JP2005144761A - ガスバリア性積層体及び該積層体の製造方法 - Google Patents

ガスバリア性積層体及び該積層体の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 本発明の課題は、高温高湿度下に放置した後も、従来よりも高いガスバリア性を有するガスバリア性積層体を提供することにある。
【解決手段】 アミノ基含有ポリマーを含有するオーバーコート層形成用塗料から形成されるオーバーコート層(A1)、ポリアルコール系ポリマー(b−1)とポリカルボン酸系ポリマーとを含有するガスバリア層形成用塗料から形成されたガスバリア層(B)、プラスチック層(C)が順次積層されてなるガスバリア性積層体。
ポリアルコール系ポリマー(a−1)と2価金属以上の金属化合物を含有するオーバーコート層形成用塗料から形成されるオーバーコート層(A2)、ポリアルコール系ポリマー(b−1)とポリカルボン酸系ポリマーとを含有するガスバリア層形成用塗料から形成されたガスバリア層(B)、プラスチック層(C)が順次積層されてなるガスバリア性積層体。
【選択図】 図1



Description

本発明は、高温高湿度下に放置した後も優れたガスバリア性を有するガスバリア性積層体及び該積層体の製造方法に関するものである。
食品や非食品及び医薬品等の包装に用いられる包装材料は、内容物の変質を抑制しそれらの機能や性質を保持するために、包装材料を透過する酸素、水蒸気、その他内容物を変質させる気体による影響を防止する必要があり、これらの気体(ガス)を遮断するガスバリア性を備えることが求められている。
ポリアミドフィルム、ポリエステルフィルム等の熱可塑性樹脂フィルムは、強度、透明性、成形性に優れていることから、包装材料として幅広い用途に使用されている。しかし、これらの熱可塑性樹脂フィルムは酸素等のガス透過性が大きいので、一般食品、レトルト処理食品、化粧品、医療用品、農薬等の包装に使用した場合、長期間保存する内にフィルムを透過した酸素等のガスにより内容物の変質が生じることがある。
そこで、従来は、高分子の中では比較的にガスバリア性に優れる塩化ビニリデン樹脂(以下、PVDC)製のフィルムまたはPVDCをポリアミドフィルムやポリエステルフィルムにコーティングしたフィルム等が食品包装等に幅広く使用されてきた。しかし、それらは温度や湿度などに対するバリア性が劣っていたり、焼却時に酸性ガス等の有機物質を発生するなどの欠点を有しており、問題があった。そこで高度なガスバリア性が要求される場合は、アルミ等の金属からなる金属箔等をガスバリア層として用いた包装材料を採用せざるを得なかった。
ところが、アルミ等の金属からなる金属箔等をガスバリア層として用いた包装材料は、温度や湿度の影響がなく高度なガスバリア性を持つが、包装材料を透視して被包装物(=内容物)を確認することができず、また使用後の廃棄の際は不燃物として処理しなければならなかったり、被包装物等の諸検査の際に金属探知器が使用できないなど多くの欠点を有しており、問題があった。
そこで、これらの欠点を克服した包装用の蒸着フィルムとして、例えば米国特許第3442686号明細書、特公昭63−28017号公報等に記載されているような、酸化珪素、酸化アルミニウム、酸化マグネシウム等の無機酸化物からなる蒸着膜を高分子フィルム上に、真空蒸着法やスパッタリング法等の形成手段により形成した蒸着フィルムが開発されている。これらの蒸着フィルムは透明性および酸素、水蒸気等のガスバリア性を有していることが知られ、金属箔等をガスバリア層として用いた包装材料では得ることのできない透明性と所期のガスバリア性との両者を有する包装用の蒸着フィルムとして好適とされている。
しかしながら、上述の蒸着フィルムは、無機物を蒸着させていることから柔軟性に劣り、包装材料として用いるには、耐折曲げ性に劣り、クラックによるバリア性低下などの問題点があった。
柔軟性や耐折曲げ性に優れ、かつPVDCに代わる材料としてポリビニルアルコール(以下PVAと略記する)は有毒ガスの発生もなく、低湿度雰囲気下でのガスバリア性も高いが、湿度が高くなるにつれて急激にガスバリア性が低下するので、水分を含む食品等の包装には用いることが出来ない場合が多い。
PVAの高湿度下でのガスバリア性の低下を改善したポリマーとして、ビニルアルコールとエチレンの共重合体(EVOH)が知られている。しかし、高湿度でのガスバリア性を実用レベルに維持するためにはエチレンの共重合比をある程度高くする必要があり、このようなポリマーは水に難溶となる。
ポリマーからなる液状組成物をフィルムにコートし、高湿度下でも高いガスバリア性を発現させる方法として、PVAとポリアクリル酸またはポリメタクリル酸の部分中和物とからなる水溶液をフィルムにコートし熱処理することにより、両ポリマーをエステル結合により架橋する方法が提案されている(特許文献1:特開平06−220221号公報、特許文献2:同07−102083号公報、特許文献3:同07−205379号公報、特許文献4:同07−266441号公報、特許文献5:同08−041218号公報、特許文献6:同10−237180号公報、特許文献7:同特開2000−000931号公報等参照)。
しかし、上記公報に提案される方法では、高度なガスバリア性を発現させるためには高温での加熱処理もしくは長時間の加熱処理が必要であり、製造時に多量のエネルギーを要するため環境への負荷が少なくない。
また、高温で熱処理すると、バリア層を構成するPVA等の変色や分解の恐れが生じる他、バリア層を積層しているプラスチックフィルム等の基材に皺が生じるなどの変形が生じ、包装用材料として使用できなくなる。プラスチック基材の劣化を防ぐためには、高温加熱に十分耐え得るような特殊な耐熱性フィルムを基材とする必要があり、汎用性、経済性の点で難がある。
一方、熱処理温度が低いと、非常に長時間処理する必要があり、生産性が低下するという問題点が生じる。
また、PVAに架橋構造を導入することで、上記PVAフィルムの問題点を解決するための検討がなされている。しかし、一般的に架橋密度の増加と共にPVAフィルムの酸素ガスバリア性の湿度依存性は小さくなるが、その反面PVAフィルムが本来有している乾燥条件下での酸素ガスバリア性が低下してしまい、結果として高湿度下での良好な酸素ガスバリア性を得ることは非常に困難である。
尚、一般にポリマー分子を架橋することにより耐水性は向上するが、ガスバリア性は酸素等の比較的小さな分子の侵入や拡散を防ぐ性質であり、単にポリマーを架橋してもガスバリア性が得られるとは限らず、たとえば、エポキシ樹脂やフェノール樹脂などの三次元架橋性ポリマーはガスバリア性を有していない。
一方、常温高湿度下での測定において、高いガスバリア性を有するガスバリア性積層体を、従来よりも低温もしくは短時間の加熱処理で提る方法が提案されている(特許文献8:特開2001−323204号公報、特許文献9:同2002−020677号公報、特許文献10:同2002−241671号公報参照)。
特許文献8〜10に記載されるコート剤は、特許文献1〜7に記載されるコート剤よりも低温もしくは短時間の加熱で、常温高湿度下での測定において従来よりも高いガスバリア性を有するガスバリア性積層体を形成し得る。
しかし、特許文献1〜10に記載される、加熱によって、PVA中の水酸基とポリアクリル酸中もしくはエチレン−マレイン酸共重合体中のCOOHとをエステル化反応させたり、金属架橋構造を導入するという方法では、バリア性の向上には限界があった。すなわち、常温高湿度下での測定ではバリア性はさほど劣化しないが、より高温高湿度下に放置することでバリア性が劣化する、という問題点が生じた。
これは、加熱処理によってプラスチック基材や形成されつつあるバリア層が熱劣化したり、高温高湿度下に放置することによってバリア層の分子鎖が緩んだためと考えられる。また、高温長時間という加熱条件は、プラスチック基材や形成されつつあるバリア層の着色やカールをも生起し、この点でも好ましくない。
以上の結果、高温高湿度下におけるガスバリア性のさらなる向上が益々要求されつつある今日、特許文献1〜10に記載されるコート剤を加熱、硬化するだけでは、より厳しい要求には応えられなかった。
特開平06−220221号公報 特開平07−102083号公報 特開平07−205379号公報 特開平07−266441号公報 特開平08−041218号公報 特開平10−237180号公報 特開2000−000931号公報 特開2001−323204号公報 特開2002−020677号公報 特開2002−241671号公報
本発明の課題は、高温高湿度下に放置した後も、従来よりも高いガスバリア性を有するガスバリア性積層体を、従来よりも温和な条件で提ることにある。
本発明は、上記目的を達成するためになされたものである。
すなわち、第1の発明は、アミノ基含有ポリマーを含有するオーバーコート層形成用塗料から形成されるオーバーコート層(A1)、ポリアルコール系ポリマー(b−1)とポリカルボン酸系ポリマーとを含有するガスバリア層形成用塗料から形成されたガスバリア層(B)、プラスチック層(C)が順次積層されてなるガスバリア性積層体に関する。
第2の発明は、ポリアルコール系ポリマー(a−1)と2価金属以上の金属化合物を含有するオーバーコート層形成用塗料から形成されるオーバーコート層(A2)、ポリアルコール系ポリマー(b−1)とポリカルボン酸系ポリマーとを含有するガスバリア層形成用塗料から形成されたガスバリア層(B)、プラスチック層(C)が順次積層されてなるガスバリア性積層体に関する。
第3の発明は、オーバーコート層(A1)が、2価以上の金属化合物を含有することを特徴とする上記発明に記載のガスバリア性積層体に関し、
第4の発明は、ガスバリア層(B)とプラスチック層(C)との間にアンダーコート層(D)が設けられていることを特徴とする上記発明のいずれかに記載のガスバリア性積層体に関し、
第5の発明は、印刷層(E)がさらに設けられていることを特徴とする上記発明のいずれかに記載のガスバリア性積層体に関する。
第6の発明は、ポリアルコール系ポリマー(a−1)が、ポリビニルアルコール、糖類、及び水酸基とエチレン性不飽和二重結合とを有するモノマーを重合して成る水酸基含有ポリマーからなる群より選ばれる少なくとも1種であることを特徴とする上記第2、4又は5いずれかの発明に記載のガスバリア性積層体に関しする。
第7の発明は、アミノ基含有ポリマーが、アミノ基とエチレン性不飽和二重結合とを有するモノマーを重合して成るポリマーであることを特徴とする上記第1又は、3ないしいずれかの発明に記載のガスバリア性積層体に関し、
第8の発明は、アミノ基含有ポリマーが、ポリアリルアミン、ポリビニルアミン、及びジアルキルアミノアルキル(メタ)アクリレートを構成成分とするポリマーからなる群より選ばれる少なくとも1種であることを特徴とする上記第7の発明に記載のガスバリア性積層体に関し、
第9の発明は、ジアルキルアミノアルキル(メタ)アクリレートが、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート及び/又はジエチルアミノエチル(メタ)アクリレートであることを特徴とする上記第8の発明に記載のガスバリア性積層体に関する。
第10の発明は、ポリアルコール系ポリマー(b−1)が、ポリビニルアルコール、糖類、及びグリセリン(メタ)アクリレートのホモポリマーもしくはコポリマーからなる群より選ばれる少なくとも1種であることを特徴とする上記発明のいずれかに記載のガスバリア性積層体に関する。
第11の発明は、ポリカルボン酸系ポリマーが、オレフィン―マレイン酸共重合体、又はポリ(メタ)アクリル酸であることを特徴とする上記発明のいずれかに記載のガスバリア性積層体に関し、
第12の発明は、オレフィン―マレイン酸共重合体が、エチレン−無水マレイン酸共重合体であることを特徴とする上記第11の発明に記載のガスバリア性積層体に関する。
第13の発明は、2価以上の金属化合物が、カルボキシル基と反応し得ることを特徴とする上記第2〜12の発明のいずれかに記載のガスバリア性積層体に関し、
第14の発明は、2価以上の金属化合物が、Mg化合物及び/又はCa化合物であることを特徴とする上記第2〜13の発明のいずれかに記載のガスバリア性積層体に関する。
第15の発明は、ポリアルコール系ポリマー(b−1)とポリカルボン酸系ポリマーとを含有するガスバリア層形成用塗料を、プラスチック層(C)の少なくとも一方の面に直接もしくはプラスチック層(C)の少なくとも一方の面に設けられたアンダーコート層(D)上に塗工、加熱し、ガスバリア層(B’)を形成し、該ガスバリア層(B’)上に、アミノ基含有ポリマーを含有するオーバーコート層形成用塗料を塗工、加熱し、オーバーコート層(A1)を形成することを特徴とするガスバリア性積層体の製造方法に関する。
第16の発明は、ポリアルコール系ポリマー(b−1)とポリカルボン酸系ポリマーとを含有するガスバリア層形成用塗料を、プラスチック層(C)の少なくとも一方の面に直接もしくはプラスチック層(C)の少なくとも一方の面に設けられたアンダーコート層(D)上に塗工、加熱し、ガスバリア層(B’)を形成し、該ガスバリア層(B’)上に、ポリアルコール系ポリマー(a−1)を含有するオーバーコート層形成用塗料を塗工、加熱し、オーバーコート層(A2)を形成することを特徴とするガスバリア性積層体の製造方法に関する。
本発明により、透明性に優れるとともに、高温高湿度下に放置した後も高度なガスバリア性を有するガスバリア性積層体及び該積層体の製造方法を提供することが出来た。
≪ ガスバリア性積層体 ≫
以下、本発明の積層体の実施の形態について図に基づいて詳細に説明する。図1〜図8は、本発明の積層体の断面の構成を示す概略図である。
本発明のガスバリア性積層体(I)は、図1に示すように、プラスチック層(C)の片面にポリアルコール系ポリマー(b−1)とポリカルボン酸系ポリマーとを含有するガスバリア層(B)を積層し、さらにガスバリア層(B)上に、アミノ基含有ポリマーを含有するオーバーコート層(A1)を積層した構造を基本構成としている。
また、本発明のガスバリア性積層体(I)は図2に示すように、プラスチック層(C)の片面にポリアルコール系ポリマー(b−1)とポリカルボン酸系ポリマーとを含有するガスバリア層(B)を積層し、さらにガスバリア層(B)上に、ポリアルコール系ポリマー(a−1)と2価金属以上の金属化合物を含有するオーバーコート層(A2)を積層した構造を基本構成としている。
図3は、本発明の別の実施態様を示す。即ち、プラスチック層(C)の片面に、アンダーコート層(D)を介して、ポリアルコール系ポリマー(b−1)とポリカルボン酸系ポリマーとを含有するガスバリア層(B)を積層し、さらにガスバリア層(B)上に、アミノ基含有ポリマーを含有するオーバーコート層(A1)又はポリアルコール系ポリマー(a−1)と2価金属以上の金属化合物を含有するオーバーコート層(A2)を積層した態様を示す。
図4〜7は、本発明の別の実施態様を示す。即ち、印刷層(E)を有するものである。具体的には、
図4は、プラスチック層(C)の片面にポリアルコール系ポリマー(b−1)とポリカルボン酸系ポリマーとを含有するガスバリア層(B)を積層し、さらにガスバリア層(B)上に、アミノ基含有ポリマーを含有するオーバーコート層(A1)又はポリアルコール系ポリマー(a−1)と2価金属以上の金属化合物を含有するオーバーコート層(A2)を積層し、プラスチック層(C)のガスバリア層(B)が積層されていない面に印刷層(E)を積層した態様を示す。
図5は、プラスチック層(C)とガスバリア層(B)との間に印刷層(E)が設けられた態様を示す。
図6は、ガスバリア層(B)とオーバーコート層(A1又はA2)との間に印刷層(E)が設けられた態様を示す。
図7は、オーバーコート層(A1又はA2)上に印刷層(E)が設けられた態様を示す。
図8は、本発明の別の実施態様を示す。即ち、アンダーコート層(D)と印刷層(E)とを有するものである。
具体的には、プラスチック層(C)の片面に、アンダーコート層(D)を介して、ポリアルコール系ポリマー(b−1)とポリカルボン酸系ポリマーとを含有するガスバリア層(B)を積層し、さらにガスバリア層(B)上に、アミノ基含有ポリマーを含有するオーバーコート層(A1)又はポリアルコール系ポリマー(a−1)と2価金属以上の金属化合物を含有するオーバーコート層(A2)を積層し、プラスチック層(C)のガスバリア層(B)が積層されていない面に印刷層(E)を積層した態様を示す。
尚、図4〜8においては、印刷層(E)はオーバーコート層(A1又はA2)、ガスバリア層(B)、プラスチック層(C)、アンダーコート層(D)のそれぞれ一方の面の全面を被覆するように設けられている場合を示すが、部分的に設けられていてもよい。
以下に、各々の層について詳細に説明する。
[オーバーコート層(A1)、(A2)]
オーバーコート層(以下、OC層)(A1)、(A2)は、後述するガスバリア層(B’)上に塗布し、高温高湿度下に放置した後も高度なガスバリア性を有するガスバリア層(B)を得るためのものであり、
OC層(A1)は、アミノ基含有ポリマーを含有するオーバーコート層形成用塗料から形成されるものであり、
OC層(A2)は、ポリアルコール系ポリマー(a−1)と2価金属化合物を含有するオーバーコート層形成用塗料から形成されるものである。
<アミノ基含有ポリマー>
本発明で使用するアミノ基含有ポリマーは、分子内に2個以上のアミノ基を有するポリマーであり、ポリビニルアミン、ポリビニルジアルキルアミン、ポリアリルアミン、ポリアリルジアルキルアミン、ポリエチレンイミン、ポリアミンポリアミド、メラミン樹脂、ベンゾグアナミン樹脂、尿素樹脂や、
アミノ基とエチレン性不飽和二重結合とを有するモノマーを重合して成るポリマー、等が挙げられる。
アミノ基とエチレン性不飽和二重結合とを有するモノマーを重合して成るポリマーとしては、例えば、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート、等のジアルキルアミノアルキル(メタ)アクリレート等を、それぞれ単独で重合して成るホモポリマー、複数共重合して成るコポリマー、他のモノマーと共重合して成るコポリマーを挙げることができる。本発明のOC層形成用塗料は、ホモポリマーを2種以上、又はアミノ基及びエチレン性不飽和二重結合を有するモノマー同士のコポリマーを2種以上含有することもできる。さらにホモポリマーとコポリマーとを含有することもできる。
アミノ基を有するモノマーと共重合し得る他のモノマーとしては、アミノ基を有するモノマーと共重合し得るモノマーを適宜用いることができる。例えば、
2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、3−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、3−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、グリセリン(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート(CH2CH2Oユニットの繰り返しが1〜6のものが好ましい)、水酸基末端ウレタン(メタ)アクリレート等、の水酸基とエチレン性不飽和二重結合とを有するモノマーや、
(メタ)アクリル酸、2−カルボキシエチル(メタ)アクリレート、ω−カルボキシ−ポリカプロラクトンモノアクリレート、マレイン酸、無水マレイン酸、フマル酸、無水フマル酸、シトラコン酸、無水シトラコン酸、イタコン酸、無水イタコン酸等、のカルボキシル基とエチレン性不飽和二重結合とを有するモノマーが挙げられる。
また、この他にも、クロトン酸、(メタ)アクリル酸等の不飽和モノカルボン酸エステル、(メタ)アクリルアミド、(メタ)アクリルニトリル、スチレン、スチレンスルホン酸、ビニルトルエン、エチレンなどの炭素数2〜30のα−オレフィン類、アルキルビニルエーテル類、ビニルピロリドン等が挙げられ、これらの混合物を用いることもできる。
ただし、アミノ基を有するモノマーと水酸基を有するモノマーの両方を重合してなるコポリマーは、アミノ基含有ポリマーとみなすこととする。
上記アミノ基含有ポリマーを含むOC層を、後述するガスバリア層(B’)上に塗布し熱処理することで、高温高湿度下に放置した後も高度なガスバリア性を有するガスバリア層(B)を得ることができる。これは、アミノ基がカチオン性であるため、バリア層(B’)上に塗布することでバリア層(B’)のカルボキシル基と架橋構造を形成し得るためだと考えられる。架橋構造を形成したバリア層(B)は高温高湿度下に放置した後もバリア性に優れる。
そのため、アミノ基含有ポリマーは、よりカチオン性であることが望ましく、アミノ基が可能な限り多いことが望ましいが、塗膜や積層体としての諸物性等からアミノ基含有モノマーと、その他のモノマーとのコポリマーを用いることが好ましい。
その他のモノマーとしては、カルボキシル基含有モノマーといったカチオン性を阻害するアニオン性のモノマーより、水酸基含有モノマーや、(メタ)アクリル酸等の不飽和モノカルボン酸エステルなどが好ましい。
ジメチルアミノエチルメタクリレートとメチルメタクリレートのコポリマーを例にとって説明すると、ジメチルアミノエチルメタクリレートー/メチルメタクリレート=99/1〜1/99(重量比)で共重合してなるものが好ましく、100/0〜10/90(重量比)で共重合してなるものがより好ましく、80/20〜20/80(重量比)で共重合してなるものがさらに好ましく、75/25〜25/75(重量比)で共重合してなるものが特に好ましい。
具体的なアミノ基含有ポリマーとしては、ポリビニルアミン、ポリアリルアミン、ジアルキルアミノアルキル(メタ)アクリレートを構成成分とするポリマー等が挙げられ、ポリビニルアミン、ポリアリルアミン、ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレートのコポリマー、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレートのコポリマーが好ましく、ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレートのコポリマー、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレートのコポリマーが特に好ましい。
上記のアミノ基含有ポリマーは、それぞれ単独で、あるいは2種以上を組み合わせて使用することができる。
本発明において用いられる、アミノ基含有ポリマーを含むOC層形成用塗料は、アミノ基含有ポリマーの他に、2価以上の金属化合物を含有することが好ましい。
2価以上の金属化合物を含有することによって、隣接するガスバリア層(B)中に架橋構造を形成し得る。2価以上の金属化合物は、カルボキシル基と反応し得るものであることが好ましい。カルボキシル基と反応することによって、好適に架橋構造を形成する。ここで生じる架橋構造は、イオン結合、共有結合はもちろん配位的な結合であってもよい。
金属化合物は、2価以上の金属化合物であり、カルボキシル基と反応し得るものであることが好ましい。
後述するように、本発明において形成されたガスバリア層(B’)は、アミノ基含有ポリマーを含むOC層形成用塗料を塗布し、加熱処理することによって最終のガスバリア層(B)を形成する。この時、アミノ基含有ポリマーと2価以上の金属化合物を含有したOC層形成用塗料を用いた場合、金属化合物がOC層形成用塗料からガスバリア層(B’)に移行し、バリア層(B’)内のカルボキシル基と反応することによって、アミノ基含有ポリマーのみの架橋構造より、さらに好適に架橋構造を形成し、より高温高湿度下でのバリア性に優れたバリア層(B)を形成するものと考えられる。
<ポリアルコール系ポリマー(a−1)>
本発明で使用するポリアルコール系ポリマー(a−1)は、分子内に2個以上の水酸基を有するポリマーであり、PVA、エチレンービニルアルコール共重合体、糖類や、
水酸基とエチレン性不飽和二重結合とを有するモノマーを重合して成るポリマー、等が挙げられる。
PVA、エチレンービニルアルコール共重合体のケン化度は、好ましくは95%以上、より好ましくは98%以上、さらに好ましくは99%以上であり、数平均重合度が50以上1500以下であることが好ましい。
糖類(糖質類ともいう)としては、単糖類、オリゴ糖類、及び多糖類が挙げられる。これらの糖類には、糖アルコールや各種置換体・誘導体なども包含される。これらの糖類は、水溶性のものが好ましい。
糖類としては、単糖類、二糖類、オリゴ糖、多糖類、糖アルコール、またはこれらの誘導体が挙げられる。単糖類は、二糖類、オリゴ糖、多糖類の構成成分であって、通常Cm(H2O)nで表される。単糖類としては、例えば、グルコース、ガラクトース、タロース、マンノース、ソルボース、タガトース、フルクトース、プシコース、エリトロース、トレオース、エリトルロース、アラビノース、キシロース、リボース、リキソース、リブロース等が挙げられる。
また、二糖類は、2個の単糖がグリコシル結合しているものであり、例えば、麦芽糖、乳糖、ショ糖、セロビオース、トレパース、ゲンチオビオース、イソマルトース等が挙げられる。
また、オリゴ糖とは、3個から6個の単糖がグリコシル結合しているものであり、例えば、ラフィノース、ゲンチアノース等が挙げられる。さらに、多糖類とは、7個以上の単糖がポリグリコシル化している高分子化合物であり、例えば、セルロース、でんぷん、プルラン、グリコーゲン、イヌリン、デキストラン、キチン等が挙げられ、プルランが好ましい。
さらに、糖アルコールとは、単糖類を還元して得られるポリヒドロキシアルカンであり、ソルビトール、マンニトール、ズルシトール、キシリトール、エリトリトール、グリセロールなどを挙げることができる。
さらにまた、糖類の誘導体とは、上記糖類に対して、エステル化、カルボキシメチル化、アセチル化、リン酸化、カルボキシル化、アミノ化、アリルエーテル化、メチルエーテル化、カルボキシメチルエーテル化、グラフト化等の置換や変性を施したものである。
上記糖類に対してグラフト重合させる際のモノマーとしては、クロトン酸、アクリル酸、メタクリル酸等の不飽和モノカルボン酸およびそのエステル、塩、無水物、アミド、ニトリル類や、マレイン酸、イタコン酸、フマル酸などの不飽和ジカルボン酸およびその塩、炭素数2〜30のα−オレフィン類、アルキルビニルエーテル類、ビニルピロリドン類などが挙げられる。
上記二糖類、オリゴ糖、多糖類、またはこれらの誘導体は、一種類の単糖類で構成されていても、二種類以上の単糖類から構成されていてもよい。上記の糖類は、それぞれ単独で、あるいは2種以上を組み合わせて使用することができる。
水酸基とエチレン性不飽和二重結合とを有するモノマーを重合して成るポリマーとしては、例えば、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、3−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、3−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、グリセリン(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート(CH2CH2Oユニットの繰り返しが1〜6のものが好ましい)、水酸基末端ウレタン(メタ)アクリレート等を、それぞれ単独で重合して成るホモポリマー、複数共重合して成るコポリマー、他のモノマーと共重合して成るコポリマーを挙げることができる。本発明のOC層形成用塗料は、ホモポリマーを2種以上、又は水酸基及びエチレン性不飽和二重結合を有するモノマー同士のコポリマーを2種以上含有することもできる。さらにホモポリマーとコポリマーとを含有することもできる。
水酸基を有するモノマーと共重合し得る他のモノマーとしては、アミノ基を有するモノマーを除き、水酸基を有するモノマーと共重合し得るモノマーを適宜用いることができる。例えば、
(メタ)アクリル酸、2−カルボキシエチル(メタ)アクリレート、ω−カルボキシ−ポリカプロラクトンモノアクリレート、マレイン酸、無水マレイン酸、フマル酸、無水フマル酸、シトラコン酸、無水シトラコン酸、イタコン酸、無水イタコン酸等、のカルボキシル基とエチレン性不飽和二重結合とを有するモノマーや、
クロトン酸、(メタ)アクリル酸等の不飽和モノカルボン酸エステル、(メタ)アクリルアミド、(メタ)アクリルニトリル、スチレン、スチレンスルホン酸、ビニルトルエン、エチレンなどの炭素数2〜30のα−オレフィン類、アルキルビニルエーテル類、ビニルピロリドン等が挙げられ、これらの混合物を用いることもできる。
水酸基を有するモノマーとアミノ基を有するモノマーの両方を重合してなるコポリマーは、上述したようにアミノ基含有ポリマーとみなすこととする。
上記ポリアルコール系ポリマー(a−1)と2価以上の金属化合物を含むOC層を、後述するガスバリア層(B’)上に塗布し熱処理することで、高温高湿度下に放置した後も高度なガスバリア性を有するガスバリア層(B)を得ることができる。
これは、金属化合物によって、隣接するガスバリア層(B)中に架橋構造を形成し得るためだと考えられる。架橋構造を形成したバリア層(B)は高温高湿度下に放置した後もバリア性に優れる。
そのため、ポリアルコール系ポリマー(a−1)は2価以上の金属化合物と塩を形成しないものが好ましい。水酸基含有モノマーと、その他のモノマーとのコポリマーを用いる場合は、その他のモノマーとしては、カルボキシル基があると金属化合物がバリア層に移行し難くなるため、カルボキシル基含有モノマーよりメタ)アクリル酸等の不飽和モノカルボン酸エステルなどが好ましい。
上記のポリアルコール系ポリマー(a−1)は、それぞれ単独で、あるいは2種以上を組み合わせて使用することができる。
本発明において用いられる、ポリアルコール系ポリマー(a−1)を含むOC層形成用塗料は、ポリアルコール系ポリマー(a−1)の他に2価以上の金属化合物を含有する。
2価以上の金属化合物を含有することによって、隣接するガスバリア層(B)中に架橋構造を形成し得る。2価以上の金属化合物は、カルボキシル基と反応し得るものであることが好ましい。カルボキシル基と反応することによって、好適に架橋構造を形成する。ここで生じる架橋構造は、イオン結合、共有結合はもちろん配位的な結合であってもよい。
金属化合物は、2価以上の金属化合物であり、カルボキシル基と反応し得るものであることが好ましい。
後述するように、本発明において形成されたガスバリア層(B’)は、ポリアルコール系ポリマー(a−1)と金属化合物を含むOC層形成用塗料を塗布し、加熱処理することによって最終のガスバリア層(B)を形成する。この時、金属化合物がOC層形成用塗料からガスバリア層(B’)に移行し、バリア層(B’)内のカルボキシル基と反応することによって好適に架橋構造を形成し、より高温高湿度下でのバリア性に優れたバリア層(B)を形成するものと考えられる。
以下に、金属化合物について詳細に説明する。
カルボキシル基と反応し得る金属化合物としては、
2価以上の金属のハロゲン化物、水酸化物、酸化物、炭酸塩、リン酸塩、亜リン酸塩、次亜リン酸塩、硫酸塩もしくは亜硫酸塩(M1)、
ジルコニウム錯塩、ハロゲン化ジルコニウム、無機酸のジルコニウム塩もしくは有機酸のジルコニウム塩(M2)等が挙げられ、金属化合物(M1)が好ましい。2価以上の金属化合物としては、各群から選ばれる1種を単独で使用することもできるし、各郡内の2種以上を併用することもできるし、各群から選ばれる1種以上を併用することもできる。
金属化合物(M1)としては、2価以上の金属のハロゲン化物、水酸化物、酸化物、炭酸塩、リン酸塩、亜リン酸塩、次亜リン酸塩、塩酸塩、硝酸塩、硫酸塩が好ましい。これらは1種類を使用することもできる、2種類以上を併用することもできる。
2価以上の金属としては、Mg、Ca、Zn、Cu、Co、Fe、Ni、AlもしくはZrが好ましく、Mg、Caがより好ましく、Caがさらに好ましい。
Mg化合物としては、MgO、Mg(OH)2、MgSO4、MgCl2、MgCO3、Mg(NO32、Mg(CH3COOH) 2、Mg3(PO4) 2、等が挙げられ、Ca化合物としては、CaO、Ca(OH)2、CaSO4、CaCl2、CaCO3、Ca(NO32、Ca(CH3COOH) 2、Ca3(PO4) 2等が挙げられ、MgO、Mg(OH)2、MgCO3、MgCl2、Mg(NO32、MgSO4等のMg化合物や、CaO、Ca(OH)2、CaCO3、CaCl2、Ca(NO32、CaSO4等のCa化合物が好ましく、MgCl2、Mg(OH)2、MgCO2、CaCl2、Ca(OH)2CaCO2、がさらに好ましい。
また、OC層形成用塗料が2価以上の金属化合物を含有する場合、炭酸イオンや水酸化物イオンが存在することが好ましい。しかし、CaやMgの炭酸塩や水酸化物は溶解度が低いので、炭酸塩や水酸化物以外のCa化合物やMg化合物のみを用いてもよいが、他の金属化合物、例えば、Na等の炭酸塩、水酸化物等を炭酸塩や水酸化物以外のCa化合物やMg化合物と併用することが好ましい。
金属化合物(M2)としては、例えば、オキシ塩化ジルコニウム、ヒドロキシ塩化ジルコニウム、4塩化ジルコニウム、臭化ジルコニウム等のハロゲン化ジルコニウム、硫酸ジルコニウム、塩基性硫酸ジルコニウム、硝酸ジルコニウムなどの鉱酸のジルコニウム塩、蟻酸ジルコニウム、酢酸ジルコニウム、プロピオン酸ジルコニウム、カプリル酸ジルコニウム、ステアリン酸ジルコニウムなどの有機酸のジルコニウム塩、炭酸ジルコニウムアンモニウム、硫酸ジルコニウムナトリウム、酢酸ジルコニウムアンモニウム、蓚酸ジルコニウムナトリウム、クエン酸ジルコニウムナトリウム、クエン酸ジルコニウムアンモニウムなどのジルコニウム錯塩、などがあげられ、炭酸ジルコニウムアンモニウムが好ましい。炭酸ジルコニウムアンモニウムとしては、ニューテックス(株)製の「ジルコゾールAC−7」が挙げられる。
金属化合物は、例えばカルシウム化合物の場合、OC層中に10mol/m3以上含まれることが好ましく、50mol/m3以上含まれることがより好ましく、75mol/m3以上含まれることがより好ましく、100mol/m3以上含まれることがさらに好ましい。
本発明のOC層形成用塗料としては、アミノ基含有ポリマーを含有するOC層形成用塗料、又は、ポリアルコール系ポリマー(a−1)と2価以上の金属化合物を含有するOC層形成用塗料をそれぞれ単独で、あるいは2種以上を組み合わせて使用することもできる。
また、その特性を大きく損わない限りにおいて、各種架橋剤、熱安定剤、酸化防止剤、強化材、顔料、劣化防止剤、耐候剤、難燃剤、可塑剤、離型剤、滑剤などを添加してもよい。
上記OC層形成用塗料に架橋剤を添加することで、最終のガスバリア積層体に耐ボイル性や、耐レトルト性を持たせることができる。
架橋剤としては、OC層形成用塗料やガスバリア層形成用塗料に含有されるアミノ基や水酸基、カルボキシル基と反応するものが好ましく、そのような架橋剤としてはイソシアネート化合物、エポキシ化合物、ジアミン化合物、ジアルヒデヒド化合物、メラミン系化合物、ビスオキサゾリン化合物、カルボジイミド化合物などが挙げられ、イソシアネート化合物、エポキシ化合物が好ましい。
OC層(A1)、(A2)を形成するには、OC層形成用塗料をロールコーター方式、グラビア方式、グラビアオフセット方式、スプレー塗装方式、あるいはそれらを組み合わせた方式などにより、ガスバリア層(B’)上に、所望の厚さに塗布することができるが,これらの方式に限定されるものではない。
本発明におけるOC層(A1)、(A2)の厚みは、高温高湿度下に放置した後の積層体のガスバリア性を十分高めるためには少なくとも0.1μmより厚くすることが望ましい。
[ガスバリア層(B)]
本発明のガスバリア層は、後述するプラスチック層(C)等に塗布し、ガスバリア性を付与するためのものであり、ポリアルコール系ポリマー(b−1)とポリカルボン酸系ポリマーとを含有するガスバリア層形成用塗料から形成されるものである。即ち、ガスバリア層形成用塗料を塗布した後、加熱処理を行うことによってポリアルコール系ポリマー(b−1)とポリカルボン酸系ポリマーとのエステル化反応が生起し、最終のガスバリア層(B)の前駆体ともいうべきガスバリア層(B’)が生成される。該前駆体に、上述のOC層形成用塗料を塗布し、加熱処理することで、高温高湿度下に放置した後も高度なガスバリア性を有するガスバリア層(B)を得ることができる。
<ポリアルコール系ポリマー(b−1)>
本発明で使用するポリアルコール系ポリマー(b−1)は、分子内に2個以上の水酸基を有するポリマーであり、PVA、エチレンービニルアルコール共重合体、糖類や、
ポリヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ポリグリセリン(メタ)アクリレートといった水酸基を有するモノマーを重合して成るポリマー、等が挙げられる。
PVA、エチレンービニルアルコール共重合体のケン化度は、好ましくは95%以上、より好ましくは98%以上、さらに好ましくは99%以上であり、数平均重合度が50以上1500以下であることが好ましい。
糖類(糖質類ともいう)としては、単糖類、オリゴ糖類、及び多糖類が挙げられる。これらの糖類には、糖アルコールや各種置換体・誘導体なども包含される。これらの糖類は、水溶性のものが好ましい。
糖類としては、単糖類、二糖類、オリゴ糖、多糖類、糖アルコール、またはこれらの誘導体が挙げられる。単糖類は、二糖類、オリゴ糖、多糖類の構成成分であって、通常Cm(H2O)nで表される。単糖類としては、例えば、グルコース、ガラクトース、タロース、マンノース、ソルボース、タガトース、フルクトース、プシコース、エリトロース、トレオース、エリトルロース、アラビノース、キシロース、リボース、リキソース、リブロース等が挙げられる。
また、二糖類は、2個の単糖がグリコシル結合しているものであり、例えば、麦芽糖、乳糖、ショ糖、セロビオース、トレパース、ゲンチオビオース、イソマルトース等が挙げられる。
また、オリゴ糖とは、3個から6個の単糖がグリコシル結合しているものであり、例えば、ラフィノース、ゲンチアノース等が挙げられる。さらに、多糖類とは、7個以上の単糖がポリグリコシル化している高分子化合物であり、例えば、セルロース、でんぷん、プルラン、グリコーゲン、イヌリン、デキストラン、キチン等が挙げられ、プルランが好ましい。
さらに、糖アルコールとは、単糖類を還元して得られるポリヒドロキシアルカンであり、ソルビトール、マンニトール、ズルシトール、キシリトール、エリトリトール、グリセロールなどを挙げることができる。
さらにまた、糖類の誘導体とは、上記糖類に対して、エステル化、カルボキシメチル化、アセチル化、リン酸化、カルボキシル化、アミノ化、アリルエーテル化、メチルエーテル化、カルボキシメチルエーテル化、グラフト化等の置換や変性を施したものである。
上記糖類に対してグラフト重合させる際のモノマーとしては、クロトン酸、アクリル酸、メタクリル酸等の不飽和モノカルボン酸およびそのエステル、塩、無水物、アミド、ニトリル類や、マレイン酸、イタコン酸、フマル酸などの不飽和ジカルボン酸およびその塩、炭素数2〜30のα−オレフィン類、アルキルビニルエーテル類、ビニルピロリドン類などが挙げられる。
上記二糖類、オリゴ糖、多糖類、またはこれらの誘導体は、一種類の単糖類で構成されていても、二種類以上の単糖類から構成されていてもよい。上記の糖類は、それぞれ単独で、あるいは2種以上を組み合わせて使用することができる。
水酸基を有するモノマーを重合して成るポリマーとしては、例えば、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、3−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、3−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、グリセリン(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート(CH2CH2Oユニットの繰り返しが1〜6のものが好ましい)、水酸基末端ウレタン(メタ)アクリレート等を、それぞれ単独で重合して成るホモポリマー、複数共重合して成るコポリマー、他のモノマーと共重合して成るコポリマーを挙げることができる。前2者、即ちホモポリマー、水酸基及びエチレン性不飽和二重結合を有するモノマー同士のコポリマーが好ましく、本発明のガスバリア形成用塗料は、ホモポリマーを2種以上、又は水酸基及びエチレン性不飽和二重結合を有するモノマー同士のコポリマーを2種以上含有することもできる。さらにホモポリマーとコポリマーとを含有することもできる。
水酸基を有するモノマーと共重合し得る他のモノマーとしては、水酸基、カルボキシル基を有しないモノマーであって、水酸基を有するモノマーと共重合し得るモノマーを適宜用いることができる。
例えば、クロトン酸、(メタ)アクリル酸等の不飽和モノカルボン酸エステル、(メタ)アクリルアミド、(メタ)アクリルニトリル、スチレン、スチレンスルホン酸、ビニルトルエン、エチレンなどの炭素数2〜30のα−オレフィン類、アルキルビニルエーテル類、ビニルピロリドン等が挙げられる。
具体的なポリアルコール系ポリマー(b−1)としては、上述したようにPVA、エチレンービニルアルコール共重合体、糖類や、ポリヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ポリグリセリン(メタ)アクリレート等が挙げられ、PVA、プルラン、ポリグリセリン(メタ)アクリレートが好ましく、PVA、ポリグリセリン(メタ)アクリレートがより好ましく、PVAが最も好ましい。
上記のポリアルコール系ポリマー(b−1)は、それぞれ単独で、あるいは2種以上を組み合わせて使用することができる。
<ポリカルボン酸系ポリマー>
本発明で使用するポリカルボン酸系ポリマーは、分子内に2個以上のカルボキシル基もしくは酸無水物基を有するポリマーであり、カルボキシル基もしくは酸無水物基を有するモノマーを重合して成るポリマー、等が挙げられる。
カルボキシル基もしくは酸無水物基を有するモノマーとしては、例えば、(メタ)アクリル酸、2−カルボキシエチル(メタ)アクリレート、ω−カルボキシ−ポリカプロラクトンモノアクリレート、マレイン酸、無水マレイン酸、フマル酸、無水フマル酸、シトラコン酸、無水シトラコン酸、イタコン酸、無水イタコン酸が挙げられ、(メタ)アクリル酸、マレイン酸、無水マレイン酸、イタコン酸、無水イタコン酸が好ましい。
ポリカルボン酸系ポリマーとしては、これらモノマーをそれぞれ単独で重合して成るホモポリマーや複数共重合してなるコポリマー、他のモノマーと共重合して成るコポリマーを挙げることができる。
カルボキシル基もしくは酸無水物基を有するモノマーと共重合し得る他のモノマーとしては、水酸基、カルボキシル基を有しないモノマーであって、カルボキシル基もしくは酸無水物基を有するモノマーと共重合し得るモノマーを適宜用いることができる。
例えば、クロトン酸、(メタ)アクリル酸等の不飽和モノカルボン酸エステル、(メタ)アクリルアミド、(メタ)アクリルニトリル、スチレン、スチレンスルホン酸、ビニルトルエン、エチレンなどの炭素数2〜30のα−オレフィン類、アルキルビニルエーテル類、ビニルピロリドン等が挙げられる。
具体的なポリカルボン酸系ポリマーとしては、ポリアクリル酸、ポリメタクリル酸、ポリマレイン酸、ポリイタコン酸や、アクリル酸−メタクリル酸共重合体、エチレン−無水マレイン酸に代表されるオレフィン−マレイン酸共重合体等が挙げられ、ポリアクリル酸、ポリイタコン酸、オレフィン−マレイン酸共重合体が好ましく、ポリアクリル酸、エチレン−無水マレイン酸共重合体がより好ましい。
上記のポリカルボン酸系ポリマーは、それぞれ単独で、あるいは2種以上を組み合わせて使用することができる。
本発明における、オレフィン−マレイン酸共重合体は、無水マレイン酸またはマレイン酸とオレフィンモノマーを溶液中などにおけるラジカル重合などの公知の方法で共重合することにより得られる。
上記無水マレイン酸と共重合可能なオレフィンモノマーとしては、メチルビニルエーテル、エチルビニルエーテルなどの炭素数3〜30のアルキルビニルエーテル類、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸ブチル等の(メタ)アクリル酸エステル類、ギ酸ビニル、酢酸ビニルなどのビニルエステル類、スチレン、p−スチレンスルホン酸、エチレン、プロピレン、イソブチレンなどの炭素数2〜30のオレフィン、PVAの水酸基などと反応する反応性基を有する化合物などが挙げられ、これらの混合物を用いることもできる。
このうち、アルキルビニルエーテル類、低級オレフィン類がガスバリア性を向上させることができる点で好ましく、特にメチルビニルエーテル、イソブチレン、エチレンが好ましい。
上記オレフィン−マレイン酸共重合体中のマレイン酸単位は、乾燥状態では隣接カルボキシル基が脱水環化した無水マレイン酸構造となりやすく、湿潤時や水溶液中では開環してマレイン酸構造となる。
したがって、本発明においては、特記しない限り、マレイン酸単位と無水マレイン単位とを総称してマレイン酸単位という。
本発明におけるオレフィン−マレイン酸共重合体中のマレイン酸単位は、10モル%以上含有することが好ましく、35モル%以上含有することがより好ましく、マレイン酸単位がほぼ等モルのオレフィンと無水マレイン酸との共重合体がより好ましい。マレイン酸単位が10モル%より少ないと、ポリアルコール系ポリマー(b−1)との反応による架橋構造の形成が不十分となり易く、ガスバリア性が低下する傾向にある。尚、このマレイン酸単位は部分的にエステル化もしくはアミド化されていてもよい。
また、本発明で用いられるオレフィン−マレイン酸共重合体は、重量平均分子量が3000〜1000000であることが好ましく、5000〜900000であることがより好ましく、10000〜800000であることが更に好ましい。
本発明において用いられるガスバリア層形成用塗料は、ポリアルコール系ポリマー(b−1)とポリカルボン酸系ポリマーの重量比が、ポリアルコール系ポリマー(b−1)/ポリカルボン酸系ポリマー=90/10〜10/90であることが好ましく、70/30〜15/85であることがより好ましく、60/40/〜20/80であることがさらに好ましく、50/50〜25/75であることが特に好ましい。相対的にポリマーのいずれかが極端に多いと、バリア性向上の効果が小さい。
本発明において用いられるガスバリア層形成用塗料は、さらに無機層状化合物を含有することもできる。無機層状化合物を含有することにより、バリア層やガスバリア性積層体のガスバリア性をさらに向上させることができる。
ガスバリア性という観点からは、無機層状化合物の含有量は多い方が好ましい。しかし、無機層状化合物は、水親和性が強く吸湿しやすい。また無機層状化合物を含有する塗料は、高粘度化しやすいので塗装性を損ないやすい。さらに無機層状化合物の含有量が多いと、形成されるガスバリア層やガスバリア性積層体の透明性が低下する。
そこで、これらの観点から無機層状化合物は、ポリアルコール系ポリマー(b−1)と、ポリカルボン酸系ポリマーとの合計100重量部に対して、1〜300重量部であることが好ましく、2〜200重量部であることがより好ましく、多くとも100重量部であることがさらに好ましい。
ここでいう無機層状化合物とは、単位結晶層が重なって層状構造を形成する無機化合物であり、特に溶媒中で膨潤、劈開するものが好ましい。
無機層状化合物の好ましい例としては、モンモリロナイト、バイデライト、サポナイト、ヘクトライト、ソーコナイト、バーミキュライト、フッ素
雲母、白雲母、パラゴナイト、金雲母、黒雲母、レピドライト、マーガライト、クリントナイト、アナンダイト、緑泥石、ドンバサイト、スドーアイト、クッケアイト、クリノクロア、シャモサイト、ニマイト、テトラシリリックマイカ、タルク、パイロフィライト、ナクライト、カオリナイト、ハロイサイト、クリソタイル、ナトリウムテニオライト、ザンソフィライト、アンチゴライト、ディッカイト、ハイドロタルサイトなどがあり、膨潤性フッ素雲母又はモンモリロナイトが特に好ましい。
ガスバリア層(B)を形成する方法としては、ガスバリア層形成用塗料を塗布した後、一端加熱処理することによって、ポリアルコール系ポリマー(b−1)とポリカルボン酸系ポリマーとのエステル化反応が生起し、ガスバリア層(B’)が生成される。該ガスバリア層(B’)上に、OC層形成用塗料を塗布し、加熱処理することによって、高温高湿度下に放置した後も高度なガスバリア性を有するガスバリア層(B)を得ることができる。
ポリアルコール系ポリマー(b−1)とポリカルボン酸系ポリマーとの比によっても影響を受け得るので、ガスバリア層形成用塗料の好ましい加熱処理条件は一概には言えないが、100℃以上300℃以下の温度で行うことが好ましく、110℃以上250℃以下がより好ましく、120℃以上220℃以下がさらに好ましく、130℃以上200℃以下がさらに好ましく、140℃以上180℃以下が特に好ましい。
詳しくは、100℃以上140℃未満の温度範囲で90秒以上、または140℃以上180℃未満の温度範囲で1分以上、または180℃以上250℃未満の温度範囲で30秒以上の熱処理を行うことが好ましく、
100℃以上140℃未満の温度範囲で2分以上、または140℃以上180℃未満の温度範囲で90秒以上、または180℃以上220℃以上の温度範囲で1分以上の熱処理を行うことがより好ましく、
100℃以上140℃未満の温度範囲で4分以上、または140℃以上180℃未満の温度範囲で3分以上、または180℃以上210℃未満の温度範囲で2分程度の熱処理を行うことが特に好ましい。
加熱処理の温度が低すぎるあるいは時間が短すぎると、架橋反応が不十分となり、ガスバリア層(B’)の耐水性が不十分となり、しいては最終のガスバリア層(B)及び、最終のガスバリア性積層体の耐水性が不十分となる。また、加熱処理を300℃を超える温度で行うと、形成されるガスバリア層(B’)、(B)及びプラスチック層(C)に変形、皺熱分解等が生じ、その結果ガスバリア性等の物性低下が引き起こされ易い。
ガスバリア層(B)を形成するには,各層を形成するための組成物を,ロールコーター方式,グラビア方式,グラビアオフセット方式,スプレー塗装方式,あるいはそれらを組み合わせた方式などにより,それぞれプラスチック層(C)上、アンダーコート層上に、所望の厚さに塗布することができるが,これらの方式に限定されるものではない。
本発明におけるガスバリア層の厚みは、積層体のガスバリア性を十分高めるためには少なくとも0.1μmより厚くすることが望ましい。
[プラスチック層(C)]
本発明で用いられるプラスチック層(C)は、熱成形可能な熱可塑性樹脂から押出成形、射出成形、ブロー成形、延伸ブロー成形或いは絞り成形等の手段で製造された、フィルム状基材の他、ボトル、カップ、トレイ等の各種容器形状を呈する基材であってもよく、フィルム状であることが好ましい。
また、プラスチック層(C)は、単一の層から構成されるものであってもよいし、あるいは例えば同時溶融押出しや、その他のラミネーションによって複数の層から構成されるものであってもよい。
プラスチック層(C)を構成する熱可塑性樹脂としては、オレフィン系共重合体、ポリエステル、ポリアミド、スチレン系共重合体、塩化ビニル系共重合体、アクリル系共重合体、ポリカーボネート等が挙げられ、オレフィン系共重合体、ポリエステル、ポリアミドが好ましい。
オレフィン系共重合体としては、低−、中−或いは高−密度ポリエチレン、線状低密度ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−プロピレン共重合体、エチレン−ブテン−共重合体、アイオノマー、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−ビニルアルコール共重合体等が、
ポリエステルとしては、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンテレフタレート/イソフタレート、ポリエチレンナフタレート等が、
ポリアミドとしては、ナイロン6、ナイロン6,6、ナイロン6,10、メタキシリレンアジパミド等のポリアミド;
スチレン系共重合体としては、ポリスチレン、スチレン−ブタジエンブロック共重合体、スチレン−アクリロニトリル共重合体、スチレン−ブタジエン−アクリロニトリル共重合体(ABS樹脂)等が、
塩化ビニル系共重合体としては、ポリ塩化ビニル、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体等が、
アクリル系共重合体としては、ポリメチルメタクリレート、メチルメタクリレート・エチルアクリレート共重合体等がそれぞれ挙げられる。
これらの熱可塑性樹脂は、単独で使用してもよいし、2種以上を混合し使用しても良い。
前記の溶融成形可能な熱可塑性樹脂には、所望に応じて顔料、酸化防止剤、帯電防止剤、紫外線吸収剤、滑剤などの添加剤の1種或いは2種類以上を樹脂100重量部当りに合計量として0.001部乃至5.0部の範囲内で添加することもできる。
また、本発明のガスバリア性積層体を用いて包装材を形成する場合、包装材としての強度を確保するために、ガスバリア性積層体を構成するプラスチック層(C)として、各種補強材入りのものを使用することができる。即ち、ガラス繊維、芳香族ポリアミド繊維、カーボン繊維、パルプ、コットン・リンター等の繊維補強材、或いはカーボンブラック、ホワイトカーボン等の粉末補強材、或いはガラスフレーク、アルミフレーク等のフレーク状補強材の1種類或いは2種類以上を、前記熱可塑性樹脂100重量部当り合計量として2乃至150重量部の量で配合でき、更に増量の目的で、重質乃至軟質の炭酸カルシウム、雲母、滑石、カオリン、石膏、クレイ、硫酸バリウム、アルミナ粉、シリカ粉、炭酸マグネシウム等の1種類或いは2種類以上を前記熱可塑性樹脂100重量部当り合計量として5乃至100重量部の量でそれ自体公知の処方に従って配合しても何ら差支えない。
さらに、ガスバリア性の向上を目指して、鱗片状の無機微粉末、例えば水膨潤性雲母、クレイ等を前記熱可塑性樹脂100重量部当り合計量として5乃至100重量部の量でそれ自体公知の処方に従って配合しても何ら差支えない。
プラスチック層(C)の厚みについては、特に制限はなく種類により最適厚みは異なるが、一般的には強度やハンドリングの点から3〜500μmの範囲である。好ましくは6〜100μmの範囲のものである。
[アンダーコート層(D)]
本発明において用いられるアンダーコート層(以下、UC層ともいう)について説明する。UC層(D)は、ガスバリア層(B)と、プラスチック層(C)基材との間に位置し、ガスバリア層の密着性向上の役割を主として担う。
UC層(D)は、ウレタン系、ポリエステル系、アクリル系、エポキシ系等種々のポリマーから形成され得、ウレタン系のUC層が好ましい。
例えば、ウレタン系のUC層(D)の場合、
(1) ポリエステルポリオールやポリエーテルポリオール等のポリオール成分とポリイソシアネート成分とを含有するUC用組成物をプラスチック層(C)上に塗工、加熱し、ポリオール成分とポリイソシアネート成分とを反応させ、ウレタン系のUC層(D)を形成することができる。該UC層(D)上に、前記ガスバリア層形成用塗料の溶液を塗工し、これを加熱すればガスバリア層(B’)を形成することができる。該バリア層(B’)上に、前記OC層形成用塗料の溶液を塗工し、これを加熱することによって、プラスチック層(C)/UC層(D)/ガスバリア層(B)/OC層(A1又はA2)からなる積層体を得ることができる。
(2) UC用組成物をプラスチック層(C)上に塗工、乾燥し、ポリオール成分とポリイソシアネート成分との反応が完了していない、UC層(D)の前駆体を得、該前駆体上に前記バリア層形成用塗料の溶液を塗工し、加熱することによってUC層(D)の形成とガスバリア層(B’)の形成とを一度に行い、その後、該バリア層(B’)上に、前記OC層形成用塗料の溶液を塗工し、これを加熱することによって、プラスチック層(C)/UC層(D)/ガスバリア層(B)/OC層(A1又はA2)からなる積層体を得ることもできる。
(3) あるいは、UC用組成物をプラスチック層(C)上に塗工後、加熱せずに、前記ガスバリア層形成用塗料を塗工し、加熱することによってUC層(D)の形成とガスバリア層(B’)の形成とを一度に行い、その後、該バリア層(B’)上に、前記OC層形成用塗料の溶液を塗工し、これを加熱することによって、プラスチック層(C)/UC層(D)/ガスバリア層(B)/OC層(A1又はA2)からなる積層体を得ることもできる。
UC用組成物に含まれるポリイソシアネートが,ガスバリア層(B)との界面領域において、ポリアルコール系ポリマー(b−1)中の水酸基とも反応し、密着性向上に寄与する他、ガスバリア層の架橋を補助し、耐水性の向上にも効果があると考えられるので、(2)、(3)の方法が好ましい。
ウレタン系UC層の形成に供されるポリオール成分としては、ポリエステルポリオールが好ましく、ポリエステルポリオールとしては、多価カルボン酸もしくはそれらのジアルキルエステルまたはそれらの混合物と、グリコール類もしくはそれらの混合物とを反応させて得られるポリエステルポリオールが挙げられる。
多価カルボン酸としては、例えばイソフタル酸、テレフタル酸、ナフタレンジカルボン酸等の芳香族多価カルボン酸、アジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸、シクロヘキサンジカルボン酸の脂肪族多価カルボン酸が挙げられる。
グリコールとしては、例えばエチレングリコール、プロピレングリコール、ジエチレングリコール、ブチレングリコール、ネオペンチルグリコール、1,6ーヘキサンジオールなどが挙げられる。
これらのポリエステルポリオールは、ガラス転移温度(以下、Tgという)−50℃〜120℃のものが好ましく、−20℃〜100℃のものがより好ましく、0℃〜90℃のものがさらに好ましい。ポリエステルポリオールの好適なTgは、ガスバリア性形成用塗料を塗布後加熱硬化する際の加熱硬化条件とも関係する。比較的低温で加熱硬化する場合には、比較的高Tgのポリエステルポリオールが好ましく、比較的高温で加熱硬化する場合には、低温から高温まで比較的幅広いTgのポリエステルポリオールが好適に使用できる。例えば、180℃で塗料を加熱硬化する場合には、70〜90℃程度のTgのポリエステルポリオールが好ましい。一方、200℃で塗料を加熱硬化する場合には、0〜90℃程度のTgのポリエステルポリオールを使用することができる。
また、これらのポリエステルポリオールの数平均分子量は1000〜100000のものが好ましく、3000〜50000のものがより好ましく、10000〜40000のものがさらに好ましい。
UC層の形成に供されるポリイソシアネートとしては、
例えば、2,4−トリレンジイソシアネート、2,6−トリレンジイソシアネート、m−フェニレンジイソシアネート、p−フエニレンジイソシアネート、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、2,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、2,2’−ジフェニルメタンジイソシアネート、3,3’−ジメチル−4,4’−ビフェニレンジイソシアネート、3,3’−ジメトキシ−4,4’−ビフエニレンジイソシアネート、3,3’−ジクロロ−4,4’−ビフェニレンジイソシアネート、1,5−ナフタレンジイソシアネート、1,5−テトラヒドロナフタレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、テトラメチルキシリレンジイソシアネートなどの芳香族ポリイソシアネート、
テトラメチレンジイソシアネート、1,6−ヘキサメチレンジイソシアネート、ドデカメチレンジ イソシアネート、トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、1,3−シクロヘキシレンジイソシアネート、1,4−シクロヘキシレンジイソシアネート、水素添加キシリレンジイソシアネート、リジンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、4,4’−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、3,3’−ジメチル−4,4’−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート等の脂肪族ポリイソシアネート、
上記ポリイソシアネート単量体から誘導されたイソシアヌレート、ビューレット、アロファネート等の多官能ポリイソシアネート化合物、あるいはトリメチロールプロパン、グリセリン等の3官能以上のポリオール化合物との反応により得られる末端イソシアネート基含有の多官能ポリイソシアネート化合物等を挙げることができる。ヘキサメチレンジイソシアネート(以下、HMDIともいう)の三量体である3官能イソシアヌレート体が好ましい。
ポリエステルポリオールとポリイソシアネートの重量比は10:90〜99:1のものが好ましく、30:70〜90:10のものがより好ましく、50:50〜85:15のものがさらに好ましい。
UC層(D)を形成するには,UC層を形成するための組成物を,ロールコーター方式,グラビア方式,グラビアオフセット方式,スプレー塗装方式,あるいはそれらを組み合わせた方式などにより、プラスチック層(C)上に、所望の厚さに塗布することができるが,これらの方式に限定されるものではない。
UC層(D)の膜厚は使用する用途に応じて適宜決めることが出来るが、0.1μm〜10μmの厚みであることが好ましく、0.1μm〜5μmの厚みであるとより好ましく、0.1μm〜1μmの厚みであることが特に好ましい。0.1μm未満の厚みでは接着性を発現する事が困難となり、一方10μmを越える厚みになると塗工等の生産工程において困難を生じやすくなる。
UC用組成物中のポリエステルポリオールとポリイソシアネートとの濃度は適切な溶剤を用いて調節することができ、その濃度は両者を足して0.5〜80重量%の範囲であることが好ましく、1〜70重量%の範囲であることがより好ましい。溶液の濃度が低すぎると、必要な膜厚の塗膜を形成することが困難となり、また、乾燥時に余分な熱量を必要としてしまうので好ましくない。溶液の濃度が高すぎると溶液粘度が高くなりすぎて,混合、塗工時などにおける操作性の悪化を招く問題が生じる。
UC用組成物に使用できる溶剤としては、例えば、トルエン、MEK、シクロヘキサノン、ソルベッソ、イソホロン、キシレン、MIBK、酢酸エチル、酢酸ブチルがあげられるが、これらに限定されるものではない。
UC層には上記成分の他に、公知である硬化促進触媒、充填剤、軟化剤、老化防止剤、安定剤、接着促進剤、レベリング剤、消泡剤、可塑剤、無機フィラー、粘着付与性樹脂、繊維類、顔料等の着色剤、可使用時間延長剤等を使用することもできる。
[印刷層(E)]
印刷層(E)は、ウレタン系、アクリル系、ニトロセルロース系、ゴム系、塩化ビニル系等の従来から用いられているインキバインダー樹脂に各種顔料、体質顔料及び可塑剤、乾燥剤、安定剤等の添加剤などが添加されてなるインキにより形成される文字、絵柄等である。
包装材を形成した際の印刷層(E)の位置によって、いわゆる表刷りタイプと裏刷りタイプとがあり、本発明における印刷層(E)はどちらであってもよい。
印刷層(E)の形成方法としては、例えばオフセット印刷法、グラビア印刷法、シルクスクリーン印刷法等の周知の印刷方式や、ロールコート、ナイフエッジコート、グラビアーコート等の周知の塗布方式を用いることができる。
印刷層(E)は、ガスバリア性積層体のどこかに含まれていればよく、全面に形成されたものでもよいし、一部に形成されたものでもよいし、全く形成されないものでも良い。印刷層(E)の位置としては、以下に示すような例が挙げられる。
・ OC層(A1又はA2)/バリア層(B)/UC層(D)/ONy(C)/印刷層(E)、
・ OC層(A1又はA2)/バリア層(B)/UC層(D)/印刷層(E)/ONy(C)、
・ OC層(A1又はA2)/印刷層(E)/バリア層(B)/UC層(D)/ONy(C)、
・ 印刷層(E)/OC層(A1又はA2)/バリア層(B)/UC層(D)/ONy(C)。
以下に実施例及び比較例を挙げて、本発明について具体的に説明するが、本発明は、これらの実施例のみに限定されるものではない。
<酸素透過度>
積層体のバリア性は、各実施例又は比較例のコンディショニング条件下に放置した後、Modern Control社製、酸素透過試験器OX−TRAN TWINを用い、25℃、80%RHにおける酸素透過度を求めた。具体的には、25℃、80%RHに加湿した酸素ガス及び窒素ガス(キャリアーガス)を用いた。
ポリアルコール系ポリマー(b−1)とポリカルボン酸ポリマーとを含有するガスバリア層形成用塗料から形成されたフィルム(=ガスバリア層(B))の酸素透過度は以下の計算式により求めた。
・OC層/バリア層/プラスチック層の場合
1/Ptotal=1/Pfilm+1/PPET+1/POC
・バリア層/プラスチック層の場合
1/Ptotal=1/Pfilm+1/PPET
・OC層/プラスチック層の場合
1/Ptotal=1/PPET+1/POC
但し、
total:オーバーコート層(A1又はA2)と、ポリアルコール系ポリマー(b−1)とポリカルボン酸ポリマーとを含有するガスバリア層形成用塗料から形成されたガスバリア層(B)、及びプラスチック層(C)とからなる積層フィルムの酸素透過度。UC層を有する場合には、OC層、バリア層、UC層及びプラスチック層の酸素透過度。
film:ポリアルコール系ポリマー(b−1)とポリカルボン酸ポリマーとを含有するガスバリア層形成用塗料から形成されたガスバリア層(B)の酸素透過度。
PET:プラスチック層(C)の酸素透過度。UC層を有する場合には、UC層及びプラスチック層(C)の酸素透過度。
OC:オーバーコート層(A1又はA2)の酸素透過度。
[実施例1]
PVA(クラレ(株)製、ポバール105(ポリビニルケン化度98〜99%、平均重合度約500))を熱水に溶解後、室温に冷却することにより、PVA水溶液を得た。別途、エチレン−無水マレイン酸共重合体(以下、EMA)(重量平均分子量100000)を用い、カルボキシル基の5モル%を水酸化ナトリウムにより中和したEMA水溶液を調整した。
PVAとEMAの重量比(固形分)が表1に示すようになるように、上記PVA水溶液と上記EMA水溶液とを混合し、固形分10重量%の混合液(=バリア層形成用塗料)を得た。
セパラブル4口フラスコに温度制御レギュレーター、冷却管、撹拌装置を取り付けてイソプロピルアルコール(以下、IPA)/精製水=2/1の混合溶媒135部を仕込み、70℃に昇温し反応容器内を窒素置換した後、滴下管よりジメチルアミノエチルメタクリレート(以下、DM)20部、メチルメタクリレート(以下、MMA)20部、IPA/精製水混合溶媒27.1部、アゾ化合物(和光純薬工業(株)製「V−501」)0.44部を1時間かけて滴下した。滴下終了後、更に4時間反応を継続した。重合終了後、固形分17.7%のDM/MMA共重合体溶液を得た。
塩化カルシウムをIPA/水=2/1混合溶媒に溶解し、10wt%の塩化カルシウム溶液を調整した。別途、炭酸ナトリウムをIPA/水=2/1混合溶媒に溶解し、1wt%の炭酸ナトリウム溶液を調整した。
上記DM/MMA溶液5.65部と塩化カルシウム溶液1.11部、炭酸ナトリウム溶液0.53部、及びブチルセルソルブ(以下、BC)/水=2/1混合溶媒2.71部とを混合し、樹脂固形分10%の混合液(=OC層形成用塗料)を得た。このOC層形成用塗料のイオン濃度は、Ca:4000ppm、CO3:300ppmである。
2軸延伸ナイロンフィルム(厚み15μm)上に、上記PVA、EMA混合液をバーコーターNo.12を用いて塗工し、電気オーブンで80℃2分乾燥した後、電気オーブンで180℃2分乾燥及び熱処理を行い、厚さ1.0μmの皮膜を形成し、積層フィルム1を得た。
この積層フィルム1のバリア層側に、上記DM/MMA、金属化合物混合液をバーコーターNo.22を用いて塗工し、電気オーブンで100℃2分熱処理を行い、厚さ3.0μmの皮膜を形成し、本発明のガスバリア性積層体を得た。
得られた積層体を、40℃、90%RHの雰囲気下に3日間放置した後、酸素透過度を測定した結果を表1に示す。
[実施例2]
得られた積層体を、40℃、90%RHの雰囲気下に7日間放置した以外は実施例1と同様にして、酸素透過度を測定した。得られた結果を表1に示す。
[実施例3]
実施例1で用いたDM/MMA溶液5.65部と塩化カルシウム溶液1.11部、及びBC/水=2/1混合溶媒3.24部とを混合し、樹脂固形分10%の混合液(=OC層形成用塗料)を得た。このOC層形成用塗料のイオン濃度は、Ca:4000ppm、CO3:0ppmである。
得られたDM/MMA、金属化合物混合液を用いた以外は実施例1と同様にして、ガスバリア性積層体を得た。
得られた積層体を、実施例1と同様にして40℃、90%RHの雰囲気下に3日間放置した後、酸素透過度を測定した結果を表1に示す。
[実施例4]
実施例1で用いたDM/MMA溶液5.65部と塩化カルシウム溶液0.56部、及びBC/水=2/1混合溶媒3.79部とを混合し、樹脂固形分10%の混合液(=OC層形成用塗料)を得た。このOC層形成用塗料のイオン濃度は、Ca:2000ppm、CO3:0ppmである。
得られたDM/MMA、金属化合物混合液を用いた以外は実施例1と同様にして、ガスバリア性積層体を得た。
得られた積層体を、実施例1と同様にして40℃、90%RHの雰囲気下に3日間放置した後、酸素透過度を測定した結果を表1に示す。
[実施例5]
実施例1で用いたDM/MMA溶液5.65部と塩化カルシウム溶液0.28部、及びBC/水=2/1混合溶媒4.07部とを混合し、樹脂固形分10%の混合液(=OC層形成用塗料)を得た。このOC層形成用塗料のイオン濃度は、Ca:1000ppm、CO3:0ppmである。
得られたDM/MMA、金属化合物混合液を用いた以外は実施例1と同様にして、ガスバリア性積層体を得た。
得られた積層体を、実施例1と同様にして40℃、90%RHの雰囲気下に3日間放置した後、酸素透過度を測定した結果を表1に示す。
[実施例6]
実施例1で用いたDM/MMA溶液5.65部と塩化カルシウム溶液0.14部、及びBC/水=2/1混合溶媒4.21部とを混合し、樹脂固形分10%の混合液(=OC層形成用塗料)を得た。このOC層形成用塗料のイオン濃度は、Ca:500ppm、CO3:0ppmである。
得られたDM/MMA、金属化合物混合液を用いた以外は実施例1と同様にして、ガスバリア性積層体を得た。
得られた積層体を、実施例1と同様にして40℃、90%RHの雰囲気下に3日間放置した後、酸素透過度を測定した結果を表1に示す。
[実施例7]
セパラブル4口フラスコに温度制御レギュレーター、冷却管、撹拌装置を取り付けてIPA/精製水=2/1の混合溶媒135部を仕込み、70℃に昇温し反応容器内を窒素置換した後、滴下管よりDM20部、HEMA20部、IPA/精製水混合溶媒27.1部、アゾ化合物(和光純薬工業(株)製「V−501」)0.44部を1時間かけて滴下した。滴下終了後、更に4時間反応を継続した。重合終了後、固形分19.1%のDM/HEMA共重合体溶液を得た。
塩化カルシウムをIPA/水=2/1混合溶媒に溶解し、10wt%の塩化カルシウム溶液を調整した。別途、炭酸ナトリウムをIPA/水=2/1混合溶媒に溶解し、1wt%の炭酸ナトリウム溶液を調整した。
上記DM/HEMA溶液5.24部と塩化カルシウム溶液1.11部、炭酸ナトリウム溶液0.53部、及びブチルセルソルブ(以下、BC)/水=2/1混合溶媒3.12部とを混合し、樹脂固形分10%の混合液(=OC層形成用塗料)を得た。このOC層形成用塗料のイオン濃度は、Ca:4000ppm、CO3:300ppmである。
得られたDM/HEMA、金属化合物混合液を用いた以外は実施例1と同様にして、ガスバリア性積層体を得た。
得られた積層体を、実施例1と同様にして40℃、90%RHの雰囲気下に3日間放置した後、酸素透過度を測定した結果を表1に示す。
[実施例8]
実施例7で用いたDM/HEMA溶液5.24部と塩化カルシウム溶液1.11部、及びBC/水=2/1混合溶媒3.65部とを混合し、樹脂固形分10%の混合液(=OC層形成用塗料)を得た。このOC層形成用塗料のイオン濃度は、Ca:4000ppm、CO3:0ppmである。
得られたDM/HEMA、金属化合物混合液を用いた以外は実施例1と同様にして、ガスバリア性積層体を得た。
得られた積層体を、実施例1と同様にして40℃、90%RHの雰囲気下に3日間放置した後、酸素透過度を測定した結果を表1に示す。
[比較例1]
2軸延伸ナイロンフィルム(厚み15μm)上に、実施例1で用いたPVA、EMA混合液をバーコーターNo.12を用いて塗工し、電気オーブンで80℃2分乾燥した後、電気オーブンで180℃2分乾燥及び熱処理を行い、厚さ1.0μmの皮膜を形成し、積層フィルムを得た。
得られた積層フィルムを、40℃、90%RHの雰囲気下に3日間放置した後、酸素透過度を測定した結果を表1に示す。
[比較例2]
2軸延伸ナイロンフィルム(厚み15μm)上に、実施例4で用いたDM/MMA、金属化合物混合液(=OC層形成用塗料)をバーコーターNo.22を用いて塗工し、電気オーブンで100℃2分熱処理を行い、厚さ3.0μmの皮膜を形成し、積層フィルムを得た。
得られた積層フィルムを、40℃、90%RHの雰囲気下に3日間放置した後、酸素透過度を測定した結果を表1に示す。
[比較例3]
実施例7で用いたDM/HEMA溶液5.24部と塩化カルシウム溶液0.56部、及びBC/水=2/1混合溶媒4.2部とを混合し、樹脂固形分10%の混合液(=OC層形成用塗料)を得た。このOC層形成用塗料のイオン濃度は、Ca:2000ppm、CO3:0ppmである。
2軸延伸ナイロンフィルム(厚み15μm)上に、上記DM/HEMA、金属化合物混合液をバーコーターNo.22を用いて塗工し、電気オーブンで100℃2分熱処理を行い、厚さ3.0μmの皮膜を形成し、積層フィルムを得た。
得られた積層フィルムを、40℃、90%RHの雰囲気下に3日間放置した後、酸素透過度を測定した結果を表1に示す。
[実施例9]
硝酸カルシウムをIPA/水=2/1混合溶媒に溶解し、10wt%の硝酸カルシウム溶液を調整した。別途、炭酸ナトリウムをIPA/水=2/1混合溶媒に溶解し、1wt%の炭酸ナトリウム溶液を調整した。
実施例1で用いたDM/MMA溶液5.65部と硝酸カルシウム溶液1.64部、炭酸ナトリウム溶液0.53部、及びブチルセルソルブ(以下、BC)/水=2/1混合溶媒2.18部とを混合し、樹脂固形分10%の混合液(=OC層形成用塗料)を得た。このOC層形成用塗料のイオン濃度は、Ca:4000ppm、CO3:300ppmである。
得られたDM/MMA、金属化合物混合液を用いた以外は実施例1と同様にして、ガスバリア性積層体を得た。
得られた積層体を、実施例1と同様にして40℃、90%RHの雰囲気下に3日間放置した後、酸素透過度を測定した結果を表1に示す。
[実施例10]
実施例1で用いたDM/MMA溶液5.65部と硝酸カルシウム溶液1.64部、及びBC/水=2/1混合溶媒2.71部とを混合し、樹脂固形分10%の混合液(=OC層形成用塗料)を得た。このOC層形成用塗料のイオン濃度は、Ca:4000ppm、CO3:0ppmである。
得られたDM/MMA、金属化合物混合液を用いた以外は実施例1と同様にして、ガスバリア性積層体を得た。
得られた積層体を、実施例1と同様にして40℃、90%RHの雰囲気下に3日間放置した後、酸素透過度を測定した結果を表1に示す。
[実施例11]
PVA(クラレ(株)製、ポバール124(ポリビニルケン化度98〜99%、平均重合度約2400))を熱水に溶解後、室温に冷却することにより、15wt%のPVA124水溶液を得た。
塩化カルシウムを精製水に溶解し、10wt%の塩化カルシウム水溶液を調整した。別途、炭酸ナトリウムを精製水に溶解し、1wt%の炭酸ナトリウム水溶液を調整した。
上記PVA水溶液3.33部と塩化カルシウム水溶液1.11部、炭酸ナトリウム水溶液1.06部、及び精製水4.5部とを混合し、樹脂固形分5%の混合液(=OC層形成用塗料)を得た。このOC層形成用塗料のイオン濃度は、Ca:4000ppm、CO3:600ppmである。
2軸延伸ナイロンフィルム(厚み15μm)上に、実施例1で用いたPVA、EMA混合液をバーコーターNo.12を用いて塗工し、電気オーブンで80℃2分乾燥した後、電気オーブンで180℃2分乾燥及び熱処理を行い、厚さ1.0μmの皮膜を形成し、積層フィルム1を得た。
この積層フィルム1のバリア層側に、上記PVA124、金属化合物混合液をバーコーターNo.22を用いて塗工し、電気オーブンで100℃2分熱処理を行い、厚さ1.5μmの皮膜を形成し、本発明のガスバリア性積層体を得た。
得られた積層体を、実施例1と同様にして40℃、90%RHの雰囲気下に3日間放置した後、酸素透過度を測定した結果を表2に示す。
[実施例12]
エチレン−無水マレイン酸共重合体(以下、EMA)(重量平均分子量100000)を用い、カルボキシル基の5モル%を水酸化ナトリウムにより中和したEMA水溶液を調整した。
PVAとEMAの重量比(固形分)が表1に示すようになるように、実施例11で用いたPVA124水溶液と上記EMA水溶液とを混合し、固形分10重量%の混合液を得た。
上記PVA/EMA混合液5部と塩化カルシウム水溶液1.11部、炭酸ナトリウム水溶液1.06部、及び精製水2.83部とを混合し、樹脂固形分5%の混合液(=OC層形成用塗料)を得た。このOC層形成用塗料のイオン濃度は、Ca:4000ppm、CO3:600ppmである。
得られたPVA/EMA、金属化合物混合液を用いた以外は実施例11と同様にして、ガスバリア性積層体を得た。
得られた積層体を、実施例1と同様にして40℃、90%RHの雰囲気下に3日間放置した後、酸素透過度を測定した結果を表2に示す。
[実施例13]
セパラブル4口フラスコに温度制御レギュレーター、冷却管、撹拌装置を取り付けて精製水70部を仕込み、80℃に昇温し反応容器内を窒素置換した後、滴下管よりグリセリンメタクリレート(以下、GLM)(日本油脂(株)製、「ブレンマーGLM」)30部、精製水20部、アゾ化合物(和光純薬工業(株)製「V−50」)0.3部を1時間かけて滴下した。滴下終了後、更に3時間反応を継続した。重合終了後、精製水81部を十分に撹拌しながら添加し、固形分15%のポリグリセリンメタクリレート(以下、PGLM)水溶液を得た。
上記PGLM水溶液3.33部と塩化カルシウム水溶液1.11部、炭酸ナトリウム水溶液1.06部、及び精製水4.5部とを混合し、樹脂固形分5%の混合液(=OC層形成用塗料)を得た。このOC層形成用塗料のイオン濃度は、Ca:4000ppm、CO3:600ppmである。
得られたPGLM、金属化合物混合液を用いた以外は実施例11と同様にして、ガスバリア性積層体を得た。
得られた積層体を、実施例1と同様にして40℃、90%RHの雰囲気下に3日間放置した後、酸素透過度を測定した結果を表2に示す。
[実施例14]
ポリアリルアミン(以下、PAA−H)を精製水で調整して、固形分10重量%のPAA−A水溶液を得た。
上記PAA−H水溶液5部と塩化カルシウム水溶液1.11部、炭酸ナトリウム水溶液1.06部、及び精製水2.83部とを混合し、樹脂固形分5%の混合液(=OC層形成用塗料)を得た。このOC層形成用塗料のイオン濃度は、Ca:4000ppm、CO3:600ppmである。
得られたPAA−H、金属化合物混合液を用いた以外は実施例11と同様にして、ガスバリア性積層体を得た。
得られた積層体を、実施例1と同様にして40℃、90%RHの雰囲気下に3日間放置した後、酸素透過度を測定した結果を表2に示す。
[実施例15]
ポリビニルアミン(以下、PVAM)を精製水で調整して、固形分10重量%のPVAM水溶液を得た。
上記PVAM水溶液5部と塩化カルシウム水溶液1.11部、炭酸ナトリウム水溶液1.06部、及び精製水2.83部とを混合し、樹脂固形分5%の混合液(=OC層形成用塗料)を得た。このOC層形成用塗料のイオン濃度は、Ca:4000ppm、CO3:600ppmである。
得られたPVAM、金属化合物混合液を用いた以外は実施例11と同様にして、ガスバリア性積層体を得た。
得られた積層体を、実施例1と同様にして40℃、90%RHの雰囲気下に3日間放置した後、酸素透過度を測定した結果を表2に示す。
[実施例16]
ポリエステル(東洋紡(株)製、バイロンGK880(Tg84℃)、Mn=18000)を酢酸エチル/MEK混合溶媒に溶解し、この溶液に、ポリイソシアネート(住友化学(株)製、スミジュール3300)を、ポリエステルとポリイソシアネートの重量比が60/40になるように調整し、混合溶液を得た。この混合溶液にジブチルすずラウリレート1%MEK溶液、MEKおよび酢酸エチルを混合し、固形分約14重量%のプライマー組成物(=UC層形成用組成物)を得た。
エポキシ化合物(ナガセケムテックス(株)製 デナコール「EX−810」)をIPA/水=2/1混合溶媒で調整し、固形分10重量%のエポキシ溶液を得た。
実施例1で用いたDM/MMA溶液5.65部と塩化カルシウム溶液1.11部、上記エポキシ溶液0.68部、及びBC/水=2/1混合溶媒2.56部とを混合し、樹脂固形分10%の混合液(=OC層形成用塗料)を得た。このOC層形成用塗料のイオン濃度は、Ca:4000ppm、CO3:0ppmである。
2軸延伸ポリエステルフィルム(厚み12μm)上に、上記プライマー組成物をバーコーターNo.4を用いて塗工し、電気オーブンで80℃30秒の条件で乾燥し、厚さ0.5μmの皮膜を形成し、積層フィルムを得た。この積層フィルム上に、実施例1で用いたPVA、EMA混合液をバーコーターNo.12を用いて塗工し、電気オーブンで80℃2分乾燥した後、電気オーブンで180℃2分乾燥及び熱処理を行い、厚さ1.0μmの皮膜を形成し、積層フィルム1を得た。
この積層フィルム1のバリア層側に、上記DM/MMA、エポキシ化合物、金属化合物混合液をバーコーターNo.12を用いて塗工し、電気オーブンで120℃2分熱処理を行い、厚さ1.5μmの皮膜を形成し、本発明のガスバリア性積層体を得た。
得られた積層体を、オートクレーブを用いて95℃の熱水中60分間処理(=ボイル処理)した後の積層体の酸素透過度を測定した結果を表3に示す。
[実施例17]
実施例1で用いたDM/MMA溶液5.65部と塩化カルシウム溶液1.11部、炭酸ナトリウム溶液1.06部、実施例16で用いたエポキシ溶液0.68部、及びBC/水=2/1混合溶媒1.5部とを混合し、樹脂固形分10%の混合液(=OC層形成用塗料)を得た。このOC層形成用塗料のイオン濃度は、Ca:4000ppm、CO3:600ppmである。
得られたDM/MMA、エポキシ化合物、金属化合物混合液を用いた以外は実施例16と同様にして、ガスバリア性積層体を得た。
得られた積層体を、実施例16と同様にしてボイル処理した後、酸素透過度を測定した結果を表3に示す。
[実施例18]
実施例7で用いたDM/HEMA溶液5.24部と塩化カルシウム溶液1.11部、実施例16で用いたエポキシ溶液0.61部、及びBC/水=2/1混合溶媒3.04部とを混合し、樹脂固形分10%の混合液(=OC層形成用塗料)を得た。このOC層形成用塗料のイオン濃度は、Ca:4000ppm、CO3:0ppmである。
得られたDM/HEMA、エポキシ化合物、金属化合物混合液を用いた以外は実施例16と同様にして、ガスバリア性積層体を得た。
得られた積層体を、実施例16と同様にしてボイル処理した後、酸素透過度を測定した結果を表3に示す。
[実施例19]
実施例7で用いたDM/HEMA溶液5.24部と塩化カルシウム溶液1.11部、炭酸ナトリウム溶液1.06部、実施例16で用いたエポキシ溶液0.61部、及びBC/水=2/1混合溶媒1.98部とを混合し、樹脂固形分10%の混合液(=OC層形成用塗料)を得た。このOC層形成用塗料のイオン濃度は、Ca:4000ppm、CO3:600ppmである。
得られたDM/HEMA、エポキシ化合物、金属化合物混合液を用いた以外は実施例16と同様にして、ガスバリア性積層体を得た。
得られた積層体を、実施例16と同様にしてボイル処理した後、酸素透過度を測定した結果を表3に示す。
[実施例20]
実施例1で用いたDM/MMA溶液5.65部と塩化カルシウム溶液0.56部、実施例16で用いたエポキシ溶液0.34部、及びBC/水=2/1混合溶媒3.45部とを混合し、OC樹脂固形分10%の混合液(=OC層形成用塗料)を得た。このOC層形成用塗料のイオン濃度は、Ca:2000ppm、CO3:0ppmである。
2軸延伸ナイロンフィルム(厚み15μm)上に、実施例1で用いたPVA、EMA混合液(=バリア層形成用塗料)をバーコーターNo.12を用いて塗工し、電気オーブンで80℃2分乾燥した後、電気オーブンで180℃2分乾燥及び熱処理を行い、厚さ1.0μmの皮膜を形成し、積層フィルム1を得た。
この積層フィルム1のバリア層側に、上記DM/MMA、エポキシ化合物、金属化合物混合液をバーコーターNo.22を用いて塗工し、電気オーブンで120℃2分熱処理を行い、厚さ3.0μmの皮膜を形成し、本発明のガスバリア性積層体を得た。
得られた積層体を、実施例1と同様にして40℃、90%RHの雰囲気下に3日間放置した後、酸素透過度を測定した結果を表4に示す。
[実施例21]
ポリアクリル酸(以下、PAA)として、和光純薬工業(株)社製のポリアクリル酸25%溶液(数平均分子量150000)を用い、カルボキシル基の5モル%を水酸化ナトリウムにより中和した、固形分10%PAA水溶液を調整した。
PGLMとPAAの重量比(固形分)が表4に示すようになるように、実施例13で用いたPGLM水溶液と上記PAA水溶液とを混合し、固形分10%の混合液(=バリア層形成用塗料)を得た。
得られたPGLM/PAA混合液(=バリア層形成用塗料)を用いた以外は実施例20と同様にして、ガスバリア性積層体を得た。
得られた積層体を、実施例1と同様にして40℃、90%RHの雰囲気下に3日間放置した後、酸素透過度を測定した結果を表4に示す。
[比較例4]
2軸延伸ナイロンフィルム(厚み15μm)上に、実施例21で用いたPGLM、PAA混合液(=バリア層形成用塗料)をバーコーターNo.12を用いて塗工し、電気オーブンで80℃2分乾燥した後、電気オーブンで180℃2分乾燥及び熱処理を行い、厚さ3.0μmの皮膜を形成し、積層フィルムを得た。
得られた積層フィルムを、実施例1と同様にして40℃、90%RHの雰囲気下に3日間放置した後、酸素透過度を測定した結果を表4に示す。
[比較例5]
2軸延伸ナイロンフィルム(厚み15μm)上に、実施例20で用いたDM/MMA、エポキシ化合物、金属化合物混合液(=OC層形成用塗料)をバーコーターNo.22を用いて塗工し、電気オーブンで120℃2分熱処理を行い、厚さ3.0μmの皮膜を形成し、積層フィルムを得た。
得られた積層フィルムを、実施例1と同様にして40℃、90%RHの雰囲気下に3日間放置した後、酸素透過度を測定した結果を表4に示す。
Figure 2005144761
Figure 2005144761
Figure 2005144761
Figure 2005144761
オーバーコート層(A1)/ガスバリア層(B)/プラスチック層(C)からなる本発明のガスバリア性積層体の断面図である。
オーバーコート層(A2)/ガスバリア層(B)/プラスチック層(C)からなる本発明のガスバリア性積層体の断面図である。
オーバーコート層(A1又はA2)/ガスバリア層(B)/アンダーコート層(D)/プラスチック層(C)からなる本発明のガスバリア性積層体の断面図である。
オーバーコート層(A1又はA2)/ガスバリア層(B)/プラスチック層(C)/印刷層(E)からなる本発明のガスバリア性積層体の断面図である。
オーバーコート層(A1又はA2)/ガスバリア層(B)/印刷層(E)/プラスチック層(C)からなる本発明のガスバリア性積層体の断面図である。
オーバーコート層(A1又はA2)/印刷層(E)/ガスバリア層(B)/プラスチック層(C)からなる本発明のガスバリア性積層体の断面図である。
印刷層(E)/オーバーコート層(A1又はA2)/ガスバリア層(B)/プラスチック層(C)からなる本発明のガスバリア性積層体の断面図である。
オーバーコート層(A1又はA2)/ガスバリア層(B)/アンダーコート層(D)/プラスチック層(C)/印刷層(E)からなる本発明のガスバリア性積層体の断面図である。
符号の説明
(A1)(A2)・・・オーバーコート層
(B)・・・ガスバリア層
(C)・・・プラスチック層
(D)・・・アンダーコート層
(E)・・・印刷層
(I)・・・ガスバリア性積層体

Claims (16)

  1. アミノ基含有ポリマーを含有するオーバーコート層形成用塗料から形成されるオーバーコート層(A1)、ポリアルコール系ポリマー(b−1)とポリカルボン酸系ポリマーとを含有するガスバリア層形成用塗料から形成されたガスバリア層(B)、プラスチック層(C)が順次積層されてなるガスバリア性積層体。
  2. ポリアルコール系ポリマー(a−1)と2価金属以上の金属化合物を含有するオーバーコート層形成用塗料から形成されるオーバーコート層(A2)、ポリアルコール系ポリマー(b−1)とポリカルボン酸系ポリマーとを含有するガスバリア層形成用塗料から形成されたガスバリア層(B)、プラスチック層(C)が順次積層されてなるガスバリア性積層体。
  3. オーバーコート層(A1)が、2価以上の金属化合物を含有することを特徴とする請求項1記載のガスバリア性積層体。
  4. ガスバリア層(B)とプラスチック層(C)との間にアンダーコート層(D)が設けられていることを特徴とする請求項1ないし3記載のガスバリア性積層体。
  5. 印刷層(E)がさらに設けられていることを特徴とする請求項1ないし4いずれか記載のガスバリア性積層体。
  6. ポリアルコール系ポリマー(a−1)が、ポリビニルアルコール、糖類、及び水酸基とエチレン性不飽和二重結合とを有するモノマーを重合して成る水酸基含有ポリマーからなる群より選ばれる少なくとも1種であることを特徴とする請求項2、4又は5いずれか記載のガスバリア性積層体。
  7. アミノ基含有ポリマーが、アミノ基とエチレン性不飽和二重結合とを有するモノマーを重合して成るポリマーであることを特徴とする請求項1又は、3ないし6いずれか記載のガスバリア性積層体。
  8. アミノ基含有ポリマーが、ポリアリルアミン、ポリビニルアミン、及びジアルキルアミノアルキル(メタ)アクリレートを構成成分とするポリマーからなる群より選ばれる少なくとも1種であることを特徴とする請求項7記載のガスバリア性積層体。
  9. ジアルキルアミノアルキル(メタ)アクリレートが、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート及び/又はジエチルアミノエチル(メタ)アクリレートであることを特徴とする請求項8記載のガスバリア性積層体。
  10. ポリアルコール系ポリマー(b−1)が、ポリビニルアルコール、糖類、及びグリセリン(メタ)アクリレートのホモポリマーもしくはコポリマーからなる群より選ばれる少なくとも1種であることを特徴とする請求項1ないし9いずれか記載のガスバリア性積層体。
  11. ポリカルボン酸系ポリマーが、オレフィン―マレイン酸共重合体、又はポリ(メタ)アクリル酸であることを特徴とする請求項1ないし10いずれか記載のガスバリア性積層体。
  12. オレフィン―マレイン酸共重合体が、エチレン−無水マレイン酸共重合体であることを特徴とする請求項11記載のガスバリア性積層体。
  13. 2価以上の金属化合物が、カルボキシル基と反応し得ることを特徴とする請求項2ないし12いずれか記載のガスバリア性積層体。
  14. 2価以上の金属化合物が、Mg化合物及び/又はCa化合物であることを特徴とする請求項2ないし13いずれか記載のガスバリア性積層体。
  15. ポリアルコール系ポリマー(b−1)とポリカルボン酸系ポリマーとを含有するガスバリア層形成用塗料を、プラスチック層(C)の少なくとも一方の面に直接もしくはプラスチック層(C)の少なくとも一方の面に設けられたアンダーコート層(D)上に塗工、加熱し、ガスバリア層(B’)を形成し、該ガスバリア層(B’)上に、アミノ基含有ポリマーを含有するオーバーコート層形成用塗料を塗工、加熱し、オーバーコート層(A1)を形成することを特徴とするガスバリア性積層体の製造方法。
  16. ポリアルコール系ポリマー(b−1)とポリカルボン酸系ポリマーとを含有するガスバリア層形成用塗料を、プラスチック層(C)の少なくとも一方の面に直接もしくはプラスチック層(C)の少なくとも一方の面に設けられたアンダーコート層(D)上に塗工、加熱し、ガスバリア層(B’)を形成し、該ガスバリア層(B’)上に、ポリアルコール系ポリマー(a−1)を含有するオーバーコート層形成用塗料を塗工、加熱し、オーバーコート層(A2)を形成することを特徴とするガスバリア性積層体の製造方法。


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