JP2007317899A - 配線回路基板およびその製造方法 - Google Patents

配線回路基板およびその製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】伝送特性を悪化させることなく導体パターンとカバー絶縁層との接着性を向上することが可能な配線回路基板およびその製造方法を提供する。
【解決手段】ポリイミドフィルムからなるベース絶縁層1上に例えば電解銅めっきにより所定の導体パターン2が形成される。導体パターン2上の一部の領域を除いて当該導体パターン2を覆うようにカバー絶縁層6が形成される。すなわち、導体パターン2上の上記一部の領域が端子用開口部7となり、カバー絶縁層6により覆われていない導体パターン2の部分が端子部となる。導体パターン2上の上記一部の領域には電解金めっき層10が形成される。端子用開口部7の外側の周縁における導体パターン2上の一部の領域に粗化部5が形成される。
【選択図】図1

Description

本発明は、種々の電子機器に用いられる配線回路基板およびその製造方法に関する。
配線回路基板は、一般的にセミアディティブ法またはサブトラクティブ法等により製造される。
上記の各方法により製造される配線回路基板は、一般的にポリイミドフィルム等からなるベース絶縁層と、当該ベース絶縁層上に形成される導体パターンと、当該導体パターンを覆うカバー絶縁層とを有する。
従来から、導体パターンとカバー絶縁層との接着性を向上するために、当該導体パターンの表面に粗化処理が施されている(例えば、特許文献1および2参照)。
導体パターンの表面に粗化処理を施すことにより、導体パターンの表面が凹凸形状となる。それにより、アンカー効果が生じ、導体パターンとカバー絶縁層との接着性が向上されている。
特開2001−36219号公報 特開2003−209351号公報
しかしながら、上記特許文献1および特許文献2の回路基板(プリント基板)においては、信号配線となる導体パターン表面のほとんどの領域が粗化される。その結果、上記回路基板の導体パターンに高周波信号(例えば、100MHzまたは300MHz以上)が伝送される場合には、表皮効果によって電流が導体パターン表面の凹凸に沿って流れる。それにより、実質的な伝送路長が長くなり、高周波信号の伝送特性が悪くなる。
例えば、高周波信号が1GHzの周波数を有する場合には、電流は導体パターンの表面から深さ2μm程度の領域に集中する。この場合、粗化処理が施された導体パターン表面の凹凸が大きいと、実質的な伝送路長が長くなり伝送特性は顕著に悪化する。
一方、上記のように、導体パターンの粗化処理を行わずにカバー絶縁層を形成する場合には、導体パターンとカバー絶縁層との接着性が向上されない。その結果、露出した導体パターン(端子部)の領域において導体パターンとカバー絶縁層との界面にめっきまたは半田等が浸入することがある。
本発明の目的は、伝送特性を悪化させることなく導体パターンとカバー絶縁層との接着性を向上することが可能な配線回路基板およびその製造方法を提供することである。
(1)第1の発明に係る配線回路基板は、絶縁層と、絶縁層上に形成される1または複数の配線と、開口部を有するとともに1または複数の配線を覆うように絶縁層上に形成される保護層とを備え、1または複数の配線の一部は、保護層の開口部内でそれぞれ露出し、保護層下の1または複数の配線の表面のうち開口部に隣接する領域が部分的に粗化されているものである。
第1の発明に係る配線回路基板においては、1または複数の配線が絶縁層上に形成される。1または複数の配線は、絶縁層上に形成される保護層により覆われる。また、1または複数の配線の一部は、保護層の開口部内でそれぞれ露出し、保護層下の1または複数の配線の表面のうち開口部に隣接する領域が部分的に粗化されている。
このような構成により、1または複数の配線の表面のほとんどの領域が粗化されることによって生じる高周波信号の伝送特性の悪化が防止される。
すなわち、1または複数の配線の表面のうち開口部に隣接する領域が部分的に粗化されることによって、実質的な伝送路長が長くなることを防止できる。それにより、高周波信号の伝送特性が悪化しない。
また、上記の構成により、粗化された上記領域を介して1または複数の配線と保護層との接着性が向上される。これにより、保護層の開口部において1または複数の配線と保護層との間に剥離が生じることが防止される。
(2)1または複数の配線の表面の算術平均粗さは、1μm以上3μm以下であってもよい。
この場合、1または複数の配線と保護層との十分な接着性を確保しつつ、実質的な伝送路長が長くなることによる高周波信号の伝送特性の悪化を防止できる。
(3)粗化されている領域は、開口部の周縁から外側に5μm以上100μm以下までの範囲からなってもよい。
この場合、1または複数の配線と保護層との十分な接着性を確実に確保することができる。
(4)配線回路基板は、開口部内の配線上に金属層をさらに備えてもよい。このような金属層が開口部内の配線上に設けられた場合でも、1または複数の配線と保護層との間に剥離が生じないので、当該1または複数の配線と保護層との界面に金属層に起因した金属材料が浸入することが防止される。
(5)第2の発明に係る配線回路基板の製造方法は、保護層の開口部内で一部が露出する1または複数の配線を有する配線回路基板の製造方法であって、絶縁層上に1または複数の配線を形成する工程と、開口部を形成すべき領域に隣接する一部の領域を除く1または複数の配線の領域に粗化用のレジストを形成する工程と、粗化用のレジストが形成されていない1または複数の配線の領域を粗化する工程と、粗化用のレジストを除去する工程と、開口部を形成すべき領域を除いて配線上および絶縁層上に保護層を形成する工程とを備えたものである。
第2の発明に係る配線回路基板の製造方法においては、1または複数の配線が絶縁層上に形成される。開口部を形成すべき領域に隣接する一部の領域を除く1または複数の配線の領域に粗化用のレジストが形成される。そして、上記粗化用のレジストが形成されていない1または複数の配線の領域が粗化される。また、粗化用のレジストが除去された後、開口部を形成すべき領域を除いて配線上および絶縁層上に保護層が形成される。
このような構成により、1または複数の配線の表面のほとんどの領域が粗化されることによって生じる高周波信号の伝送特性の悪化が防止される。
すなわち、1または複数の配線の表面のうち開口部を形成すべき領域に隣接する一部の領域が粗化されることによって、実質的な伝送路長が長くなることを防止できる。それにより、高周波信号の伝送特性が悪化しない。
また、上記の構成により、粗化された領域を介して1または複数の配線と保護層との接着性が向上される。これにより、保護層の開口部において1または複数の配線と保護層との間に剥離が生じることが防止される。
(6)第3の発明に係る配線回路基板の製造方法は、保護層の開口部内で一部が露出する1または複数の配線を有する配線回路基板の製造方法であって、絶縁層上に1または複数の配線を形成する工程と、1または複数の配線の表面を粗化する工程と、開口部を形成すべき領域に隣接する一部の領域に平滑化用のレジストを形成する工程と、平滑化用のレジストが形成されていない1または複数の配線の領域を平滑化する工程と、平滑化用のレジストを除去する工程と、開口部を形成すべき領域を除いて配線上および絶縁層上に保護層を形成する工程とを備えたものである。
第3の発明に係る配線回路基板の製造方法においては、1または複数の配線が絶縁層上に形成される。また、1または複数の配線の表面が粗化される。そして、開口部を形成すべき領域に隣接する一部の領域に平滑化用のレジストが形成された後、平滑化用のレジストが形成されていない1または複数の配線の領域が平滑化される。その後、平滑化用のレジストが除去され、開口部を形成すべき領域を除いて配線上および絶縁層上に保護層が形成される。
このような構成により、1または複数の配線の表面のほとんどの領域が粗化されることによって生じる高周波信号の伝送特性の悪化が防止される。
すなわち、1または複数の配線の表面のうち開口部を形成すべき領域に隣接する一部の領域が粗化されることによって、実質的な伝送路長が長くなることを防止できる。それにより、高周波信号の伝送特性が悪化しない。
また、上記の構成により、粗化された領域を介して1または複数の配線と保護層との接着性が向上される。これにより、保護層の開口部において1または複数の配線と保護層との間に剥離が生じることが防止される。
(7)第4の発明に係る配線回路基板の製造方法は、保護層の開口部内で一部が露出する1または複数の配線を有する配線回路基板の製造方法であって、絶縁層上に1または複数の配線を形成する工程と、開口部を形成すべき領域および当該開口部に隣接する一部の領域を除く1または複数の配線の領域に粗化用のレジストを形成する工程と、粗化用のレジストが形成されていない1または複数の配線の領域を粗化する工程と、粗化用のレジストを除去する工程と、開口部を形成すべき領域を除いて配線上および絶縁層上に保護層を形成する工程と、開口部内の配線上の領域を平滑化する工程とを備えたものである。
第4の発明に係る配線回路基板の製造方法においては、1または複数の配線が絶縁層上に形成される。また、開口部を形成すべき領域および当該開口部に隣接する一部の領域を除く1または複数の配線の領域に粗化用のレジストが形成される。粗化用のレジストが形成されていない1または複数の配線の領域が粗化され、粗化用のレジストが除去される。そして、開口部を形成すべき領域を除いて配線上および絶縁層上に保護層が形成され、開口部内の配線上の領域が平滑化される。
このような構成により、1または複数の配線の表面のほとんどの領域が粗化されることによって生じる高周波信号の伝送特性の悪化が防止される。
すなわち、1または複数の配線の表面のうち開口部を形成すべき領域に隣接する一部の領域が粗化されることによって、実質的な伝送路長が長くなることを防止できる。それにより、高周波信号の伝送特性が悪化しない。
また、上記の構成により、粗化された領域を介して1または複数の配線と保護層との接着性が向上される。これにより、保護層の開口部において1または複数の配線と保護層との間に剥離が生じることが防止される。
(8)第2〜第4の発明に係る配線回路基板の製造方法は、開口部内の配線上に金属層を形成する工程をさらに備えてもよい。
このような金属層が開口部内の配線上に設けられた場合でも、1または複数の配線と保護層との間に剥離が生じないので、当該1または複数の配線と保護層との界面に金属層に起因した金属材料が浸入することが防止される。
本発明によれば、伝送特性を悪化させることなく導体パターンとカバー絶縁層との接着性を向上することが可能となる。
以下、本発明の実施の形態に係る配線回路基板について図面を参照しながら説明する。なお、本発明の実施の形態に係る配線回路基板はフレキシブル配線回路基板である。
(1)第1の実施の形態
最初に、本実施の形態に係る配線回路基板の全体構成について説明する。
図1は、第1の実施の形態に係る配線回路基板の全体構成を示す図である。図1(a)は配線回路基板の平面図であり、図1(b)は図1(a)の配線回路基板のB領域におけるA−A線断面図である。
図1(b)に示すように、本実施の形態に係る配線回路基板100は、例えばポリイミドフィルムからなるベース絶縁層1を備える。
ベース絶縁層1上に例えば電解銅めっきにより所定の導体パターン2が形成される。なお、一般的なセミアディティブ法またはサブトラクティブ法等によりベース絶縁層1上に導体パターン2が形成される。詳細については後述する。
導体パターン2上の一部の領域を除いて当該導体パターン2を覆うようにカバー絶縁層6が形成される。すなわち、導体パターン2上の上記一部の領域が端子用開口部7となり、カバー絶縁層6により覆われていない導体パターン2の部分が端子部となる。また、導体パターン2上の上記一部の領域には電解金めっき層10が形成される。
ここで、図1(a)に示すように、端子用開口部7の周縁における導体パターン2上の領域に対して粗化処理が施される。粗化処理が施された領域が粗化部5となる。粗化処理については後述する。
図2は、セミアディティブ法によりベース絶縁層1上に所定の導体パターン2を形成する各工程を示す断面図である。
図2(a)に示すように、例えばポリイミドフィルムからなるベース絶縁層1が用意される。
次に、図2(b)に示すように、ベース絶縁層1上にドライフィルムレジスト等を用いて、後工程で形成される導体パターン2とは逆パターンのめっきレジスト3が形成される。
その後、図2(c)に示すように、ベース絶縁層1上におけるめっきレジスト3が形成されていない表面に、電解銅めっきにより導体パターン2が形成される。
続いて、図2(d)に示すように、めっきレジスト3が剥離等により除去される。なお、ベース絶縁層1と導体パターン2との接着性が懸念される場合には、ベース絶縁層1と導体パターン2との間に金属薄膜を設けることにより接着性を向上することができる。
次に、上述の図2(d)の工程後、本実施の形態に係る配線回路基板100が製造されるまでの各工程について説明する。
図3は、粗化部5(図1)が形成された配線回路基板100が製造されるまでの各工程を示す断面図である。
図3(a)に示すように、粗化すべき領域のみが露出されて、感光性樹脂により粗化レジスト4がベース絶縁層1および導体パターン2上に形成される。図3(a)においては、後工程で粗化部5となる上記粗化すべき領域の幅Lは、例えば5〜100μmの範囲にあることが好ましい。
続いて、図3(b)に示すように、粗化レジスト4が形成されていない導体パターン2上の領域に粗化処理が施されることによって、当該領域に例えば凹凸形状を有する粗化部5が形成される。
本実施の形態では、上記の粗化処理用の処理液として、例えば、硫酸と過酸化水素との混合液、アルカリ−亜塩素酸系の処理液、または有機酸系の処理液を用いることができる。
硫酸と過酸化水素との混合液の具体例として、メック社製のメックブライト(CB−5004)およびメックV−Bond(B0−7770)、ならびに、マクダーミッド社製のME−605およびマルチボンド(MB−100)等が挙げられる。
また、アルカリ−亜塩素酸系の処理液の具体例として、マクダーミッド社製のオムニボンド(オムニボンド9251)およびB0−2000等が挙げられる。さらに、有機酸系の処理液の具体例として、メック社製のメックエッチボンド(CZ−8100)等が挙げられる。
また、粗化部5の表面粗さ(算術平均高さ)Raは、1μm〜3μmであることが好ましい。本実施の形態では、粗化部5の表面粗さ(算術平均高さ)Raは、例えば2μmとすることができる。なお、表面粗さ(算術平均高さ)Raとは、日本工業規格(JIS B 0601−1994)に定められた表面粗さを表すパラメータであり、例えば触針式表面粗さ計により測定される。
次いで、図3(c)に示すように、粗化レジスト4が剥離等により除去される。そして、導体パターン2上の端子用開口部7(図1)に対応する領域を除いて、ベース絶縁層1および導体パターン2上に例えばポリイミドからなるカバー絶縁層6が形成される。これにより、導体パターン2上の一部の領域に形成された粗化部5上にカバー絶縁層6の一部が接着される。
また、カバー絶縁層6が形成された後、端子用開口部7の領域の露出した導体パターン2上に電解金めっき層10が形成される。以上により、導体パターン2とカバー絶縁層6とが粗化部5を介して接着された配線回路基板100が製造される。
なお、電解金めっき層10は、金を単一成分として含むものであってもよく、また、金を主成分として銅(Cu)、鉛(Pb)、銀(Ag)、アンチモン(Sb)、ビスマス(Bi)、インジウム(In)、亜鉛(Zn)、クロム(Cr)、ニッケル(Ni)、コバルト(Co)、鉄(Fe)、モリブデン(Mo)、ゲルマニウム(Ge)、ガリウム(Ga)、およびリン(P)等からなる群から選択される一種以上の元素を含むものであってもよい。
(2)第2の実施の形態
次に、第2の実施の形態における配線回路基板100の製造方法について説明する。
第2の実施の形態においては、セミアディティブ法によりベース絶縁層1上に所定の導体パターン2が形成されるまでの工程は第1の実施の形態(図2(a)〜(d)に相当する工程)と同じであるので、説明は省略する。
図4は、粗化部5が形成された配線回路基板100が製造されるまでの各工程の他の例を示す断面図である。
図4(a)に示すように、ベース絶縁層1上に形成された導体パターン2の表面に粗化処理が施される。粗化処理に用いられる処理液は第1の実施の形態と同じである。
続いて、図4(b)に示すように、平滑化すべき領域のみが露出されて、感光性樹脂により平滑化レジスト8が導体パターン2上に形成される。
そして、図4(c)に示すように、平滑化レジスト8が形成されていない導体パターン2上の領域に平滑化処理が施されることにより、当該領域が平滑化される。本実施の形態では、上記の平滑化処理用の処理液として、例えば、過硫酸ナトリウム水溶液、過硫酸案アンモニウム水溶液または過硫酸カリウム水溶液を用いることができる。
次いで、図4(d)に示すように、平滑化レジスト8が剥離等により除去される。そして、導体パターン2上の端子用開口部7(図1)に対応する領域を除いて、ベース絶縁層1および導体パターン2上にカバー絶縁層6が形成される。これにより、導体パターン2上の一部の領域に形成された粗化部5上にカバー絶縁層6の一部が接着される。
また、カバー絶縁層6が形成された後、端子用開口部7の領域の露出した導体パターン2上に電解金めっき層10が形成される。以上により、導体パターン2とカバー絶縁層6とが粗化部5を介して接着された配線回路基板100が製造される。
(3)第3の実施の形態
次に、第3の実施の形態における配線回路基板100の製造方法について説明する。
第3の実施の形態においては、セミアディティブ法によりベース絶縁層1上に所定の導体パターン2が形成されるまでの工程は第1の実施の形態(図2(a)〜(d)に相当する工程)と同じであるので、説明は省略する。
図5は、粗化部5が形成された配線回路基板100が製造されるまでの各工程のさらに他の例を示す断面図である。
図5(a)に示すように、粗化すべき領域のみが露出されて、感光性樹脂により粗化レジスト9がベース絶縁層1および導体パターン2上に形成される。本実施の形態において、上記の粗化すべき領域とは、端子用開口部7の領域と当該端子用開口部7の周縁から幅L拡大された領域である。粗化すべき領域の幅Lは、例えば5〜100μmの範囲にあることが好ましい。
続いて、図5(b)に示すように、粗化レジスト9が形成されていない導体パターン2上の領域に粗化処理が施されることによって、当該領域に例えば凹凸形状を有する粗化部5が形成される。なお、粗化処理に用いられる処理液は第1の実施の形態と同じである。
次いで、図5(c)に示すように、粗化レジスト9が剥離等により除去されるとともに、導体パターン2上の端子用開口部7の領域を除いて、ベース絶縁層1および導体パターン2上にカバー絶縁層6が形成される。これにより、導体パターン2上の一部の領域に形成された粗化部5上にカバー絶縁層6の一部が接着される。
次に、図5(d)に示すように、端子用開口部7の領域における導体パターン2上の粗化部5が平滑化される。なお、平滑化処理に用いられる処理液は第2の実施の形態と同じである。
その後、端子用開口部7の領域の露出した導体パターン2上に電解金めっき層10が形成される。以上により、導体パターン2とカバー絶縁層6とが粗化部5を介して接着された配線回路基板100が製造される。
(4)第4の実施の形態
図6は、第4の実施の形態に係る配線回路基板100aの構成を示す平面図である。
図6に示すように、本実施の形態に配線回路基板100aにおいては、ベース絶縁層1上に半導体チップ等の電子部品に接続される複数の導体パターン2が形成される。開口部を有するカバー絶縁層6が、ベース絶縁層1上に設けられた複数の導体パターン2を覆うように形成される。各導体パターン2の先端部は、カバー絶縁層6の開口部で露出している。この露出した各導体パターン2の部分がそれぞれ端子となる。
本実施の形態では、カバー絶縁層6にそれぞれ接着され、カバー絶縁層6の上記開口部近傍における各導体パターン2上に粗化部5がそれぞれ形成される。これにより、各導体パターン2上の一部の領域に形成された粗化部5上にカバー絶縁層6の一部が接着される。
(5)他の実施の形態
上記実施の形態において、配線回路基板100の製造方法として、セミアディティブ法を用いたが、これに限定されるものではなく、サブトラクティブ法またはフルアディティブ法等の他の方法を用いることも可能である。
また、ベース絶縁層1の他の例として、ポリパラバン酸フィルム、ポリエステルフィルム、ポリエチレンナフタレートフィルム、ポリエーテルスルホンフィルム、ポリエーテルイミドフィルム、およびポリエーテルエーテルケトンフィルム等のエンジニアリングプラスチックフィルムが挙げられる。
また、カバー絶縁層6の材料として、ベース絶縁層1と同様の材料を用いることができる。
さらに、導体パターン2の材料は、銅に限定されず、銅を含む合金、アルミニウム、銀等の他の金属材料を用いてもよい。
(6)各実施の形態における効果
上記第1〜第4の実施の形態においては、導体パターン2上の一部の領域に形成された粗化部5上にカバー絶縁層6の一部が接着される。
このような構成により、導体パターン2の表面のほとんどの領域が粗化されることによって生じる高周波信号(例えば、100MHzまたは300MHz以上)の伝送特性の悪化が防止される。
すなわち、導体パターン2の表面の一部の領域に対して粗化部5を形成することによって、実質的な伝送路長が長くなることを防止できる。それにより、高周波信号の伝送特性が悪化しない。
また、上記の構成により、粗化部5を介して導体パターン2とカバー絶縁層6との接着性が向上される。これにより、端子用開口部7において導体パターン2とカバー絶縁層6との間に剥離が生じることが防止されるとともに、導体パターン2とカバー絶縁層6との界面に、電解金めっき層10に起因しためっきまたは半田等が浸入することが防止される。
(7)請求項の各構成要素と実施の形態の各部との対応関係
以下、請求項の各構成要素と実施の形態の各構成部との対応の例について説明するが、本発明は下記の例に限定されない。
上記実施の形態においては、ベース絶縁層1が絶縁層に相当し、導体パターン2が配線に相当し、端子用開口部7が開口部に相当し、カバー絶縁層6が保護層に相当し、端子用開口部7の周縁から幅L拡大された領域が開口部に隣接する領域に相当し、電解金めっき層10が金属層に相当し、粗化レジスト4,9が粗化用のレジストに相当し、平滑化レジスト8が平滑化用のレジストに相当する。
以下、本発明の実施例および比較例について説明する。
(a)実施例1
上述した第1の実施の形態に基づいて配線回路基板100を製造した。なお、以下では、具体的な設計条件を除き、第1の実施の形態と重複する部分の説明については省略する。
具体的な設計条件として、ベース絶縁層1の厚さを12μmとし、導体パターン2の厚さを18μmとした。また、端子用開口部7の周縁の幅Lを100μmとした。
そして、粗化処理を次のように行った。本実施例では、マクダーミッド社製のマルチボンド(MB−100)を粗化処理用の処理液として用いた。
ベース絶縁層1および導体パターン2上に所定の粗化レジスト4を形成したもの(図3(a))を、上記粗化処理用の処理液(32℃)中に1分間浸漬させた。それにより、粗化部5(図3(b))を形成した。粗化部5の表面粗さ(算術平均粗さ)Raは2μmとした。
(b)実施例2
上述した第2の実施の形態に基づいて配線回路基板100を製造した。なお、以下では、具体的な設計条件を除き、第2の実施の形態と重複する部分の説明については省略する。
具体的な設計条件として、ベース絶縁層1の厚さを12μmとし、導体パターン2の厚さを18μmとした。また、端子用開口部7の周縁の幅Lを100μmとした。
そして、上述の実施例1と同じ処理液を用いて粗化処理を次のように行った。
ベース絶縁層1上に導体パターン2を形成したもの(図4(a))を、粗化処理用の処理液(32℃)中に1分間浸漬させた。それにより、導体パターン2の表面全体に粗化部5(図4(a))を形成した。粗化部5の表面粗さ(算術平均粗さ)Raは2μmとした。
(c)比較例1
粗化処理を行うことを除いて、上述の実施例1と同様にして配線回路基板を製造した。
すなわち、本比較例では、ベース絶縁層1上に形成される導体パターン2の表面に粗化部5を形成しないので、当該導体パターン2の表面全体は平滑となっている。なお、導体パターン2の表面粗さ(算術平均粗さ)Raは1.0μm未満であった。
(d)比較例2
平滑化処理を行うことを除いて、上述の実施例2と同様にして配線回路基板を製造した。
すなわち、本比較例では、ベース絶縁層1上に形成される導体パターン2の表面全体に粗化部5を形成した。粗化部5の表面粗さ(算術平均粗さ)Raは2μmとした。
(e)評価
実施例1,2で製造した各配線回路基板100、および比較例2で製造した配線回路基板においては、各端子用開口部7において導体パターン2とカバー絶縁層6との界面に、電解金めっき層10に起因しためっき材料は浸入していなかった(めっきもぐりは観察されなかった)。
一方、比較例1で製造した配線回路基板においては、めっきもぐりが観察された。
また、実施例1,2で製造した各配線回路基板100、および比較例1で製造した配線回路基板においては、高周波特性において周波数6GHzでの伝送損失が0.6dB未満であったのに対して、比較例2で製造した配線回路基板においては、高周波特性において周波数6GHzでの伝送損失が0.6dBを大きく超え非常に悪くなった。
以上の結果から、実施例1および実施例2の各配線回路基板100の構成を用いることによって、以下の両方の効果が奏されることが確認できた。
第1に、導体パターン2上の一部の領域に形成された粗化部5上にカバー絶縁層6の一部が接着されることによって、導体パターン2の表面のほとんどの領域が粗化されることによって生じる高周波信号(例えば、100MHzまたは300MHz以上)の伝送特性の悪化が防止されることが確認できた。
第2に、上記の構成により、粗化部5を介して導体パターン2とカバー絶縁層6との接着性が向上されることが確認できた。
本発明は、種々の電気機器または電子機器等に利用することができる。
第1の実施の形態に係る配線回路基板の全体構成を示す図である。 セミアディティブ法によりベース絶縁層上に所定の導体パターンを形成する各工程を示す断面図である。 粗化部が形成された配線回路基板が製造されるまでの各工程を示す断面図である。 粗化部が形成された配線回路基板が製造されるまでの各工程の他の例を示す断面図である。 粗化部が形成された配線回路基板が製造されるまでの各工程のさらに他の例を示す断面図である。 第4の実施の形態に係る配線回路基板の構成を示す平面図である。
符号の説明
1 ベース絶縁層
2 導体パターン
3 めっきレジスト
4 粗化レジスト
5 粗化部
6 カバー絶縁層
7 端子用開口部
8 平滑化レジスト
9 粗化レジスト
10 電解金めっき層
100,100a 配線回路基板

Claims (8)

  1. 絶縁層と、
    前記絶縁層上に形成される1または複数の配線と、
    開口部を有するとともに前記1または複数の配線を覆うように前記絶縁層上に形成される保護層とを備え、
    前記1または複数の配線の一部は、前記保護層の開口部内でそれぞれ露出し、
    前記保護層下の前記1または複数の配線の表面のうち前記開口部に隣接する領域が部分的に粗化されていることを特徴とする配線回路基板。
  2. 前記1または複数の配線の表面の算術平均粗さは、1μm以上3μm以下であることを特徴とする請求項1記載の配線回路基板。
  3. 前記粗化されている領域は、前記開口部の周縁から外側に5μm以上100μm以下までの範囲からなることを特徴とする請求項1または2記載の配線回路基板。
  4. 前記開口部内の前記配線上に金属層をさらに備えたことを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の配線回路基板。
  5. 保護層の開口部内で一部が露出する1または複数の配線を有する配線回路基板の製造方法であって、
    絶縁層上に前記1または複数の配線を形成する工程と、
    前記開口部を形成すべき領域に隣接する一部の領域を除く前記1または複数の配線の領域に粗化用のレジストを形成する工程と、
    前記粗化用のレジストが形成されていない前記1または複数の配線の領域を粗化する工程と、
    前記粗化用のレジストを除去する工程と、
    前記開口部を形成すべき領域を除いて前記配線上および前記絶縁層上に前記保護層を形成する工程とを備えたことを特徴とする配線回路基板の製造方法。
  6. 保護層の開口部内で一部が露出する1または複数の配線を有する配線回路基板の製造方法であって、
    絶縁層上に前記1または複数の配線を形成する工程と、
    前記1または複数の配線の表面を粗化する工程と、
    前記開口部を形成すべき領域に隣接する一部の領域に平滑化用のレジストを形成する工程と、
    前記平滑化用のレジストが形成されていない前記1または複数の配線の領域を平滑化する工程と、
    前記平滑化用のレジストを除去する工程と、
    前記開口部を形成すべき領域を除いて前記配線上および前記絶縁層上に前記保護層を形成する工程とを備えたことを特徴とする配線回路基板の製造方法。
  7. 保護層の開口部内で一部が露出する1または複数の配線を有する配線回路基板の製造方法であって、
    絶縁層上に前記1または複数の配線を形成する工程と、
    前記開口部を形成すべき領域および当該開口部に隣接する一部の領域を除く前記1または複数の配線の領域に粗化用のレジストを形成する工程と、
    前記粗化用のレジストが形成されていない前記1または複数の配線の領域を粗化する工程と、
    前記粗化用のレジストを除去する工程と、
    前記開口部を形成すべき領域を除いて前記配線上および前記絶縁層上に前記保護層を形成する工程と、
    前記開口部内の前記配線上の領域を平滑化する工程とを備えたことを特徴とする配線回路基板の製造方法。
  8. 前記開口部内の前記配線上に金属層を形成する工程をさらに備えたことを特徴とする請求項5〜7のいずれかに記載の配線回路基板の製造方法。
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