JP2005150405A - 樹脂封止装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】キャビティプレートと上型若しくは下型との間に温度差がある場合でも金型間の位置決めを高精度に行える樹脂封止装置を提供する。
【解決手段】キャビティプレート1には上型29及び下型30に設けられた位置決めピン23、24と嵌合してX−Y方向の位置決めを行う嵌合孔20、21が、キャビティプレート1の中心Oを通過して互いに交差する線分L1、L2上でプレート周縁部近傍に各々穿孔されている。
【選択図】図3

Description

本発明は、ワークがモールド金型に搬入されクランプされて樹脂封止が行なわれる樹脂封止装置に関する。
半導体装置製造用の樹脂封止装置の一例として、トランスファー成形により樹脂封止部(パッケージ部)が形成される樹脂封止装置が用いられている。この樹脂封止装置は、半導体チップが樹脂基板、リードフレームなどの基板上に搭載されたワーク或いは半導体用基板などのワークが、キャビティ凹部が形成されたモールド金型に搬入されてクランプされ、ポットに装填された樹脂材をプランジャによりランナゲートを通じてキャビティ凹部へ移送して樹脂封止されるようになっている。
また、近年CSP(Chip・Size・Package又はChip・Scale・Package)タイプの半導体装置に代表されるように、半導体チップが基板の一方の面にマトリクス状に搭載されたワークが一括して樹脂封止され、樹脂封止後、ダイシング装置により、半導体チップ毎に個片になるようにダイシングされて半導体装置が製造されている。
モールド金型は、上型及び下型を有し、半導体チップが収容されたキャビティ凹部へ封止樹脂を充填するためには基板上を封止樹脂が通過するランナゲートを設ける必要があり、基板面に特殊処理(例えばディゲート用金めっきの形成)が必要になり、製造工程が増えて生産効率が上がらず、製造コストも増大する。
また、ワークに片面モールドを行う場合、基板側面の樹脂バリが発生するおそれがあり、金型メンテナンスも必要になる。
これに対して回路基板の樹脂封止範囲以外には封止樹脂を接触させないようにするため、キャビティが形成されたキャビティプレートをプリント基板に重ね合わせて樹脂封止する方法が提案されている(例えば特許文献1参照)。
特公昭61−46049号公報
しかしながら、特許文献1の樹脂封止方法においては、キャビティプレート及びプリント基板の一方側の側面に沿って形成された同じ大きさのパイロット孔を下型に突設されたゲージピンに各々挿通してキャビティプレートにプリント基板を重ね合わせて下型上に載置される。そして、型閉じを行ってゲージピンの先端が上型のパイロット孔に進入することで、金型、キャビティプレート、ワーク(プリント基板)の相互の位置決めが行われる。この位置決め構造によれば、モールド金型との温度差によりキャビティプレートの熱膨張率の差から伸びや反りが生じて、電子部品を収容するキャビティの位置がX−Y方向でずれ易く、成形品質がばらつき易い。また、ワークとキャビティプレートとの位置合わせは、下型周縁部に突設されたゲージピンにパイロット孔を挿通するだけであるので、X−Y方向に位置決めを高精度に行うためには、ゲージピンとパイロット孔との嵌合が高精度に行われる必要があり、キャビティプレートの熱膨張による変形を考慮すると位置合わせが難しいという課題がある。
また、通常のモールド金型の位置決め構造は、図12(a)において、上型101のX−Y方向の中心位置に位置決めブロック102を設け、下型103に位置決めブロック104がX−Y方向の中心位置に対して対称に設けられている。金型クランプ状態において、上型側の位置決めブロック102と下型側の位置決めブロック104とが噛み合うことで位置決めが行われる。しかしながら、金型面にリリースフィルムを張設して樹脂封止する場合には、フィルム搬送方向に相当するX軸方向若しくはY軸方向の中心位置に位置決めブロックを設けることができない。この場合、位置決めブロックを金型周縁部に設けることも考えられるが、キャビティプレートと上型若しくは下型とで温度差があるため熱膨張率の差により位置決め精度が低下し易い。
本発明の目的は、上記従来技術の課題を解決し、キャビティプレートと上型若しくは下型との間に温度差がある場合でも金型間の位置決めを高精度に行える樹脂封止装置を提供することにある。
本発明は上記目的を達成するため、次の構成を備える。
即ち、ワークと、該ワークの樹脂封止部の外形及び厚さを規定するキャビティ部が形成されたキャビティプレートとがプレス部に搬入され、モールド金型と位置合わせしてクランプすることにより樹脂封止される樹脂封止装置において、前記キャビティプレートには上型及び下型に各々設けられた位置決め突部と嵌合してX−Y方向の位置決めを行う嵌合孔が、キャビティプレートの中心を通過して互いに交差する線分上でキャビティプレート周縁部近傍に各々穿孔されていることを特徴とする。
また、前記嵌合孔がキャビティプレートの中心を通過する線分に沿って長孔に形成されていることを特徴とする。
また、前記キャビティプレートは、プレス部に搬入されると、上型面に突設された位置決め突部と嵌合孔とを嵌合させて仮位置決めが行われ、次いでワークが搬入された下型と上型とでキャビティプレートをクランプする際に下型面に突設された位置決め突部と嵌合孔とを嵌合させて本位置決めが行われることを特徴とする。
また、キャビティプレートは、プレス部に対してモールド金型のクランプ面と略平行なトラック面上を周回移動する金属製のプレートであることを特徴とする。
また、前記キャビティプレートは、プレヒート部、プレス部、ディゲート部及びクリーナー部間を各工程間の同期を取って周回させて樹脂封止が行われることを特徴とする。
本発明に係る樹脂封止装置を用いれば、キャビティプレートには上型及び下型に設けられた位置決め突部と嵌合してX−Y方向の位置決めを行う嵌合孔が、キャビティプレートの中心を通過して互いに交差する線分上でキャビティプレート周縁部近傍に各々穿孔されているので、キャビティプレートの対向する嵌合孔どうしの距離が長く取れるので、熱容量の少ないキャビティプレートが上型と下型とでクランプされる際に、温度差によりキャビティプレートに反りや伸びが生じてもこれらの影響を受け難いキャビティプレート周縁部で上型及び下型との位置決めを高精度に行える。
特に、嵌合孔がキャビティプレートの中心を通過して交差する線分に沿って長孔に形成されている場合には、熱膨張によるプレートの反りや伸びが生じてもその影響を受け難く、上型及び下型との位置決め精度を向上できる。
また、モールド金型にフィルムを使用する場合、X軸方向若しくはY軸方向の中心位置での位置決めが困難な場合でもX−Y方向での位置決めが高精度に行える。
更には、キャビティプレートは、プレス部に搬入されると、上型面に突設された位置決め突部と嵌合孔とを嵌合させて仮位置決めが行われ、次いでワークが搬入された下型と上型とでキャビティプレートをクランプする際に下型面に突設された位置決め突部と嵌合孔とを嵌合させて本位置決めを行うことにより、予めキャビティプレートと上型とで仮位置決め及び予熱を行った後で、ワークが搬入された下型とで本位置決めを行うので、キャビティプレートの熱膨張を考慮してワーク及び金型との相互の位置合わせが高精度に行える。
以下、本発明に係る樹脂封止装置の好適な実施の形態について添付図面と共に詳述する。
本願発明は、ワークと、該ワークの樹脂封止部の外形及び厚さを規定するキャビティ部が形成されたキャビティプレートとがプレス部に搬入され、モールド金型と位置合わせしてクランプすることにより樹脂封止される樹脂封止装置について広く適用可能である。
先ず、樹脂封止装置の概略構成について図1乃至図7を参照して説明する。本実施例はトランスファー成形方式を採用した樹脂封止装置について例示する。図7において、キャビティプレート1は、モールド金型のクランプ面と略平行なトラック面2上を周回移動するようになっている。このトラック面2に沿ってプレヒート部3、プレス部4、ディゲート部5及びクリーナー部6が設けられている。
半導体チップが基板上に搭載されたワークW或いは半導体用基板などのワークWは、ワーク供給部7より基板プレヒート部8へ送り出される。ワークWは供給マガジン9に収容されており、該供給マガジン9からプッシャー10によってワークWが基板プレヒート部8へ送り出される。基板プレヒート部8は、基板温度と金型温度との温度差を縮小して成形時間を短縮するために設けられる。
プレヒート部3は、プレス部4の搬送方向上流側に設けられ、キャビティプレート1をプレヒートする。キャビティプレート1は、板厚が薄く熱容量が少ないことから、成形サイクルを短縮し、成形品質を維持するためにはプレス部4へ搬入される前に予め120°〜130°程度に余熱しておくことが望ましい。
プレヒート部3の下方には、図示しない樹脂供給部が設けられている。樹脂供給部は、例えばパーツフィーダーから整列して送り出された樹脂材(樹脂タブレットなど)をカセットなどに収容し、該カセットがタブレット補給位置とローダーへの受渡し位置との間を上下に往復移動するようになっている。
図示しないローダーは基板プレヒート部8とプレス部4との間を往復移動する。ローダーは、基板プレヒート部8に移動してプレヒートされたワークWを保持し、樹脂供給部へ移動して樹脂材を保持し、これらをプレス部4の下型へ搬入する。また、ローダーによるプレス部4へのワーク搬入動作とタイミングを合わせて若しくは個別に搬送アームによりプレヒートされたキャビティプレート1がプレス部4の上型側へ搬入される。
キャビティプレート1は、図5(a)(b)に示す支持枠体11に4箇所に突設されたピン12に嵌合させて位置決めされて支持されている。キャビティプレート1及び支持枠体11は、搬送アーム13に設けられたピン、突起などに嵌合させ、位置決めして重ね合わせたまま搬送される。支持枠体11及び搬送アーム13には、キャビティプレート1の金型クランプ面に相当するステージエリアを包含するように中空孔14が形成されている。中空孔14は、後述するようにキャビティプレート1をモールド金型がクランプする際に干渉しないように設けられている。複数若しくは1基の搬送アーム13は、プレヒート部3、プレス部4、ディゲート部5及びクリーナー部6にそれぞれ一時停止しながら周回移動し、トラック面2の内外へ退避することなく、中空孔14内に形成される各ステージエリアで作業が行われるようになっている。尚、搬送アーム13に重ね合わされた支持枠体11及びキャビティプレート1は、プレヒート部3やプレス部4に設けられたリフター装置15によりリフトアップ可能に載置されている。
図3において、キャビティプレート1は一例として矩形状の金属プレートが用いられる。キャビティプレート1には複数箇所にポット孔16やキャビティ部(キャビティ孔17、或いはキャビティ凹部等)が所定ピッチで形成されている。またワークとの位置決め孔18が6箇所に、搬送アーム13との位置決め孔19が4箇所に各々穿孔されている。
また、キャビティプレート1には後述するプレス部4の上型及び下型に設けられた位置決め突部(例えば位置決めピン)と嵌合してX−Y方向の位置決めを行う嵌合孔20、21が、キャビティプレート1の中心Oを通過して互いに交差する線分L1、L2上でキャビティプレート周縁部近傍に各々穿孔されている。本実施例では、上型用嵌合孔20が4箇所に、下型用嵌合孔21が4箇所に各々穿孔されている。キャビティプレート1は、プレヒート部3、プレス部4、ディゲート部5及びクリーナー部6の各工程に1枚ずつ配置して各工程間の同期を取って周回させても良いし、1枚乃至3枚のキャビティプレート1を用いて各工程を周回させるようにしても良い。
尚、嵌合孔は上型用及び下型用に分けることなく兼用であっても良い。図4(a)において、嵌合孔22はキャビティプレート1の中心Oを通過して交差する線分L3上に対向して各々4箇所に穿孔されている。嵌合孔22の形状は、図4(b)において、上下金型に設けられる位置決めピンが同一径であれば、上型側位置決めピン23と嵌合する孔幅にクリアランスを設け、下型側位置決めピン24と嵌合する孔幅にクリアランスを設けずに嵌合するようにするのが好ましい。或いは、図4(c)において、上下金型に設けられる位置決めピンの径が異なる場合には、嵌合孔22の孔幅が同一で上型側位置決めピン23を小径にしてクリアランスを設けて嵌合させ、下型側位置決めピン24を孔幅と略同一径にしてクリアランスを設けずに嵌合させるのが好ましい。
また、上述した嵌合孔20、21、22は、キャビティプレート1の中心Oを通過する線分に沿って長孔に形成されているのが望ましい。キャビティプレート1の熱膨張による反りや伸びが生じても位置決め精度に影響を受け難いためである。
キャビティプレート1には、金型と同様の鋼材、例えばステンレススチール、チタン、ニッケル合金などが用いられ、樹脂封止部(パッケージ部)の厚さに応じて、板厚0.3〜1.0mm程度のものが用いられる。尚、キャビティプレート1は金属製に限らず、耐熱性、耐摩耗性、搬送に耐え得る剛性があれば他の部材でも良く、ポリイミド樹脂のような樹脂製板材であっても良い。また、キャビティプレート1のプレート面(両面又は片面)やポット孔16やキャビティ孔17の孔壁面には、成形品との離型性を考慮して必要に応じてテフロン(登録商標)樹脂やフッソ樹脂等がコーティングされていても良い。また、キャビティプレート1は、プレヒート部3、プレス部4、ディゲート部5及びクリーナー部6が直線的に配置されている場合には、無端ベルト状としても良い。
搬送アーム13の周回機構について説明する。図7において、トラック面2の中心部には、プーリ(スプロケットホイール)25、26間に無端状のベルト(チェーン)27が巻き回されている。ベルト27は、周回用モータ28によりモータ側プーリ25を介して回転駆動される。ベルト27には、図示しないガイドブロックを介して搬送アーム13が片持ち状に連繋している。ガイドブロックは、ベルト27に沿って配設された図示しないガイドレールに連繋して周回移動するようになっている。
図6において、プレス部4は、モールド金型を構成する固定型である上型29と可動型である下型30とを備えている。下型30は例えば電動モータ等を用いた型締め機構により上下動するようになっている。図7において上型側には、上型クランプ面に長尺状のリリースフィルム31を供給するフィルム搬送機構32が設けられている。フィルム搬送機構32は供給リールから巻取りリールへ同期をとってリリースフィルム31を所定ピッチで送るようになっている。
リリースフィルム31は、封止樹脂に接触する部位を覆うものであり、本実施例では上型29のクランプ面に吸引されて張設される。リリースフィルム31は、モールド金型の加熱温度に耐えられる耐熱性を有するもので、上型面より容易に剥離するものであって、柔軟性、伸展性を有するフィルム材、例えば、PTFE、ETFE、PET、FEP、フッ素含浸ガラスクロス、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニリジン等が好適に用いられる。上記リリースフィルム31を用いることでモールド金型の樹脂封止部のエジェクタピン及び樹脂封止後に金型面をクリーニングするクリーナー部を設ける必要がない。尚、リリースフィルム31を使用しない場合には、エジェクタピン及びクリーナー部を適宜設ければ良い。
図1(a)(b)(c)において、上型29は、上型ベースユニット33に上型チェイス34が支持されている。上型チェイス34には、上型キャビティインサート35が組み付けられる。上型キャビティインサート35の外周部には上型ガイドブロック36が組み付けられる。また、上型キャビティインサート35を囲む上型ガイドブロック36のクランプ面には、位置決め突部である上型側位置決めピン23が4箇所に突設されている。また、上型側位置決めピン23の近傍には、下型側位置決めピン24が嵌入する逃げ穴37が4箇所に穿孔されている。また、上型ガイドブロック36には、下型30に設けられるガイドポストが進入するガイド穴38が設けられている。
また、図6において、上型29にはリフター装置15が設けられている。搬送アーム13によりプレス部4に搬入されたキャビティプレート1は、リフトアーム55(図5(b)参照)により支持枠体11の両側が保持されたままリフトアップされ、キャビティプレート1はリリースフィルム31が張設された上型クランプ面に押し当てられる。
図2(a)(b)(c)において、下型30は、下型ベースユニット39には下型チェイス40及びポットインサート41が支持されている。下型チェイス40にはワークWの板厚に応じてクランプ圧を調整するキャビティライナプレート42、キャビティ下プレート43を順次重ね合わせて組み込まれる。キャビティ下プレート43には下型キャビティインサート44が組み付けられる。下型キャビティインサート44の外周部には下型ガイドブロック45が組み付けられる。上型ガイドブロック36及び下型ガイドブロック45には、キャビティプレート1を支持する支持枠体11との干渉を防ぐための逃げ溝46が形成されている。また、下型キャビティインサート44を囲む下型ガイドブロック45のクランプ面には、位置決め突部である下型側位置決めピン24が4箇所に突設されている。また、下型側位置決めピン24の近傍には、上型側位置決めピン23が嵌入する逃げ穴47が4箇所に穿孔されている。また、ガイドブロック45には、上型29に設けられるガイド穴38へ進入可能なガイドポスト48が突設されている。
下型30は公知の型締め機構により上下動する。型閉じする場合は、下型30が上動し、搬送アーム13及び支持枠体11の中空孔14(図5(a)(b)参照)へ進入して上型クランプ面へリフトアップされたキャビティプレート1をクランプする。このとき、ワークWは半導体チップがキャビティ孔17に進入し、基板がキャビティプレート面へ押し当てられる。また、下型30のポット49はキャビティプレート1のポット孔16と位置合わせしてクランプされる。下型30にはポット49内に装填される樹脂材を押動するプランジャを備えた公知のトランスファ機構が設けられている。ワークWをクランプした状態でトランスファ機構を作動させると、プランジャが溶融した封止樹脂をキャビティプレート1とリリースフィルム31との間に形成された樹脂路を通じてキャビティ孔17内へ圧送りして樹脂封止される。
樹脂封止が終了すると、下型30が下動してキャビティプレート1より下方へ離間させた後、リフター装置15を作動させてリフトアーム55をリフトダウンさせると、パッケージ部(樹脂封止部)とリリースフィルム31とが分離してキャビティプレート1が支持枠体11と共に搬送アーム13上に載置される。成形後のキャビティプレート1は、周回用モータ28を起動してディゲート部5へ搬送される。また、リリースフィルム31は、次の成形動作に備えて所定ピッチだけ先に送られる。
図7において、キャビティプレート1が、ディゲート部5へ搬送されると、キャビティプレート1を図示しないディゲート装置により挟持した後、キャビティ孔17に露出するパッケージ部に突き下げロッドを突き当て、スクラップに突き上げロッドを突き当ててキャビティプレート1からワークWとスクラップのゲートブレークが行われる。離型後のワークWは、図7に示すディゲートパレット50に載置されたまま、一旦搬送アーム13より下方へ移動して、ワーク収納部51へ移送される。また、スクラップ52は、吸着搬送部53により吸着保持されて図示しない回収ボックスへ回収される。
図7において、ディゲート後のキャビティプレート1は、搬送アーム13に載置されたままクリーナー部6へ搬送される。クリーナー部6には、キャビティプレート1の上下面に接離動可能なクリーニングブラシ54a、54bが設けられている。クリーニングブラシ54a、54bはフードカバー54dに覆われており、フードカバー54dには図示しない吸引装置に接続する吸引ダクト54cが各々接続されている。このクリーナー部6を、クリーニングブラシ54a、54bにより上下プレート面をブラッシングしながら図7の矢印方向へ往復動させることで、キャビティプレート1のクリーニングが行われる。このクリーニング工程は、キャビティプレート1の成形動作を通して繰り返し行えるので、十分なクリーニングが行える。
次に、プレス部4に搬入されたキャビティプレート1とモールド金型との位置合わせ動作について図8乃至図11を参照して説明する。図8において、リリースフィルム31は前述したように上型29のクランプ面に吸引されて張設される。搬送アーム13はモールド金型のクランプ面と略平行なトラック面2に沿って周回移動する。そして、搬送アーム13に支持枠体11及びキャビティプレート1が載置されたまま、型開きしたプレス部4に搬入されると所期の位置において停止する。
次に、図9において、リフター装置15により支持枠体11が支持されてキャビティプレート1が載置されたまま、上型クランプ面へリフトアップされる。このとき、上型面に突設された上型側位置決めピン23を嵌合孔20に嵌合させて、キャビティプレート1の仮位置決めが行われると共に、キャビティプレート1が加熱された上型面に押し当てられることで、熱容量の小さいキャビティプレート1の予熱が行われる。このとき、キャビティプレート1に熱膨張による伸びや反りが生じても、上型側位置決めピン23と嵌合孔20とがクリアランスをもって嵌合するため不具合は生じない。
次に、図10において、リフター装置15を下動させて、キャビティプレート1を微小下降させることにより、嵌合孔20と上型位置決めピン23との位置の修正が行われる。このキャビティプレート1の位置修正により、下型位置決めピン24との嵌合が精度良く行える。また、キャビティプレート1を上動させる間に、ローダーによりワークW及び樹脂材が下型30へ搬入される。
最後に、図11において、ワークWが搬入された下型30の型締め機構を作動させて下型30を上動させる。下型30は、搬送アーム13及び支持枠体11の中空孔14を通過して上動しワークWをキャビティプレート1に押し当て、下型30と上型29とでキャビティプレート1をクランプする。このとき、下型面に突設された下型側位置決めピン24を嵌合孔21に嵌合させて本位置決めが行われる。このとき、キャビティプレート1は、上型29との当接により予熱されていると共に、キャビティプレート1の微小下降が行われているため、下型側位置決めピン24と嵌合孔21との嵌合が精度良く行える。特に、モールド金型にリリースフィルム31を使用する場合、X軸方向若しくはY軸方向の中心位置での位置決めが困難な場合でもX−Y方向での位置決めが高精度に行える。
以上、本発明の好適な実施例について種々述べてきたが、樹脂封止装置は上述したトランスファー成形方式について例示したが、圧縮成形方式の樹脂封止装置にも適用可能である。また、可動型は下型30のみである場合について説明したが、上型29も可動型にしても良い。また、キャビティプレート1は、金属プレートが好適であるがこれに限定されるものではなく、耐熱性、耐摩耗性、柔軟性を有し封止樹脂が付着し難いものであれば、材質は任意であり、その形状は無端ベルト状であっても良い。また、上型及び下型に設けられる位置決め突部はピンに限らずブロック形状でも良く、キャビティプレート1の嵌合孔の形状もスリット状、長円状、楕円状など任意である。また、リリースフィルム31は、モールド金型の一方の金型面を覆うようにしたが、可能であれば上下のクランプ面を覆うようにしても良く、エジェクタピンを設ければリリースフィルム31は省略することも可能である等、発明の本旨を逸脱しない範囲で多くの改変を施し得るのはもちろんである。
上型の平面図、正面図及び右側面図である。 下型の平面図、正面図及び右側面図である。 キャビティプレートの平面図である。 他例に係るキャビティプレートの平面図及び位置決めピンと嵌合孔との形態を示す説明図である。 キャビティプレート、支持枠体、搬送アーム及びリフター装置の配置を示す上視図及び断面説明図である。 モールド金型の構成を示す説明図である。 樹脂封止装置のレイアウト構成を示す平面図である。 キャビティプレートとモールド金型との位置合わせ動作を示す説明図である。 キャビティプレートとモールド金型との位置合わせ動作を示す説明図である。 キャビティプレートとモールド金型との位置合わせ動作を示す説明図である。 キャビティプレートとモールド金型との位置合わせ動作を示す説明図である。 従来のモールド金型の位置合わせ構造を示す説明図である。
符号の説明
1 キャビティプレート
2 トラック面
3 プレヒート部
4 プレス部
5 ディゲート部
6 クリーナー部
7 ワーク供給部
8 基板プレヒート部
9 供給マガジン
10 プッシャー
11 支持枠体
12 ピン
13 搬送アーム
14 中空孔
15 リフター装置
16 ポット孔
17 キャビティ孔
18、19 位置決め孔
20、21、22 嵌合孔
23 上型側位置決めピン
24 下型側位置決めピン
25、26 プーリ
27 ベルト
28 周回用モータ
29 上型
30 下型
31 リリースフィルム
32 フィルム搬送機構
33 上型ベースユニット
34 上型キャビティ下プレート
35 上型キャビティインサート
36 上型ガイドブロック
37、47 逃げ穴
38 ガイド穴
39 下型ベースユニット
40 下型チェイス
41 ポットインサート
42 キャビティライナプレート
43 下型キャビティ下プレート
44 下型キャビティインサート
45 下型ガイドブロック
46 逃げ溝
48 ガイドポスト
49 ポット
50 ディゲートパレット
51 ワーク収納部
52 スクラップ
53 吸着搬送部
54a、54b クリーニングブラシ
54c 吸引ダクト
54d フードカバー
55 リフトアーム

Claims (5)

  1. ワークと、該ワークの樹脂封止部の外形及び厚さを規定するキャビティ部が形成されたキャビティプレートとがプレス部に搬入され、モールド金型と位置合わせしてクランプすることにより樹脂封止される樹脂封止装置において、
    前記キャビティプレートには上型及び下型に各々設けられた位置決め突部と嵌合してX−Y方向の位置決めを行う嵌合孔が、キャビティプレートの中心を通過して互いに交差する線分上でキャビティプレート周縁部近傍に各々穿孔されていることを特徴とする樹脂封止装置。
  2. 前記嵌合孔はキャビティプレートの中心を通過する線分に沿って長孔に形成されていることを特徴とする請求項1記載の樹脂封止装置。
  3. 前記キャビティプレートは、プレス部に搬入されると、上型面に突設された位置決め突部と嵌合孔とを嵌合させて仮位置決めが行われ、次いでワークが搬入された下型と上型とでキャビティプレートをクランプする際に下型面に突設された位置決め突部と嵌合孔とを嵌合させて本位置決めが行われることを特徴とする請求項1記載の樹脂封止装置。
  4. 前記キャビティプレートは、プレス部に対してモールド金型のクランプ面と略平行なトラック面上を周回移動する金属製のプレートであることを特徴とする請求項1記載の樹脂封止装置。
  5. 前記キャビティプレートは、プレヒート部、プレス部、ディゲート部及びクリーナー部間を各工程間の同期を取って周回させて樹脂封止が行われることを特徴とする請求項1記載の樹脂封止装置。
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