JP2005147211A - 自動変速機の油圧制御装置 - Google Patents

自動変速機の油圧制御装置 Download PDF

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和幸 野田
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Abstract

【課題】係合要素のタイアップによる変速機構のインターロックを回避する各切換弁の故障を単一の油圧検出手段により検出する。
【解決手段】自動変速機は、複数の変速段を達成するために選択的に係合される複数の係合要素C−1〜C−4,B−1を備え、その油圧制御装置は、複数の係合要素の各油圧サーボ21〜24に油圧を供給する油路に、互いに他の係合要素の油圧サーボに供給される油圧を信号圧として作動する各切換弁31〜33を備える。各切換弁は、油圧サーボへの油圧供給遮断時に油圧を排出するものとされ、各切換弁から排出される油圧を集合させる検出回路50に単一の油圧検出手段52が設けられた。これにより、各変速段において正常時検出される油圧が特定の変速段において検出されないことで、そのとき油圧出力すべき切換弁が特定され、その故障を判断できる。
【選択図】図4

Description

本発明は、車両に搭載される自動変速機に関し、特に、その変速機構中の係合要素を制御する油圧制御装置に関する。
車両に搭載される自動変速機において、ラビニョタイプのプラネタリギヤユニットに減速回転と非減速回転を入力し、4つのクラッチと2つのブレーキからなる6つの係合要素のうちの2つを同時係合させることで前進8速の多段変速を達成する変速機構を備えるものがある(特許文献1参照)。この変速機構は、少ない歯車要素数でクロスレシオの8速段を達成することができる利点がある。
特開2001−182785号公報
ところで、近時、自動変速機の変速機構を制御する油圧制御装置は、各係合要素の油圧サーボに常時油圧を供給可能としておき、各供給油路中に介挿したソレノイド作動の制御弁を変速段に応じて作動させることで、油圧サーボへの油圧の供給を制御する回路構成を採ることから、各制御弁を作動させる信号のフェールや各制御弁自体の故障(通常はスティックフェール)による変速機構のインターロックに対処すべく、各制御弁より上流の油路に切換弁で構成されるフェールセーフ用の遮断弁が配置される。そして、この遮断弁の配置に伴い、遮断弁自体のスティックフェール対策も必要となる。こうしたことから、従来、特定の係合要素の油圧サーボへの供給油路中に配置した遮断弁に、この特定の係合要素と同時係合することで変速機構のインターロックを生じる係合要素の油圧サーボの油圧を全て印加し、前記遮断弁の切換え作動により出力される油圧を単一の油圧スイッチで検出することで、全てのフェールセーフ用弁のスティックフェールを一括して実際にインターロックが生じる前に検出するものがある(特許文献2参照)。
特開2003−49937号公報
しかしながら、前記特許文献2に記載の油圧制御装置においては、特定の単一の油圧サーボへの供給油圧をフェール信号として検出しているため、単一の油圧スイッチを用いて全ての遮断弁のフェールを総括的に事前検出することができる利点はあるものの、複数の遮断弁のうちのどの遮断弁がフェールしたかを峻別して検出することができない。一般に、各フェールセーフ用弁のフェールを峻別するには、各油圧サーボの油圧を個々に検出する油圧サーボ数に応じた油圧検出手段の配置を必要とすることになり、油圧制御装置のコストアップを免れることができない。
また、前記特許文献2に記載の油圧制御装置においては、インターロックを生じる係合要素の油圧サーボの油圧の組み合わせを回路上で作り出すために複雑な弁配置を必要とし、冒頭に記したような油圧サーボ数の多い変速機構に適用する場合、更に弁配置が複雑化することで、油圧制御装置の大型化とコストアップを招くことになる。
そこで、本発明は、係合要素のタイアップによる変速機構のインターロックを回避するフェールセーフ用の切換弁を備える自動変速機の油圧制御装置において、簡単な回路構成で各切換弁の故障を単一の油圧検出手段により特定して検出することを概括的な目的とする。更に、本発明は、切換弁の故障を検出する油圧検出手段自体の故障をも判定可能とすることを目的とする。
上記の目的を達成するため、本発明は、複数の変速段を達成するために選択的に係合される複数の係合要素を備える自動変速機であって、前記複数の係合要素の各油圧サーボに油圧を供給する油路に配置され、互いに他の係合要素の油圧サーボに供給される油圧を信号圧として作動する各切換弁を備える油圧制御装置において、前記各切換弁のうち少なくとも2つの切換弁は、油圧サーボへの油圧供給遮断時に該油圧サーボへ供給する油圧を排出するものとされ、前記少なくとも2つの切換弁から排出される油圧を集合させる検出回路に単一の油圧検出手段が設けられたことを特徴とする。
より具体的には、前記自動変速機は、2つの係合要素の同時係合により各変速段を達成するものであり、前記各切換弁による検出回路への油圧の排出は、各変速段達成のために係合される係合要素以外の係合要素の油圧サーボへの油圧供給を遮断する切換弁からなされる構成とされる。
また、前記複数の係合要素は、少なくとも3つの係合要素とされ、いずれか2つの切換弁による2つの油圧サーボへの油圧供給時に、それら2つの油圧サーボに供給される油圧の少なくとも一方を信号圧として作動する前記2つの切換弁以外の切換弁が、油圧サーボへの油圧供給遮断により検出回路に油圧を排出する構成とされる。
これらの場合、前記自動変速機は、前記複数の係合要素のうちの第1の係合要素の常時係合により低速段側の変速段を達成し、第2の係合要素の常時係合により高速段側の変速段を達成するものとされ、前記各油圧サーボに油圧を供給する油路に、ソレノイド作動の油圧制御弁が配置され、前記第2の係合要素の油圧サーボへの供給油路における油圧制御弁と油圧サーボとの間に、前記第2の油圧サーボの油圧により切換え状態を保持される供給用切換弁が配置された構成を採ることができる。
また、前記油圧を集合させる検出回路に、該検出回路への油圧の閉じ込みを防ぐドレンオリフィスが設けられることが望ましい。
上記本発明によれば、各切換弁のうち少なくとも2つの切換弁を油圧サーボへの油圧供給遮断時に供給中の油圧を排出するものとし、これらの切換弁から排出される油圧を集合させる検出回路に単一の油圧検出手段を設けた構成により、単一の油圧検出手段により検出回路の油圧を監視することで、油圧が検出されないときを少なくともいずれか1つの切換弁の故障として判定することができる。しかもこの構成によれば、従来のように油圧サーボへの供給油路の油圧を検出する方式とは異なり、各切換弁からの排出油圧を直接検出する方式であるため、各油圧サーボへの供給油路中に油圧制御弁等の他の弁が配置されている場合でも、その弁の作動の影響を受けない切換弁そのものの故障検出が可能となる。
次に、自動変速機が、2つの係合要素の同時係合により各変速段を達成するものであり、各切換弁による検出回路への油圧の排出は、各変速段達成のために係合される係合要素以外の係合要素の油圧サーボへの油圧供給を遮断する切換弁からなされる構成る場合、変速段とその変速段において作動すべき切換弁の対応関係から、全ての切換弁の故障を実際の変速に支障が生じる前にシングルフェールの段階で検出し、特定の切換弁の故障を判定することができる。また、同時に2つの切換弁が故障する確率は極めて低いことから、異なる変速段で異なる切換弁の同時故障が検出されたときを検出手段自体の故障と判断することで、油圧検出手段の故障の判定も可能となる。したがって、これらの判定に基づき、故障した切換弁が関与する変速段への変速を禁止する等の制御対策による車両走行が可能となる。
また、いずれか2つの切換弁による2つの油圧サーボへの油圧供給時に、それら2つの油圧サーボに供給される油圧の少なくとも一方を信号圧として作動する前記2つの切換弁以外の切換弁が、油圧サーボへの油圧供給遮断により検出回路に油圧を排出する構成では、前記2つの切換弁以外の切換弁に印加する油圧数を少なくすることができるため、印加油路構成数を削減して油圧制御装置の構成を単純化することができる。
また、各油圧サーボへの油圧供給を油圧制御弁により行う場合において、高速段側の変速段を達成する第2の係合要素の油圧サーボへの供給油路における油圧制御弁と油圧サーボとの間に、第2の油圧サーボの油圧により切換え状態を保持される供給用切換弁を配置した構成では、低速段達成による車両の走行時に、油圧制御弁又は切換弁若しくはそれら両方が故障した場合には、特定の低速段が維持され、高速段達成による車両の走行時に、同様の故障が生じた場合には、特定の高速段を維持することができ、いずれの場合でも極端な変速を生じさせることなく車両走行が可能となる。
また、油圧を集合させる検出回路に、該検出回路への油圧の閉じ込みを防ぐドレンオリフィスが設けられる構成では、通常自動変速機に内蔵するバルブボディ中に形成されることとなる検出回路に、隣接する弁や油路から漏れ込む油を適宜ドレンすることができ、検出回路への油圧の閉じ込みによる油圧検出手段の誤作動を防ぐことができる。
本発明の適用に係る変速機構は、全ての変速段達成のために常に同時に2つの係合要素が選択的に係合される変速機構とされることが望ましく、特に、複数の変速段に渡って係合を維持される係合要素としての入力クラッチに対して、他の係合要素が選択的に同時係合される変速機構が本発明の適用に適している。これにより他の係合要素への油圧供給を遮断する切換弁に印加する油圧数を入力クラッチのものを除く分だけ少なくすることができる。また、油圧制御装置における切換弁からの排出油圧を集合させる検出回路は、複数の切換弁からの同時油圧排出に備えて、各切換弁への逆流を防ぐチック弁を備えることが望ましく、チェック弁以降の回路は閉回路とし、この閉回路に油圧検出手段を配置し、閉回路への油圧の閉じ込みを防ぐ意味で、ドレンオリフィスを設けることが望ましい。また、油圧検出手段としては、通常自動変速機に組込まれる油圧スイッチが使用される。
以下、図面に沿い、本発明の実施例を説明する。図1は本発明の一適用対象としての前進8速・後進1速の自動変速機のギヤトレインをスケルトンで示す。図に示すように、この自動変速機は、フロントエンジン・リヤドライブ用の縦置式とされ、ロックアップクラッチ付のトルクコンバータ2と遊星歯車変速装置1とで構成されている。
遊星歯車変速装置1は、ラビニヨタイプのプラネタリギヤユニットGと、プラネタリギヤユニットGに減速回転を入力する減速用のプラネタリギヤG1とで構成されている。プラネタリギヤユニットGは、大径のサンギヤS2と、小径のサンギヤS3と、互いに噛合して且つ小径のサンギヤS3に噛合するショートピニオンP3と、大径のサンギヤS2に噛合するロングピニオンP2と、それら一対のピニオンを支持するキャリアC3と、ロングピニオンP2に噛合するリングギヤR3から構成されている。また、減速用のプラネタリギヤG1は、サンギヤS1と、それに噛合するピニオンP1と、ピニオンP1に噛合するピニオンP1’と、両ピニオンP1,P1’を支持するキャリアC1と、ピニオンP1’に噛合するリングギヤR1の3要素かなるダブルピニオンプラネタリギヤから構成されている。
プラネタリギヤユニットGにおける、小径のサンギヤS3は、第1のクラッチC−1(以下、C1クラッチと略記する)により減速プラネタリギヤG1のリングギヤR1に連結されている。大径のサンギヤS2は、第3のクラッチC−3(以下、C3クラッチと略記する)により減速プラネタリギヤG1の同じくリングギヤR1に連結されるとともに、第4のクラッチC−4(以下、C4クラッチと略記する)により減速プラネタリギヤG1のキャリアC1に連結され、更に第1のブレーキB−1(以下、B1ブレーキと略記する)によりケース10に係止可能とされている。また、キャリアC3は、第2のクラッチC−2(以下、C2クラッチと略記する)により入力軸11に連結されるとともに、第2のブレーキB−2(以下、B2ブレーキと略記する)によりケース10に係止可能とされ、更にB2ブレーキと並列配置のワンウェイクラッチF−1によりケース10に一方向回転係止可能とされている。そして、リングギヤR3は、出力軸19に連結されている。減速プラネタリギヤG1は、そのサンギヤS1を変速機ケース10に固定され、キャリアC1を入力軸11に連結されるとともにC4クラッチを介してプラネタリギヤユニットGの大径サンギヤS2に連結され、リングギヤR1をC1クラッチを介してプラネタリギヤユニットGの小径のサンギヤS3に連結され、かつC3クラッチを介してプラネタリギヤユニットGの大径のサンギヤS2に連結されている。
このように構成された遊星歯車変速装置1の上記各クラッチ及びブレーキは、周知のように、それぞれ摩擦部材とそれらを係合・解放操作するピストン・シリンダ機構からなる油圧サーボを備えており、図示しない電子制御装置と後記する油圧制御装置とによる制御で、運転者により選択されたレンジに応じた変速段の範囲で車両負荷に基づき、変速機ケース10に付設した油圧制御装置による各油圧サーボに対する油圧の給排で摩擦部材が係合・解放されて変速が行われる。
図2は遊星歯車変速装置1の上記各クラッチ及びブレーキ並びにワンウェイクラッチの係合・解放による作動を速度線図で示す。この速度線図は、縦軸でそれらの上部に記す各変速要素を示し、縦軸間相互の幅でギヤ比を示し、縦軸方向の長さで遊星歯車変速装置1への入力回転速度を1とする速度比を示す。図に●印でその直近に記す係合要素の係合を表し、○印で遊星歯車変速装置1の出力回転速度比を表す。
このギヤトレインでは、本実施例において第1〜4速となる低速段側の変速段がC1クラッチの係合による小径サンギヤS3への減速回転の入力の基に、他の係合要素を選択的に同時係合させることで達成される。すなわち、第1速(1ST)は、B2ブレーキの係合に相当するワンウェイクラッチF−1の自動係合により達成される。この場合、図1を参照して、入力軸11から減速プラネタリギヤG1を経て減速された回転がC1クラッチ経由で小径サンギヤS3に入力され、ワンウェイクラッチF−1の係合により係止されたキャリアC3に反力を取って、図2に示すようにリングギヤR3の最大ギヤ比の減速回転が出力軸19に出力される。
次に、第2速(2ND)は、B1ブレーキの同時係合により達成される。この場合、図1を参照して、入力軸11から減速プラネタリギヤG1を経て減速された回転がC1クラッチ経由で小径サンギヤS3に入力され、B1ブレーキの係合により係止された大径サンギヤS2に反力を取って、リングギヤR3の減速回転が出力軸19に出力される。このときの減速比は、図2に示すように第1速(1ST)より小さくなる。
また、第3速(3RD)は、C3クラッチの同時係合により達成される。この場合、図1を参照して、入力軸11から減速プラネタリギヤG1を経て減速された回転がC1クラッチとC3クラッチ経由で同時に大径サンギヤS2と小径サンギヤS3に入力され、プラネタリギヤユニットGが直結状態となるため、両サンギヤへの入力回転と同速のリングギヤR3の回転が、図2に示すように入力回転(速度比=1)に対しては減速された回転としてリングギヤR3から出力される。
更に、第4速(4TH)は、C4クラッチの同時係合により達成される。この場合、図1を参照して、一方で入力軸11から減速プラネタリギヤG1を経て減速された回転がC1クラッチ経由で小径サンギヤS3に入力され、他方で入力軸11からC4クラッチ経由で入力された非減速回転が大径サンギヤS2に入力され、2つの入力回転の中間速度の回転が、図2に示すように減速用のプラネタリギヤの減速回転に対しては僅かに増速されたリングギヤR3の回転として出力される。
次に、本実施例において第5〜8速となる高速段側の変速段は、C2クラッチの係合によるキャリアC3への非減速回転の入力の基に、他の係合要素を選択的に同時係合させることで達成される。すなわち、第5速(5TH)は、C1クラッチの同時係合により達成される。この場合、図1を参照して、一方で入力軸11から減速プラネタリギヤG1を経て減速された回転がC1クラッチ経由で小径サンギヤS3に入力され、他方で入力軸11からC2クラッチ経由で入力された非減速回転がキャリアC3に入力され、2つの入力回転の中間速度の回転が、図2に示すように非減速の入力回転に対しては僅かに減速されたリングギヤR3の回転として出力される。
次に、第6速(6TH)は、C4クラッチの同時係合により達成される。この場合、図1を参照して、一方で入力軸11からC4クラッチ経由で入力された非減速回転が大径サンギヤS2に入力され、他方で入力軸11からC2クラッチ経由で入力された非減速回転がキャリアC3に入力され、プラネタリギヤユニットGが直結状態となるため、サンギヤS2及びキャリアC3への入力回転と同速のリングギヤR3の回転が、図2に示すように入力回転(速度比=1)と同速の回転として、リングギヤR3に出力される。
更に、第7速(7TH)は、C3クラッチの同時係合により達成される。この場合、図1を参照して、一方で入力軸11から減速プラネタリギヤG1を経て減速された回転がC3クラッチ経由で大径サンギヤS2に入力され、他方で入力軸11からC2クラッチ経由で入力された非減速回転がキャリアC3に入力され、図2に示すようにリングギヤR3の回転が入力回転より僅かに増速された回転として出力される。
そして、第8速(8TH)は、B1ブレーキの同時係合により達成される。この場合、図1を参照して、入力軸11からC2クラッチ経由で非減速回転がキャリアC3にのみ入力され、B1ブレーキの係合により係止された大径サンギヤS2に反力を取る図2に示すようなリングギヤR3の更に増速された回転が出力される。
なお、後進(R)は、B2ブレーキの係合を基本として達成される。この場合、同時係合させる他の係合要素としては、C3クラッチとC4クラッチのいずれかをリバースギヤ比の設定に応じて選択することができる。C3クラッチを同時係合要素とした場合、図1を参照して、入力軸11から減速プラネタリギヤG1を経て減速された回転がC3クラッチ経由で大径サンギヤS2に入力され、B2ブレーキの係合により係止されたキャリアC3に反力を取るリングギヤR3のギヤ比の大きな逆回転が出力軸に出力される。また、C4クラッチを同時係合要素とした場合、図2を参照して分かるように、大径サンギヤS2に入力される回転が非減速回転となる分だけリバース速度比は逆回転方向に大きくなるが、入出力要素の関係は同様である。
次に示す図3は、遊星歯車変速装置1中の各クラッチ及びブレーキの作動とそれにより達成される変速段との前記した関係をまとめて図表化して示す。図において○印は係合、×印は解放を表す。なお、この図表では、後進(R)時の同時係合要素としてC3クラッチが用いられている。
次に、図1に示すギヤトレインにおいて,図3の作動図表に示す各変速段を達成するための油圧制御装置の構成について説明する。図4は油圧制御装置を模式化した回路図で示す。この油圧回路は、油圧源としての図示しないオイルポンプにより吸い上げられ、ライン圧油路に吐出される油圧をレギュレータバルブにより調圧して、車両の走行負荷に応じた係合要素の係合維持に必要なライン圧PLを作りだし、該ライン圧を制御の基圧として直接又はマニュアルバルブを介して各係合要素の油圧サーボ21〜26に給排する回路を構成している。図4に示す油圧回路は、上記各バルブの図示を省略し、ライン圧油路に通じる油路から直接供給される油圧(以下、ライン圧という)をPL、マニュアルバルブの“D”レンジポートに通じる油路から供給される油圧(以下、ドライブレンジ圧という)をD、同じく“R”ポートに通じる油路から供給される油圧(以下、リバース圧という)をRとして示す。
図4に示すように、この油圧回路は、C1〜C4クラッチ及びB1、B2ブレーキの油圧サーボ21〜26と、B2ブレーキの油圧サーボ26を除くそれぞれの油圧サーボへの供給油圧をソレノイド信号の印加により制御するリニアソレノイド作動の制御弁SLC1〜SLC4,SLB1を主要な構成要素として備えている。なお、B2ブレーキについては、C2クラッチ用の制御弁SLC2が共用されるため、専用の制御弁は設けられていない。これらの制御弁は、いずれもソレノイド信号無印加時に最大出力となる常開形の弁とされていることから、それらの開放状態でのスティックや印加信号のオフフェール時の油圧サーボへの意図しない油圧供給を阻止すべく、C2クラッチ制御弁SLC2を除く各制御弁の上流側に、油圧供給遮断のためのフェールセーフ弁として第1〜第3の切換弁31〜33が配置されている。そして、これらの切換弁に切換えのための信号圧を印加する手段として第1〜第4のシャトル弁41〜44が配置されている。また、C2クラッチ制御弁SLC2の上流側には、C2クラッチ油圧サーボ22への油圧供給をホールドする常閉形の供給用切換弁35が配置され、C2クラッチ制御弁SLC2の下流側には、C2クラッチとB2ブレーキへの油圧供給切換えのための供給用切換弁36が配置されている。更に、これらの切換弁の切換えのための2つの常閉形のオンオフソレノイド弁SL1,SL2が設けられている。オンオフソレノイド弁SL1は、C2クラッチ係合時に供給用切換弁35の切換えを生じさせるためのソレノイド信号圧を印加する弁である。また、オンオフソレノイド弁SL2は、供給用切換弁36の切換えのためのソレノイド信号圧を印加する弁である。なお、B2ブレーキ油圧サーボ26には、専用の油圧供給検出のための油圧スイッチS/Wが付設されている。
本発明の主題に係る構成は、前記の油圧回路に付設して設けられている。図に破線で示す回路がそのフェール検出回路50構成を示すもので、前記3つの切換弁の切換え時に各弁から排出される油圧をボールチェック弁形式のシャトル弁51を経て、その下流に設けられた閉回路に配置した油圧スイッチ(S/W)52に印加する回路とされている。この閉回路におけるドレンオリフィス53は、フェール検出に必須のものではないが、通常バルブボディ内の油路として構成される検出回路50中への隣接する弁からの油漏れ等による油圧の閉じ込みを防ぐべく、閉回路への各切換弁からの油圧排出がない状態で油圧スイッチがオンとなることがない程度に、油圧スイッチの感度に応じたドレンを行うように開口が設定される。
前記回路構成を更に具体的に説明すると、C1クラッチの油圧サーボ21への供給油路は、C1クラッチ制御弁SLC1と第1の切換弁31を経てドライブレンジ圧Dの供給油路に接続されている。この油路中の第1の切換弁31は、C1クラッチ係合状態での制御弁フェール(解放状態でのスティック又はソレノイド信号オフフェール)時のC3クラッチ、C4クラッチ、B1ブレーキのいずれか2つの同時係合による変速機構のインターロックを阻止すべく設けられており、スプール弁で構成され、ドライブレンジ圧Dのインポートとアウトポートとドレンポート、リバース圧Rのインポートとアウトポートとドレンポート、及びドライブレンジ圧Dとリバース圧Rのブロックポートを備えている。第1の切換弁31のスプールには、その一端(図において下端)にライン圧PLが印加され、他端(図において上端)には、シャトル弁41を経たC2クラッチサーボ圧PC2かリバース圧Rのいずれかと、シャトル弁42を経たB1ブレーキサーボ圧PB1か更にその上流のシャトル弁43により選択されるC3クラッチサーボ圧PC3かC4クラッチサーボ圧PC4のいずれかが重畳して印加可能とされている。この第1の切換弁31は、スプールの一端に印加されるライン圧PLに対向して他端に印加される前記重畳圧に更にリターンスプリングの荷重負荷(荷重の作用方向を点線矢印で示す。この表記方法は他の各弁について同様である。)が勝ったとき切換作動が生じる設定とされている。この切換え前の状態(図に右上がりの斜線でポート連通の状態を示す)では、ドライブレンジ圧Dのインポートとアウトポートが連通し、C1クラッチ制御弁SLC1へのドライブレンジ圧Dの供給、リバース圧Rのブロック、及びシャトル弁51のドレンEX連通がなされ、切換え後は(図に右下がりの斜線でこのときのポート連通状態を示す)、ドライブレンジ圧Dのブロック、C1クラッチ制御弁SLC1のドレンEX連通、及びリバース圧Rのシャトル弁51への出力がなされる。この接続関係と信号圧印加の関係により、第1の切換弁31は、C1クラッチ制御弁SLC1への油圧供給中には検出回路50へのリバース圧Rの排出は行わず、C2クラッチサーボ圧PC2又はリバース圧Rに加えてB1ブレーキサーボ圧PB1、C3クラッチサーボ圧PC3、C4クラッチサーボ圧PC4のいずれかが印加されたときに、シャトル弁51経由で閉回路の油圧スイッチ52にリバース圧Rを出力可能となるが、実際の出力はリバース圧Rが図示しないマニュアルバルブから出力されていることを条件とする。この関係を変速段でいうと、リバース(R)達成時に、油圧スイッチ52に信号を出力することになる。
B1ブレーキの油圧サーボ25への供給油路は、B1ブレーキ制御弁SLB1と第2の切換弁32を経てドライブレンジ圧Dの供給油路に接続されている。この油路中の第2の切換弁32は、B1ブレーキ係合状態での制御弁フェール(解放状態でのスティック又はソレノイド信号オフフェール)時のC3クラッチ、C4クラッチのいずれかの同時係合による変速機構のインターロックを阻止すべく設けられており、スプール弁で構成され、ドライブレンジ圧Dのインポート、アウトポート及びドレンポートと、シャトル弁51につながるアウトポートを備えている。第2の切換弁32のスプールには、その一端(図において下端)にライン圧PLが印加され、他端(図において上端)には、シャトル弁43を経たC3クラッチサーボ圧PC3かC4クラッチサーボ圧PC4のいずれかが印加可能とされている。この第2の切換弁32は、スプールの一端に印加されるライン圧PLに対向して他端に印加される前記サーボ圧に更にリターンスプリングの荷重負荷が勝ったとき切換作動が生じる設定とされている。この切換え前の状態(図に右上がりの斜線でポート連通の状態を示す)では、ドライブレンジ圧Dのインポートとアウトポートが連通し、B1ブレーキ制御弁SLB1へのドライブレンジ圧Dの供給がなされ、切換え後は(図に右下がりの斜線でこのときのポート連通状態を示す)、B1ブレーキ制御弁SLB1のドレンEX連通、及びドライブレンジ圧Dのシャトル弁51への出力がなされる。この接続関係と信号圧印加の関係により、第2の切換弁32は、B1ブレーキ制御弁SLB1への油圧供給中には検出回路50へのドライブレンジ圧Dの排出は行わず、C3クラッチサーボ圧PC3又はC4クラッチサーボ圧PC4のいずれかが印加されたときに、シャトル弁51を開いて油圧スイッチ52にドライブレンジ圧Dを出力することになる。この関係を変速段でいうと、第3、4速及び又は第6、7速達成時に、油圧スイッチ52に油圧出力がなされることになる。
C4クラッチの油圧サーボ24への供給油路は、C4クラッチ制御弁SLC4と第3の切換弁33を経てドライブレンジ圧Dの供給油路に接続されている。この油路中の第3の切換弁33は、C4クラッチ係合状態での制御弁フェール(解放状態でのスティック又はソレノイド信号オフフェール)時のC3クラッチ、B1ブレーキのいずれかの同時係合による変速機構のインターロックを阻止すべく設けられており、スプール弁で構成され、ドライブレンジ圧Dのインポート、アウトポート及びドレンポートと、シャトル弁51につながるアウトポートを備えている。第3の切換弁33のスプールには、その一端(図において下端)にライン圧PLが印加され、他端(図において上端)には、シャトル弁44を経たC3クラッチサーボ圧PC3かB1ブレーキサーボ圧PB1のいずれかが印加可能とされている。この第3の切換弁33は、スプールの一端に印加されるライン圧PLに対向して他端に印加される前記サーボ圧に更にリターンスプリングの荷重負荷が勝ったとき切換作動が生じる設定とされている。この切換え前の状態(図に右上がりの斜線でポート連通の状態を示す)では、ドライブレンジ圧Dのインポートとアウトポートが連通し、C4クラッチ制御弁SLC4へのドライブレンジ圧Dの供給がなされ、切換え後は(図に右下がりの斜線でこのときのポート連通状態を示す)、C4クラッチ制御弁SLC4のドレンEX連通、及びドライブレンジ圧Dのシャトル弁51への出力がなされる。この接続関係と信号圧印加の関係により、第3の切換弁33は、C4クラッチ制御弁SLC4への油圧供給中には、検出回路50への油圧排出は行わず、C3クラッチサーボ圧PC3又はB1ブレーキサーボ圧PB1のいずれかが印加されたときに、シャトル弁51を開いて油圧スイッチ52にドライブレンジ圧Dを出力することになる。この関係を変速段でいうと、第2、3速及び第7、8速達成時に油圧スイッチ52に信号が出力されることになる。
前記の構成からなる油圧回路では、第1〜8速の全ての前進変速段において、C2クラッチ制御弁SLC2を除く全ての制御弁にドライブレンジ圧Dが供給される。この油圧供給に対して、各制御弁をそれらへの最大レベルのソレノイド信号の印加で原則的に遮断状態としておき、変速段に応じて該当する制御弁の信号レベルを低減することにより調圧状態を得てクラッチ及びブレーキの係合制御を行い、係合後は基の最大レベルに戻すことでクラッチ及びブレーキの係合状態を維持し、クラッチ及びブレーキの解放時は、出力レベルを最大とすることで、開放状態とする制御が行われる。C2クラッチ制御弁SLC2については、その供給油路の供給用切換弁35を信号圧印加のない状態でリターンスプリング荷重により遮断状態(図示右上がりのポート連通状態)にしておき、第4速から第5速へのアップシフト時のみオンオフソレノイド弁SL1にソレノイド信号圧を出力させてプランジャを介してスプールを押すことで切換を生じさせることで油圧供給状態となる。この供給油圧は、このとき調圧状態とされるC2クラッチ制御弁SLC2を経て同じくリターンスプリング荷重で非切換え状態(図示右下がりのポート連通状態)にある供給用切換弁36を経てC2クラッチサーボ22に供給される。こうしてC2クラッチサーボ22の油圧が生じたところで供給用切換弁35のスプール端にC2クラッチサーボ圧PC2が印加されて、供給用切換弁35がホールド状態になる。このときオンオフソレノイド弁SL1のソレノイド信号圧出力はオフとされる。なお、第1速のエンジンブレーキ時は、オンオフソレノイド弁SL2にソレノイド信号圧を出力させてリターンスプリング荷重に抗して供給用切換弁36のスプールを押すことで切換を生じさせ、C2クラッチ制御弁SLC2による制御下でドライブレンジ圧DのB2ブレーキサーボ26への油圧供給を行う。また、リバース時は、非切換え状態の供給用切換弁36を経てリバース圧Rが無調圧でB2ブレーキサーボ26に供給される。
油圧供給を各変速段ごとに見ると、第1速は、C1クラッチ制御弁SLC1を調圧状態を経て最大出力とすることで、C1クラッチとワンウェイクラッチF−1(図1参照)の自動係合で達成され、この状態でソレノイド弁SL2のオン出力によるB2ブレーキ係合でエンジンブレーキ作動状態となる。なお、所定の車速(例えば7km/h以上)で前進走行中に、図示しないマニュアルバルブの切換えにより後進段が選択された際に後進段の達成を禁止する図3に示す後進禁止(R禁止)は、オンオフソレノイド弁SL2のオン出力により供給用切換弁36を切換えてリバース圧Rをブロックし、B2ブレーキ油圧サーボ26への油圧供給を遮断することで達成される。このときB2ブレーキ油圧サーボ26はC2クラッチ制御弁SLC2に連通することになるが、C2クラッチ制御弁SLC2は供給用切換弁35によりドレンEX連通とされているため、この経路からの油圧供給も生じない。
以下、アップシフトの場合のみ例示すると、第2速は、同じC1クラッチ制御弁SLC1の最大出力状態で、B1ブレーキ制御弁SLB1を調圧状態を経て最大出力とすることで、C1クラッチとB1ブレーキの同時係合で達成される。以下同様に、第3速は、同じC1クラッチ制御弁SLC1の最大出力状態で、B1ブレーキ制御弁SLB1に代えてC3クラッチ制御弁SLC3を調圧状態を経て最大出力とすることで、C1クラッチとC3クラッチの同時係合で達成される。また、第4速は、同じC1クラッチ制御弁SLC1の最大出力状態で、C3クラッチ制御弁SLC3に代えてC4クラッチ制御弁SLC4を調圧状態を経て最大出力とすることで、C1クラッチとC4クラッチの同時係合で達成される。
次の第5速は、C1クラッチ制御弁SLC1の最大出力状態で、ソレノイド弁SL1のオン作動で供給用切換弁35を切換え、同時にC2クラッチ制御弁SLC2を調圧状態を経て最大出力とすることで、C1クラッチとC2クラッチの同時係合により達成される。次の第6速は、C2クラッチ制御弁SLC2の最大出力状態で、C1クラッチ制御弁SLC1に代えてC4クラッチ制御弁SLC4を調圧状態を経て最大出力とすることで、C2クラッチとC4クラッチの同時係合により達成される。以下同様に、第7速は、同じC2クラッチ制御弁SLC2の最大出力状態で、C4クラッチ制御弁SLC4に代えてC3クラッチ制御弁SLC3を調圧状態を経て最大出力とすることで、C2クラッチとC3クラッチの同時係合により達成される。また、第8速は、同じC2クラッチ制御弁SLC2の最大出力状態で、C3クラッチ制御弁SLC3に代えてB1ブレーキ制御弁SLB1を調圧状態を経て最大出力とすることで、C2クラッチとB1ブレーキの同時係合により達成される。
また、リバースは、供給用切換弁36の非切換え状態で、図示しないマニュアルバルブの切換えによるリバース圧Rの出力で、供給用切換弁36を経てB2ブレーキ油圧サーボ26にリバース圧Rを供給するとともにC3クラッチ制御弁SLC3を調圧状態を経て最大出力とすることで、B2ブレーキとC3クラッチの同時係合により達成される。
こうした各変速段における前記第1〜第3の切換弁31〜33の切換え作動と油圧スイッチ52の作動との関係を各変速段についてまとめて図5の作動図表に示す。図において、第1〜第3の切換弁をNo.1〜No.3と表記し、○印はその切換弁からの油圧排出によるスイッチオン状態を表し、×印は該切換弁からの油圧排出がないことによるスイッチオフ状態を表す。この図表を参照して分かるように、リバース(R)時は、第1の切換弁31にリバース圧RとC3クラッチサーボ圧PC3が重畳印加されて切換えが生じ、リバース圧Rの排出により油圧スイッチオンとなる。第1速(1ST)時は、第1〜第3の切換弁31〜33のいずれも切換わらないため、各切換弁からの油圧排出は行われず、油圧スイッチオフとなる。第2速(2ND)時は、B1ブレーキサーボ圧PB1が生じるため、この油圧の印加を受ける第3の切換弁33が切換わって油圧スイッチオンとなる。第3速(3RD)時は、C3クラッチサーボ圧PC3が生じるため、この油圧の印加を受ける第2の切換弁32と第3の切換弁33が共に切換わって油圧スイッチオンとなる。第4速(4TH)時は、C4クラッチサーボ圧PC4が生じるため、この信号圧の印加を受ける第2の切換弁32が切換わって油圧スイッチオンとなる。第5速(5TH)時は、C2クラッチサーボ圧が生じるが、この油圧の印加を受ける第1の切換弁31は対向するライン圧の印加に打ち勝てずに切換わらないため、油圧スイッチオフとなる。第6速(6TH)時は、C4クラッチサーボ圧PC4が生じるため、この信号圧の印加を受ける第2の切換弁32が切換わって油圧スイッチオンとなる。第7速(7TH)時は、C3クラッチサーボ圧PC3が生じるため、この油圧の印加を受ける第2の切換弁32と第3の切換弁33が共に切換わって油圧スイッチオンとなる。そして、第8速(8TH)時は、B1ブレーキサーボ圧PB1が生じるため、この油圧の印加を受ける第3の切換弁33が切換わって油圧スイッチオンとなる。
こうした正常時の油圧スイッチ作動に対して、リバース(R)時に油圧スイッチ52がオンとならない場合は、前記の関係から第1の切換弁(No.1)31の連通状態でのスティックと判断でき、同様に、油圧スイッチ52が第2、3速及び第7、8速でオンとならない場合は、第3の切換弁(No.3)33の連通状態でのスティック、第3、4速及び第6、7速でオンとならない場合は、第2の切換弁(No.3)32の連通状態でのスティックと判断される。こうして各切換弁のスティックフェールが、各変速段が達成されている状態でも油圧スイッチ52のオフから判断可能となる。
なお、この油圧回路では、第1〜4速のC1クラッチサーボ21への油圧供給状態でリニアソレノイド信号のオールオフフェールが生じた場合、C4クラッチサーボ24とB1ブレーキサーボ25の油圧供給が第2及び第3の切換弁31,32により断たれるため、C1クラッチとC3クラッチの同時係合による第3速が達成される。したがって、ソレノイド信号オールフェール時は、自ずと第3速が達成され、その変速段による車両走行が可能となる。また、この状態は各ソレノイド弁への信号オフ状態でも、油路接続のみにより達成されるため、車両の再発進時にも確立される。
一方、第5〜8速のC2クラッチサーボ22への油圧供給状態でリニアソレノイド信号のオールオフフェールが生じた場合、C1クラッチサーボ22への油圧供給は、第1の切換弁31の切換え作動により断たれ、B1ブレーキサーボ25とC4クラッチサーボ24の油圧供給が第2及び第3の切換弁32,33により断たれるため、C2クラッチとC3クラッチの同時係合による第7速が達成される。したがって、ソレノイド信号オールフェール時は、自ずと第7速が達成され、その変速段による車両走行が可能となる。ただし、この状態はC2クラッチサーボ圧PC2の各弁への印加状態を前提として成立するため、一旦C2クラッチサーボ圧PC2が低下して供給用切換弁35が非切換え位置に戻ると、C2クラッチ制御弁SLC2への油圧供給が遮断されるため、停止後の車両の再発進時には第7速達成状態は解除され、先述の理由から第3速が確立されることになる。
かくしてこの実施例によれば、単一の油圧スイッチ52のオン・オフ作動を監視することで、全ての切換弁のスティックフェールを実際の変速に支障が生じる前にシングルフェールの段階で検出することができる。また、同時に2つの切換弁がスティックフェールする確率は極めて低いことから、異なる変速段で異なる切換弁が故障との検出結果が得られた場合を検出手段自体の故障とみることで、油圧スイッチ52の故障も判定可能となる。具体的には、リバース及び第2〜8速間で油圧スイッチ52がオフの場合は、切換弁の故障と判定できる。また、第1速で油圧スイッチ42がオンとなるにも拘らず全ての変速段が達成される場合は、油圧スイッチ自体の故障と判定することができる。更に、複数の変速段で油圧スイッチ52がオフとなる場合は、油圧スイッチ自体の故障と判定できる。したがって、これらの判定に基づき、フェールに関わる切換弁が関与する変速段への変速を電子制御装置の指令で禁止する等の制御対策による車両走行が可能となる。
次の図6に示す油圧回路は、回路構成を一部変更した実施例2を示す。この回路は本質的には先の実施例1と同様であるので、相当する構成要素に同様の参照符号を付して説明に代え、以下変更点のみ説明する。この回路では、C3クラッチ制御弁SLC3への供給油路に第4の切換弁34が追加されている。この例では、C3クラッチ制御弁SLC3の上流で第2及び第3の切換弁32,33の上流に当たる油路に第4の切換弁34が配置されている。この油路中の第4の切換弁34は、C3クラッチ係合状態での制御弁フェール(解放状態でのスティック又はソレノイド信号オフフェール)時のC1クラッチ、C2クラッチの同時係合による変速機構のインターロックを阻止すべく設けられており、スプール弁で構成され、ライン圧PLのインポートとアウトポートとドレンポート、ドライブレンジ圧Dのインポートと2つのアウトポートとドレンポートを備えている。第4の切換弁34のスプールには、その一端(図において下端)にライン圧PLが印加され、他端(図において上端)には、C2クラッチサーボ圧PC2とC1クラッチサーボ圧PC1が重畳して印加可能とされている。この第4の切換弁34は、スプールの一端に印加されるライン圧PLに対向して他端に印加される前記重畳圧に更にリターンスプリングの荷重負荷が勝ったとき切換作動が生じる設定とされている。この切換え前の状態(図に右上がりの斜線でポート連通の状態を示す)では、ライン圧PL及びドライブレンジ圧Dのインポートとアウトポートが連通し、C3クラッチ制御弁SLC3へのライン圧PLの供給と、ドライブレンジ圧Dの第2及び第3の切換弁32,33への供給がなされ、切換え後は(図に右下がりの斜線でこのときのポート連通状態を示す)、C3クラッチ制御弁SLC3のドレンEX連通、及び第2及び第3の切換弁32,33のドレンEX連通、並びにDレンジ圧Dのシャトル弁51への出力がなされる。この接続関係と信号圧印加の関係により、第4の切換弁34は、C2クラッチサーボ圧PC2及びC1クラッチサーボ圧PC1が重畳印加されたときに、油圧スイッチ52にドライブレンジ圧Dを出力することになる。この関係を変速段でいうと、第5速達成時に油圧スイッチ52に信号を出力することになる。
前記第1〜第4の切換弁51〜54の切換えによる油圧スイッチの作動との関係を各変速段についてまとめて図7の作動図表に示す。図において、第1の切換弁をNo.1、第4の切換弁をNo.2、第2の切換弁をNo.3、第3の切換弁をNo.4と表記し、○印はその切換弁からの油圧排出によるスイッチオン状態を表し、×印は該切換弁からの油圧排出がないことによるスイッチオフ状態を表す。この図表を参照して分かるように、リバース(R)時は、第1の切換弁31にリバース圧RとC3クラッチサーボ圧PC3が重畳印加されて切換えが生じ、リバース圧Rの排出により油圧スイッチオンとなる。第1速(1ST)時は、第1〜第4の切換弁31〜34のいずれも切換わらないため、各切換弁からの油圧排出は行われず、油圧スイッチオフとなる。第2速(2ND)時は、B1ブレーキサーボ圧PB1が生じるため、この油圧の印加を受ける第3の切換弁33が切換わって油圧スイッチオンとなる。第3速(3RD)時は、C3クラッチサーボ圧PC3が生じるため、この油圧の印加を受ける第2の切換弁32と第3の切換弁33が共に切換わって油圧スイッチオンとなる。第4速(4TH)時は、C4クラッチサーボ圧PC4が生じるため、この信号圧の印加を受ける第2の切換弁32が切換わって油圧スイッチオンとなる。第5速(5TH)時は、C1クラッチサーボ圧PC1とC2クラッチサーボ圧PC2が生じるため、これらの油圧の印加を受ける第4の切換弁34が切換わって油圧スイッチオンとなる。第6速(6TH)時は、C4クラッチサーボ圧PC4が生じるため、この信号圧の印加を受ける第2の切換弁32が切換わって油圧スイッチオンとなる。第7速(7TH)時は、C3クラッチサーボ圧PC3が生じるため、この油圧の印加を受ける第2の切換弁32と第3の切換弁33が共に切換わって油圧スイッチオンとなる。そして、第8速(8TH)時は、B1ブレーキサーボ圧PB1が生じるため、この油圧の印加を受ける第3の切換弁33が切換わって油圧スイッチオンとなる。
こうした正常時の油圧スイッチ作動に対して、リバース(R)時に油圧スイッチ52がオンとならない場合は、前記の関係から第1の切換弁(No.1)31の連通状態でのスティックと判断でき、同様に、油圧スイッチ52が第2、3速及び第7、8速でオンとならない場合は、第3の切換弁(No.3)33の連通状態でのスティック、第3、4速及び第6、7速でオンとならない場合は、第2の切換弁(No.3)32の連通状態でのスティックと判断される。こうして各切換弁のスティックフェールが、各変速段が達成されている状態でも油圧スイッチ52のオフから判断可能となる。
この実施例の場合は、先の第1実施例に対して、更に第5速(5TH)達成時にも第4の切換弁34による各切換弁のスティックフェールの検出が可能となる。
以上、本発明を実施例を挙げて詳説したが、本発明の思想の適用対象は、例示の変速機構や油圧回路に限定されるものではなく、広く一般的な変速機構の油圧制御に適用可能なものである。
本発明の実施例に係る油圧制御装置により制御される8速自動変速機のギヤトレーンを示すスケルトン図である。 ギヤトレーンの作動を示す速度線図である。 油圧制御装置によるギヤトレーンの作動を示す作動図表である。 実施例1に係る油圧制御装置の回路図である。 実施例1における油圧スイッチの作動図表である。 実施例2に係る油圧制御装置の回路図である。 実施例2における油圧スイッチの作動図表である。
符号の説明
C−1 C1クラッチ(係合要素)
C−2 C2クラッチ(係合要素)
C−3 C3クラッチ(係合要素)
C−4 C4クラッチ(係合要素)
B−1 B1ブレーキ(係合要素)
B−2 B2ブレーキ(係合要素)
SLC1 C1クラッチ制御弁(油圧制御弁)
SLC2 C2クラッチ制御弁(油圧制御弁)
SLC3 C3クラッチ制御弁(油圧制御弁)
SLC4 C4クラッチ制御弁(油圧制御弁)
SLB1 B1ブレーキ制御弁(油圧制御弁)
21〜25 油圧サーボ
31〜34 切換弁
35 供給用切換弁
50 検出回路
52 油圧スイッチ(油圧検出手段)
53 ドレンオリフィス

Claims (5)

  1. 複数の変速段を達成するために選択的に係合される複数の係合要素を備える自動変速機であって、前記複数の係合要素の各油圧サーボに油圧を供給する油路に配置され、互いに他の係合要素の油圧サーボに供給される油圧を信号圧として作動する各切換弁を備える油圧制御装置において、
    前記各切換弁のうち少なくとも2つの切換弁は、油圧サーボへの油圧供給遮断時に該油圧サーボへ供給する油圧を排出するものとされ、前記少なくとも2つの切換弁から排出される油圧を集合させる検出回路に単一の油圧検出手段が設けられたことを特徴とする自動変速機の油圧制御装置。
  2. 前記自動変速機は、2つの係合要素の同時係合により各変速段を達成するものであり、前記各切換弁による検出回路への油圧の排出は、各変速段達成のために係合される係合要素以外の係合要素の油圧サーボへの油圧供給を遮断する切換弁からなされる、請求項1記載の自動変速機の油圧制御装置。
  3. 前記複数の係合要素は、少なくとも3つの係合要素とされ、いずれか2つの切換弁による2つの油圧サーボへの油圧供給時に、それら2つの油圧サーボに供給される油圧の少なくとも一方を信号圧として作動する前記2つの切換弁以外の切換弁が、油圧サーボへの油圧供給遮断により検出回路に油圧を排出する、請求項1又は2記載の自動変速機の油圧制御装置。
  4. 前記自動変速機は、前記複数の係合要素のうちの第1の係合要素の常時係合により低速段側の変速段を達成し、第2の係合要素の常時係合により高速段側の変速段を達成するものとされ、前記各油圧サーボに油圧を供給する油路に、ソレノイド作動の油圧制御弁が配置され、前記第2の係合要素の油圧サーボへの供給油路における油圧制御弁と油圧サーボとの間に、前記第2の油圧サーボの油圧により切換え状態を保持される供給用切換弁が配置された、請求項1、2又は3記載の自動変速機の油圧制御装置。
  5. 前記油圧を集合させる検出回路に、該検出回路への油圧の閉じ込みを防ぐドレンオリフィスが設けられた、請求項1〜4のいずれか1項記載の自動変速機の油圧制御装置。
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