JP2005144807A - 印刷装置、印刷方法、及び、印刷システム - Google Patents

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啓吾 山▲崎▼
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Abstract

【課題】 紙Sの縁部まで印刷を行う場合において、溝部へのインクの堆積を抑制する。
【解決手段】 第1インクを吐出するための複数のノズルを有する移動可能な第1ノズル群と、第2インクを吐出するための複数のノズルを有する移動可能な第2ノズル群であって、前記第1ノズル群のノズル数よりも多い数のノズルを備えた第2ノズル群を有し、前記第1インク及び前記第2インクを用いて媒体に画像を印刷する印刷装置において、前記第2ノズル群うちの複数のノズルグループから、媒体に向けて選択的にインクを吐出することを特徴とする。
【選択図】 図13

Description

この発明は、印刷ヘッドを用いて媒体上にインクドットの形成を行う技術に関する。
近年、コンピュータ等の出力装置として、印刷ヘッドのノズルからインクを吐出するプリンタが広く普及しており、媒体の縁まで画像を印刷できるようなプリンタも実現されている。このような印刷を実現する方法の一つとして、媒体の縁の位置のばらつきが有っても縁まで余白無く印刷するために、縁の外側まで少し余分に吐出領域を設定し対応していた(例えば、特許文献1参照)。
特開2002−225311号公報(第1−6頁、第1-8図)
しかし、インク吸収材が媒体の縁の外側に吐出されたインクを充分に吸収できない場合があった。この場合、インクが、受け部の溝部に備えられたインク吸収材の上で凝固して堆積する事もあった。この堆積したインクは、印刷ヘッドや受け部上を通過する媒体に接触して、これらを汚す原因となっていた。特に、色材に顔料を使用した顔料インクは、このような堆積が生じやすいという問題があった。この発明は、従来技術における上述の課題であるインク堆積を分散させて堆積高さを抑制することを目的とする。
上述の課題の少なくとも一部を解決するため、本発明の印刷装置は、第1インクを吐出するための複数のノズルを有する移動可能な第1ノズル群と、第2インクを吐出するための複数のノズルを有する移動可能な第2ノズル群であって、前記第1ノズル群のノズル数よりも多い数のノズルを備えた第2ノズル群を有し、前記第1インク及び前記第2インクを用いて媒体に画像を印刷する印刷装置において、前記第2ノズル群うちの複数のノズルグループから、媒体に向けて選択的にインクを吐出することを特徴とする印刷装置である。
本発明の他の特徴については、本明細書及び添付図面の記載により明らかにする。
本発明の効果として、堆積しやすいインクのはみ出しインクの堆積を分散させることにより、堆積高さを平均化し、全体的に低くさせるように抑制することができ、堆積し難くすることができる。ひいては、紙等の媒体を汚し難くすることが可能となる。
本明細書及び添付図面の記載により、少なくとも次のことが明らかにされる。
第1インクを吐出するための複数のノズルを有する移動可能な第1ノズル群と、第2インクを吐出するための複数のノズルを有する移動可能な第2ノズル群であって、前記第1ノズル群のノズル数よりも多い数のノズルを備えた第2ノズル群を有し、前記第1インク及び前記第2インクを用いて媒体に画像を印刷する印刷装置において、前記第2ノズル群うちの複数のノズルグループから、媒体に向けて選択的にインクを吐出することを特徴とする印刷装置である。
このような印刷装置によれば、前記第2ノズル群うちの複数のノズルグループから、媒体に向けて選択的にインクを吐出することにより、前記第2ノズル群うちの複数のノズルグループのそれぞれのグループの吐出頻度を少なくすることが可能となる。
さらには、媒体に到達しなかったインクを受けるための受け部を有し、前記第1ノズル群、及び、前記複数のノズルグループのうちの選択されたノズルグループから、媒体のサイズ以上の領域に向けてインクを吐出することを特徴とする印刷装置である。
このような印刷装置によれば、媒体に到達しなかったインクを受けるための受け部を有し、前記第1ノズル群、及び、前記複数のノズルグループのうちの選択されたノズルグループから、媒体のサイズ以上の領域に向けてインクを吐出することにより、前記第1ノズル群、及び、前記複数のノズルグループのうちの選択されたノズルグループから、媒体のサイズ以上の領域に向けてインクを吐出することで、媒体のサイズ以上の領域に着弾したインクの堆積量を分散させて、媒体のサイズいっぱいの縁まで印刷することが可能となる。
さらには、前記第1ノズル群と前記第2ノズル群とは、これらの移動方向において並んで設けられており、複数のノズルグループのうちの一つのノズルグループは、前記第2ノズル群のうち、前記移動方向と交差する方向において、前記第1ノズル群と同じ位置にあるノズルグループであることを特徴とする印刷装置である。
このような印刷装置によれば、前記第1ノズル群と同じ位置にある前記第2ノズル群のノズルグループと前記第1ノズル群が移動方向において並んで設けられているので、一移動方向動作時に、媒体上のノズル群が並んでいる領域を、タイミングをずらして同一移動方向動作時に、同時に印刷することが可能となる。
さらには、第3インクを吐出するための複数のノズルを有する移動可能な第3ノズル群であって、前記第1ノズル群のノズル数と同じ数のノズルを備えた第3ノズル群と、第4インクを吐出するための複数のノズルを有する移動可能な第4ノズル群であって、前記第1ノズル群のノズル数と同じ数のノズルを備えた第4ノズル群と、を有し、前記第1ノズル群、前記第3ノズル群、及び、前記第4ノズル群は、これらの移動方向と交差する方向に沿って並んで設けられており、 複数のノズルグループのうちの他の一つのノズルグループは、前記第2ノズル群のうち、前記移動方向において、前記第3ノズル群と同じ位置にあるノズルグループであり、複数のノズルグループのうちの更に他の一つのノズルグループは、前記第2ノズル群のうち、前記移動方向において、前記第4ノズル群と同じ位置にあるノズルグループであることを特徴とする印刷装置である。
このような印刷装置によれば、同数のノズル数を持つ前記第1ノズル群、前記第3ノズル群、及び、前記第4ノズル群に対して、前記移動方向において、前記第各ノズル群と同じ位置にある前記第2ノズル群のノズルグループが同じ位置にあることにより、一移動方向動作時に、前記第2ノズル群のノズルグループとそれぞれ同じ位置にあるその他のノズル群が、媒体上で各ノズル群が並んでいる領域を、タイミングをずらして、同一移動方向動作時に、同時に印刷することが可能となる。
さらには、前記第2ノズル群は、ブラックインク(K)を吐出するための複数のノズルを有することを特徴とする印刷装置である。
このような印刷装置によれば、ブラックインク(K)を吐出するための複数のノズルグループのそれぞれの吐出頻度を少なくでき、一移動方向動作時に、前記ブラックインク(K)の複数のノズルグループとそれぞれ対応するその他のノズル群が媒体上でノズル群の並んでいる領域を、タイミングをずらして、同一移動方向動作時に印刷することができる。さらには、モノクロ印刷するとき、複数のノズルグループが一移動方向動作時に、同時に吐出できるので、媒体上の広い領域を一移動方向動作時に、同時に印刷することが可能となる。
さらには、前記第2ノズル群は、前記第1ノズル群、前記第3ノズル群、及び、前記第4ノズル群よりも堆積しやすいインクを吐出するための複数のノズルを有することを特徴とする印刷装置である。
このような印刷装置によれば、もっとも堆積しやすいインクを吐出するための複数のノズルグループのそれぞれの吐出頻度を少なくできて、一移動方向動作時に、前記もっとも堆積しやすいインクの複数のノズルグループとそれぞれ対応するその他のノズル群の媒体上でノズル群が並んでいる領域を、タイミングをずらして、同時に印刷することが可能となる。
さらには、前記受け部に堆積したインクの堆積量を検知するためのセンサを有し、このセンサの出力値に基づいて、前記複数のノズルグループのうちの、媒体に向けてインクを吐出するノズルグループを切り換えることを特徴とする印刷装置である。
このような印刷装置によれば、前記受け部に堆積したインクの堆積量を検知するためのセンサを有し、このセンサの出力値に基づいて、前記複数のノズルグループのうちの、媒体に向けてインクを吐出するノズルグループを切り換えることができるので、受け部における前記ノズルグループの対応領域各部の堆積量を制御することが可能となる。
さらには、前記複数のノズルグループのうちの、選択されたノズルグループからのインク吐出量をカウントする吐出カウンタを有し、この吐出カウンタによるカウント値に基づいて、前記複数のノズルグループのうちの、媒体に向けてインクを吐出するノズルグループを切り換えることを特徴とする印刷装置である。
このような印刷装置によれば、前記複数のノズルグループのうちの、選択されたノズルグループからのインク吐出量をカウントする吐出カウンタを有し、この吐出カウンタによるカウント値に基づいて、前記複数のノズルグループのうちの、媒体に向けてインクを吐出するノズルグループを切り換えることにより、この吐出カウンタによるカウント値に基づいて、前記複数のノズルグループのインクの吐出を制御することが可能となる。
さらには、印刷した媒体の枚数をカウントする枚数カウンタを有し、この枚数カウンタによるカウント値に基づいて、前記複数のノズルグループのうちの、媒体に向けてインクを吐出するノズルグループを切り換えることを特徴とする印刷装置である。
このような印刷装置によれば、印刷した媒体の枚数をカウントする枚数カウンタを有し、この枚数カウンタによるカウント値に基づいて、前記複数のノズルグループのうちの、媒体に向けてインクを吐出するノズルグループを切り換えることにより、この枚数カウンタによるカウント値に基づいて、前記複数のノズルグループのインクの吐出を制御することが可能となる。
さらには、媒体を一枚印刷する毎に、前記複数のノズルグループのうちの、媒体に向けてインクを吐出するノズルグループを切り換えることを特徴とする印刷装置である。
このような印刷装置によれば、媒体を一枚印刷する毎に、前記複数のノズルグループのうちの、媒体に向けてインクを吐出するノズルグループを切り換えることにより、一枚ごとの搬送開始信号、もしくは、印刷完了信号と連動して、前記複数のノズルグループのインクの吐出を制御することが可能となる。
また、第1インクを吐出するための複数のノズルを有する移動可能な第1ノズル群と、第2インクを吐出するための複数のノズルを有する移動可能な第2ノズル群であって、前記第1ノズル群のノズル数よりも多い数のノズルを備えた第2ノズル群を有し、前記第1インク及び前記第2インクを用いて媒体に画像を印刷する印刷装置において、前記第2ノズル群うちの複数のノズルグループから、媒体に向けて選択的にインクを吐出し、媒体に到達しなかったインクを受けるための受け部を有し、前記第1ノズル群、及び、前記複数のノズルグループのうちの選択されたノズルグループから、媒体のサイズ以上の領域に向けてインクを吐出し、前記第1ノズル群と前記第2ノズル群とは、これらの移動方向において並んで設けられており、複数のノズルグループのうちの一つのノズルグループは、前記第2ノズル群のうち、前記移動方向と交差する方向において、前記第1ノズル群と同じ位置にあるノズルグループであり、第3インクを吐出するための複数のノズルを有する移動可能な第3ノズル群であって、前記第1ノズル群のノズル数と同じ数のノズルを備えた第3ノズル群と、第4インクを吐出するための複数のノズルを有する移動可能な第4ノズル群であって、前記第1ノズル群のノズル数と同じ数のノズルを備えた第4ノズル群と、を有し、前記第1ノズル群、前記第3ノズル群、及び、前記第4ノズル群は、これらの移動方向と交差する方向に沿って並んで設けられており、複数のノズルグループのうちの他の一つのノズルグループは、前記第2ノズル群のうち、前記移動方向において、前記第3ノズル群と同じ位置にあるノズルグループであり、複数のノズルグループのうちの更に他の一つのノズルグループは、前記第2ノズル群のうち、前記移動方向において、前記第4ノズル群と同じ位置にあるノズルグループであり、前記第2ノズル群は、ブラックインクを吐出するための複数のノズルを有し、前記第2ノズル群は、前記第1ノズル群、前記第3ノズル群、及び、前記第4ノズル群よりも堆積しやすいインクを吐出するための複数のノズルを有することを特徴とする印刷装置、も実現可能である。
このような印刷装置によれば、前述したような種々の利点が効果的に得られる。
さらには、第1インクを吐出するための複数のノズルを有する移動可能な第1ノズル群と、第2インクを吐出するための複数のノズルを有する移動可能な第2ノズル群であって、前記第1ノズル群のノズル数よりも多い数のノズルを備えた第2ノズル群を用いて、前記第1インク及び前記第2インクにより媒体に画像を印刷する印刷方法において、前記第2ノズル群うちの複数のノズルグループから、媒体に向けて選択的にインクを吐出することを特徴とする印刷方法である。
このような印刷方法によれば、前記第2ノズル群うちの複数のノズルグループから、媒体に向けて選択的にインクを吐出することにより、前記第2ノズル群うちの複数のノズルグループのそれぞれのグループの吐出頻度を少なくできる印刷方法を提供することが可能となる。
さらには、コンピュータ、及び、前記コンピュータに接続可能な印刷装置であって、第1インクを吐出するための複数のノズルを有する移動可能な第1ノズル群と、第2インクを吐出するための複数のノズルを有する移動可能な第2ノズル群であって、前記第1ノズル群のノズル数よりも多い数のノズルを備えた第2ノズル群を有し、前記第1インク及び前記第2インクを用いて媒体に画像を印刷する印刷装置であって、前記第2ノズル群うちの複数のノズルグループから、媒体に向けて選択的にインクを吐出する印刷装置を有すること、を特徴とする印刷システムである。
このような印刷システムによれば、前記第2ノズル群うちの複数のノズルグループから、媒体に向けて選択的にインクを吐出することにより、前記第2ノズル群うちの複数のノズルグループのそれぞれのグループの吐出頻度を少なくできる印刷システムを提供することが可能となる。
===印刷装置の概要===
以下で、本発明の実施の形態を説明する。
本発明に係る印刷装置として、インクジェットカラープリンタを例にとり、その概要について説明する。図1〜図4は、そのインクジェットカラープリンタ1の一実施形態の概要を説明するための図である。図1は、そのインクジェットカラープリンタ1の一実施形態の外観を示す。図2は、そのインクジェットカラープリンタ1のブロック構成を示し、図3は、そのインクジェットカラープリンタ1のキャリッジ41及びその周辺部を示す。図4は、そのインクジェットカラープリンタ1の搬送部及びその周辺部を示す。
このインクジェットカラープリンタ1は、図1に示すように、背面から供給された媒体としての紙等(以後、紙と記す)の被印刷体を前面から排出する構造を備えており、その前面部には操作パネル2および排紙部3が設けられ、その背面部には給紙部4が設けられている。操作パネル2には、各種操作ボタン5および表示ランプ6が設けられている。また、排紙部3には、不使用時に排紙口を塞ぐ排紙トレー7が設けられている。給紙部4には、カット紙(図示しない)を保持する給紙トレー8が設けられている。なお、インクジェットカラープリンタ1は、カット紙など単票状の紙のみならず、ロール紙などの連続した被印刷体にも印刷できるような給紙構造を備えていても良い。
このインクジェットカラープリンタ1は、その主要部として、図2に示すように、紙搬送ユニット10と、インク吐出ユニット20と、クリーニングユニット30と、キャリッジユニット40と、計測器群50と、制御ユニット60とを備えている。
紙搬送ユニット10は、紙等の紙を印刷可能な位置に送り込み、印刷時に所定の方向(図2において紙面に垂直な方向(以下、搬送方向という))に所定の移動量で紙を移動させるためのものである。すなわち、紙搬送ユニット10は、紙S等を搬送する搬送機構として機能する。紙搬送ユニット10は、図4に示すように、紙挿入口11A及びロール紙挿入口11Bと、給紙モータ(不図示)と、給紙ローラ13と、受け部14と、紙搬送モータ(以下、PFモータという)15(不図示。図3参照)と、紙搬送モータドライバ(以下、PFモータドライバという)16と、搬送ローラ17Aと排紙ローラ17Bと、フリーローラ18Aとフリーローラ18Bとを有する。ただし、紙搬送ユニット10が搬送機構として機能するためには、必ずしも、これらの構成要素を全て要するというわけではない。
紙挿入口11Aは、紙Sを挿入するところである。給紙モータ(不図示)は、紙挿入口11Aに挿入された紙Sをプリンタ1内に搬送するモータであり、パルスモータ等で構成される。給紙ローラ13は、紙挿入口11に挿入された紙をプリンタ1内に自動的に搬送するローラであり、給紙モータ12によって駆動される。給紙ローラ13は、略D形の横断面形状を有している。給紙ローラ13の円周部分の周囲長さは、PFモータ15までの搬送距離よりも長く設定されているので、この円周部分を用いて被印刷体をPFモータ15まで搬送できる。なお、給紙ローラ13の回転駆動力と分離パッド(不図示)の摩擦抵抗とによって、複数の紙が一度に給紙されることを防いでいる。
受け部14は、印刷中の紙Sを支持する支持手段である。PFモータ15は、図2および図4に示すように、紙を搬送方向に送り出すモータであり、DCモータで構成される。PFモータドライバ16は、PFモータ15の駆動を行うためのものである。搬送ローラ17Aは、給紙ローラ13によってプリンタ内に搬送された紙Sを印刷可能な領域まで送り出すローラであり、PFモータ15によって駆動される。フリーローラ18A(図4参照)は、搬送ローラ17Aと対向する位置に設けられ、紙Sを搬送ローラ17Aとの間に挟むことによって紙Sを搬送ローラ17Aに向かって押さえる。
排紙ローラ17B(図4参照)は、印刷が終了した紙Sをプリンタの外部に排出するローラである。排紙ローラ17Bは、不図示の歯車により、PFモータ15によって駆動される。フリーローラ18Bは、排紙ローラ17Bと対向する位置に設けられ、紙Sを排紙ローラ17Bとの間に挟むことによって紙Sを排紙ローラ17Bに向かって押さえる。
インク吐出ユニット20は、被印刷体である例えば紙Sにインクを吐出するためのものである。インク吐出ユニット20は、図2に示すように、印刷ヘッド21と、印刷ヘッドドライバ22とを有する。印刷ヘッド21は、インク吐出部であるノズルを複数有し、各ノズルから断続的にインクを吐出する。印刷ヘッドドライバ22は、印刷ヘッド21を駆動して、印刷ヘッド21から断続的にインクを吐出させるためのものである。
クリーニングユニット30は、図3にも示すように、印刷ヘッド21のノズルの目詰まりを防止するためのものである。クリーニングユニット30は、ポンプ装置31と、キャッピング装置35とを有する。ポンプ装置31は、印刷ヘッド21のノズルの目詰まりを防止するため、ノズルからインクを吸い出すものであり、ポンプモータ32とポンプモータドライバ33とを有する。ポンプモータ32は、印刷ヘッド21のノズルからインクを吸引する。ポンプモータドライバ33は、ポンプモータ32を駆動する。キャッピング装置35は、印刷ヘッド21のノズルの目詰まりを防止するため、印刷を行わないとき(待機時)に、印刷ヘッド21のノズルを封止する。
キャリッジユニット40は、図2及び図3に示すように、印刷ヘッド21を所定の方向(図2において紙面の左右方向(以下、走査方向という))に走査移動させるためのものである。キャリッジユニット40は、キャリッジ41と、キャリッジモータ(以下、CRモータという)42と、キャリッジモータドライバ(以下、CRモータドライバという)43と、プーリ44と、タイミングベルト45と、ガイド軸46とを有する。キャリッジ41は、走査方向に移動可能であって、印刷ヘッド21を固定している(したがって、印刷ヘッド21のノズルは、走査方向に沿って移動しながら、断続的にインクを吐出する)。また、キャリッジ41は、インクを収容するインクカートリッジ48、49を着脱可能に保持している。CRモータ42は、キャリッジ41を走査方向に移動させるモータであり、DCモータで構成される。CRモータドライバ43は、CRモータ42を駆動するためのものである。プーリ44は、CRモータ42の回転軸に取付けられている。タイミングベルト45は、プーリ44によって駆動される。ガイド軸46は、キャリッジ41を走査方向に案内する。
計測器群50には、リニア式エンコーダ51と、ロータリー式エンコーダ52と、紙検出センサ53と、紙幅センサ54とがある。リニア式エンコーダ51は、キャリッジ41の位置を検出するためのものである。ロータリー式エンコーダ52は、搬送ローラ17Aの回転量を検出するためのものである。なお、エンコーダの構成等については、後述する。紙検出センサ53は、印刷される紙Sの先端の位置を検出するためのものである。この紙検出センサ53は、給紙ローラ13が搬送ローラ17Aに向かって紙Sを搬送する途中で、紙Sの先端の位置を検出できる位置に設けられている。なお、紙検出センサ53は、機械的な機構によって紙Sの先端を検出するメカニカルセンサである。
詳しく言うと、紙検出センサ53は搬送方向に回転可能なレバーを有し、このレバーは紙Sの搬送経路内に突出するように配置されている。そのため、紙Sの先端がレバーに接触し、レバーが回転させられるので、紙検出センサ53は、このレバーの動きを検出することによって、紙Sの先端の位置を検出する。紙幅センサ54は、キャリッジ41に取付けられている。紙幅センサ54は、発光部541と受光部543を有する光学センサであり、紙Sによって反射された光を検出することにより、紙幅センサ54の位置における紙Sの有無を検出する。そして、紙幅センサ54は、キャリッジ41によって移動しながら紙Sの端部の位置を検出し、紙Sの幅を検出する。また、紙幅センサ54は、キャリッジ41の位置によって、紙Sの先端を検出できる。紙幅センサ54は、光学センサなので、紙検出センサ53よりも位置検出の精度が高い。
制御ユニット60は、プリンタの制御を行うためのものである。制御ユニット60は、CPU61と、タイマ62と、インターフェース部63と、ASIC64と、メモリ65と、DCコントローラ66とを有する。CPU61は、プリンタ全体の制御を行うためのものであり、DCコントローラ66、PFモータドライバ16、CRモータドライバ43、ポンプモータドライバ32および印刷ヘッドドライバ22に制御指令を与える。タイマ62は、CPU61に対して周期的に割り込み信号を発生する。インターフェース部63は、プリンタの外部に設けられたホストコンピュータ67との間でデータの送受信を行う。ASIC64は、ホストコンピュータ67からインターフェース部63を介して送られてくる印刷情報に基づいて、印刷の解像度や印刷ヘッドの駆動波形等を制御する。メモリ65は、ASIC64及びCPU61のプログラムを格納する領域や作業領域等を確保するためのものであり、RAM、EEPROM等の記憶手段を有する。DCコントローラ66は、CPU61から送られてくる制御指令と計測器群50からの出力に基づいて、PFモータドライバ16及びCRモータドライバ43を制御する。
このようなインクジェットカラープリンタ1では、印刷時において、紙Sが搬送ローラ17Aにより間欠的に所定の搬送量で搬送され、その間欠的な搬送の合間にキャリッジ41が、搬送ローラ17Aによる搬送方向に対して交差する方向、即ちここでは走査方向に沿って移動しながら、印刷ヘッド21から紙Sに向けてインクを吐出する。この吐出されたインクによって、紙S上にはドットが形成され、当該ドットが多数形成されて紙S上に画像が形成される。
===印刷ヘッドの構成===
本発明の実施例として、印刷ヘッドの構成において、第2インクとしての特定色が、ブラックインク(K)の場合について説明する。
図5は、印刷ヘッド21におけるインクジェットノズルNzの配置を示す説明図である。
これらのノズルの配置において、インクジェットノズルは、各ブラック(K)、シアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)のインクを吐出する各ノズル群から成っている。
ブラックインク(K)ノズル群211K(第2ノズル群)は、三つのブラックインク(K)ノズルグループ211K1、211K2、211K3から構成されている。ブラックインク(K)ノズル群211K(第2ノズル群)の各ノズルグループ211K1,211K2,211K3は、各48個のノズル数で構成されている。ノズルグループ211K1,211K2,211K3からなるブラックインク(K)ノズル群211K(第2ノズル群)のノズル総計は、144個である。この総計144個のノズルが一定のノズルピッチk・Dで、搬送方向に連続して縦一列に配列されている。
シアンインク(C)ノズル群211Cは、ブラックインク(K)ノズル群211K(第2ノズル群)のノズルグループ211K1の搬送方向に同位置で、走査方向に並んで設けられている。マゼンタインク(M)ノズル群211Mは、ブラックインク(K)ノズル群211K(第2ノズル群)のノズルグループ211K2の搬送方向に同位置で、走査方向に並んで設けられている。イエローインク(Y)ノズル群211Yは、ブラックインク(K)ノズル群211K(第2ノズル群)のノズルグループ211K3の搬送方向に同位置で、走査方向に並んで設けられている。シアンインク(C)ノズル群211C、マゼンタインク(M)ノズル群211M、イエローインク(Y)ノズル群211Yの各色それぞれのノズル群は、各48個のノズル数で構成されている。シアンインク(C)ノズル群211C、マゼンタインク(M)ノズル群211M、イエローインク(Y)ノズル群211Yのノズル総計は、144個である。その総計144個のノズルが一定のノズルピッチk・Dで、搬送方向に連続して一列に配列されている。
ブラックインク(K)ノズル群211K(第2ノズル群)、及び、カラーインクノズル群(シアンインク(C)ノズル群211Cとマゼンタインク(M)ノズル群211Mとイエローインク(Y)ノズル群211Y)の配列は、搬送方向に同位置で、走査方向へ横並びで、搬送方向に縦2列に配列されている。
モノクロ印刷時は、三つのブラックインク(K)ノズルグループ211K1、211K2、211K3の全部からインクを同時に吐出させて、一回の走査で多くの領域を印刷できる。このことで、モノクロ印刷を高速で印刷することができるという利点を有する。
一方、カラー印刷時は、ある行に対して、三つのブラックインク(K)ノズルグループ211K1、211K2、211K3のいずれか一つを用いて印刷する。カラー印刷の場合、各カラーインクを吐出するノズル数とブラックインク(K)を吐出するノズル数を合わせる必要があるからである。いずれか一つのノズルグループを用いて印刷することが、後述する「ノズルグループを選択的に切り替えて、吐出させることができる」ことにつながる。
なお、「ノズルピッチk・D」は、印刷ヘッド上に配されるノズルの搬送方向の間隔が何ラスタ分(すなわち、何画素分)であるかで決まる。紙上に吐出されるインクドットのピッチをDとした場合、例えば、間に3ラスタ分の間隔をあけて配されているとき、kの値は4であり、ノズルピッチk・Dは4Dとなる。
なお、本実施形態では、印刷ヘッドのノズルから吐出されるインクが、ブラック(K)、シアン(C)、マゼンタ(M)およびイエロ(Y)の各色のインクであったが、本発明にあっては、これらに限らず、これら以外の他の色の場合も含む。また、本発明のインクは、これら有色のインクに限らず、透明無色のクリアインクを含む。この他に、本発明では、印刷における利用を目的に、他の特殊な機能を有する液体などについても便宜上「インク」と呼ぶことにする。
===受け部の構成===
図6Aは、本発明の実施例における組立てられた受け部14の斜視図、図6B乃至図6Dは、分解された各部品の斜視図である。なお、これらの図面においては、長手方向の中央部分を一部破断した状態にて示している。
図6Aに示す受け部14は、図6Dに示す受け部フレーム86と、図6Bに示すインク吸収材84と、図6Cに示すインク吸収材支持部87と、から構成されている。
受け部14は、走査方向に長く、紙Sの走査方向の幅より長い形状をしている。そして、前記受け部14は、プリンタのフレーム(不図示)に固定されている。前記受け部14は、受け部フレーム86に形成された、凸部86a、86b、86c、86dと、溝部82と、を有する。前記凸部86a、86b、86c、86dは、搬送されてきた紙Sを支持する役目を果たす。前記溝部82は、縁なし印刷時に、紙Sに着弾しないインク的を受け止める役割を果たす。
前記凸部は、上流側凸部86aと、中間凸部86b、86cと、下流側凸部86dと、から構成される。前記上流側凸部86a(と、前記中間凸部86b、86cと、前記下流側凸部86d)の上面は、略同一平面を形成し、前記紙Sを支持する面である。前記上流側凸部86aと、前記中間凸部86b、86cと、前記下流側凸部86dは、走査方向に沿って細長い形状をしていて、角部に面取り、もしくは、丸みが付けられている。これは、紙Sが搬入されたときに、前記紙Sが突っかからないようにするためである。また、前記中間凸部86b、86cは前記紙Sの紙幅より若干短い寸法であり、前記上流側凸86aと、前記下流側凸部86dは、走査方向に紙Sより長く、溝部86を囲む枠壁の一部を形成している。
前記溝部82は、上流側溝部82fと、中間溝部82mと、下流側溝部82rと、両側方溝部82sとから構成されている。前記上流側溝部82fと、前記中間溝部82mと、前記下流側溝部82rは、走査方向に、前記紙Sの紙幅より若干短い寸法に形成されている。また、両側方溝部82sは、前記溝部82の走査方向の両縁部に備えられていて、前記上流側溝部82fと、前記中間溝部82mと、前記下流側溝部82rと、前記中間凸部86b、86cの搬送方向の寸法和の長さに形成されている。上流側溝部82fと、中間溝部82mと、下流側溝部82r、及び、両側縁部Ssは、角部で全て繋がっていて、「日」の字状の仕切りを持つ枠形状をしている。
後述する縁なし印刷を行うとき、紙Sに着弾しないインクが溝部82内部に落ちることになるが、はみ出し領域のインク滴が堆積する部分としての、溝部82内部のインク堆積部88(図8A等参照)は、マージンを持って設定される。
つまり、前記インク堆積部88は、前記溝部82の各略中間部に、前記溝部82の溝幅より狭く設定される。これは、はみ出し印刷時に、紙Sの外側に落ちるインク滴が上流側凸部86aや、中間凸部86b、86c等に、揺らぎや誤差で誤って着弾しないようにするためである。前記インク堆積部88は、前記溝部82の角部で繋がっていて、溝部82と同様に、「日」の字状の仕切りを持つ枠形状をしている。
受け部フレーム86には、前記溝部82の底部に、貫通する排出部としての孔部が少なくとも1カ所設けられている。貫通する孔部を設けることで、インクの液体成分を排出させることができるためである(図8B、及び、図9Bも参照)。前記排出部としての孔には、ホース95が繋がれ、廃インクタンク(不図示)に導かれる。必要に応じて、ホース95の途中にインク吸引機構90(不図示)に結合されていても良い。吸引することで、インクの液体成分をさらに積極的に排出され易くすることができる。
インク吸収材84(図6B)は、インクを吸収するための多孔質のスポンジ材で形成されていて、受け部フレーム86(図6D)の溝部82に嵌め込め込まれている。
インク吸収材支持部87(図6C)は、受け部フレーム86(図6D)の溝部82に、インク吸収材84の下に位置して固定されている。なお、図6Cにおいて、インク吸収材支持部87は、分かりやすくするために上下を逆にして示してある。
インク吸収材支持部87は、堆積インクの液体成分を下方に流し、排出するための複数の穴を有している。インク吸収材支持部87の組み立ては、図6Cに示す状態から上下を逆にして、インク吸収材84が嵌め込まれる前に溝部82に嵌め込まれる。インク吸収材支持部87の周囲は受け部フレーム86の溝部82の内側壁に接着される。このようにして、インク溝部82下部には廃インクを収容するための空間が形成されている。
図7は、印刷ヘッドを図示していないが、紙Sが、D方向に搬送されて、受け部14に差し掛かった状態の紙Sと、受け部14との位置関係を示す斜視図である。受け部14は、走査方向の幅が紙Sより広く、紙側縁部Ssの両外に側方溝部82sを持っている。中間凸部86b、86cは紙Sの前後両縁部の走査方向寸法より若干短い寸法であり、縁なし印刷時、紙Sの下に隠れる位置にある。
===印刷ヘッドと受け部の位置関係===
<各ノズルと溝部の位置関係>
図8A、図8B、図9A、図9Bを用いて、本発明の実施例における各ノズルと溝部82の位置関係について説明する。
図8A、及び、図9Aは、印刷ヘッド21と、該印刷ヘッド21を搭載したキャリッジ41と、紙S、及び、受け部14の位置関係を示す平面図である。図8Bは、図8AのY−Y部断面を示す図である。図9Bは、図9AのZ−Z部断面を示す図である。
説明上、図8A、及び、図9Aの紙面の法線方向手前側を上側とし、逆方向を下側とすると、紙Sの上側には、紙S上に、キャリッジに搭載された、インクを吐出するための印刷ヘッド21が配置されていて、紙Sの下に受け部が配置されている。
図8A、及び、図9Aに示すように、キャリッジ41の下方の印刷ヘッド21は、複数のインクを吐出するためのノズル群から構成されている。
図8Aおよび図8Bは、紙Sが印刷領域に搬送される前の状態を示している。
図9Aおよび図9Bは、紙Sが、印刷領域に搬送され、中間溝部82mに差し掛かってきたとき、紙Sの前縁部Sfの縁なし印刷を始めた様子を示している。
紙Sを支持する面である受け部14の上流側凸部86a(と、中間凸部86b、86cと、下流側凸86d)の上面は、前記ノズル群211の吐出面と平行であり、所定の距離を隔てて、印刷ヘッド21と対向している。前記印刷ヘッド21と前記受け部14間の隙間に紙Sが搬送されて挿入されたとき、紙Sが前記ノズル群211の吐出平面と平行に支持されることで、印刷ヘッドから下向きにインク滴が吐出された場合、印刷が安定して行われる。
図8B、及び、図9Bに示すように、上流側溝部82fは、ブラックインク(K1)ノズルグループ211K1(とシアンインク(C)ノズル群211C)と対向している位置にある。中間溝部82mは、ブラックインク(K2)ノズルグループ211K2(とマゼンタインク(M)ノズル群211M)と対向している位置にある。下流側溝部82rは、ブラックインク(K3)ノズルグループ211K3(とイエローインク(Y)ノズル群211Y)と対向している位置にある。
<縁無し印刷の説明>
本実施形態に係るインクジェットカラープリンタ1にあっては、印刷モードとして、通常の印刷を行う通常印刷モードの他に、「縁無し印刷」を行う縁無し印刷モードを備えている。
図10は、通常印刷モードにおける印刷領域Pと紙Sとのサイズの関係を示したものである。
通常印刷モードは、印刷領域Pが紙S上に収まるように印刷を行うモードである。同図に示すように、印刷領域Pは紙S内に納まるように設定され、紙Sの外周部、即ち左右両側縁部、及び、前後縁部には余白が形成される。
プリンタドライバ96は、通常印刷モードが設定されていた場合、アプリケーションプログラムから与えられた画像データに基づき、印刷領域Pが紙Sに収まるように印刷データPDを生成する。ここで、印刷領域Pを紙S内に納めることができないような画像データを処理する場合には、画像データにより表される画像の一部を印刷対象から除外したり、またその画像を縮小処理するなどして紙Sに収まるようにすることもある。
一方、「縁無し印刷モード」は、紙Sに余白が形成されないように印刷を行うモードである。紙Sの前縁部Sf,後縁部Sr,側縁部Ssのそれぞれの縁まで印刷する場合、紙の寸法のばらつきや、紙Sを送るときの位置ばらつきが生じても、紙の外側の領域までインクを吐出することで、紙の四方の全ての縁において、未印刷領域が発生することの無いようにすることができ、全面印刷が可能となる。つまり、インクは、紙Sから外れる領域にも吐出される。
図11は、「縁無し印刷モード」における印刷領域Pと紙Sとのサイズの関係を示したものである。同図に示すように、「縁無し印刷モード」では、印刷領域Pが紙Sよりも大きくなるように設定される。「縁無し印刷」は、紙Sの周縁部、即ち左右縁部および前後縁部のいずれか、または、全部に、余白が形成されないことを指す。つまり、余白については、必ずしも図11に示すように、紙Sの左右縁部および前後縁部の全てに形成される必要はなく、紙Sの一部分の縁に形成される場合もある。
プリンタドライバ96は、「縁無し印刷モード」が設定されていた場合には、印刷領域Pが紙Sからはみ出るような印刷データPDを生成することができる。ここで、印刷領域Pが紙Sよりも小さくなるような画像データを処理する場合には、印刷領域Pが紙S全体に行き渡るように印刷領域Pを拡大したりすることができる。これによって、縁の無い見栄えに優れた印刷を行うことができる。
上述のように、縁なし印刷を行うと、印刷領域Pが紙Sよりも大きいので、紙Sの外側にはみ出してインクが吐出される。このとき、上流側凸部86aと、中間凸部86b、86cと、下流側凸86dにインクが落ちると、紙Sの裏面を汚してしまうと問題が生じる。
そこで、縁なし印刷の際に、紙Sに着弾しなかったインクが受け部14の前記凸部86a、86b、86cの上面に落ちないように、前記凸部86a、86b、86cより一段低く設定された溝部82内のインク堆積部88に堆積させるように設定されている。これにより、紙Sに着弾しなかったインクによって、紙Sの裏面が汚れないようにしている。たとえば、紙Sの前縁部Sf、及び、後縁部Srの縁なし印刷を行うとき、紙Sに着弾しなかったインクを受け止める場所は、上流側溝部82fと、中間溝部82mと、下流側溝部82rとなる。紙Sの両側縁部Ssの縁なし印刷を行うとき、紙Sに着弾しなかったインクを受け止める場所は、紙Sの両側に位置する側方溝部82sとなる。
しかも、インクが溝部82内に落ちた場合でも、継続して縁なし印刷を行うと、溝部82内にインクが堆積して、そのインク堆積高さが前記凸部86a、86b、86cより高くなる。そうなると、前記凸部86a、86b、86cにインクが落ちた場合と同様に、インク堆積の山の頂点が紙Sと擦れて、紙Sの裏面を汚してしまう。
そこで、本実施形態では、複数のブラックインク(K)ノズルグループ211K1、211K2、211K3を切り替えて、インク堆積を複数の溝部82に分散させる。これにより、全ての溝部82のインク堆積を平準化して、インク堆積高さを全体に低く抑制する。ひいては、紙Sに着弾しなかったインクによって紙Sの裏面が汚れることが生じ難くなる。
具体的なノズルグループの切り替えとその吐出制御については、後述する。
===インクの吐出制御方法===
<(比較例)同じノズル群を使い続けた場合>
図12Aは、比較例を示す平面図である。この場合、ブラックインク(K1)ノズルグループ221K1のみを使い続けた場合の説明をするためのものである。
同図において、ブラックインク(K1)ノズルグループ221K1は、ハッチングで強調して示してある。図12Bは、図12AのX−X断面図を示す。
ブラックインク(K)ノズルグループ211K1のノズル数は、他の色のノズル群221C,221M,221Yのノズル数と同じノズル数で構成されている。
紙Sの前縁部Sf、後縁部Srの縁なし印刷を行う場合、紙Sに着弾しないインクは、全て、溝部82fに堆積する。比較例の場合は、一つの溝にインクが堆積するので、インクの堆積高さは、短期間に高くなる。その結果、そのインク堆積の山の頂点が紙Sに接触して紙Sの裏面を汚してしまう。このため、受け部14を頻繁に交換したり、インク堆積を排除するための掃除をしなければならない事態に陥る。
<(本実施形態)ノズルグループを切り替えて使用する場合>
図13は、縁なし印刷時のブラックインク(K)ノズルグループを選択する概念図である。
この図は、縁なし印刷をするとき、ブラックインク(K)のノズルグループ211K1、211K2、211K3が適宜選択されることを示している。図13においては、ブラックインク(K)のノズルグループ211K1が選択された状態を示している。ノズルグループ選択信号により、どのノズルグループを使用するか切り替えられて、切り替えられたノズルグループに縁なし印刷データが送られる。選択されたノズルグループは、印刷データに従って、適宜、吐出することで印刷することになる。このとき、どのノズルグループを使うかによって、紙S上の対応する行位置が異なるので、実際には、紙搬送制御も連動して行われている。
前縁印刷、または、後縁印刷においては、ブラックインク(K)ノズルグループ211K1、211K2、211K3の内、いずれか選択されたノズルグループにより、両側縁印刷も同一ノズルグループで印刷される。
それ以外の紙Sの中間部分の側縁印刷においても、ブラックインク(K)ノズルグループ211K1、211K2、211K3のいずれかを選択して行わせることが可能である。
このことを、図14乃至図16を用いて、まず、本実施形態の実施例における紙Sの前縁部印刷において、紙Sに着弾しなかったインクを複数の溝に分散させて堆積させる様子を説明する。図14乃至図16は、紙Sの前縁部Sfの縁なし印刷を行うとき、上流側溝部82fと、中間溝部82m、下流側溝部82rに対応させたブラックインク(K1)ノズルグループ211K1(とシアンインク(C)ノズル群211C)、211K2(とマゼンタインク(M)ノズル群211M)、211K3(とイエローインク(Y)ノズル群211Y)を選択的に切り替えて紙の縁の外に落ちたインク堆積を異なる溝に吐出させる様子を示している。
図14は、紙の前縁部の縁なし印刷を行うときの上流側溝部における印刷の様子を示している。
図14においては、ブラックインク(K1)ノズルグループ211K1(とシアンインク(C)ノズル群211C)が上流側溝部82fの開口上に対向している位置で縁なし印刷を行う場合を示す。このように紙Sの前縁Sfがノズル群211K1よりも上流側にあるときにインクの吐出を開始するので、多少の搬送誤差があっても、紙Sの前縁部Sfに余白を作ることなく縁まで画像を印刷することができる。紙Sに着弾しなかったインクは、上流側溝部82fに落ちる。
図15は、紙の前縁部の縁なし印刷を行うときの中間溝部における印刷の様子を示している。
図15においては、ブラックインク(K2)ノズルグループ211K2(とマゼンタインク(M)ノズル群211M)が中間溝部82mの開口上に対向している位置で縁なし印刷を行う場合を示す。このとき、紙Sに着弾しなかったインクは、中間溝部82mに落ちる。
図16は、紙の前縁部の縁なし印刷を行うときの下流側溝部における印刷の様子を示している。
図16においては、ブラックインク(K3)ノズルグループ211K3(とイエローインク(Y)ノズル群211Y)が下流側溝部82rの開口上に対向している位置で縁なし印刷を行う場合を示す。このとき、紙Sに着弾しなかったインクは、下流側溝部82rに落ちる。
これらの図から明らかなように、紙Sの前縁部Sfに対するブラックインクによるドットの形成は、図14においては、ブラックインク(K1)ノズルグループ211K1を用いて行われ、図15においては、ブラックインク(K1)ノズルグループ211K2を用いて行われ、図16においては、ブラックインク(K1)ノズルグループ211K3を用いて行われることとなる。すなわち、紙Sの前縁部Sfに対するブラックインクによるドットの形成に際して、使用するブラックインク(K1)ノズルグループを適宜切り換えているのである。
このように、複数のノズルグループを切り替えて使用すれば、それらに対向する複数の溝部82にインク堆積を分散させることができる。この結果、そのインク堆積の山の頂点が紙Sに接触し難くなり、紙Sの裏面を汚し難い。このため、受け部14を頻繁に交換する必要がなく、インク堆積を排除するための掃除の頻度も少なくて済む。
さらに、紙Sの搬送が行われると、紙Sの前縁部Sfが、下流側溝部82rの開口上を通過する。紙Sの前縁部Sfが下流側溝部82rの開口上を通過すると、ノズル群の吐出は、全て紙S上に着弾するので、溝部82f、82m、82rへのインクの着弾は無くなる。このときの両側縁の縁なし印刷については、後述する。
また、紙Sの後縁部Srの縁なし印刷も前縁部のときと同様に、上流側溝部82fと、中間溝部82mと、下流側溝部82rのいずれかの溝及びこれに対向するノズルグループを選択的に用いて行うことができる。
図17は、中間溝部82mを使用して紙Sの後縁部Srの縁なし印刷をしている様子を示す図である。
紙Sの後縁部Srの縁なし印刷を行う場合も、紙前縁部Sfと同様に、ブラックインク(K)のノズルグループ211K1、211K2、211K3を選択的に切り替えて、インクをそれぞれ異なる溝部82f、82m、82rに吐出させることができる。
このとき、それぞれの行を受け持つブラックインク(K)ノズルグループ211K1,211K2,211K3の各受け部フレーム86の凸部86a、86b、86c、86dに対向するノズルは、使用しない様子を×印で示す。これは、受け部フレーム86の凸部86a、86b、86c、86dをインクで汚さないためである。
さらに、紙Sの左右の両側縁部に縁なし印刷を行う場合も、ノズルグループを切り替えて、両側縁部Ssにおける、上流側溝部82f位置と、中間溝部82m位置と、下流側溝部82r位置のいずれかに、吐出させることができる。
図18は、紙の両側縁部における縁なし印刷の様子を示している。
同図は、本実施形態における紙Sの走査方向の側縁部印刷において、紙Sに着弾しなかったインクが側方溝部82sに堆積する様子を示す。
複数のブラックインク(K)ノズルグループ211K1,211K2,211K3を選択的に切り替えて吐出させ、ブラックインク(K)を両側方溝部82sの搬送方向の異なる位置に堆積させることで、紙前後縁における縁なし印刷と同様にインク堆積を分散させることができる。
紙の前後縁部の縁なし印刷以外の紙Sの中間部の印刷、及び、両縁部Ssの縁なし印刷は、各ブラックインク(K)ノズルグループ211K1,211K2,211K3の内、いずれかの全てのノズル(各48個のノズル)を使用して行なわれる。
このとき、ブラックインク(K)ノズルグループの選択において、ブラックインク(K1)ノズルグループ211K1を選択したときは、シアンインク(C)ノズル群211Cと同一行領域を印刷する動作タイミングで印刷する。ブラックインク(K2)ノズルグループ211K2を選択したときは、マゼンタインク(M)ノズル群211Mと同一行領域を印刷する動作タイミングで印刷する。ブラックインク(K3)ノズルグループ211K3を選択したときは、イエローインク(Y)ノズル群211Yと同一行領域を印刷する動作タイミングで印刷することになる。
上述のように、紙Sのいずれの縁の縁なし印刷を行う場合でも、複数の溝のいずれかを選択することができるので、ノズルグループを選択的に切り替えて、インクの堆積を分散させて、全ての溝部のインク堆積を平準化して、インク堆積を抑制することができる。
<ノズルグループの切り替えタイミングについて>
ブラックインク(K)ノズルグループ211K1、211K2、211K3の具体的な切り替え方式は、下記いずれの方法であっても良い。なお、1行の縁なし印刷を行ったときに紙に着弾しないインクの量は僅かなので、下記方法は、いずれも、紙単位でノズルグループを切り替えている。
第1の方法として、受け部に堆積したインクの堆積量を検知するためのセンサを有し、このセンサの出力値に基づいて、複数のノズルグループのうちの、媒体に向けてインクを吐出するノズルグループを切り換える方法がある。具体的には、光学的方法や、超音波(や、赤外線や、静電容量変化等)による距離を計測する方法等により、インクの堆積状態を監視することができる堆積センサ85L,85Rを設ける。この堆積センサ85L,85Rを用いて、その出力値に応じて、堆積増加量が設定された値に達したときに、使用するノズルグループを切り変えるという制御方法をとることができる。さらには、その出力値が設定された限界値に達する前に、まだ堆積しても大丈夫な、余裕のある溝を使用するという制御方法をとることもできる。この方法によれば、インク堆積を正確に把握して、ノズルグループを切り変えるので、インク堆積が過剰になることを確実に防止することができるという利点を有する。
第2の方法として、複数のノズルグループのうちの、選択されたノズルグループからのインク吐出量をカウントする吐出カウンタを有し、この吐出カウンタによるカウント値に基づいて、前記複数のノズルグループのうちの、媒体に向けてインクを吐出するノズルグループを切り換える方法がある。つまり、縁なし印刷の都度、インクの吐出回数を監視することのできる吐出カウンタにより計測し、その出力値が、設定された値になると、次のページから使用するノズルグループを切り変えるという方法である。この方法によれば、インク堆積を監視するセンサが不要で、安価に製造することができるという利点を有する。
第3の方法として、印刷した媒体の枚数をカウントする枚数カウンタを有し、この枚数カウンタによるカウント値に基づいて、前記複数のノズルグループのうちの、媒体に向けてインクを吐出するノズルグループを切り換える方法がある。具体的には、紙の供給や排出を監視することによる(例えば、紙搬送駆動モータの駆動状態を監視したり、光学式センサ等により印刷枚数を監視する)枚数カウンタで印刷枚数を計測し、その出力値が設定枚数値に達したとき、使用するノズルグループを切り替える方法である。最小印刷枚数である一枚ごとに切り替える方法もある。この方法においても、第2方法と同様に、インク堆積センサが不要であり、安価に製造することができる。また、紙一枚ごとの紙に着弾しないインクの量は、ほぼ一定しているので、多数枚数の縁なし印刷を行ったときに、各溝に割り振られるインク堆積は、ちょうど、トランプのカードを配るように、安定して一様に分散させることができる。
これに対して、各行ごとにどのノズルグループを選択するか、きめ細かく対応して、切り替えることも可能である。前縁印刷と後縁印刷を行うノズルグループが異なるノズルグループ使用することもできる。紙の中間部分において、両側縁部印刷するときは、行ごとに異なる溝にインクを堆積させることができる。この方法によれば、さらにきめ細かく、微量のインク堆積を制御できる。
単純にノズルグループ211K1,211K2、211K3を同時に用いて、3行分吐出し、次の3行分の送り時の吐出は休みにするという方法も考えられる。この方法によれば、単純なシーケンスで、インク堆積を確実に三つの溝に割り振ることができる。
これらの方法で、ノズルグループを切り替えて使用することにより、長期間、縁なし印刷を継続しても、溝全体のインク堆積の累積高さを平均化して、抑制することができる。これにより、印刷ヘッド21や紙Sが堆積したインクに触れ難く、ひいては、印刷ヘッド21や紙Sが汚れ難いインクジェットカラープリンタを提供することができる。
なお、ブラックインクが他のインクより堆積し易い場合に、本実施形態のように、ブラックインクのノズルグループを切り替えれば、堆積インク高さの抑制に、特に有効である。
===印刷システム===
次に、図19、図20を用いて、本実施の形態に係る印刷装置を具備する印刷システムの構成について説明する。図19は、印刷システムの概観図である。図20は、図19に示す印刷システムの構成図である。
印刷システム1000は、コンピュータ本体1102と、表示装置1104と、印刷装置であるプリンタ1106と、入力装置1108と、読取装置1110とを備えている。コンピュータ本体1102は、本実施形態では、ミニタワー型の筺体に収納されているが、これに限られるものではない。表示装置1104は、CRT(Cathode Ray Tube:陰極線管)やプラズマディスプレイや液晶表示装置等が用いられるのが一般的であるが、これに限られるものではない。
プリンタ1106は、本実施形態では上述したブラックインク(K)ノズル群の複数のノズルグループから、紙に向けて選択的にインクを吐出することを特徴とする印刷装置である多色カラーインクジェットプリンタが用いられている。入力装置108は、本実施形態では、キーボード1108Aとマウス1108Bが用いられているが、これらに限られるものではない。読取装置1110は、本実施例では、フレキシブルディスクドライブ装置1110AとCD−ROMドライブ装置1110Bが用いられているが、これらに限られるものではなく、例えば、MO(Magnetic Optical)ディスクドライブ装置やDVD(Digital Versatile Drive)等の他の読取装置であっても良い。
なお、以上の説明においては、プリンタ1106が、コンピュータ本体1102、表示装置1104、入力装置1108、及び、読取装置1110と接続されて、印刷システムが、コンピュータ本体1102とプリンタ1106から構成されていても良く、印刷システムが、表示装置1104、入力装置1108、及び、読取装置1110のいずれかを備えていなくても良い。さらに、コンピュータ本体1102が収納された筺体内に、RAM等の内部メモリ1202と、ハードディスクドライブユニット1204等の外部メモリが設けられていても良い。
上述したプリンタの動作を制御するコンピュータプログラムは、例えば、インターネット等の通信回線を経由して、プリンタ1106に接続されたコンピュータ1000等にダウンロードさせることができるほか、コンピュータ1000による読み取り可能な記録紙に記録して配布等することもできる。記録媒体としては、例えば、フレキシブルディスクFD,CD−ROM、DVD−ROM,光磁気ディスクMO,ハードディスク、メモリ等の各種記録媒体を用いることができる。なお、このような記録媒体に記録された情報は、各種の読取装置1110によって、読み取り可能である。
なお、媒体は紙である場合が多いが、これに限るもではない。例えば、OHPシートやプラスティックシートのようなシート状のものでも良く、布製品、フィルム状、板状のものも印刷対象となりうる。
===変形例===
以上、本実施形態による印刷装置を説明してきたが、本発明の理解を容易にするためのものであり、上記の実施形態に 限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々の態様において実施することが可能であり、例えば次のような変形も可能である。
上記実施例では、受け部に設けられた溝部は矩形の形状を有しているが、溝部の形状は矩形に限られない。溝部は、紙の縁部から外れて吐出されたインクを受け止められるような形状を有していれば良く、たとえば、走査方向に伸びる線状の溝部でも良い。
また、ノズル群の数も4群に限ったものではなく、さらに多くのインク色を吐出するノズル群を有する印刷ヘッド21において、さらに、有効であり、数の大小によらず、同様の効果を奏する。溝の数も然りである。1つのノズルグループに対する溝数を増やして、ノズルグループの各部をそれぞれ対応させれば、インク堆積がさらに分散して、堆積し難くなる効果が増大する。
ノズルの配列に関しても、図21、図22に示すような変形例も考えられる。
図21のように、他のノズルの整数倍のノズル数を持つブラックインク(K)のノズルグループの横に他の色の複数のインク色のノズル群を、平行に、並列に並べても、同様の効果を持たせることができる。
図22ように、例えば、イエローインク(Y)とブラックインク(K)が滲みやすいときに、ブラックインク(K)ノズル群211Kとイエローインク(Y)ノズル群211Yの位置を離して配置することもでき、ブラックインク(K)ノズルグループの数をさらに多くすることも可能である。
また、本実施例では、第2ノズル群が吐出するインクとしてブラックインク(K)を例にして説明したが、これに限定するものでない。例えば、他の堆積しやすい色や、使用頻度の高い色を第2ノズル群のインク色として採用しても良い。
ノズル群の配列に関しても、搬送方向に一列の例を示したが、各ノズル群の配列が複数列でも、千鳥配列でも同様の効果が期待できて、走査方向に対して必ずしも直交していなくて、傾斜して交差していても、同様の効果を奏することは言うまでもない。
インクジェットカラープリンタの一実施形態を示した斜視図。 インクジェットカラープリンタの全体構成の説明図。 インクジェットカラープリンタのキャリッジ等を示す図。 インクジェットカラープリンタの搬送機構を示す図。 印刷ヘッドにおけるインクジェットノズルNzの配列を示す説明図。 図6Aは、本発明の実施例における受け部14の概要を示す組み立て斜視図である。図6Bは、本発明の実施例における受け部14のインク吸収材の斜視図である。図6Cは、本発明の実施例における受け部14のインク吸収材支持部の斜視図である。図6Dは、本発明の実施例における受け部14の受け部フレームの斜視図である。 受け部の溝部と紙の寸法関係を示す立体斜視図。 図8Aは、本発明における、紙が入る前の、複数のノズル群からなる印刷ヘッドと、紙、及び、受け部の位置関係を示す平面図である。図8Bは、図8AのY-Y断面図である。 図9Aは,本発明の実施例における、紙が、入ってきたときの複数のノズル群からなる印刷ヘッドと、紙、及び、受け部の位置関係を示す平面図である。図9Bは、図9AのZ-Z断面図である。 通常印刷時の印刷領域と紙との関係を説明する説明図。 縁無し印刷時の印刷領域と紙との関係を説明する説明図。 図12Aは、比較のため、同じノズルを使い続けた場合の印刷ヘッドと、紙、及び、受け部の位置関係を示す平面図である。図12Bは、図12AのX-X断面図である。 縁なし印刷時のブラックインク(K)ノズルグループを選択する概念図。 紙の前縁部における縁なし印刷を行うときの、上流側溝部における印刷の様子を示す説明図。 紙の前縁部における縁なし印刷を行うときの、中間溝部における印刷の様子を示す説明図。 紙の前縁部における縁なし印刷を行うときの、下流側溝部における印刷の様子を示す説明図。 紙の後縁部における縁なし印刷を行うときの、中間溝部における印刷の様子を示す説明図。 紙の両側縁部における縁なし印刷を行う様子を示す説明図。 印刷システムの概観図。 図14に示す印刷システムの構成図。 他のノズル配列例の図。 他のノズル配列例の図。
符号の説明
1 インクジェットカラープリンタ 2 操作パネル
3 排紙部 4 給紙部
5 操作ボタン 6 表示ランプ
7 排紙トレー 8 給紙トレー
10 紙搬送ユニット
11A 紙挿入口 11B ロール紙挿入口
13 給紙ローラ 14 受け部
15 紙搬送モータ(PFモータ)
16 紙搬送モータドライバ(PFモータドライバ)
17A 搬送ローラ 17B 排紙ローラ
18A・18B フリーローラ
20 インク吐出ユニット 21 印刷ヘッド
211 ノズル列(ノズル群)
211K ブラックインク(K)ノズル群
211K1 第1ブラックインク(K1)ノズルグループ
211K2 第2ブラックインク(K2)ノズルグループ
211K3 第3ブラックインク(K3)ノズルグループ
211C シアンインク(C)ノズル群
211M マゼンタインク(M)ノズル群
211Y イエローインク(Y)ノズル群
22 印刷ヘッドドライバ 30 クリーニングユニット
31 ポンプ装置 32 ポンプモー
33 ポンプモータドライバ 35 キャッピング装置
40 キャリッジユニット 41 キャリッジ
42 キャリッジモータ(CRモータ)
43 キャリッジモータドライバ(CRモータドライバ)
44 プーリ 45 タイミングベルト
46 ガイド軸 50 計測器群
51 リニア式エンコーダ 511 リニアスケール
52 ロータリー式エンコーダ 53 紙検出センサ
54 紙幅センサ 541 発光部
543 受光部
60 制御ユニット 61 CPU
62 タイマ 63 インターフェース部
64 ASIC 65 メモリ
66 DCコントローラ 67 ホストコンピュータ、
82 溝部
82f 上流側溝部 82m 中間溝部
82r 下流側溝部 82s 側方溝部
84 インク吸収材
85L 左側堆積センサ 85R 右側堆積センサ
86 受け部フレーム 86a 上流側凸部
86b、86c 中間凸部 86d 下流側凸部
87 インク吸収材支持部 88 インク堆積部(はみ出し領域)
90 インク吸引機構 95 ホース
1000 印刷システム 1000 コンピュータシステム
1102 コンピュータ本体 1104 表示装置
1106 プリンタ 1108 入力装置
1108A キーボード 1108B マウス
1110 読取装置、
1110A フレキシブルディスクドライブ装置
1110B CD−ROMドライブ装置
1202 内部メモリ、
1204 ハードディスクドライブユニット
S 媒体(紙)
Sf 紙の前縁部
Sr 紙の後縁部
Sf 紙の走査方向(左右)両側縁部
P 印刷領域
D 搬送方向矢印
Ip インク滴
Nz ノズル
k・D ノズルピッチ

Claims (13)

  1. 第1インクを吐出するための複数のノズルを有する移動可能な第1ノズル群と、
    第2インクを吐出するための複数のノズルを有する移動可能な第2ノズル群であって、前記第1ノズル群のノズル数よりも多い数のノズルを備えた第2ノズル群を有し、
    前記第1インク及び前記第2インクを用いて媒体に画像を印刷する印刷装置において、
    前記第2ノズル群うちの複数のノズルグループから、媒体に向けて選択的にインクを吐出することを特徴とする印刷装置。
  2. 請求項1に記載の印刷装置において、
    媒体に到達しなかったインクを受けるための受け部を有し、
    前記第1ノズル群、及び、前記複数のノズルグループのうちの選択されたノズルグループから、媒体のサイズ以上の領域に向けてインクを吐出することを特徴とする印刷装置。
  3. 請求項1又は請求項2に記載の印刷装置において、
    前記第1ノズル群と前記第2ノズル群とは、これらの移動方向において並んで設けられており、
    複数のノズルグループのうちの一つのノズルグループは、前記第2ノズル群のうち、前記移動方向と交差する方向において、前記第1ノズル群と同じ位置にあるノズルグループであることを特徴とする印刷装置。
  4. 請求項3に記載の印刷装置において、
    第3インクを吐出するための複数のノズルを有する移動可能な第3ノズル群であって、前記第1ノズル群のノズル数と同じ数のノズルを備えた第3ノズル群と、
    第4インクを吐出するための複数のノズルを有する移動可能な第4ノズル群であって、前記第1ノズル群のノズル数と同じ数のノズルを備えた第4ノズル群と、を有し、
    前記第1ノズル群、前記第3ノズル群、及び、前記第4ノズル群は、これらの移動方向と交差する方向に沿って並んで設けられており、
    複数のノズルグループのうちの他の一つのノズルグループは、前記第2ノズル群のうち、前記移動方向において、前記第3ノズル群と同じ位置にあるノズルグループであり、
    複数のノズルグループのうちの更に他の一つのノズルグループは、前記第2ノズル群のうち、前記移動方向において、前記第4ノズル群と同じ位置にあるノズルグループであることを特徴とする印刷装置。
  5. 請求項4に記載の印刷装置において、
    前記第2ノズル群は、ブラックインクを吐出するための複数のノズルを有することを特徴とする印刷装置。
  6. 請求項4に記載の印刷装置において、
    前記第2ノズル群は、前記第1ノズル群、前記第3ノズル群、及び、前記第4ノズル群よりも堆積しやすいインクを吐出するための複数のノズルを有することを特徴とする印刷装置。
  7. 請求項2に記載の印刷装置において、
    前記受け部に堆積したインクの堆積量を検知するためのセンサを有し、
    このセンサの出力値に基づいて、前記複数のノズルグループのうちの、媒体に向けてインクを吐出するノズルグループを切り換えることを特徴とする印刷装置。
  8. 請求項1乃至請求項5に記載の印刷装置において、
    前記複数のノズルグループのうちの、選択されたノズルグループからのインク吐出量をカウントする吐出カウンタを有し、
    この吐出カウンタによるカウント値に基づいて、前記複数のノズルグループのうちの、媒体に向けてインクを吐出するノズルグループを切り換えることを特徴とする印刷装置。
  9. 請求項1乃至請求項5に記載の印刷装置において、
    印刷した媒体の枚数をカウントする枚数カウンタを有し、
    この枚数カウンタによるカウント値に基づいて、前記複数のノズルグループのうちの、媒体に向けてインクを吐出するノズルグループを切り換えることを特徴とする印刷装置。
  10. 請求項1乃至請求項5に記載の印刷装置において、
    媒体を一枚印刷する毎に、前記複数のノズルグループのうちの、媒体に向けてインクを吐出するノズルグループを切り換えることを特徴とする印刷装置。
  11. 第1インクを吐出するための複数のノズルを有する移動可能な第1ノズル群と、
    第2インクを吐出するための複数のノズルを有する移動可能な第2ノズル群であって、前記第1ノズル群のノズル数よりも多い数のノズルを備えた第2ノズル群を有し、
    前記第1インク及び前記第2インクを用いて媒体に画像を印刷する印刷装置において、
    前記第2ノズル群うちの複数のノズルグループから、媒体に向けて選択的にインクを吐出し、
    媒体に到達しなかったインクを受けるための受け部を有し、
    前記第1ノズル群、及び、前記複数のノズルグループのうちの選択されたノズルグループから、媒体のサイズ以上の領域に向けてインクを吐出し、
    前記第1ノズル群と前記第2ノズル群とは、これらの移動方向において並んで設けられており、
    複数のノズルグループのうちの一つのノズルグループは、前記第2ノズル群のうち、前記移動方向と交差する方向において、前記第1ノズル群と同じ位置にあるノズルグループであり、
    第3インクを吐出するための複数のノズルを有する移動可能な第3ノズル群であって、前記第1ノズル群のノズル数と同じ数のノズルを備えた第3ノズル群と、
    第4インクを吐出するための複数のノズルを有する移動可能な第4ノズル群であって、前記第1ノズル群のノズル数と同じ数のノズルを備えた第4ノズル群と、を有し、
    前記第1ノズル群、前記第3ノズル群、及び、前記第4ノズル群は、これらの移動方向と交差する方向に沿って並んで設けられており、
    複数のノズルグループのうちの他の一つのノズルグループは、前記第2ノズル群のうち、前記移動方向において、前記第3ノズル群と同じ位置にあるノズルグループであり、
    複数のノズルグループのうちの更に他の一つのノズルグループは、前記第2ノズル群のうち、前記移動方向において、前記第4ノズル群と同じ位置にあるノズルグループであり、
    前記第2ノズル群は、ブラックインクを吐出するための複数のノズルを有し、
    前記第2ノズル群は、前記第1ノズル群、前記第3ノズル群、及び、前記第4ノズル群よりも堆積しやすいインクを吐出するための複数のノズルを有することを特徴とする印刷装置。
  12. 第1インクを吐出するための複数のノズルを有する移動可能な第1ノズル群と、
    第2インクを吐出するための複数のノズルを有する移動可能な第2ノズル群であって、前記第1ノズル群のノズル数よりも多い数のノズルを備えた第2ノズル群を用いて、
    前記第1インク及び前記第2インクにより媒体に画像を印刷する印刷方法において、
    前記第2ノズル群うちの複数のノズルグループから、媒体に向けて選択的にインクを吐出することを特徴とする印刷方法。
  13. コンピュータ、及び、
    前記コンピュータに接続可能な印刷装置であって、
    第1インクを吐出するための複数のノズルを有する移動可能な第1ノズル群と、
    第2インクを吐出するための複数のノズルを有する移動可能な第2ノズル群であって、前記第1ノズル群のノズル数よりも多い数のノズルを備えた第2ノズル群を有し、
    前記第1インク及び前記第2インクを用いて媒体に画像を印刷する印刷装置であって、
    前記第2ノズル群うちの複数のノズルグループから、媒体に向けて選択的にインクを吐出する印刷装置、を有することを特徴とする印刷システム。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007076339A (ja) * 2005-09-16 2007-03-29 Ricoh Co Ltd 廃液収容容器及び画像形成装置
JP2007118502A (ja) * 2005-10-31 2007-05-17 Seiko Epson Corp 液体噴射装置及び記録装置
US7717634B1 (en) * 2006-01-11 2010-05-18 Lexmark International, Inc. Trough support ribs

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