JP2005146333A - 脱硫スラグの利用方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】石灰系脱硫剤を用いて脱硫して発生した脱硫スラグの有効利用を実現する。
【解決手段】石灰系脱硫剤を用いて脱硫装置1で脱硫して発生した脱硫スラグ100に混錬機2で廃油101を混合して、放置、冷却する。このとき、混合比率を5〜30%にする。そして、脱硫スラグ100が鉄分を含むことを利用して、脱硫スラグ100をマグネットクレーン3,5で搬送する。このように搬送してきた脱硫スラグ100を、石灰系物質を投入して鋼材を製造する電気炉7に投入する。
【選択図】図1
【解決手段】石灰系脱硫剤を用いて脱硫装置1で脱硫して発生した脱硫スラグ100に混錬機2で廃油101を混合して、放置、冷却する。このとき、混合比率を5〜30%にする。そして、脱硫スラグ100が鉄分を含むことを利用して、脱硫スラグ100をマグネットクレーン3,5で搬送する。このように搬送してきた脱硫スラグ100を、石灰系物質を投入して鋼材を製造する電気炉7に投入する。
【選択図】図1
Description
本発明は、石灰系脱硫剤を用いて脱硫して発生した脱硫スラグの利用方法に関する。
電気炉でのスラグをリサイクルするものとして、転炉スラグを電気炉内に投入し、転炉スラグ中の有価金属を溶鋼中に還元回収する方法がある(例えば特許文献1、2参照)。
特開昭52−75607号公報
特開昭57−177911号公報
ところで、高炉で溶銑を製造し、この溶銑を転炉で精錬する製鉄プロセスがある。このとき、溶銑は、溶銑予備処理として、転炉へ装入される前に石灰系脱硫剤の投入と攪拌とにより脱硫される。このとき、脱硫スラグが発生する。
この脱硫スラグは、転炉スラグと異なり、クロムやマンガンといった有価金属をほとんど含まないことや、Sの含有量が1.2重量%程度と高い。このため、脱硫スラグを電気炉でリサイクルできないという問題がある。このようなことから、脱硫スラグの再利用が望まれている。
この脱硫スラグは、転炉スラグと異なり、クロムやマンガンといった有価金属をほとんど含まないことや、Sの含有量が1.2重量%程度と高い。このため、脱硫スラグを電気炉でリサイクルできないという問題がある。このようなことから、脱硫スラグの再利用が望まれている。
また、脱硫スラグは発生後、放置、冷却される。さらに、脱硫スラグは一般的な精錬スラグにおける用途(たとえば路盤材等の土木、建築用材料)にも適さない。このことから、脱硫スラグの有効な利用先がなく、脱硫スラグは製鉄所内に積み上げて放置されているのが現状である。
しかし、脱硫剤が主に石灰系物質で構成されていることから、脱硫スラグは、CaO含有量が高く、そのため、脱硫スラグは、放置されると、風化現象を起こし微粉状になることから、取扱い時に粉塵の発生が激しくなる。このようなことから、脱硫スラグの扱いは非常に難しい。
そこで、本発明は、このような実情に鑑みてなされたものであり、石灰系脱硫剤を用いて脱硫して発生した脱硫スラグの有効利用を実現する脱硫スラグの利用方法の提供を目的とする。
しかし、脱硫剤が主に石灰系物質で構成されていることから、脱硫スラグは、CaO含有量が高く、そのため、脱硫スラグは、放置されると、風化現象を起こし微粉状になることから、取扱い時に粉塵の発生が激しくなる。このようなことから、脱硫スラグの扱いは非常に難しい。
そこで、本発明は、このような実情に鑑みてなされたものであり、石灰系脱硫剤を用いて脱硫して発生した脱硫スラグの有効利用を実現する脱硫スラグの利用方法の提供を目的とする。
請求項1記載の発明に係る脱硫スラグの利用方法は、石灰系脱硫剤を用いて脱硫して発生した脱硫スラグを、石灰系物質を投入して鋼材を製造する電気炉に投入する。
石灰系脱硫剤を用いて脱硫して発生した脱硫スラグのCaO含有量が多いことから、この脱硫スラグを、石灰系物質を投入して鋼材を製造する電気炉に投入する。
また、請求項2記載の発明に係る脱硫スラグの利用方法は、請求項1記載の発明に係る脱硫スラグの利用方法において、前記電気炉への投入前の前記脱硫スラグの取り扱いを、当該脱硫スラグに油を混合して行う。
石灰系脱硫剤を用いて脱硫して発生した脱硫スラグのCaO含有量が多いことから、この脱硫スラグを、石灰系物質を投入して鋼材を製造する電気炉に投入する。
また、請求項2記載の発明に係る脱硫スラグの利用方法は、請求項1記載の発明に係る脱硫スラグの利用方法において、前記電気炉への投入前の前記脱硫スラグの取り扱いを、当該脱硫スラグに油を混合して行う。
また、請求項3記載の発明に係る脱硫スラグの利用方法は、請求項2記載の脱硫スラグの利用方法において、前記脱硫スラグが鉄分を含むものであり、前記脱硫スラグをマグネットクレーンで搬送する。
また、請求項4記載の発明に係る脱硫スラグの利用方法は、請求項2又は3に記載の発明に係る脱硫スラグの利用方法において、前記脱硫スラグを1に対して、5〜30%の油を混合する。
また、請求項5記載の発明に係る脱硫スラグの利用方法は、請求項1乃至4のいずれかに記載の脱硫スラグの利用方法において、前記脱硫スラグのS含有量に基づいて、前記電気炉に投入する脱硫スラグの投入量を決定している。
また、請求項4記載の発明に係る脱硫スラグの利用方法は、請求項2又は3に記載の発明に係る脱硫スラグの利用方法において、前記脱硫スラグを1に対して、5〜30%の油を混合する。
また、請求項5記載の発明に係る脱硫スラグの利用方法は、請求項1乃至4のいずれかに記載の脱硫スラグの利用方法において、前記脱硫スラグのS含有量に基づいて、前記電気炉に投入する脱硫スラグの投入量を決定している。
本発明によれば、脱硫スラグの有効利用を図ることができる。
また、請求項2記載の発明によれば、脱硫スラグに油を混合することで、その油の粘性により、脱硫スラグの風化現象を抑止するとともに、脱硫スラグを搬送しやすくするといったように、脱硫スラグの取り扱い性が向上する。
また、請求項2記載の発明によれば、脱硫スラグに油を混合することで、その油の粘性により、脱硫スラグの風化現象を抑止するとともに、脱硫スラグを搬送しやすくするといったように、脱硫スラグの取り扱い性が向上する。
本発明を実施するための最良の形態を図面を参照しながら詳細に説明する。
図1は、本発明を適用した脱硫スラグの処理工程を示す。
溶銑を脱硫処理する脱硫装置1から脱硫スラグ100が得られる。脱硫装置1は、溶銃に脱硫剤を添加し、溶銃をインペラ式の攪拌手段で攪拌して脱硫する、機械攪拌方式脱硫方法を採用して構成されている。脱硫剤としてはCaOが95重量%の石灰系脱硫剤を使用する。
図1は、本発明を適用した脱硫スラグの処理工程を示す。
溶銑を脱硫処理する脱硫装置1から脱硫スラグ100が得られる。脱硫装置1は、溶銃に脱硫剤を添加し、溶銃をインペラ式の攪拌手段で攪拌して脱硫する、機械攪拌方式脱硫方法を採用して構成されている。脱硫剤としてはCaOが95重量%の石灰系脱硫剤を使用する。
脱硫装置1で発生した脱硫スラグ100はスラグ処理場に放置、冷却される。そして、冷却後の脱硫スラグ100に廃油を散布し、混合するか、あるいは、混錬機2で、そのように冷却された脱硫スラグ100を廃油101と混合する。
脱硫スラグ100に廃油101を混合することで、廃油101の粘性により、脱硫スラグ101の風化現象が抑えられる。ここで、脱硫スラグ100に対して所定量の廃油101を混合する。具体的には、1の脱硫スラグ100に対して廃油101を5〜30%混合する。
脱硫スラグ100に廃油101を混合することで、廃油101の粘性により、脱硫スラグ101の風化現象が抑えられる。ここで、脱硫スラグ100に対して所定量の廃油101を混合する。具体的には、1の脱硫スラグ100に対して廃油101を5〜30%混合する。
このように脱硫スラグ100に廃油101を混合した後、搬送手段により電気炉7まで脱硫スラグ100を搬送する。具体的には、脱硫スラグ100をマグネットクレーン3を用いてトラック4に積み込み、トラック4により電気炉施設に脱硫スラグ100を搬送する。
ここで、脱硫スラグ100には鉄分(地金分)が多いことから、脱硫スラグ100をマグネットクレーン3を用いて搬送することが可能になっている。また、先の処理で風化現象を抑えるために廃油101を混合しているので、脱硫スラグ100を安定した塊として搬送することが可能になっている。
ここで、脱硫スラグ100には鉄分(地金分)が多いことから、脱硫スラグ100をマグネットクレーン3を用いて搬送することが可能になっている。また、先の処理で風化現象を抑えるために廃油101を混合しているので、脱硫スラグ100を安定した塊として搬送することが可能になっている。
電気炉施設では、マグネットクレーン5に吸着させたスクラップ102をバスケット6に投入して、バスケット6を電気炉7上に移動させ、当該バスケット6からスクラップ102を電気炉7内に投入している。
また、脱硫スラグ100は電気炉施設のヤードに一時的に仮置きされており、操業前にマグネットクレーン5でバケット6に投入される。そして、バスケット6を電気炉7上へ移動させ、当該バスケット6から電気炉7内に脱硫スラグ100を投入し、操業を開始する。また、石灰源も電気炉7に投入する。
また、脱硫スラグ100は電気炉施設のヤードに一時的に仮置きされており、操業前にマグネットクレーン5でバケット6に投入される。そして、バスケット6を電気炉7上へ移動させ、当該バスケット6から電気炉7内に脱硫スラグ100を投入し、操業を開始する。また、石灰源も電気炉7に投入する。
ここで、前述したように、脱硫スラグ100は、脱硫剤が主に石灰系物質で構成されていることから、CaOを多く含んでいる。このようなことから、脱硫スラグ100を精錬工程で石灰の代替として用いることが可能になるのである。
なお、脱Pやスラグフォーミングによる電力効率向上等を目的として、一般的に、CaO源としての石灰は、電気炉に5〜30kg/tが投入されている。
ところで、脱硫スラグ100はS含有量も多い。下記表1は、脱硫スラグの成分を示す。ここで、表1に示す値は重量%を示す。
なお、脱Pやスラグフォーミングによる電力効率向上等を目的として、一般的に、CaO源としての石灰は、電気炉に5〜30kg/tが投入されている。
ところで、脱硫スラグ100はS含有量も多い。下記表1は、脱硫スラグの成分を示す。ここで、表1に示す値は重量%を示す。
表1に示すように、脱硫スラグ中の塩基度は約10と非常に高く、脱硫スラグを石灰の代替として有効活用できることがわかる。その一方で、S濃度が1.2重量%と高い。一般的に、有害元素であるSが溶綱中に侵入し復硫が起こるため、多様な鋼種を製造する製鉄工場では制限なく脱硫スラグを使用することはできない。
ここで、異形棒鋼素材のような普通鋼を製造している電気炉では、製品のS上限値は、製品強度のスペックを満足させることを基準にして0.030〜0.050重量%にしている。さらに、実際の製品のS濃度は使用する原料の種類にも影響されるが、前記S上限値よりも0.020〜0.050重量%低くなる場合が多い。主原料に溶銑を一部使用するような電気炉ではSの混入が少ないため、特にその傾向が強くなる。すなわち、鋼製品の一部には、もともとS含有量の低い製品がある。このようなことから、このような鋼製品は、現状よりある程度のS含有量の上昇が許容される。
ここで、異形棒鋼素材のような普通鋼を製造している電気炉では、製品のS上限値は、製品強度のスペックを満足させることを基準にして0.030〜0.050重量%にしている。さらに、実際の製品のS濃度は使用する原料の種類にも影響されるが、前記S上限値よりも0.020〜0.050重量%低くなる場合が多い。主原料に溶銑を一部使用するような電気炉ではSの混入が少ないため、特にその傾向が強くなる。すなわち、鋼製品の一部には、もともとS含有量の低い製品がある。このようなことから、このような鋼製品は、現状よりある程度のS含有量の上昇が許容される。
このようなことから、S上限スペック(上限許容量)の高い鋼種を集中して電気炉で製造するようにすれば、精錬工程で電気炉にある程度Sが混入しても許容されるようになるので、Sの含有量が多い脱硫スラグ100を石灰の代替として用いることができる。
例えば、脱硫スラグの使用量の変化と製品となった鋼中のSの上昇量との関係を求めれば、あるS上限スペックの鋼製品に対して脱硫スラグの上限使用量が分かるようになるので、溶鋼中のS上限スペックを超えることなく、脱硫スラグを最大量、電気炉に投入可能になる。
例えば、脱硫スラグの使用量の変化と製品となった鋼中のSの上昇量との関係を求めれば、あるS上限スペックの鋼製品に対して脱硫スラグの上限使用量が分かるようになるので、溶鋼中のS上限スペックを超えることなく、脱硫スラグを最大量、電気炉に投入可能になる。
例えば、図2は脱硫スラグの使用(投入)量と鋼中のSの上昇量との関係を示す例である。
この図2に示すように、脱硫スラグの使用量が増えるとSも上昇するのがわかる。このような関係を用いれば、Sの上昇量を予測することができ、Sの上限値を越えることなく脱硫スラグを最大限使うことができる。
また、このような関係は電気炉の形状や操業方法等の種々の操業条件によって変化すると考えられる。このようなことから、種々の操業条件で予め脱硫スラグの使用量とSの上昇量との関係を得ておけば、実際の操業下で、常にSの上昇量を予測することができ、Sの上限値を越えることなく脱硫スラグを最大限使うことができる。
この図2に示すように、脱硫スラグの使用量が増えるとSも上昇するのがわかる。このような関係を用いれば、Sの上昇量を予測することができ、Sの上限値を越えることなく脱硫スラグを最大限使うことができる。
また、このような関係は電気炉の形状や操業方法等の種々の操業条件によって変化すると考えられる。このようなことから、種々の操業条件で予め脱硫スラグの使用量とSの上昇量との関係を得ておけば、実際の操業下で、常にSの上昇量を予測することができ、Sの上限値を越えることなく脱硫スラグを最大限使うことができる。
次に実施の形態における効果を説明する。
前述したように、脱硫スラグがCaOを多く含むことを利用して、脱硫スラグを石灰の代替として用いている。これにより、脱硫スラグの有効利用が図れる。
また、前述したように、脱硫スラグに油、具体的には廃油を混合して放置している。これにより、廃油の粘性を利用して、脱硫スラグの風化を防止することができる。さらに、油として廃油を用いることで、廃油の処理費用も削減できる。
前述したように、脱硫スラグがCaOを多く含むことを利用して、脱硫スラグを石灰の代替として用いている。これにより、脱硫スラグの有効利用が図れる。
また、前述したように、脱硫スラグに油、具体的には廃油を混合して放置している。これにより、廃油の粘性を利用して、脱硫スラグの風化を防止することができる。さらに、油として廃油を用いることで、廃油の処理費用も削減できる。
例えば、粉塵発生抑止を目的として、脱硫スラグに水を散布或いは混合することも考えられる。しかし、脱硫スラグは高温溶鋼内に投入されるので水分があると水蒸気爆発を起こす危険がある。このようなことから、粉塵発生抑止に用いる液体に水を用いることは好ましくない。一方で、高炉設備等の工場内には一般的に使用後の廃油が大量に存在する。このようなことから、粉塵発生抑止に用いる液体に廃油を用いることは好ましいのである。
また、前述したように、廃油101の混合比率の下限値を5%にしている。この混合比率の下限値は、十分な粉塵抑制効果が得るための値である。
また、前述したように、脱硫スラグをマグネットクレーンで搬送している。
ここで、高炉内に副原料を投入する際、副原料をホッパに投入して一時的に貯蔵し、自動操作により、電気炉内に副原料を投入することが一般的に行われている。しかし、設備上、ホッパの数や容量に制限があることから、このような手順により脱硫スラグを高炉内に投入できない場合が多い。
また、前述したように、脱硫スラグをマグネットクレーンで搬送している。
ここで、高炉内に副原料を投入する際、副原料をホッパに投入して一時的に貯蔵し、自動操作により、電気炉内に副原料を投入することが一般的に行われている。しかし、設備上、ホッパの数や容量に制限があることから、このような手順により脱硫スラグを高炉内に投入できない場合が多い。
一方、一般的には、電気炉内にスクラップを投入する場合、マグネットクレーンでスクラップを吸着しバスケットに当該スクラップを投入する工程を何度か行った後、バスケット内のスクラップをまとめて電気炉内に投入している。
そこで、脱硫スラグが多くの鉄分(地金分)を含むことから、そのようなマグネットクレーンの設備を利用して、マグネットクレーンに脱硫スラグを吸着させて、その後バスケットを介して電気炉内に当該脱硫スラグを投入することができる。また、このとき、脱硫スラグには、先の処理で粉塵発生抑止を目的として廃油が混合されているので、脱硫スラグの粘性が高くなっており、脱硫スラグを塊としてマグネットクレーンで吸着できる。
そこで、脱硫スラグが多くの鉄分(地金分)を含むことから、そのようなマグネットクレーンの設備を利用して、マグネットクレーンに脱硫スラグを吸着させて、その後バスケットを介して電気炉内に当該脱硫スラグを投入することができる。また、このとき、脱硫スラグには、先の処理で粉塵発生抑止を目的として廃油が混合されているので、脱硫スラグの粘性が高くなっており、脱硫スラグを塊としてマグネットクレーンで吸着できる。
また、脱硫スラグをマグネットクレーンで電気炉に搬送すれば、コンベアや、ホッパ、シュートを介して搬送する場合に起こる詰まりやこぼれといった問題も発生しない。
また、前述したように、廃油101の混合比率の上限値を30%にしている。廃油101の有効利用といった面から混合比率をより高くすることは好ましいことである。しかし、混合比率を高くしていくと粘性が低下して、マグネットクレーンへの吸着量が減少してしまう。このようなことから、この混合比率の上限値は、廃油を多く使用しつつも、マグネットクレーンへの吸着量をできるだけ多くするための値である。
また、前述したように、廃油101の混合比率の上限値を30%にしている。廃油101の有効利用といった面から混合比率をより高くすることは好ましいことである。しかし、混合比率を高くしていくと粘性が低下して、マグネットクレーンへの吸着量が減少してしまう。このようなことから、この混合比率の上限値は、廃油を多く使用しつつも、マグネットクレーンへの吸着量をできるだけ多くするための値である。
廃油混合後の脱硫スラグをマグネットクレーンで吸着させてみたところ、ほぼ全量が吸着し、当該脱硫スラグをバスケットに投入することができた。例えば、マグネットクレーンへの吸着量は1回あたり300kg〜500kgとなり、十分な吸着量を得ることができた。
また、図3は、投入した石灰源量と出鋼時の溶鋼中のP濃度との関係を示す。ここで、脱硫スラグを電気炉に投入した場合と、脱硫スラグを電気炉に投入しない場合とで比較している。ここで、電気炉に投入する脱硫スラグの投入量は40kg/tとした。なお、前記石灰源量(横軸の値)には、電気炉に投入された脱硫スラグに含まれているCaO分は含まれていない。
また、図3は、投入した石灰源量と出鋼時の溶鋼中のP濃度との関係を示す。ここで、脱硫スラグを電気炉に投入した場合と、脱硫スラグを電気炉に投入しない場合とで比較している。ここで、電気炉に投入する脱硫スラグの投入量は40kg/tとした。なお、前記石灰源量(横軸の値)には、電気炉に投入された脱硫スラグに含まれているCaO分は含まれていない。
図3に示すように、脱硫スラグを電気炉に投入することで、出鋼時のP濃度が低下していることがわかる。この結果から、脱硫スラグ中のCaOが脱Pに寄与していることは明らかである。このような結果によれば、脱硫スラグを電気炉に投入することで、従来投入していた石灰量を削減しつつ、従来と同様にP濃度を抑えることが可能になるといえる。
また、図4は、脱硫スラグの使用有無で比較した溶鋼中のS濃度の変化を示す。ここで、脱硫スラグの投入量は40kg/tである。この図4の結果からもわかるように、脱硫スラグを投入した場合のSの上昇量は平均値で0.06重量%になる結果を得た。この結果によれば、脱硫スラグを用いることによる製品のS含有量の上昇量は全く問題にならないと考えられる。
また、図4は、脱硫スラグの使用有無で比較した溶鋼中のS濃度の変化を示す。ここで、脱硫スラグの投入量は40kg/tである。この図4の結果からもわかるように、脱硫スラグを投入した場合のSの上昇量は平均値で0.06重量%になる結果を得た。この結果によれば、脱硫スラグを用いることによる製品のS含有量の上昇量は全く問題にならないと考えられる。
1 脱硫装置
2 混錬機
3,4 マグネットクレーン
5 トラック
6 バスケット
7 電気炉
100 脱硫スラグ
101 廃油
2 混錬機
3,4 マグネットクレーン
5 トラック
6 バスケット
7 電気炉
100 脱硫スラグ
101 廃油
Claims (5)
- 石灰系脱硫剤を用いて脱硫して発生した脱硫スラグを、石灰系物質を投入して鋼材を製造する電気炉に投入することを特徴とする脱硫スラグの利用方法。
- 前記電気炉への投入前の前記脱硫スラグの取り扱いを、当該脱硫スラグに油を混合して行うことを特徴とする請求項1記載の脱硫スラグの利用方法。
- 前記脱硫スラグが鉄分を含むものであり、当該脱硫スラグをマグネットクレーンで搬送することを特徴とする請求項2に記載の脱硫スラグの利用方法。
- 前記脱硫スラグを1に対して、5〜30%の油を混合することを特徴とする請求項2又は3に記載の脱硫スラグの利用方法。
- 前記脱硫スラグのS含有量に基づいて、前記電気炉に投入する脱硫スラグの投入量を決定していることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の脱硫スラグの利用方法。
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JP2003384192A JP2005146333A (ja) | 2003-11-13 | 2003-11-13 | 脱硫スラグの利用方法 |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR100932235B1 (ko) * | 2008-01-22 | 2009-12-16 | (주)알루텍 | 전자석을 이용한 철재 이물질 제거장치 |
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-
2003
- 2003-11-13 JP JP2003384192A patent/JP2005146333A/ja active Pending
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