JP2005146484A - 防護ニット - Google Patents

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Abstract

【課題】
本発明は、紫外線による変色及び弾性率の低下を阻止し、耐切創性を維持しながら、フィット性とソフトな風合いと低保水性を有する、快適な作業性を有する防護ニットを提供せんとするものである。
【解決手段】
本発明の防護ニットは、ケン縮を有する高機能性繊維と他の繊維とからなる編成布帛であって、かつ、前記高機能性繊維を、該編成布帛の裏面側および中層から選ばれた少なくとも1種の配置構造に配置したことを特徴とするものである。
【選択図】なし

Description

本発明は、耐切創性、フィット性、ソフト風合いに優れた防護ニットに関する。さらに詳しくは、刃物や鋭利な金属、ガラス、岩石、魚介類などを扱う作業用のユニホームおよびスポーツ用のプロテクターとして、足、足首、脛、膝、肩、背中、胸、肘、首、頭部などを保護し、さらに屋外では紫外線等による弾性率劣化を阻止する効果を有する防護ニットに関する。
従来から切創性の優れた防護布帛として、全芳香族ポリアミド繊維や全芳香族ポリエステル繊維などの高弾性繊維で製造される手袋、足首カバー、エプロンなどの編物製品は、木綿や高強力型のポリエステル繊維などを使用した製品に比べ、、破れにくく燃えにくいなど、切創抵抗や難燃性が画期的に高い性能を有しているものとして知られていた。
しかしながら、特殊な作業環境で使用される作業着としては、例えば板金作業、ガラス取り扱い作業、刃物取り扱い作業などにおいては、さらに安全で作業し易い製品への要求は依然として高いものがあり、そのための提案もなされている。
例えば、単糸太さが3デニール以上の繊維を布帛の片面に、単糸太さが3デニール以下の繊維を布帛の反対面に配置した高弾性率繊維からなる防護布帛(特許文献1参照)が提案されている。かかる防護布帛によれば、切創抵抗値は極めて高くなるものの、伸縮性が低いので、フィット性に乏しく、風合いが硬く「ごわごわ」するので、着用感が不快なため作業性が低いという問題があった。
また、芳香族ポリアミド繊維を交編して構成される防護布帛(特許文献2参照)が提案されているが、芳香族ポリアミド繊維が表面に配置した布帛構造であるため、直接接紫外線にさらされやすくなるので、紫外線によって変色したり、弾性率の劣化が起こりやすいという致命的な問題があった。
さらにまた、芳香族ポリアミド繊維を用いた3層構造による耐熱性防護服(特許文献3参照)が提案されているが、表地及び遮熱層がアラミド繊維で構成されており、やはり紫外線によって変色したり、弾性率劣化の問題が起こりやすいという致命的な問題があった。
特開2000−8253号公報 特開2002−180355号公報 特開2000−212810号公報
本発明は、かかる従来技術の背景に鑑み、紫外線による変色及び弾性率の低下を阻止し、耐切創性を維持しながら、フィット性とソフトな風合いと低保水性を有する、快適な作業性を有する防護ニットを提供せんとするものである。
本発明は、かかる課題を解決するために、次のような手段を採用するものである。すなわち、本発明の防護ニットは、ケン縮を有する高機能性繊維と他の繊維とからなる編成布帛であって、かつ、前記高機能性繊維を、該編成布帛の裏面側および中層から選ばれた少なくとも1種の配置構造に配置したことを特徴とするものである。
本発明によれば、刃物や鋭利な金属、ガラス、岩石、魚介類などを扱う作業用のユニホームおよびスポーツ用の衣料やプロテクターなどの他に、Tシャツやパンツあるいは手袋などの用途、特に水中作業着や水中スポーツ用ユニホームなどに最適な素材を提供することができる。
本発明は、前記課題、つまり紫外線による変色及び弾性率の低下を阻止し、耐切創性を維持しながら、フィット性とソフトな風合いと低保水性を有する、快適な作業性を有する防護ニットについて、鋭意検討し、ケン縮性を有する高弾性率繊維を編成布帛、つまりニットにして、かつ、そのニットの裏面側もしくは中間層に配置してみたところ、従来織物製品では得られなかった、前記のような課題を一挙に解決することを究明したものである。
本発明の防護ニットは、ケン縮を有する高機能性繊維と他の繊維とからなる編成布帛で構成されているものであること、ならびに、前記高機能性繊維を該編成布帛の裏面側および中層から選ばれた少なくとも少なくとも1種の配置構造に配置したところに特徴を有するものである。
具体的には、下記AおよびBから選ばれた少なくとも1種の組み合わせからなる配置構造を有するものである。すなわち、高機能性繊維を、該編成布帛の裏面側に配置するか、中層、さらには、表面以外に配置するものである。具体的には、下記AおよびBから選ばれた少なくとも1種の組み合わせからなる配置構造を有するものである。
(A)前記高機能性繊維を該編成布帛の裏面に、前記他の繊維を該編成布帛の表面にそれぞれ配置した配置構造。
(B)前記他の繊維を該編成布帛表面と裏面に配置し、前記高機能性繊維を該編成布帛の中層に配置した配置構造。
(A)の配置構造では、裏面に配置された前記高機能性繊維がケン縮を有するので、防護ニットの伸縮性は高くなるのでフィット性が向上する上に、裏面のより内側へ内側へと縮む力が働くので、編み構造の内側へ該高機能性繊維が入りやすくなるので、該高機能性繊維が直射日光の影響を受けにくくなる利点を有する。さらに該高機能性繊維が編み構造の内側へ入り込むので、高機能性繊維が直接肌に触れなくなるために、従来の高機能性繊維製品が有するヌメリ感やチクチク感などの悪い風合いがなく、肌に接触する部分でも、ソフトで、滑らかな風合いを呈するものである。
かかる高機能性繊維とは、ポリパラフェニレンテレフタルアミド(東レ・デュポン(株)製”ケブラー”(R))、コパラフェニレンー3・4’−オキシジルフェニレンテレフタルアミドなどの全芳香族ポリアミド繊維、全芳香族ポリエステル、ポリベンツオキシダゾール繊維、超高分子量ポリエチレン繊維などの高弾性率繊維を意味するものである。
本発明でいうケン縮を有する高機能性繊維とは、仮燃加工やニットデニット等によって付与されたクリンプ集合体から成り、防護ニットの伸縮性を高くすることはもちろん、それ以外にソフトな風合いへの改善や、弾性糸を被覆する際のカバーリング性能を向上させ「目むき」を防止することができる。その結果、高品位の防護ニットを得ることができるのである。
好ましくはそのケン縮性の大きさが、伸縮復元率で好ましくは3%以上、より好ましくは3〜20%を有するものであり、かかる伸縮復元率は、高くなるほど、防護ニットにおいてフィット性が強くなり、ソフトな風合いとなるが、高くなり過ぎると、編成布帛の形態安定性が不良となるので、好ましくは20%以下の範囲であるものが適している。なお、かかる伸縮復元率が3%未満では伸縮性が乏しくなり、本発明の効果が惹起しにくくなる。
なお、かかるケン縮のケン縮糸形態は、仮撚加工糸あるいはニットデニット加工糸または押し込み加工糸などの手段で得られるものが好ましく使用されるが、なかでも仮撚加工糸が最適である。
すなわち、かかるケン縮加工としては、嵩高性とケン縮性を有していることが被覆性や風合いから好ましいので、高ケン縮糸が得られる仮撚加工や残留トルクがなく強度低下の少ないニットデニット加工が好ましく使用されるものである。
かかる仮撚加工としては、イタリー式であっても、連続式であっても構わない。また、ニットデニット以外の他の加工について、賦型加工やホットエアー噴射加工であっても構わないが、流体噴射加工では加工条件によっては伸縮性が得られない場合があるので好ましくない。
また、かかる高機能性繊維の糸形態としては、スパン糸であってもフィラメント糸であっても構わないが、ケン縮性を付与する上では、フィラメント糸が好ましく、糸筋も均整であることから、高品位な防護ニット製品を提供することができる。
一方、本発明でいう他の繊維とは、前記高弾性率繊維に対して一般に低弾性率繊維と称されるもので、通常、衣料用に使用される繊維であり、以下、通常繊維という。かかる通常繊維としては、たとえば木綿、絹、羊毛などの天然繊維や、ポリエステル、ナイロン、ポリビニルアルコール、アクリル、フッソ繊維およびポリフェニレンサルファイド繊維などの合成繊維を使用することができ、これらの繊維から選ばれた少なくとも1種の繊維を用いることができる。これらのなかでも、切創性やファッション性あるいはソフト風合いからポリエステルやナイロンが好ましく使用される。かかる繊維においても、さらにケン縮加工が施されているものが好ましく使用される。かかる他の繊維の伸縮復元率としては、好ましくは5%以上25%以下の範囲のものが前記効果の上からよい。なお、かかる伸縮復元率が5%未満では、やはり伸縮性に乏しく、25%を超えると、防護ニットとしての形態安定性が不良となる傾向がでてくる。
前記高機能性繊維を裏面側に配置することにより、直射日光の紫外線による変色防止や、強度劣化を阻止することができる上に、一般的に高機能性繊維は染色されにくいので、ファッション性に乏しい製品となり易いという欠点があるが、これを防止することができる利点がある。
一方、前記通常繊維を表面側に配置することにより、前記高機能性繊維の有する上記欠点、つまり直射日光による劣化のし易さや、染色のしにくさ、さらには肌に触れたときのヌメリ感やチクチク感などの悪い風合いとなることをカバーすることができるものである。すなわち、前記高機能性繊維を防護する構造とすることにより、ファッション性や風合いにも優れた製品とすることができたものである。
この配置構造の防護ニットの用途としては、特にマリーンスポーツ用であれば、保温性を必要とするので、表面の通常繊維としては、好ましくは単繊維繊度が1dtex以下、総繊度が50〜150dtexのフィラメント糸使いであるのがよく、また、編み構造としては、高密度ニットとなるような16ゲージ〜42ゲージ丸編み機を用いて製造された編成布帛が好ましい。
本発明の防護ニットの組織としては、天竺を応用した薄地用では、簡易リバーシブルのシングルニット組織、また、中厚地用では、リバーシブルのダブルニット組織の2層構造が好適であリ、さらには防護性の高い厚地用では、サンドイッチ構造やダンボールニット構造などの3層型の組織であるのが好ましい。
前記薄地用の組織では、たとえば手袋、シャツ、パンツ、ソックスなど、中厚地用の組織では、保温性などを必要とするシャツ、パンツなどに適している。さらに厚地用の組織では、プロテクター代わりとなる膝、肘、尻、頭部などの防護パットに適している。
次に、(B)の配置構造では、前記高機能性繊維を中層に配置し、通常繊維を表層と裏層に配置した防護ニットである。かかる配置構造によれば、防護性や風合い、さらにはファッション性をも自由自在に表現することができる。すなわち、通常繊維を表裏面側に配置したことによって、たとえば裏面と表面に異種の通常繊維の糸条を用いると、異なる風合いの編成布帛を提供することができる。具体的には、例えば、裏面側について言えば、裏面側に配置する通常繊維として、スパン糸を用いると、ソフトな風合いの肌触りものを提供することができるし、疎水性や保温性の高いポリプロピレン糸を用いると、肌が暖かくなるものを提供することができるし、またさらに単繊維繊度の太いポリエステル繊維糸条を用いると、汗処理性が良くなるものを提供することができるなど、表面とは異なる機能性を付与することができる。
また、用途によっては競艇や競輪あるいはスケートなどのプロスポーツのプロテクターとして好適なものを提供することができる。この場合、裏面においても前記高機能性繊維を交編したりすることにより、通常のサンドイッチ構造あるいはダンボールニットなどと呼ばれる3層構造組織の機能性をさらに向上させる組織にすることも可能である。
かかる3層構造のダブルニット構造の場合は、前記高機能性繊維を中層に配置するのはニットの断面において、表面と裏面との中間に位置するため編組織のループ形状の変形がなく、またケン縮性を有することにより表面と裏面を中間層に引きつけられる力がループに働いているので、該ニットの形態安定を持続することができ、機能性や着心地感をいつまでも保つことができる利点がある。
以上、本発明の防護ニットの配置構造について説明したが、かかる防護ニットにおいて、前記高機能性繊維のうち、メタ系またはパラ系のアラミド繊維を特に用いて構成された防護ニットは、耐切層性および耐熱性に優れた効果を奏するという特異な効果を発揮すするので、特にかかる両特性が要求される消防服や、鍛冶屋や溶鉱炉などの高温高熱の環境での作業に携わるための作業衣として好ましい。
また、本発明の防護ニットにおいて、前記高機能性繊維として、該高機能性繊維と弾性繊維からなる被覆弾性糸を用いて構成されたニットである場合は、水中作業やマリーン・スポーツにおいて着用するのに好適なものを提供することができる。すなわち、かかる作業やスポーツでは、切創性以外にも、優れたフィット性や保温性が必要とされるので、生地の伸縮性が高く、ストレッチパワーに優れた特性が要求されるが、本発明では、前記高機能性繊維と弾性繊維からなる被覆弾性糸を用いることによって見事にかかる要求に満足する製品を提供し得たものである。
つまり、かかる特定な作業やスポーツで着用されるユニホームでは、衣服と肌との間に多くの水を含むと、水中での活動が鈍くなり、場合によっては危険な状態にもさらされるので、フィット性が高いことは極めて重要であり、そのために、本発明では高い伸縮伸長回復率を有する前記被覆弾性糸を採用するものである。すなわち、本発明では、そのために前記被覆弾性糸の伸縮伸長回復率としては、好ましくは80〜98%の範囲のものが使用される。かかる伸縮伸長回復率が80%未満ではフィット性が弱くなって、水中で脱げたりし易くなるので安全性からは好ましくない。
なお、かかる高機能性繊維はケン縮性が付与されているので、被覆性は格段に向上されているので、前記被覆弾性糸のカバーリング撚の隙間から弾性繊維が露出することが少なくなるので、より高品位の防護ニットを提供することができる。
かかる被覆弾性糸の糸形態は、実撚をSあるいはZ方向のシングルに、またはS/Z方向のダブルに被覆されていても良く、あるいは空気交絡されたり、空気交絡後に追撚されていてもよい。また、使用される弾性繊維は、ポリアミド系弾性糸やポリエステル系弾性糸のいずれであっても良い。 なお、通常繊維と弾性繊維からなる被覆弾性糸を用いて、表糸あるいは裏糸に用いても構わないが、表面と裏面のループ形態が崩れやすくなったり、高機能性繊維が露出しやすくなるので、糸使いや編成条件の調整が必要となる。
本発明の防護ニットは、主として縫製品であって、例えばマリーンスポーツ用のTシャツや長袖シャツあるいはパンツやロングパンツに縫製された防護ニットである。これらの防護ニットは、特にマリーンスポーツや海底作業あるいは漁業従事者が着用するウエアーであって、海、湖、川、池などの水中での身体の防護を行うための着衣である。主に切創性やぶつかりあるいは摩擦、さらに保温性などから身体防護し、かつ、容易に動きやすいという特徴を有するするものである。これらの作業衣やユニホーム以外に、プロテクターとしての部分的な使い方も可能である。
例えば、特に危険な身体部位として、足、膝、肘、首、手、頭であるが、これらのうち膝、肘はサポーター代わりに、首は厚めのニット構造のベルトとして重ね使いに使用することが出来る。足はソックスや地下足袋風に手は手袋として、頭はヘルメット代わりの帽子として防護ニットを使用することが出来る。
特殊な例として、ウエットスーツの表面に本発明の防護ニットを貼り付けた重装備のウエットスーツである。これは、ウエットスーツは一般的には裏面にポリアミドの仮撚加工糸のニットが、中層には発泡ゴム地が表面にはポリアミドの仮撚加工糸またはコーティングが施された3層構造となっている。
しかし、海中での作業やマリーン・スポーツでは、岩や海底に沈む金属やガラス片あるいは魚のヒレや歯によって、作業者やプレーヤーの肌が引き裂かれる事故があり、危険にさらされているものであるが、かかる海中事故からも、本発明の防護ニットをプロテクターとして、従来のウエットスーツの外層に接着剤で貼り付けるだけで防護することができるのである。
次に、本発明の防護ニットの製造方法についてその代表例を説明する。
まず高機能性繊維としてパラフェニレンテレフタルアミド(”ケブラ−”(R))フィラメント糸(分解開始の温度390℃以上、分解温度460℃以下)を用いて、非接触式ヒータで、温度600℃にて、連続仮撚加工を行い、ケン縮加工糸を製造する。かかる連続仮撚加工する以外にも、たとえば加ネン後200℃の高圧水蒸気セットを施した後、解ネンするイタリー式仮撚加工方法によっても、高機能性繊維のケン縮加工糸を製造することができる。さらには、筒編み機にて、一旦、筒編みにした状態で、200℃の高圧水蒸気セットを施した後、解編するニットデニット方法により、ケン縮加工糸を製造しても構わない。
弾性繊維としてポリウレタン弾性糸(”LYCRA”(R))を3.1から3.5倍にドラフトしながら前記の高機能性繊維のケン縮加工糸でS方向に400〜1200t/mのヨリ数でカバーリング加工を施しシングルカバーリングした被覆弾性糸を製造し、通常繊維として、ポリアミド仮撚加工糸をもちいる。24G丸編機にてリバーシブルの組織とし、表糸に前記のポリアミド仮撚加工糸を、裏糸に前記の被覆弾性糸を配列し編成する。得られた丸編地の生機を酸性染料で染色仕上げ加工を施し生地を製造する。この生地を用いて各用途の防護ニットに縫製するのである。
かくして得られる本発明の防護ニットは、伸縮伸長・回復率に優れており、Tシャツやパンツあるいは手袋ではフィット性が強く、水中での動きがスムースになるので、水中作業着やスポーツ衣料に最適である。また、水上に上がったとき、水を含まなくもちろん水中においても水を溜めないので水の抵抗が少なく動きやすいもである。
高機能性繊維にケン縮加工を施しているので、芯糸の伸縮伸長・回復率を補助すること以外に、芯糸の弾性糸の露出を防止し品位を向上させたり、肌に触れる側の風合いをソフト化し、チクチク感やヌメリ感を改善することが出来る。
また、ケン縮加工を施しているので、ニット組織が構成されるとケン縮回復力により、より組織内部に入ろうとするので、表側の通常繊維のニット組織は浮き出るようになり、表側から裏側の高機能性繊維は見えにくくなり、裏側の高機能性繊維への紫外線の影響は受けにくくなるのである。
裏側に高機能性繊維を配置しているので、切創性は高く一般衣料用以外にプロテクターとしての部分的な使い方も可能である。
以下、本発明を実施例により、さらに詳細に説明する。
なお、実施例のデータの測定方法は、以下の通りである。
単位面積当たりの質量(目付):JIS L 1096に基づいて測定した。
切創抵抗:ISO13997法に基づいて測定した。
伸び率:JIS L1018に基づいて測定した。
回復率:JIS L1018に基づいて測定した。
耐光堅牢度:JIS L0842に基づいて測定した。
着用感:被検者5名による縫製したTシャツの着用感で評価した。
弾性糸の露出:カバーリング糸に使われている弾性糸の露出度合を肉眼による確認の有無によって判別した。
伸縮復元率、伸縮伸長回復率:JIS L1018に基づいて測定した。
実施例1
高機能性繊維としてパラフェニレンテレフタルアミド(”ケブラ−”(R))フィラメント糸(分解開始の温度390℃以上、分解温度460℃以下)の220dtex、フィラメント本数134本の糸条を用いて、非接触式ヒータ温度600℃、オーバーフィード率0%、仮撚数2000t/m、加工速度20m/分にてスピンドル式連続仮撚加工を施し、伸縮復元率7.5%のケン縮加工糸を製造した。一方、芯糸としてポリウレタン弾性糸(”Lycra”(R))の44dtexを3.3倍にドラフトし、S方向に650t/mのカバーリング加工を施し被覆弾性糸を製造した。
通常繊維として、ポリエステルフィラメント糸168dtex、フィラメント数48本の糸条を用いて、MACH−33H(村田機械(株)製)仮撚加工機のヒーター温度225℃、V/R比1.8、加工倍率1.7倍、加工速度650m/分、再熱セット温度210℃、オーバーフィード率+12%にて仮撚加工糸を製造した。
16G×30”丸編機を用いて、通常繊維を表糸に高機能性繊維を裏側になるように配置したリバーシブル構造の組織にて、回転数11.2rpm、給糸本数18本により編成した。
得られた生機を分散染料により133℃の高温染色および仕上げ加工を施し防護用のニット生地を製造した。Tシャツに縫製し、得られた防護ニットの機能性を表1に示した。
その結果、フィット性が大きく、肌触りがソフトな防護ニットが得られた。
実施例2
実施例1と同様に、高機能性繊維としてパラフェニレンテレフタルアミド(”ケブラ−”(R))フィラメント糸(分解開始の温度390℃以上、分解温度460℃以下)の220dtex、フィラメント本数134本の糸条を用いて、スピンドル式仮撚加工を施しケン縮加工糸を製造した。芯糸としてポリウレタン弾性糸(”Lycra”(R))の44dtexを3.5倍にドラフトし、S方向に前記ケン縮加工糸をカバーリングし、の被覆弾性糸を製造した。
通常繊維として、ポリエステルフィラメントシ168dtex、フィラメント数48本の糸条を用いて、実施例1と同様に仮撚加工糸を製造した。
16G×30”丸編機を用いて、通常繊維を表側と裏側に、高機能性繊維を中側になるように配置したサンドイッチ構造の組織により編成した。
得られた生機を分散染料により133℃の高温染色および仕上げ加工を施し防護用のニットを製造し、Tシャツに縫製した。得られた防護ニットの機能性を表1に示した。
その結果、防護性が大きくソフトな肌触りの防護ニットが得られた。
比較例1
高機能性繊維としてパラフェニレンテレフタルアミド(”ケブラ−”(R))フィラメント糸(分解開始の温度390℃以上、分解温度460℃以下)の220dtex、フィラメント本数134本の糸条を用い、一方芯糸となるポリウレタン弾性糸(”Lycra”(R))の44dtexを3.5倍にドラフトし、前記糸条をS方向に650t/mのカバーリング加工を施し、被覆弾性糸を製造した。
通常繊維として、実施例1と同様のポリエステルフィラメント糸168dtex、フィラメント数48本の糸条を用いて、MACH−33H(村田機械(株)製)仮撚加工機のヒーター温度225℃、V/R比1.8、加工倍率1.7倍、加工速度650m/分、再熱セット温度210℃、オーバーフィード率+12%にて仮撚加工糸を製造した。
編成および染色仕上げは実施例1と同様の加工を施し、得られた生地を実施例1と同様に縫製した。得られたニット製品の機能性を表1に示した。
その結果、実施例1に比べて、防護性ほとんど代わらないがヌメリ感のある不快な肌触りであり、フィット性もやや低いものであった。
Figure 2005146484

Claims (7)

  1. ケン縮を有する高機能性繊維と他の繊維とからなる編成布帛であって、かつ、前記高機能性繊維を、該編成布帛の裏面側および中層から選ばれた少なくとも1種の配置構造に配置したことを特徴とする防護ニット。
  2. 前記配置構造が、下記AおよびBから選ばれた少なくとも1種の組み合わせからなるものであることを特徴とする請求項1に記載の防護ニット。
    (A)前記高機能性繊維を該編成布帛の裏面に、前記他の繊維を該編成布帛の表面にそれぞれ配置した配置構造。
    (B)前記他の繊維を該編成布帛表面と裏面に配置し、前記高機能性繊維を該編成布帛の中層に配置した配置構造。
  3. 前記ケン縮を有する高機能性繊維が、仮撚あるいはニットデニットによるケン縮加工が施されたものである請求項1または2に記載の防護ニット。
  4. 前記高機能性繊維が、3〜20%の伸縮復元率を有するものであることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の防護ニット。
  5. 前記高機能性繊維が、メタ系またはパラ系のアラミド繊維であることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の防護ニット。
  6. 前記高機能性繊維が、該高機能性繊維と弾性繊維とで構成された伸縮伸長回復率が80〜98%である被覆弾性糸であることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の防護ニット。
  7. 前記防護ニットが、縫製品であることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の防護ニット。
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