JP2005146287A - ポリイミドフィルムおよびその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 部分的に硬化または部分的に乾燥されたポリアミド酸フィルムまたはポリイミドフィルムの表面に有機チタン化合物の溶液を塗布するか、同溶液に浸漬し、フィルム表面に残存する液滴を取り除き、ポリアミド酸をポリイミドに転化し、かつ、このフィルムを乾燥する。これにより、フィルムの外観を損なうことなく高温高湿の環境に対する接着強度の耐久性を改善したポリイミドフィルムとなる。
【選択図】 なし
Description
また、部分的に硬化または部分的に乾燥されたポリアミド酸フィルムまたはポリイミドフィルムの表面に有機チタン化合物の溶液を塗布しその後ポリアミド酸をポリイミドに転化し、かつこのフィルムを乾燥することを特徴とする請求項1記載のポリイミドフィルムの製造方法(請求項2)。
(A−B)×100/B・・・・式1
式1中A、Bは以下のものを表す。
A:ゲルフィルムの重量
B:ゲルフィルムを450℃で20分間加熱した後の重量(C/D)×100/(E/F)・・・・式2
式2中C、D、E、Fは以下のものを表す。
C:ゲルフィルムの1370cm-1の吸収ピーク高さ
D:ゲルフィルムの1500cm-1の吸収ピーク高さ
E:ポリイミドフィルムの1370cm-1の吸収ピーク高さ
F:ポリイミドフィルムの1500cm-1の吸収ピーク高さ
引き続きこのゲルフィルムを支持体から剥離し、端部を固定して硬化時の収縮を回避して乾燥し、水、残留溶媒、残存転化剤及び触媒を除去し、そしてポリアミド酸を完全にポリイミドに転化する。
ピロメリット酸二無水物/4,4'−ジアミノジフェニルエーテル/p−フェニレンジアミンをモル比で4/3/1の割合で合成したポリアミド酸の17wt%のDMF溶液90gに無水酢酸17gとイソキノリン2gからなる転化剤を混合、攪拌し、遠心分離による脱泡の後、アルミ箔上に厚さ700μmで流延塗布した。攪拌から脱泡までは0℃に冷却しながら行った。このアルミ箔とポリアミド酸溶液の積層体を110℃4分間加熱し、自己支持性を有するゲルフィルムを得た。このゲルフィルムの残揮発分含量は30wt%であり、イミド化率は90%であった。このゲルフィルムをアルミ箔から剥がし、フレームに固定した。このゲルフィルムを300℃、400℃、500℃で各1分間加熱して厚さ50μmのポリイミドフィルムを製造した。
比較例1と同様の方法で得たゲルフィルムを、チタン元素濃度100ppmのジヒドロキシチタンビスラクテート/イソプロピルアルコール溶液に10秒間浸漬し、圧縮空気を吹き付けて余分な液滴を除去した後、比較例1と同じ条件で加熱し、表面にチタン原子が存在するポリイミドフィルムを製造した。得られたポリイミドフィルムは比較例1と同様の色合いであった。このポリイミドフィルムを用いて比較例1と同様の方法で2層、及び3層の銅張積層板を作製した。
比較例1と同様の方法で得たゲルフィルムに、チタン元素濃度100ppmのジヒドロキシチタンビスラクテート/イソプロピルアルコール溶液をスプレーコート方式で余分な液がフィルムに付着しないように塗布した後、比較例1と同じ条件で加熱し、表面にチタン原子が存在するポリイミドフィルムを製造した。得られたポリイミドフィルムは比較例1と同様の色合いであった。このポリイミドフィルムを用いて比較例1と同様の方法で2層、及び3層の銅張積層板を作製した。
比較例1と同様の方法で得たゲルフィルムを、チタン元素濃度100ppmのトリ−N−ブトキシチタンモノステアレート/トルエン溶液に10秒間浸漬し、圧縮空気を吹き付けて余分な液滴を除去した後、比較例1と同じ条件で加熱し、表面にチタン原子が存在するポリイミドフィルムを製造した。得られたポリイミドフィルムは比較例1と同様の色合いであった。このポリイミドフィルムを用いて比較例1と同様の方法で2層、及び3層の銅張積層板を作製した。
ピロメリット酸二無水物/4,4'−ジアミノジフェニルエーテルをモル比で1/1の割合で合成する以外は比較例1と同様の方法で銅張積層板を作製し、接着強度を測定した。その結果を表2に示す。
ピロメリット酸二無水物/4,4'−ジアミノジフェニルエーテルをモル比で1/1の割合で合成する以外は実施例1〜3と同様の方法で作製したポリイミドフィルム及び銅張積層板について、比較例1と同様の方法で分析したフィルム表面のチタン原子数濃度、2層および3層の銅張積層板の接着強度を表2に示す。
3,3',4,4'−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物/p−フェニレンビス(トリメリット酸モノエステル酸無水物)/p−フェニレンジアミン/4,4'−ジアミノジフェニルエーテルをモル比で4/5/7/2の割合で合成したポリアミド酸の17wt%のDMAc溶液を用い、これに転化剤を混合しないでアルミ箔上に厚さ700μmで流延塗布した。このアルミ箔とポリアミド酸溶液の積層体を110℃10分間加熱し、自己支持性を有するゲルフィルムを得た。このゲルフィルムの残揮発分含量は30wt%であり、イミド化率は50%であった。このゲルフィルムを用い比較例1と同様の方法で銅張積層板を作製し、比較例1と同様の方法で分析したフィルム表面のチタン原子数濃度、2層および3層の銅張積層板の接着強度を表3に示す。
比較例3と同様の方法で得られたゲルフィルムを用いること以外は実施例1〜3と同様の方法で作製したポリイミドフィルム及び銅張積層板について、比較例1と同様の方法で分析したフィルム表面のチタン原子数濃度、2層および3層の銅張積層板の接着強度を表3に示す。
ピロメリット酸二無水物/p−フェニレンビス(トリメリット酸モノエステル酸無水物)/p−フェニレンジアミン/4,4'−ジアミノジフェニルエーテルをモル比で5/5/4/6の割合で合成する以外は比較例1と同様の方法で銅張積層板を作製し、比較例1と同様の方法で分析したフィルム表面のチタン原子数濃度、2層および3層の銅張積層板の接着強度を表4に示す。
比較例4と同様の方法で得られたゲルフィルムを用いること以外は実施例1〜3と同様の方法で作製したポリイミドフィルム及び銅張積層板について、比較例1と同様の方法で分析したフィルム表面のチタン原子数濃度、2層および3層の銅張積層板の接着強度を表4に示す。
ポリアミド酸と転化剤の混合物をガラス板上に厚さ350μmで流延塗布する以外は比較例1と同様の方法で厚さ25μmのポリイミドフィルム、および2層及び3層の銅張積層板を作製した。比較例1と同様の方法で分析したフィルム表面のチタン原子数濃度、2層および3層の銅張積層板の接着強度を表5に示す。
比較例5と同様の方法で得られたゲルフィルムを用いる以外は実施例1〜3と同様の方法でポリイミドフィルムを作製し、比較例1と同様の方法で分析したフィルム表面のチタン原子数濃度、2層および3層の銅張積層板の接着強度を表5に示す。
ポリアミド酸と転化剤の混合物をガラス板上に厚さ350μmで流延塗布する以外は比較例2及び実施例4〜6と同様の方法でポリイミドフィルム及び銅張積層板を作製し、比較例1と同様の方法で分析したフィルム表面のチタン原子数濃度、2層および3層の銅張積層板の接着強度を表6に示す。
ポリアミド酸と転化剤の混合物をガラス板上に厚さ350μmで流延塗布する以外は比較例3及び実施例7〜9と同様の方法で同様の方法でポリイミドフィルム及び銅張積層板を作製し、比較例1と同様の方法で分析したフィルム表面のチタン原子数濃度、2層および3層の銅張積層板の接着強度を表7に示す。
ポリアミド酸と転化剤の混合物をガラス板上に厚さ350μmで流延塗布する以外は比較例4及び実施例10〜12と同様の方法で同様の方法でポリイミドフィルム及び銅張積層板を作製し、比較例1と同様の方法で分析したフィルム表面のチタン原子数濃度、2層および3層の銅張積層板の接着強度を表8に示す。
ポリアミド酸と転化剤の混合物をガラス板上に厚さ1000μmで流延塗布する以外は比較例1と同様の方法で厚さ75μmのポリイミドフィルム、および2層及び3層の銅張積層板を作製した。比較例1と同様の方法で分析したフィルム表面のチタン原子数濃度、2層および3層の銅張積層板の接着強度を表9に示す。
比較例9と同様の方法で得られたゲルフィルムを用いる以外は実施例1〜3と同様の方法でポリイミドフィルムを作製し、比較例1と同様の方法で分析したフィルム表面のチタン原子数濃度、2層および3層の銅張積層板の接着強度を表9に示す。
ポリアミド酸と転化剤の混合物をガラス板上に厚さ1000μmで流延塗布する以外は比較例2及び実施例4〜6と同様の方法でポリイミドフィルム及び銅張積層板を作製し、比較例1と同様の方法で分析したフィルム表面のチタン原子数濃度、2層および3層の銅張積層板の接着強度を表10に示す。
ポリアミド酸と転化剤の混合物をガラス板上に厚さ1000μmで流延塗布する以外は比較例3及び実施例7〜9と同様の方法でポリイミドフィルム及び銅張積層板を作製し、比較例1と同様の方法で分析したフィルム表面のチタン原子数濃度、2層および3層の銅張積層板の接着強度を表11に示す。
ポリアミド酸と転化剤の混合物をガラス板上に厚さ1000μmで流延塗布する以外は比較例4及び実施例10〜12と同様の方法でポリイミドフィルム及び銅張積層板を作製し、比較例1と同様の方法で分析したフィルム表面のチタン原子数濃度、2層および3層の銅張積層板の接着強度を表12に示す。
比較例1と同様の方法で作製したゲルフィルムにチタン元素濃度5000ppmのトリ−N−ブトキシチタンモノステアレート/トルエン溶液を刷毛を使って塗布し、余分な液滴を除去せずに、300℃、400℃、500℃で各1分間加熱して、表面に高濃度でチタン原子が存在するポリイミドフィルムを製造した。得られたポリイミドフィルムは著しく着色し、かつ表面は不均一でまだら模様になった。比較例1と同様の方法で測定したフィルム表面のチタン原子数濃度は15%であった。
Claims (9)
- 片方の面および/または両方の面の表面にエックス線光電子分光法で測定した原子数濃度が0.01%以上10%以下の濃度でチタン原子が存在するポリイミドフィルム。
- 部分的に硬化または部分的に乾燥されたポリアミド酸フィルムまたはポリイミドフィルムの表面に有機チタン化合物の溶液を塗布しその後ポリアミド酸をポリイミドに転化し、かつこのフィルムを乾燥することを特徴とする請求項1記載のポリイミドフィルムの製造方法。
- 部分的に硬化または部分的に乾燥されたポリアミド酸フィルムまたはポリイミドフィルムを有機チタン化合物の溶液に浸漬し、その後ポリアミド酸をポリイミドに転化し、かつこのフィルムを乾燥することを特徴とする請求項1記載のポリイミドフィルムの製造方法。
- 部分的に硬化または部分的に乾燥したポリアミド酸フィルムに有機チタン化合物の溶液を塗布、または浸漬した後にフィルム表面に残存する余分な液滴を取り除くことを特徴とする請求項2乃至請求項3記載のポリイミドフィルムの製造方法。
- フィルムをフィルム厚み以下の隙間を保持して支持される2本のロールの間を通してフィルム表面に残存する余分な液滴を除去することを特徴とする請求項4記載のポリイミドフィルムの製造方法。
- 溶液の塗布、または浸漬の後、フィルム表面に気流を吹き付けてフィルム表面に残存する余分な液滴を除去することを特徴とする請求項4記載のポリイミドフィルムの製造方法。
- 部分的に硬化または部分的に乾燥されたポリアミド酸フィルムまたはポリイミドフィルムの残留揮発分率が100%以下である請求項2乃至請求項6記載のポリイミドフィルムの製造方法。
- 部分的に硬化または部分的に乾燥されたポリアミド酸フィルムまたはポリイミドフィルムのイミド化率が50%以上である請求項2乃至請求項7記載のポリイミドフィルムの製造方法。
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