JP2005146515A - 木造建築用連結金具およびこれを用いた建築施工方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 建築物の基礎22の上面に取り付けられ、柱14と土台26とを連結するための木造建築物用連結金具10であって、基礎の上面に固定される基板24と、基板上に一体に設けられ、上方から柱が嵌め込まれて柱を支持する断面四角形状の枠体16と、枠体内に、枠体の側壁17および基板に対して垂直に設けられた柱固定板20と、枠体の側壁の外面から、側壁および基板に対して垂直に側方に延出する土台固定板18とを備え、柱14と土台26とは、柱固定板20および土台固定板18に接着剤により接着されることによって固定され連結される。
【選択図】 図1
Description
土台固定板108は、土台112の溝112aに嵌合するように、枠体106側壁106aの外面から、側壁106aおよび基板104に直交して側方に延びて形成されている。この土台固定板108は、上記挿通孔116を通して取り付けるアンカーボルト118の設置空間を設けるため、図12(a)に示すように、L字状に設けられている。
なお、上記文献には、ボルトと取付け孔114とのがたをなくすため、ボルトの周りに接着剤を充填してぐらつきを防止する方法が記載されているが、この場合には作業が煩雑となってしまう。
すなわち、建築物の基礎の上面に取り付けられ、柱と土台とを連結するための木造建築物用連結金具であって、前記基礎の上面に固定される基板と、該基板上に一体に設けられ、上方から柱が嵌め込まれて柱を支持する断面四角形状の枠体と、該枠体内に、枠体の側壁および基板に対して垂直に設けられた柱固定板と、前記枠体の側壁の外面から、側壁および基板に対して垂直に側方に延出する土台固定板とを備え、前記柱の下部には前記柱固定板と嵌合する溝が設けられ、前記柱は、前記柱固定板を含む枠体内面と、該溝を含む柱の外面との当接する面に接着剤が塗布されて、前記枠体に接着して固定され、前記土台の一端には前記土台固定板と嵌合する溝が設けられ、前記土台は、前記土台固定板を含む枠体外面と、該溝を含む土台の外面との当接する面に接着剤が塗布されて、前記枠体に接着して固定されることを特徴とする。
また、前記柱固定板と前記土台固定板とが一体の板状体からなり、前記枠体に設けられた溝に嵌入して前記枠体に固定されていることを特徴とする。
また、前記桁材固定板の端面に、桁材固定板を前記凹部に嵌め込んだ際に桁材の外周面に当接する板状の係止部を備えていることを特徴とする。
図1は、本発明にかかる木造建築用連結金具の第1の実施形態とこの木造建築用連結金具を用いて構造材を連結する方法を示す斜視図である。
第1の実施形態である木造建築用連結金具10(以下、連結金具10という)は、基板12と、基板12上に一体に設けられ、上方から柱14を嵌め込んで支持する断面四角形状の枠体16と、枠体16の所定の側壁17の外面から、側壁17および基板12に対して垂直に側方に延出する土台固定板18と、枠体16内部において、側壁17および基板12に対して垂直に設けられた柱固定板20とからなる。
図示する連結金具10の基板12は、基板12上に設けられる枠体16よりも幅広に形成されており、土台26が連結される部位においては、土台16が連結される向きに若干延出した延出部24が形成されている。
延出部24の各々には、連結金具10をコンクリート基礎22に固定するアンカーボルトを打ち込むためのボルト孔25が、後述する土台固定板18から外れた位置、本実施形態では、土台固定板18を挟んで対向する位置に2つ配置されている。
具体的な作業としては、先ず、土台26の溝28内および端面26aに接着剤を塗り、土台26の溝28と土台固定板18とを嵌合させる。嵌合させた後、接着剤が乾いて固着されるまでの間、溝28の壁面と土台固定板18の側面がしっかり接着するように、ゴムや金属等で設けられた締め付けバンド29を、溝28が設けられている土台26の外周面に巻き付ける。これにより、所定時間が経ち接着剤が固まると、土台26と土台固定板18とをぐらつくことなく固着させることができる。
本実施形態において柱固定板20は、土台固定板18と一直線となるように設けられ、平面T字状に形成されている。詳細には、側壁17の対向する位置に土台固定板18,18が設けられている部位では、対向する土台固定板18,18と柱固定板20とが一枚の固定板32として形成され、枠体16の側壁17に設けられた溝30,30を通して取り付けられている。また、対向する側壁17の一方のみに土台固定板18が設けられている部位では、土台固定板18と柱固定板20とが一枚の固定板34として形成され、固定板34の一端が固定板32に当接した状態となるように、側壁17の溝31を通して取り付けられている。
本実施形態においては、柱14の外周面と枠体側壁17の内面とを当接させて接着させるため、枠体16の側壁17にはビス孔23・・が形成され、側壁17の外方からビスを打ち、柱14と枠体16とを固定することができるように設けられている。
すなわち、土台26をL字状に連結させる場合には、図2(a)に示すように、枠体16の隣接する側壁17の外面に土台固定板18を設けた連結金具10aを用いる。この連結金具10aは、上述した連結金具10と同様、土台固定板18と柱固定板20とが一体の板により形成され、枠体16の略中央で接合して柱固定板20が平面L字状に設けられている。
また、土台26を一直線に連結する場合には、図2(b)に示すように、枠体16の対向する側壁17の外面に土台固定板18を設けた連結金具10bを用いる。この連結金具10bは、対向する土台固定板18と柱固定板20とが一枚板で形成され、枠体16を略半分に分断するように取り付けられているものである。
次に、柱と梁とを連結する木造建築用連結金具について説明する。
図3は、本発明にかかる木造建築用連結金具の第2の実施形態の構成を示す平面図および斜視図である。
第2の実施形態である木造建築用連結金具40(以下、連結金具40という)は、断面四角形状の柱14の外面を覆う側壁50を備え、柱14の中途に組み付けて固定される少なくとも2つ以上の部材からなる固定部材42,42と、固定部材42,42の側壁50の外面から、鉛直方向に延出する梁固定板52とからなる。
一対の固定部材42,42の両端縁には、対向する縁板44が平行に設けられ、縁板44に形成された挿通孔48にボルト46aを通しナット46bで締め付けていくことで、固定部材42,42を柱14に締め付けて固定できるように設けられている。
本実施形態において梁固定板52は、3つの側壁50に設けられ、梁38が平面T字状に連結されるように設けられている。梁38と梁固定板52との取り付けは、実施例1と同様、梁38の溝54内および端面と、固定部材42の側壁50外面および梁固定板52とに接着剤を塗り、梁38の溝54と梁固定板52とを嵌合させて接着して固着させているものである。
すなわち、図4(a)に示すように、四角形状に設けられた一対の固定部材42の対向する側壁50の外面にそれぞれ梁固定板52を設け、梁38を平面一直線状に連結する連結金具40aであっても良いし、図4(b)に示すように、固定部材42の隣接する2つの側壁50の外面に梁固定板52を設け、梁38を平面L字状に連結する連結金具40bであっても良い。
また、本実施形態において連結金具40は、同一形状の一対の固定部材42,42により柱に固定されるように設けられているものであるが、本発明においては、これに限定されるものではなく、例えば、柱の外面の三面を覆う断面コ字状の部材と、柱の一面を覆う板材とを組み付けて柱に固定する固定部材であっても良い。
次に、柱の最上部において柱間に架け渡される桁材どおしを連結する木造建築用連結金具について説明する。
図5は、本発明にかかる木造建築用連結金具の第3の実施形態の構成を示す斜視図であり、図5(a)は桁材の連結前の状態を示し、図5(b)は桁材を連結した状態を示している。
第3の実施形態である木造建築用連結金具60(以下、連結金具60という)は、桁材58,58の対向する端面58a,58aにそれぞれ設けられた溝62,62を、端面58a,58aを当接させて連通させた凹部63に嵌合する形状に形成された桁材固定板64と、桁材固定板64の端面64aに設けられ、桁材固定板64を凹部63内に嵌め込んだ際に桁材58の外周面に当接する係止部66とを備えたものである。
本実施形態の連結金具60は、桁材固定板64が、上記の溝62,62を連通して形成された凹部63に嵌合する板状に形成されており、桁材固定板64の端面64aには、端面64aよりも幅広の板状に形成された係止部66が設けられている。係止部66には、スクリューボルトにより連結金具60を桁材58に取り付けるため、両方の桁材58に対応する2つの挿通孔68が設けられている。
なお、本発明においては、桁材固定板64に係止部66を設け、スクリューボルトなどで連結金具60と桁材58とを固定することに限定するものではなく、連通した凹部63に桁材固定板64を嵌め込んだ後、端面58aが当接する位置の桁材58の外周を、ゴムや金属等の締め付けバンドを巻きつけて固定することであっても良い。
また、柱14上部に設けられる桁材58の連結位置は任意の位置で良いが、桁材58にかかる荷重が小さい部分で連結することが好ましい。このため、図6に示すように、桁材58の上面58bから連結金具60を取り付ける場合には、一方または他方の柱14,14から、柱14,14間の4分の1の距離離れた位置が好ましい。また、桁材58の下面58cから連結金具60を取り付ける場合には、柱14,14間の略中央に設けられていることが好ましい。
次に、上記の連結金具10,40,60を用いて建築物を施工する方法について説明する。
本実施形態においては、現在建てられている2階建ての家屋を、家屋に住みながら、3階建てに増築する建築施工方法について説明する。
図7〜図11は、本実施形態の建築施工方法を工程順に示す概念図である。
なお、これまでの工程においては、既存の家屋70の内部を施工する工程はないことから、居住者は既存の家屋70に住むことができる。
3階が住めるように設けられると、2階に3階へ上るための階段84を設け、居住者は3階へ移り住む。
ただ、本実施形態においては、間柱等を取り付ける際のほぞを形成するため、土台26が設けられている。このため、土台26の強度等は要求されないことから、土台26は任意の厚さに設けることができる。
12 基板
14 柱
16 枠体
17 側壁
18 土台固定板
20 柱固定板
22 コンクリート基礎
26 土台
28 溝
38 梁
40 木造建築用連結金具
42 固定部材
50 側壁
52 梁固定板
58 桁材
60 木造建築用連結金具
63 凹部
64 桁材固定板
Claims (6)
- 建築物の基礎の上面に取り付けられ、柱と土台とを連結するための木造建築物用連結金具であって、
前記基礎の上面に固定される基板と、
該基板上に一体に設けられ、上方から柱が嵌め込まれて柱を支持する断面四角形状の枠体と、
該枠体内に、枠体の側壁および基板に対して垂直に設けられた柱固定板と、
前記枠体の側壁の外面から、側壁および基板に対して垂直に側方に延出する土台固定板とを備え、
前記柱の下部には前記柱固定板と嵌合する溝が設けられ、前記柱は、前記柱固定板を含む枠体内面と、該溝を含む柱の外面との当接する面に接着剤が塗布されて、前記枠体に接着して固定され、
前記土台の一端には前記土台固定板と嵌合する溝が設けられ、前記土台は、前記土台固定板を含む枠体外面と、該溝を含む土台の外面との当接する面に接着剤が塗布されて、前記枠体に接着して固定されることを特徴とする木造建築用連結金具。 - 前記柱固定板と前記土台固定板とが一体の板状体からなり、前記枠体に設けられた溝に嵌入して前記枠体に固定されていることを特徴とする請求項1記載の木造建築用連結金具。
- 柱の中途部に取り付けられ、柱と梁とを連結するための木造建築用連結金具であって、
前記柱の外面を覆う側壁を備え、柱の中途に組み付けて固定される少なくとも2つ以上の部材からなる固定部材と、
該固定部材の前記側壁の外面から、鉛直方向に延出する梁固定板とを備え、
前記梁の一端には前記梁固定板と嵌合する溝が設けられ、前記梁は、前記梁固定板を含む側壁外面と、該溝を含む梁の外面との当接する面に接着剤が塗布されて、前記固定部材に接着して固定されることを特徴とする木造建築用連結金具。 - 2本の桁材の端面を突き当てて連結する木造建築用連結金具であって、
対向する桁材の端面を突き当てた際にそれぞれの端面に設けられた溝が連通して形成される凹部に嵌合する大きさに形成された桁材固定板が、前記凹部に嵌め込まれ、
前記凹部外面と前記桁材固定板の外面との当接する面に接着剤が塗布されて、前記2本の桁材を接着して連結することを特徴とする木造建築用連結金具。 - 前記桁材固定板の端面に、桁材固定板を前記凹部に嵌め込んだ際に桁材の外周面に当接する板状の係止部を備えていることを特徴とする請求項4記載の木造建築用連結金具。
- 既存の基礎の外側に新たに基礎を設け、新たに設けた基礎の上に基本骨組を形成して、既存の建築物を撤去することなく、既存の建築物に新規な階を増築する建築施工方法において、
前記基本骨組は、請求項1記載の木造建築用連結金具を利用して柱をたて、
次いで、該柱の中途部に、請求項3記載の木造建築用連結金具を利用して梁を取り付け、
前記柱の最上部に、請求項4記載の木造建築用連結金具を利用して、桁材を取り付けて形成することを特徴とする建築施工方法。
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