JP2005145825A - 1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノンの製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決課題】 副産物が少ない1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノンの製造方法を提供する。
【解決手段】 本発明の1.3−ジメチル−2−イミダゾリジノンの製造方法は、(1)エチレンジアミンと、尿素と、水と、を常温〜250℃で反応させて反応性生物を得る工程と、(2)該反応生成物を冷却する工程と、(3)冷却した反応生成物に、溶媒と、水素引き抜き剤と、を添加する工程と、(4)さらにメチル基供与剤を添加してメチル化する工程と、を含む。
【選択図】 なし
【解決手段】 本発明の1.3−ジメチル−2−イミダゾリジノンの製造方法は、(1)エチレンジアミンと、尿素と、水と、を常温〜250℃で反応させて反応性生物を得る工程と、(2)該反応生成物を冷却する工程と、(3)冷却した反応生成物に、溶媒と、水素引き抜き剤と、を添加する工程と、(4)さらにメチル基供与剤を添加してメチル化する工程と、を含む。
【選択図】 なし
Description
本発明は、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノンの製造方法に関する。
1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノンは、極性の高い非プロトン性溶媒として、高い誘電率と溶媒和効果、有機・無機化合物への強い溶解力などの優れた物性を有し、溶質の反応性を高め、耐アルカリ性が強く、強アルカリ性条件での加熱反応にも適用できることから、合成反応用溶媒、ポリマー用溶剤、工業用洗剤等として非常に広範囲に用いられている。
1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノンの製造方法としては、これまでにも種々の方法が提案されている。
例えば、尿素、エチレンジアミン及びジエチレングリコールから調製した2−イミダゾリジノン又はホルムアルデヒド若しくはパラホルムアルデヒドを付加させた1,3−ビス(ヒドロキシメチル)−2−イミダゾリジノンに、ホルムアルデヒド若しくはパラホルムアルデヒドを低級アルコールの存在下、酸性で縮合して得られた1,3−ビス(アルコキシメチル)−2−イミダゾリジノンを酸性物質の存在下、水素化触媒を用いて接触還元して1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノンを得る方法(特開昭53−98965号公報)がある。しかし、この方法では、酸性物質の存在下で接触還元を行うことから耐食性の装置が必要となり、さらに接触還元後の反応物を中和する際に生じる塩を分離することが必要となる。
例えば、尿素、エチレンジアミン及びジエチレングリコールから調製した2−イミダゾリジノン又はホルムアルデヒド若しくはパラホルムアルデヒドを付加させた1,3−ビス(ヒドロキシメチル)−2−イミダゾリジノンに、ホルムアルデヒド若しくはパラホルムアルデヒドを低級アルコールの存在下、酸性で縮合して得られた1,3−ビス(アルコキシメチル)−2−イミダゾリジノンを酸性物質の存在下、水素化触媒を用いて接触還元して1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノンを得る方法(特開昭53−98965号公報)がある。しかし、この方法では、酸性物質の存在下で接触還元を行うことから耐食性の装置が必要となり、さらに接触還元後の反応物を中和する際に生じる塩を分離することが必要となる。
また、硫酸イオンおよびアルミナ、または硫酸イオン、リン酸イオンおよびアルミナを焼成して得られる固体酸の存在下に、2−イミダゾリジノンとホルムアルデヒド又はパラホルムアルデヒドを水素化触媒を用いて接触還元する1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノンの製造方法がある(特公平5−14707号公報)
特開昭53−98965号公報
特公平5−14707号公報
本発明の目的は、副産物が少ない1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノンの製造方法を提供することにある。
本発明によれば、(1)エチレンジアミンと、尿素と、水と、を常温〜250℃で反応させて中間生成物を得る工程と、(2)該中間生成物を冷却する工程と、(3)冷却した中間生成物に、溶媒と、水素引き抜き剤と、を添加する工程と、(4)さらにメチル基供与剤を添加してメチル化する工程と、を含む1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノンの製造方法が提供される。
理論的に拘束されるものではないが、本発明者らは、水素引き抜き剤及びメチル基供与剤は、本方法において以下のように作用していると考えている。なお、以下の説明では、前記溶媒が、t−ブチルアルコールであり、前記水素引き抜き剤が、t−ブトキシドカリウムである場合を例とする。
t−ブトキシドカリウムは、下記式(1)
のように、強力な求核剤である(CH3)3−O-とK+とに分離する。求核剤(CH3)3−O-は、下記式(2)
で示すように、中間生成物である2−イミダゾリジンのN基についているH基を引きつけて、安定な(CH3)3−O-H+になる。
この状態で、メチル基供与剤を添加する。本発明におけるメチル基供与剤を添加する過程においては、2−イミダゾリジンのN基からH基が引き抜かれており、メチル基が引きつけられる。本発明においてメチル基供与剤は、ヨウ化メチル(CH3I)であることが好ましい。ヨウ化メチルをメチル基供与剤として用いる場合には、下記式(3)
この状態で、メチル基供与剤を添加する。本発明におけるメチル基供与剤を添加する過程においては、2−イミダゾリジンのN基からH基が引き抜かれており、メチル基が引きつけられる。本発明においてメチル基供与剤は、ヨウ化メチル(CH3I)であることが好ましい。ヨウ化メチルをメチル基供与剤として用いる場合には、下記式(3)
のように反応して、3種の安定な生成物1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン、t−ブチルアルコール及びヨウ化カリウムとなる。
次に、本発明に従って1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノンを製造する好ましい態様を説明する。
次に、本発明に従って1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノンを製造する好ましい態様を説明する。
温度計、撹拌装置、還流管を備えた反応器に、原料であるエチレンジアミンを仕込み、原料エチレンジアミンの重量を基準として約10〜150重量部、好ましくは30〜100重量部の尿素と、原料エチレンジアミンの重量を基準として約1〜100重量部、好ましくは10〜50重量部の水と、を添加して、反応液を撹拌しながら昇温させて、反応液の温度が150〜200℃、好ましくは150〜180℃に達した時点で撹拌を停止し、さらに反応液を昇温させて230〜300℃、好ましくは250〜280℃とし、この温度にて約1時間維持する。
次いで、反応液を自然放冷により冷却して反応液の温度を200℃以下、好ましくは150℃以下とした後、原料エチレンジアミンの重量を基準として約100〜3000重量部、好ましくは500〜2000重量部のt−ブチルアルコールと、原料エチレンジアミンの重量を基準として約100〜1000重量部、好ましくは250〜750重量部のt−ブトキシドカリウムと、を添加して、撹拌しながら反応液の温度を約10〜100℃、好ましくは20〜50℃に、約5〜20時間、好ましくは10〜15時間、維持する。
次いで、原料エチレンジアミンの重量を基準として約100〜1000重量部、好ましくは250〜750重量部のヨウ化メチルを添加して、反応液の温度を約10〜150℃、好ましくは25〜100℃にて、約1〜20時間、好ましくは5〜10時間、還流する。
その後、反応液を濾過して固体ヨウ化カリウム(KI)を除去し、濾液を蒸留してt−ブチルアルコールを除去して、目的生成物である1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノンを精製して得る。
本方法による反応は、以下のように進行していると考えられる。
なお、原料エチレンジアミン、尿素及び水の仕込みは、3種類を同時に行っても、あるいはエチレンジアミン、尿素、水の順番、またはエチレンジアミン、水、尿素の順番に行ってもよい。t−ブチルアルコールとt−ブトキシドカリウムの仕込みは、t−ブチルアルコールを添加してからt−ブトキシドカリウムを添加しても、t−ブチルアルコールとt−ブトキシドカリウムを同時に添加してもよい。
さらに、原料エチレンジアミン、尿素及び水の反応液から、副産物として生成するアンモニア及び水を、例えばカラムを用いて取り除いてもよい。この場合には、反応をより効率的に進行させることが可能である。また、冷却後の原料エチレンジアミン、尿素及び水の反応液を、例えば原料エチレンジアミンの重量を基準として約100〜1000重量部、好ましくは250〜750重量部のクロロホルム溶剤に溶解させて、ガラスフィルターで濾過して再結晶化する精製工程を加えてもよい。この場合には、生成物の純度がさらに向上する。
温度計、撹拌装置、還流管を備えた500mlの四ツ口フラスコに、エチレンジアミン(東京化成社製、特級)100gと、尿素(関東化学社製、特級)56.8gと、水27gと、を仕込んだ。撹拌しながら昇温させて、反応液の温度が約180℃に到達した時点で、撹拌を停止させた。反応液をさらに昇温させて、約250℃として、約1時間、維持する。
次いで、反応液の温度が150℃となるまで自然放冷により冷却させ、クロロホルムを溶媒として中間生成物(2−イミダゾリジノン)を濾過し、加熱溶解させて再結晶させた(170.5g、収率99%以上)。次いで、得られた中間生成物に対して、t−ブチルアルコール(関東化学社製、特級)1500mlと、t−ブトキシドカリウム(関東化学社製、特級)416gと、を添加して、撹拌しながら、反応液温度を30℃に、12時間、維持した。
次に、反応液に、ヨウ化メチル(関東化学社製、特級)613gを添加して、加熱し、撹拌しながら反応液温度80℃にて、8時間、還流した。
その後、反応液を濾過して固体ヨウ化カリウム(KI)を除去し、濾液を蒸留してt−ブチルアルコールを除去して、生成物を得た。得られた生成物をGC−FID(ガスクロマトグラフィー水素炎イオン化検出器)を用いて測定したところ、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン64.6g(収率91.6%)であった(図1参照)。
その後、反応液を濾過して固体ヨウ化カリウム(KI)を除去し、濾液を蒸留してt−ブチルアルコールを除去して、生成物を得た。得られた生成物をGC−FID(ガスクロマトグラフィー水素炎イオン化検出器)を用いて測定したところ、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン64.6g(収率91.6%)であった(図1参照)。
Claims (3)
- (1)エチレンジアミンと、尿素と、水と、を常温〜250℃で反応させて中間生成物を得る工程と、
(2)該中間生成物を冷却する工程と、
(3)冷却した中間生成物に、溶媒と、水素引き抜き剤と、を添加する工程と、
(4)さらにメチル基供与剤を添加してメチル化する工程と、
を含む1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノンの製造方法。 - 前記溶媒は、t−ブチルアルコールであり、前記水素引き抜き剤は、t−ブトキシドカリウムである請求項1に記載の方法。
- 前記メチル基供与剤は、ヨウ化メチルである、請求項1又は2に記載の方法。
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