JP2005149933A - 燃料電池及び燃料電池システム - Google Patents

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Abstract

【課題】 燃料電池の電解質膜の耐久性を向上させ、電池性能の更なる向上を図ると共に、燃料電池を安全に、効率的に運転する為に、燃料電池内部で生じる異常を検知するシステムを提供する。
【解決手段】 1個以上の燃料電池単電池からなる燃料電池であって、該単電池はアノードと、カソードと、アノードとカソードに挟持された電解質膜からなり、該単電池外部に該燃料電池セルと並列に、カソード側が+極にアノード側が−極となるように電源(外部電源)を配置したことを特徴とする燃料電池、及び該燃料電池に加えて、該外部電源から該単電池に流れる電流を計測する手段と、計測された電流値に基づいて燃料電池システムの正常又は異常を判断する手段を有することを特徴とする燃料電池システム。
【選択図】 図1

Description

本発明は、耐久性に優れた燃料電池、及び燃料電池内部で生じる異常を検知する燃料電池システムに関する。
水素イオンの選択透過性を有する固体高分子電解質膜に触媒担持体を積層してなる電極触媒層を密着させ、該固体高分子電解質膜を該電極触媒層を介在させて一対のガス拡散性の電極で挟持した燃料電池では、固体高分子電解質膜を挟持する両電極(アノード、カソード)においてその極性に応じて以下に記す反応式で示される電極反応を進行させ、電気エネルギを得ている。
アノード(水素極):H2→2H++2e …(1)
カソード(酸素極):2H++2e+(1/2)O2→H2O …(2)
アノードで式(1)の反応により生成した水素イオンは、H+ (XH2O)の水和状態で固体高分子電解質膜を透過(拡散)し、膜を透過した水素イオンは、カソードで式(2)の反応に供される。このアノード及びカソードにおける電極反応は、固体高分子電解質膜に密着した電極触媒層を反応サイトとし、当該電極触媒層における触媒と固体高分子電解質膜との界面で進行する。
ところで、高分子電解質型燃料電池においては、電池反応によって固体高分子電解質膜と電極の界面に形成された触媒層において過酸化物が生成し、生成した過酸化物が拡散しながら過酸化物ラジカルとなって電解質を劣化させる。例えば、燃料電池では燃料極で燃料の酸化、酸素極で酸素の還元が行われるが、水素を燃料とし、酸性の電解質を用いる場合の理想的な反応は、上記(1)式及び(2)式に示したように表される。
しかしながら、実際の燃料電池ではこれらの主反応の他に副反応が起こる。その代表的なものが過酸化水素(H)の生成である。その生成のメカニズムについては必ずしも完全に理解されているわけではないが、考えられるメカニズムは次のようである。すなわち、過酸化水素の生成は水素極、酸素極どちらの極でも起こりうるものであり、例えば、酸素極では、酸素の不完全還元反応により次に示した式によって過酸化水素が生じると考えられる。
+2H+2e→2H…(3)
また、水素極では、ガス中に不純物としてあるいは意図的に混ぜることによって入っている酸素、もしくは酸素極で電解質にとけ込み水素極に拡散してきた酸素が反応に関与すると考えられ、その反応式は上記(3)式と同一か、もしくは次に示した式で表されると考えられる。
2M-H+O2−→2M+H…(4)
ここで、Mは、水素極に用いられている触媒金属を示し、M-Hはその触媒金属に水素が吸着した状態を示す。通常触媒金属には白金(Pt)等の貴金属が用いられる。
これらの電極上で発生した過酸化水素は、電極から拡散等のため離れ、電解質中に移動する。この過酸化水素は酸化力の強い物質で、電解質を構成する多くの有機物を酸化する。その詳しいメカニズムは必ずしも明らかになっていないが、多くの場合、過酸化水素がラジカル化し、生成した過酸化水素ラジカルが酸化反応の直接の反応物質になっていると考えられる。すなわち、次式のような反応で発生したラジカルが、電解質の有機物から水素を引き抜いたり、他の結合を切断すると考えられる。ラジカル化する原因は、必ずしも明らかでないが、重金属イオンとの接触が触媒作用を有していると考えられている。このほか、熱、光等でもラジカル化すると考えられる。
→2・OH
又は
→・H+・OOH
ところで、燃料電池システムにおいて、アノードに水素、カソードに酸素がある状態でガスの流通を停止し、無負荷状態(開回路状態)で放置するとアノードから透過する水素ガスにより燃料電池の発電性能が経時的に低下する。この問題に対しての従来技術として、以下のような技術がある。下記特許文献1では停止状態において、アノードを不活性ガスでパージすることで出力低下を防止している。また、電解質膜自身の水素透過量を低下させる開発が、下記特許文献2等で行われている。また、下記特許文献3では、透過水素により発生したラジカルを「分解」、「不活性化」、「トラップ+不活性化」する化合物を、電解質内部に添加することにより、ラジカルによる燃料電池の劣化を防いでいる。具体的には、固体高分子電解質中に、過酸化物を接触分解する酸化マンガン、酸化ルテニウム、酸化コバルト、酸化ニッケル、酸化クロム、酸化イリジウム、酸化鉛などの遷移金属酸化物を分散配合するか、過酸化物のラジカル化を阻止するスズ化合物のような過酸化物安定剤を分散配合するか、あるいは発生した過酸化物ラジカルをトラップして不活性化するフェノール性水酸化基を有する化合物を配合している。
一方、燃料電池を安全に、そして効率的に運転する為に、燃料電池内部で生じる異常を検知するシステムが必要である。過度のクロスオーバーや電気的短絡、内部抵抗上昇や出力低下等の異常を検知する従来技術は以下のものがある。下記特許文献4では、電流から計算される燃料ガスの圧力低下と実測の圧力低下の差から、燃料の漏洩を判断している。特許文献5では、出力電圧と温度をモニターしている。特許文献6では、燃料ガス流路に不活性ガスを流し、空気排ガス中に混入した不活性ガスをセンサーで検出し、クロスオーバーを判断している。特許文献7では、交流インピーダンス法により内部抵抗を測定して、異常を判断している。
特開平2−244559号公報 特開2000−357524号公報 特開2001−118591号公報 特開平11−224681号公報 特開平9−147895号公報 特開平9−330729号公報 特開2002−377650号公報
しかしながら、特許文献1の、アノードを不活性ガスでパージするには、不活性ガスのボンベや関連機器を搭載する際の重量、スペース、コスト損失が生じる。又、特許文献2の、電解質膜自身の水素透過量を低下させる方法では、伝導度が低くなる上に、水素透過量をゼロには出来ない(即ち、電解質膜の劣化量をゼロには出来ない)。さらに、特許文献3の、ラジカルを「分解」、「不活性化」、「トラップ+不活性化」する化合物を添加する方法では、(1)電解質膜の伝導度が低下する恐れがあり、(2)電解質膜が汚染する恐れがあり、(3)「トラップ+不活性化」に関しては、添加量分が消費されれば劣化防止機能は無くなる、という問題があった。
又、特許文献4の、電流から計算される燃料ガスの圧力低下と実測の圧力低下の差を判断する方法では、(1)燃料の漏洩についてしか分からない、(2)燃料がどこで漏れているのか分からない(即ち、マニホールド部分からシステム外へ漏洩する場合と、システム内で燃料流路側から空気流路側へ漏洩する場合と分離できず、結局、システムのエラーなのか単電池のエラーなのか分からない)、(3)誤差が非常に大きい(圧力は温度や水分等の不純物により複雑に変化するため)。特許文献5の、出力電圧と温度をモニターする方法では、単電池の故障は他電池や配管系等にも影響を及ぼす可能性があるため、クロスオーバー量、電気的短絡量等、物性レベルでの早期発見が必要である上に、電圧や温度の異常として現れる時には遅すぎ、単電池の損傷としては致命的レベルに達している。特許文献6の、空気排ガス中に混入した不活性ガスをセンサーで検出する方法では、不活性ガスのボンベ、導入システム、センサーが必要で重量、スペース、コストの損失となる。さらに、特許文献7の、交流インピーダンス法により内部抵抗を測定する方法では、交流インピーダンス測定システムが複雑・高価である。このように、従来の異常検知システムはいずれも不十分なものであった。
本発明は、上記問題点を解決するためになされ、電解質膜の耐久性を向上させ、電池性能の更なる向上を図ると共に、燃料電池を安全に、そして効率的に運転する為に、燃料電池内部で生じる異常を検知するシステムを提供することを目的とする。
上記課題を解決するため、第1に、本発明は、1個以上の燃料電池単電池からなる燃料電池システムの発明であり、単電池はアノードと、カソードと、アノードとカソードに挟持された電解質膜からなり、単電池外部に単電池と並列に、カソード側が+極にアノード側が−極となるように電源(以下、外部電源という)を配置したことを特徴とする。これにより、電解質膜中を水素が透過しても、外部電源の電圧により透過水素がカソードにてプロトンに解離され、解離したプロトンはアノードへ戻って外部電源からの電子により水素に還元されるため、透過を防止することが可能となる。
ここで、外部電源は1.1〜1.4Vの電圧を有することが好ましい。外部電源の電圧が1.48Vを越えると、存在する水分子が電気分解されることになり、燃料電池として逆反応となる恐れがあるため、好ましい上限は1.4Vである。1.1V未満であると、水素透過防止効果が充分ではない。
第2に、本発明は、システムの正常又は異常を検知できる燃料電池システムの発明であり、上記第1の発明の燃料電池、即ち1個以上の燃料電池単電池からなり、単電池はアノードと、カソードと、アノードとカソードに挟持された電解質膜からなり、単電池セル外部に単電池と並列に、カソード側が+極にアノード側が−極となるように電源(外部電源)を配置し、外部電源から単電池に流れる電流を計測する手段と、計測された電流値に基づいて燃料電池システムの正常又は異常を判断する手段を有することを特徴とする。外部電源からの電流量に応じて水素透過量を測定し、燃料電池システムの正常又は異常を検知できる。
ここで、燃料電池システムの正常又は異常を判断する手段としては、外部電源からの印加電圧−電流のグラフの傾き及び/又は切片から判断されることができる。
本発明の燃料電池は、外部電源を用いて電解質膜中の水素透過を抑制することで、電解質膜の耐久性を向上させ、電池性能の更なる向上が可能となった。又、外部電源から流れる電流量を計測することで、燃料電池内部で生じる異常を検知することができ、燃料電池を安全に、そして効率的に運転することが可能となった。
本発明が適用される燃料電池は何ら制限されず、従来より知られた構造、材料、物性、機能のものが用いられる。例えば、触媒担持体としては、カーボン粉末、特に多孔性カーボンが好ましく例示される。触媒としては、白金が好ましく例示される。固体高分子電解質としては、固体高分子型燃料電池における電解質として機能するものであれば如何なるものでもよいが、特にパーフルオロスルホン酸型ポリマが好適である。固体高分子電解質膜としては、Nafion(デュポン社製)、Flemion(旭硝子株式会社製)、Aciplex(旭化成工業株式会社製)などが好ましく例示されるが、これらに限定されるものではない。
本発明の燃料電池セルは、高分子電解質膜を挟むアノードおよびカソード、アノードに燃料ガスを供給するガス流路を有するアノード側導電性セパレータ板、ならびに前記カソードに酸化剤ガスを供給するガス流路を有するカソード側セパレータ板を具備する。
以下、従来の燃料電池と対比して本発明の燃料電池の構成の概略図を示す。
図6は、従来の燃料電池の構成の概略図である。高分子電解質膜中をアノードからカソードへ透過した水素分子は、カソードにおいて、酸素分子と反応し、過酸化水素を生成する。この過酸化水素が高分子電解質膜を分解してしまう。
これに対して、図1は、本発明の燃料電池の構成の概略図である。燃料電池セル外部に燃料電池セルと並列に、カソード側が+極にアノード側が−極となるように電源が配置されている。さらに、アノード又はカソードと外部電源間に電流計が配置されている。アノード−カソード間に外部電源より電圧を印加する際、アノードに対して開回路における起電力より100mV程度カソードが貴になるよう、電圧を調整する。また、電流計でこの時流れる電流をモニターする。高分子電解質膜中をアノードからカソードへ透過した水素分子は、カソードにおいて、プロトンと電子に電気的に分解される。生成したプロトンは電解質膜を通過して、アノードで水素分子に還元される。一方、電子はカソードより外部電源に戻る。このため、本発明の燃料電池では、過酸化水素が生成しない。
又、アノードとカソード間に電圧を印加することで、水素燃料の浪費を防止するという作用がある。水素浪費のメカニズムは、透過水素が対極で酸素と直接反応し消費される場合、外部への仕事量はゼロとなるが、カソード上で分解されたプロトンと電子はアノード上で水素に還元される為、無駄に消費されない。
本発明の燃料電池システムにおいては、アノード−カソード間の電流を計測してシステムの異常を早期発見する。本システムで判断可能な異常の種類としては、過度のクロスオーバー量、電気的短絡、有効触媒面積の減少、電気抵抗の増加などが挙げられる。測定方法は、カソード上での水素の酸化、アノード上での水素の還元が安定に行える電圧範囲内で印加電圧を操引される。
図2に、本発明の燃料電池システムにおいて、異常判断のイメージを示す。判断方法は、印加電圧と電流値のグラフにおいて、初期値との切片及び/又は傾きの比較によって行われる。具体的には、(1)過度のクロスオーバー量は、切片の増加量が規定値を超えた場合、(2)電気的短絡は、傾きが増加し、その大きさが規定値を越えた場合、(3)有効触媒面積の減少は切片の減少、(4)電気抵抗の増加は傾きの減少から判断される。
以下、本発明の実施例および比較例について説明する。
[劣化防止]
2つの燃料電池の単電池の、耐久試験前の発電性能を測定した。その後、アノードに乾燥した水素、カソードに乾燥した空気を流し、室温乾燥状態で安定させた。耐久試験として、1つはそのまま放置(比較例1)、1つは外部電源より1.1Vの電圧を印加し(実施例2)、約1週間放置した。その後、耐久前と同条件にて発電性能を測定した。結果は次の通りである。
(透過水素の酸化還元量)
耐久初期において、カソード排ガス中に含まれる透過水素の量をガスクロマトグラム(ジーエルサイエンス製CP−4900)で測定した。ガスクロ測定中は透過水素が空気によって消費されないよう、カソードに不活性ガスのアルゴンを流した。透過水素量は、比較例1で2.3e-6[mol/sec/cm2]、実施例2で4.6e-7[mol/sec/cm2] であった。実施例2において酸化還元できた水素の量は、1.9e-6[mol/sec/cm2]と計算できる。ちなみに、実施例2において電圧印加時に流れた電流は346[mA/cm2]であり・これは1.8e-6[mol/sec/cm2] の酸化還元水素量に相当し、ガスクロ測定の結果とほぼ一致した。したがって、この電圧印加によって流れる電流は透過水素の酸化還元反応に使われていると推定できる。また、この酸化還元反応に要する電気エネルギーは、単位面積あたり約0.38W(豆電球の約3分の1の消費電力)である。
(耐久前後の発電性能変化)
耐久前後の発電性能の低下量を、電流密度0.5A/cm2で比較した。比較例1は63mVの低下、実施例2は13mVの低下量であった。外部より電圧を印加した実施例2の方が劣化量が少なかった。
[異常検知]
正常な燃料電池の単セル(実施例3)と、あらかじめ不具合を発生させた燃料電池の単電池を4つ(実施例4〜7、表1)を用意し、それぞれアノードに乾燥した水素、カソードに乾燥した空気を流して、室温乾燥状態で安定させた。外部電源より1.1から1.2Vの電圧を0.02Vの間隔で増加させて印加し、そのときに流れる電流を測定した。
Figure 2005149933
結果は次の通りである。
(電気的短絡、有効触媒面積低下の検出)
印加電圧に対する実施例3〜5の電流を図3に示す。実施例3(正常品)では印加電圧に対してほぼ一定の電流である。これは、透過水素を酸化還元できる量は印加電圧の大きさによらず、有効に働く触媒の面積、つまり反応サイトの数によるからである。また、電気的抵抗値が大きい為、印加電圧の増加に対して電流の増加は僅かである。
これに対して、実施例4(有効触媒面積減少品)は実施例3(正常品)に比較して電流値が減少している。これは、反応サイトの数が減った為、透過してくる水素が部分的にしか酸化還元できなくなった為と推定される。このように、電流値が規定値よりも小さくなった場合は、燃料電池の電極反応の有効面積が減少したことが検出できる。
実施例5(電気短絡品)は実施例3(正常品)に比較して大きな電流が流れ、印加電圧の増加に対する電流の増加割合、つまり曲線の傾きが増加している。電気的に短絡された部分に、印加電圧に対してオームの法則で電流が流れた為と推定される。このように、電流値が規定値よりも大きくなり、印加電圧に対する電流の増加割合が増加した場合は、燃料電池の電極間で電気的短絡が生じたことが検出できる。
(電気抵抗増加の検出)
印加電圧に対する実施例3、6の電流を図4に示す。実施例6(電気抵抗増加品)は実施例3(正常品)に比較して電流値が減少し、また傾きも小さくなっている。これは、電気抵抗が増加し、電流によるオーム損が大きくなった為、透過してくる水素の酸化還元電流が制限されてしまったと推定される。また、電流によるオーム損が大きい為、印加電圧の増加に対して電流の増加割合、つまり傾きも小さくなる。このように、電流値が規定値よりも小さくなり、印加電圧に対する電流の増加割合が減少した場合は、燃料電池の電極間でイオン又は電子の伝導に関する抵抗値が大きくなったことが検出できる。
(クロスオーバー増加の検出)
印加電圧に対する実施例3、7の電流を図5に示す。実施例7(クロスオーバー増加品)は実施例3(正常品)に比較して電流値が増加し、また傾きも不安定に大きくなっている。これは、酸化還元できる透過水素量が増加して為、電流値が増加したと推定される。また、与えられた印加電圧で透過してくる水素の全てを酸化還元することは出来ないが、印加電圧を増加させると酸化還元できる水素量が増えるので電流は大きくなる、つまり傾きは大きくなる。ただし、今回のように、貫通孔が発生し大量の水素がカソードに流れこむ状況においては、水素の酸化還元反応が不安定になる。このように、電流値が規定値よりも大きくなり、印加電圧に対する電流の増加割合が増加し、そして増加傾向が不安定な場合は、クロスオーバー量が増加したことが検出できる。
本発明の燃料電池の構成の概略図。 本発明の燃料電池システムにおける異常判断のイメージを示す。 印加電圧に対する実施例3〜5の電流。 印加電圧に対する実施例3、6の電流。 印加電圧に対する実施例3、7の電流。 従来の燃料電池の構成の概略図。

Claims (4)

  1. 1個以上の燃料電池単電池からなる燃料電池であって、該単電池はアノードと、カソードと、アノードとカソードに挟持された電解質膜からなり、該単電池外部に該単電池と並列に、カソード側が+極にアノード側が−極となるように電源を配置したことを特徴とする燃料電池。
  2. 前記単電池の外部に配置された電源は1.1〜1.4Vの電圧を有することを特徴とする請求項1に記載の燃料電池。
  3. 1個以上の燃料電池単電池からなり、該単電池はアノードと、カソードと、アノードとカソードに挟持された電解質膜からなり、該単電池外部に該単電池と並列に、カソード側が+極にアノード側が−極となるように電源を配置し、該単電池の外部に配置された電源から該単電池に流れる電流を計測する手段と、計測された電流値に基づいて燃料電池システムの正常又は異常を判断する手段を有することを特徴とする燃料電池システム。
  4. 燃料電池システムの正常又は異常を判断する手段が、外部電源からの印加電圧−電流のグラフの傾き及び/又は切片から判断されることを特徴とする請求項3に記載の燃料電池システム。
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