JP2005149918A - 回路遮断器の外部操作ハンドル装置 - Google Patents

Abstract

【課題】回路遮断器のトリップ動作時に、外部操作ハンドル装置のロータリーハンドルが確実にトリップ表示するようにする。
【解決手段】本体ベース３に、ロータリーハンドルに連繋したハンドルアーム５ａ付きのスライドベース５，およびスライドベースの左右側縁に形成したカム面５ｂ-1〜５b-5を側方から加圧力を加えるノッチ機構７を装備し、当該ハンドル装置を回路遮断器に組付けた状態で前記ハンドルアームを回路遮断器のロッカーハンドル１ｅに係合し、ロータリーハンドルの操作で回路遮断器のロッカーハンドルをＯＮ，ＯＦＦ位置に駆動するようにした外部操作ハンドル装置において、前記本体ベース側に回路遮断器のロッカーハンドルをＯＮ位置からＴＲＩＰ位置方向に押圧付勢する補助バネ（線材バネ）８を設け、回路遮断器のトリップ動作時に補助バネの蓄勢バネ力でロッカーハンドルの移動を助勢し、ハンドル装置のロータリーハンドルをＴＲＩＰ表示位置へ確実に移動させるようにする。
【選択図】 図１

Description

本発明は、配線用遮断器，漏電遮断器などを対象とした回路遮断器に適用する外部操作ハンドル装置に関する。

配電盤，制御盤などに装備した回路遮断器を盤外から開閉操作する付属装置として、従来から外部操作ハンドル装置が広く採用されている。
この外部操作ハンドル装置は、回路遮断器のケース前面に取り付ける本体ベースに、ロータリーハンドル，該ハンドルにターンベースを介して連繋したハンドルアーム付きスライドベースを装備した構成になり、当該ハンドル装置を回路遮断器に組付けた状態で前記スライドベースのハンドルアームを回路遮断器のロッカーハンドルに係合し、ロータリーハンドルの操作により回路遮断器のロッカーハンドルをＯＮ，ＯＦＦ位置に駆動する。
また、上記の外部操作ハンドル装置について、そのＯＮ／ＯＦＦ切換え操作過程でロータリーハンドルがＯＮとＯＦＦ位置の中間で停止してしまう操作性の不具合を改善し、併せて回路遮断器のトリップ動作時には、ロータリーハンドルが停止した位置でトリップ表示ができるようにする手段として、前記スライドベースの左右側縁に形成したカム部を挟んでスライドベースの移動方向と直交する方向からローラ，付勢ばねを介して加圧力を加えるノッチ機構を追加装備した構成が本発明と同一出願人より先に提案されている（特許文献１参照）。

次に、配線用遮断器（オートブレーカ）に適用した前記の外部操作ハンドル装置を例に、その構成を図５〜図８で説明する。図において、１は回路遮断器、２は回路遮断器１に組付けた外部操作ハンドル装置である。ここで、回路遮断器１は、ケース１ａに固定接触子１ｂ、可動接触子１ｃ、反転動作式のトグルリンク機構からなる開閉機構部１ｄ、該開閉機構部１ｄに連繋してケース１ａの頂部に配したロッカーハンドル１ｅ、および過電流引外し装置１ｆなどを装備した構成になる。
かかる回路遮断器１の開閉動作は周知の通りであり、ロッカーハンドル１ｅを図示のＯＮ位置から左側に倒してＯＦＦ位置に切換えると開閉機構部１ｄが反転動作し、その開閉ばねの付勢を受けて可動接触子１ｃが開極動作する。また、主回路に過電流が流れて過電流引外し装置１ｆが作動すると開閉機構部１ｄがトリップ動作し、これに従動して可動接触子１ｃが開極して電流を自動遮断する。なお、このトリップ動作により、ロッカーハンドル１ｅは開閉機構部１ｄのトグルリンク機構に従動してＯＮ位置からＯＦＦ位置との中間位置（トリップ表示位置）に移動して停止する。

一方、前記回路遮断器１に適用する外部操作ハンドル装置２は、先記の特許文献１に詳しく述べられているように、本体ベース３にロータリーハンドル４およびスライドベース５を組付けた構成になり、ここでハンドル４は本体ベース３に軸支して後端にターンベース（クランクアーム）４ａおよびピン（クランクピン）４ｂを備えている。また、スライドベース５は、回路遮断器１のロッカーハンドル１ｅの切換方向と平行な向きにスライド可能に案内支持されており、その板面中央にスライド方向と直交する向きに長穴を開口し、この長穴に前記ターンベース４ａのピン４ｂを嵌合してロータリーハンドル４と連繋している。また、スライドベース５には、外部操作ハンドル装置２を回路遮断器１に組付けた状態で、回路遮断器１のケース１ａから突き出したロッカーハンドル１ｅの把手を前後から挟むようにハンドルアーム５ａを形成している。そして、ロータリーハンドル４を手動操作でＯＮ位置からＯＦＦ位置に回すと、ターンベース４ａのピン４ｂを介してスライドベース５が左方向にスライド移動し、ハンドルアーム５ａを介して回路遮断器１のロッカーハンドル１ｅをＯＦＦ位置に切り換える。なお、６はハンドルカバーである。

また、前記スライドベース５の左右側縁には、特許文献１に開示されているカム部，および該カム部にローラを当接して加圧するレバーからなるノッチ機構を備えている。すなわち、図８で詳示するように、スライドベース５の左右両側縁には傾斜カム面５ｂ-1〜５ｂ-5を組み合わせたカム部が形成されており、このカム部を挟んでスライドベース５の左右両側にはローラ（ベアリング）７ａ，レバー７ｂ，付勢バネ７ｃからなるノッチ機構７をヒンジ軸（ナベ小ネジ）７ｄを介して本体ベース４を装着し、付勢ばね７ｃのバネ力でローラ７ａを前記カム面に側方から押圧している。
上記の構成で、回路遮断器１がトリップ動作すると、スライドベース５が回路遮断器のロッカーハンドル１ｅに押され、これに従動してロータリーハンドル４がＯＮ位置から図６に示すＴＲＩＰ位置に移動して回路遮断器のトリップ動作を表示する。
特開２００３−１６９０１号公報

ところで、前記した従来構成の外部操作ハンドル装置は、回路遮断器のトリップ動作時におけるＴＲＩＰ表示の機能に不安定さがあり、製品によっては回路遮断器のトリップ動作時にハンドル装置のロータリーハンドルがＯＮ位置とＴＲＩＰ位置との中間に停止してしまってトリップ動作を正しく表示できないといった問題がある。
すなわち、外部操作ハンドル装置２に装備したロータリーハンドル４，スライドベース５，ノッチ機構７などの可動部品に作用する摺動摩擦抵抗は製品によってばらつきがあるほか、回路遮断器１のトリップ動作時にロータリーハンドル４をＯＮ位置からＴＲＩＰ位置に移動させるには、スライドベース５の傾斜カム面５ｂ-1に加圧当接しているノッチ機構７のローラ７ａを側方に押し退ける力が必要であり、これが回路遮断器１のロッカーハンドル１ｅに対して負荷荷重となる。このために、回路遮断器１のトリップ動作時にロッカーハンドル１ｅが外部操作ハンドル装置２のスライドベース５を押す力が弱いと、ロータリーハンドル４はＴＲＩＰ表示位置まで移動されずに、その手前で停止してしまうことになる。

そこで、本発明の目的は、前記構成の外部操作ハンドル装置について、回路遮断器のトリップ動作時にハンドル装置のロータリーハンドルの停止位置で確実にトリップ表示ができるように改良した回路遮断器の外部操作ハンドル装置を提供することにある。

上記目的を達成するために、本発明によれば、配電盤，制御盤などに装備した回路遮断器を盤外からのハンドル操作で開閉する外部操作ハンドル装置であって、その本体ベースにロータリーハンドル，該ハンドルにターンベースを介して連繋したハンドルアーム付きのスライドベース，およびスライドベースの左右側縁に形成したカム部を挟んでスライドベースの移動方向と直交する方向からローラ，レバー, 付勢ばねを介して加圧力を加えるノッチ機構を装備した構成になり、当該ハンドル装置を回路遮断器に組付けた状態で前記スライドベースのハンドルアームを回路遮断器のロッカーハンドルに係合し、ロータリーハンドルの操作により回路遮断器のロッカーハンドルをＯＮ，ＯＦＦ位置に駆動するようにしたものにおいて、
回路遮断器のトリップ動作時に前記ロータリーハンドルをＴＲＩＰ表示位置に移動させる助勢手段として、回路遮断器のロッカーハンドルをＯＮ位置からＴＲＩＰ位置方向に押圧付勢する補助バネを備えるものとする（請求項１）。

ここで、前記の補助バネは、回路遮断器の閉極状態でそのロッカーハンドルをＯＮ位置に保持する力よりも小さなバネ荷重に設定し（請求項２）、その補助バネの具体的態様としてハンドル装置の本体ベース側に線材ばねを張架し、該線材ばねにロッカーハンドルの把手部に押し当てて蓄勢させるようにする（請求項３）。

上記の構成によれば、回路遮断器の閉極状態では、外部操作ハンドル装置に備えた補助バネが蓄勢されており、そのバネ力がＯＮ位置に停止しているロッカーハンドルを背後から押圧している。なお、補助バネのバネ荷重はロッカーハンドルのＯＮ位置に保持する力よりも小さく設定されているので、回路遮断器の動作に影響することはない。この状態から主回路に過電流が流れて回路遮断器がトリップ動作した際には、開閉機構部の動作に従動してロッカーハンドルをＴＲＩＰ位置に移動させる力と同じ方向に前記補助バネのバネ力が加わることになる。
これにより、外部操作ハンドル装置の可動部（ロータリーハンドル，スライドベースなど）に作用する摺動摩擦抵抗，およびノッチ機構の加圧力に打ち勝ってロータリーハンドルをＯＮ位置からＴＲＩＰ表示位置へ移動してトリップ表示させることができる。

以下、本発明の実施の形態を図１〜図４に示す実施例に基づいて説明する。なお、実施例の図中で図５〜図８に対応する部材には同じ符号を付してその説明は省略する。
すなわち、図示実施例の外部操作ハンドル装置２は、図８に示した従来構成と比べて新たに補助バネ８が追加装備されている。ここで、図示例の補助ばね８は線材ばねであり、その線材の両端に形成した丸フックをスライドベース５の左右両側に配置したノッチ機構７のヒンジ軸（ナベ小ネジ）７ｄに嵌合して架け渡している。そして、図１のＯＮ状態では、図示のＯＮ位置に保持されている回路遮断器のロッカーハンドル１ｅが補助バネ８を右側に撓ませてバネを蓄勢している。
ここで、回路遮断器１がトリップ動作すると、その開閉機構部に従動してロッカーハンドル１ｅがＯＮ位置からＴＲＩＰ位置に向けてスライドベース２のハンドルアーム５ａを左側に押すとともに、同時にいままで蓄勢されていた補助バネ８のバネ力がロッカーハンドル１ｅに加わってロッカーハンドルの移動を助勢する。これにより、スライドベース５は傾斜カム面５ｂ-1に当接しているノッチ機構７のローラ７ａを側方に押し退けて、図３に示すＴＲＩＰ位置まで移動して停止する。また、このスライドベース５の動きに連動してロータリーハンドル４が図６に示すＯＮ位置から反時計方向に回動してＴＲＩＰ位置に停止し、この停止位置でロータリーハンドル４がトリップ表示する。

なお、図４はロータリーハンドル４をＯＦＦ位置に回して回路遮断器１を開極させたＯＦＦ状態を表しており、補助バネ８はロッカーハンドル１ｅと干渉せずにバネ力を放勢した状態に保たれている。
また、図示実施例では補助バネ８としてノッチ機構７のヒンジ軸７ｄの間に架け渡した線材バネを用いているが、これに限定されるものではなく、例えば捩じりコイルバネ（トーションバネ），圧縮バネ，あるいは板バネを用いて回路遮断器１のロッカーハンドル１ｅをＯＮ位置からＴＲＩＰ位置に向けて背後から付勢するようにしてもよい。

本発明実施例の外部操作ハンドル装置の構成図で、ＯＮ状態を表す背面図 図１の外部操作ハンドル装置を回路遮断器に組付けた状態の側面図 図１に対応したＴＲＩＰ状態を表す図 図１に対応したＯＦＦ状態を表す図 従来の外部操作ハンドル装置を回路遮断器に組付けた状態の側面図 図５の平面図 図５の内部構造を表す側視断面図 図５における外部操作ハンドル装置の背面図

符号の説明

１ 回路遮断器
１ｅ ロッカーハンドル
２ 外部操作ハンドル装置
３ 本体ベース
４ ロータリーハンドル
５ スライドベース
５ａ ハンドルアーム
５ｂ-1〜５ｂ-5 カム部の傾斜カム面
７ ノッチ機構
７ａ ローラ
７ｂ レバー
７ｃ 付勢バネ
８ 補助バネ

Claims (3)

1. 配電盤，制御盤などに装備した回路遮断器を盤外からのハンドル操作で開閉する外部操作ハンドル装置であって、その本体ベースにロータリーハンドル，該ハンドルにターンベースを介して連繋したハンドルアーム付きのスライドベース，およびスライドベースの左右側縁に形成したカム部を挟んでスライドベースの移動方向と直交する方向からローラ，レバー，付勢ばねを介して加圧力を加えるノッチ機構を装備した構成になり、当該ハンドル装置を回路遮断器に組付けた状態で前記スライドベースのハンドルアームを回路遮断器のロッカーハンドルに係合し、ロータリーハンドルの操作により回路遮断器のロッカーハンドルをＯＮ，ＯＦＦ位置に駆動するようにしたものにおいて、
   回路遮断器のトリップ動作時に前記ロータリーハンドルをＴＲＩＰ表示位置に移動させる助勢手段として、回路遮断器のロッカーハンドルをＯＮ位置からＴＲＩＰ位置方向に付勢する補助バネを備えたことを特徴とする回路遮断器の外部操作ハンドル装置。
2. 請求項１に記載の外部操作ハンドル装置において、補助バネのバネ荷重を、回路遮断器の閉極状態でそのロッカーハンドルをＯＮ位置に保持する開閉機構部のバネ力よりも小さく設定したことを特徴とする回路遮断器の外部操作ハンドル装置。
3. 請求項１または２に記載の外部操作ハンドル装置において、その本体ベース側に線材ばねを張架し、該線材ばねにロッカーハンドルの把手部を押し当てて蓄勢させるようにしたことを特徴とする回路遮断器の外部操作ハンドル装置。

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