加工変質層が磁気特性に及ぼす影響は小さくなる。より好ましい体積Vの上限は20mm3である。
次に、機械的加工によって焼結磁石の表面に形成される加工変質層の詳細を説明する。
一般に、焼結磁石は、最終的な磁石形状よりも大きな焼結体を作成した後、切削などの加工を経て最終形状が付与される。このように形状付与のための機械的加工には「粗加工」および「粗研磨」が含まれる。
粗加工は、切断および砥石研磨を指し、粗加工を行なうと、特開平2−37702号公報に記載されているように厚さ10〜30μm程度の加工変質層が形成されることが知られている。粗加工の後に行なわれる粗研磨は、平均粒径が10〜20μm程度のGC(グリーンカーボランダム)やアルミナ等の砥粒を用いて行なわれる。この粗研磨は、表面粗さを小さくする目的で行なわれ、粗加工で形成された加工変質層のほぼ全体の厚さに相当する部分を磁石表面から取り除くように行なわれる。しかし、粗研磨を終えた段階でも、7〜8μm程度の加工変質層が残存する。これは、粗研磨自体が磁石表面に損傷を与え、新しく加工変質層を発生させるためである。このため、粗研磨を長時間行なったとしても、加工変質層を完全に取り除くことはできない。
従来、上記の粗研磨を行なった後に、更なる研磨などの処理は行なわれていなかった。その理由は、上記の粗研磨によって見かけ上は充分に平坦な表面が形成されるため、更に表面粗さを小さくする必要性が無かったからである。
このような機械加工を行った後の焼結磁石の表面には、切断などの加工時において局所的に発生する機械的応力によって非晶質化した「流動層(Beilby Layer)」がまだ残存している。流動層の下には、流動層の歪みの影響を受けて結晶格子が引っ張り応力または圧縮応力を受けている「応力層」が存在する。応力層に生じている応力(残留応力)は、磁石表面から深くなるに従って小さくなる。磁石表面から例えば数十μm程度内部の位置では残留応力がほとんど無くなる。このように残留応力が存在しない部分が、磁石の「バルク部分」である。焼結磁石の構造は、その表面から、流動層、応力層、およびバルク部分に分けることができる。
本明細書では、上記の流動層および応力層からなる領域を「加工変質層」と定義する。すなわち、加工変質層は「非晶質部分」と「欠陥の多い結晶質部分」とから構成されている。非晶質部分は保磁力などの磁石特性を発揮せず、また、加工変質層における結晶質部分には、応力によって発生したマイクロクラックや格子欠陥等が存在している。これらの格子欠陥は、逆磁区のニュークリエーションサイトとなりやすいため、保磁力が著しく低下している。
このように、焼結磁石表面における加工変質層は磁石特性の著しく劣化した領域であるが、従来サイズの磁石全体では、その特性に与える影響が無視できたため、加工変質層を薄くするための処理は特に必要なかった。このため、粗研磨を行なうことにより、磁石表面の粗さをある程度小さくすれば、それ以上に精密な研磨を行なう必要性は全くなかった。
なお、R−Fe−B系焼結磁石の加工表面における流動層の厚さと応力層の厚さとの間には相関があり、流動層が厚いほど、応力層も比例して厚くなる。すなわち、流動層の厚さは、加工変質層全体の厚さを見積もる目安となる。
本発明者の検討によると、流動層の厚さを焼結磁石における平均結晶粒径の1/4以下にすれば、加工によって保磁力が著しく低下または消失する結晶粒は磁石の最表面層のみにとどめることができる。その場合、磁石表面から二層目、または二層目よりも内側に位置する結晶粒の保磁力を高く維持することができる。
通常の焼結磁石の平均結晶粒径は3.0〜5.0μmであるため、流動層の厚さを焼結磁石における平均結晶粒径の1/4以下にするには、流動層を0.25〜1.25μm以下にする必要がある。加工変質層は薄ければ薄いほど好ましいため、流動層も可能な限り薄くすることが望まれる。流動層の厚さは、平均結晶粒径の1/8以下であることがより好ましく、平均結晶粒径の1/12以下であることが更に好ましい。
しかしながら、焼結磁石の表面研磨に用いられる通常の方法で焼結磁石の表面を研磨すると、流動層の厚さを焼結磁石における平均結晶粒径の1/4以下にすることができないことを本発明者は見出した。これは、研磨工程自体が磁石表面に損傷を与え、加工変質層を厚くする作用を行なうためである。このため、通常の研磨工程を長時間行なっても、流動層の厚さを例えば0.8μmよりも小さくすることはできない。
本発明では、通常の研磨(粗研磨)では得られない平滑な表面を形成するため、更に精密研磨や仕上げ処理を行う。
精密研磨は、平均粒径が数μm以下のダイヤモンド、SiC、アルミナ等の砥粒が用いて行なうことができる。精密研磨により、流動層の厚さを0.1μm程度またはそれ以下に減少させることができる。本発明の好ましい実施形態では、精密研磨の後、更に仕上げ処理(最終加工工程)を行なう。この仕上げ処理は、CMPやバフ研磨によって研磨表面から磁石特性の劣化粒子を取り除く処理(脱粒処理)である。
CMPの場合、砥粒にはコロイダルシリカ、フュームドシリカ、セリア、アルミナ、ジルコニア、マグネシア等の金属酸化物を用いることができる。砥粒の粒子径は、0.01〜2μmである。これらの砥粒は、微小な1次粒子が凝集して2次粒子を形成している。2次粒子径が2μmより大きくなると、研磨の際に研磨粒子の破砕が起こりにくくなり、被研磨材に対してスクラッチ等の悪影響をあたるため、好ましくない。また、0.01μm以下では、化学反応性が大きくなりすぎ、被研磨材を著しく腐食するため好ましくない。より好ましい粒子径範囲は0.05〜1μmである。
バフ研磨には乾式および湿式の2種類がある。湿式バフの方が乾式バフに比べてダメージが少ないため、好ましい。乾式バフでも、研磨材料を選べは、本発明に用いることが可能である。砥粒にはCMPと同じものが使用され、それ以外にも、ダイヤモンド、SiCなどの非酸化物も使用可能である。粒径はCMPと同様0.01〜2μmが良い。限定理由およびさらに好ましい範囲もCMPと同様である。
上記のCMPやバフ研磨は、焼結磁石以外の分野では広く用いられている技術であるが、焼結磁石の表面処理に用いられることは無かった。その理由は、上述したように表面粗さRaを著しく小さくすることの利点が知られていなかったからである。また、CMPは、化学的な反応を伴うものであるため、化学的に活性な希土類元素を含む焼結磁石の表面研磨に用いることが磁石特性の劣化を招く可能性があると思われていたのかもしれない。
本発明では、上記の精密研磨や仕上げ処理を焼結磁石の加工表面に対して行なうことにより、表面粗さRaが0.1μm以下の極めて平滑な面を形成する。特に仕上げ処理を行うことにより、磁石特性の劣化した粒子を平滑化面から取り除くことができるため、磁石特性を向上させることができる。
次に、図1および図2を参照しながら、本発明における精密研磨および仕上げ処理が焼結磁石の加工表面をどのように改質してゆくかを説明する。
図1(a)は、機械的加工が施されていないR−Fe−B系焼結磁石の表面を模式的に示す断面図である。図には、焼結磁石を構成するR−Fe−B粒子(主相結晶粒)2と粒界4とが示されている。図1(a)からわかるように、焼結磁石の表面には流動層を含む加工変質層は存在していない。このため、磁石表面に位置するR−Fe−B粒子2の磁石特性も内部のR−Fe−B粒子2と同様の状態にあり、劣化していない。
図1(b)は、切断などの研削工程(粗加工)後における焼結磁石の表面を模式的に示す断面図である。焼結磁石の最表面には、研削工程でダメージを受けたR−Fe−B粒子2’が存在している。大きなダメージを受けたR−Fe−B粒子2’は十分な保磁力を発揮しない状態にある。なお、磁石表面から奥に位置する領域には、大きなダメージを受けていない健全なR−Fe−B粒子2が存在している。研削工程によって磁石表面には微細な凹凸が形成され、表面粗さが大きくなっている。この状態での流動層厚さは数μm以上である。
図1(c)は、バレル研磨やGC砥粒研磨などの通常の研磨工程(粗研磨)を行った後の焼結磁石の表面を模式的に示す断面図である。表面粗さが小さくなり、それに伴って流動層が薄くなっていることがわかる。このときの流動層の厚さは例えば約0.8μmである。このような状態の表面を、本明細書では「(機械的に)加工された表面」と呼ぶ。
図2(a)は、本発明による処理工程を行った後における焼結磁石の表面を模式的に示す断面図である。流動層のR−Fe−B粒子2’の一部が除去され、流動層の厚さは0.1μm程度に減少している。この処理の目的は、ダメージを受けたR−Fe−B粒子2’を減少させ、流動層を薄くすることにある。
なお、本明細書における「表面粗さ」とは、中心線平均粗さRaを意味するものとする。中心線平均粗さとは、JIS B0601「表面粗さの定義と表示」に定義された物理量である。
本明細書における表面粗さRaは、先端の曲率が0.05μm以下の探針、またはレーザ光による表面粗さ計を用いて測定した値であり、カットオフ値を0.8mm、測定長さを0.25mmとする。より詳細には、磁石表面のうち、表面粗さRaが最も大きくなる方向に探針やレーザ光などのプローブを走査することによって得られた断面曲線に基づいて算出される。
本発明では、表面粗さRaが0.1μm以下になるまで研磨工程を行う。通常の研磨では表面粗さRaが0.3μm以上にしかならないため、図1(c)に示すように、磁石表面の劣化した粒子が除去しきれない。この場合、離脱した粒子が逆に磁石表面に埋め込まれてしまうため、加工変質層の厚さが大きくなり、Sd/Vの値が大きくなり、その結果として磁気特性が低下する。
表面粗さRaのより好ましいRaの上限は0.05μmである。このような表面粗さRaを実現するためには、CMPやバフ研磨などの仕上げ処理を行う必要がある。このような仕上げ処理を行った後の状態を図2(b)に示す。この処理により、それまでに行った研削工程や研磨工程でダメージを受けたR−Fe−B粒子の多くを取り除くことができるが、表面粗さが更に減少することはない。
表面粗さRaの下限は特に定める必要はなく、現実の加工技術の限界まで表面を平滑化してもよい。
上述の精密研磨および仕上げ処理工程は、磁石表面のすべての領域に対して行う必要はない。好ましい実施形態においては、磁石表面のうち、少なくとも磁石の配向方向に平行な表面について精密研磨・仕上げ処理を行うことにより、加工変質層からダメージ粒子を除去する。
加工変質層は、磁石の配向方向に平行な表面に存在するとき、そうでない表面に存在する場合に比べてより大きく磁気特性を劣化させる。したがって、磁石の配向方向に平行な表面領域を選択的に処理することにより、その領域の表面粗さRaを0.1μm以下とすることが効率的である。こうすることにより、研磨工程に要する時間およびコストを低減することができる。
配向方向が軸方向と一致するような円柱形状の焼結磁石の場合、円柱の外周面表面に対しては、その表面粗さRaが0.1μm以下となるように本発明の処理を行うが、円柱の端面については通常の研磨だけを行い、その表面粗さRaが0.1μmを越えたままにしていてもよい。
一方、円柱または円筒の直径方向に配向される焼結磁石の場合は、理論上、内外周面のうち配向方向と略平行である部分、および端面に本発明の処理を行い、それによって表面粗さRaを0.1μm以下にする。配向方向と略垂直である表面部分は粗加工のままとしてもよい。しかし、内外周面の一部のみを加工することは、非加工物を回転させて表面を加工する方法をとる場合には不合理である。すなわち、加工を省略することが製造上有益であるかどうかは磁石の形状と配向方向を勘案して判断すればよい。
本発明に用いられる焼結磁石は、バルク状の磁石素材を加工することによって所望の形状が付与される磁石であれば、いかなる組成系を有するものであってもよい。また、その製造方法も特別なものに限定されない。
本発明の効果が最も発揮される磁石は、ニュークリエーション型の保磁力発生機構を示す磁石である。このタイプの磁石の代表例は、R−Fe−B系焼結磁石および1−5系Sm−Co焼結磁石である。なかでもR−Fe−B系焼結磁石は機械加工性にすぐれ、微細な寸法形状の加工を比較的容易に行うことが可能なので好ましい。
本発明の焼結磁石には、例えば特公昭59−64733号公報に開示されているような公知の組成を有するR−Fe−B系焼結磁石が好適に用いられる。R−Fe−B系焼結磁石は、希土類元素R、硼素B、およびFeを主として含む組成を有している。より具体的には、Rが全体の8〜30at%、Bが全体の2〜28at%、残部が実質的にFeを占める。Feの一部(50%以下)は、Coによって置換されていてもよい。また、Bの一部が炭素Cによって置換されていてもよい。希土類元素Rのうち、DyおよびTbの合計が希土類元素R全体の0.3at%以上、残部がNdおよび/またはPrであることが好ましい。組成のより好ましい範囲は、Rが13〜15at%、Bが5.5〜7at%である。
本発明に用いられる加工する前の焼結磁石は、種々の粉末冶金的製造方法によって作製される。具体的には、原料合金の溶製、粉砕、磁場中成形、焼結、および時効処理などの工程を経て作製される。
前述のように、本発明では磁気特性に悪影響を及ぼさない程度にまで加工変質層を薄くする。このため、十分に加工変質層が薄くなっているか否かの評価が重要になる。
焼結磁石の表面に加工変質層が存在すると、残留応力によって焼結磁石自体に「そり」が発生する。この焼結磁石のそりを測定することにより、加工変質層の厚さを評価することができる。
本発明では、上記の方法で測定される応力を1MPa以下にすることができる。通常、加工変質層における応力はX線等で評価され得るが、X線法では応力以外の影響(例えば組成むらや粒子径)を無視できず、精度が高くない。本発明の好ましい実施形態では、応力測定用に焼結磁石の試験片を作製し、その試験片のそりを測定することにより、加工変質層に起因する応力を求める。
本発明の好ましい実施形態で採用する測定方法では、例えば50×4×0.5mmの試験片を用意する。次に、この試験片の両面をCMPなどによって研磨し、ほぼ歪の無い平滑化面を作製する。その後、試験片の片面のみを所定の方法で研磨する。すると、試験片の片面には、加工変質層が形成され、それによって応力が発生するため、試験片がたわむことになる。このようなたわみの大きさを、加工前後に測定することにより、応力を評価することができる。
次に、図3を参照して、応力の計算方法を説明する。
図3に示すはりの上面に一様な分布荷重(ω:N/m)が与えられ、はり自身はフリーの状態であるとする。この場合、反力Rは、はりの両端に発生する。
δをバーの最大たわみ量(m)、ωを分布荷重(N/m)、lをサンプル長さ(m)、Eを材料のヤング率(N/m2=Pa)、Iを断面二次モーメント(断面が長方形の場合
、サンプル幅をb、サンプル厚さをtとすると、bt3/12であらわされる)とすると、最大たわみδは、以下の式(1)であらわされる。
δ=(5ωl4)/(384EI)……………………(1)
なお、断面二次モーメントは、はりの断面が長方形の場合、はりの幅をb、はりの厚さをtとすると、bt3/12であらわされる。
ここで、σを最大応力(N/m2)、Mを最大曲げモーメント(ωl2/8)とすると、はりに発生する最大応力σは(M×t/2)/Iであらわされる。
この最大応力σを示す式のMおよびIを具体的に記述すると、以下の式(2)が得られる。
σ=−(3l2ω)/(4bt2)………………………(2)
次に、式(1)および式(2)式から、ωを消去すると、以下の式(3)が得られる。
σ=(24tE)/(5l2)δ………………………(3)
Nd−Fe−B系焼結磁石の場合、Eは170GPa程度である。はりの厚さt=0.5mm、長さl=50mmと設定すると、式(3)から次の値が得られる。
σ=0.163×1012δ
この最大応力σを1MPa以下ならば、たわみδは約6.1μm以下である。焼結磁石の場合、1MPaを超える大きさの応力が発生すると、逆磁区のニュークリエーションサイトが形成されやすく、そのようなサイトが形成された結晶粒全体の保磁力が失われる。このため、最大応力が1MPa以下となるように加工変質層を薄くする必要がある。
焼結磁石に生じる応力は0.7MPa以下であることがより好ましく、応力は小さいほど好ましい。
上述した方法で、焼結磁石のそりから、応力を評価し、加工変質層の厚さを見積もることが可能である。また、光学的な方法を用いて流動層の厚さを測定することにより、流動層を含む加工変質層の厚さを評価することもできる。以下、この方法を説明する。
前述したように流動層は非晶質であるため、結晶質のバルク部分とは異なった複素屈折率を有する。このため、流動層の厚さを偏光解析法によって評価することができる。偏光解析法とは、例えば特開昭63−167207号公報に開示されているように、エリプソメータによって被加工物表面の複素反射係数比を算出することによって得られる。より具体的には、焼結磁石の加工面および無歪面に対して波長400〜700nmの単色光を照射し、反射されてきた光をエリプソメータで検知する。加工面に単色光を照射した場合と無歪面に単色光を照射した場合とで、算出される複素反射係数比が異なる。これらの大きさを比較することにより、焼結磁石の加工面に存在する流動層の厚さを求めることができる。
上記波長範囲の単色光を用いる理由は、この波長域の光を用いたときに屈折率の変化が大きく観察され、測定感度が高くなるためである。この方法によれば、非破壊検査によって磁石表面の流動層の厚さを簡便・迅速に評価することができる。
次に、本発明の焼結磁石の表面に好適に形成される耐食性皮膜を説明する。
本発明の好ましい実施形態では、焼結磁石の表面に耐食性皮膜を形成する。この耐食性被膜の厚さは30μm以下であることが望ましい。本発明の対象とする焼結磁石は超小型であるため、その表面を覆う耐食性被膜が厚すぎると、磁石表面に発生する磁束量が低下したり、被膜の形成に起因する応力発生によって磁石の角形性が低下する可能性がある。このため、耐食性被膜の厚さは30μm以下であるが好ましい。より好ましい膜厚の範囲は10μm以下、さらに好ましい範囲は5μm以下である。
焼結磁石の表面に形成される耐食性被膜には、ニッケルめっき被膜、アルミニウム蒸着被膜、樹脂塗装被膜、窒化チタン蒸着被膜などの公知の耐食性被膜を任意に用いることができる。また、これらの被膜を組み合わせて用いることもできる。ただし、ニッケルめっき被膜を採用する場合には、被膜形成時に焼結磁石表面から内部に水素が拡散して磁石の角形性が劣化するのを防止するために、例えば、特開2001−135511号公報や特開2001−135540号公報に開示されている技術を用いることができる。
以下、本発明の実施例を説明する。
まず、粉末冶金法によって製造されたNd−Fe−B系焼結磁石素材を用意した。本実施では、Nd:13.7at%、Dy:0.3at%、B:6.0at%、残部:実質的にFeの組成を有する焼結磁石素材を作製した。次に、この焼結磁石素材をダイヤモンド砥石(#200)によって切断した後、以下の表1に示す加工方法a〜iによって焼結磁石素材を加工した。
Figure 2005150572
上記の加工方法a〜iのうち、例えば加工方法bでは、アルミナの遊離砥粒(粒径:0.1μm)を用いるCMPを行なっている。なお、同一の素材から寸法が50×4×0.5mmの試験片を各サンプルと同一条件で加工し、試験片のそりを測定した。この測定結果に基づいて算出した応力の値を表1に示している。
上記の加工処理により、以下の表2に示す各サンプル(No.1〜16)を得た。表2には、得られた焼結磁石の最終寸法のほか、焼結磁石の体積Vおよび全表面積S、ならびにS/Vを記載している。
Figure 2005150572
この後、上記の加工を施した焼結磁石について、表面粗度や磁石特性の評価を行なった。下記の表3は、各サンプル(No.1〜16)の平均粒径、表面粗度Ra、流動層の厚さ、および角型比を示している。流動層の厚さは、応力測定に使用した50×4×0.5mmの試験片の加工面の測定によって求めた。この測定は、島津製作所製のエリプソメータにより、波長541nmの単色光(測定スポット径φ4mm)を用いて行なった。また、角型比は、各サンプルの減磁カーブをVSMにて測定し、図4に示す方法で評価した。各サンプルの表面粗度は、先端における曲率が0.04μmのプローブを用いる探針式粗度計(SloanTechnology社製:DEKTAK)によって測定した。
Figure 2005150572
表2および表3からわかるように、S/Vが2.5mm-1以上のサンプルでは、表面粗度Raが0.1μmを超え、応力が1.0MPaを越える場合、磁石の角形比が大きく劣化している。これに対して、表面粗度Raが0.1μm以下、応力が1.0MPa以下の場合には、角形比が向上している。同一形状のサンプルを比較すると、表面粗度Raが小さいほど、また応力が小さいほど、角形性は高くなることがわかる。
また、サンプルNo.9のように、磁石の配向方向に平行な表面のみを平滑化した場合でも、角形性の向上の効果が得られることもわかる。
本発明は、性能の低下を引き起こすことなく、超小型で強力な焼結磁石が提供されるため、小型軽量な各種の装置に好適に利用される。本発明は、R−Fe−B系焼結磁石に限らず、加工表面の損傷が磁石特性を劣化させる焼結磁石に広く適用される。
(a)〜(c)は、従来の焼結磁石の製造方法による焼結磁石の加工表面の様子を模式的に示す工程断面図である。 (a)および(b)は、本発明による製造方法による焼結磁石の加工表面の様子を模式的に示す工程断面図である。 加工された磁石に生じる応力の計算方法を説明するための模式図である。 磁石の減磁カーブにおける角形比の定義を示す模式図である。
符号の説明
2 焼結磁石を構成するR−Fe−B粒子(主相結晶粒)
2’ 研削工程でダメージを受けたR−Fe−B粒子
4 粒界

Claims (15)

  1. 加工された表面を少なくとも一部に有し、かつ体積V(mm3)に対する全表面積S(mm2)の比S/Vが2.5mm-1以上である焼結磁石であって、
    前記加工された表面は、中心線平均粗さRaが0.1μm以下である平滑化面を含んでいる焼結磁石。
  2. 前記平滑化面は、前記加工された表面のうち、磁石配向方向に略平行な面に形成されている、請求項1に記載の焼結磁石。
  3. 前記加工された表面には、加工によって生じた流動層が存在し、
    前記流動層の厚さは、前記平滑化面が形成されている領域では、平均粒子径の1/4以下である請求項1または2記載の焼結磁石。
  4. 前記流動層の厚さは、前記平滑化面が形成されている領域では、平均粒子径の1/12以下である請求項3に記載の焼結磁石。
  5. 体積Vは30mm3以下である請求項1に記載の焼結磁石。
  6. 前記加工された表面に存在する加工変質層に起因する応力は1MPa以下である請求項1に記載の焼結磁石。
  7. 厚さ30μm以下の耐食性被膜が表面に形成されている請求項1に記載の焼結磁石。
  8. 組成は希土類−鉄−硼素系または1−5系R−Co系である請求項1に記載の焼結磁石。
  9. 加工された表面を少なくとも一部に有し、かつ体積V(mm3)に対する全表面積S(mm2)の比S/Vが2.5mm-1以上である焼結磁石素材を用意する工程と、
    前記加工された表面の少なくとも一部に対して研磨を行なうことにより、中心線平均粗さRaが0.1μm以下の平滑化面を形成する工程と、
    を含む焼結磁石の製造方法。
  10. 前記平滑化面の表面に存在する流動層に含まれている粒子の少なくとも一部を取り除く仕上げ処理を行なう工程を含む、請求項9に記載の焼結磁石の製造方法。
  11. 前記仕上げ処理はCMPである請求項10に記載の焼結磁石の製造方法。
  12. 前記仕上げ処理はバフ研磨である請求項10に記載の焼結磁石の製造方法。
  13. 前記仕上げ処理は、平均粒径が0.01〜2μmの遊離砥粒を用いて行なう請求項11または12に記載の焼結磁石の製造方法。
  14. 加工された表面における流動層の厚さを、波長400〜700nmの単色光を用いた偏光解析法によって測定する工程を更に含む請求項9から13のいずれかに記載の焼結磁石の製造方法。
  15. 加工された表面に存在する加工変質層に起因する応力を評価する工程を更に含む請求項9から13のいずれかに記載の焼結磁石の製造方法。
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