前述した特許文献1〜4に記載された技術によれば、紙幣や有価証券等の特殊原稿が画像読み取りされた場合にその複写を禁止したり(特許文献1、2)、機密文書が画像読み取りされた場合にその複写を禁止したり(特許文献3、4)することができる。また、特許文献5、6に記載されているように、例えば機密文書については背景に地紋パターンを埋め込んだ原稿画像として生成し、そのような機密文書が複写されると地紋パターンの一部が浮かび上がるようにした場合には、心理的に、複写に対する規制力を生じさせることができる。
ところで、近年においては、文書画像の表面と裏面を一回の搬送動作において読み取る機能を有するデジタルカラー複写機等が開発されている。
しかしながら、特許文献1〜6に記載された技術によれば、一方の原稿画像面におけるコピー機能(複写機能)にのみ言及しているものであり、原稿の表裏両面に対する機密文書検知については言及されていない。
本発明は、機密文書の再現処理を表面のみならず裏面についても確実に防止することを目的とする。
請求項1記載の発明の画像処理装置は、原稿表面画像と原稿裏面画像との両方を読み取って表裏両面の画像データをそれぞれ得る画像読取手段と、前記画像読取手段により読み取られた表裏両面の前記画像データから、原稿画像が機密文書画像であるか否かを検知する機密文書画像検知手段と、機密文書画像であると検知された前記画像データの再現に規制力を及ぼす再現規制手段と、を具備する。
したがって、原稿画像の種類を問わず、原稿画像が機密文書画像であるか否かが原稿画像の表裏両面の画像データで検知され、この検知に応じて、原稿画像の表裏両面の画像データの再現に規制力が及ぼされる。
請求項2記載の発明は、請求項1記載の画像処理装置において、前記再現規制手段は、機密文書画像であると検知された前記画像データに対し、画像変化させ、もしくは画像を破壊する処理を施す。
したがって、機密文書画像であると検知された画像データは、例えば画像を塗りつぶして灰色にされ、白紙のまま、若しくは「複写禁止文書」のような文字を加えて印字された状態にすることが可能になることにより、画像読取手段で読み取った原稿画像が機密文書である場合には、その再現が防止される。
請求項3記載の発明は、請求項1記載の画像処理装置において、前記再現規制手段は、機密文書画像であると検知された前記画像データの出力を中止する。
したがって、機密文書画像であると検知された画像データは、その出力が中止されることにより、画像読取手段で読み取った原稿画像が機密文書である場合には、その再現が防止される。
請求項4記載の発明の画像処理装置は、原稿表面画像と原稿裏面画像との両方を読み取って表裏両面の画像データをそれぞれ得る画像読取手段と、前記画像読取手段により読み取られた原稿表面画像の前記画像データに含まれる背景画像または前面画像に埋め込まれたドットパターンを検出する表面ドットパターン検出手段と、検出したドットパターンを、記憶領域に記憶されている出力を禁止するドットパターンと比較し、その同一性を判定する表面ドットパターン判定手段と、前記画像読取手段により読み取られた原稿裏面画像の前記画像データに含まれる背景画像または前面画像に埋め込まれたドットパターンを検出する裏面ドットパターン検出手段と、検出したドットパターンを、記憶領域に記憶されている出力を禁止するドットパターンと比較し、その同一性を判定する裏面ドットパターン判定手段と、検出したドットパターンと出力を禁止するドットパターンとの同一性が判定された場合、前記画像データの再現に規制力を及ぼす再現規制手段と、を具備する。
したがって、原稿画像の種類を問わず、原稿画像の表裏両面の画像データから検出したドットパターンと記憶領域に記憶されているドットパターンとの同一性を原稿画像の表裏両面で確認することで、原稿画像の画像データの出力を禁止すべきかどうかが判定され、この判定に応じて、原稿画像の表裏両面の画像データの再現に規制力が及ぼされる。
ここで、「ドットパターン」というのは、原稿画像の画像データに含まれる背景画像または前面画像に埋め込まれた、つまりドットによって形成された何らかのパターンを意味する。この場合、ドットというのは、画像を形成するドットを意味するに過ぎず、パターン自体がドットのパターンである必要はない。例えば、ドットの集合により形成される細線パターンや特定の模様パターン等もドットパターンになり得る。
請求項5記載の発明は、請求項4記載の画像処理装置において、前記再現規制手段は、出力を禁止するドットパターンとの同一性が判定された前記画像データに対し、画像変化させ、もしくは画像を破壊する処理を施す。
したがって、出力を禁止するドットパターンとの同一性が判定された画像データは、例えば画像を塗りつぶして灰色にされ、白紙のまま、若しくは「複写禁止文書」のような文字を加えて印字された状態にすることが可能になることにより、画像読取手段で読み取った原稿画像が機密文書である場合には、その再現が防止される。
請求項6記載の発明は、請求項4記載の画像処理装置において、前記再現規制手段は、出力を禁止するドットパターンとの同一性が判定された前記画像データの出力を中止する。
したがって、出力を禁止するドットパターンとの同一性が判定された画像データは、その出力が中止されることにより、画像読取手段で読み取った原稿画像が機密文書である場合には、その再現が防止される。
請求項7記載の発明は、請求項1ないし6のいずれか一記載の画像処理装置において、前記画像読取手段は、原稿表面画像を読み取って表面の画像データを得る表面画像読取手段と、原稿裏面画像を読み取って裏面の画像データを得る裏面画像読取手段と、を具備する。
したがって、表裏両面同時読み取りが可能になる。
請求項8記載の発明は、請求項7記載の画像処理装置において、前記表面画像読取手段の読取方式と、前記裏面画像読取手段の読取方式とが異なる。
したがって、例えば裏面画像読取手段のみを密着型イメージセンサ(CIS)構成とすることが可能になる。
請求項9記載の発明は、請求項7または8記載の画像処理装置において、一回の原稿搬送動作で、前記表面画像読取手段及び前記裏面画像読取手段による両面同時読み取りが可能である。
したがって、画像読み取り速度を向上させることが可能になる。
請求項10記載の発明は、請求項7記載の画像処理装置において、前記表面画像読取手段の読取方式と前記裏面画像読取手段の読取方式とが異なる場合、各読取方式に応じて機密文書検知パラメータを変更する。
したがって、例えば裏面画像読取手段が密着型イメージセンサ(CIS)構成である場合には、表面画像読取手段に比べて白地の読取濃度が低い傾向にあることから、表面画像読取手段で読み取った画像データの黒ドット検出の前処理で行う2値化処理の閾値(機密文書検知パラメータ)を、裏面画像読取手段で読み取った画像データの2値化処理の閾値(機密文書検知パラメータ)よりも大きくすることが可能になる。
請求項11記載の発明は、請求項7記載の画像処理装置において、前記表面画像読取手段の読取方式と前記裏面画像読取手段の読取方式とが異なる場合、各読取方式に応じてドットパターン検出パラメータを変更する。
したがって、例えば裏面画像読取手段が密着型イメージセンサ(CIS)構成である場合には、表面画像読取手段に比べて白地の読取濃度が低い傾向にあることから、表面画像読取手段で読み取った画像データの黒ドット検出の前処理で行う2値化処理の閾値(ドットパターン検出パラメータ)を、裏面画像読取手段で読み取った画像データの2値化処理の閾値(ドットパターン検出パラメータ)よりも大きくすることが可能になる。
請求項12記載の発明のコンピュータ読取可能な画像処理プログラムは、コンピュータにインストールされ、このコンピュータに、画像読取手段により読み取られた表裏両面の画像データから、原稿画像が機密文書画像であるか否かを検知する機密文書画像検知機能と、機密文書画像であると検知された前記画像データの再現に規制力を及ぼす再現規制機能と、を実行させる。
したがって、原稿画像の種類を問わず、原稿画像が機密文書画像であるか否かが原稿画像の表裏両面の画像データで検知され、この検知に応じて、原稿画像の表裏両面の画像データの再現に規制力が及ぼされる。
請求項13記載の発明は、請求項12記載の画像処理プログラムにおいて、前記再現規制機能は、機密文書画像であると検知された前記画像データに対し、画像変化させ、もしくは画像を破壊する処理を施す。
したがって、機密文書画像であると検知された画像データは、例えば画像を塗りつぶして灰色にされ、白紙のまま、若しくは「複写禁止文書」のような文字を加えて印字された状態にすることが可能になることにより、画像読取手段で読み取った原稿画像が機密文書である場合には、その再現が防止される。
請求項14記載の発明は、請求項12記載の画像処理プログラムにおいて、前記再現規制機能は、機密文書画像であると検知された前記画像データの出力を中止する。
したがって、機密文書画像であると検知された画像データは、その出力が中止されることにより、画像読取手段で読み取った原稿画像が機密文書である場合には、その再現が防止される。
請求項15記載の発明のコンピュータ読取可能な画像処理プログラムは、コンピュータにインストールされ、このコンピュータに、画像読取手段により読み取られた原稿表面画像の画像データに含まれる背景画像または前面画像に埋め込まれたドットパターンを検出する表面ドットパターン検出機能と、検出したドットパターンを、記憶領域に記憶されている出力を禁止するドットパターンと比較し、その同一性を判定する表面ドットパターン判定機能と、前記画像読取手段により読み取られた原稿裏面画像の前記画像データに含まれる背景画像または前面画像に埋め込まれたドットパターンを検出する裏面ドットパターン検出機能と、検出したドットパターンを、記憶領域に記憶されている出力を禁止するドットパターンと比較し、その同一性を判定する裏面ドットパターン判定機能と、検出したドットパターンと出力を禁止するドットパターンとの同一性が判定された場合、前記画像データの再現に規制力を及ぼす再現規制機能と、を実行させる。
したがって、原稿画像の種類を問わず、原稿画像の表裏両面の画像データから検出したドットパターンと記憶領域に記憶されているドットパターンとの同一性を原稿画像の表裏両面で確認することで、原稿画像の画像データの出力を禁止すべきかどうかが判定され、この判定に応じて、原稿画像の表裏両面の画像データの再現に規制力が及ぼされる。
ここで、「ドットパターン」というのは、原稿画像の画像データに含まれる背景画像または前面画像に埋め込まれた、つまりドットによって形成された何らかのパターンを意味する。この場合、ドットというのは、画像を形成するドットを意味するに過ぎず、パターン自体がドットのパターンである必要はない。例えば、ドットの集合により形成される細線パターンや特定の模様パターン等もドットパターンになり得る。
請求項16記載の発明は、請求項15記載の画像処理プログラムにおいて、前記再現規制機能は、出力を禁止するドットパターンとの同一性が判定された前記画像データに対し、画像変化させ、もしくは画像を破壊する処理を施す。
したがって、出力を禁止するドットパターンとの同一性が判定された画像データは、例えば画像を塗りつぶして灰色にされ、白紙のまま、若しくは「複写禁止文書」のような文字を加えて印字された状態にすることが可能になることにより、画像読取手段で読み取った原稿画像が機密文書である場合には、その再現が防止される。
請求項17記載の発明は、請求項15記載の画像処理プログラムにおいて、前記再現規制機能は、出力を禁止するドットパターンとの同一性が判定された前記画像データの出力を中止する。
したがって、出力を禁止するドットパターンとの同一性が判定された画像データは、その出力が中止されることにより、画像読取手段で読み取った原稿画像が機密文書である場合には、その再現が防止される。
請求項18記載の発明は、請求項12記載の画像処理プログラムにおいて、表面画像の読取方式と裏面画像の読取方式とが異なる場合、各読取方式に応じて機密文書検知パラメータを変更する。
したがって、例えば裏面画像読取手段が密着型イメージセンサ(CIS)構成である場合には、表面画像読取手段に比べて白地の読取濃度が低い傾向にあることから、表面画像読取手段で読み取った画像データの黒ドット検出の前処理で行う2値化処理の閾値(機密文書検知パラメータ)を、裏面画像読取手段で読み取った画像データの2値化処理の閾値(機密文書検知パラメータ)よりも大きくすることが可能になる。
請求項19記載の発明は、請求項15記載の画像処理プログラムにおいて、表面画像の読取方式と裏面画像の読取方式とが異なる場合、各読取方式に応じてドットパターン検出パラメータを変更する。
したがって、例えば裏面画像読取手段が密着型イメージセンサ(CIS)構成である場合には、表面画像読取手段に比べて白地の読取濃度が低い傾向にあることから、表面画像読取手段で読み取った画像データの黒ドット検出の前処理で行う2値化処理の閾値(ドットパターン検出パラメータ)を、裏面画像読取手段で読み取った画像データの2値化処理の閾値(ドットパターン検出パラメータ)よりも大きくすることが可能になる。
請求項20記載の発明の記憶媒体は、請求項12ないし19のいずれか一記載の画像処理プログラムを記憶する。
したがって、請求項12ないし19記載の画像処理プログラムを有体物の形態で取り扱うことが可能となる。
請求項21記載の発明の画像処理方法は、原稿表面画像と原稿裏面画像との両方を読み取って表裏両面の画像データをそれぞれ得る画像読取工程と、前記画像読取工程により読み取られた表裏両面の前記画像データから、原稿画像が機密文書画像であるか否かを検知する機密文書画像検知工程と、機密文書画像であると検知された前記画像データの再現に規制力を及ぼす再現規制工程と、を具備する。
したがって、原稿画像の種類を問わず、原稿画像が機密文書画像であるか否かが原稿画像の表裏両面の画像データで検知され、この検知に応じて、原稿画像の表裏両面の画像データの再現に規制力が及ぼされる。
請求項22記載の発明の画像処理方法は、原稿表面画像と原稿裏面画像との両方を読み取って表裏両面の画像データをそれぞれ得る画像読取工程と、前記画像読取工程により読み取られた原稿表面画像の前記画像データに含まれる背景画像または前面画像に埋め込まれたドットパターンを検出する表面ドットパターン検出工程と、検出したドットパターンを、記憶領域に記憶されている出力を禁止するドットパターンと比較し、その同一性を判定する表面ドットパターン判定工程と、前記画像読取工程により読み取られた原稿裏面画像の前記画像データに含まれる背景画像または前面画像に埋め込まれたドットパターンを検出する裏面ドットパターン検出工程と、検出したドットパターンを、記憶領域に記憶されている出力を禁止するドットパターンと比較し、その同一性を判定する裏面ドットパターン判定工程と、検出したドットパターンと出力を禁止するドットパターンとの同一性が判定された場合、前記画像データの再現に規制力を及ぼす再現規制工程と、を具備する。
したがって、原稿画像の種類を問わず、原稿画像の表裏両面の画像データから検出したドットパターンと記憶領域に記憶されているドットパターンとの同一性を原稿画像の表裏両面で確認することで、原稿画像の画像データの出力を禁止すべきかどうかが判定され、この判定に応じて、原稿画像の表裏両面の画像データの再現に規制力が及ぼされる。
請求項1記載の発明の画像処理装置によれば、原稿表面画像と原稿裏面画像との両方を読み取って表裏両面の画像データをそれぞれ得る画像読取手段と、前記画像読取手段により読み取られた表裏両面の前記画像データから、原稿画像が機密文書画像であるか否かを検知する機密文書画像検知手段と、機密文書画像であると検知された前記画像データの再現に規制力を及ぼす再現規制手段と、を具備することにより、原稿画像の種類を問わず、原稿画像が機密文書画像であるか否かを原稿画像の表裏両面の画像データで検知し、この検知に応じて、原稿画像の表裏両面の画像データの再現に規制力を及ぼすことができるので、機密文書の再現処理を表面のみならず裏面についても確実に防止することができる。
請求項2記載の発明によれば、請求項1記載の画像処理装置において、前記再現規制手段は、機密文書画像であると検知された前記画像データに対し、画像変化させ、もしくは画像を破壊する処理を施すことにより、機密文書画像であると検知された画像データは、例えば画像を塗りつぶして灰色にされ、白紙のまま、若しくは「複写禁止文書」のような文字を加えて印字された状態にすることができるので、画像読取手段で読み取った原稿画像が機密文書である場合には、その再現を防止することができる。
請求項3記載の発明によれば、請求項1記載の画像処理装置において、前記再現規制手段は、機密文書画像であると検知された前記画像データの出力を中止することにより、画像読取手段で読み取った原稿画像が機密文書である場合には、その再現を防止することができる。
請求項4記載の発明の画像処理装置によれば、原稿表面画像と原稿裏面画像との両方を読み取って表裏両面の画像データをそれぞれ得る画像読取手段と、前記画像読取手段により読み取られた原稿表面画像の前記画像データに含まれる背景画像または前面画像に埋め込まれたドットパターンを検出する表面ドットパターン検出手段と、検出したドットパターンを、記憶領域に記憶されている出力を禁止するドットパターンと比較し、その同一性を判定する表面ドットパターン判定手段と、前記画像読取手段により読み取られた原稿裏面画像の前記画像データに含まれる背景画像または前面画像に埋め込まれたドットパターンを検出する裏面ドットパターン検出手段と、検出したドットパターンを、記憶領域に記憶されている出力を禁止するドットパターンと比較し、その同一性を判定する裏面ドットパターン判定手段と、検出したドットパターンと出力を禁止するドットパターンとの同一性が判定された場合、前記画像データの再現に規制力を及ぼす再現規制手段と、を具備することにより、原稿画像の種類を問わず、原稿画像の表裏両面の画像データから検出したドットパターンと記憶領域に記憶されているドットパターンとの同一性を原稿画像の表裏両面で確認することで、原稿画像の画像データの出力を禁止すべきかどうかが判定され、この判定に応じて、原稿画像の表裏両面の画像データの再現に規制力を及ぼすことができるので、機密文書の再現処理を表面のみならず裏面についても確実に防止することができる。
請求項5記載の発明によれば、請求項4記載の画像処理装置において、前記再現規制手段は、出力を禁止するドットパターンとの同一性が判定された前記画像データに対し、画像変化させ、もしくは画像を破壊する処理を施すことにより、出力を禁止するドットパターンとの同一性が判定された画像データは、例えば画像を塗りつぶして灰色にされ、白紙のまま、若しくは「複写禁止文書」のような文字を加えて印字された状態にすることができるので、画像読取手段で読み取った原稿画像が機密文書である場合には、その再現を防止することができる。
請求項6記載の発明によれば、請求項4記載の画像処理装置において、前記再現規制手段は、出力を禁止するドットパターンとの同一性が判定された前記画像データの出力を中止することにより、画像読取手段で読み取った原稿画像が機密文書である場合には、その再現を防止することができる。
請求項7記載の発明によれば、請求項1ないし6のいずれか一記載の画像処理装置において、前記画像読取手段は、原稿表面画像を読み取って表面の画像データを得る表面画像読取手段と、原稿裏面画像を読み取って裏面の画像データを得る裏面画像読取手段と、を具備することにより、表裏両面を同時に読み取ることができる。
請求項8記載の発明によれば、請求項7記載の画像処理装置において、前記表面画像読取手段の読取方式と、前記裏面画像読取手段の読取方式とが異なることにより、例えば裏面画像読取手段のみを密着型イメージセンサ(CIS)構成とすることができる。
請求項9記載の発明によれば、請求項7または8記載の画像処理装置において、一回の原稿搬送動作で、前記表面画像読取手段及び前記裏面画像読取手段による両面同時読み取りが可能であることにより、画像読み取り速度を向上させることができる。
請求項10記載の発明によれば、請求項7記載の画像処理装置において、前記表面画像読取手段の読取方式と前記裏面画像読取手段の読取方式とが異なる場合、各読取方式に応じて機密文書検知パラメータを変更することにより、例えば裏面画像読取手段が密着型イメージセンサ(CIS)構成である場合には、表面画像読取手段に比べて白地の読取濃度が低い傾向にあることから、表面画像読取手段で読み取った画像データの黒ドット検出の前処理で行う2値化処理の閾値(機密文書検知パラメータ)を、裏面画像読取手段で読み取った画像データの2値化処理の閾値(機密文書検知パラメータ)よりも大きくすることができる。
請求項11記載の発明によれば、請求項7記載の画像処理装置において、前記表面画像読取手段の読取方式と前記裏面画像読取手段の読取方式とが異なる場合、各読取方式に応じてドットパターン検出パラメータを変更することにより、例えば裏面画像読取手段が密着型イメージセンサ(CIS)構成である場合には、表面画像読取手段に比べて白地の読取濃度が低い傾向にあることから、表面画像読取手段で読み取った画像データの黒ドット検出の前処理で行う2値化処理の閾値(ドットパターン検出パラメータ)を、裏面画像読取手段で読み取った画像データの2値化処理の閾値(ドットパターン検出パラメータ)よりも大きくすることができる。
請求項12記載の発明のコンピュータ読取可能な画像処理プログラムによれば、コンピュータにインストールされ、このコンピュータに、画像読取手段により読み取られた表裏両面の画像データから、原稿画像が機密文書画像であるか否かを検知する機密文書画像検知機能と、機密文書画像であると検知された前記画像データの再現に規制力を及ぼす再現規制機能と、を実行させることにより、原稿画像の種類を問わず、原稿画像が機密文書画像であるか否かを原稿画像の表裏両面の画像データで検知し、この検知に応じて、原稿画像の表裏両面の画像データの再現に規制力を及ぼすことができるので、機密文書の再現処理を表面のみならず裏面についても確実に防止することができる。
請求項13記載の発明によれば、請求項12記載の画像処理プログラムにおいて、前記再現規制機能は、機密文書画像であると検知された前記画像データに対し、画像変化させ、もしくは画像を破壊する処理を施すことにより、機密文書画像であると検知された画像データは、例えば画像を塗りつぶして灰色にされ、白紙のまま、若しくは「複写禁止文書」のような文字を加えて印字された状態にすることが可能になることにより、画像読取手段で読み取った原稿画像が機密文書である場合には、その再現を防止することができる。
請求項14記載の発明によれば、請求項12記載の画像処理プログラムにおいて、前記再現規制機能は、機密文書画像であると検知された前記画像データの出力を中止することにより、画像読取手段で読み取った原稿画像が機密文書である場合には、その再現を防止することができる。
請求項15記載の発明のコンピュータ読取可能な画像処理プログラムによれば、コンピュータにインストールされ、このコンピュータに、画像読取手段により読み取られた原稿表面画像の画像データに含まれる背景画像または前面画像に埋め込まれたドットパターンを検出する表面ドットパターン検出機能と、検出したドットパターンを、記憶領域に記憶されている出力を禁止するドットパターンと比較し、その同一性を判定する表面ドットパターン判定機能と、前記画像読取手段により読み取られた原稿裏面画像の前記画像データに含まれる背景画像または前面画像に埋め込まれたドットパターンを検出する裏面ドットパターン検出機能と、検出したドットパターンを、記憶領域に記憶されている出力を禁止するドットパターンと比較し、その同一性を判定する裏面ドットパターン判定機能と、検出したドットパターンと出力を禁止するドットパターンとの同一性が判定された場合、前記画像データの再現に規制力を及ぼす再現規制機能と、を実行させることにより、原稿画像の種類を問わず、原稿画像の表裏両面の画像データから検出したドットパターンと記憶領域に記憶されているドットパターンとの同一性を原稿画像の表裏両面で確認することで、原稿画像の画像データの出力を禁止すべきかどうかが判定され、この判定に応じて、原稿画像の表裏両面の画像データの再現に規制力を及ぼすことができるので、機密文書の再現処理を表面のみならず裏面についても確実に防止することができる。
請求項16記載の発明によれば、請求項15記載の画像処理プログラムにおいて、前記再現規制機能は、出力を禁止するドットパターンとの同一性が判定された前記画像データに対し、画像変化させ、もしくは画像を破壊する処理を施すことにより、出力を禁止するドットパターンとの同一性が判定された画像データは、例えば画像を塗りつぶして灰色にされ、白紙のまま、若しくは「複写禁止文書」のような文字を加えて印字された状態にすることが可能になることにより、画像読取手段で読み取った原稿画像が機密文書である場合には、その再現を防止することができる。
請求項17記載の発明によれば、請求項15記載の画像処理プログラムにおいて、前記再現規制機能は、出力を禁止するドットパターンとの同一性が判定された前記画像データの出力を中止することにより、画像読取手段で読み取った原稿画像が機密文書である場合には、その再現を防止することができる。
請求項18記載の発明によれば、請求項12記載の画像処理プログラムにおいて、表面画像の読取方式と裏面画像の読取方式とが異なる場合、各読取方式に応じて機密文書検知パラメータを変更することにより、例えば裏面画像読取手段が密着型イメージセンサ(CIS)構成である場合には、表面画像読取手段に比べて白地の読取濃度が低い傾向にあることから、表面画像読取手段で読み取った画像データの黒ドット検出の前処理で行う2値化処理の閾値(機密文書検知パラメータ)を、裏面画像読取手段で読み取った画像データの2値化処理の閾値(機密文書検知パラメータ)よりも大きくすることができる。
請求項19記載の発明によれば、請求項15記載の画像処理プログラムにおいて、表面画像の読取方式と裏面画像の読取方式とが異なる場合、各読取方式に応じてドットパターン検出パラメータを変更することにより、例えば裏面画像読取手段が密着型イメージセンサ(CIS)構成である場合には、表面画像読取手段に比べて白地の読取濃度が低い傾向にあることから、表面画像読取手段で読み取った画像データの黒ドット検出の前処理で行う2値化処理の閾値(ドットパターン検出パラメータ)を、裏面画像読取手段で読み取った画像データの2値化処理の閾値(ドットパターン検出パラメータ)よりも大きくすることができる。
請求項20記載の発明の記憶媒体によれば、請求項12ないし19のいずれか一記載の画像処理プログラムを記憶することにより、請求項12ないし19記載の画像処理プログラムを有体物の形態で取り扱うことができる。
請求項21記載の発明の画像処理方法によれば、原稿表面画像と原稿裏面画像との両方を読み取って表裏両面の画像データをそれぞれ得る画像読取工程と、前記画像読取工程により読み取られた表裏両面の前記画像データから、原稿画像が機密文書画像であるか否かを検知する機密文書画像検知工程と、機密文書画像であると検知された前記画像データの再現に規制力を及ぼす再現規制工程と、を具備ことにより、原稿画像の種類を問わず、原稿画像が機密文書画像であるか否かを原稿画像の表裏両面の画像データで検知し、この検知に応じて、原稿画像の表裏両面の画像データの再現に規制力を及ぼすことができるので、機密文書の再現処理を表面のみならず裏面についても確実に防止することができる。
請求項22記載の発明の画像処理方法によれば、原稿表面画像と原稿裏面画像との両方を読み取って表裏両面の画像データをそれぞれ得る画像読取工程と、前記画像読取工程により読み取られた原稿表面画像の前記画像データに含まれる背景画像または前面画像に埋め込まれたドットパターンを検出する表面ドットパターン検出工程と、検出したドットパターンを、記憶領域に記憶されている出力を禁止するドットパターンと比較し、その同一性を判定する表面ドットパターン判定工程と、前記画像読取工程により読み取られた原稿裏面画像の前記画像データに含まれる背景画像または前面画像に埋め込まれたドットパターンを検出する裏面ドットパターン検出工程と、検出したドットパターンを、記憶領域に記憶されている出力を禁止するドットパターンと比較し、その同一性を判定する裏面ドットパターン判定工程と、検出したドットパターンと出力を禁止するドットパターンとの同一性が判定された場合、前記画像データの再現に規制力を及ぼす再現規制工程と、を具備することにより、原稿画像の種類を問わず、原稿画像の表裏両面の画像データから検出したドットパターンと記憶領域に記憶されているドットパターンとの同一性を原稿画像の表裏両面で確認することで、原稿画像の画像データの出力を禁止すべきかどうかが判定され、この判定に応じて、原稿画像の表裏両面の画像データの再現に規制力を及ぼすことができるので、機密文書の再現処理を表面のみならず裏面についても確実に防止することができる。
本発明の第一の実施の形態を図1ないし図14に基づいて説明する。
[1.原稿画像の説明]
まず、本実施の形態における画像処理装置、画像処理方法等に用いられる原稿画像について図1ないし図11を参照しながら説明する。
図1は、原稿画像を例示する正面図である。図2は、原稿画像に埋め込まれたドットパターンが浮き上がって見えている原稿画像の複写物の一例を示す模式図である。図3は、原稿画像に埋め込まれたドットパターンが浮き上がって見えている原稿画像の複写物の別の一例を示す模式図である。図4は、図3に例示するドットパターンを拡大して示す模式図である。図5は、図2に例示するドットパターンを拡大して示す模式図である。
原稿画像101、図1に示す例では契約書である原稿画像101を作成する原稿用紙102として、その背景に、機密文書であることを示すドットパターン103が埋め込まれた原稿用紙102が用いられている。もっとも、別の実施の形態として、ドットパターン103が形成されていない原稿用紙102を用い、契約書である原稿画像101を作成するに際して同時にドットパターン103を形成するようにしても良い。つまり、ドットパターン103は、原稿用紙102に予め印刷形成されていても良く、原稿用紙102に文字や図形等を画像形成するに際して同時に画像形成するようにしても良い。
図1ないし図5を参照して説明するドットパターン103は、ベース領域104とメッセージ領域105とを含んでいる。ベース領域104は、原稿用紙102の大部分を占める地部分の領域である。メッセージ領域105は、そのようなベース領域104中に分散されたメッセージを表現する領域である。これらのベース領域104とメッセージ領域105とは、ドットパターン103それ自体の基本的な構成そのものを異にするわけではなく、ドットパターン103に対する人間の価値判断としてベース領域104とメッセージ領域105とに別れているに過ぎない。本実施の形態において、メッセージ領域105は「複写禁止」という文字から構成されている。このようなメッセージ領域105を構成する文字としては、「複写禁止」の他、いかなる文字や記号その他のものをも用い得る。
このような原稿用紙102を用いて作成された原稿画像101は、この原稿画像101が複写等されると、ドットパターン103の一部が浮かび上がる。この場合、図2に例示する原稿画像101では、「複写禁止」という文字で表現されたメッセージ領域105が浮かび上がり、図3に例示する原稿画像101では、ベース領域104が浮かび上がる。
このように、ドットパターン103が埋め込まれた原稿画像101が複写されると、ドットパターン103においてメッセージ領域105とベース領域104との何れか一方が浮かび上がるのは、他方の領域104又は105が複写(再現)されにくいからである。換言すると、浮かび上がらない方の領域104又は105が消えることによって、残った方の領域104又は105が浮かび上がって見えるわけである。
このような現象を生じさせるドットパターン103は、例えば、図4及び図5に例示するように、大きさが異なる二種類のドット106の集合によって構成されている。つまり、これらの二種類のドット106のうち、小さなドット106bは複写(再現)されにくく、大きなドット106aは複写(再現)される。そこで、複写後にメッセージ領域105が浮き上がる図2に例示するドットパターン103では、図5に示すように、ベース領域104を構成する方に小さなドット106bが用いられ、メッセージ領域105を構成する方に大きなドット106aが用いられている。反対に、複写後にベース領域104が浮き上がる図3に例示するドットパターン103では、図4に示すように、メッセージ領域105を構成する方に小さなドット106bが用いられ、ベース領域104を構成する方に大きなドット106aが用いられている。
ドットパターン103の他の構成例として、浮かび上がるメッセージ領域105又はベース領域104は、ドットに限らず、細線パターンや特定の模様パターン等によっても構成可能である。
ここで、本実施の形態では、メッセージ領域105又はベース領域104を特徴量として扱う。例えば、浮かび上がるメッセージ領域105又はベース領域104がドット106で構成されているとすると、そのサイズ、密度(単位面積当たりにおけるドット数)、ドット間距離、ドット配置を、浮かび上がるメッセージ領域105又はベース領域104が細線パターンで構成されているとすると、その線の幅を、浮かび上がるメッセージ領域105又はベース領域104が特定の模様パターンで構成されているとすると、その模様の特徴等を、それぞれ特徴量として用いることができる。
以上の例では、浮かび上がるメッセージ領域105又はベース領域104についての特徴量について限定したが、このような特徴量として、浮かび上がらないベース領域104又はメッセージ領域105、あるいは浮かび上がるメッセージ領域105又はベース領域104と浮かび上がらないベース領域104又はメッセージ領域105との双方について、それぞれの特徴量を求めても良い。要は、ドットパターン103が埋め込まれた画像データが記録された原稿画像101が読み取られた際にそのベース領域104又はメッセージ領域105の何れか一方又は両方がデータとして判読できるものであれば、それを特徴量として扱うことが可能である。又は、データの形態で存在するドットパターン103が埋め込まれた画像データにおいて、そのドットパターン103を構成するベース領域104又はメッセージ領域105の何れか一方又は両方がデータとして判読できるものであれば、それを特徴量として扱うことが可能である。
別の実施の形態としては、前述した通り、ドットパターンとして、図6及び図7に例示するように、ベース領域104及びメッセージ領域105を有するドットパターン103ではないパターンを持ち得る。図6は、図1ないし図5を参照して説明したものとは別の実施の形態として、原稿画像とそのドットパターンとを例示する正面図、図7は図6とは異なる原稿画像とそのドットパターンとを例示する正面図である。図6及び図7に例示するドットパターン103は、単一の大きさのドット106から構成されている。このような図6及び図7に例示するドットパターン103は、いわば、図2ないし図5に例示するドットパターン103におけるベース領域104のみに相当するパターン、メッセージ領域105のみに相当するパターンと同様のものとして把握することが可能である。つまり、ベース領域104に相当するドットパターン103又はメッセージ領域105に相当するドットパターン103であっても、そのようなドットパターン103を有する原稿画像101が読み取られた際にそのドットパターン103がデータとして判読できれば、それを特徴量として扱うことが可能である。
図6に例示するドットパターン103は、原稿用紙102に描画された原稿画像101の背景画像として構成されている。この意味で、図2ないし図5に例示するドットパターン103と同様に、背景ドットパターンとなる。これに対して、図7に例示するドットパターン103は、原稿用紙102に描画された原稿画像101の上に描画されている。したがって、図7に例示するドットパターン103は、背景ドットパターンではなく、いわば前面ドットパターンである。
ここで、図2ないし図5、図6、図7に示すドットパターン103は、いずれも、ドットパターン103を構成する単一のドット106同士の関係が特徴量を持つドットパターン103である。つまり、図2ないし図5、図6、図7に示すドットパターン103の特徴量としては、ドット密度(単位面積当たりにおけるドット数)とドット間距離とドット配置とを挙げることができるが、これらの特徴量は、いずれも、ドットパターン103を構成する単一のドット106同士の関係に含まれている。ここでは、ドット密度という特徴量とドット間距離という特徴量とを比較して考察する。
まず、ドット106の密度であるドット密度は、前述したように、単位面積当たりにおけるドット数である。この特徴量は、判定対象となるある単位面積中のドットの数を計数することで判定可能である。実際のドット数を計数する場合、ある程度の検出漏れや誤検出が生ずる。そこで、計数したドット数の多少に対してある程度の許容値(閾値)を設定することで、ドット106の密度を特徴量としてその特徴量の検出が可能となる。この場合、計数したドット数の多少に対して設定する閾値が厳しい値、つまり許容範囲が小さい値であれば、判定漏れが生じ易く、反対に、計数したドット数の多少に対して設定する閾値が緩い値、つまり許容範囲が大きい値であれば、判定漏れが生じにくくなる。
ところが、図6に例示するドットパターン103を参照すると、ドットパターン103が含むあるドット106は原稿用紙102に描画された原稿画像101によって検出不可能な状態となっている。これに対して、図7に例示するドットパターン103では、原稿用紙102に描画された原稿画像101の上にドットパターン103が描画されていることから、図6に例示するドットパターン103よりは各ドット106を検出し易い状態である。しかしながら、原稿用紙102に描画された原稿画像101と重なるドット106については、必ずしも正しく検出できるとは限らない。このため、ドット数を検出することができる程度は、原稿用紙102に描画された原稿画像101の態様に大きく影響される。したがって、ドット密度を特徴量とした場合には、計数したドット数の多少に対してある程度の許容値(閾値)を設定したとしても、その特徴量の判定に判定漏れが生じ易いと言える。
次いで、隣接するドット106の間の距離dであるドット間距離を特徴量とする場合について図8及び図9を参照して説明する。図8はドット間距離をdとするドットパターン103を例示する模式図、図9はドット間距離を横軸に取りその出現頻度を縦軸に取って隣接するドット106の間の距離分布を表現するグラフである。
図8に示すように、隣接する二つのドット106の間の距離dが一定であるドットパターン103においては、このドットパターン103を構成するドット106のうち、隣接する二つのドット106の間の距離dであるドット間距離は特徴量となる。原稿画像101との重なりが生じている図6や図7に例示するドットパターン103であっても、隣接するドット106の間の距離dを特徴量とする限り、その特徴量を正しく検出することが可能である。この場合、ドットパターン103からドット106を検出し、隣接するドット106の間の距離dを複数判定した場合には、図9のグラフに示すように、正しいドット106の間の距離dをピーク値とする尖った山形の分布を描く。そこで、距離dに対してある程度の許容値(閾値)を設定することで、ドット106の間の距離dを特徴量としてより確実にその特徴量の検出が可能となる。この場合、図9のグラフから明らかなように、距離dに対して設定する閾値が厳しい値、つまり許容範囲が小さい値であれば、判定漏れが生じ易く、反対に、距離dに対して設定する閾値が緩い値、つまり許容範囲が大きい値であれば、判定漏れが生じにくくなる。
さらに別の実施の形態としては、前述したような単純なマトリックス状の繰り返しドットパターンではなく、図10及び図11に例示するように、複数ドット106から構成されるドットパターン107を一単位とし、このドットパターン107を複数配することによってドットパターン103を形成するようにしたものである。図10は図1ないし図9を参照して説明したものとは別の実施の形態として、原稿画像とそのドットパターン103とを例示する正面図、図11は図10に例示するドットパターン107を拡大して示す模式図である。図10及び図11に例示するドットパターン107は、3つの孤立黒ドット106が所定の空間配置(位置関係)で存在するパターンである。したがって、この実施の形態では、複数のドット106から構成されるドットパターン107をパターンマッチングにより検知し、このドットパターン107の密度を特徴量として複写禁止とされる機密文書であるか否かを判定する。
[2.画像処理装置の説明]
本実施の形態は、画像処理装置としてデジタル複写機に適用したもので、図12は本実施の形態のデジタル複写機の概略構造を示す縦断正面図である。
図12に示すように、このデジタル複写機は、両面読取機能を有する画像読取手段としてのスキャナ1と、このスキャナ1で読取った画像データに基づいて電子写真方式により記録媒体である用紙20上に画像形成を行うプリンタ2とを備えている。また、このデジタル複写機には、スタートキーやアボートキー等の各種のキーを備えるキーボード(図示せず)と、ディスプレイ(図示せず)とを備えた操作パネルP(図13参照)が設けられている。また、キーボードには、A4、B5等の規定の用紙サイズの指定を受け付ける用紙指定キーや、不定サイズの用紙の寸法の手動による入力を受け付ける置数キー、各種モードを選択するモードキー(ともに図示せず)等が設けられている。
スキャナ1は、その上部にADF(Auto Document Feeder)1aを有するもので、表面画像読取手段である表面用画像読取部3、裏面画像読取手段である裏面用画像読取部4、原稿セット部5、原稿排紙部6、原稿搬送経路7、多数の搬送ローラ8、第1のコンタクトガラス9、第2のコンタクトガラス10、第1の読取ローラ11、白色ローラである第2の読取ローラ12等により構成されている。
第1のコンタクトガラス9は、原稿固定モードでの原稿画像の読取時に原稿を載置するためのもので、第2のコンタクトガラス10は、原稿搬送モードでの原稿画像の読取時に使用されるものである。ここで、原稿固定モードとは、第1のコンタクトガラス9上に載置された状態の原稿の画像を読取る動作モードであり、原稿搬送モードとは、ADF1aにより原稿を自動給紙し、自動給紙された原稿が第2のコンタクトガラス10上を通過する際にその原稿の画像を読取る動作モードである。
原稿セット部5には、読取対象となる原稿がセットされ、原稿排紙部6には画像が読取られた原稿が排紙される。原稿搬送経路7は、原稿セット部5と原稿排紙部6との間に設けられた経路であって、画像が読取られる原稿が1枚ずつ搬送される。原稿の読取りの際には、モードを切換えることにより、原稿が片面原稿の場合には表面用画像読取部3のみにより画像の読取りが行われ、原稿が両面原稿の場合には表面用画像読取部3と裏面用画像読取部4とにより画像の読取りが行われる。
なお、ADF1aには、原稿のサイズを検出するサイズ検出センサ(図示せず)が設けられている。
表面用画像読取部3は、原稿の露光用の露光ランプ31及び第一反射ミラー32からなる第一走行体33と、第二反射ミラー34及び第三反射ミラー35からなる第二走行体36と、原稿の画像(表面画像)を読取る光電変換素子であるCCD(Charge Coupled Device)37と、このCCD37に結像させるためのレンズユニット38とを備えている。このCCD37は、原稿画像を主走査方向(図11紙面に対して表裏方向)に読取るものであり、第一走行体33及び第二走行体36を副走査方向Aに移動し、または、原稿を原稿搬送経路7上を搬送することで、原稿の全体を読取るものである。
より詳細には、コンタクトガラス9上に位置固定に載置された原稿の画像を読取る際には、第一走行体33及び第二走行体36は駆動用のステッピングモータ(図示せず)によって2:1の速度比で副走査方向Aに移動する。すなわち、第一走行体33及び第二走行体36がコンタクトガラス9の下を2:1の速度比で走行することにより、露光ランプ31で原稿が露光走査され、その反射光が第一反射ミラー32、第二反射ミラー34及び第三反射ミラー35で反射され、レンズユニット38を通してCCD37に結像させることで、原稿の全体が副走査されることになる。
一方、コンタクトガラス10と読取ローラ11との間(即ち、原稿搬送経路7上)を搬送される原稿の画像を読取る際(ADF1a使用時)には、第一走行体33及び第二走行体36はホームポジションなる停止位置にセットされ、コンタクトガラス10上を搬送される原稿が露光ランプ31で露光走査され、その反射光が第一反射ミラー32、第二反射ミラー34及び第三反射ミラー35で反射され、レンズユニット38を通してCCD37に結像させることで、原稿の全体が副走査されることになる。この場合、読取ローラ11は駆動用のステッピングモータ(図示せず)により搬送ローラ8と同じ周速で回転駆動され、搬送される原稿をコンタクトガラス10に押し付けるように作用する。
また、裏面用画像読取部4は、光電変換素子であるCCD41を原稿搬送経路7上に直接的に配置した密着型イメージセンサ(CIS)構成のもので、原稿搬送経路7上を搬送される原稿の画像(裏面画像)をCCD41で読取ることができる。白色ローラである第2の読取ローラ12は原稿搬送経路7を挟んで画像読取部4に対向配置され、画像読取部4による原稿の読取りを行う場合には、読取ローラ12は駆動用のステッピングモータ(図示せず)により搬送ローラ8と同じ周速で回転駆動され、原稿の画像面と画像読取部4との距離を一定に維持するように作用する。
すなわち、スキャナ1は、原稿搬送経路7を用いて原稿を搬送する場合(ADF1aの使用時)において、CCD37及びCCD41による両面同時読取りが可能な構成になっている。
プリンタ2は、感光体14、レーザユニット15、現像器16、転写器17、定着器18等により構成されている。この電子写真方式のプリンタ2における画像再生のプロセスを簡単に説明すると、感光体14の周面は、帯電チャージャ(図示せず)によって一様に高電位に帯電される。その周面に画像読取部3又は4により読取られた画像がレーザユニット15からのレーザ光の照射により書込まれ、静電潜像が形成される。より詳細には、レーザ光は記録再生の黒/白に応じてオン/オフされ、なおかつパルス幅変調(PWM)またはパワー変調(PM)によって、感光体14の表面上のレーザ照射エネルギーを制御する。その結果、感光体14の表面上には、記録画像の階調レベルに対応する電位分布、すなわち静電潜像が形成される。静電潜像が形成された部分が現像器16を通ると、その電位の高低に応じてトナーが付着し、静電潜像が、可視化したトナー像となる。トナー像が形成された部分に所定のタイミングで、給紙カセット19から記録媒体である用紙20が給紙され、この給紙された用紙20上に転写器17の働きによってトナー像が転写される。トナー像が転写された用紙20は定着器18で定着処理を受けた後、排紙トレイ21に排紙される。
図13は、デジタル複写機のハードウェア資源を示すブロック図である。本実施の形態のデジタル複写機は、スキャナ1、デジタル回路構成の画像処理部201、及びプリンタ2をシステムコントローラ202で制御する構成とされている。システムコントローラ202は、CPU(Central Processing Unit)202a、ROM(Read Only Memory)202b、及びRAM(Random Access Memory)202cから構築されており、このようなシステムコントローラ202には、スキャナ1で画像読取して得た画像データを蓄積するHDD203と、外部インターフェース204と、操作パネルPとが接続されている。このようなシステムコントローラ202は、そのコンピュータ機能を活用し、操作パネルPからの指示に応じてスキャナ1、画像処理部201、及びプリンタ2を制御し、必要な情報を操作パネルPに返して表示させ、スキャナ1で画像読み取りして得た画像データをプリンタ2で出力する。
ここで、システムコントローラ202は、ROM202bにコンピュータプログラムが記録されたファームウェア構成のデジタル回路構成で構築されていても、HDD203にインストールしたコンピュータプログラムを起動時等にRAM202cにコピーしてコンピュータ動作を実行するマイクロコンピュータ構成で構築されていても、いずれでも良い。
次に、画像処理部201について詳述する。画像処理部201は、表面用画像処理プロセッサ51、機密文書画像検知手段である表面用機密文書検知プロセッサ52、データインタフェースコントローラ53、画像処理プロセッサ54、裏面用画像処理プロセッサ55、及び機密文書画像検知手段である裏面用機密文書検知プロセッサ56を具備している。これらの表面用画像処理プロセッサ51、表面用機密文書検知プロセッサ52、データインタフェースコントローラ53、画像処理プロセッサ54、裏面用画像処理プロセッサ55、及び裏面用機密文書検知プロセッサ56は、デジタル回路構成のハードウェアである。
画像処理部201は、スキャナ1の表面用画像読取部3により読み取られてA/D変換によってデジタルデータに変換された画像データに対して、表面用画像処理プロセッサ51でシェーディング補正、デジタルAE補正などの処理を施す。また、画像処理部201は、上記の処理と並列に、デジタルAE補正処理後の画像データを表面用機密文書検知プロセッサ52へと転送し、表面用機密文書検知プロセッサ52において機密文書であるかどうかの検知処理を行う。
表面用機密文書検知プロセッサ52は、図14に例示するハードウェア構成を有する。ここでは、図1ないし図5に例示した機密文書であることを示すドットパターン103が埋め込まれた原稿用紙102に原稿画像101が形成されている場合を例に挙げて説明する。表面用機密文書検知プロセッサ52は、スキャナ1の表面用画像読取部3によって読み取られた原稿画像101に基づく画像データから黒ドット検出部251によってドット106を検出する。この場合の検出手法としては、デジタル回路によって画像パターンを検出する従来の各種の手法、例えばパターンマッチングを用い得る。次いで、黒ドット密度判断部252は、黒ドット検出部251で検出されたドット106におけるある面積内でのドット密度を計算する。このような計算処理は、デジタル回路構成のカウンタや加算器等によって実行される。
ここで、表面用機密文書検知プロセッサ52は、黒ドット密度判断部252の後段に、ベース領域ドット数判断部253とメッセージ領域ドット数判断部254とを有する。これらのベース領域ドット数判断部253とメッセージ領域ドット数判断部254とは、それぞれ図示しない記憶領域を有する。ベース領域ドット数判断部253は、黒ドット密度判断部252でのドット密度計算の基準となるある面積内における出力を禁止する背景ドットパターン103のベース領域104のドット密度に対する同一性判断の許容値となる閾値と、一つの原稿用紙102が含んでいる出力を禁止する背景ドットパターン103のベース領域104のドット数に対する同一性判断の許容値となる閾値とを記憶保存している。メッセージ領域ドット数判断部254は、黒ドット密度判断部252でのドット密度計算の基準となるある面積内における出力を禁止する背景ドットパターン103のメッセージ領域105のドット密度に対する同一性判断の許容値となる閾値と、一つの原稿用紙102が含んでいる出力を禁止する背景ドットパターン103のメッセージ領域105のドット数に対する同一性判断の許容値となる閾値とを記憶保存している。
そこで、ベース領域ドット数判断部253は、黒ドット密度判断部252で計算されたドット106の密度が、図示しない記憶領域に記憶保存されているドット密度に関する閾値内に含まれていると判定した場合、黒ドット検出部251で検出された同一サイズのドット106のドット数を例えばカウンタに累積する。そして、累積したドットの数が、図示しない記憶領域に記憶保存されているドット数に関する閾値内に含まれている場合、出力が禁止される背景ドットパターン103のベース領域104が存在すると判断し、その判断結果を機密文書判定部211へ出力する。
一方、メッセージ領域ドット数判断部254は、黒ドット密度判断部252で計算されたドット106の密度が、図示しない記憶領域に記憶保存されているドット密度に関する閾値内に含まれていると判定した場合、黒ドット検出部251で検出された同一サイズのドット106のドット数を例えばカウンタに累積する。そして、累積したドットの数が、図示しない記憶領域に記憶保存されているドット数に関する閾値内に含まれている場合、出力が禁止される背景ドットパターン103のメッセージ領域105が存在すると判断し、その判断結果を機密文書判定部255へ出力する。
機密文書判定部255は、前段における処理結果を受け、機密文書の判断処理を、予め設定した判断基準によって実行する。この判断基準は、例えば、機密文書判定部255が備える図示しない記憶領域にパラメータとして保存してもよく、操作パネルPからの入力によってそのような記憶領域に設定されていてもよい。例えば、機密文書判定部255は、スキャナ1の表面用画像読取部3で読み取った原稿画像101中に、背景ドットパターン103のベース領域104とメッセージ領域105との一方が存在する場合に、機密文書であると判断する。あるいは、機密文書判定部255は、スキャナ1の表面用画像読取部3で読み取った原稿画像101中に、背景ドットパターン103のベース領域104とメッセージ領域105との双方が存在する場合に、機密文書であると判断する。
こうして、原稿画像101の画像データに含まれる背景画像に埋め込まれた背景ドットパターン103を画像データから検出する表面ドットパターン検出手段と、検出した背景ドットパターン103を、記憶領域に記憶されている出力を禁止する背景ドットパターンと比較し、その同一性を判定する表面ドットパターン判定手段とが実行されることになる。これにより、本実施の形態では、原稿画像の種類を問わず、検出した背景ドットパターン103と記憶領域に記憶されている背景ドットパターン103との同一性を確認することで、原稿画像101の画像データの出力を禁止すべきかどうかを判定することが可能となる。
こうして、表面用機密文書検知プロセッサ52において、取得した画像データが機密文書画像であるかどうかが判定される。
そして、表面用機密文書検知プロセッサ52は、スキャナ1の表面用画像読取部3で読み取った原稿画像101が機密文書であると判定した場合、表面用画像処理プロセッサ51及びデータインタフェースコントローラ53に対して機密文書が検出されたことを送信する。
以上のようにして表面用機密文書検知プロセッサ52から機密文書であるとの検知結果が送信された表面用画像処理プロセッサ51においては、画像変化させ、もしくは画像を破壊する処理を施す。このような処理が施された画像データは、データインタフェースコントローラ53を経由して画像処理プロセッサ54へと転送され、中間調処理などの画像処理を施される。一方、機密文書でない一般文書の場合には、画像変化させ、もしくは画像を破壊する処理を施すことなく、データインタフェースコントローラ53を経由して画像処理プロセッサ54へと転送され、中間調処理などの画像処理を施される。
同様に、画像処理部201は、スキャナ1の裏面用画像読取部4により読み取られてA/D変換によってデジタルデータに変換された画像データに対して、裏面用画像処理プロセッサ55でシェーディング補正、デジタルAE補正などの処理を施す。また、画像処理部201は、上記の処理と並列に、デジタルAE補正処理後の画像データを裏面用機密文書検知プロセッサ56へと転送し、裏面用機密文書検知プロセッサ56において機密文書であるかどうかの検知処理を行う。なお、裏面用機密文書検知プロセッサ56の構成及び処理については、表面用機密文書検知プロセッサ52と同様であるので、その説明は省略する。
裏面用機密文書検知プロセッサ56において機密文書と判断された場合には、裏面用画像処理プロセッサ55に対して機密文書であるとの検知結果が送信され、裏面用機密文書検知プロセッサ56から機密文書であるとの検知結果が送信された裏面用画像処理プロセッサ55においては、画像変化させ、もしくは画像を破壊する処理を施す。このような処理が施された画像データは、データインタフェースコントローラ53を経由して画像処理プロセッサ54へと転送され、中間調処理などの画像処理を施される。ここに、再現規制手段が実現されている。一方、機密文書でない一般文書の場合には、画像変化させ、もしくは画像を破壊する処理を施すことなく、データインタフェースコントローラ53を経由して画像処理プロセッサ54へと転送され、中間調処理などの画像処理を施される。
プリンタ2は、画像処理プロセッサ54において画像処理を施された画像データをデータインタフェースコントローラ53を経由して受け取り、用紙20に出力する。また、システムコントローラ202は、画像処理プロセッサ54において画像処理を施された画像データをデータインタフェースコントローラ53を経由して受け取り、HDD203に蓄積し、または外部インターフェース204により外部に出力する。
なお、本実施の形態のデジタル複写機においては、表面用機密文書検知プロセッサ52(裏面用機密文書検知プロセッサ56)において機密文書であると検知した場合には、画像の出力を中止することも可能である。より具体的には、システムコントローラ202が表面用機密文書検知プロセッサ52(裏面用機密文書検知プロセッサ56)からの機密文書であるとの検知結果をデータインタフェースコントローラ53を経由して受信した場合に、システムコントローラ202が各部を制御して画像の出力を中止させるようにすれば良い。システムコントローラ202は、機密文書であると検知した面のみの画像の出力を中止させるようにしても良いし、表面と裏面とのどちらかが機密文書であると検知した場合には、両面の画像の出力を中止させるようにしても良い。ここに、再現規制手段が実現されている。
また、本実施の形態においては、表面用機密文書検知プロセッサ52と裏面用機密文書検知プロセッサ56とでは、黒ドット検出の前処理で行う2値化処理の閾値(機密文書検知パラメータ、ドットパターン検出パラメータ)を変えている。このように2値化処理の閾値を表面と裏面との間で変えるのは、表面と裏面とで画像読取方式が異なるためである。すなわち、密着型イメージセンサ(CIS)構成の裏面用画像読取部4は、表面用画像読取部3に比べて白地の読取濃度が低い傾向にあることから、表面用機密文書検知プロセッサ52における黒ドット検出の前処理で行う2値化処理の閾値を、裏面用機密文書検知プロセッサ56における2値化処理の閾値よりも大きくしたものである。
ここに、原稿画像の種類を問わず、原稿画像が機密文書画像であるか否かを原稿画像の表裏両面の画像データで検知し、この検知に応じて、原稿画像の表裏両面の画像データの再現に規制力を及ぼすことができるので、機密文書の再現処理を表面のみならず裏面についても確実に防止することができる。
次に、本発明の第二の実施の形態を図15に基づいて説明する。なお、前述した第一の実施の形態と同じ部分は同じ符号で示し説明も省略する。第一の実施の形態においては、原稿表面が機密文書であるか否かを検知する表面用機密文書検知プロセッサ52と原稿裏面が機密文書であるか否かを検知する裏面用機密文書検知プロセッサ56とを備えたが、本実施の形態においては、一の機密文書検知プロセッサで原稿の表裏両面が機密文書であるか否かを検知するようにしたものである。
本実施の形態の画像処理部301について詳述する。画像処理部301は、表面用画像処理プロセッサ61、データインタフェースコントローラ62、機密文書画像検知手段である機密文書検知プロセッサ63、画像処理プロセッサ64、裏面用画像処理プロセッサ65、及びメモリ66を具備している。これらの表面用画像処理プロセッサ61、データインタフェースコントローラ62、機密文書検知プロセッサ63、画像処理プロセッサ64、裏面用画像処理プロセッサ65、及びメモリ66は、デジタル回路構成のハードウェアである。
画像処理部301は、スキャナ1の表面用画像読取部3により読み取られてA/D変換によってデジタルデータに変換された画像データに対して、表面用画像処理プロセッサ61でシェーディング補正、デジタルAE補正などの処理を施す。このような処理が施された画像データは、データインタフェースコントローラ62を経由して機密文書検知プロセッサ63及び画像処理プロセッサ64へと転送される。機密文書検知プロセッサ63においては、機密文書であるかどうかの検知処理を行う。なお、機密文書検知プロセッサ63の構成及び処理については、第一の実施の形態で説明した表面用機密文書検知プロセッサ52と同様であるので、その説明は省略する。機密文書検知プロセッサ63において機密文書であると判断された場合、機密文書検知プロセッサ63から機密文書であるとの検知結果が画像処理プロセッサ64へと送信される。
機密文書であるとの検知結果が送信された画像処理プロセッサ64においては、画像変化させ、もしくは画像を破壊する処理を施す。このような処理が施された画像データは、画像処理プロセッサ64においてさらに中間調処理などの画像処理を施される。一方、機密文書でない一般文書の場合には、画像変化させ、もしくは画像を破壊する処理を施すことなく、画像処理プロセッサ64で中間調処理などの画像処理を施される。
同様に、画像処理部301は、スキャナ1の裏面用画像読取部4により読み取られてA/D変換によってデジタルデータに変換された画像データに対して、裏面用画像処理プロセッサ65でシェーディング補正、デジタルAE補正などの処理を施す。このような処理が施された画像データは、データインタフェースコントローラ62を経由してメモリ66に一時的に格納され、表面画像処理完了後、メモリ66から読み出される。表面画像処理完了後、メモリ66から読み出された画像データは、機密文書検知プロセッサ63及び画像処理プロセッサ64へと転送される。機密文書検知プロセッサ63においては、機密文書であるかどうかの検知処理を行う。機密文書検知プロセッサ63における機密文書であるかどうかの検知処理は、前述した第一の実施の形態と同様の処理である。機密文書検知プロセッサ63において機密文書であると判断された場合、機密文書検知プロセッサ63から機密文書であるとの検知結果が画像処理プロセッサ64へと送信される。
機密文書であるとの検知結果が送信された画像処理プロセッサ64においては、画像変化させ、もしくは画像を破壊する処理を施す。ここに、再現規制手段が実現されている。このような処理が施された画像データは、画像処理プロセッサ64においてさらに中間調処理などの画像処理を施される。一方、機密文書でない一般文書の場合には、画像変化させ、もしくは画像を破壊する処理を施すことなく、画像処理プロセッサ64で中間調処理などの画像処理を施される。
プリンタ2は、画像処理プロセッサ64において画像処理を施された画像データをデータインタフェースコントローラ62を経由して受け取り、用紙20に出力する。また、システムコントローラ202は、画像処理プロセッサ64において画像処理を施された画像データをデータインタフェースコントローラ62を経由して受け取り、HDD203に蓄積し、または外部インターフェース204により外部に出力する。
なお、本実施の形態のデジタル複写機においては、機密文書検知プロセッサ63において機密文書であると検知した場合には、画像の出力を中止することも可能である。より具体的には、システムコントローラ202が機密文書検知プロセッサ63からの機密文書であるとの検知結果をデータインタフェースコントローラ62を経由して受信した場合に、システムコントローラ202が各部を制御して画像の出力を中止させるようにすれば良い。システムコントローラ202は、機密文書であると検知した面のみの画像の出力を中止させるようにしても良いし、表面と裏面とのどちらかが機密文書であると検知した場合には、両面の画像の出力を中止させるようにしても良い。ここに、再現規制手段が実現されている。
また、本実施の形態における機密文書検知プロセッサ63は、表面用画像読取部3により読み取られた画像データと裏面用画像読取部4により読み取られた画像データとでは、黒ドット検出の前処理で行う2値化処理の閾値(機密文書検知パラメータ、ドットパターン検出パラメータ)を変えている。このように2値化処理の閾値を表面と裏面との間で変えるのは、表面と裏面とで画像読取方式が異なるためである。すなわち、密着型イメージセンサ(CIS)構成の裏面用画像読取部4は、表面用画像読取部3に比べて白地の読取濃度が低い傾向にあることから、表面用画像読取部3により読み取られた画像データに対する黒ドット検出の前処理で行う2値化処理の閾値を、裏面用画像読取部4により読み取られた画像データに対する2値化処理の閾値よりも大きくしたものである。
ここに、原稿画像の種類を問わず、原稿画像が機密文書画像であるか否かを原稿画像の表裏両面の画像データで検知し、この検知に応じて、原稿画像の表裏両面の画像データの再現に規制力を及ぼすことができるので、機密文書の再現処理を表面のみならず裏面についても確実に防止することができる。
次に、本発明の第三の実施の形態を図16及び図17に基づいて説明する。なお、前述した第一の実施の形態または第二の実施の形態と同じ部分は同じ符号で示し説明も省略する。
第一の実施の形態または第二の実施の形態として示した画像処理装置(デジタル複写機)では、機密文書を検出判定し、その複写を禁止する処理が、デジタル回路構成のハードウェア資源によって実行される例を示した。これに対して、本実施の形態では、そのような機密文書を検出判定し、その複写を禁止する処理を、画像処理装置のハードウェア資源にインストールされたコンピュータプログラムによって実行する例を説明する。
図16は、本実施の形態のデジタル複写機のハードウェア資源を示すブロック図である。本実施の形態のデジタル複写機は、画像処理部401に、表面用機密文書検知プロセッサ52及び裏面用画像処理プロセッサ55(機密文書検知プロセッサ63)が設けられておらず、システムコントローラ202のROM202bに、機密文書を検出判定し、その複写を禁止する処理のためのコンピュータプログラムがファームウェアとして記憶保存されている。別の実施の形態としては、システムコントローラ202内に設けられたCPU202a、ROM202b、及びRAM202cから構築されるマイクロコンピュータにバス接続されたHDD203に機密文書を検出判定し、その複写を禁止する処理のためのコンピュータプログラムをインストールしておき、そのようなコンピュータプログラムがデジタル複写機の起動時にRAM202cに書き込まれて実行される構成であっても良い。いずれにしても、機密文書を検出判定し、その複写を禁止する処理は、コンピュータであるシステムコントローラ202がコンピュータプログラムに従い実行することになる。この意味で、RAM202c又はHDD203は、画像処理プログラムであるコンピュータプログラムを記憶する記憶媒体として機能する。
以下、そのようなコンピュータプログラムに従い実行される処理について説明する。まず、コンピュータプログラムに従い実行される機密文書検知処理を図17に示すフローチャートを参照して説明する。ここでは、図1ないし図5に例示した機密文書であることを示すドットパターン103が埋め込まれた原稿用紙102に原稿画像101が形成されている場合を例に挙げて説明する。図17に示すように、CPU202aは、画像処理部401から画像データを取得すると(ステップS1のY)、取得した画像データを2値化処理してドット106を検出する(ステップS2)。この場合の検出手法としては、コンピュータ処理によって画像パターンを検出する従来の各種の手法、例えばパターンマッチングを用い得る。
次いで、CPU202aの演算機能によって、検出されたドット106におけるある面積内でのドット密度を計算する(ステップS3)。
ここで、本実施の形態においては、ドット密度計算の基準となるある面積内における機密文書であることを示すドットパターン103のベース領域104のドット密度に対する同一性判断の許容値となる閾値と、一つの原稿用紙102が含んでいる機密文書であることを示すドットパターン103のベース領域104のドット数に対する同一性判断の許容値となる閾値とがHDD203内に記憶保存されている。また、ドット密度計算の基準となるある面積内における機密文書であることを示すドットパターン103のメッセージ領域105のドット密度に対する同一性判断の許容値となる閾値と、一つの原稿用紙102が含んでいる機密文書であることを示すドットパターン103のメッセージ領域105のドット数に対する同一性判断の許容値となる閾値とがHDD203内に記憶保存されている。これらの各閾値は、画像処理プログラムの起動と共に、画像処理プログラムの全部又は一部と共に、HDD203からRAM202cにコピーされている。
そこで、続くステップS4では、ステップS3で算出された検出ドット106のある面積内でのドット密度が、RAM202cにコピーされて記憶されているドットパターン103のベース領域104におけるドット密度に関する閾値内に含まれているかどうかが判定される。そして、ステップS4で、含まれていないと判定された場合には(ステップS4のN)、ステップS3で算出された検出ドット106のある面積内でのドット密度が、RAM202cにコピーされて記憶されているドットパターン103のメッセージ領域105におけるドット密度に関する閾値内に含まれているかどうかが判定される(ステップS5)。
ここで、ステップS4での判定の結果、ステップS3で算出された検出ドット106のある面積内でのドット密度が、RAM202cにコピーされて記憶されているドットパターン103のベース領域104におけるドット密度に関する閾値内に含まれていると判定された場合には(ステップS4のY)、CPU202aの演算機能によって、検出ドット106のドット数が累積されて例えばRAM202c等のレジスト領域に一時記憶され(ステップS6)、一時記憶された累積ドット数がRAM202cにコピーされて記憶されているドットパターン103のベース領域104におけるドット数に関する閾値より大きいかどうか判定される(ステップS7)。そして、一時記憶された累積ドット数がRAM202cにコピーされて記憶されているドットパターン103のベース領域104におけるドット数に関する閾値より大きいと判定された場合には(ステップS7のY)、機密文書であることを示すドットパターン103のベース領域104が存在すると判断し(ステップS8)、この判断結果を参照して機密文書判定処理を実行し(ステップS9)、検知結果を出力する(ステップS10)。
これに対して、一時記憶された累積ドット数がRAM202cにコピーされて記憶されているドットパターン103のベース領域104におけるドット数に関する閾値より大きくないと判定された場合には(ステップS7のN)、そのまま処理を終了する。
一方、ステップS5での判定の結果、ステップS3で算出された検出ドット106のある面積内でのドット密度が、RAM204cにコピーされて記憶されているドットパターン103のメッセージ領域105におけるドット密度に関する閾値内に含まれていると判定された場合には(ステップS5のY)、CPU202aの演算機能によって、検出ドット106のドット数が累積されて例えばRAM202c等のレジスト領域に一時記憶され(ステップS11)、一時記憶された累積ドット数がRAM202cにコピーされて記憶されているドットパターン103のメッセージ領域105におけるドット数に関する閾値より大きいどうか判定される(ステップS12)。そして、一時記憶された累積ドット数がRAM202cにコピーされて記憶されているドットパターン103のメッセージ領域105におけるドット数に関する閾値より大きいと判定された場合には(ステップS12のY)、機密文書であることを示すドットパターン103のメッセージ領域105が存在すると判断し(ステップS13)、この判断結果を参照して機密文書判定処理を実行し(ステップS9)、検知結果を出力する(ステップS10)。
これに対して、ステップS5での判定が否定的である場合(ステップS5のN)又はステップS12での判定が否定的である場合(ステップS12のN)には、いずれの場合も処理を終了する。
ステップS9の機密文書判定処理では、ステップS8でのドットパターン103のベース領域104が存在するとの判断結果やステップS13でのドットパターン103のメッセージ領域105が存在するとの判断結果を参照し、判定対象となっている画像データが機密文書画像であるかどうかの判定処理を、予め設定した判定基準によって実行する。この判定基準は、画像処理プログラムの起動と共に、画像処理プログラムの全部又は一部と共に、HDD203からRAM202cにコピーされている。予め設定した判定基準としては、一例として、画像データ中に、ドットパターン103のベース領域104とメッセージ領域105との一方が存在する場合に機密文書であると判定したり、別の一例として、画像データ中に、ドットパターン103のベース領域104とメッセージ領域105との双方が存在する場合に機密文書であると判定したりするような基準が用いられる。
こうして、スキャナ1で読み取った画像が機密文書画像であるかどうかが判定される。
すなわち、表面用画像読取部3により読み取られた画像データと裏面用画像読取部4により読み取られた画像データとは、それぞれ上述したような機密文書検知処理を施され、機密文書画像であるかどうかが判定されることになる。
そして、システムコントローラ202内に設けられたCPU202aは、表面用画像読取部3で読み取った原稿画像101が機密文書であると判定した場合(裏面用画像読取部4で読み取った原稿画像101が機密文書であると判定した場合)、画像変化させ、もしくは画像を破壊する処理を施す。このような処理が施された画像データは、画像処理部401へと転送され、中間調処理などの画像処理を施される。ここに、再現規制手段が実現されている。一方、機密文書でない一般文書の場合には、画像変化させ、もしくは画像を破壊する処理を施すことなく、画像処理部401へと転送され、中間調処理などの画像処理を施される。
プリンタ2は、画像処理部401において画像処理を施された画像データを受け取り、用紙20に出力する。また、システムコントローラ202は、画像処理部401において画像処理を施された画像データをHDD203に蓄積し、または外部インターフェース204により外部に出力する。
なお、本実施の形態のデジタル複写機においては、システムコントローラ202において表面用画像読取部3で読み取った原稿画像101が機密文書であると判定した場合(裏面用画像読取部4で読み取った原稿画像101が機密文書であると判定した場合)には、システムコントローラ202が各部を制御して画像の出力を中止させるようにすることも可能である。システムコントローラ202は、機密文書であると検知した面のみの画像の出力を中止させるようにしても良いし、表面と裏面とのどちらかが機密文書であると検知した場合には、両面の画像の出力を中止させるようにしても良い。ここに、再現規制手段が実現されている。
また、本実施の形態においては、機密文書検知処理における黒ドット検出の前処理で行う2値化処理の閾値(機密文書検知パラメータ、ドットパターン検出パラメータ)を、表面用画像読取部3により読み取られた画像データと裏面用画像読取部4により読み取られた画像データとで変えている。このように2値化処理の閾値を表面と裏面との間で変えるのは、表面と裏面とで画像読取方式が異なるためである。すなわち、密着型イメージセンサ(CIS)構成の裏面用画像読取部4は、表面用画像読取部3に比べて白地の読取濃度が低い傾向にあることから、表面用画像読取部3により読み取られた画像データに対する黒ドット検出の前処理で行う2値化処理の閾値を、裏面用画像読取部4により読み取られた画像データに対する2値化処理の閾値よりも大きくしたものである。
ここに、原稿画像の種類を問わず、原稿画像が機密文書画像であるか否かを原稿画像の表裏両面の画像データで検知し、この検知に応じて、原稿画像の表裏両面の画像データの再現に規制力を及ぼすことができるので、機密文書の再現処理を表面のみならず裏面についても確実に防止することができる。