JP2005149927A - 燃料電池セル及び電解質層の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】 積層してスタックとするために十分な強度を有する燃料電池セルを得る。
【解決手段】 電解質層2の一方の面に燃料極6、もう一方の面に空気極5がそれぞれ形成された平板状の燃料電池セル1であって、電解質層2が、固体酸化物から形成される複数の電解質部4と、セラミック材料から形成され電解質部4を支持する支持板3、支持部3aとを備える。
【選択図】 図1
【解決手段】 電解質層2の一方の面に燃料極6、もう一方の面に空気極5がそれぞれ形成された平板状の燃料電池セル1であって、電解質層2が、固体酸化物から形成される複数の電解質部4と、セラミック材料から形成され電解質部4を支持する支持板3、支持部3aとを備える。
【選択図】 図1
Description
本発明は、燃料電池セル及び燃料電池セルに用いられる電解質層の製造方法に関し、特に固体酸化物型燃料電池セルに関する。
燃料電池は、使用する電解質の種類によって、リン酸型(以下、PAFCと表記する。)、溶融炭酸塩型(以下、MCFCと表記する。)、固体高分子型(以下、PEFCと表記する。)、及び固体酸化物型(以下、SOFCと表記する。)に区分されている。
この中で、SOFCは、電解質材料としてリン酸水溶液や溶融炭酸塩のような液体状材料の代わりにイオン導電性を有する固体酸化物電解質材料を用いたものであり、900〜1000[℃]でイオン導電性が最も高くなる。このように、高い温度で電極反応を進めることができるため各燃料電池の中では発電効率が最も高く、また、高温度の排熱が得られることからオンサイト用コージェネレーションシステムへの適用が期待されている。
ここで、SOFCの代表的かつ具体的な燃料電池スタックを構成する燃料電池セルの構造としては、例えば、平行平板型を挙げることができる。この平行平板型の構造はPAFCやMCFCの燃料電池セルの構造と基本的に同様の構造であり、電解質層を構成する基板の一方に燃料極層を他方に空気極層が積層された平面状の電解質板と、一方に燃料ガス流路を、他方に空気流路を形成したセパレータ兼インターコネクタとを交互に貼りあわせることにより形成されている。この燃料電池セルを複数枚直列に積層することによって燃料電池スタックが形成されており、燃料電池スタックの大容量、高出力化を図るためには、燃料電池セルの電解質層をできる限り薄くして出力密度を向上させるとともに、燃料電池セルの面積を大きくする必要がある。
従来より、SOFCには、電解質としてイットリア安定化ジルコニア(以下、YSZと表記する。)を用いている。この場合、作動温度は約1000[℃]と高温であり、燃料電池を含む発電装置全体を高価なセラミックスで作製する必要がある。また、この温度に到達するまでに時間がかかり、自動車などに使う場合に起動時間を短縮できない、システムが大がかりになる、高温材料しか使えないためシーリングが難しく熱サイクルで割れやすい等の問題がある。このように、SOFCにとっては作動温度をいかに下げるかが最重要開発課題である。
近年、この作動温度を600〜800[℃]まで低温化して金属材料の使用を可能にした安価なSOFCの開発が試みられている。しかし、YSZは、このような温度域でのイオン伝導度が低く、十分な出力が得られない。このため、この温度域でのイオン伝導度に優れた材料として、ベロブスカイト型酸化物、特に、ランタンガレート系酸化物(La1−sSrsGa1−mMgmOx:以下LSGMと表記する。)の適用が進められている。
しかし、LSGMは、材料強度が非常に低く薄膜の形成が困難である。また、大面積のセルを作製するだけではなく、燃料電池セルを積層してスタック化した場合に加わる応力により燃料電池セルを薄くすることが困難であることから、SOFCの作動温度を下げることは困難な状況にある。
このような問題の解決策として、LSGMに1.5〜6[wt%]程度のアルミナを添加することでLSGM強度を高めることが提案されている(例えば、特許文献1参照。)。
特開2000−44340号公報
しかしながら、上記特許文献1に記載された方法においても、その強度は20〜50[%]程度、曲げ強度としては210〜270[MPa]程度の向上であった。これは、従来からの一般的な固体酸化物電解質であるイットリア8[mol%]添加ジルコニア(以下、8YSZと表記する。)の強度よりも低く、さらに、イオン伝導度に劣るがより強度に優れたイットリア3[mol%]添加ジルコニア(以下、3YSZと表記する。)の数分の1以下でしかなく、積層してスタックとするためには強度が十分ではないという問題点があった。
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、第1の発明である燃料電池セルは、電解質層の一方の面に燃料極、もう一方の面に空気極がそれぞれ形成された平板状の燃料電池セルであって、前記電解質層が、固体酸化物から形成される複数の電解質部と、セラミック材料から形成され前記電解質部を支持する支持部とを備えることを要旨とする。
また、第2の発明である電解質層の製造方法は、燃料電池セルに用いられる電解質層の製造方法であって、複数の固体酸化物電解質部と該固体酸化物電解質部を一体に支持する支持部とを熱処理により結合したことを要旨とする。
第1の発明によれば、十分な強度を有する燃料電池セルが得られるため、固体電解質を薄膜化して出力密度を向上させると共に、燃料電池セルを大面積化することができる。
また、第2の発明によれば、固体酸化物電解質部と支持部とを確実に結合させることができる。
以下、本発明の実施の形態を図1〜図13を用いて説明する。
以下、図1〜6を用いて実施例1について説明する。この実施例は本発明を電解質支持型の並行平板型固体酸化物型燃料電池に適用した例である。
図1(a)は、本発明の実施例1を示す平面図である。図1(b)は、図1(a)のIb-Ib線に沿って切断した断面図である。図1(c)は、図1(b)のIc部拡大断面図である。
図1(a)、(b)、(c)に示すように、本実施例の燃料電池セル1は、電解質層2と、電解質層2を挟むように形成されている空気極5と燃料極6によって平板状に形成されている。電解質層2は、固体酸化物から形成される複数(実施例1では4個)の電解質部4と、電解質部4の周囲を支持する支持板3及び支持部3aから形成されている。支持部3aは、図1(a)において破線で示しているように、支持板3の内側に十字状に形成されて電解質部4の周囲を梁状に支えている。
燃料電池セル1の外径は、例えば100[mm]×100[mm]角、電解質部4の大きさは36[mm]×36[mm]、厚さは80[μm]程度である。電解質部4は、LSGM(La0.9Sr0.1Ga0.8Mg0.2Ox)から形成されている。支持板3及び支持部3aは、セラミック材料、たとえば3YSZによって形成されている。そして、電解質層2の上面には空気極5、下面には燃料極6が電解質層2を挟むように形成されている。
また、支持板3には、燃料電池セル1を積層した場合に、各燃料電池セル1へ空気又は燃料ガスを供給、排気するためのマニホールド7a、7b、7c、7dが形成されている。7aは、各燃料電池セル1に空気を供給するための空気供給マニホールドである。7bは、各燃料電池セル1に供給された燃料ガスを排気するための燃料ガス排気マニホールドである。7cは、各燃料電池セル1に供給された空気を排気するための空気排気マニホールドである。7dは、各燃料電池セル1に燃料ガスを供給するための燃料ガス供給マニホールドである。
図2は、実施例1における燃料電池スタック1Aの一部を示す断面図である。図2(a)は、空気供給マニホールド7a、空気排気マニホールド7cを結ぶ線で燃料電池スタック1Aを切断した空気流路部断面図である。図2(b)は、燃料ガス供給マニホールド7d、燃料ガス排気マニホールド7bを結ぶ線で燃料電池スタック1Aを切断した燃料ガス流路部断面図である。
燃料電池スタック1Aは、燃料電池セル1を複数枚積層したものである。また、燃料電池スタック1Aには、燃料電池セル1間の電気的導通をはかるとともに、所要の電圧を得る際の各燃料電池セル1間を接続し(積層化機能)、更に各燃料電池セル1の燃料ガスと空気を分離するために、導電体であるセパレータ8が配置されている。セパレータ8は、隔壁板、インターコネクタ、バイポーラプレート等とも呼ばれ、空気や燃料ガスを流す溝を有した構造であり、例えばフェライト系ステンレス鋼等の耐熱金属で形成されている。
また、図2(a)、(b)に示すように、各燃料電池セル1には、セパレータ8に形成された間隙と支持板3に形成された空気供給マニホールド7a、空気排気マニホールド7cによって空気流路9、10が形成されている。また、セパレータ8に形成された間隙と支持板3に形成された燃料ガス排気マニホールド7b、燃料ガス供給マニホールド7dによって燃料ガス流路12、13が形成されている。
なお、空気極5及び燃料極6の外側には、集電体11が配置されている。この部分は一般に空気極5及び燃料極6に熱圧着されて一体化されたものとして作られており、空気極5及び燃料極6に電気的に接続されている。
次に、図3〜6を用いて、本実施例における燃料電池セル1の作製方法を説明する。
まず、3YSZの原料粉と適当なバインダー、例えばポリビニルブチラール及び例えばエチルセルロース等から形成される分散媒からなるスラリーを作製し、ドクターブレード法によってスラリーをキャリアフィルム上に薄く引き伸ばして所定の厚さのシートに成形する。次に、このシートを赤外線ヒーターとファンにより分散媒を揮発させて乾燥させ、グリーンシートを作製する。そして、このグリーンシートを切断・パンチング等により適当なサイズに揃え、マニホールド7a、7b、7c、7d及び、後の工程で電解質の原料を塗布するための開口部14a、14b、14c、14dを形成する。開口部14a、14b、14c、14dは四角形であり、支持板3の内側に4ヶ所設けられている。次に、数100〜1000[℃]程度の熱処理を行い、図3(a)に示すように、支持部3aと四角形の開口部14a、14b、14c、14dを4ヶ所を備えた10[cm]四方、厚さ100[μm]程度の支持板3の仮焼体を形成する。なお、図3(b)は、図3(a)のIIIb-IIIb線に沿って切断した断面図である。
次に、LSGMの原料粉と適当なバインダー、例えばポリビニルブチラール及び例えばエチルセルロース等から形成される分散媒からなるスラリーを作製する。そして、支持板3の仮焼体を多孔質の型に設置してスラリーを滴下し、型に分散媒を吸収させた後、型から支持板3の仮焼体を外して乾燥させる。この工程により、図4(a)に示すように、支持板3の仮焼体の内側に電解質4のスラリーが塗布された状態になる。図4(b)は、図4(a)のIVb-IVb線に沿って切断した断面図であり、開口部14c、14dに電解質が塗布されて電解質部4d、4cが形成されたとともに、支持部3a及び電解質部4d、4cの上面にも電解質4が塗布されていることが示されている。
そして、図5(a)、(b)に示すように、余分な電解質4を削り取り成型した後、1500[℃]程度にて焼成を行い電解質部4a、4b、4c、4dを作製する。
最後に、図6(a)、(b)に示すように、電解質層2の燃料極6となる面(下面)に支持部3a及び電解質部4d、4cの下面を覆うようにNiOとジルコニアからなるNi−サーメット材料を50[μm]程度塗布し、1000〜1200[℃]程度の温度で焼成して燃料極6を作製する。次に、空気極5となる面(上面)にLaxSr1−xCoO3(以下、LSCと表記する。)を50[μm]程度塗布し、800〜900[℃]程度で焼成して空気極5を作製することにより、燃料電池セル1とする。
以上示したように、実施例1では、機械的強度に優れる3YSZを支持板3及び支持部3aに用い、発電に寄与する電解質部4にのみイオン伝導度の優れたLSGMを用いている。従来は、高いイオン伝導度が求められる電解質部分も、イオン伝導度は要求されず強度が求められる外周部やマニホールド部分等も単一の材質で形成していた。しかし、本発明によれば燃料電池セル1を積層して燃料電池スタック1Aを形成する際に、ガスシール性の確保等の理由により強い応力のかかる外周部である支持板3やマニホールド7a、7b、7c、7d周辺、支持部3aを強度に優れた3YSZにて構成し、高いイオン伝導度が求められる電解質部4のみをLSGMで形成することにより、発電特性に優れ、かつ強度にも優れた電解質層2が得られ、更には発電特性及び強度にも優れた燃料電池セル1が得られる。
また、電解質層2全体の強度の向上により、電解質層2の大口径化も可能となる。例えば、本実施例においてはLSGMの面積はセル板全体の約52[%]、曲げ強度175[MPa]であるのに対し、3YSZによる支持部の面積は48[%]、曲げ強度1200[MPa]である。これらの値から換算すると平均667[MPa]となり、電解質層2全体をLSGMで形成する場合の4倍程度の強度を見込むことができる。
なお、本実施例では、電解質層2の作製を支持板3及び支持部3aの仮焼体を形成した後にスラリー塗布を行う鋳込み成型法にした方法にて行っているが、作製方法はこれに限られるものではない。例えば、仮焼成した支持板3及び支持部3aにやはり仮焼成焼成を行った電解質部4を配置し、必要によって接着用として支持板3及び支持部3aの材料となっているスラリーを接合部に滴下、焼成を行っても良い。また、仮焼成した支持板3及び支持部3aに既に1500[℃]程度で焼成を行った電解質部4を配置し、必要によっては接着用として支持板3及び支持部3aの材料となっているスラリーを接合部に滴下、焼成を行っても良い。また、支持板3及び支持部3aと電解質部4をともに高温にて焼成を行った後、必要によって接着用として支持板3及び支持部3aの材料となっているスラリーを接合部に滴下、焼成を行っても良い。これらは使用する原料、バインダー、熱膨張係数等使用する材料にあわせて最適化すれば良い。
次に、上記した実施の形態の変形例を示す。図7(a)は、本発明の変形例を示す平面図である。図7(b)は、図7(a)のVIIb-VIIb線に沿って切断した断面図である。図7(c)は、図7(b)のVIIc部拡大断面図である。この変形例では、支持板3’及び支持部3a’、電解質部4a’、4b’、4c’、4d’をそれぞれ高温にて焼成を行った後、電解質部4a’、4b’、4c’、4d’を開口部に挿入し、接着用として支持部材料のスラリーを接合部に滴下、焼成を行って作製した燃料電池セル1’を示す。
図7(c)に示すように、電解質部4a’、4b’、4c’、4d’を配置する支持板3’に形成した開口部周辺には、電解質部4a’、4b’、4c’、4d’を受け止めるための突起部3b’、3c’が形成されている。また、電解質部4a’、4b’、4c’、4d’の挿入による押し付け応力を考慮すると、支持板3’及び支持部3a’の厚さは電解質部4a’、4b’、4c’、4d’より厚く、燃料電池セル1’の状態では支持板3’表面は電解質部4a’、4b’、4c’、4d’の表面より高いことが望ましい。このような形状にすることにより、燃料電池セル1’を積層してスタック化した場合に、電解質部4a’、4b’、4c’、4d’の表面には直接応力がかからず、応力は支持板3’及び支持部3a’にのみかかる。このため、電解質部4a’、4b’、4c’、4d’が破損することが防止される。
なお、本実施例では電解質としてLSGMを使用したが、電解質はこれに限るものではなく、ペロブスカイト系酸化物であるCo添加LSGM等の他、SDC(SmドープCeO2)、GDC(GdドープCeO2)等も使用することが可能であり、当然ながらSc2O3添加ZrO2(以下、ScSZと表記する。)等も使用可能である。
また、本実施例では支持部の材料としては3YSZをあげたが、強度が高く熱膨張係数が近いセラミック材料であればこれに限るものではない。また、熱膨張係数の調整にあたり、他の金属酸化物セラミックス、例えばアルミナ、マグネシア、スピネル等を添加することも可能である。また、成型はグリーンシートを切断・パンチング等により行っているがプレス成型、鋳込み成型等の他の方法でももちろん可能である。
更に、実施例1及び変形例では、開口部を四角形として4ヶ所設けているが、この形状に限らず他の形状とすることが可能である。例えば、図8(a)、(b)、(c)、(d)に示すように、支持板3A、3B、3C、3Dに形成した開口部15、16、17、18のような形状が上げられ、図8(a)、(b)のように開口部15、16の角を落としたり、角をアール状にしても良い。この形状の場合には、電解質の角部の欠落、損傷を防ぐことができる。また、図8(b)に示すように、開口部16を小型・多数枚化することで電解質部にかかる応力を低減し、電解質の割れを防止することができる。更に、図8(c)に示すように、開口部17を電解質を方形ではなく円形とし接合部の応力分布を均一化することにより、電解質の割れ、損傷を防止することも可能である。また、図8(d)に示すように、開口部18を小型・多角形にて最密にレイアウトすることにより電解質の応力による割れ、損傷を防止するとともに、発電有効面積を大きくすることも可能である。
次に、図9、10を用いて実施例2について説明する。この実施例における燃料電池セル21は、図10(a)に示すように、支持板23の両面又はいずれか一方の面の支持部23a上に凸部23bが形成されている点において実施例1とは異なっている。
図9(a)は、本発明の実施例2を示す平面図である。図9(b)は、図9(a)のIXb-IXb線に沿って切断した断面図である。図9(a)、(b)に示すように、本実施例の燃料電池セル21は、電解質層22と、電解質層22を挟むように形成されている空気極25と燃料極26によって平板状に形成されている。電解質層22は、固体酸化物から形成される複数(実施例2では9個)の電解質部24と、電解質部24の周囲を支持する支持板23及び支持部23aによって形成されている。支持部23aは、図10(a)で示しているように、支持板23の内側に形成されて電解質部24の周囲を梁状に支えている。
また、この実施例における燃料電池セル21は、図10(a)に示すように、支持板23の両面又はいずれか一方の面の支持部23a上に凸部23bが形成されている。凸部23b上に空気極25が形成されて、この空気極25が集電層を兼ねている。この実施例2では、図9(b)に示すように、支持部23aの交点部分に凸部23bが形成されており、その上には電解質上から連なった空気極25が形成されている。
そして、支持板23には、燃料電池セル21を積層した場合に、各燃料電池セル21へ空気又は燃料ガスを供給、排気するためのマニホールド27a、27b、27c、27dが形成されている。27aは、各燃料電池セル21に空気を供給するための空気供給マニホールドである。27bは、各燃料電池セル21に供給された燃料ガスを排気するための燃料ガス排気マニホールドである。27cは、各燃料電池セル21に供給された空気を排気するための空気排気マニホールドである。27dは、各燃料電池セル21に燃料ガスを供給するための燃料ガス供給マニホールドである。
図10(b)は、空気供給マニホールド27a、空気排気マニホールド27cを結ぶ線で燃料電池スタック21Aを切断した燃料電池スタック21Aの空気流路部断面図である。燃料電池スタック21Aは、燃料電池セル21を複数枚積層したものである。また、各燃料電池スタック21A間には、導電体であるセパレータ28が配置されている。また、図10(b)に示すように、各燃料電池セル21には、セパレータ28に形成された間隙と支持板23に形成された空気供給マニホールド27a、空気排気マニホールド27cによって空気流路28、29が形成されている。また、燃料極26の外側には、集電体30が配置されている。
このように本実施例では、スタック化した際に凸部23b上の空気極25がセパレータ28に押し付けられることになるため、空気極25が集電体の役割をはたすことになる。従って、製造工程等を増やすことなく、空気極25側に特別に集電体を入れることなしに、燃料電池セル21間の電気的な接続が可能となる。なお、本実施例ではこの凸部23bを片面にのみ形成しているが、両面に形成することももちろん可能である。
次に、図11を用いて実施例3について説明する。この実施例における燃料電池セル31は、図11(a)に示すように、支持板33の両面又はいずれか一方の面の支持部33a上に形成された凸部33bによってガス流路が形成されている点において実施例2とは異なっている。
図11(a)は、本発明の実施例3を示す平面図である。図11(b)は、図11(a)のXIb-XIb線に沿って切断した断面図である。図11(c)は、図11(a)のXIc-XIc線に沿って切断した断面図である。
図11(a)、(b)、(c)に示すように、本実施例の燃料電池セル31は、電解質層32と、電解質層32を挟むように形成されている空気極35と燃料極36によって平板状に形成されている。電解質層32は、固体酸化物から形成される複数(実施例3では9個)の電解質部34と、電解質部34の周囲を支持する支持板33及び支持部33aから形成されている。支持部33aは、図11(a)において破線で示しているように、支持板33の内側に形成されて電解質部34の周囲を梁状に支えている。
また、この実施例における燃料電池セル31は、図11(c)に示すように、支持板33の両面又はいずれか一方の面の支持部33a上に形成された流路板33bがガス流路となっている。また、図11(b)、(c)に示すように、流路板33b上に空気極35が形成されて、この空気極35が集電層を兼ねている。
そして、支持板33には、燃料電池セル31を積層した場合に、各燃料電池セル31へ空気又は燃料ガスを供給、排気するためのマニホールド37a、37b、37c、37dが形成されている。37aは、各燃料電池セル31に空気を供給するための空気供給マニホールドである。37bは、各燃料電池セル31に供給された燃料ガスを排気するための燃料ガス排気マニホールドである。37cは、各燃料電池セル31に供給された空気を排気するための空気排気マニホールドである。37dは、各燃料電池セル31に燃料ガスを供給するための燃料ガス供給マニホールドである。
従来の燃料電池セルでは、ほぼ全面に電解質部が形成されているため、その表面にガス流路が形成されることはなく、通常セパレータ側にガス流路が形成されていた。しかし、この実施例においては、支持部33aを成型するときに、支持部33a上に同時に流路板33bを形成することが可能であり、工程を追加することなくセパレータの流路形成を省くことが可能となる。また、この実施例では、実施例2と同様に空気極35上から連なる電極を流路板33b上にも形成しており、集電体の機能も兼ねている。なお、本実施例では、この流路板33bを片面にのみ形成しているが、両面に形成することももちろん可能である。
図12に実施例4を示す。この実施例における燃料電池セル41は、図12(c)に示すように、支持板43及び支持部43aと電解質部44の間に、両者の熱膨張係数の間にあるセラミック材料が応力緩和層48として挿入されている点において実施例1とは異なっている。
図12(a)は、本発明の実施例4を示す平面図である。図12(b)は、図12(a)のXIIb-XIIb線に沿って切断した断面図である。図12(c)は、図12(a)のXIIc部拡大断面図である。
図12(a)、(b)、(c)に示すように、本実施例の燃料電池セル41は、電解質層42と、電解質層42を挟むように形成されている空気極45と燃料極46によって平板状に形成されている。電解質層42は、固体酸化物から形成される複数(実施例4では9個)の電解質部44と、電解質部44の周囲を支持する支持板43及び支持部43aから形成されている。支持部43aは、図12(a)において破線で示しているように、支持板43の内側に形成されて電解質部44の周囲を梁状に支えている。
また、この実施例における燃料電池セル41は、図12(b)、(c)に示すように、電解質部44と支持板43及び支持部43aとの間に、電解質部44外周を被うように応力緩和層48が形成されている。この応力緩和層48は電解質部44の熱膨張係数と支持板43及び支持部43aの熱膨張係数との間の熱膨張係数を有するセラミック材料で形成されている。
そして、支持板43には、燃料電池セル41を積層した場合に、各燃料電池セル41へ空気又は燃料ガスを供給、排気するためのマニホールド47a、47b、47c、47dが形成されている。47aは、各燃料電池セル41に空気を供給するための空気供給マニホールドである。47bは、各燃料電池セル41に供給された燃料ガスを排気するための燃料ガス排気マニホールドである。47cは、各燃料電池セル41に供給された空気を排気するための空気排気マニホールドである。47dは、各燃料電池セル41に燃料ガスを供給するための燃料ガス供給マニホールドである。
本実施例では、熱膨張係数差に起因する応力を応力緩和層48により緩和できるため、支持板43及び支持部43aの材質の自由度が増え、より高強度な材料を支持板43及び支持部43aに使用することが可能となる。
図13に実施例5を示す。この実施例における燃料電池セル11は、図13(b)、(c)に示すように、セラミック材料からなる支持部53aの外周に、耐熱金属製のフレーム部58が形成されている点において実施例1とは異なっている。
図13(a)は、本発明の実施例5を示す平面図である。図13(b)は、図13(a)のXIIIb-XIIIb線に沿って切断した断面図である。図13(c)は、図13(a)のXIIIc部拡大断面図である。
図13(a)、(b)、(c)に示すように、本実施例の燃料電池セル51は、電解質層52と、電解質層52を挟むように形成されている空気極55と燃料極56によって平板状に形成されている。電解質層52は、固体酸化物から形成される複数(実施例5では9個)の電解質部54と、電解質部54の周囲を支持する支持板53及び支持部53aから形成されている。支持部53aは、図13(a)において破線で示しているように、支持板53の内側に形成されて電解質部54の周囲を梁状に支えている。
また、この実施例における燃料電池セル51は、図13(b)、(c)に示すように、支持部53aの外周と支持板53との間に、耐熱金属製のフレーム部58が形成されている。支持部53aとフレーム部58は、例えば、珪素酸化物を主成分としたガラス等によって形成された接合剤59によって接合されている。なお耐熱金属としては、例えばフェライト系ステンレス鋼を使用することが可能である。
そして、支持板53には、燃料電池セル51を積層した場合に、各燃料電池セル51へ空気又は燃料ガスを供給、排気するためのマニホールド57a、57b、57c、57dが形成されている。57aは、各燃料電池セル51に空気を供給するための空気供給マニホールドである。57bは、各燃料電池セル51に供給された燃料ガスを排気するための燃料ガス排気マニホールドである。57cは、各燃料電池セル51に供給された空気を排気するための空気排気マニホールドである。57dは、各燃料電池セル51に燃料ガスを供給するための燃料ガス供給マニホールドである。
これまでにも、燃料電池セルを積層してスタック化するにあたり、その締め付け応力を緩和するために電解質層に金属フレームを接合する手法がとられていた。しかし、従来のLSGM等の電解質材料ではその強度が低いため、接合材から発生する応力に電解質材料が耐えられず、破損する等の問題があった。しかし、本実施例においては、強度の高いセラミック材料からなる支持部53aに耐熱金属製のフレーム部58を接合することにより、発電性能に優れながらこれまで強度が低いために使用できなかった電解質材料を使用することが可能となる。
1 燃料電池セル
2 電解質層
3 支持板
3a 支持部
4 電解質部
5 空気極
6 燃料極
2 電解質層
3 支持板
3a 支持部
4 電解質部
5 空気極
6 燃料極
Claims (12)
- 電解質層の一方の面に燃料極、もう一方の面に空気極がそれぞれ形成された平板状の燃料電池セルであって、
前記電解質層が、固体酸化物から形成される複数の電解質部と、セラミック材料から形成され前記電解質部を支持する支持部とを備えることを特徴とする燃料電池セル。 - 前記電解質部と前記支持部が熱処理により結合されていることを特徴とする請求項1に記載の燃料電池セル。
- 前記電解質部の形状が、四角形、六角形又は円形であることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載された燃料電池セル。
- 前記電解質部が、前記支持部の内側で最密になるように配置されていることを特徴とする請求項1乃至請求項3の何れか一項に記載された燃料電池セル。
- 前記電解質層の両面又はいずれか一方の面において、前記支持部上に凸部が形成され、かつ電極部に電気的に接続された集電層が前記凸部上に形成されていることを特徴とする請求項1乃至請求項4の何れか一項に記載された燃料電池セル。
- 前記燃料極又は前記空気極が前記集電層を兼ねていることを特徴とする請求項5に記載の燃料電池セル。
- 前記電解質層の両面又はいずれか一方の面において、前記凸部によってガス流路が形成されていることを特徴とする請求項5又は請求項6に記載された燃料電池セル。
- 前記集電層が、前記凸部上に形成されていることを特徴とする請求項7に記載の燃料電池セル。
- 前記電解質部と前記支持部との間に前記電解質部外周を被うように応力緩和層が形成されており、前記応力緩和層は前記電解質部の熱膨張係数と前記支持部の熱膨張係数との間の熱膨張係数を有する材料で形成されていることを特徴とする請求項1乃至請求項8の何れか一項に記載された燃料電池セル。
- 前記支持部の外周部に、耐熱金属製のフレーム部が形成されていることを特徴とする請求項1乃至請求項9の何れか一項に記載された燃料電池セル。
- 燃料電池セルに用いられる電解質層の製造方法であって、
複数の固体酸化物電解質部と該固体酸化物電解質部を一体に支持する支持部とを熱処理により結合したことを特徴とする電解質層の製造方法。 - 予め複数の開口部を有するセラミック材料からなる支持部を仮焼結する工程と、
前記支持部の前記開口部を前記固体酸化物電解質部の原料で埋める工程と、
前記開口部が埋められた前記支持部を焼結して前記支持部と前記複数の電解質部とを一体化させる工程と、を備えたことを特徴とする請求項11に記載の電解質層の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003386432A JP2005149927A (ja) | 2003-11-17 | 2003-11-17 | 燃料電池セル及び電解質層の製造方法 |
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Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2009509311A (ja) * | 2005-09-23 | 2009-03-05 | コーニング インコーポレイテッド | 固体酸化物燃料電池における集成電解質シートのための応力低減マウント |
-
2003
- 2003-11-17 JP JP2003386432A patent/JP2005149927A/ja active Pending
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