JP2005144521A - 鋳造機用圧力制御装置 - Google Patents

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智和 澤田
Hiroyuki Tateiwa
博之 立岩
Michiaki Adachi
道明 足立
Nobuhito Takeuchi
宣仁 竹内
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Abstract

【課題】 溶湯金属を、高品質の製品を成形可能な溶湯充填態様により、金型キャビティに充填し得る鋳造機用圧力制御装置に関する。
【解決手段】 炉内圧力センサ15が検知した圧力値に基づいて、炉内圧力制御パターンAに追従させる弁作動態様を処理決定し、該態様に従って炉内圧力制御弁13を開閉作動させる炉内圧力制御手段と、キャビティ内圧力センサ16が検知した圧力値に基づいてキャビティ内圧力制御パターンBに追従させる弁作動態様を処理決定し、該態様に従ってキャビティ内圧力制御弁14を開閉作動させるキャビティ内圧力制御処理手段とを、所定の単位処理時間毎に並行して実行させる鋳造機用圧力制御装置1としたから、所望の製品を成形するための緻密な溶湯充填態様を適正に生成でき、複雑な形態の製品にあっても、安定的に、ヒケ等の不具合を生じず、かつ高品質に鋳造成形することができる。
【選択図】 図1

Description

本発明は、アルミニウム、アルミニウム合金等の溶湯金属を鋳造機の金型キャビティに充填する鋳造機用圧力制御装置に関する。
例えば、自動車用ホイールにあって、アルミニウム合金製のホイールは、所定の鋳造用金型に、アルミニウム合金等の溶湯金属を鋳込むことにより成形されることが一般的である。このような鋳造成形を行う鋳造機としては、溶湯金属を保持する保持炉と、該保持炉の上方に配置された金型と、該金型の金型キャビティの湯口に上端が連通し、かつ、下端が保持炉内と連通するストークスとを備えており、保持炉内の溶湯金属をストークスを介して上昇させ、金型キャビティに充填するようにしたものが良く知られている。ここで、保持炉内の溶湯金属を金型キャビティに充填させる方法として、保持炉の炉内圧力を加圧することにより、該保持炉内の圧力を増圧して溶湯金属を、ストークスを介して上昇させて充填するようにした加圧制御する構成がある。また、金型キャビティ内の圧力を減圧することにより、保持炉の炉内圧力を相対的に増加させて、溶湯金属を充填するようにした減圧制御する構成もある。
ここで、上記した保持炉の炉内圧力を加圧制御する前者の構成としては、例えば特許文献1に示されているように、圧縮空気源から保持炉内へのエアー流入量を調整する圧力制御弁(比例制御弁)と、保持炉の炉内圧力を検知する圧力センサとを備え、中央制御装置CPUを配したパソコンにより、所定の圧力制御パターンに従うように圧力センサの検知した圧力値に基づいて圧力制御弁を開閉作動させ、炉内圧力を制御するようにした構成の圧力制御装置が提案されている。これにより、金型キャビティに溶湯金属を適正に充填させ、鋳造成形した製品に、割れやヒケ等の不具合を防止するようにしている。
特開平8−90207号公報 (段落番号0010、図4)
一方、上記した金型キャビティ内の圧力を減圧制御する後者の構成としては、吸引源と連通し、金型全体を内包して密閉状とするチャンバーと、該チャンバーからの吸引量を調整する圧力制御弁と、金型キャビティ内の圧力を検知する圧力センサとを備え、中央制御装置CPUを配したパソコンにより、所定の圧力制御パターンに従うように圧力センサの検知した圧力値に基づいて圧力制御弁を開閉作動させ、金型キャビティ内の圧力を制御するようにした構成の圧力制御装置も在る。このように金型キャビティ内を吸引して減圧制御することにより、保持炉内の溶湯金属を該キャビティ内に適正に充填させ、割れやヒケ等の不具合を防止するようにしている。
さらに、上述した自動車用ホイールにあっては、操安性や軽量化等のホイール性能の向上に加え、意匠性が求められている。このため、自動車用ホイールの形態は、複雑な形状を有し、各部位の肉厚も大きく異なっている。このような複雑な形態の自動車用ホイールを、割れ、巣、ヒケ等の不具合が生じないようにするための鋳造成形が必要となっている。このような複雑な形態の製品を成形するため、保持炉の炉内圧力を加圧する機能と、金型キャビティ内の圧力を減圧する機能とを備え、いずれか一方(加圧又は減圧)を圧力制御パターンに従って制御する主機能とし、他方は該主機能による圧力制御を補助機能として、所定時間に開放又は閉鎖を行うようにした圧力制御装置もある。すなわち、圧力制御は主機能だけで行っている。この圧力制御装置では、上述した加圧制御又は減圧制御のいずれか一方のみで成形する鋳造機に比して、不具合の発生を減少させる効果が向上する。
ところで、近年、自動車用ホイールは、優れた意匠性への要求が強く、その形態がさらに複雑化してきている。このような製品には、ヒケ等の不具合が生じないことに加え、高品質に成形することが求められてきており、高度な鋳造成形性が必要となっている。このような高度な鋳造成形性を実現するためには、溶湯金属を金型キャビティに充填する溶湯充填態様を緻密に設計し、かつ該溶湯充填態様に従って、保持炉内の溶湯金属を充填させるための圧力制御を必要とする。
ここで、上述した従来の圧力制御装置のように、加圧又は減圧のいずれか一方を圧力制御する構成では、上記した緻密な溶湯充填態様を一方の圧力制御パターンのみで設定することとなる。ところが、この圧力制御パターンは複雑化し、かつ当該パターンに従って圧力制御弁を制御することが必要となるため、一方だけの圧力制御では、前記溶湯充填態様を適正に生成することが難しく、鋳造成形性に限界がある。特に、圧力制御パターンにあって、圧力勾配が変化する変曲点は成形性への影響が大きい箇所であるが、従来の圧力制御装置では、該変曲点の圧力制御を適正に行うことが極めて難しく、鋳造成形性の高度化を妨げる要因ともなっていた。
本発明は、上述した問題を解決し、自動車用ホイールのような複雑な形状の製品を、高品質に成形し得る鋳造機用圧力制御装置を提案することを目的とするものである。
本発明は、溶湯金属を保持する保持炉内を金型キャビティに比して相対的に増圧することにより、該溶湯金属を、上端が金型キャビティと連通し、下端が保持炉内と連通するストークスを介して、金型キャビティ内に充填させる鋳造機用圧力制御装置において、保持炉内を加圧する炉内圧力制御弁と、該保持炉の炉内圧力を検知する炉内圧力センサと、
炉内圧力センサが検知した圧力値に基づき、予め設定した炉内圧力制御パターンに従って弁作動態様を処理決定し、該弁作動態様に従って炉内圧力制御弁を開閉作動させる炉内圧力制御処理手段とを備えると共に、金型キャビティ内を吸引して減圧するキャビティ内圧力制御弁と、該金型キャビティのキャビティ内圧力を検知するキャビティ内圧力センサと、キャビティ内圧力センサが検知した圧力値に基づき、予め設定したキャビティ内圧力制御パターンに従って弁作動態様を処理決定し、該弁作動態様に従ってキャビティ内圧力制御弁を開閉作動させるキャビティ内圧力制御処理手段とを備え、各圧力制御処理手段を、各圧力制御弁の開閉作動可能な所定の単位処理時間毎に並行して実行させるようにしたものであることを特徴とする鋳造機用圧力制御装置である。
かかる構成にあっては、炉内圧力制御処理手段により保持炉の炉内圧力を制御し、かつキャビティ内圧力制御処理手段により金型キャビティのキャビティ内圧力を制御することによって、総合して所望の溶湯充填態様を生じさせるようにしたものである。すなわち、所望の溶湯充填態様を生じさせ得る、保持炉内の圧力を制御するための炉内圧力制御パターンと、金型キャビティ内の圧力を制御するためのキャビティ内圧力制御パターンとを夫々に設定し、両方の圧力制御処理手段がそれぞれ各圧力制御パターンに従うように炉内圧力制御弁、キャビティ内圧力制御弁の開閉作動を制御するようにしたものである。ここで、炉内圧力制御処理手段、及びキャビティ内圧力制御処理手段は、所定単位制御時間毎に別個に並行して、前記したそれぞれの各圧力制御パターンと、それぞれの制御対象である各圧力センサから入力した圧力値とから弁作動態様を演算処理し、これに従って各圧力制御弁を開閉作動させるという、いわゆるフィードバック制御を行うようにしている。
このように、本発明の鋳造機用圧力制御装置にあっては、炉内圧力制御弁、キャビティ内圧力制御弁を制御作動することにより、炉内圧力、キャビティ内圧力を、それぞれの圧力制御パターンに追従させることができ、複雑な形態の製品を高品質に成形するために必要となる緻密な溶湯充填態様を適正に生成させることができる。また、前記した緻密な溶湯充填態様を生成し得る各圧力制御パターンの、圧力勾配が変化する変曲点にあっても、圧力制御弁の開閉作動を該圧力制御パターンに適切に追従させることができる。したがって、保持炉内の溶湯金属を、前記溶湯充填態様により金型キャビティに充填させることができる。而して、自動車用ホイールのように複雑な形態の製品にあっても、高品質に鋳造成形できると共に、安定的に生産することができる。
ここで、炉内圧力制御処理手段及びキャビティ内圧力制御処理手段の実行周期である所定単位制御時間を、各圧力制御弁が開閉作動できる時間としていることから、各圧力制御弁をその作動速度に応じて開閉作動できる。これにより、各圧力制御弁の開閉作動が、各圧力制御処理手段の制御処理に従って適切に追従可能となり、各圧力制御弁を所定単位時間毎に安定的に作動させることができる。また、炉内圧力制御弁及びキャビティ内圧力制御弁は、機械的に開閉作動するものであることから、各制御処理手段を並行して行うことにより、それぞれの圧力制御弁を開閉作動する動作にズレが生じ難く、緻密な溶湯充填態様を適切に生成することができ得る。尚、各圧力制御手段を実行する所定単位制御時間としては、各圧力制御弁が充分に開閉作動できる範囲にあって、最も速い作動速度に設定することが好適である。これにより、各圧力制御弁を、各圧力制御パターンに追従できるように丁寧かつ繊細に開閉作動することができる。
上述したように本発明の圧力制御装置は、複雑な形態の製品を高品質に成形する緻密な溶湯充填態様を生成し得るように、炉内圧力制御処理手段とキャビティ内圧力制御処理手段とをそれぞれ、所定単位制御時間毎に並行して実行することを要する。すなわちこれは、炉内圧力制御処理手段とキャビティ内圧力制御処理手段の各処理過程を別個に並行して進行させることによって、保持炉、金型キャビティという異なった部分の圧力制御を各圧力制御パターンに高精度で追従でき、前記溶湯充填態様を適正に生成できることとなる。さらに、保持炉、金型キャビティの各圧力制御にあって、各圧力制御弁の弁作動態様が夫々に異なることから開閉作動にズレが生じた場合でも、互いの圧力制御パターンに対する影響が小さいため、前記溶湯充填態様を充分に生成でき、所望の鋳造成形を行い得る。
このような圧力制御装置として、具体的には、各圧力弁制御手段毎に、一機の中央制御装置CPUを搭載したパソコンを夫々に設置し、各圧力弁制御処理手段が独立的に実行されるようにした構成とすることができる。そして、炉内圧力制御処理手段とキャビティ内圧力制御手段とを、所定単位制御時間毎に別個にかつ同時並行的に実行することにより、両者が不必要に干渉することもなく、上述した本発明の作用効果を適正に発揮できる。また、各パソコンの制御処理機能を単純化できると共に、それぞれの制御する構成単位が明確化するから、各処理過程が繁雑化することもなく、制御系に不具合が生じる可能性も低くなる。また、製造現場のように外乱の多い場所にあって定期的に必要なメンテナンスや、プログラムの変更等を容易に行い得るという優れた利点もある。
ここで、例えば、両方の圧力制御手段を一機の中央制御装置CPUを搭載するパソコン一台で制御処理する構成とした場合にあっては、両者の制御を行う統括的な制御プログラムを必要とし、制御処理過程が複雑化することとなり、高い制御処理機能を有するパソコンが必要となる。このようなパソコンの取り扱いには繊細な対応が求められるが、圧力制御装置は工場内のように外乱の多い場所で使用されることから、その制御が不安定になり易い。また、各圧力制御弁は機械的に開閉作動するものであるから、複雑化した制御処理過程では、上記の単純化した制御処理過程に比して、処理決定した弁制御態様に対する各圧力制御弁の追従性にズレが生じやすい。このような圧力制御弁のズレは、圧力制御パターンの変曲点にあって製品の品質に大きく影響し、該品質にバラツキを生じることともなり得る。したがって、両方の圧力制御手段を、単純にパソコン一台で制御処理することでは、所望の高度な鋳造成形性を発揮させることができない。而して、本発明の圧力制御装置は、上記のように、炉内圧力制御処理手段とキャビティ内圧力制御処理手段とを別個にかつ並行して制御処理する構成を要するものである。
本発明の鋳造用圧力制御装置として、上記した各圧力制御手段毎にそれぞれパソコンを設置する構成の他に、炉内圧力制御処理手段とキャビティ内圧力制御処理手段とを、PLC(プログラマブル・ロジック・コントローラ)により並行して制御するようにした構成が提案される。ここで、PLCは、JIS B 3500に示されているように、シーケンス制御を行う工業用電子装置であり、予め定められた順序に従って制御の各段階を逐次進めていくように制御される。このため、このPLCに記憶された複数のプログラムは、各プログラムが上から下まで同時並行して実行させることができる。このPLCに、炉内圧力制御処理手段を処理実行するプログラムと、キャビティ内圧力制御処理手段を処理実行するプログラムとを夫々に設定することにより、それぞれが独立して同時に並行して実行され、各圧力制御弁を別個に作動制御することができる。したがって、上述したように、保持炉内の溶湯金属を、複雑な形態の製品を高品質に成形するための、緻密な溶湯充填態様により充填できるという本発明の作用効果を適切に発揮することができる。また、PLCにより各圧力弁制御手段を実行させる圧力制御装置にあっては、上述したように各圧力弁制御手段毎にそれぞれパソコンを設ける装置に比して、PLCを一台設置することにより代用できる。このため、装置間の配線の繁雑化を解消できると共に、複数のパソコンを動かすに要する電力等を減少させることができるから、ランニングコストを低減できるという優れた利点がある。さらに、このPLCは、一般的にパソコンに比して、外乱ノイズ、温度や湿度等の耐環境性に優れ、かつ、システムも安定していることから、鋳造装置の制御装置として好適である。
一方、このような鋳造機用圧力制御装置にあって、炉内圧力制御弁とキャビティ内圧力制御弁の各弁作動態様を弁開放量により設定し、該弁開放量を、前単位制御時間で作動した前弁開放量から連続的に移行させることにより開閉作動を行うように制御する構成が提案される。かかる構成にあっては、弁作動態様を弁開放量として、各圧力センサが検知した圧力値と各圧力制御パターンとに従って夫々に算出し、この各弁開放量に従って、炉内圧力制御弁とキャビティ内圧力制御弁を開閉制御するようにした。ここで、各圧力制御弁は、算出した各弁開放量となるように、現状の各弁開放量から連続して移行するように開閉作動制御される。例えば、現状の弁開放量が30%である場合に、50%とする弁開放量が算出されると、30%から開放量を増やして50%となるように、20%加える開放を行う。このように各圧力制御弁を作動制御することにより、各圧力制御パターンの圧力勾配が変化する変曲点にあっても、該圧力制御パターンに従って丁寧かつ高精度に圧力制御することができ、所望の溶湯充填態様を一層適正に生成し得る。また、弁開放量を制御することによって、圧力状態の微妙な調整が可能であり、複雑な圧力制御パターンにも容易に対応することができる。
ここで、炉内圧力制御弁とキャビティ内圧力制御弁とは、弁制御態様がそれぞれ各圧力制御パターンに応じて決定されることから、各弁開放量は様々に変化する。したがって、各圧力制御弁の開閉作動する作動量は、それぞれ異なり、両者の作動にズレが生じる場合もあり得る。このような場合にあっても、本発明によれば、各圧力制御処理手段がそれぞれ別個に並行して実行されることから、各圧力制御弁間の作動ズレによる互いの圧力制御パターンに対する影響が小さいため、充分に適正な圧力制御を行うことができる。特に、圧力勾配の変曲点にあっては、この作用効果が製品の高品質化に大きく影響することとなるため、本発明の圧力制御装置によって高品質の製品を安定して成形することができる。
本発明は上述したように、炉内圧力センサが検知した圧力値に基づいて、炉内圧力制御パターンに追従させる弁作動態様を処理決定し、該弁作動態様に従って炉内圧力制御弁を開閉作動させる炉内圧力制御手段と、キャビティ内圧力センサが検知した圧力値に基づいて、キャビティ内圧力制御パターンに追従させる弁作動態様を処理決定し、該態様に従ってキャビティ内圧力制御弁を開閉作動させるキャビティ内圧力制御処理手段とを、各圧力制御弁の開閉作動可能な所定の単位処理時間毎に並行して実行させるようにした鋳造機用圧力制御装置であるから、次の効果がある。
(I)保持炉、金型キャビティという異なった部分の圧力制御を各圧力制御パターンに高精度で追従させることができ、所望の製品を成形するための緻密な溶湯充填態様を適正に生成できる。
(II)製品品質に対する影響が大きい、各圧力制御パターンの圧力勾配が変化する変曲点にあっても、圧力制御弁の開閉作動を該圧力制御パターンに適切に追従させることができる。
(III)各圧力制御弁の開閉作動を、各圧力制御処理手段の制御処理に従って適切に追従可能であり、各圧力制御弁を所定単位時間毎に安定的に作動させることができる。
(IV)而して、自動車用ホイールのように複雑な形態の製品にあっても、安定的に、ヒケ等の不具合を生じず、かつ高品質に鋳造成形することができる。
ここで、炉内圧力制御処理手段とキャビティ内圧力制御処理手段とを、PLC(プログラマブル・ロジック・コントローラ)により並行して制御する構成とした場合にあっては、炉内圧力制御処理手段とキャビティ内圧力制御処理手段とをそれぞれ別個にかつ同時並行的に実行でき、保持炉内の溶湯金属を緻密な溶湯充填態様により充填できるという本発明の作用効果を適切に発揮することができる。また、このPLCは、パソコンに比して、外乱ノイズ、温度や湿度等の耐環境性に優れ、かつ、システムも安定していることから、鋳造装置の制御装置として好適である。
また、炉内圧力制御弁とキャビティ内圧力制御弁の各弁作動態様を弁開放量により設定されるものとし、該弁開放量を、前単位制御時間で作動した前弁開放量から連続的に移行させることにより開閉作動を行うように制御する構成とした場合にあっては、圧力勾配が変化する変曲点で、一層丁寧かつ高精度に圧力制御することができ、所望の溶湯充填態様を適正に生成し得る。また、弁開放量を制御することによって、圧力状態の微妙な調整が可能であり、複雑な圧力制御パターンにも容易に対応することができる。
本発明の一実施形態例を添付図面を用いて詳述する。
実施形態例としては、本発明にかかる鋳造機用圧力制御装置1を、自動車用ホイールの鋳造成形用の鋳造機2に適用したものである。この鋳造機2は、図1のように、溶湯金属50を保持した保持炉3と、金型4を内包するチャンバー5とを備え、さらに、該保持炉3にエアー供給装置20によりエアーを流入させる流入口11と、エアー吸引装置21によりチャンバー5内のエアーを吸引する吸引口12とが配設されている。このエアー供給装置20と流入口11との間には、該エアー供給装置20からのエアー流入量をその開閉量により制御可能な炉内圧力制御弁13が配設されている。同様に、エアー吸引装置21と吸引口12との間には、該エアー吸引装置21からのエアー量をその開閉量により制御可能なキャビティ内圧力制御弁14が配設されている。また、保持炉3の内部には、炉内圧力を検知する炉内圧力センサ15が配設されており、チャンバー5の内部には、キャビティ内圧力センサ16が配設されている。そして、前記炉内圧力制御弁13、キャビティ内圧力制御弁14、炉内圧力センサ15、キャビティ内圧力センサ16と夫々に電気的に接続された圧力制御用プログラマブルロジックコントローラ(以下、PLC)17が配されている。
上記した鋳造機2の保持炉3には、その上面に被着されて気密状に遮断される装着蓋40が配され、該装着蓋40の略中央に、該炉内部に垂下するストークス41が取り付けられている。また、この装着蓋40上に、金型4を内包するチャンバー5が、該チャンバー5の底部43に取り付けられた、下金型44の湯口筒部45がストークス41と連通するように設置される。ここで、ストークス41と下金型44の湯口筒部45とは連結され、これらを通じて、保持炉3内の溶湯金属50が金型キャビティ6に上昇することとなっている。このチャンバー5に内包される金型4は、自動車用ホイールを成形するものであり、上金型46、横金型47、下金型44とから構成されている。そして、上金型46、横金型47、下金型44を接合することにより、所望の自動車用ホイールの形状を成す金型キャビティ6が形成される。ここで、上金型46と横金型47の接合部には、金型キャビティ6内とチャンバー5内とを連通する連通孔48が形成されるようになっている。また、チャンバー5には、その上面に被着されて内部を気密状に遮断される可動蓋49が、図示しない可動装置により昇降可能に配設されている。そして、この可動蓋49に、前記上金型46が接合され、該可動蓋49の昇降作動に応じて上金型46を昇降させ、チャンバー5内が遮断されると共に、金型キャビティ6が形成されるようになっている。
また、鋳造機2には、上述したエアー供給装置20、エアー吸引装置21、可動蓋49を昇降する可動装置(図示省略)等の作動装置を作動制御するための作動用PLC18も配設されている。さらには、この作動用PLC18の作動操作、及び作動状態を表示するタッチパネル(図示省略)も配設されている。
次に本発明の要部について詳説する。
本発明にかかる鋳造機用圧力制御装置1にあっては、上記した炉内圧力制御弁13、炉内圧力センサ15、及びこれらを制御する炉内圧力制御処理手段と、キャビティ内圧力制御弁14、キャビティ内圧力センサ16、及びこれらを制御するキャビティ内圧力制御処理手段とを備えてなる。ここで、炉内圧力制御処理手段、キャビティ内圧力制御処理手段として、上記した圧力制御用PLC17に、炉内圧力制御弁13の弁制御態様を決定する炉内圧力プログラム、キャビティ内圧力制御弁14の弁制御態様を決定するキャビティ内圧力プログラムが夫々に設定されている。
ここで、本実施形態例にあって、キャビティ内圧力センサ16はチャンバー5内に配設されている。これは、上記した連通孔48によって連通するチャンバー5内の圧力を測定することで、擬似的に、金型キャビティ6内の圧力を測定しているものとしている。また、このキャビティ内圧力センサ16及び炉内圧力センサ15は、連続的に圧力状態を検知しており、その圧力データを圧力制御用PLC17に送信している。
また、本実施形態例にあって、炉内圧力制御弁13及びキャビティ内圧力制御弁14は、上述した圧力制御用PLC17により開閉作動するものであり、弁開放量が0%(全閉鎖)〜100%(全開放)の間で作動制御される。すなわち、圧力制御用PLC17が、上記炉内圧力プログラム、キャビティ内圧力プログラムによって弁開放量を処理決定し、これに従って各圧力制御弁を開閉作動する。ここで、各圧力制御弁の弁開放量は、当該指示信号に従って作動させる時点における、前弁開放量から連続的に開閉作動するように制御している。また、本実施形態例の炉内圧力制御弁13及びキャビティ内圧力制御弁14はそれぞれ、開閉作動が充分可能な範囲で、約100msが最も速い作動速度である。
この圧力制御用PLC17には、図示しない、プログラム等の固定データを記憶保持する記憶装置ROM、圧力値データ等を一時的に記憶保持する記憶装置RAM、該記憶装置ROM及び記憶装置RAMから所望のデータを読み込み演算処理する中央制御装置CPU、データの入出力を行う各ポート等が配設されている。ここで、圧力制御用PLC17の入力ポート(図示省略)には、炉内圧力センサ15及びキャビティ内圧力センサ16が電気的に接続されており、各センサからのデータが入力される。また、圧力制御用PLC17の出力ポート(図示省略)には、炉内圧力制御弁13、キャビティ内圧力制御弁14、及び上述した作動用PLCが接続されており、それぞれに該圧力制御用PLC17から指示信号が出力される。
そして、この圧力制御用PLC17は、複数のプログラムを別個に、同時並行して実行することができるものであるから、当該鋳造機用圧力制御装置1の圧力制御開始に従って、所望のデータを記憶装置ROM及び記憶装置RAMから読み込み、中央制御装置CPUにより、炉内圧力プログラムとキャビティ内圧力プログラムとを同時並行的に実行する。
ここで、炉内圧力制御処理手段としては、上記した炉内圧力プログラムにより、炉内圧力センサ15から得た圧力値に基づき、予め定められた炉内圧力制御パターンに従って、加圧力値を演算処理し、該加圧力値とするための弁開放量(弁制御態様)を決定する。そして、この弁開放量を表す指示信号を炉内圧力制御弁13に送信し、該炉内圧力制御弁13を当該弁開放量に従って開閉作動させる。同様に、キャビティ内圧力制御処理手段にあっても、上記したキャビティ内圧力プログラムにより、キャビティ内圧力センサ16から得た圧力値に基づき予め定められたキャビティ内圧力制御パターンに従って弁開放量(弁制御態様)を決定し、この弁開放量を表す指示信号をキャビティ内圧力制御弁14に送信して開閉作動させる。
この炉内圧力プログラム(図4参照)及びキャビティ内圧力プログラム(図3参照)は、圧力制御開始時には、各圧力制御パターンに表された初期圧力勾配となる弁開放量を処理決定し、これに従って各圧力制御弁を開閉作動する。さらに、所定単位制御時間毎に、各圧力制御パターンに適正に従うように、各圧力センサの検知する圧力値から弁開放量を処理決定し、各圧力制御弁を開閉作動するというフィードバック制御を行う。このフィードバック制御としては、各プログラムが、各圧力センサの検知した圧力値と、予め定められた各圧力制御パターンに表された基準圧力値とを比較演算し、その差が所定の認可レベルを超えていた場合には、該圧力差を是正するような弁開放量を算出する。また、認可レベル内であった場合には、現状の圧力勾配となる弁開放量を決定する。これら各プログラムは、上記した炉内圧力制御弁13及びキャビティ内圧力制御弁14が作動可能な100msを単位制御時間として設定し、100ms毎に周期的に実行されるようにしている。これにより、各圧力制御弁が、各圧力制御パターンに充分に追従可能となる。
また、圧力制御用PLC17の記憶装置ROMには、図2(イ)に示す炉内圧力制御パターンAと、図2(ロ)に示すキャビティ内圧力制御パターンBとが設定されている。これらは、所望の自動車用ホイールを、割れやヒケ等の不具合を生じず、かつ高品質に鋳造成形できる、緻密な溶湯充填態様を生成でき得るように設定されているものである。ここで、各圧力制御パターンは、主に、圧力を所定の圧力勾配に従って加圧又は減圧していく圧力変化状態と、所定圧力を保持する圧力一定状態とから構成されている。そして、本実施形態例にあっては、金型キャビティ6内の減圧開始から所定時間後に、保持炉3内を加圧開始するように設定している。尚、キャビティ内圧力制御パターンBによる減圧開始から、加圧及び減圧を停止して初期圧力状態に戻るまでが、当該鋳造機2による鋳造成形の一成形サイクルとなる。
一方、上述した圧力制御用PLC17には、圧力制御状態の表示や圧力制御の設定変更が可能なタッチパネル(図示省略)も配設されている。このタッチパネルには、保持炉3及び金型キャビティ6の圧力状態や、炉内圧力制御パターンA及びキャビティ内圧力制御パターンB等の表示、又は、該圧力制御パターンの設定変更、各プログラムの設定変更等が行い得るようになっている。また、複数種の自動車用ホイールを鋳造するための圧力制御パターンやプログラムが夫々に設定されている場合には、所定のパターンとプログラムを選出する機能も設けられている。
次に、このような鋳造機用圧力制御装置1の圧力制御による鋳造機2の鋳造成形を説明する。
先ず、鋳造機2の準備を行う。図1のように、保持炉3内に溶湯金属50を入れ、ストークス41を取り付けた装着蓋40により保持炉3を密閉状に遮断する。ここで、保持炉3内は、図示しないヒーター等により所定温度に保持する。また、下金型44及び横金型47をチャンバー5内に設置し、上金型46が取り付けられた可動蓋49により該チャンバー5を密閉状に遮断する。これにより、金型4に金型キャビティ6が形成される。初期状態にあっては、炉内圧力制御弁13及びキャビティ内圧力制御弁14は閉鎖され、保持炉3及びチャンバー5がそれぞれ密閉されている。そして、作動用PLC18の作動スイッチ(図示省略)のON作動により、エアー供給装置20及びエアー吸引装置21を作動開始する。この作動用PLC18は、チャンバー5を密閉し、かつエアー供給装置20とエアー吸引装置21とを作動し、鋳造成形が可能な状態となると、圧力制御の開始を容認する信号を、圧力制御用PLC17に送信する。
圧力制御用PLC17の制御開始スイッチ(図示省略)をON作動し、圧力制御を開始することにより当該鋳造機2による鋳造成形を開始する。圧力制御用PLC17は、記憶装置ROMから炉内圧力プログラムとキャビティ内圧力プログラムを読み込み、両者を同時に実行開始することにより、炉内圧力制御処理手段とキャビティ内圧力制御処理手段が同時並行して実行されることとなる。
キャビティ内圧力プログラムは図3のように、制御を開始すると、キャビティ内圧力制御パターンB(図2(ロ)参照)の初期圧力勾配に倣う基準となる弁開放量を決定し、キャビティ内圧力制御弁14に当該弁開放量の指示信号を送信する。そして、この指示信号を受信したキャビティ内圧力制御弁14は、これに従って閉鎖状態から所定量だけ開放作動する。これにより、チャンバー5内のエアーが吸引されて、該チャンバー5と連通孔48によって連通する金型キャビティ6内が減圧されることとなり、保持炉3内の溶湯金属50がストークス41を上昇し、金型キャビティ6内に流入する。ここで、連通孔48が金型キャビティ6の、湯口51から最も遠い場所に設けられていることから、該金型キャビティ6に流入した溶湯金属50は、連通孔48の形成された奥方向に順次流れていく。この後、キャビティ内圧力プログラムは、単位制御時間100ms毎に、キャビティ内圧力センサ16から圧力値を入力する。そして、この圧力値を、前記キャビティ内圧力制御パターンBと比較して、所定認可レベルにあるか否かを判定する。ここで、この認可レベルを越えていた場合には、金型キャビティ6内圧力をキャビティ内圧力制御パターンBに是正するための弁開放量を演算決定し、該弁開放量の指示信号をキャビティ内圧力制御弁14に送信する。この指示信号を受けたキャビティ内圧力制御弁14は、当該弁開放量となるように、現在開放している弁開放量(前弁開放量)から連続的に作動される。一方、キャビティ内圧力制御プログラムが認可レベル内であると判定した場合にあっては、前記した基準となる弁開放量を再び決定して送信する。そして、キャビティ内圧力制御弁14がこれに従って開閉作動される。また、連続して認可レベル以内であった場合、又は同じ弁開放量を演算決定した場合には、前弁開放量を連続して送信し、キャビティ内圧力制御弁14の開閉作動は行われないこととなる。このようにキャビティ内圧力制御プログラムは、金型キャビティ6のキャビティ内圧力をフィードバック制御する。
一方、炉内圧力プログラムも、上記のキャビティ内圧力プログラムと同時並行して開始される。この炉内圧力プログラムは図4のように、炉内圧力制御パターンA(図2(イ)参照)に従って、開始から所定時間経過までは、炉内圧力制御弁13の弁開放量を指示する信号を送信しない。すなわち、キャビティ内圧力制御弁14の開閉作動が開始されても炉内圧力制御弁13は閉鎖状態が継続する。その後、炉内圧力制御パターンAに表される所定時間が経過すると、炉内圧力プログラムは、該炉内圧力制御パターンAの圧力勾配に倣う基準となる弁開放量を決定し、炉内圧力制御弁13に該弁開放量の指示信号を送信する。炉内圧力制御弁13は、この指示信号に従って閉鎖状態から所定量だけ開放作動され、保持炉3内にエアーが流入する。これにより、保持炉3内に保持された溶湯金属50の液面が加圧されて、上述したキャビティ内圧力制御弁14の減圧により該金型キャビティ6に流入していく溶湯金属50を、押し上げる。この後、炉内圧力プログラムは、上述のキャビティ内圧力プログラムと同様に、単位制御時間100ms毎に、炉内圧力センサ15から圧力値を入力し、この圧力値を、前記炉内圧力制御パターンAと比較して、所定認可レベルにあるか否かを判定する。そして、この判定結果に従って、炉内圧力制御弁13を開閉作動し、保持炉3の炉内圧力をフィードバック制御する。
このようなキャビティ内圧力制御プログラム及び炉内圧力制御プログラムはそれぞれ、各圧力制御パターンの圧力勾配が変化する変曲点にあっては、図3及び図4に示すように、変化後の圧力勾配に倣う基準となる弁開放量を決定すると共に、各圧力センサから入力した圧力値と各圧力制御パターンとにより、圧力値を是正するための弁開放量を決定し、前記基準となる弁開放量とから当該変曲点を適正に制御できる弁開放量を決定する。そして、この弁開放量を表す指示信号を各圧力制御弁に送信して開閉作動される。その後は、上述と同様に、単位制御時間100ms毎にそれぞれフィードバック制御される。このような制御を行うことにより、圧力制御パターンの変曲点でも、各圧力状態を該パターンに適正に追従させることができ、溶湯の充填を安定して行うことができる。このような各圧力制御パターンの変曲点は、主に、溶湯金属50を、金型キャビティ6内の形状や厚みが大きく変化する部分に適正に充填できるように、その溶湯充填態様の変化点であることから、鋳造成形性への影響が大きい。したがって、炉内圧力制御パターンA及びキャビティ内圧力制御パターンBの各変曲点でも、各圧力制御を高精度に追従できることから、ヒケ等の不具合の発生を防止できると共に、高品質の製品を成形できる。
ここで、炉内圧力制御弁13の開放作動は、キャビティ内圧力を増圧するように働き、キャビティ内圧力制御弁14の開放作動は、炉内圧力を減圧するように働く。このため、フィードバック制御にあって、一方の圧力状態がその圧力制御パターンに比して大きく加圧又は減圧された状態となった場合には、他方の圧力状態もその圧力制御パターンに比して同様に加圧又は減圧された状態となる。したがって、両者をそれぞれの圧力制御パターンに追従するように圧力制御することにより、比較的容易に修正することが可能であり、当該フィードバック制御は高い制御能力を有している。
そして、炉内圧力制御パターンA及びキャビティ内圧力制御パターンBに従って、金型キャビティ6への溶湯金属50の充填が終了すると、炉内圧力制御プログラムが炉内圧力制御弁13を閉鎖し、キャビティ内圧力制御プログラムがキャビティ内圧力弁14を閉鎖すると共に、図示しない保持炉3の排気口とチャンバー5の排気口とを開放する。そして、保持炉3の炉内圧力と、チャンバー5内の圧力とがほぼ大気圧となると、圧力制御用PLC17は、圧力制御が終了したことを示す信号を作動用PLC18に送信する。この信号を受けると、作動用PLC18が、エアー供給装置20及びエアー吸引装置21との作動を停止すると共に、金型4を開放して成形品を取出し、鋳造成形を終了する。
このように、炉内圧力制御処理手段及びキャビティ内圧力制御処理手段が、保持炉3の炉内圧力と、金型キャビティ6のキャビティ内圧力とをそれぞれ、炉内圧力制御パターンA及びキャビティ内圧力制御パターンBに追従するように圧力制御したことにより、総合的に所望の溶湯充填態様を適正に生成することができ、ヒケ等の不具合を生じず、かつ高品質な鋳造成形を行うことができる。而して、本発明にかかる鋳造機用圧力制御装置1を用いることにより、近年、自動車用ホイールに求められている操安性や軽量化等のホイール性能の向上と、優れた意匠性とを発揮し得る高品質な製品を鋳造成形することができる。
また、本実施形態例では、圧力制御用PLC17により、炉内圧力制御プログラムとキャビティ内圧力制御プログラムとを別個にかつ同時並行的に実行している。このため、各プログラムによる制御処理過程が比較的単純なものとして設定することができる。したがって、機械的に開閉作動する各圧力制御弁に対して、開閉作動を制御する電気的な制御指示信号を明確かつ適正に伝達することができ、処理決定した弁制御態様に対して、各圧力制御弁を適切に追従させることができる。さらに、各圧力制御弁の開閉作動する作動量は、それぞれ異なり、両者の作動にズレが生じる場合もあり得るが、圧力制御用PLC17が各圧力制御プログラムを別個にかつ同時並行的に実行していることにより、各圧力制御弁間の作動ズレによる互いの圧力制御パターンに対する影響が小さく、所望の溶湯充填態様を生成するに充分な圧力制御を行うことができる。また、PLCは、パソコンに比して外乱に強く、安定して作動することができるものであるから、本発明の鋳造機用圧力制御装置1のように工場現場に設置されるものに好適に用い得る。
尚、ここで、上述の炉内圧力制御プログラムとキャビティ内圧力制御プログラムとを、単純に、一機の中央制御装置CPUを搭載するパソコン一台で制御した場合には、前記した各圧力制御弁の開閉作動によるズレの影響が低減せず、圧力制御パターンの変曲点における追従性が低下することとなり得る。したがって、鋳造成形性を充分に高めることができず、上述した本発明にかかる鋳造成形に比して、自動車用ホイールの品質を安定して高めることができない。また、炉内圧力制御プログラムとキャビティ内圧力制御プログラムとを統合的に制御するプログラムも必要となり、制御するプログラムが複雑化するため、高処理機能を備えたパソコンが必要となる。ところが、このようなパソコンは、繊細な取り扱いが必要となり、工場内のように、外乱ノイズや、温度及び湿度が様々に変化する場所、いわゆる耐環境性に高い性能を要求される場所では、安定して制御処理を行わせることが難しいという問題もある。而して、このようにパソコン一台で制御する構成は、本発明の鋳造用圧力制御装置1には適用できない。
このように本実施形態例にあっては、圧力制御用PLC17により炉内圧力制御プログラムとキャビティ内圧力制御プログラムとを実行するようにした構成であるが、その他の構成として、図5のように、炉内圧力センサ15が接続され、炉内圧力制御プログラムを実行する炉内制御用パソコン61と、キャビティ内圧力センサ16に接続され、キャビティ内圧力制御プログラムを実行するキャビティ制御パソコン62とを備えてなる鋳造機用圧力制御装置60とすることもできる。これら炉内制御用パソコン61、キャビティ制御パソコン62にはそれぞれ、一般的な中央制御装置CPU、記憶装置ROM、記憶装置RAM等が配されたものが用いられる。そして、これらプログラムを同時に並行して実行することにより、炉内圧力制御処理手段とキャビティ内圧力制御手段とを別個にかつ同時並行的に実行できる。したがって、このような鋳造機用圧力制御装置60を配設された鋳造機63にあっても、上述の実施形態例と同様の作用効果を発揮し、優れた鋳造成形を行うことができる。
また、上述した実施形態例は、炉内圧力制御プログラムとキャビティ内圧力制御プログラムとを、金型キャビティ6内の減圧開始から所定時間後に、保持炉3内を加圧開始するように設定した構成であるが、その他の構成として、保持炉3内の加圧開始から所定時間後、又は加圧開始と同時に、金型キャビティ6内の減圧が開始されるように設定した構成とすることもできる。この構成にあっても、上述した本発明にかかる炉内圧力制御処理手段とキャビティ内圧力制御手段とにより、優れた鋳造成形を行うことが可能である。一方、上述した実施形態例では、エアー供給装置20、エアー吸引装置21、可動蓋49を昇降する可動装置(図示省略)等の作動装置を作動制御するための作動用PLC18を配設した構成であるが、このような作動装置の作動制御を、圧力制御用PLC17により行う構成とすることもできる。この構成にあっても、同様に優れた鋳造成形を行い得ると共に、設置スペースの縮小化や、配線の簡素化等が図れるという利点がある。
本発明にかかる、鋳造機用圧力制御装置1を配した鋳造機2を表す全体図である。 (イ)炉内圧力制御パターンA、(ロ)キャビティ内圧力制御パターンBを表す説明図である。 本発明の、キャビティ内圧力制御プログラムを表すフロー図である。 本発明の、炉内圧力制御プログラムを表すフロー図である。 本発明にかかる、別構成の鋳造機用圧力制御装置60を配設した鋳造機63を表す全体図である。
符号の説明
1 鋳造機用圧力制御装置
2 鋳造機
3 保持炉
4 金型
5 チャンバー
6 金型キャビティ
13 炉内圧力制御弁
14 キャビティ内圧力制御弁
15 炉内圧力センサ
16 キャビティ内圧力センサ
17 圧力制御用PLC
41 ストークス
50 溶湯金属

Claims (3)

  1. 溶湯金属を保持する保持炉内を金型キャビティに比して相対的に増圧することにより、該溶湯金属を、上端が金型キャビティと連通し、下端が保持炉内と連通するストークスを介して、金型キャビティ内に充填させる鋳造機用圧力制御装置において、
    保持炉内を加圧する炉内圧力制御弁と、
    該保持炉の炉内圧力を検知する炉内圧力センサと、
    炉内圧力センサが検知した圧力値に基づき、予め設定した炉内圧力制御パターンに従って弁作動態様を処理決定し、該弁作動態様に従って炉内圧力制御弁を開閉作動させる炉内圧力制御処理手段とを備えると共に、
    金型キャビティ内を吸引して減圧するキャビティ内圧力制御弁と、
    該金型キャビティのキャビティ内圧力を検知するキャビティ内圧力センサと、
    キャビティ内圧力センサが検知した圧力値に基づき、予め設定したキャビティ内圧力制御パターンに従って弁作動態様を処理決定し、該弁作動態様に従ってキャビティ内圧力制御弁を開閉作動させるキャビティ内圧力制御処理手段とを備え、
    各圧力制御処理手段を、各圧力制御弁の開閉作動可能な所定の単位処理時間毎に並行して実行させるようにしたものであることを特徴とする鋳造機用圧力制御装置。
  2. 炉内圧力制御処理手段とキャビティ内圧力制御処理手段とを、PLC(プログラマブル・ロジック・コントローラ)により並行して制御するようにしたものであることを特徴とする請求項1に記載の鋳造機用圧力制御装置。
  3. 炉内圧力制御弁とキャビティ内圧力制御弁の各弁作動態様を弁開放量により設定し、該弁開放量を、前単位制御時間で作動した前弁開放量から連続的に移行させることにより開閉作動を行うように制御するものであることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の鋳造機用圧力制御装置。







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