JP2005144459A - 熱交換器用の異形伝熱管の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 熱交換器用の伝熱管は、素材管の定尺切断工程(工程1)と、花弁状異形断面部成形工程(工程2)と、円錐部成形工程(工程3)と、両端円筒部成形工程(工程4)とを経て製造される。工程1では、花弁状異形断面部10cの周長と同一の周長を有する円筒形の素材管10を準備する。工程2では、素材管10の中部に円盤状金型を押し付けて、素材管10の長手方向に伸びる複数の凹部を、素材管肉厚を変化させることなく素材管円周方向に並ぶように形成することにより、花弁状異形断面部10c及び不完全花弁状断面部10bを形成する。工程3では、不完全花弁状断面部10bに円錐部10dを形成する。工程4では、素材管10の両端部を縮管して円筒部10eを形成する。
【選択図】図4
Description
また、上記異形伝熱管の製造方法においては、素材管の両端部を縮管して、円筒部を形成するとともに、該円筒部と未成形部との間の移行部を形成した後で、花弁状異形断面部及び不完全花弁状断面部を形成するようにしてもよい。この場合、素材管の直径と、上記移行部の形状と、円盤状金型の半径とを調整することにより、不完全花弁状断面部を所望の形状に成形するのが好ましい。
(実施の形態1)
以下、本発明の実施の形態1にかかる熱交換器用の異形伝熱管の製造方法を説明する。なお、実施の形態1にかかる異形伝熱管は、例えば図1に示すような2重管式伝熱管の伝熱管として、あるいは多管式熱交換器の伝熱管などとして、幅広く用いることができるものである。
工程1 素材管の定尺切断
工程2 花弁状異形断面部成形
工程3 円錐部成形
工程4 両端円筒部成形
以下、工程1〜工程4における具体的な成形手法を説明する。
図4(a)に示すように、工程1では、円筒形の素材管10を、製造すべき伝熱管の長さに応じて切断する。ここで、素材管10の外径φA(外直径)は、後で説明する工程2で形成される花弁状異形断面部10c(図4(b)参照)の周長と同一又は近似の周長をもつように設定される。また、素材管10の肉厚t1は、花弁状異形断面部10cの肉厚と同一又は近似の値に設定される。
図4(b)に示すように、工程2では、素材管10の軸方向中部に花弁状異形断面部10cを形成する。これにより、素材管10に、未成形部10aと不完全花弁状断面部10b(円筒部と花弁状異形断面部との間の移行部)と花弁状異形断面部10cとが形成される。この状態では、未成形部10aの外径は加工前の素材管10の外径と同じくφAであるが、花弁状異形断面部10cの外径φCは、φAよりは小さくなる。また、この状態では、未成形部10aの肉厚及び花弁状異形断面部10cの肉厚は、加工前の素材管10の肉厚と同じくt1である。
図5(a)、(b)に示すように、素材管成形装置には、素材管10(ワーク)に、その軸線方向に伸びる凹部を形成するための複数の金型装置15が設けられている。図10に示すように、各金型装置15においては、主軸16に、円盤状金型17が、ベアリング18を介して回転自在に取り付けられている。また、素材管成形装置には、後で説明する支持部材19と、芯金20と、素材管10をチャックする把持部材21と、素材管10をその軸方向に移動させる移動装置22とが設けられている。
図4(c)に示すように、工程3では、工程2で形成された不完全花弁状断面部10bの一部(円筒部寄りの部分)に円錐部10dを形成する。したがって、工程3で得られる素材管10は、未成形部10aと、円錐部10dと、不完全花弁状断面部10b’と、花弁状異形断面部10cとを備えている。このように円錐部10dを設ける理由は、以下のとおりである。
まず、図13(a)に示すように、2つ以上に分解可能である割りダイス25と、左右の2つのパンチ26、27とを準備する。割りダイス25内には、大径部28aと小径部28bと円錐状絞り部28cとを有する空隙部28が形成されている。なお、小径部28bの内径D0は、完成後の伝熱管10の円筒部10eの外径よりも小さい。また、パンチ26、27の先端部は曲面状(R状)となっている。ここで、空隙部28の円錐絞り部28cの円錐角θ1と、パンチ26、27の円錐部26a、27aの円錐角θ2とはほぼ同一である。また、パンチ26、27の本体部26b、27bの外径D1は、素材管10の未成形部10aの内径とほぼ同一であり、空隙部28の大径部28aの内径D2は、素材管10の未成形部10aの外径とほぼ同一である。
図4(d)に示すように、工程4では、素材管10の両端未成形部10aに縮管成形を施して円筒部10eを形成する。この縮管により、未成形部10aの外径はφAからφBに減少し(φA>φB)、未成形部10aの肉厚はt1からt2に増加する(t1<t2)。ここで、円筒部10eの周長は、花弁状異形断面部10cの周長よりも短くなる。なお、花弁状異形断面部10cの外径φCは、円筒部10eの外径φBと同じか、それ未満である。かくして、円筒部10eと花弁状異形断面部10cと不完全花弁状断面部10fとを備えた伝熱管10が完成する。
図14(a)に示すように、2つ以上に分割可能であり、ダイス内に、小径部31aと円錐部31bと大径部31cとを有する空隙部31を備えた割りダイス30を準備する。ここで小径部31aの内径D3(絞り径)は、完成後の伝熱管10の円筒部10eの外径φBとほぼ同じである(すなわち、シェルの内径より若干小径)。
なお、このように割りダイス30を用いるのでなく、スピニング、スエージング等で円筒部10eを形成してもよい。工程4における被成形部は、すでに、工程3で滑らかな円錐状に成形されているので、上記いずれの成形方法でも成形できるからである。
以下、本発明の実施の形態2にかかる熱交換器用の異形伝熱管の製造方法を説明する。なお、実施の形態2にかかる異形伝熱管も、実施の形態1にかかる異形伝熱管と同様に、例えば図1に示すような2重管式伝熱管の伝熱管として、あるいは多管式熱交換器の伝熱管などとして、幅広く用いることができるものである。
工程1 素材管の定尺切断
工程2 両端円筒部絞り成形
工程3 花弁状異形断面部成形
以下、工程1〜工程3における具体的な成形手法を説明する。
図15(a)に示すように、工程1では、円筒形の素材管40を、製造すべき伝熱管の長さに応じて切断する。ここで、素材管40の外径φAは、後で説明する工程3で形成される花弁状異形断面部40f(図15(c)参照)の周長と同一又は近似の周長をもつように設定される。また、素材管40の肉厚t1は、形成すべき花弁状異形断面部40fの肉厚と同一又は近似の値に設定される。なお、素材管40の外径φAは、完成後の伝熱管の円筒部40d(図15(c)参照)の外径φBよりも大きい。
図15(b)に示すように、工程2では、素材管40の両端近傍部に縮管成形を施し、円筒部40aとテーパ部40bとを形成する。この縮管により、素材管4の両端部(円筒部40a)では、外径はφAからφBに減少し、肉厚はt1からt2に増加する。縮管手法としては、例えば、プレス絞り、スピニング、スエージング等を用いることができる。これにより、円筒部40aとテーパ部4bと未成形部40cとからなる素材管40が得られる。
図15(c)に示すように、工程3では、実施の形態1における工程2と同様の成形手法で、素材管40の軸方向中部、すなわち未成形部40cとテーパ部40bの一部とに花弁状異形断面部40fを形成する。花弁状異形断面部40fの肉厚は、元の素材管10の肉厚t1とほぼ同じである。なお、花弁状異形断面部40fの外径は、円筒部40aの外径φB以下である。これにより、素材管40に、円筒部40aと不完全花弁状断面部40eと花弁状異形断面部40fとが形成され、伝熱管40が完成する。
素材管40に花弁状異形断面部40f及び不完全花弁状断面部40eを形成するには、まず図16(a)、(b)に示すように、素材管40を把持部材21でチャックし、素材管成形装置にセットする。このとき、円盤状金型17は、開口状態にある。また、芯金20は、左側に移動した状態(前進状態)にある。
なお、実施の形態2では、未成形部40cから円筒部40aへの移行部(テーパ部40b)はテーパ状であるが、曲面状(R状)や、曲面(R)とテーパの複合形状であってもよい。
Claims (5)
- 長手方向の両端部にそれぞれ円筒部を有し、中間部に花弁状異形断面部を有し、かつ上記各円筒部と上記花弁状異形断面部との間にそれぞれ不完全花弁状断面部を有している、熱交換器用の異形伝熱管の製造方法であって、
上記花弁状異形断面部の周長と同一の周長を有する円筒形の素材管を準備し、
上記素材管の、上記花弁状異形断面部及び上記不完全花弁状断面部を形成すべき部位の外周部に円盤状金型を押し付けて、それぞれ上記素材管の長手方向に伸びる複数の凹部を、素材管肉厚を変化させることなく、上記素材管の円周方向に並ぶように形成することにより上記花弁状異形断面部及び上記不完全花弁状断面部を形成することを特徴とする、熱交換器用の異形伝熱管の製造方法。 - 上記花弁状異形断面部及び上記不完全花弁状断面部を形成した後、上記素材管の両端部を縮管して上記円筒部を形成することを特徴とする、請求項1に記載の熱交換器用の異形伝熱管の製造方法。
- 上記不完全花弁状断面部を円錐状に成形した後で、上記素材管の両端部を縮管することを特徴とする、請求項2に記載の熱交換器用の異形伝熱管の製造方法。
- 上記素材管の両端部を縮管して、上記円筒部を形成するとともに、該円筒部と未成形部との間の移行部を形成した後で、上記花弁状異形断面部及び上記不完全花弁状断面部を形成することを特徴とする、請求項1に記載の熱交換器用の異形伝熱管の製造方法。
- 上記素材管の直径と、上記移行部の形状と、円盤状金型の半径とを調整することにより、上記不完全花弁状断面部を所望の形状に成形することを特徴とする、請求項4に記載の熱交換器用の異形伝熱管の製造方法。
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