JP2005147556A - 車両用温度検出装置および車両用空調装置 - Google Patents

車両用温度検出装置および車両用空調装置 Download PDF

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Abstract

【課題】 車両乗員の体格が変化しても、乗員の所望の部位の温度を安定して検出できるようにする。
【解決手段】 乗員が着座している座席のヘッドレストの設定位置信号に基づいて、乗員の身長を求める。乗員の表面温度を検出するために固定配置されたマトリクスIRセンサの温度検出素子のうち、乗員の身長に応じて、温度検出に用いない温度検出素子を選択する。乗員の身長が小さいほど、天地方向の上方の検出範囲に対応する温度検出素子を多数選択する。これにより検出された乗員の表面温度は、乗員の身長に拘らず、着衣部である肩および肩より下の腹部の表面温度を検出することができる。
【選択図】 図5

Description

本発明は、乗員の表面温度を非接触で検出する非接触温度センサを備えた車両用温度検出装置に関し、さらには、検出された乗員の表面温度に応じて車室内の空調状態を制御する車両用空調装置に関する。
従来、マトリクス状に配置された複数の温度検出素子により非接触で対象物の温度を検出するマトリクスIRセンサにより、乗員を含む領域の温度分布を検出し、この検出された温度分布に基づいて乗員および乗員の周辺の温度を推定するものがあった(例えば、特許文献1参照)。
特開平10−230728号公報
しかし、上記従来技術では、マトリクスIRセンサが検出した温度分布より、熱画像処理によって乗員の人体領域を抽出し、さらに、乗員の着衣領域(胴部)や皮膚領域(顔部)を細かく抽出し、各部位の温度を推定する必要があった。すなわち、マトリクスIRセンサの検出結果より、乗員の所望の部位、例えば、肩部や顔部などの温度を検出しようとする場合、熱画像処理が必要となり、システムが複雑になるという問題があった。
本発明は、上記点に鑑み、車両乗員の体格が変化しても、乗員の所望の部位の温度を安定して検出できるようにすることを目的とする。さらに、本発明は、検出した乗員の所望の部位の温度に基づいて車室内の空調状態を調整することを目的とする。
上記目的を達成するため、請求項1に記載の発明は、車室(1)内の座席を含むように予め設定されている複数の被検温範囲の表面温度をそれぞれ非接触で検出する複数の温度検出素子(a1〜a8、b1〜b8、c1〜c8、d1〜d8)を有する非接触温度センサを備える車両用温度検出装置であって、座席に着座する乗員の体格に関する体格情報を発生する乗員体格情報発生手段(80)と、発生された乗員の体格情報に基づき、複数の温度検出素子より所望の温度検出素子を選択する選択手段(8)と、選択された温度検出素子により検出された温度に基づき乗員の温度を算出する乗員温度算出手段(8)とを備えることを特徴とする。
これにより、検出対象である座席上の乗員の体格に応じて、乗員付近の被検温範囲を検出対象とする複数の温度検出素子より温度検出するための温度検出素子を限定して選択するので、乗員の体格が変化しても乗員の所望の部位の温度を検出することができる。
乗員の体格情報は、請求項2に記載のように、乗員の身長または座高の大きさに相当するものとすることができる。すなわち、乗員の体格情報は、例えば、座席上での肩の上下位置と相関のある体格情報とすることができる。
なお、乗員体格情報発生手段は、請求項3に記載のように、乗員の着座位置におけるヘッドレスト設定位置情報を入力する手段(80)を備え、ヘッドレスト設定位置情報に基づき乗員の体格情報を発生することができる。すなわち、ヘッドレスト位置は、乗員自らにより乗員の体格、例えば、身長や座高の大きさに応じた適当な高さの位置に設定されるので、設定されたヘッドレスト位置より、乗員の体格を把握することができる。
また、乗員体格情報発生手段は、請求項4に記載のように、乗員の着座位置におけるシートベルト設定位置情報を入力する手段(80)を備え、シートベルト設定位置情報に基づき乗員の体格情報を発生することができる。すなわち、例えば、アジャスタブル・シートベルトアンカーの高さ変更により設定されるシートベルト位置は、乗員自らにより乗員の体格、例えば、身長や座高の大きさに応じた適当な高さに設定されるので、設定されたヘッドレスト位置より、乗員の体格を把握することができる。
また、乗員体格情報発生手段は、請求項5に記載のように、乗員の体格情報が記憶されている携帯無線端末と通信を行う通信手段より、通信手段が受信した乗員の体格情報が入力されるように構成することができる。このような通信手段は、車室内において、無線LANにより情報の送受を行うシステムを用いることができる。
さらに、乗員体格情報発生手段は、請求項6に記載のように、乗員を撮像するカメラと、カメラにより撮像された画像より乗員の体格情報を抽出する画像処理手段とを備え、画像処理手段より抽出された乗員の体格情報を入力するようにすることができる。
請求項7に記載の発明は、複数の温度検出素子は、複数の被検温範囲が互いに隣接し、かつ乗員の下方から上方へ連なって形成されるように配置され、選択手段は、乗員の体格情報に基づき、乗員の体格が大きくなるほど被検温範囲のうち選択上限位置が上方となるよう温度検出素子を選択することを特徴とする。
これにより、乗員の体格、すなわち身長または座高が大きいほど、選択する被検温範囲の選択上限位置を上方へ、すなわち、乗員の下から上へ連なって設定されている被検温範囲の選択範囲を、下から上へと範囲を広げることができる。したがって、乗員の体格が変化しても、温度検出対象となる被検温範囲を、乗員の体格の一定範囲、例えば腹部より下、あるいは肩より下、等の一定の範囲に設定することができる。
また、乗員温度算出手段は、請求項8に記載のように、選択された温度検出素子による検出温度のうち最も低い温度を抽出して、この抽出された温度を乗員の温度とすることにより、乗員の体格が変化しても、被検温範囲にある温度の最も低い部位を乗員の温度とすることができる。
あるいは、乗員温度算出手段は、請求項9に記載のように、選択された温度検出素子のうち最も上方の被検温範囲を検出する温度検出素子を抽出し、温度検出素子の検出温度を乗員の温度とすることにより、乗員の体格が変化しても、被検温範囲内の最も上方に位置する部位の温度を乗員の温度とすることができる。
請求項10に記載の発明は、車室(1)内の空調状態を調整する空調手段(5、6)と、請求項1ないし9のいずれか1つに記載の車両用温度検出装置により検出された乗員の複数の被検温範囲における温度分布に基づき、被検温範囲間の温度差が少なくなるように空調状態を調整するよう空調手段を制御する制御手段(8)と、を備えることを特徴とする車両用空調装置である。
この発明によれば、乗員の体格が変化しても、乗員の所定の部位の温度分布を検出し、この温度分布が少なくなるように、すなわち、検出された被検温範囲間の温度差が少なくなるように空調状態を制御する。したがって、乗員の体格が変化しても、温度差の少ない快適な空調状態を得ることができる。
請求項11に記載の発明は、車室(1)内の空調状態を調整する空調手段(5、6)と、請求項1ないし9のいずれか1つに記載の車両用温度検出装置により検出された乗員の温度に基づき目標吹出温度を算出し、この目標吹出温度に基づき空調状態を調整するように空調手段を制御する制御手段(8)と、を備えることを特徴とする車両用空調装置である。
この発明によれば、乗員の体格の変化があっても、乗員の所定部位の温度を乗員の温度として代表させ、この乗員の温度に基づいて目標吹出温度を算出するので、車室内の空調状態は、乗員の体格の変化に拘らず、乗員の所定部位の快適性を実現することができる。
請求項12に記載の発明は、車室(1)内の空調状態を調整する空調手段(5、6)と、請求項1ないし9のいずれか1つに記載の車両用温度検出装置と、車両用温度検出装置により検出された乗員の温度に応じて空調状態を制御する制御手段(8)とを備える車両用空調装置であって、選択手段が、発生された乗員の体格情報に基づき、複数の温度検出素子より所望の複数の温度検出素子を選択し、乗員温度算出手段が、選択された複数の温度検出素子による温度分布に基づき、乗員の温度を算出し、制御手段は、乗員の温度に基づいて目標吹出温度を算出するとともに、目標吹出温度に基づき空調状態を調整するように空調手段を制御することを特徴とする車両用空調装置である。
この発明によれば、乗員の体格に応じて、乗員の所定部位を被検温範囲とするよう温度検出素子を選択して、乗員の温度分布を検出できるので、この温度分布より、乗員の体格変化によらず乗員の温度を算出することができる。そして、この乗員の体格変化によらない乗員の温度に応じて目標吹出温度を算出して、この目標吹出温度に基づいて車室内の空調状態を調整するので、乗員の体格の変化に拘らず、乗員の所定部位の快適性を実現することができる。
請求項13に記載の発明は、乗員温度算出手段は、選択された複数の温度検出素子の検出温度のうち最も低い検出温度を抽出し、抽出された温度を乗員の温度とすることを特徴とする。
この発明によれば、乗員の温度を、複数の温度検出素子により検出された温度のうち最も低い温度で代表させるので、この最も低い温度の乗員温度に応じて算出される目標吹出温度に基づいて車室内を空調状態を調整することにより、乗員の体格の変化に拘らず、乗員の最も低い温度の部位の快適性を向上させることができる。すなわち、車室内の冷房時にあっては、乗員の低温部位の冷えすぎを抑制することができ、暖房時にあっては、乗員の低温部位の温度上昇を促進することができる。
また、乗員温度算出手段は、請求項14に記載のように、選択された複数の温度検出素子の検出温度より乗員の肩部に相当する温度を抽出し、抽出された温度を乗員の温度とするようにすれば、目標吹出温度を乗員の肩部の温度に応じて決めることができ、これにより、空調時における乗員の肩部の快適性を向上させること、すなわち冷房時における肩部の冷えすぎの抑制および暖房時における肩部の温度上昇の促進を可能にする。
なお、上記各手段の括弧内の符号は、後述する実施形態に記載の具体的手段との対応関係を示すものである。
(第1実施形態)
以下、本発明の第1実施形態について図面を参照して説明する。図1は本実施形態による車両用空調装置の室内空調ユニット部の吹出口配置状態を示す平面概要図、図2は室内空調ユニット部および制御ブロックを含む全体構成図である。
本第1実施形態は、車室内1の前後左右の計4つの空調ゾーン1a、1b、1c、1dをそれぞれ独立して空調制御する。図1、図2は右ハンドル車の場合を示しており、上記空調ゾーン1a〜1dをより具体的に説明すると、空調ゾーン1aは、前席空調ゾーンのうち右側、すなわち、運転席側に位置する。空調ゾーン1bは、前席空調ゾーンのうち左側、すなわち、助手席側に位置する。
そして、空調ゾーン1cは、後席空調ゾーンのうち右側窓寄りに位置し、空調ゾーン1dは、後席空調ゾーンのうち左側窓寄りに位置する。なお、図1中、後部座席の乗員の尻部が当たる座面をシートクッション部30、乗員の背があたる面をシートバック部31として示し、特に後席右側(左側)乗員のシートクッション部30c(30d)、シートバック部31c(30d)として図示している。また、図1中の前後左右の各矢印は、車両搭載時における前後左右の方向を示す。
車両用空調装置の室内空調ユニット部は前席用空調ユニット5と後席用空調ユニット6とから構成されている。前席用空調ユニット5は、前席右側および左側の空調ゾーン1a、1bのそれぞれの空調状態(例えば、空気温度)を独立して調整するためのものであり、後席用空調ユニット6は、後席右側および左側の空調ゾーン1c、1dのそれぞれの空調状態を独立して調整するためのものである。
前席用空調ユニット5は、車室内1の最前部の計器盤7の内側に配置されており、後席用空調ユニット6は、車室内1の最後方に配置されている。前席用空調ユニット5は、車室内1の前席側に空気を送風するためのダクト50を備えている。このダクト50の最上流部には、車室内1から内気を導入するための内気導入口50aおよび車室外から外気を導入するための外気導入口50bが設けられている。
さらに、ダクト50には、外気導入口50bおよび内気導入口50aを選択的に開閉する内外気切替ドア51が設けられており、この内外気切替ドア51には、駆動手段としてのサーボモータ510aが連結されている。
また、ダクト50内のうち外気導入口50bおよび内気導入口50aの空気下流側には、車室内1に向けて吹き出される空気流を発生させる遠心式送風機52が設けられている。遠心式送風機52は、遠心式羽根車およびこの羽根車を回転させるブロワモータ52aにより構成されている。なお、図2において、この羽根車は図の簡略化のため軸流式羽根車を示しているが、実際は遠心式の羽根車が使用されている。
さらに、ダクト50内にて遠心式送風機52の空気下流側には、空気を冷却する空気冷却手段としてのエバポレータ53が設けられており、さらに、このエバポレータ53の空気下流側には、空気加熱手段としてのヒータコア54が設けられている。
そして、ダクト50内のうちエバポレータ53の空気下流側には仕切り板57が設けられており、この仕切り板57により、ダクト50内の空気通路を車両左右両側の2つの通路、すなわち、運転席側通路50cと助手席側通路50dとに仕切っている。
運転席側通路50cのうちヒータコア54の側方には、バイパス通路51aが形成されており、バイパス通路51aは、ヒータコア54に対してエバポレータ53により冷却された冷風をバイパスさせる。
また、助手席側通路50dのうちヒータコア54の側方には、バイパス通路51bが形成されており、バイパス通路51bは、ヒータコア54に対してエバポレータ53により冷却された冷風をバイパスさせる。
運転席側通路50cおよび助手席側通路50dにおいてヒータコア54の空気上流側に、それぞれ、エアミックスドア55a、55bが独立に操作可能に設けられている。前席右側のエアミックスドア55aは、その開度により、運転席側通路50cを流通する冷風のうちヒータコア54を通る量(温風量)とバイパス通路51aを通る量(冷風量)との比を調整して、前席右側の空調ゾーン1aへの吹出空気温度を調整する。
また、前席左側のエアミックスドア55bは、その開度により、助手席側通路50dを流通する冷風のうちヒータコア54を通る量(温風量)とバイパス通路51bを通る量(冷風量)との比を調整して、前席左側の空調ゾーン1bへの吹出空気温度を調整する。
なお、前席左右のエアミックスドア55a、55bには、駆動手段としてのサーボモータ550a、550bがそれぞれ連結されており、エアミックスドア55a、55bの開度は、サーボモータ550a、550bによって、それぞれ独立に調整される。
エバポレータ53は、図示しないコンプレッサ、凝縮器、受液器、減圧器とともに、周知の冷凍サイクルを構成している低圧側の冷却用熱交換器である。このエバポレータ53は、ダクト50内を流れる空気から低圧側冷媒が蒸発潜熱を吸熱して蒸発することにより、ダクト50内の空気を冷却する。なお、冷凍サイクルのコンプレッサは、車両エンジンに電磁クラッチ(図示しない)を介して連結され、電磁クラッチを断続制御することによって駆動停止制御される。
ヒータコア54は、車両エンジンからの温水(エンジン冷却水)を熱源とする加熱用熱交換器であり、このヒータコア54は蒸発器53通過後の空気を加熱する。
運転席側通路50cおよび助手席側通路50dのうちヒータコア54の空気下流側(最下流部)には、前席右側フェイス吹出口2aおよび前席左側フェイス吹出口2bが設けられている。
前席右側フェイス吹出口2aは、運転席側通路50cから運転席に着座する運転席乗員の上半身に向けて空気を吹き出す。また、前席左側フェイス吹出口2bは、助手席側通路50dから助手席に着座する助手席乗員の上半身に向けて空気を吹き出す。
さらに、運転席側通路50cおよび助手席側通路50dのうち前席右側フェイス吹出口2aおよび前席左側フェイス吹出口2bの各空気上流部には、それぞれ、前席右側フェイス吹出口2aを開閉する吹出口切替ドア56aおよび前席左側フェイス吹出口2bを開閉する吹出口切替ドア56bが設けられている。これら吹出口切替ドア56aおよび56bは、それぞれ駆動手段としての前席右側のサーボモータ560a、および前席左側のサーボモータ560bによって、開閉駆動される。
なお、前席右側フェイス吹出口2aと前席左側フェイス吹出口2bは、具体的には図1に示すようにそれぞれ、計器盤7の左右方向の中央部寄り部位に位置するセンターフェイス吹出口と計器盤7の左右方向の両端部付近に位置するサイドフェイス吹出口とに分けて配置される。
また、図1、図2には図示していないが、運転席側通路50cの最下流部には、上記前席右側フェイス吹出口2aの他に、前席右側フット吹出口および前席右側デフロスタ吹出口が設けられている。前席右側フット吹出口は運転席側通路50cから運転者の下半身に空気を吹き出す。前席右側デフロスタ吹出口は運転席側通路50cからフロントガラスの内表面のうち前席右側領域に空気を吹き出す。
助手席側通路50dの最下流部には、上記前席左側フェイス吹出口2bの他に、前席左側フット吹出口および前席左側デフロスタ吹出口が設けられている。前席左側フット吹出口は助手席側通路50dから助手席乗員の下半身に空気を吹き出す。前席左側デフロスタ吹出口は助手席側通路50dからフロントガラスの内表面のうち前席左側領域に空気を吹き出す。
そして、運転席側通路50cにおいて前席右側フット吹出口および前席右側デフロスタ吹出口の空気上流部には、それぞれの吹出口を開閉する吹出口切替ドア(図示せず)が設けられている。そして、これら前席右側のフェイス、フットおよびデフロスタの各吹出口切替ドアは、上述した前席右側のサーボモータ560aにより連動して開閉駆動される。
また、助手席側通路50dにおいて前席左側フット吹出口および前席左側デフロスタ吹出口の空気上流部には、それぞれの吹出口を開閉する吹出口切替ドア(図示せず)が設けられている。そして、これら前席左側のフェイス、フットおよびデフロスタの各吹出口切替ドアは、上述した前席左側のサーボモータ560bにより連動して開閉駆動される。
後席用空調ユニット6は、車室内1に送風するためのダクト60を備えている。このダクト60内の最上流部には、車室内1から内気導入口60aを通して内気のみを導入する内気導入ダクト60bが接続されている。
内気導入ダクト60bの空気下流側には、車室内1に向けて吹き出される空気流を発生させる遠心式送風機62が設けられている。遠心式送風機62は、遠心式羽根車およびこの羽根車を回転させるブロワモータ62aにより構成されている。なお、この羽根車も図2において、上記と同様、図の簡略化のため軸流式羽根車を示しているが、実際は遠心式の羽根車が使用されている。
さらに、ダクト60内において遠心式送風機62の空気下流側には、空気を冷却する空気冷却手段としてのエバポレータ63が設けられており、このエバポレータ63の空気下流側には、空気を加熱する空気加熱手段としてのヒータコア64が設けられている。
そして、ダクト60内のうちエバポレータ63の下流部分には仕切り板67が設けられており、この仕切り板67により、ダクト60内の空気通路を車両左右両側の2つの通路、すなわち、後席右側通路(後席運転席側通路)60cと後席左側通路(後席助手席側通路)60dとに仕切っている。
後席右側通路60cのうちヒータコア64の側方には、バイパス通路61aが形成されており、バイパス通路61aは、ヒータコア64に対してエバポレータ63により冷却された冷風をバイパスさせる。
また、後席左側通路60dのうちヒータコア64の側方には、バイパス通路61bが形成されており、バイパス通路61bは、ヒータコア64に対してエバポレータ63により冷却された冷風をバイパスさせる。
後席右側通路60cおよび後席左側通路60dにおいてヒータコア64の空気上流側には、それぞれエアミックスドア65a、65bが独立に操作可能に設けられている。後席右側のエアミックスドア65aは、その開度により、後席右側通路60cを流通する冷風のうちヒータコア64を通る量(温風量)とバイパス通路61aとを通る量(冷風量)との比を調整して、後席右側の空調ゾーン1cへの吹出空気温度を調整する。
また、後席左側のエアミックスドア65bは、その開度により、後席左側通路60dを通過する冷風のうちヒータコア64を通る量(温風量)とバイパス通路61bを通る量(冷風量)との比を調整して、後席左側の空調ゾーン1dへの吹出空気温度を調整する。
そして、後席右側および後席左側のエアミックスドア65a、65bには、駆動手段としてのサーボモータ650a、650bがそれぞれ連結されており、後席右側および後席左側のエアミックスドア65a、65bの開度は、サーボモータ650a、650bによって、それぞれ独立に調整される。
エバポレータ63は、上述した周知の冷凍サイクルにおいて前席側のエバポレータ53に対して並列的に配管結合される冷却用熱交換器である。
また、ヒータコア64は、車両エンジンからの温水(エンジン冷却水)を熱源とする加熱用熱交換器であり、ヒータコア64は、温水回路において前席側のヒータコア54に対し並列的に接続され、エバポレータ63通過後の空気を加熱する。
ダクト60内の後席右側通路60cのうちヒータコア64の空気下流側(最下流部)には、後席右側フェイス吹出口2cが設けられている。後席右側フェイス吹出口2cは、後席右側通路60cから後席の右側(すなわち、後席運転席側)に着座する乗員(以下、後席右側乗員という)の上半身に向けて空気を吹き出す。
また、ダクト60内の後席左側通路60dのうちヒータコア64の空気下流側(最下流部)には、後席左側フェイス吹出口2dが設けられている。後席左側フェイス吹出口2dは、後席左側通路60dから後席の左側(すなわち、後席助手席側)に着座する乗員(以下、後席左側乗員という)の上半身に向けて空気を吹き出す。
ここで、後席左右の各フェイス吹出口2c、2dの空気上流部には、それぞれ吹出口切替ドア66a、66bが設けられ、後席左右の各フェイス吹出口2c、2dを開閉するようになっている。この後席左右の吹出口切替ドア66a、66bは、駆動手段としてのサーボモータ660a、660bによって開閉駆動される。
そして、図1、図2には図示しないが、後席右側通路60cの最下流部には、後席右側フェイス吹出口2cの他に後席右側フット吹出口が設けられている。この後席右側フット吹出口は、後席右側通路60cから空気を後席右側乗員の下半身に向けて吹き出す。
同様に、後席左側通路60dの最下流部には、後席左側フェイス吹出口2dの他に後席左側フット吹出口が設けられている。この後席左側フット吹出口は、後席左側通路60dから空気を後席左側乗員の下半身に向けて吹き出す。
この後席左右の各フット吹出口の空気上流部には、それぞれ吹出口切替ドア(図示せず)が設けられており、この後席左右の各吹出口切替ドアは、上記サーボモータ660c、660dによってそれぞれ開閉駆動される。
制御手段(空調制御装置)としてのエアコンECU8の入力側には、外気温度センサ81、冷却水温度センサ82、日射センサ83、内気温度センサ84、85および蒸発器温度センサ86、87が接続されている。
外気温度センサ81は、車室外温度を検出しその検出温度に応じた外気温度信号TamをエアコンECU8に出力する。冷却水温度センサ82は、エンジンの冷却水(すなわち温水)の温度を検出しその検出温度に応じた冷却水温度信号TwをエアコンECU8に出力する。
日射センサ83は、フロントウインドウの内側にて車両左右方向の略中央部分に配置された周知の2素子(2D)タイプの日射センサであり、車室内の前席右側空調ゾーン1aに入射される日射量と前席左側空調ゾーン1bに入射される日射量とを検出し、それら検出した各日射量に応じた日射量信号TsDrおよびTsPaをエアコンECU8に出力する。
内気温度センサ84は、車室内の空調ゾーン1a、1b(前席側空調領域)の空気温度を検出しその検出温度に応じた内気温度信号TrFrをエアコンECU8に出力する。内気温度センサ85は、車室内の空調ゾーン1c、1d(後席側空調領域)の空気温度を検出しその検出温度に応じた内気温度信号TrRrをエアコンECU8に出力する。
蒸発器温度センサ86は、エバポレータ53の吹出空気温度を検出しその検出温度に応じた蒸発器吹出温度信号TeFrをエアコンECU8に出力するもので、蒸発器温度センサ87は、エバポレータ63の吹出空気温度を検出しその検出温度に応じた蒸発器吹出温度信号TeRrをエアコンECU8に出力する。
また、エアコンECU8には、空調ゾーン1a、1b、1c、1dのそれぞれの希望温度TsetFrDr、TsetFrPa、TsetRrDr、TsetRrPaが乗員により設定される温度設定スイッチ9、10、11、12、と、各空調ゾーン1a〜1dの表面温度を検出するための非接触温度センサとしての右側用および左側用のマトリクス赤外線温度(IR)センサ70a、70bとが接続されている。なお、温度設定スイッチ9、10、11、12のそれぞれ近傍には、希望温度等の設定内容を表示する希望温度表示手段としてのディスプレイ9a、10a、11a、12aが備えられている。
右側用および左側用のマトリクスIRセンサ70a、70bとしては、入力される赤外線量の変化に対応した起電力変化を温度変化として検出するサーモパイル型検出素子が用いられている。以下、右側用および左側用のマトリクスIRセンサ70a、70bの具体的な構成について図3を用いて説明する。
右側用および左側用のマトリクスIRセンサ70a、70bは、共に同様の構成を備えている。以下では、右側用のマトリクスIRセンサ70aについて説明し、左側用のマトリクスIRセンサ70bについては説明を簡略化する。
右側用マトリクスIRセンサ70aは、図3に示すように、検知部71を有しており、検知部71は、基板71a、この基板71a上に設置されるセンサチップ72、および、このセンサチップ72を覆うように配設される赤外線吸収膜73を備えている。検知部71は、台座71c上に配置されるとともに、カップ状のケース71bによって覆われている。ケース71bの底部には、四角形の窓71dがあけられ、この窓71dにはレンズ71eが填め込まれている。また、赤外線吸収膜73は、空調ゾーン1c、1dの各検温対象物からレンズ71eを通して入射される赤外線を吸収して熱に変換する役割を果たす。
センサチップ72上には、それぞれ8個の熱電対部a1〜a8と熱電対部c1〜c8とが縦4列、横2列のマトリクス状に配列されている。これらの熱電対部a1〜a8、c1〜c8は、それぞれ、赤外線吸収膜73から発生する熱を電圧(電気エネルギー)にそれぞれ変換する温度検出素子である。
さらに、右側用マトリクスIRセンサ70aの温度検出素子a1〜a8は前席右側の空調ゾーン1aが被検温範囲となるよう、また、温度検出素子c1〜c8は後席右側の空調ゾーン1cが被検温範囲となるよう、それぞれ配置されている。
なお、左側用マトリクスIRセンサ70bの温度検出素子b1〜b8、d1〜d8は、右側用マトリクスIRセンサ70aと左右対称となるよう配置されており、温度検出素子b1〜b8は前席左側の空調ゾーン1bが被検温範囲となるよう、また、温度検出素子d1〜d8が被検温範囲となるよう、それぞれ配置されている。
図4は右側用および左側用のマトリクスIRセンサ70a、70bの配置位置を示している。右側用および左側用のマトリクスIRセンサ70a、70bは、ともに車室内の天井部において車両前方の左右中央に配置されているルームミラー近傍またはルームミラー近傍のルームランプ付近に配置されている。そして、右側用マトリクスIRセンサ70aは、空調ゾーン1aの前席右側乗員付近および空調ゾーン1cの後席右側乗員付近からの赤外線を受光するよう、および、左側用マトリクスIRセンサ70bは、空調ゾーン1bの前席左側乗員付近および空調ゾーン1dの後席左側乗員付近からの赤外線を受光するよう、それぞれ配置されている。なお、図4中、それぞれのマトリクスIRセンサ70a、70bの赤外線の受光範囲を直線で表す。
また、図5は、一例として、右側用マトリクスIRセンサ70aの被検温範囲と、前席右側の空調ゾーン1aおよび後席右側の空調ゾーン1cにおけるそれぞれの乗員付近との対応を示す図である。なお、図5において、各被検温範囲はそれぞれ対応する温度検出素子の符号a1〜a8およびc1〜c8で示されている。
図5において、空調ゾーン1aを検出範囲とする温度検出素子a1〜a8のうち、一方の列の4つの温度検出素子a5〜a8は、それぞれの被検温範囲が互いに隣接し、かつ前席右側乗員の下方(例えば腹部)から上部(例えば頭部)へ、a8、a7、a6、a5の順に連なって形成されるよう配置されている。なお、他方の列の温度検出素子a1〜a4は、前席右側のサイドウインドウおよび内装部分が被検温範囲となるよう配置されている。
また、空調ゾーン1cを検出範囲とする2列の温度検出素子c1〜c4およびc5〜c8は、それぞれの被検温範囲が互いに隣接し、かつ後席右側乗員の下方(例えば下腹部)から上部(例えば頭部)へ、c4、c3、c2、c1およびc8、c7、c6、c5の順に、それぞれ連なって形成されるよう配置されている。
また、各温度検出素子に対応する被検温範囲の車両天地方向の大きさは、下方の温度検出素子ほど大きくなるように設定されている。具体的には、図5に示すように、前席右側乗員を検出する温度検出素子a5、a6、a7、a8は、上方から下方へa5、a6、a7、a8の順に天地方向の被検温範囲が広くなるように形成されている。同様に、後席右側の乗員を検出する温度検出素子c1、c2、c3、c4およびc5、c6、c7、c8は、それぞれ上方から下方へc1、c2、c3、c4およびc5、c6、c7、c8の順に天地方向の被検温範囲が広くなるように形成されている。このような被検温範囲の大きさは、センサチップ72上における温度検出素子の面積を適宜変えることにより設定可能である。
なお、各マトリクスIRセンサ70a、70bの配置は固定されており、各温度検出素子の検温範囲は車室内において常に一定の領域に固定されている。したがって、例えば乗員が座席上で動くと、当然、被検温範囲内でも乗員の各部位(頭、顔、肩、胸、腹など)の位置変化が発生する。このことから、後述する温度検出素子の選択上限位置に関連する、天地の上方に配置される温度検出素子a5、a6およびc1、c2、c5、c6の被検温範囲は、他の温度検出素子a7、a8、c3、c4、c7、c8の被検温範囲よりも、上記のように、車両の天地方向において狭く設定することにより、乗員の体格(身長や座高)のわずかな変化に対しても、乗員の被測定部位との対応関係を一定にすることを容易に行うことができる。
さらにまた、エアコンECU8には、各座席の乗員の体格情報を発生する乗員体格情報発生手段としてのパワーシートECU80が接続されている。図6は、後席(後部座席)を例に、シートバック部31に設けられた右側のヘッドレスト800cおよび左側のヘッドレスト800dが上下する状況を示している。
シートバック部31内には、各ヘッドレスト800c、800dをそれぞれ上下に駆動するアクチュエータ801c、801dが設けられている。パワーシートECU80には、各乗員から設定器(図示せず)を介して所望のヘッドレスト設定位置が設定される。パワーシートECU80は、乗員により設定されたヘッドレスト設定位置に応じたヘッドレスト設定位置信号Hをアクチュエータ801c、801dに与える。アクチュエータ801c、801dは、パワーシートECU80からのヘッドレスト設定位置信号Hに基づき、ヘッドレスト800c、800dを上下方向の設定位置まで駆動して、それらの位置決めを行う。
すなわち、ヘッドレストの高さは、着座している乗員によリ、所望の高さとなるよう変更設定される。したがって、最終的なヘッドレスト設定位置信号Hは、乗員の身長または座高などの体格を反映したものであり、ヘッドレスト設定位置と乗員の身長または座高との関係を予めマップとして設定することが可能である。
なお、パワーシートECU80からは、上述した後席側と同様、前席右側(運転席)および前席左側(助手席)のそれぞれのシートバック部内に配置され、各前席のヘッドレストを上下駆動するアクチュエータ(図示せず)に対しても、ヘッドレスト設定位置信号Hが出力されている。
パワーシートECU80から出力される各座席のヘッドレスト設定位置信号は、エアコンECU8へ入力される。エアコンECU8は、入力したヘッドレスト設定位置信号H、すなわちヘッドレスト設定位置(ヘッドレスト高さ)より、各乗員の体格情報としての身長または座高を算出する。このヘッドレスト位置(高さ)と乗員の身長(または座高)の大きさとの関係は、エアコンECU8に予め設定されている。
以上のように、パワーシートECU80は、エアコンECU8に対して乗員体格情報発生手段として機能する。
エアコンECU8は、アナログ/デジタル変換器、マイクロコンピュータ等を有して構成される周知のものであり、右側用および左側用マトリクスIRセンサ70a、70b、パワーシートECU80、日射センサ83、各温度センサ81、82、84、85、86、87および温度設定スイッチ9、10、11、12からそれぞれ出力される出力信号は、アナログ/デジタル変換器によりアナログ/デジタル変換されてマイクロコンピュータにそれぞれ入力されるように構成されている。
マイクロコンピュータは、ROM、RAMなどのメモリ、およびCPU(中央演算装置)等から構成される周知のもので、イグニッションスイッチがオンされたときに、図示しないバッテリから電力供給される。
次に、上記構成において本第1実施形態の作動を図7〜図12に基づいて説明する。
エアコンECU8は、電源が投入されると、メモリに記憶された制御プログラム(コンピュータプログラム)がスタートして、図7および図8、9に示すフローチャートにしたがって空調制御処理を実行する。なお、以下では、前席空調処理および後席空調処理を分けて図7を参照して説明する。図7は各空調ゾーンに対してそれぞれ独立に実行される空調処理の内容を示している。また、図8は前席右側の目標吹出温度TAOFrDrの演算処理の内容を示し、図9は後席右側の目標吹出温度TAORrDrの演算処理の内容を示している。なお、前席左側の目標吹出温度TAOFrPaおよび後席左側の目標吹出温度TAORrPaの演算においても、それぞれ、これら図8および図9に示す処理フローと同様の処理フロー(図示せず)にしたがって演算される。
(前席空調処理)
まず、温度設定スイッチ9、10から前席右側および前席左側の設定温度信号TsetFrDr、TsetFrPaを読み込むとともに(ステップS121)、外気温度センサ81及び日射センサ83から外気温度信号Tam、日射量信号TsDr、TsPaを読み込み、内気温度センサ84から内気温度TrFrを読み込み、パワーシートECU80から前席側の各座席のヘッドレスト設定位置信号Hを読み込む(ステップS122)。
次に、目標吹出温度TAOを算出する(ステップS123)。ここでの演算は、詳しくは図8の処理フローにしたがって行われる。なお、図8は、前席側のうち前席右側(運転席側)の空調ゾーン1aに関する処理フローを示しているが、前席左側(助手席側)の空調ゾーン1bについても同様である。したがって、以下では、前席右側の空調ゾーン1aについて説明するものとし、前席左側の空調ゾーン1bに関しては()内に併記して説明を簡略化する。
図8において、まず、入力された前席右側(前席左側)のヘッドレスト設定位置信号Hに基づき、乗員の体格情報としての身長hが予め設定されているマップより算出され、この身長hが165cm以下か、165cmから180cmまでの範囲か、180cm以上かが判定される(ステップS200)。
h≦165ならば、右側用(左側用)マトリクスIRセンサ70a(70b)の温度検出素子a1〜a8、c1〜c8(b1〜b8、d1〜d8)のうち、前席右側(前席左側)の乗員を被検温範囲とする温度検出素子a5〜a8(b5〜b8)より、選択上限位置を温度検出素子a7(b7)の配置位置として、選択上限位置以下の下方に配置されている2つの温度検出素子a7、a8(b7、b8)が選択される(ステップS201)。この選択された温度検出素子により、前席右側(前席左側)の乗員の肩および肩より下の腹部を含む着衣部位を被検温範囲とすることができる。
さらに、この選択された温度検出素子a7、a8(b7、b8)による検出温度Ta7、Ta8(Tb7、Tb8)のうち最も低い温度が数式1(数式2)により抽出され、抽出された温度が前席右側(前席左側)の乗員の表面温度TirFrDr(TirFrPa)とされる(ステップS202)。
TirFrDr=MIN(Ta7,Ta8) ・・・(数式1)
TirFrPa=MIN(Tb7,Tb8) ・・・(数式2)
数式1(数式2)により、乗員の着衣部のうちで最も低い温度が抽出されて、これが乗員表面温度TirFrDr(TirFrPa)とされる。
また、165<h<180ならば、右側用(左側用)マトリクスIRセンサ70a(70b)の前席右側(前席左側)の乗員を被検温範囲とする温度検出素子a5〜a8(b5〜b8)より、選択上限位置を温度検出素子a6(b6)の配置位置として、選択上限位置以下の下方に配置されている3つの温度検出素子a6、a7、a8(b6、b7、b8)が選択される(ステップS203)。この選択された温度検出素子により、前席右側(前席左側)の乗員の肩および肩より下の腹部を含む着衣部位を被検温範囲とすることができる。
さらに、この選択された温度検出素子a6、a7、a8(b6、b7、b8)による検出温度Ta6、Ta7、Ta8(Tb6、Tb7、Tb8)のうち最も低い温度が数式3(数式4)により抽出され、抽出された前席右側(前席左側)の乗員の表面温度TirFrDr(TirFrPa)とされる(ステップS204)。
TirFrDr=MIN(Ta6,Ta7,Ta8) ・・・(数式3)
TirFrPa=MIN(Tb6,Tb7,Tb8) ・・・(数式4)
数式3(数式4)により、乗員の着衣部のうちで最も低い温度が抽出されて、これが乗員表面温度TirFrDr(TirFrPa)とされる。
さらに、h≧180ならば、右側用(左側用)マトリクスIRセンサ70a(70b)の前席右側(前席左側)の乗員を被検温範囲とする温度検出素子a5〜a8(b5〜b8)より、選択上限位置を最上位の温度検出素子a5(b5)の配置位置として、選択上限位置以下の下方に配置されている4つの温度検出素子a5,a6、a7、a8(b5、b6、b7、b8)が選択される(ステップS205)。この選択された温度検出素子により、前席右側(前席左側)の乗員の肩および肩より下の腹部を含む着衣部位を被検温範囲とすることができる。
さらに、この選択された温度検出素子a5、a6、a7、a8(b5、b6、b7、b8)による検出温度Ta5、Ta6、Ta7、Ta8(Tb5、Tb6、Tb7、Tb8)のうち最も低い温度が数式5(数式6)により抽出され、抽出された前席右側(前席左側)の乗員の表面温度TirFrDr(TirFrPa)とされる(ステップS206)。
TirFrDr=MIN(Ta5,Ta6,Ta7,Ta8) ・・・(数式5)
TirFrDr=MIN(Tb5,Tb6,Tb7,Tb8) ・・・(数式6)
数式5(数式6)により、乗員の着衣部のうちで最も低い温度が抽出されて、これが乗員表面温度TirFrDr(TirFrPa)とされる。
このように、ヘッドレスト設定位置より把握される乗員の体格情報である身長hの大きさに応じて、右側用(左側用)マトリクスIRセンサ70a(70b)が備える温度検出素子の選択上限位置を設定し、この選択上限位置より下方の温度検出素子を選択する。選択上限位置は乗員の肩部付近を被検温範囲とする温度検出素子の配置位置に相当する。したがって、選択上限位置以下の温度検出素子は、頭部や顔部を除く肩を含む腹部などの着衣部の温度を検出することができる。そして、この選択された温度検出素子の検出温度のうち最も低い温度が着衣部の最低温度として抽出し、これを乗員の表面温度とする。
そして、算出された前席右側(前席左側)の乗員の表面温度TirFrDr(TirFrPa)に基づき、数式7(数式8)により前席右側(前席左側)の空調ゾーン1a(1b)に吹き出す空気の目標吹出温度TAOFrDr(TAOFrPa)を算出する(ステップS207)。
TAOFrDr=KsetFrDr×TsetFrDr−KirFrDr×TirFrDr−KrFr×TrFr−KsDr×TsDr−Kam×Tam+CFrDr ・・・(数式7)
TAOFrPa=KsetFrPa×TsetFrPa−KirFrPa×TirFrPa−KrFr×TrFr−KsPa×TsPa−Kam×Tam+CFrPa ・・・(数式8)
なお、数式7(数式8)において、TsetFrDr(TsetFrPa)は前席右側(前席左側)の設定温度信号、TsDr(TsPa)は右側(左側)の日射量信号、TrFrは前席側の内気温度信号、Tamは外気温信号であり、これらはセンサの出力信号として読み込まれたものである。また、KsetFrDr(KsetFrPa)は前席右側用(前席左側用)温度設定ゲイン、KirFrDr(KirFrPa)は前席右側用(前席左側用)IRゲイン、KrFrは前席用内気温ゲイン、KsDr(KsPa)は右側(左側)日射ゲイン、Kamは外気温ゲイン、CFrDr(CFrPa)は前席右側用(前席左側用)補正定数である。
この目標吹出温度TAOFrDr(TAOFrPa)は、車両環境条件(空調熱負荷条件)の変動にかかわらず、前席右側(前席左側)空調ゾーン1a(1b)の温度を設定温度TsetFrDr(TsetFrPa)に維持するために必要な目標温度である。
なお、この前席右側用(前席左側用)の目標吹出温度TAOFrDr(TAOFrPa)は、数式7(数式8)よりわかるように、前席右側(前席左側)の乗員温度TirFrDr(TirFrPa)が低いほど高くなるように算出される。
すなわち、後述する空調制御によって、冷房時にあっては、前席右側(前席左側)の乗員温度TirFrDr(TirFrPa)が低いほど、前席右側用(前席左側用)の目標吹出温度TAOFrDr(TAOFrPa)は高くなるため、前席右側(前席左側)の乗員の低温部位の冷えすぎを抑制することができる。また、暖房時にあっては、前席右側(前席左側)の乗員温度TirFrDr(TirFrPa)が低いほど、前席右側用(前席左側用)の目標吹出温度TAOFrDr(TAOFrPa)は高くなるため、前席右側(前席左側)の乗員の低温部位の温度上昇を促進することができる。
換言すれば、検出された前席右側(前席左側)の乗員の最低温部位の温度で各乗員の表面温度を代表させ、この最低温部位の温度に基づいて算出される目標吹出温度に応じて当該空調ゾーン1a(1b)を空調制御することにより、前席右側(前席左側)の乗員の最低温部位とそれ以外のより高温の部位との温度差が小さくなる、すなわち前席右側(前席左側)の乗員の表面温度の温度分布が少なくなるような空調状態を実現でき、個々の乗員それぞれの空調快適性を向上することができる。
その後、上述した前席右側用(前席左側用)の目標吹出温度TAOFrDr(TAOFrPa)を図10中のTAOとし、この図10の制御マップに基づき、内外気モードを決定する(ステップS124)。図10は、予めROMに記憶されている内外気を切替える内外気モード決定の制御マップであって、内気モード(内気循環モード)では、内気導入口50aより車室内空気(内気)を導入し、外気モード(外気導入モード)では、外気導入口50bより車室外空気(外気)を導入する。
具体的には、図10に示すように、TAOFrDr(TAOFrPa)が所定温度以下となる領域(最大冷房域)では、内外気切替ドア51により内気導入口50aを全開し、外気導入口50bを全閉する内気循環モードを選択し、TAOFrDr(TAOFrPa)が所定温度より高くなると、内外気切替ドア51により外気導入口50bを全開し、内気導入口50aを全閉する外気導入モードを選択する。
次に、図11に基づき、前席右側(前席左側)の空調ゾーン1a(1b)における吹出し口モードを決定する(ステップS125)。図11は、予めROMに記憶されている吹出し口モード決定の制御マップであって、本例では、図11中TAOに相当するTAOFrDr(TAOFrPa)が上昇するにつれて、前席右側(前席左側)空調ゾーン1a(1b)の吹出口モードをフェイス(FACE)モード→バイレベル(B/L)モード→フット(FOOT)モードと順次自動的に切り替える。
ここで、フェイスモードとは、フェイス吹出口だけから空調風を吹き出すモードであり、フットモードとは、フット吹出口だけから空調風を吹き出しモードである。また、バイレベルモードとは、フェイス吹出口およびフット吹出口から空調風を吹き出すモードである。
たとえば、フェイスモードでは、前席右側(前席左側)の吹出口切替ドア56a(56b)にて前席右側(前席左側)フェイス吹出口2a(2b)を開口し、前席右側(前席左側)フェイス吹出口2a(2b)のみから空調風が車室内の前席右側(前席左側)の乗員上半身側へ吹き出す。バイレベルモードでは、前席右側(前席左側)の吹出口切替ドア56a(56b)にて前席右側(前席左側)フェイス吹出口2a(2b)および前席右側(前席左側)フット吹出口(図示せず)を開口し、空調風が前席右側(前席左側)フェイス吹出口2a(2b)および前席右側(前席左側)フット吹出口から車室内の前席右側(前席左側)の乗員上半身側および乗員下半身側へ同時に吹き出す。フットモードでは、前席右側(前席左側)の吹出口切替ドア(図示せず)にて前席右側(前席左側)フット吹出口を全開し、前席右側(前席左側)フット吹出口から主に空調風が車室内の前席右側(前席左側)乗員下半身側へ吹き出す。
次に、上述の前席右側および前席左側の目標吹出温度TAOFrDr、TAOFrPaの平均値に基づいて、送風機モータ52aに印加するブロワ電圧を決定する(ステップS126)。このブロワ電圧としては、送風機52の風量を制御するためのもので、TAOFrDrとTAOFrPaとの平均値に基づいて、予めROM内に記憶された図12の制御マップにしたがって決定されるものである。
図12の制御マップにおいて、図12中のTAOがTAOFrDrとTAOFrPaとの平均値に相当し、この平均値(=TAO)が中間領域内にあるときには、ブロワ電圧(すなわち送風機52の風量)が一定値となり、TAOが中間領域より大きい場合にはこのTAOが大きくなるほどブロワ電圧(すなわち送風機52の風量)が大きくなる。また、TAOが中間領域より小さい場合にはTAOが小さくなるほどブロワ電圧(すなわち送風機52の風量)が小さくなる。このようにして、ブロワ電圧が決定される。
次に、エアミックスドア55a、55bの目標開度θ1、θ2を次の数式9、10によって算出する(ステップS127)。
θ1={(TAOFrDr−TeFr)/(Tw−TeFr)}×100(%) ・・・(数式9)
θ2={(TAOFrPa−TeFr)/(Tw−TeFr)}×100(%) ・・・(数式10)
なお、数式9、10において、TeFrは蒸発器温度センサ86の蒸発器吹出温度信号、Twは冷却水温度センサ82の冷却水(温水)温度信号である。θ1=0%およびθ2=0%は、最大冷房位置であり、運転席側通路50cおよび助手席側通路50dにおいて、前席側のエバポレータ53通過後の空気(冷風)の全量がバイパス通路51a、51bを流れる。また、θ1=100%およびθ2=100%は、最大暖房位置であり、運転席側通路50cおよび助手席側通路50dにおいて、前席側のエバポレータ53通過後の空気(冷風)の全量がヒータコア54に流入して加熱される。
以上のように決定したブロワ電圧、目標開度θ1、θ2、内外気(切替)モード、吹出口モードのそれぞれを示す各制御信号をサーボモータ510a、550a、550b、560a、560bおよび送風機モータ52a等に出力して内外気切替ドア51、エアミックスドア55a、55b、吹出口切替ドア56a、56b、送風機52の各作動を制御する。(ステップS128)
その後、ステップS129で一定期間経過すると、ステップS121の処理に戻り、上述の空調制御処理(ステップS121〜S129)が繰り返される。このような演算、処理の繰り返しによって前席右側および左側空調ゾーン1a、1bの空調がそれぞれ独立に、自動的に制御されることになる。
(後席空調処理)
この場合、温度設定スイッチ11、12から後席右側および後席左側の設定温度信号TsetRrDr、TsetRrPaを読み込む(ステップS121)。さらに、外気温センサ81及び日射センサ83から外気温度信号Tam、日射量信号TsDr、TsPa、内気温度センサ85から内気温度TrRrを読み込み、パワーシートECU80から後席側の各座席のヘッドレスト設定位置信号Hを読み込む(ステップS122)。
次に、目標吹出温度TAOを算出する(ステップS123)。ここでの演算は、詳しくは図9の処理フローにしたがって行われる。なお、図9は、後席側のうち後席右側(運転席側)の空調ゾーン1cに関する処理フローを示しているが、後席左側(助手席側)の空調ゾーン1dについても同様である。したがって、以下では、後席右側の空調ゾーン1cについて説明するものとし、後席左側の空調ゾーン1dに関しては()内に併記して説明を簡略化する。
図9において、まず、入力された後席右側(後席左側)のヘッドレスト設定位置信号Hに基づき、乗員の体格情報としての身長hが予め設定されているマップより算出され、この身長hが165cm以下か、165cmから180cmまでの範囲か、180cm以上かが判定される(ステップS200)。
h≦165ならば、右側用(左側用)マトリクスIRセンサ70a(70b)の温度検出素子a1〜a8、c1〜c8(b1〜b8、d1〜d8)のうち、後席右側(後席左側)の乗員を被検温範囲とする温度検出素子c1〜c8(d1〜d8)より、選択上限位置を温度検出素子c3、c7(d3、d7)の配置位置として、選択上限位置以下の下方に配置されている4つの温度検出素子c3、c4、c7、c8(d3、d4、d7、d8)が選択される(ステップS211)。この選択された温度検出素子により、後席右側(後席左側)の乗員の肩および肩より下の腹部を含む着衣部位を被検温範囲とすることができる。
さらに、この選択された温度検出素子c3、c4、c7、c8(d3、d4、d7、d8)による検出温度Tc3、Tc4、Tc7、Tc8(Td3、Td4、Td7、Td8)のうち最も低い温度が数式11(数式12)により抽出され、抽出された温度が後席右側(後席左側)の乗員の表面温度TirRrDr(TirRrPa)とされる(ステップS212)。
TirRrDr=MIN(Tc3,Tc4,Tc7,Tc8) ・・・(数式11)
TirRrPa=MIN(Td3,Td4,Td7,Td8) ・・・(数式12)
数式11(数式12)により、乗員の着衣部のうちで最も低い温度が抽出されて、これが乗員表面温度TirRrDr(TirRrPa)とされる。
また、165<h<180ならば、右側用(左側用)マトリクスIRセンサ70a(70b)の温度検出素子a1〜a8、c1〜c8(b1〜b8、d1〜d8)のうち、後席右側(後席左側)の乗員を被検温範囲とする温度検出素子c1〜c8(d1〜d8)より、選択上限位置を温度検出素子c2、c6(d2、d6)の配置位置として、選択上限位置以下の下方に配置されている6つの温度検出素子c2、c3、c4、c6、c7、c8(d2、d3、d4、d6、d7、d8)が選択される(ステップS213)。この選択された温度検出素子により、後席右側(後席左側)の乗員の肩および肩より下の腹部を含む着衣部位を被検温範囲とすることができる。
さらに、この選択された温度検出素子c2、c3、c4、c6、c7、c8(d2、d3、d4、d6、d7、d8)による検出温度Tc2、Tc3、Tc4、Tc6、Tc7、Tc8(Td2、Td3、Td4、Td6、Td7、Td8)のうち最も低い温度が数式13(数式14)により抽出され、抽出された後席右側(後席左側)の乗員の表面温度TirRrDr(TirRrPa)とされる(ステップS214)。
TirRrDr=MIN(Tc2,Tc3,Tc4,Tc6,Tc7,Tc8) ・・・(数式13)
TirRrPa=MIN(Td2,Td3,Td4,Td6,Td7,Td8) ・・・(数式14)
数式13(数式14)により、乗員の着衣部のうちで最も低い温度が抽出されて、これが乗員表面温度TirRrDr(TirRrPa)とされる。
さらに、h≧180ならば、右側用(左側用)マトリクスIRセンサ70a(70b)の温度検出素子a1〜a8、c1〜c8(b1〜b8、d1〜d8)のうち、後席右側(後席左側)の乗員を被検温範囲とする温度検出素子c1〜c8(d1〜d8)より、選択上限位置を最上位の温度検出素子c1、c5(d1、d5)の配置位置として、選択上限位置以下の下方に配置されている8つの温度検出素子c1〜c8(d1〜d8)が選択される(ステップS215)。この選択された温度検出素子により、後席右側(後席左側)の乗員の肩および肩より下の腹部を含む着衣部位を被検温範囲とすることができる。
さらに、この選択された温度検出素子c1〜c8(d1〜d8)による検出温度Tc1〜Tc8(Td1〜Td8)のうち最も低い温度が数式15(数式16)により抽出され、抽出された後席右側(後席左側)の乗員の表面温度TirRrDr(TirRrPa)とされる(ステップS216)。
TirRrDr=MIN(Tc1,Tc2,Tc3,Tc4,Tc5,Tc6,Tc7,Tc8) ・・・(数式15)
TirRrDr=MIN(Td1,Td2,Td3,Td4,Td5,Td6,Td7,Td8) ・・・(数式16)
数式15(数式16)により、乗員の着衣部のうちで最も低い温度が抽出されて、これが乗員表面温度TirRrDr(TirRrPa)とされる。
このように、ヘッドレスト設定位置より把握される乗員の体格情報である身長hの大きさに応じて、右側用(左側用)マトリクスIRセンサ70a(70b)が備える温度検出素子の選択上限位置を設定し、この選択上限位置より下方の温度検出素子を選択する。選択上限位置は乗員の肩部付近を被検温範囲とする温度検出素子の配置位置に相当する。したがって、選択上限位置以下の温度検出素子は、頭部や顔部を除く肩を含む腹部などの着衣部の温度を検出することができる。そして、この選択された温度検出素子の検出温度のうち最も低い温度が着衣部の最低温度として抽出し、これを乗員の表面温度とする。
そして、算出された後席右側(後席左側)の乗員の表面温度TirRrDr(TirRrPa)に基づき、数式17(数式18)により後席右側(後席左側)の空調ゾーン1c(1d)に吹き出す空気の目標吹出温度TAORrDr(TAORrPa)を算出する(ステップS217)。
TAORrDr=KsetRrDr×TsetRrDr−KirRrDr×TirRrDr−KrRr×TrRr−KsDr×TsDr−Kam×Tam+CRrDr ・・・(数式17)
TAORrPa=KsetRrPa×TsetRrPa−KirRrPa×TirRrPa−KrRr×TrRr−KsPa×TsPa−Kam×Tam+CRrPa ・・・(数式18)
なお、数式17(数式18)において、TsetRrDr(TsetRrPa)は後席右側(後席左側)の設定温度信号、TsDr(TsPa)は右側(左側)の日射量信号、TrRrは後席側の内気温度信号、Tamは外気温信号であり、これらはセンサの出力信号として読み込まれたものである。また、KsetRrDr(KsetRrPa)は後席右側用(後席左側用)温度設定ゲイン、KirRrDr(KirRrPa)は後席右側用(後席左側用)IRゲイン、KrRrは後席用内気温ゲイン、KsDr(KsPa)は右側(左側)日射ゲイン、Kamは外気温ゲイン、CRrDr(CRrPa)は後席右側用(後席左側用)補正定数である。
この後席右側用(後席左側用)の目標吹出温度TAORrDr(TAORrPa)は、車両環境条件(空調熱負荷条件)の変動にかかわらず、後席右側(後席左側)空調ゾーン1c(1d)の温度を設定温度TsetRrDr(TsetRrPa)に維持するために必要な目標温度である。
なお、この後席右側用(後席左側用)の目標吹出温度TAORrDr(TAORrPa)は、数式15(数式16)よりわかるように、後席右側(後席左側)の乗員温度TirRrDr(TirRrPa)が低いほど高くなるように算出される。すなわち、後述する空調制御によって、冷房時にあっては、後席右側(後席左側)の乗員温度TirRrDr(TirRrPa)が低いほど、後席右側用(後席左側用)の目標吹出温度TAORrDr(TAORrPa)は高くなるため、乗員の低温部位の冷えすぎを抑制することができる。また、暖房時にあっては、後席右側(後席左側)の乗員温度TirRrDr(TirRrPa)が低いほど、後席右側用(後席左側用)の目標吹出温度TAORrDr(TAORrPa)は高くなるため、乗員の低温部位の温度上昇を促進することができる。
したがって、上述した前席空調処理において説明したとおり、検出された後席右側(後席左側)の乗員の最低温部位の温度で後席右側(後席左側)の乗員の表面温度を代表させ、この最低温部位の温度に基づいて算出される後席右側用(後席左側用)の目標吹出温度に応じて当該空調ゾーン1c(1d)を空調制御することにより、後席右側(後席左側)の乗員の最低温部位とそれ以外のより高温の部位との温度差が小さくなる、すなわち後席右側(後席左側)の乗員の表面温度の温度分布が少なくなるような空調状態を実現でき、個々の乗員それぞれの空調快適性を向上することができる。
次に、内外気モードの決定処理(ステップS124)を実行せずに(これは、後席空調では外気モードが設定されていないため)、吹出口モードの決定処理(ステップS125)を実行する。この吹出口モードの決定処理では、TAORrDr、TAORrPaに基づき、図11により吹出口モードを後席右側および左側の空調ゾーン1c、1dに対して個別に決定する。
具体的には、後席右側空調ゾーン1cの吹出口モードとしては、図11中のTAOをTAORrDrとし、このTAORrDrが上昇するにつれて吹出口モードをフェイス(FACE)モード→バイレベル(B/L)モード→フット(FOOT)モードと順次自動的に切り替える。また、後席左側空調ゾーン1dの吹出口モードとしては、図11中のTAOをTAORrPaとし、このTAORrPaが上昇するにつれて吹出口モードをフェイスモード→バイレベルモード→フットモードと順次自動的に切り替える。
ここで、フェイスモードでは、後席右側(後席左側)の吹出口切替ドア66a(66b)にて後席右側(後席左側)フェイス吹出口2c(2d)を開口し、後席右側(後席左側)フェイス吹出口2c(2d)のみから空調風が車室内の後席右側(後席左側)の乗員上半身側へ吹き出す。バイレベルモードは、後席右側(後席左側)の吹出口切替ドア66a(66b)にて後席右側(後席左側)フェイス吹出口2c(2d)および後席右側(後席左側)フット吹出口(図示せず)を開口し、空調風が後席右側(後席左側)フェイス吹出口2c(2d)および後席右側(後席左側)フット吹出口から車室内の後席右側(後席左側)の乗員上半身側および乗員下半身側へ同時に吹き出す。フットモードは、後席右側(後席左側)吹出口切替ドア(図示せず)にて後席右側(後席左側)フット吹出口を全開し、後席右側(後席左側)フット吹出口から主に空調風が車室内の乗員下半身側へ吹き出す。
次に、上述の後席右側および後席左側の目標吹出温度TAORrDr、TAORrPaの平均値(以下、後席用目標平均値という)を求め、この後席用目標平均値に基づき、図12の制御マップにしたがって、送風機モータ52aの場合と同様、送風機モータ62aに印加するブロワ電圧を決定する(ステップS126)。
次に、エアミックスドア65a、65bの目標開度θ3、θ4を次の数式19、20によって算出する。なお、TeRrは蒸発器温度センサ87の蒸発器温度信号、Twは冷却水温度センサ82の冷却水温度信号である。
θ3={(TAORrDr−TeRr)/(Tw−TeRr)}×100(%) ・・・(数式19)
θ4={(TAORrPa−TeRr)/(Tw−TeRr)}×100(%) ・・・(数式20)
なお、数式19、20において、TeRrは蒸発器温度センサ87の蒸発器温度信号、Twは冷却水温度センサ82の冷却水(温水)温度信号である。θ3=0%およびθ4=0%は、最大冷房位置であり、後席右側通路60cおよび後席左側通路60dにおいて、後席側のエバポレータ63通過後の空気(冷風)の全量がバイパス通路61a、61bを流れる。また、θ3=100%およびθ4=100%は、最大暖房位置であり、後席右側通路60cおよび後席左側通路60dにおいて、後席側のエバポレータ63通過後の空気(冷風)の全量がヒータコア64に流入して加熱される。
以上のように決定したブロワ電圧、目標開度θ3、θ4、内外気切替モード、吹出モードのそれぞれを示す各制御信号を送風機モータ62aおよびサーボモータ650a、650b、660a、660b等に出力して送風機62、エアミックスドア65a、65b、吹出口切替ドア66a、66bの作動を制御する(ステップS128)。
その後、ステップS129において一定期間経過すると、ステップS121の処理に戻り、上述の空調制御処理(ステップS121、S122、S123、S125〜S129)が繰り返される。このような処理の繰り返しによって後席右側および左側の空調ゾーン1c、1dの空調がそれぞれ独立に、自動的に制御されることになる。
以上説明したように、本実施形態では、各座席に着座している乗員の体格情報としての身長(または座高)の大きさを、乗員体格情報発生手段としてのパワーシートECU80より入力される各座席のヘッドレストの設定高さに基づき算出し、設定する。そして、設定された各座席に着座する乗員の身長の大きさに応じて、それぞれの乗員の表面温度を検出するマトリクスIRセンサ70a、70bの備える複数の温度検出素子を選択する。この温度検出素子の選択は、車室内に対して天地方向に並んで配置されている温度検出素子より、乗員の身長が大きいほど選択上限位置を天地の上方に設定し、この選択上限位置以下の下方に並んだ温度検出素子を選択する。選択された温度検出素子は乗員の、特に肩および腹部などの着衣部位の表面温度を検出する。すなわち、本実施形態では、乗員の身長などの体格がかわっても、精度よく乗員の肩や腹部等の着衣部位の温度を検出することができる。
さらに、各乗員に対して選択された温度検出素子による検出温度のうち、最も低い温度を抽出し、この最も低い温度により対象となる乗員の表面温度とする。これにより、本実施形態では、最終的にマトリクスIRセンサにより検出された乗員の温度は、乗員の着衣部の最低温度である。そして、このように検出された各座席の乗員の着衣部位の最低温度に応じて、各乗員の着座位置付近の空調ゾーンのそれぞれの目標吹出温度を決定し、この各目標吹出温度に基づいてそれぞれの空調ゾーンを独立に空調制御する。
したがって、車室内に乗り込む乗員の交代等により乗員の体格が変化しても、その乗員の身長の大きさに拘らず、乗員の着衣部位の最低温度部分を検出し、この最低温度部分に応じた目標吹出温度を設定することにより、冷房時の最低温度部分の冷えすぎの抑制や、暖房時の最低温度部分の温度上昇の促進を可能にする。
(第2実施形態)
次に、本発明の第2実施形態について図面を参照して説明する。本第2実施形態は、乗員体格情報発生手段としてのパワーシートECU80がエアコンECU8へ出力する乗員の体格情報として、シートベルト設定位置信号Hを用いる点が、上記第1実施形態と異なる。その他の構成は、第1実施形態と第2実施形態とは同一であるので、以下では、異なる点のみ説明し、その他の構成は説明を省略する。
本第2実施形態において、エアコンECU8には、第1実施形態と同様、各座席の乗員の体格情報を発生する乗員体格情報発生手段としてのパワーシートECU80が接続されている。図13は、車室内の右側センターピラー810部に設けられた、前席右側用のアジャスタブル・シートベルト・アンカー812を示している。センターピラー部810において、アジャスタブル・シートベルト・アンカー812はアクチュエータ813により、センターピラー部810に沿ってほぼ上下方向(図中、矢印方向)に駆動され、位置決めされる。通常、乗員(図13の例では前席右側乗員)により、シートベルト811の乗員肩部への当たり方を調整するために、設定器(図示せず)を介して、所望のアジャスタブル・シートベルト・アンカー812の高さが設定される。
パワーシートECU80は、乗員により設定されたシートベルト設定位置に応じたシートベルト設定位置信号Hをアクチュエータ813に与える。アクチュエータ813は、シートベルト設定位置信号Hに基づき、アジャスタブル・シートベルト・アンカー812を上下方向の設定位置まで駆動して、その位置決めを行う。
すなわち、シートベルトの高さは、着座している乗員によリ、所望の高さとなるよう変更設定される。したがって、最終的なシートベルト設定位置信号Hは、乗員の身長または座高などの体格を反映したものであり、シートベルト設定位置と乗員の身長または座高との関係を予めマップとして設定することが可能である。
なお、パワーシートECU80からは、上述した前席右側と同様、前席左側、後席右側および後席左側の座席においても、それぞれシートベルト高さ設定のためのシートベルト設定位置信号Hが各アクチュエータ(図示せず)に対して出力されている。
パワーシートECU80から出力される各座席のシートベルト設定位置信号Hは、エアコンECU8へ入力される。エアコンECU8は、入力したシートベルト設定位置信号H、すなわちシートベルト設定位置(シートベルト高さ)より、各乗員の体格情報としての身長または座高を算出する。このシートベルト位置(高さ)と乗員の身長(または座高)の大きさとの関係は、エアコンECU8に予め設定されている。
以上のように、本第2実施形態において、パワーシートECU80は、エアコンECU8に対して乗員の体格情報に相当するシートベルト設定位置を与える乗員体格情報発生手段として機能する。
エアコンECU8は、算出した乗員の身長(または座高)の大きさに応じて、各マトリクスIRセンサ70a、70bが備える温度検出素子を適宜選択し、選択された温度検出素子による検出温度の内、最も低い温度に基づき各目標吹出温度を決定し、この目標吹出温度に基づき各空調ゾーンを独立に制御することは、上記第1実施形態と全く同じであるので、説明省略する。
(他の実施形態)
上記、本発明の各実施形態は、次のように種々の構成の変更が可能である。
(1)上記第1および第2実施形態では、それぞれ、エアコンECU8において、乗員の体格情報をパワーシートECU80から各アクチュエータに出力されるヘッドレスト設定位置信号およびシートベルト設定位置信号に基づいて発生していたが、これに限らない。すなわち、パワーシートのような、ヘッドレスト位置やシートベルト・アンカー位置を電動駆動するものでなくとも、人手により各位置を設定するものでもよい。この場合、ヘッドレストのシートバック部に対する上下方向の位置を検出する位置センサをシートバック部に設けたり、ピラー部におけるシートベルト・アンカーの位置を検出する位置センサをピラー部に設けたりして、これらの乗員体格情報発生手段としての位置センサの検出信号をエアコンECU8に入力するようにしてもよい。これらの場合にも、予め、ヘッドレスト位置と乗員の身長または座高との関係や、シートベルト・アンカー位置と乗員の身長または座高との関係をエアコンECU8に記憶しておくことにより、上記各実施形態と同様、エアコンECU8において、各位置センサの検出信号に基づき乗員の体格情報としての身長または座高を算出することができる。
(2)上記第1および第2実施形態では、乗員の体格情報を乗員の着座する座席におけるヘッドレストおよびシートベルトの位置より算出したが、これに限らない。たとえば、乗員体格情報発生手段としてCCDカメラと画像処理装置とを備え、乗員をCCDカメラで撮像して得られる画像より乗員の体格情報を抽出してもよい。すなわち、例えば、車室内の前方(ルームミラー近傍や、計器盤中央部)にCCDカメラを設け、このCCDカメラにより各乗員を撮像する。得られた画像より周知の方法で画像処理装置によって人体の輪郭線を抽出し、この輪郭線の画像中の位置に基づき当該乗員の体格(身長または座高)を算出することができる。こうして得られた乗員の体格情報を上記各実施形態と同様、エアコンECU8へ入力することができる。
(3)さらに、別の方法で、乗員の体格情報を得ることができる。すなわち、乗員体格情報発生手段として、各乗員が携帯する携帯無線端末とこの携帯無線端末と車室内で情報の授受を行う通信手段としての無線LAN装置とを備えるようにしてもよい。すなわち、携帯無線端末には、その乗員の個人情報である、身長、座高、等の体格情報が記憶されている。一方、エアコンECU8には、車室内無線LAN装置が接続される。したがって、各乗員の体格情報である身長または座高が、携帯無線端末より無線LAN装置により受信され、この無線LAN装置よりエアコンECU8に入力される。
本発明に係る車両用空調装置の一実施形態による車両用空調装置の吹出口配置状態を示す平面概要図である。 本発明の一実施形態による車両用空調装置全体の模式的構成図である。 マトリクスIRセンサの構成を示す図である。 マトリクスIRセンサの配置を示す図である。 マトリクスIRセンサの被検温範囲を示す図である。 後席のシートバック部に設けられた右側および左側のヘッドレストが上下する状況を示す図である。 エアコンECUによる空調制御処理を示すフローチャートである。 前席側の空調ゾーンにおける目標吹出温度の算出処理を示すフローチャートである。 後席側の空調ゾーンにおける目標吹出温度の算出処理を示すフローチャートである。 図7の空調制御処理中において内外気モードを決めるための制御マップを示す図である。 図7の空調制御処理中において吹出口モードを決めるための制御マップを示す図である。 図7の空調制御処理中においてブロワ電圧を決めるための制御マップを示す図である。 第2実施形態において、前席右側用のシートベルト・アンカーがピラー部で上下する状況を示す図である。
符号の説明
1a、1b、1c、1d…空調ゾーン、5…前席空調システム、
6…後席空調システム、70a、70b…マトリクスIRセンサ、
8…エアコンECU、80…パワーシートECU。

Claims (14)

  1. 車室(1)内の座席を含むように予め設定されている複数の被検温範囲の表面温度をそれぞれ非接触で検出する複数の温度検出素子(a1〜a8、b1〜b8、c1〜c8、d1〜d8)を有する非接触温度センサ(70a、70b)を備える車両用温度検出装置であって、
    前記座席に着座する乗員の体格に関する体格情報を発生する乗員体格情報発生手段(80)と、
    前記発生された乗員の体格情報に基づき、前記複数の温度検出素子より所望の温度検出素子を選択する選択手段(8)と、
    前記選択された温度検出素子により検出された温度に基づき前記乗員の温度を算出する乗員温度算出手段(8)と
    を備えることを特徴とする車両用温度検出装置。
  2. 前記乗員体格情報発生手段は、前記乗員の身長または座高の大きさに相当する体格情報を発生することを特徴とする請求項1に記載の車両用温度検出装置。
  3. 前記乗員体格情報発生手段は、前記乗員の着座位置におけるヘッドレスト設定位置情報を入力する手段を備え、前記ヘッドレスト設定位置情報に基づき前記乗員の体格情報を発生することを特徴とする請求項2に記載の車両用温度検出装置。
  4. 前記乗員体格情報発生手段は、前記乗員の着座位置におけるシートベルト高さ設定位置情報を入力する手段を備え、前記シートベルト設定位置情報に基づき前記乗員の体格情報を発生することを特徴とする請求項2に記載の車両用温度検出装置。
  5. 前記乗員の体格情報が記憶されている携帯無線端末と通信を行う通信手段を備え、
    前記乗員体格情報発生手段は、前記通信手段より前記通信手段が受信した前記乗員の体格情報が入力されることを特徴とする請求項2に記載の車両用温度検出装置。
  6. 前記乗員を撮像するカメラと、該カメラにより撮像された画像より前記乗員の体格情報を抽出する画像処理手段とを備え、
    前記乗員体格情報発生手段は、前記画像処理手段より該画像処理手段が抽出した前記乗員の体格情報が入力されることを特徴とする請求項2に記載の車両用温度検出装置。
  7. 前記複数の温度検出素子は、前記複数の被検温範囲が互いに隣接し、かつ前記乗員の下方から上方へ連なって形成されるように配置され、
    前記選択手段は、前記乗員の体格情報に基づき、前記乗員の体格が大きくなるほど前記被検温範囲のうち選択上限位置が上方となるよう前記温度検出素子を選択する
    ことを特徴とする請求項1ないし6のいずれか1つに記載の車両用温度検出装置。
  8. 前記乗員温度算出手段は、前記選択された温度検出素子による検出温度のうち最も低い温度を抽出して、該抽出された温度を前記乗員の温度とすることを特徴とする請求項7に記載の車両用温度検出装置。
  9. 前記乗員温度算出手段は、前記選択された温度検出素子のうち最も上方の被検温範囲を検出する温度検出素子を抽出し、該温度検出素子の検出温度を前記乗員の温度とすることを特徴とする請求項7に記載の車両用温度検出装置。
  10. 前記車室(1)内の空調状態を調整する空調手段(5、6)と、
    請求項1ないし9のいずれか1つに記載の車両用温度検出装置により検出された前記乗員の複数の被検温範囲における温度分布に基づき、該被検温範囲間の温度差が少なくなるように前記空調状態を調整するよう前記空調手段を制御する制御手段(8)と、
    を備えることを特徴とする車両用空調装置。
  11. 前記車室(1)内の空調状態を調整する空調手段(5、6)と、
    請求項1ないし9のいずれか1つに記載の車両用温度検出装置により検出された前記乗員の温度に基づき目標吹出温度を算出し、該目標吹出温度に基づき前記空調状態を調整するように前記空調手段を制御する制御手段(8)と、
    を備えることを特徴とする車両用空調装置。
  12. 前記車室(1)内の空調状態を調整する空調手段(5、6)と、
    請求項1ないし7のいずれか1つに記載の車両用温度検出装置と、
    前記車両用温度検出装置により検出された前記乗員の温度に応じて前記空調状態を制御する制御手段(8)とを備える車両用空調装置であって、
    前記選択手段が、前記発生された乗員の体格情報に基づき、前記複数の温度検出素子より所望の複数の温度検出素子を選択し、
    前記乗員温度算出手段が、前記選択された複数の温度検出素子による温度分布に基づき、前記乗員の温度を算出し、
    前記制御手段は、前記乗員の温度に基づいて目標吹出温度を算出するとともに、該目標吹出温度に基づき前記空調状態を調整するように前記空調手段を制御する
    ことを特徴とする車両用空調装置。
  13. 前記乗員温度算出手段は、前記選択された複数の温度検出素子の検出温度のうち最も低い検出温度を抽出し、該抽出された温度を前記乗員の温度とすることを特徴とする請求項12に記載の車両用空調装置。
  14. 前記乗員温度算出手段は、前記選択された複数の温度検出素子の検出温度より前記乗員の肩部に相当する温度を抽出し、該抽出された温度を前記乗員の温度とすることを特徴とする請求項12に記載の車両用空調装置。
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