JP2005146469A - 耐光性に優れた高難燃性のアクリル系繊維および布帛 - Google Patents

耐光性に優れた高難燃性のアクリル系繊維および布帛 Download PDF

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Abstract

【課題】 高難燃性を有し、かつ耐光性に優れたアクリル系繊維および布帛を提供すること。
【解決手段】 アクリロニトリル30〜70重量%、塩化ビニリデン単量体30〜70重量%およびこれらと共重合可能なビニル系単量体0〜10重量%よりなる重量平均分子量が20万以上のアクリル系共重合体100重量部およびエポキシ含有重合体0.1〜10重量部、に対し、0.1〜2.0重量部のトリアジン系化合物および、アンチモン化合物、錫化合物、亜鉛化合物からなる金属化合物のうち、少なくとも一つを1〜50重量部併用添加して得られるアクリル系繊維および、該アクリル系繊維より得られる布帛。
【選択図】 なし

Description

本発明は難燃性及び耐光性に優れたアクリル系繊維及びそれからなる布帛に関する。
近年、衣食住に対する安全性確保の要求が強まり、難燃素材の必要性が高まってきている。しかも難燃性以外の視感、風合い、吸湿性、耐光性、耐洗濯性等の性能に対する要望も強まってきており、それら性能に応じてその用途は広い範囲に及んでいる。
これら耐光性が必要とされる各用途において、アクリル系繊維は、風合いや耐久性、加工性に優れていることから、古くから広範囲の用途に使用されている。また、アクリル系繊維は紡績性にも優れていることから布帛への加工が容易であり、デザイン性および、折りたたみや格納、収納にも耐久性のあることが要求されるオーニング(日よけ、雨よけ)やボートカバー用途などに好適に用いられている。
特に、屋外で使用されるオーニングやボートカバー用途には、長期間にわたって変退色が防止されるだけでなく、耐洗濯性があり、高度な難燃性を確保し、かつ耐光性に優れた難燃繊維複合体が望まれており、従来のアクリル系繊維が高いレベルで上記特性を併せ持つための改良が期待されている。
一方、アクリル系繊維の耐光性を改善するための紫外線吸収剤として、従来からベンゾトリアゾール系化合物やベンゾフェノン系化合物が用いられているが、これら従来の紫外線吸収剤は沸点が低く、分解しやすいため、耐光性の劣化が早く、また沸点が低いため製造工程での問題が生じ、製造が極めて困難となるという問題があった。最近、上記欠点を改良するために、高分子量体のベンゾトリアゾール化合物を添加したアクリル系繊維が提案されている(特許文献1〜3)。しかし、これらの方法ではベンゾトリアゾールモノマーとアクリロニトリルを共重合させたのちにアクリル系樹脂にポリマーブレンドする必要があるため、従来の低分子量体のベンゾトリアゾール化合物の価格よりも高くなり、コスト面で好ましくない。またこれらの方法では、難燃性を付与するために難燃剤を併用するなどの特別な操作は行っておらず、ハロゲン含有アクリル系繊維の元々有する程度の難燃性であり、A−4法およびNFP92.503で不適合となり、高度な難燃性があるとは云えない。
紫外線吸収剤に難燃剤としてアンチモン化合物を併用添加した例もあるが(特許文献4,5)、かなり特殊な高分子ベンゾトリアゾールやベンゾフェノン化合物を使用することから、高価となりコスト面で不利である。
さらに上述したようなベンゾトリアゾール系化合物やベンゾフェノン系化合物では、特にオーニング分野などにおける過酷な条件下での耐光性が不十分である。従って、より高度な耐光性を付与出来、かつアクリル系繊維との相溶性に優れた紫外線吸収剤と、高難燃性を付与できる難燃剤、そしてこれらの最適な組み合わせが求められているが、オーニングやボートカバーなどの分野に用いることのできる耐光性に優れ、かつ高難燃性を有する繊維や布帛は得られていないのが現状である。
特開平8−269815号公報 特開平9−3723号公報 特開平9−78344号公報 特公平2−15642号公報 特開平5−33216号公報
本発明の目的は高難燃性を有し、かつ耐光性に優れたアクリル系繊維および布帛を提供することにある。
本発明者らは上記課題に対して鋭意検討した結果、特定分子量以上のアクリル系重合体と、特定の難燃剤と紫外線吸収剤を組み合わせて用いることで高難燃性を有し、かつ耐光性に優れたアクリル系繊維および布帛が得られることを見出した。即ち本発明は、アクリロニトリル30〜70重量%、塩化ビニリデン単量体30〜70重量%およびこれらと共重合可能なビニル系単量体0〜10重量%からなり、かつ重量平均分子量が20万以上のアクリル系共重合体100重量部に対し、エポキシ含有重合体0.1〜10重量部、トリアジン系化合物0.1〜2.0重量部と、アンチモン化合物、錫化合物、亜鉛化合物からなる群より選択される金属化合物のうち少なくとも一種の金属化合物1〜50重量部を併用添加して得られるアクリル系繊維およびこれらから得られる難燃性布帛である。
また、前記アクリル系共重合体100重量部に対し、0.1〜10重量部のエポキシ含有重合体を含有することが好ましく、トリアジン系化合物の分子量が350以上であるのが好ましい。
本発明は、重量平均分子量が20万以上のアクリル系共重合体およびエポキシ含有重合体を用い、難燃剤としてアンチモン化合物、錫化合物、亜鉛化合物からなる群より選択される1種以上の金属化合物を用い、紫外線吸収剤としてトリアジン系化合物を併用することにより、高度な難燃性を有し、かつ耐光性に優れたアクリル系繊維および布帛を得ることを可能とするものである。
以下に本発明を詳細に説明する。
本発明に用いるアクリル系共重合体は、アクリロニトリル30〜70重量%、塩化ビニリデン単量体70〜30重量%、およびこれらと共重合可能なビニル系単量体0〜10重量%を共重合して得られる重量平均分子量(Mw)が20万以上のものである。
アクリロニトリルと塩化ビニリデン単量体とを共重合させて用いる。耐光性の面からMwを20万以上とするのが好ましい。アクリル系共重合体のMwが20万以上の場合、分子末端数が少なく、分子鎖の脱塩酸による分子内二重結合の生成が起こりにくく、着色が発生しにくい。逆に、Mwが20万以下の場合は分子末端数が多いため、分子鎖よりの脱塩酸が発生しやすいので、Mwが20万以上の場合と比べ耐光性が悪くなる。
また、前記ハロゲン含有単量体と共重合可能なビニル系単量体としては、上記塩化ビニリデン単量体以外の共重合可能なビニル化合物であれば特に限定されないが、例えば、アクリル酸、アクリル酸エステル、メタクリル酸、メタクリル酸エステル、アクリルアミド、酢酸ビニル、ビニルスルホン酸、ビニルスルホン酸塩、スチレンスルホン酸、スチレンスルホン酸塩などが挙げられ、それらの1種または2種以上を用いることができる。
本発明において、アクリル系重合体中のアクリロニトリルの含量が30重量%未満では耐熱性が十分でなく、また、アクリロニトリルの含量が70重量%を超えると十分な難燃性効果が得られない。一方、塩化ビニリデン単量体の含量が30重量%未満では、繊維の難燃性が不十分となり、オーニング用製品での高難燃性を維持することが困難になり、塩化ビニリデン単量体の含量が70重量%を超えると、製造された繊維の物性(強度、耐熱性など)、染色性、発色性、風合いなどの性能が十分でなくなり、いずれも好ましくない。
これらアクリロニトリルと塩化ビニリデン単量体あるいはこれらと共重合可能な単量体と共重合してMw20万以上のアクリル系共重合体を得る方法としては、通常のビニル系単量体の重合方法、即ち、スラリー重合、乳化重合、溶液重合などいずれの方法も適用でき、特に制限はない。
本発明で用いるエポキシ含有重合体としては、ポリグリシジルメタクリレート、ポリグリシジルアクリレート、エポキシ化ブタジエン等が挙げられる。使用量としては、アクリル系共重合体100重量部に対し、0.1〜10重量部が好ましいが、より好ましくは2〜6重量部である。これらエポキシ含有重合体を添加することで、失透性向上、防錆効果、熱による着色防止などの効果を付与させることが出来る。前記エポキシ含有重合体の添加量が0.1重量部よりも少ないときには、その効果が確認されず、また、10重量部よりも多いときには、難燃性が悪化するため好ましくない。
本発明では、難燃性を付与するために、アンチモン化合物、錫化合物、亜鉛化合物からなる群より選択される1種以上の金属化合物を使用する。アンチモン化合物としては、三酸化アンチモン、五酸化アンチモン、アンチモン酸、オキシ塩化アンチモン等、錫化合物としては、メタ錫酸、酸化第二錫、オキシハロゲン化第一錫、水酸化第一錫等、亜鉛化合物としては、ホウ酸亜鉛、モリブデン酸亜鉛、酸化亜鉛、燐酸亜鉛、塩化亜鉛等が挙げられるがこれらに限定されるものではない。そのほかの金属化合物として、錫酸亜鉛化合物が挙げられる。この中でも、少量の添加で高難燃性が期待でき、添加量が少なくてすむことから繊維の物性への悪影響が少なく、耐光性にも寄与することから前記金属化合物としてアンチモン化合物および/または錫酸亜鉛化合物を用いるのが好ましい。本発明で好ましく用いられるアンチモン化合物は、三酸化アンチモン、五酸化アンチモンなどであり、錫酸亜鉛化合物は、錫酸亜鉛(ZnSnO3)、ヒドロキシ錫酸亜鉛(ZnSn(OH)6)などの無機錫酸亜鉛化合物などであり、それぞれ単独でも複数を混合して用いても良い。
これら金属化合物の使用量(2種以上併用する場合はその合計)としては、アクリル系共重合体100重量部に対し、1〜50重量部であり、好ましくは2〜20重量部である。金属化合物の使用量が、アクリル系共重合体100重量部に対し、1重量部未満では難燃性が不十分となり、50重量部を超えると、製造された繊維の物性(強度、伸度)、ノズル詰まり、ろ布の目詰まり等の繊維製造工程上の問題が生じ、いずれも好ましくない。
本発明では、耐光性を付与するための紫外線吸収剤として、トリアジン化合物を使用する。トリアジン系化合物は、トリアジン骨格を有し、紫外線吸収効果を有するものであれば特に限定されないが、その分子量が350以上のものであるのが、紡糸浴への溶出が少ない、乾燥工程での昇華がないなど、製造工程上のトラブルを解消できる点で好ましい。前記トリアジン化合物の添加量は、アクリル系重合体100重量部に対し0.1〜2重量部添加することが好ましく、添加量が0.1重量部より少ない場合にはその耐光性改善効果が顕著ではなくなり、また2重量部よりも多い場合には、添加量に対する性能向上への寄与が減少するばかりでなく経済的な面でのメリットが得られないため好ましくない。トリアジン化合物の具体的例としては、2−(4,6−ジフェニル−1,3,5−トリアジン−2−イル)−5−[(ヘキシル)オキシ]−フェノール、2−[4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジン−2−イル]−5−(オクチルオキシ)フェノン、2−ヒドロキシ−4,6−ジアリール−1,3,5−トリアジン、2−(2′−ヒドロキシ−4′−メトキシ−5′−スルホフェニル)−4,6−ジフェニル−S−トリアジン、2−(2′−ヒドロキシ−5′−スルホフェニル)−4,6−ジフェニル−S−トリアジン、ビス(ヒドロキシフェニル)−1,3,5−トリアジン、ヒドロキシフェニル−1,3,5−トリアジンなどが挙げられる。この中でも樹脂との相溶性や耐光性の点から、分子量が350以上の2−(4,6−ジフェニル−1,3,5−トリアジン−2−イル)−5−[(ヘキシル)オキシ]−フェノール、2−[4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジン−2−イル]−5−(オクチルオキシ)フェノン、2−(2′−ヒドロキシ−4′−メトキシ−5′−スルホフェニル)−4,6−ジフェニル−S−トリアジン、2−(2′−ヒドロキシ−5′−スルホフェニル)−4,6−ジフェニル−S−トリアジンなどが好ましい。
本発明のアクリル系繊維を得る製造方法としては、上記のようなアクリル系重合体およびエポキシ含有重合体に、アンチモン化合物、錫化合物、亜鉛化合物からなる群より選択される1種以上の金属化合物、トリアジン系化合物、必要に応じてエポキシ含有重合体などを混合して紡糸原液を得て、これを湿式紡糸等の公知の方法でアセトン、およびジメチルホルムアミドなどの水溶液中に押し出しし、水洗、乾燥、延伸、熱処理を行うことにより得ることができる。このアクリル系繊維の繊度は特に限定されるものではないが、通常1〜15dtexのものが使用される。そしてこのアクリル系繊維は公知の方法でカットした後、紡績用原綿として使用される。
紡績用原綿は公知の方法で紡績し、続いて、この紡績糸を公知の方法で織成して布帛とする。また、本発明で得られるアクリル系繊維とPET、PP、綿、セルロース系繊維などと交織および混綿して紡績糸や布帛を得ても良い。
布帛の組織は平織、朱子織、綾織等のいずれでも良く、特に限定されるものではない。
本発明では、紫外線吸収剤としてトリアジン系化合物を用いるだけでなく、難燃剤として特に錫酸亜鉛化合物を併用することで、特に光に対する耐劣化性を有するアクリル系繊維および布帛を得ることができる。
本発明で得られたアクリル系繊維はそれ単独で、または他の繊維と複合で布帛として、寝装、寝具、カーテン、作業服、オーニング、ボートカバー、自動車内装品等の様々な用途に用いることができる。その中でも、高度な耐光性を要求され、且つ高度な難燃性を必要とするオーニングやボートカバーに適している。
以下、実施例を挙げて本発明を更に詳しく説明するが、本発明は係る実施例に限定されるものではない。難燃性は繊維および布帛の両方で評価し、耐光性は繊維で評価を実施した。布帛の作成方法としては、公知の方法により、組織を平織とした布帛を作成し、評価を実施した。なお実施例に先立ち難燃性と耐光性の評価方法と分子量測定方法を以下に示す。
[難燃性]
布帛の難燃性は、JIS L1091 A−4法(垂直法)とフランスのNF P 92−503燃焼試験方法に基づき実施した。
JIS L1091 A−4法(垂直法)の布帛の燃焼方向は、経緯の2方向を各5枚づつ実施し、炭化長で判断した。判断基準としては、炭化長が11cm未満は○、11〜11.5cmは△、11.5cm以上は×、とした。この判断基準では○が合格レベルである。
フランスのNF P 92−503燃焼試験方法を簡単に説明すると、布帛を水平方向に対して30°に傾け、500Wの電熱ヒーターを織物に近づけ、ヒーター加熱開始20秒後、45秒後、75秒後、105秒後、135秒後、165秒後の各々のタイミングでバーナーを5秒間接炎する。そのときの残炎秒数と炭化長で燃焼性を判定するが、電熱ヒーターで加熱しながら、バーナー接炎を実施する燃焼試験である。
燃焼方向は経オモテ、経ウラ、緯オモテ、緯ウラの4方向について実施し、判定は下記NF P 92−507基準に基づいて実施した。
M1:4方向の試験で全ての残炎秒数が5秒以下で、かつ平均炭化長が25cm以下の場合
M2:4方向の試験で残炎秒数が1枚でも5秒を超え、かつ平均炭化長が35cm以下の場合
M3:4方向の試験で残炎秒数が1枚でも5秒を超え、かつ平均炭化長が60cm以下の場合
上記の方法で難燃性評価を行い、評価結果がM1またはM2が合格レベルである。
繊維の難燃性は、JIS K7201酸素指数法による高分子材料の燃焼試験方法(LOI値)に基づき実施した。酸素指数試験器のホルダーで、試料が5cm燃え続けるのに必要な最小酸素濃度を測定し、これをLOI値とした。LOI値が大きいほど燃えにくく、難燃性が高い。
[耐光性]
繊維および布帛の耐光性は、ダイプラ・ウィンテス社製の超促進耐候性試験装置(メタルウェザー)を使用、温度45℃、20時間の条件下で照射し、未照射と20時間照射後の変色を有識者による目視で優劣を判断した。またJIS L0804変退色用グレースケールでも評価し、総合判断した。目視の判断基準としては、○は殆ど変化なし、○〜△は若干変化あり、△はやや変化あり、×は変化あり、とした。この判断基準として△以上が合格レベルである。
[分子量測定]
東ソー製GPC8120を用い、カラムをsuper−H、溶媒をDMF(in 50mM臭化リチウム)、測定温度を40℃、基準物質をポリエチレンオキサイド、サンプル溶液濃度を40mg/20ml−DMF(in 50mM臭化リチウム)の条件により測定した。
(実施例1)
アクリロニトリル(AN)55重量%、塩化ビニリデン(VD)43.5重量%、スチレンスルホン酸ソーダ(SSS)1.5重量%からなる分子量Mwが40万のアクリル系共重合体100重量部に対し、20重量部の三酸化アンチモン、10重量部のポリグリシジルメタクリレート、2重量部のチバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株)製TINUVIN1577FF(2−(4,6−ジフェニル−1,3,5−トリアジン−2−イル)−5[(ヘキシル)オキシ]−フェノール)を加え紡糸原液を得た。これを孔径0.1mm、孔数120000個のノズルを用い、25℃の25%アセトン水溶液中に押し出し、水洗後、135℃で8分間乾燥した後、145℃で3倍に延伸し、170℃で3分間熱処理を行い、繊度2.2dtexのアクリル系繊維を得た。このアクリル系繊維に紡績用仕上げ油剤を塗布し、クリンプを付け、51mmの長さにカットした。このカットした繊維を、メートル番手28番手で紡績を行った。
(実施例2)
アクリロニトリル(AN)55重量%、塩化ビニリデン(VD)43.5重量%、スチレンスルホン酸ソーダ(SSS)1.5重量%からなる分子量Mwを28万のアクリル系共重合体に変更した以外は、実施例1と同様に実施した。
(実施例3)
アクリロニトリル(AN)55重量%、塩化ビニリデン(VD)43.5重量%、スチレンスルホン酸ソーダ(SSS)1.5重量%からなる分子量Mwを20万のアクリル系共重合体に変更した以外は、実施例1と同様に実施した。
(実施例4)
TINUVIN1577FFの添加量を0.1重量部に変更した以外は、実施例2を同様に実施した。
(実施例5)
ポリグリシジルメタクリレートの添加量を0.1重量部に変更した以外は、実施例2と同様に実施した。
(実施例6)
TINUVIN1577FFの添加量を0.1重量部に変更した以外は、実施例5を同様に実施した。
(実施例7)
三酸化アンチモンの添加量を1重量部に変更した以外は、実施例2と同様に実施した。
(実施例8)
ポリグリシジルメタクリレートの添加量を0.1重量部に変更した以外は、実施例7と同様に実施した。
(実施例9)
三酸化アンチモンの代わりにヒドロキシ錫酸亜鉛に変更した以外は、実施例2と同様に実施した。

(比較例1)
アクリロニトリル(AN)55重量%、塩化ビニリデン(VD)43.5重量%、スチレンスルホン酸ソーダ(SSS)1.5重量%からなる分子量Mwが15万のアクリル系共重合体100重量部に対し、20重量部の三酸化アンチモン、10重量部のポリグリシジルメタクリレート、2重量部のチバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株)製TINUVIN1577FF(2−(4,6−ジフェニル−1,3,5−トリアジン−2−イル)−5[(ヘキシル)オキシ]−フェノール)を加え紡糸原液を得た。これを孔径0.1mm、孔数120000個のノズルを用い、25℃の25%アセトン水溶液中に押し出し、水洗後、135℃で8分間乾燥した後、145℃で3倍に延伸し、170℃で3分間熱処理を行い、繊度2.2dtexのアクリル系繊維を得た。このアクリル系繊維に紡績用仕上げ油剤を塗布し、クリンプを付け、51mmの長さにカットした。このカットした繊維を、メートル番手28番手で紡績を行った。
(比較例2)
アクリロニトリル(AN)50重量%、塩化ビニリデン(VD)49重量%、スチレンスルホン酸ソーダ(SSS)1重量%からなる分子量Mwが28万のアクリル系共重合体100重量部に対し、TINUVIN1577FFの添加量を0重量部に変更した以外は、比較例1と同様に実施した。
(比較例3)
ポリグリシジルメタクリレートの添加量を0重量部、TINUVIN1577FFの添加量を2重量部に変更した以外は、比較例2と同様に実施した。
(比較例4)
ポリグリシジルメタクリレートの添加量を0.1重量部、三酸化アンチモンの添加量を0重量部に変更した以外は、比較例3と同様に実施した。
(比較例5)
ポリグリシジルメタクリレートの添加量を15重量部、三酸化アンチモンの添加量を50重量部に変更した以外は、比較例3と同様に実施した。

以上の実施例および比較例の組成内容と、各々のアクリル系繊維から得られる紡績糸を布帛にし、アクリル系繊維と布帛による燃焼性および布帛による耐光性の評価結果を表1に示した。
Figure 2005146469
比較例1は実施例1、2、3に比べて、重量平均分子量が低いため耐光性が悪かった。
比較例2は実施例2、4に比べて、紫外線吸収剤の添加量が少ないため耐光性が悪かった。
比較例3は実施例2、5に比べて、ポリグリシジルメタクリレートの添加量が少ないので耐光性が悪かった。
比較例4は実施例2、7に比べて、三酸化アンチモンを添加していないため難燃性が悪かった。
比較例5は実施例2、8に比べて、ポリグリシジルメタクリレートを請求項の範囲外で添加しているため、難燃性が悪かった。
実施例2、6の結果から、請求項の範囲内であれば耐光性および難燃性は合格レベルである。
実施例9の結果から、ヒドロキシ錫酸亜鉛を用いても実施例2と同様の結果が得られる。

Claims (5)

  1. アクリロニトリル30〜70重量%、塩化ビニリデン単量体30〜70重量%およびこれらと共重合可能なビニル系単量体0〜10重量%からなり、かつ重量平均分子量が20万以上のアクリル系共重合体100重量部に対し、エポキシ含有重合体0.1〜10重量部、トリアジン系化合物0.1〜2.0重量部と、アンチモン化合物、錫化合物、亜鉛化合物からなる群より選択される金属化合物のうち少なくとも一種の金属化合物1〜50重量部を併用添加して得られるアクリル系繊維。
  2. 前記金属化合物がアンチモン化合物および/または錫酸亜鉛化合物である請求項1記載のアクリル系繊維。
  3. エポキシ含有重合体がポリグリシジルメタクリレート、ポリグリシジルアクリレート、エポキシ化ブタジエンのうち少なくとも一種である請求項1〜2記載のアクリル系繊維。
  4. トリアジン系化合物の分子量が350以上である請求項1〜3記載のアクリル系繊維。
  5. 請求項1〜4記載のアクリル系繊維から得られる難燃性布帛。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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