JP2005142604A - Tab用テープキャリアの製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 ステンレス箔からなる補強層4の上に、絶縁層2を形成する。その後、絶縁層2の上に、導体の薄膜からなる下地16を形成した後、補強層4、絶縁層2および下地16の幅方向両端縁部において、絶縁層2の長手方向に沿って互いに間隔を隔てて設けられる複数の送り孔15を、貫通形成する。次いで、下地16の上にめっきレジスト17を形成した後、めっきにより導体パターン7を形成する。その後、めっきレジスト17および下地16を除去する。そして、補強層4を、絶縁層2の裏面において、その幅方向両端縁部において絶縁層2の長手方向に沿って残存するように、除去する。
【選択図】 図5
Description
このようなTAB用テープキャリアは、近年、電子機器の軽量化、薄型化および小型化の要求に伴って、軽薄短小化がますます要求されている。
一方、このようなTAB用テープキャリアは、通常、その幅方向両端部において長手方向に沿って形成される送り孔に、スプロケットを噛み合わせて、所定のテンションが加わる状態で搬送されるため、過度に薄く形成すると、搬送時に、送り孔が破損したり、電子部品の実装時およびボンディング時に位置ずれを生じる。
本発明は、このような事情に鑑みなされたものであり、その目的とするところは、搬送時、実装時およびボンディング時の寸法精度や位置精度を向上させることができながら、軽量化、薄型化を図りつつ、高密度配線を実現することのできるTAB用テープキャリアの製造方法を提供することにある。
図1において、このTAB用テープキャリア1は、長手方向に連続して延びるテープ状の絶縁層2に、電子部品(図示せず。)を実装するための実装部3と、絶縁層2を補強するための補強層4(図3参照)と、このTAB用テープキャリア1を搬送するための搬送部5とを備えている。
各インナリード9は、実装エリア6内に臨み、長手方向に沿って延び、互いに所定間隔を隔ててTAB用テープキャリア1の幅方向(長手方向と直交する方向、以下、単に幅方向という場合がある。)において並列するように配置されている。各インナリード9のピッチ(すなわち、1つのインナリード9の幅と、2つのインナリード9間の幅(間隔)との合計の長さ)IPが、60μm以下、好ましくは、50μm以下で、通常、10μm以上に設定されている。このように、各インナリード9のピッチIPを、60μm以下に設定することにより、高密度配線を実現することができる。なお、このTAB用テープキャリア1では、後述するように、補強層4として腰の強いステンレス箔が用いられているので、このような高密度配線が可能とされている。
各アウタリード10は、実装部3における長手方向両端部に臨み、長手方向に沿って延び、互いに所定間隔を隔てて幅方向において並列するように配置されている。各アウタリード10のピッチ(すなわち、1つのアウタリード10の幅と、2つのアウタリード10間の幅(間隔)との合計の長さ)OPは、各インナリード9のピッチIPに対して、例えば、100〜1000%程度に設定されている。すなわち、各アウタリード10のピッチOPは、各インナリード9のピッチIPに対して、広幅に設定されていてもよく、また、各インナリード9のピッチIPと実質的に同幅で設定されていてもよい。
また、各中継リード11が配置されるエリアには、ソルダレジストなどの絶縁層12が設けられている。すなわち、ソルダレジストなどの絶縁層12は、実装エリア6を囲むようにして、略矩形枠状に形成されており、すべての中継リード11を覆うように設けられている。
補強層4は、図3に示すように、絶縁層2の裏面において、絶縁層2における各実装部3が形成される位置が開口部18となるような、各実装部3との対向位置を除くすべてのエリアに設けられている。より具体的には、補強層4は、ステンレス箔からなり、TAB用テープキャリア1の幅方向両側縁部において、長手方向に沿って連続して設けられる搬送部補強部13と、長手方向において互いに所定間隔を隔てて配置される各実装部3の間において、幅方向に沿って設けられる実装部間補強部14とが一体的に連続して形成されている。搬送部補強部13を形成することで、搬送時の強度の向上を図ることができる。また、実装部間補強部14を形成することで、実装時などの取り扱い性の向上を図ることができる。
搬送部5は、図1に示すように、TAB用テープキャリア1の幅方向両側縁部において、長手方向に沿って設けられている。各搬送部5には、このTAB用テープキャリア1を搬送するために、スプロケットなどと噛み合わせるための複数の送り孔15が、それぞれ幅方向において対向するように形成されている。各送り孔15は、TAB用テープキャリア1の長手方向において、等間隔毎に、TAB用テープキャリア1を貫通する(絶縁層2および補強層4を貫通する)ように、略矩形状に穿孔形成されている。
次に、このTAB用テープキャリア1の製造方法を、図4および図5を参照して説明する。
この方法では、まず、図4(a)に示すように、補強層4を用意する。補強層4には、ステンレス箔が用いられる。なお、ステンレスには、AISI(米国鉄鋼協会)の規格に基づいて、例えば、SUS301、SUS304、SUS305、SUS309、SUS310、SUS316、SUS317、SUS321、SUS347など種々の種類があるが、いずれのステンレスも、特に制限されることなく用いることができる。また、その厚さが、3〜100μm、さらには、5〜30μm、とりわけ、8〜20μmのものが好ましく用いられる。このようなステンレス箔は、実際には、その幅が、100〜1000mm、好ましくは、150〜400mm程度の長尺なテープ状のものが用意される。
例えば、幅250mmのステンレス箔では、幅48mmのTAB用テープキャリア1を4列、幅300mmのステンレス箔では、幅70mmのTAB用テープキャリア1を4列同時に作製することができる。
さらに、絶縁層2は、例えば、感光性ポリアミック酸樹脂などの感光性樹脂の溶液を、補強層4の上に塗布し、露光および現像することにより、所定のパターンとして形成することもできる。
次いで、この方法では、この絶縁層2の表面に、導体パターン7を、上記した配線回路パターンとして形成する。導体パターン7を形成するための導体としては、例えば、銅、ニッケル、金、はんだ、またはこれらの合金などが用いられ、好ましくは、銅が用いられる。また、導体パターン7の形成は、特に制限されることなく、絶縁層2の表面に、導体パターン7を、例えば、サブトラクティブ法、アディティブ法、セミアディティブ法などの公知のパターンニング法によって、上記した配線回路パターンとして形成すればよい。
また、アディティブ法では、まず、絶縁層2の上に、上記した配線回路パターンと逆パターンでめっきレジストを形成して、次いで、絶縁層2におけるめっきレジストが形成されていない表面に、めっきにより、上記した配線回路パターンとして導体パターン7を形成し、その後に、めっきレジストを除去するようにすればよい。
すなわち、セミアディティブ法では、まず、図4(c)に示すように、絶縁層2の全面に、下地16となる導体の薄膜を形成する。下地16の形成は、真空蒸着法、とりわけ、スパッタ蒸着法が好ましく用いられる。また、下地16となる導体は、クロムや銅などが好ましく用いられる。より具体的には、例えば、絶縁層2の全面に、クロム薄膜と銅薄膜とをスパッタ蒸着法によって、順次に形成することが好ましい。なお、下地16の形成においては、例えば、クロム薄膜の厚さが、100〜600Å、銅薄膜の厚さが、500〜2000Åとなるように設定することが好ましい。
次いで、図5(f)に示すように、下地16におけるめっきレジスト17が形成されていない部分に、めっきにより、上記した配線回路パターンとして導体パターン7を形成する。めっきは、電解めっき、無電解めっきのいずれでもよいが、電解めっきが好ましく用いられ、なかでも、電解銅めっきが好ましく用いられる。
次いで、図示しないが、ソルダレジストなどの絶縁層12を、各配線8の中継リード11が被覆されるように、実装エリア6を囲むようにして形成した後、各配線8における露出部分、すなわち、インナリード9およびアウタリード10を、ニッケルめっき層および金めっき層によって被覆する。絶縁層12の形成は、例えば、感光性のソルダレジストを用いて、上記したパターンとして形成すればよい。また、ニッケルめっき層および金めっき層は、それぞれ、ニッケルめっきおよび金めっきにより形成すればよい。
なお、補強層4の幅方向に複数列のTAB用テープキャリア1を同時に作製した後、1列ごとにスリットする場合は、TAB用テープキャリア1間のスリット部の補強層4は、開口部18と同様に除去しておくことが好ましい。
実施例1
厚さ20μmのステンレス箔(SUS304、幅250mm)を補強層として用意し(図4(a)参照)、ポリアミック酸樹脂の溶液を塗布し、乾燥後、加熱硬化させることにより、厚さ12μmのポリイミド樹脂からなる絶縁層を形成した(図4(b)参照)。次いで、絶縁層の表面に、スパッタ蒸着法により、クロム薄膜および銅薄膜を順次形成することにより、厚さ2000Åの下地を形成した(図4(c)参照)。
その後、送り孔を、補強層、絶縁層および下地の厚さ方向を貫通させるようにして、パンチング加工により穿孔形成した後(図4(d)参照)、めっきレジストを、下地の表面に所定のパターンとして形成するとともに、補強層の全面に形成した(図5(e)参照)。
なお、この導体パターンは、互いに所定間隔を隔てて配置され、インナリード、アウタリードおよび中継リードが連続して一体的に形成される複数の配線のパターンとして形成された。また、インナリードのピッチが30μm、アウタリードのピッチが100μmであった。
その後、感光性ソルダレジストを、各配線の中継リードが被覆されるように、実装エリアを囲むようにして形成した後、インナリードおよびアウタリードを、ニッケルめっきおよび金めっきすることにより被覆した。
比較例1
厚さ20μmの銅箔を補強層として用いた以外は、実施例1と同様の操作により、TAB用テープキャリアを得た。
実施例1および比較例1で得られたTAB用テープキャリアにおいて、幅方向両端に位置する2つのインナリードの間の距離(両端に位置する各インナリードの幅方向中心間の距離であって、図2において、符号「X」で示されている。)を測定して、設計寸法と比較した。その結果を下記に示す。なお、測定値は、側定数20での平均値である。
実施例1:21002μm 寸法ずれ2μm
比較例1:21020μm 寸法ずれ20μm
2 絶縁層
4 補強層
7 導体パターン
8 配線
15 送り孔
16 下地
17 めっきレジスト
Claims (2)
- ステンレス箔からなる補強層を用意する工程、
前記補強層の上に、絶縁層を形成する工程、
前記絶縁層の表面に、互いに所定間隔を隔てて配置される複数の配線からなる導体パターンを形成した後、前記補強層を、前記絶縁層の裏面において、その幅方向両端縁部において前記絶縁層の長手方向に沿って残存するように、除去する工程
を備えていることを特徴とする、TAB用テープキャリアの製造方法。 - 前記導体パターンを形成する工程は、
前記絶縁層の上に、導体の薄膜からなる下地を形成する工程、
前記補強層、前記絶縁層および前記下地の幅方向両端縁部において、前記絶縁層の長手方向に沿って互いに間隔を隔てて設けられる複数の送り孔を、貫通形成する工程、
前記下地の上に、前記導体パターンと逆パターンのめっきレジストを形成する工程、
前記下地におけるめっきレジストが形成されていない部分に、めっきにより導体パターンを形成する工程、
前記めっきレジストを除去する工程、
前記めっきレジストが形成されていた下地を除去する工程
を備えていることを特徴とする、請求項1に記載のTAB用テープキャリアの製造方法。
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