JP2005146051A - 空気入りタイヤ - Google Patents
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Abstract
【課題】ブレーカーまたはベルト層の耐久性が優れた空気入りタイヤを提供する。
【解決手段】ブレーカーまたはベルト層のスチールコードを被覆するゴム組成物が、ジエン系ゴム100重量部、および、メタクリル酸亜鉛またはアクリル酸亜鉛2〜8重量部からなる空気入りタイヤ。
【選択図】なし
【解決手段】ブレーカーまたはベルト層のスチールコードを被覆するゴム組成物が、ジエン系ゴム100重量部、および、メタクリル酸亜鉛またはアクリル酸亜鉛2〜8重量部からなる空気入りタイヤ。
【選択図】なし
Description
本発明は、空気入りタイヤに関し、とくに、ブレーカーまたはベルト層の耐久性の優れた空気入りタイヤに関する。
従来、ブレーカーまたはベルト層のスチールコードを被覆するゴム組成物には、スチールコードとの接着性が要求されている。接着性を向上させるために、コバルト塩、シリカ、レジンなどが該ゴム組成物に使用されている。しかし、これらをゴム組成物に使用しても、スチールコードとの接着性が不充分であり、走行により剥離するなどの問題が起こる。一方、スチールコードにも、ゴム組成物との接着性を向上させるために種々のメッキを施すことが必要とされている。
また、ブレーカーまたはベルト層のスチールコードを被覆するゴム組成物には、耐久性も要求されている。例えば、レゾルシンまたはレゾルシン縮合物とそのメチレンドナーとを含有するゴム組成物が知られているが(特許文献1参照)、耐久性が充分なものではなかった。
本発明の目的は、ブレーカーまたはベルト層の耐久性が優れた空気入りタイヤを提供することにある。
すなわち、本発明は、ブレーカーまたはベルト層のスチールコードを被覆するゴム組成物が、ジエン系ゴム100重量部、および、メタクリル酸亜鉛またはアクリル酸亜鉛2〜8重量部からなる空気入りタイヤに関する。
本発明によれば、ブレーカーまたはベルト層のスチールコード被覆用ゴム組成物に、ジエン系ゴム、および、メタクリル酸亜鉛またはアクリル酸亜鉛を配合することによって、スチールコードと良好な接着を可能にする。
本発明の空気入りタイヤは、スチールコードとそれを被覆するゴム組成物からなるブレーカーまたはベルト層を有する。このスチールコードを被覆するゴム組成物は、ジエン系ゴム、および、メタクリル酸亜鉛またはアクリル酸亜鉛を含む。
本発明で使用するゴム組成物を、空気入りタイヤのブレーカーまたはベルト層に用いると、湿熱接着が向上し、ゴム自身が硬くなることにより、機械的な疲労による剥離の発生を防ぐという効果がある。
本発明に用いられるスチールコードとしては、とくに制限はないが、たとえば、1×n構成の撚りスチールコード、k+m構成の層撚りスチールコードなどがあげられる。なかでも1×3、1×4構成の撚りスチールコードなどが好ましい。ここで、1×n構成の撚りスチールコードとは、n本のフィラメントを撚りあわせて得られる1層の撚りスチールコードのことである。また、k+m構成の層撚りスチールコードとは、撚り方向、撚りピッチの異なる2層構造を持ち、内層にk本のフィラメント、外層にm本のフィラメントを有するスチールコードのことである。nは1〜27の整数、kは1〜10の整数、mは1〜3の整数である。スチールコードの表面は、ゴム化合物との接着性を向上させるため、真鍮、Znなどでメッキしてもよい。
本発明のスチールコード被覆用ゴム組成物に用いられるジエン系ゴムとしては、とくに制限はないが、たとえば、天然ゴム、スチレン−ブタジエンゴム、イソプレンゴム、ブタジエンゴムなどがあげられ、なかでも高補強性、低発熱性の点で、天然ゴムが好ましい。
本発明のスチールコード被覆用ゴム組成物に用いられるメタクリル酸亜鉛またはアクリル酸亜鉛の配合量は、ジエン系ゴム100重量部に対し、2〜8重量部である。アクリル酸亜鉛の配合量の下限については3重量部であることが好ましい。上限については6重量部であることが好ましく、5重量部であることがさらに好ましい。メタクリル酸亜鉛またはアクリル酸亜鉛の配合量が2重量部未満では、スチールコードとの接着性が劣り、8重量部をこえると、ゴム組成物がもろくなり、加工の際に、ロールと密着しやすくなるので、加工性に問題がある。
さらに、本発明で使用するスチールコード被覆用ゴム組成物は、カーボンブラックを含有することが好ましい。
カーボンブラックのヨウ素吸着量は、80〜130mgI2/gであることが好ましい。カーボンブラックのヨウ素吸着量が80mgI2/g未満では補強性が低いため、強度が充分ではない傾向があり、130mgI2/gをこえると発熱が大きくなる傾向がある。
前記カーボンブラックの配合量は、ジエン系ゴム100重量部に対して50〜80重量部であることが好ましい。カーボンブラックの配合量が50重量部未満であると補強性が低下する傾向があり、80重量部をこえると発熱が大きくなり、加工性が悪化する傾向がある。
本発明のスチールコード被覆用ゴム組成物には、スチールコードとの接着性を向上させるために、コバルト塩を配合できる。コバルト塩としては、ステアリン酸コバルト、ナフテン酸コバルト、ネオデカン酸コバルトがあげられる。なかでも、加工性および接着性能の点から、コバルトステアリン酸が好ましい。
コバルト塩の配合量は、ジエン系ゴム100重量部に対して1.0〜2.0重量部であることが好ましい。コバルト塩の配合量が、1.0重量部未満であると、接着性能が低下する傾向があり、2.0重量部をこえると弾性が低下する傾向がある。
さらに、本発明のスチールコード被覆用ゴム組成物には、前記成分のほかにゴム工業で通常使用されている各種薬品、たとえば、シリカや水酸化アルミニウムなどの無機充填剤、硫黄などの加硫剤、各種加硫促進剤、各種老化防止剤などの添加剤を配合できる。
本発明に用いられるゴム組成物は、まず、ジエン系ゴム、その他の原材料をバンバリーミキサーにて混練りすることによって得ることができ、硫黄、加硫促進剤を配合する場合は、硫黄、加硫促進剤を加えて再びバンバリーミキサーで練ることによって得ることができる。本発明のブレーカーまたはベルト層は、たとえば、約0.3mmのフィラメントを約13mmのピッチで撚りあわせることによって製造したスチールコードからなる。本発明においては、これらのスチールコードを前記ゴム組成物で被覆して加硫することができる。
つぎに、本発明の組成物を実施例に基づいてさらに詳しく説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
なお、実施例および比較例で使用する原料を以下にまとめて示す。
天然ゴム:一般的なRSS#3グレード
カーボンブラックISAF:昭和キャボット(株)製のN220(ヨウ素吸着量120mgI2/g)
老化防止剤:住友化学工業(株)製のANTIGENE 6C
ステアリン酸:日本油脂(株)製の桐
酸化亜鉛:東邦亜鉛(株)製の銀嶺(R)
ステアリン酸コバルト:ジャパンエナジー(株)製のCOST−S
硫黄:アクゾ・カシマ(株)製のCRYSTEXHS OT
加硫促進剤:大内新興化学工業(株)製のノクセラーDZ−G
天然ゴム:一般的なRSS#3グレード
カーボンブラックISAF:昭和キャボット(株)製のN220(ヨウ素吸着量120mgI2/g)
老化防止剤:住友化学工業(株)製のANTIGENE 6C
ステアリン酸:日本油脂(株)製の桐
酸化亜鉛:東邦亜鉛(株)製の銀嶺(R)
ステアリン酸コバルト:ジャパンエナジー(株)製のCOST−S
硫黄:アクゾ・カシマ(株)製のCRYSTEXHS OT
加硫促進剤:大内新興化学工業(株)製のノクセラーDZ−G
実施例1〜3および比較例1〜3
上記の配合にしたがって、ゴム組成物を調製し、スチールコードに被覆して、ベルト層とした。スチールコードをメッキする場合は、真鍮(Cu、Zn)でメッキした。これを用いてタイヤサイズ185/65R15の評価用タイヤを作製し、以下の試験を実施した。
上記の配合にしたがって、ゴム組成物を調製し、スチールコードに被覆して、ベルト層とした。スチールコードをメッキする場合は、真鍮(Cu、Zn)でメッキした。これを用いてタイヤサイズ185/65R15の評価用タイヤを作製し、以下の試験を実施した。
(接着試験)
評点は、ブレーカー−ブレーカー間を剥離したときの剥離面のゴムの覆われている割合(100%:全面が覆われている)を示す。また、剥離抗力は剥離用サンプルをタイヤから切り出し(幅25cm)、それをインストロンで測定した引張り抗力を示す。なお、オリジナル接着は、湿熱接着されていないサンプルを、湿熱接着は、温度80℃、湿度95%の湿熱オーブンに2週間入れたあとのサンプルを用いて測定したことを示す。
評点は、ブレーカー−ブレーカー間を剥離したときの剥離面のゴムの覆われている割合(100%:全面が覆われている)を示す。また、剥離抗力は剥離用サンプルをタイヤから切り出し(幅25cm)、それをインストロンで測定した引張り抗力を示す。なお、オリジナル接着は、湿熱接着されていないサンプルを、湿熱接着は、温度80℃、湿度95%の湿熱オーブンに2週間入れたあとのサンプルを用いて測定したことを示す。
(粘弾性)
(株)岩本製作所製の粘弾性スペクトロメーターを用いて、70℃、初期歪み10%、動的歪み±1%におけるE*およびtanδの値を測定した。E*の数値が大きいほど、剛性が高く、変形の歪みが小さいことを示す。また、tanδの数値が小さいほど、低発熱性であることを示す。
(株)岩本製作所製の粘弾性スペクトロメーターを用いて、70℃、初期歪み10%、動的歪み±1%におけるE*およびtanδの値を測定した。E*の数値が大きいほど、剛性が高く、変形の歪みが小さいことを示す。また、tanδの数値が小さいほど、低発熱性であることを示す。
(連続高速試験)
連続高速試験走行距離は、内圧2.0Kpa、荷重120%、速度120kmで走行し、空気が抜け、タイヤが走行できなくなるまでの距離(km)を示す。数値が大きいほど、スチールコードとの接着性および耐久性に優れていることを示す。
連続高速試験走行距離は、内圧2.0Kpa、荷重120%、速度120kmで走行し、空気が抜け、タイヤが走行できなくなるまでの距離(km)を示す。数値が大きいほど、スチールコードとの接着性および耐久性に優れていることを示す。
結果を表1に示す。
特定量のメタクリル酸亜鉛またはアクリル酸亜鉛が配合された実施例1〜3では、メッキおよびコバルトステアリンの有無に関わらず、スチールコードとの接着性および耐久性に優れていた。
Claims (1)
- ブレーカーまたはベルト層のスチールコードを被覆するゴム組成物が、ジエン系ゴム100重量部、および、メタクリル酸亜鉛またはアクリル酸亜鉛2〜8重量部からなる空気入りタイヤ。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2003382735A JP2005146051A (ja) | 2003-11-12 | 2003-11-12 | 空気入りタイヤ |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003382735A JP2005146051A (ja) | 2003-11-12 | 2003-11-12 | 空気入りタイヤ |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
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JP2005146051A true JP2005146051A (ja) | 2005-06-09 |
Family
ID=34691714
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP2003382735A Pending JP2005146051A (ja) | 2003-11-12 | 2003-11-12 | 空気入りタイヤ |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2005146051A (ja) |
Cited By (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR100713076B1 (ko) | 2006-07-03 | 2007-05-02 | 한국타이어 주식회사 | 타이어용 고무 조성물 |
JP2007112944A (ja) * | 2005-10-21 | 2007-05-10 | Sumitomo Rubber Ind Ltd | ブレーカークッション用ゴム組成物およびそれを用いたタイヤ |
WO2009084285A1 (ja) * | 2007-12-28 | 2009-07-09 | Sumitomo Rubber Industries, Ltd. | タイヤ用ゴム組成物 |
JP2010111288A (ja) * | 2008-11-06 | 2010-05-20 | Sumitomo Rubber Ind Ltd | ブレーカークッション用ゴム組成物、プライトッピング用ゴム組成物及びタイヤ |
JP2019163400A (ja) * | 2018-03-20 | 2019-09-26 | 横浜ゴム株式会社 | コバルト化合物およびタイヤ用ゴム組成物 |
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2003
- 2003-11-12 JP JP2003382735A patent/JP2005146051A/ja active Pending
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