JP2005138099A - 有機性物質を含有する廃水の浄化処理方法 - Google Patents

有機性物質を含有する廃水の浄化処理方法 Download PDF

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Abstract

【課題】有機性物質を含有する廃水の浄化処理方法を提供する。
【解決手段】 超臨界処理又は亜臨界処理を行って有機性物質を含有する廃水の浄化処理方法において、固液分離処理が、凝集剤分離処理、沈降分離処理、浮上分離処理、濾過処理から選ばれる少なくとも1種の前処理をおこない、次いで生物学的処理である1次処理をおこなったのち、超臨界処理又は亜臨界処理である2次処理を含む処理により浄化処理することを特徴とする有機性物質を含有する廃水の浄化処理方法を提供する。
【選択図】 なし

Description

本発明は、有機性物質を含有する廃水の浄化処理方法に関する。
水系塗料洗浄廃液中に含まれる塗料成分を凝集剤により凝集させた後、該凝集物を不織布で濾過分離する方法は公知である(特許文献1)。
一方、有機物廃棄物を、亜臨界水条件下又は超臨界水条件下の水熱反応により液状化させる水熱反応処理工程と、液状水熱反応処理物を空気酸化させる空気酸化処理工程とを備えてなる有機廃棄物の処理方法は公知である。更に水熱反応処理工程あるいは空気酸化処理工程の後に、嫌気性微生物が含まれる汚泥の存在下でメタン発酵させ、メタンガスを回収する方法も公知である(特許文献2)。
特開2001−149948号参照 特開2002−102870号参照
特許文献1に記載の方法の場合には、不織布により濾過された廃水は任意の場所に廃棄する事が出来、かつ不織布及び該凝集物は産業廃棄物として廃棄できるが、不織布により濾過された廃水には、凝集剤により凝集できなかった残存成分、例えば、中和剤成分(アミン、酸など)、硬化剤成分(メラミン硬化剤など)、有機溶剤成分(アルコール系溶剤など)、樹脂成分(低分子量アクリル樹脂、低分子量ポリエステル樹脂など)、その他添加剤成分などが含まれている。従って、このような廃水は、河川などに廃棄すると環境汚染などの問題を生じるため、廃棄することができなかった。
上記した様な環境汚染の原因となる有機物質を含む廃水を、バクテリアによる生物学的処理により該有機物質を除去する方法も考えられるが、このような生物学的処理では、特に、アミン、メラミン硬化剤などの低分子量成分(分子量約1000以下)を分離除去あるいは分解することは困難であった。
特許文献2に記載の方法の場合には、有機物を直接超臨界条件下で水熱反応処理するために、スラッジなどの固形分を含む廃液を処理した際には、処理効率が悪いこと、メラミン硬化剤、アミン、有機溶剤などの低分子量有機物に対する分解が劣ること等の問題がある。更に超臨界処理において残存した低分子量有機物は、これを生物学的処理しても完全に分解し除去することは困難であった。
本発明の目的は、従来の方法では分離除去できなかった、低分子量有機物を効率よく分離除去するとともに、有害物質の含有量が少ない廃水の処理方法を提供することにある。
本発明によれば、以下に示す廃水の浄化処理方法が提供される。
(1)有機性物質を含有する廃水を、超臨界処理又は亜臨界処理を補助する補助処理をおこなった後に、超臨界処理又は亜臨界処理を含む処理により浄化処理することを特徴とする有機性物質を含有する廃水の浄化処理方法(以下、A法とも言う)。
(2)有機性物質を含有する廃水を、超臨界処理又は亜臨界処理を補助する補助処理をおこなった後に、超臨界処理又は亜臨界処理し、その後生物学的処理を含む処理により浄化処理することを特徴とする有機性物質を含有する廃水の浄化処理方法(以下、B法とも言う)。
(3)有機性物質を含有する廃水を、生物学的処理をおこなったのち、超臨界処理又は亜臨界処理を含む処理により浄化処理することを特徴とする有機性物質を含有する廃水の浄化処理方法(以下、C法とも言う)。
本発明において用いる補助処理は、凝集剤分離処理、沈降分離処理、浮上分離処理及び、濾過処理の中から選ばれる少なくとも1種の物理的に補助する処理であることができる。
本発明において用いる補助処理は、酸化還元処理、マイクロ波処理及び、無機物質による処理から選ばれる少なくとも1種の化学的処理であることができる。
本発明において用いる酸化還元処理は、電気分解処理であることができる。
本発明の有機性物質を含有する廃水の浄化処理方法においては、超臨界処理又は亜臨界処理と無機物質による処理とを同時に行うことができる。
本発明の、有機性物質を含有する廃水の浄化処理方法においては、超臨界処理又は亜臨界処理の後に無機物質による処理を行うことができる。
本発明においては、マイクロ波処理と無機物質による処理とを同時に行うことができる。
本発明においては、電気分解処理を行うために、有機性物質含有する廃水をアルミ電極を具備する電解槽に供給し、電解質として硝酸ナトリウムを使用する方法を用いることができる。
本発明においては、前記無機物質は、12CaO・7Al、アルカリ土類金属の酸化物及びアルカリ土類金属の水酸化物の中から選ばれる少なくとも1種の無機化合物であることができる。
本発明においては、無機物質を用いて処理する工程において、加熱を行うことができる。
本発明においては、無機物質の存在下でマイクロ波処理を行うことができる。
本発明のA法、B法及びC法において用いられる有機性物質を含有する廃水としては、各種の廃水があるが、特に塗装で使用された廃水を使用することが好ましく、具体的には、例えば各種塗装ラインや鈑金工場における塗装ブース水、塗料製造装置、塗装機器、治具等に付着した塗料を洗浄した際に発生する水系塗料洗浄廃水などが挙げられる。
以下、A法について詳述する。
A法において用いられる補助処理は、超臨界処理又は亜臨界処理(以下、これらの処理をU処理ともいう)を補助するための処理である。この補助よりの採用により、U処理を短時間で行うことを可能にするとともに、有機物質の含有量の少ない廃水を得ることを可能にする。
補助処理には、物理的方法(Phy法)と化学的方法(Chem法)がある。Phy法としては、例えば排水中に含まれる固体物質(スラッジ)を固液分離する方補が挙げられる。この固液分離処理によると、U処理での被処理廃水量が少なくなり、その結果、短時間でのU処理を可能にする。一方、Chem法は、U法で分離できない難分解性有機物質を易分解性有機物質にまで化学的に分解する方法である。
Phy法としては、例えば、凝集剤分離処理、沈降分離処理、浮上分離処理、濾過処理などが挙げられる。
この処理により、塗装廃水では、通常、沈殿物1〜100g/リットル、CODMn1,000〜8,000mg/リットル、TOC1,000〜8,000mg/リットル、BOD1,000〜8,000mg/リットル、有機溶剤1〜10,000mg/リットルg程度に処理される。ここで、CODMnは、化学的酸素要求量、TOCは全有機体炭素量、BODは生化学的酸素要求量を夫々意味する。有機溶剤としては、例えば水性のエーテル系又はアルコール系の溶剤が挙げられる。
上記した凝集剤分離処理は、塗装廃水などの有機物質を含有する廃水に凝集剤を添加し、廃水中の顔料や樹脂等の有機物質や無機物質などの固形分を不溶化させて凝集させる従来から公知の処理である。
この凝集剤分離処理によって、浮遊もしくは沈降分離した汚泥は分離除去される。分離された汚泥は脱水処理されスラッジとなる。そして汚泥が除去された残りの有機性物質を含有する廃水は、必要に応じてChem法を行った後に、2次処理である超臨界処理又は亜臨界処理に供される。
凝集剤としては、従来から公知の無機塩及び高分子凝集剤を用いることができる。無機塩としては、PAC(ポリ塩化アルミニウム)、硫酸アルミニウム(硫酸バンド)、酸化ナトリウムアルミニウム、ポリ塩化アルミニウム、塩化第二鉄、硫酸第一鉄、硫酸第二鉄などがある。また、高分子凝集剤としては、ポリアクリル酸エステル系、ポリアクリルアミド系、ポリアクリル酸ソーダ系、変性ポリアクリルアミド系、ポリメタクリル酸エステル系、ポリアミド系、ポリアミン系、アミノ縮合系、マレイン酸共重合物、第4級アンモニウム塩、ポリビニルピリジン系、ポリオキシエチレン、アルギン酸ナトリウム、水溶性アニリン樹脂、ポリチオ尿素、ポリエチレンイミンなどがある。これらの凝集剤は廃水の種類に応じてこれらを単独で、あるいは複数種を組合せて用いることができる。
上記した沈降分離処理は、水と、廃水中に存在する有機系、及び/又は無機系の懸濁物質、又は固形粒子との密度差を利用して分離させる方法であって、重力による沈降分離と遠心分離による分離処理が挙げられる。特に遠心分離処理は、懸濁物質、固形粒子などの固形分が水よりも密度が大きいために、高遠心力により短時間で固液分離が行われる。該遠心分離は、例えば、連続式の横型、バッチ式の縦型などの従来から公知の遠心分離装置を用いて行うことができる。そして汚泥が除去された残りの有機性物質を含有する廃水は、必要に応じてChem法を行った後に、超臨界処理又は亜臨界処理に供される。
上記した浮上分離処理は、微細気泡を廃水に導入し、気泡を有機系及び/又は無機系の懸濁物質、固形粒子に付着させ、粒子の見かけ比重を小さくして廃水表面上に浮上させて分離する処理である。該浮上分離処理は、例えば、全量加圧浮上分離装置、部分加圧浮上分離装置、循環加圧浮上分離装置、常圧浮上分離装置などの従来から公知の浮上分離処理装置を用いて行うことができる。
そして汚泥が除去された残りの有機性物質を含有する廃水は、必要に応じてChem法を行った後に、超臨界処理又は亜臨界処理に供される。
上記した濾過処理は、例えば、スクリーン、布、フィルター、篩いなどを用いて、常圧下もしくは加圧下で行うことができる。該処理は1種もしくは2種以上組合わせて使用することができる。
Chem法としては、例えば、酸化還元処理、マイクロ波処理、無機物質分解処理などが挙げられる。該処理は1種もしくは2種以上組合わせて使用することができる。特にマイクロ波処理と無機物質分解処理とを組合わせて処理することが好ましい。これらの処理は、必要に応じて同じ処理を繰返し行うことができる。また、2種以上の処理を組合わせて繰返す処理としては、例えば、12CaO・7Alの存在下でマイクロ波処理を行った後、アルカリ土類金属の酸化物の存在下でマイクロ波処理を行い、再度ア12CaO・7Alの存在下でマイクロ波処理及び/又はアルカリ土類金属の酸化物の存在下でマイクロ波処理を行う方法等を挙げることができる。
酸化還元処理は、廃水中の有機物質を酸化又は還元することにより有機物質に対して何らかの化学変化を生じさせ、それにより超臨界処理又は亜臨界処理による分解を効率よく行わせるものである。該酸化還元処理としては、例えば、酸化剤(例えば、H、KCr、KMnO、O、O、NaOCl、ハロゲン元素など)、還元剤(例えば、H、SO、HS、NaSO、FeSOなど)による処理や下記した電気分解処理などが挙げられる。
該電気分解処理は、電極を塗装廃水などの有機物質を含有する廃水に入れて直流電流を流して電気分解反応を行わせる方法である。この処理では、陽極では電子が取り込まれ酸化反応が起こり、陰極では電子を放出して還元反応が起こる。
また、電気分解処理においては、上記した酸化還元反応以外に、水の電気分解によって生じた酸素と水素の微細な気泡に廃水中の顔料や樹脂等の有機物質や無機物質などの固形分を吸着させ、気泡の浮力でそれらの物質を廃水表面に集めることができる。
この電気分解処理によって、浮遊もしくは沈降分離した汚泥は、分離除去される。分離された汚泥は、脱水処理されてスラッジとなる。そして汚泥が除去された残りの有機性物質を含有する廃水は、2次処理である超臨界処理又は亜臨界処理が行われる。
該電気分解処理を行うには、通常、供給された廃水に電解質を投入・溶解して電気分解を行う。この場合、処理槽としては、水槽内に複数の電極を適当な間隔に配置したものが用いられる。電極間に通電することにより、電気分解を行なうことができる。電極としてはアルミ電極を用いることができ、電解質としては硝酸ナトリウム、塩化ナトリウムなどを使用することが好適である。
上記電気分解処理において、その固形分濃度20,000mg/リットルに対して、電解質濃度(例えば、硝酸ナトリウム濃度)は、約0.01〜0.05mol/リットルである。
上記したマイクロ波処理は、廃水中の有機物質にマイクロ波を照射することにより有機物質に対して何らかの化学変化を生じさせる処理である。この処理によると、該有機物質はそれ自身が分解されるか又は超臨界処理又は亜臨界処理により分解しやすいものとなる。
マイクロ波は波長約0.1〜1,000mmの電磁波であり、UHF(デシメートル波)、SHF(センチメートル波)、EHF(ミリメートル波)、サブミリ波が含まれる。国際的に工業用として割り当てられている2450MHzが用いられることが多いが、これに限定されるものではない。
マイクロ波処理は、電子レンジなどに用いられるマイクロ波発生装置を用いて行うことができる。
マイクロ波照射時間は廃水中の有機物の濃度、照射光の強さなどによって適宜選択できるが、照射時間は通常1分間〜60分間程度が好ましい。
マイクロ波の照射によって廃水は発熱するが、一般に温度が高いほど有機物の分解の速度も上昇するため、廃水の沸騰や有機溶剤の揮散といった作業上の危険のない範囲では特に冷却の必要はない。廃水の温度は高い方が好ましい。
該マイクロ波処理は、例えば酸素含有ガスの供給下で固体触媒を用いて実施することができる。このマイクロ波処理によると、有機物質は酸化分解処理を受ける。
該固体触媒としては、従来公知のものが特に制限なく使用でき、例えばチタン、ケイ素、ジルコニウム、マンガン、鉄、コバルト、ニッケル、タングステン、セリウム、銅、銀、金、白金、パラジウム、ロジウム、ルテニウム及びイリジウムなどから選ばれる金属元素の不溶性又は難溶性の化合物、又はこれらの金属を担持した無機担体(無機酸化物、活性炭、ゼオライトなどの粒状物)などを用いることができる。
無機物質分解処理は、12CaO・7Al、アルカリ土類金属の酸化物、アルカリ土類金属の水酸化物等の無機化合物を用いて廃水中の有機物質に何らかの化学変化を生じさせる処理である。この処理によると、有機物質は、それ自身が分解するか又は超臨界処理又は亜臨界処理による分解を受けやすくなる。この無機物質分解処理はU処理と同時に実施することもできる。
上記した12CaO・7Alは、C12A7と称される12CaO・7Alの結晶であり、通常、炭酸カルシウムと酸化アルミニウムの混合物を1200℃以上1400℃以下で加熱・焼成することで得られる。この焼成反応は、通常の大気下で行なっても良いが、有機物分解効果の点からは、純酸素雰囲気下で行なうことが望ましい。該12CaO・7Alとしては、例えば特開2002−3218号公報に開示の活性酸素を高濃度で包接する12CaO・7Al化合物を用いることができる。
上記12CaO・7Alを用いる有機物含有廃水の分解処理は、該12CaO・7Alを廃水中に添加し、必要に応じて加熱しながら攪拌することによって行われる。処理終了後は、12CaO・7Alをろ過(又は沈殿)回収して再利用することができる。
12CaO・7Alの添加量は、廃水中に含まれる有機物の種類や濃度によって適宜選択され、通常は廃水に対して0.1〜40重量%、好ましくは0.5〜15重量%程度が好適である。該添加量が0.1重量%未満では、有機物を十分に分解するのが困難であり、一方40重量%を越えると、処理槽内の十分な攪拌が困難となり、またコスト面でも不利となるので望ましくない。
上記処理では加熱によって無機物質の有機物分解能をさらに高めることができる。加熱の手段としては、特にマイクロ波の照射が好適である。
上記したアルカリ土類金属の酸化物及び/又は水酸化物は、非水溶性であることが望ましい。アルカリ土類金属としては、カルシウムがコストや有機物分解能の面から特に好適である。アルカリ土類金属の酸化物は、水と反応して水酸化物となるが、その際発熱を伴い激しく反応するため、ハンドリング性、安定性の面からは水酸化物の方が望ましい。またアルカリ土類金属の酸化物及び/又は水酸化物として、アルカリ土類金属を含む複合金属酸化物及び/又は水酸化物を用いてもよい。
上記アルカリ土類金属の酸化物及び/又は水酸化物を用いた有機物含有廃水の分解処理は、該アルカリ土類金属の酸化物及び/又は水酸化物を廃水中に添加し、必要に応じて加熱しながら攪拌することによって行われる。処理終了後は、アルカリ土類金属の酸化物及び/又は水酸化物をろ過回収して再利用することができる。
アルカリ土類金属の酸化物及び/又は水酸化物の添加量は、廃水中に含まれる有機物の種類や濃度によって適宜選択され、通常は廃水に対して0.1〜50重量%、好ましくは1〜20重量%程度が好適である。該添加量が0.1重量%未満では、有機物を十分に分解するのが困難であり、一方50重量%を越えると、処理槽内の十分な攪拌が困難となり、またコスト面でも不利となるので望ましくない。
上記処理では加熱によって有機物の分解効率をさらに高めることができる。加熱の手段としては、特にマイクロ波の照射が好適である。
本発明A法で実施される補助処理として、上記したPhy法又はChem法を単独で実施しても、又はPhy法を実施した後にChem法を組合わせて実施することができる。組合わせて実施する場合には、特に廃水の固形分が高い場合には、Phy法により固形分を除去した後、Chem法を行うことが好ましい。
本発明A法のU処理は、補助処理により特に酸化分解が容易になった有機物質を含む廃液を、超臨界水又は亜臨界水で酸化処理して有機物質を分解する処理である。
超臨界水とは、水の臨界条件、即ち臨界温度374.1℃、臨界圧力22.12MPaを超えた状態の水を意味する。また、亜臨界水とは、超臨界水と同様の効果があり、通常、ケルビン単位で温度が臨界温度の0.65倍以上であり、かつ圧力が臨界圧力の0.65倍以上の水を意味する。このような状態下では、これ以上圧力を加えても液化することは不可能となる。また物性面では、超臨界水又は亜臨界水は気体や液体とよぶことができず、両者の中間的な性質を有している。気液の境界はなくなり超臨界水又は亜臨界水として単一相として存在する。即ち、超臨界水又は亜臨界水は酸素などに対して任意の割合で単一相として混合するために、有機物質の酸化分解時の反応溶媒として特に有用である。
超臨界水又は亜臨界水を用いる酸化処理において、必要に応じて従来から公知の酸化剤(例えば、H、KCr、KMnO、O、O、NaOCl、ハロゲン元素など)を存在させることができる。その割合は、廃水100重量部に対して、通常、0.5〜50重量部、好ましくは1〜20重量部の範囲である。
また、廃水に、酸素、空気を吹き込みながら超臨界処理又は亜臨界処理を行うこともできる。
超臨界処理又は亜臨界処理の条件は、上記した臨界条件を満たす条件であれば制限はされないが、通常、反応温度は300〜800℃、好ましくは400〜600℃、圧力は88〜300気圧(8.9〜30.4MPa)、好ましくは100〜170気圧(10.1〜17.2MPa)、反応時間は30秒〜180分、好ましくは5〜90分の範囲である。
超臨界処理又は亜臨界処理では、ほとんどの有機物は、加水分解反応や熱分解反応によりガス状生成物(CO、H、CH、COなど)と、アルコール、アルデヒド、フランといった揮発性物質に変換される。また、酸素を存在させることにより数秒から数分で有機物は水と炭酸ガスにまで分解される。また、廃水中にヘテロ原子を含む場合には、塩基性物質を添加して塩として分離することができる。また、廃水成分中の炭素含有率が2%以上あれば自己の保有する酸化熱だけで550℃以上の状態まで昇温が可能であり燃焼法と比較してエネルギー的に有利である。
また、超臨界処理又は亜臨界処理を行うために、廃水に上記無機物質処理で使用した無機物質を添加し、ついで超臨界状態又は亜臨界状態とする、これによって、無機物質処理と超臨界処理又は亜臨界処理とを同時に行うこともできる。
U処理によれば、塗装廃水では、CODMn1,000mg/リットル未満、好ましくは500mg/リットル未満、TOC1,000mg/リットル未満、好ましくは500mg/リットル未満、BOD1,000mg/リットル未満、好ましくは500mg/リットル未満、有機溶剤1mg/リットル未満、好ましくは0.5mg/リットル未満にまで処理できる。
上記したレベルまで浄化されれば、廃水はそのまま排出され、そうでなければ上記したU処理後の処理水を返送水として、再度補助処理やU処理を行ない、上記レベルまで浄化することが望ましい。
本発明A法においては、U処理の後に、必要に応じて上記した無機物質処理を行うことができる。
本発明のA法で実施される補助処理は、超臨界処理又は亜臨界処理を補助するものであり、この補助処理の採用により、短時間でU処理を行うことができ、そして有機物質の含有量が少ない廃水をうることができる。
超臨界水又は亜臨界水処理は、ほとんどの有機物を加水分解反応や熱分解反応によりガス状生成物と揮発性物質に変換させ、更に、酸素を存在させることにより有機物を単時間で水と揮発性ガスにまで分解することができる。
更に、12CaO・7Alを使用した無機物質処理は、加熱により有機物の分解触媒として作用し、特に、酸素の存在下で加熱すると無機物質自体が酸素ラジカルを発生して有機物の分解を促進したりする。加熱手段としてマイクロ波を使用すると短時間による加熱が可能であり、また酸素ラジカルの発生にも有効である。
また、アルカリ土類金属を使用した無機物質処理は、該無機物質が有する水酸基イオンが、例えば、現在熱硬化型塗料として一般的に使用されているメラミン硬化形塗装廃水に含まれる水溶性硬化剤であるアルキルエーテル化メラミンのアルキルエーテル結合部の加水分解を促進するといった効果がある。
本発明のB法は、有機性物質を含有する廃水を、超臨界処理又は亜臨界処理を補助する補助処理を行った後に、超臨界又は亜臨界処理し、その後、生物学的処理を含む処理により浄化処理することを特徴とする有機性物質を含有する廃水の浄化処理方法である。
このB法においては、U処理を行う前に該U処理を補助する処理を行うのが好ましい。
該補助処理は、凝集剤分離処理、沈降分離処理、浮上分離処理、濾過処理の中から選ばれる少なくとも1種の処理であることができる。
該補助処理は、酸化還元処理、マイクロ波処理、無機物質による処理の中から選ばれる少なくとも1種の処理であることができる。
該酸化還元処理は、電気分解処理であることができる。
本発明B法において、超臨界処理又は亜臨界処理と無機物質による処理とを同時に行うことができる。
本発明B法において、超臨界処理又は亜臨界処理と生物学的処理との間に無機物質による処理を行うことができる。
本発明B法によれば、マイクロ波処理と無機物質による処理とを同時に行うことができる。
該電気分解処理を行うために、有機性物質含有する廃水を、アルミ電極を具備する電解槽に供給し、電解質として硝酸ナトリウムを使用する方法を採用することができる。
該無機物質は、12CaO・7Al、アルカリ土類金属の酸化物及びアルカリ土類金属の水酸化物の中から選ばれる少なくとも1種の無機化合物であることができる。
該無機物質を用いて処理する工程において、加熱を行うことができる。
該マイクロ波処理は、無機物質の存在下でマイクロ波処理を行うことができる。
B法で用いる補助処理は、A法で示した補助処理と同様の方法及び条件で実施され、その詳細はA法で示した補助処理に関する記述を参照されたい。
B法におけるU処理は、補助処理により、特に酸化分解が容易になった有機物を含有する廃液を、超臨界又は亜臨界水を用いる酸化処理により、該廃液中に含まれる有機物質を分解するための処理である。
このU処理は、前記A法におけるU処理と同様に実施することができ、その詳細は、A法に関して示したU処理についての記載を参照されたい。
本発明B法においては、U処理の後に、生物学的処理が行われる。
該生物学的処理は、有機又は無機の担体に微生物を担持させ、この微生物により、廃水中の有機物を分解させるもので、活性汚泥法より効率がよい。有機担体の材質としては、例えば、光硬化性樹脂、ポリウレタン、ポリビニルアルコール、ポリエチレン、ポリアクリルアミド、ポリエステル、ポリプロピレン、寒天、アルギン酸、カラギーナン、セルロール、デキストラン、アガロース、イオン交換樹脂などが挙げられるが、これらに限定されるものではなく、また、これらと無機物を併用することもできる。
生物学的処理に用いられる微生物としては、従来公知の好気性菌及び嫌気性菌の中から適宜選択すればよい。好気性菌としては、例えばシュードモナス属菌、アシトバクター属菌等が挙げられる。また、嫌気性菌としては、例えばメタン細菌、クロストリジウム属菌等が挙げられる。上記生物処理は、例えば処理温度10〜40℃、pH6.0〜9.0、水理学的滞留時間(HRT)24〜48時間の条件下に行うことができる。
本発明B法で実施される補助処理は、超臨界処理又は亜臨界処理を化学的又は物理的に補助するもので、この補助処理により、短時間で処理を行うことができ、そして有機物質の含有量が少ない廃水をうることができる。また、この補助処理によると、廃水に含まれる有機物質を直接分解したり、U処理で分解できない難分解性有機物質を易分解性有機物質にまで予備的に分解することができる。
超臨界水又は亜臨界水は、水と酸素である気液の境界がなくなり、単一相の超臨界水又は亜臨界水として存在するために、有機物質の酸化分解時の反応溶媒として特に有用である。
超臨界水処理又は亜臨界水処理は、ほとんどの有機物を加水分解反応や熱分解反応によりガス状生成物と揮発性物質に変換させ、更に、有機物を酸素と混合処理することにより単時間で水と揮発性ガスにまで分解することができる。
更に、12CaO・7Alを使用した無機物質処理において、該無機物質は、加熱により有機物の分解触媒として作用し、特に、酸素の存在下で加熱すると無機物質自体が酸素ラジカルを発生して有機物の分解を促進したりする。加熱手段としてマイクロ波を使用すると、短時間による加熱が可能であり、また酸素ラジカルの発生が促進される。
また、アルカリ土類金属を使用した無機物質処理において、該無機物質が有する水酸基イオンは、例えば、現在熱硬化形塗料として一般的に使用されているメラミン硬化型塗装廃水に含まれる水溶性硬化剤であるアルキルエーテル化メラミン硬化剤のアルキルエーテル結合部の加水分解を促進するといった効果がある。
本発明B法は、生物学的処理を 超臨界処理又は亜臨界処理と組合わせたことにより、特に超臨界処理又は亜臨界処理により酸化分解できなかった有機物質を分解することができる。
本発明のC法は、有機性物質を含有する廃水を、生物学的処理をおこなったのち、超臨界処理又は亜臨界処理を含む処理により浄化処理することを特徴とする有機性物質を含有する廃水の浄化処理方法である。
以下、C法について詳述する。
本発明C法においては、生物学的処理の前に、固液分離処理を行うことができる。該固液分離処理は、凝集剤分離処理、沈降分離処理、浮上分離処理、濾過処理の中から選ばれる少なくとも1種の処理であることができる。
C法においては、該固液分離処理と生物学的処理との間に、生物学的処理及び/又は超臨界処理又は亜臨界水処理の分解を促進する中間処理を行うことができる。
該中間処理は、酸化還元処理、マイクロ波処理、無機物質による処理の中から選ばれる少なくとも1種の処理であることができる。
該酸化還元処理は、電気分解処理であることができる。
本発明C法においては、生物学的処理と超臨界処理又は亜臨界処理との間に、無機物質による処理をおこなうことができる。
本発明C法においては、該電気分解処理を行うために、有機性物質含有する廃水をアルミ電極を具備する電解槽に供給し、電解質として硝酸ナトリウムを使用する方法を採用することができる。
該無機物質は、12CaO・7Al、アルカリ土類金属の酸化物及びアルカリ土類金属の水酸化物の中から選ばれる少なくとも1種の無機化合物であることができる。
該無機物質による処理は、加熱しながら行うことができる。
該加熱は、マイクロ波処理により行うことができる。
本発明C法で用いる生物学的処理は、前記B法において示した生物学的処理と同様に実施することができ、その詳細については、前記B法に示した生物学的処理の記述を参照されたい。
また、本発明のC法において用いる超臨界処理又は亜臨界処理は、前記A法に関して示した方法と同様にして行うことができ、その詳細については、前記A法において示した記述を参照されたい。
本発明において、生物学的処理の前に、該生物学的処理(1次処理)や超臨界処理又は亜臨界処理(2次処理)による浄化処理を補助する補助処理を行うことができる。この処理により、短時間でU処理を行うことができ、そして有機物質の含有量が少ない廃水をうることができる。このような補助処理としては、物理的方法(Phy法)と化学的方法(Chem法)がある。これらの補助処理は、A法において用いる補助処理(Phy処理、Chem処理)と同様にして実施することができ、その詳細についてはA法における補助処理いついての記述を参照されたい。
Phy処理としては、例えば、凝集剤分離処理、沈降分離処理、浮上分離処理、濾過処理などが挙げられる。これらの前処理は、前記A法において示したPhy法と同様に実施することができ、その詳細は、そのPhy法についての記載を参照されたい。
該Phy処理で汚泥が除去された残りの有機性物質を含有する廃水は、必要に応じてChem処理を行った後に、1次処理である生物学的処理に供される。
前記Phy処理で用いる濾過処理は、例えば、スクリーン、布、フィルター、篩いなどを用いて、常圧下もしくは加圧下で行うことができる。該処理は1種もしくは2種以上組合わせて使用することができる。
Chem処理は、前記A法において示したChem法と同様に実施することができ、その詳細は、そのChem法についての記載を参照されたい。
本発明C法で実施されるPhy処理又はChem処理は、単独で実施することができる他、Phy処理を実施した後にChem処理を組合わせて実施することができる。組合わせて実施する場合には、特に廃水の固形分が高い場合には、Phy処理により固形分を除去した後、Chem処理を行うことが好ましい。
また、無機物質を使用した処理を、生物学的処理と超臨界水処理又は亜臨界水処理との間で行うことができる。
この無機物質を使用した処理を行うには、廃水に無機物質を添加し、ついで超臨界状態又は亜臨界状態とする。このようにして、無機物質処理と超臨界処理又は亜臨界処理とを同時に行うこともできる。
C法において、超臨界処理又は亜臨界処理により、塗装廃水では、CODMn1,000mg/リットル未満、好ましくは500mg/リットル未満、TOC1,000mg/リットル未満、好ましくは500mg/リットル未満、BOD1,000mg/リットル未満、好ましくは500mg/リットル未満、有機溶剤1mg/リットル未満、好ましくは0.5mg/リットル未満にまで処理できる。
上記したレベルまで浄化されれば、廃水はそのまま排出され、そうでなければ上記したU処理後の処理水を返送水として、再度Chem処理や、生物学的処理を行ない、上記レベルまで浄化することが望ましい。
本発明C方法で補助処理として実施されるPhy処理やChem処理は、生物学的処理や超臨界処理又は亜臨界処理を化学的又は物理的に補助するものである。この補助処理の採用により、U処理を短時間で行うことができ、そして有機物質の含有量が少ない廃水をうることができる。
以下、実施例により本発明をさらに詳細に説明する。
実施例1
自動車用水性塗料(ポリエステル/メラミン硬化型、固形分22.3重量%)を固形分2重量%になるように水で希釈したものを塗装廃水試料(A)として用いた。この試料(A)中の初期におけるCODMnは8,500mg/リットル、TOCは11,000mg/リットル、メラミン硬化剤量は3.49×10mV・秒であった。尚、ここでのメラミン硬化剤量は、高速液体クロマトグラフィー(HPLC)でのメラミン硬化剤を示す検出電位と検出時間の積(面積)を示す(以下、同様に意味を示す)。
この塗装廃水試料(A)280gに、硝酸ナトリウム溶液を濃度0.02mol/リットルとなるように混合し、その混合液を電解槽に入れ、スターラーで攪拌下、その中に電極面積(片面)が35cmのアルミ電極板2枚を電極間距離20mmとなるように設置し、電圧10Vで0.17時間通電する条件にて電気分解処理を行なった。
次いで、得られた電気分解処理水を濾過し、その濾過液100重量部に対してHを5重量部配合したものを500℃で25MPaの超臨界水下で30分間処理を行った。CODMn、TOC、メラミン硬化剤量を表1に示す。
実施例2
上記と同様の塗装廃水(A)280gに凝集剤クリスタックB100(栗田工業社製)を15,000mg、クリスタックB450(栗田工業社製)を1,500mg添加して攪拌した後1日放置し、凝集物を取り除いた。この凝集処理後の処理液(B)のCODMnは5,800mg/l及びTOCは6,800mg/lであった。該処理液(B)にマイクロ波(周波数2.45GHz、出力500W)を5分間照射した。
次いで、得られたマイクロ波処理水100重量部に対してHを5重量部配合したものを500℃で25MPaの超臨界水下で30分間処理を行った。処理液中のCODMn、TOC、メラミン硬化剤量を表1に示す。
実施例3
実施例2で得られた処理液(B)の10重量%に相当する量の12CaO・7Al(純酸素雰囲気下で1250℃・3時間焼成して得られたもの)を処理液(B)中に添加して攪拌した後、マイクロ波(周波数2.45GHz、出力500W)を10分間照射した。この12CaO・7Al処理後の処理液(C)のCODMn、TOC、メラミン硬化剤量を表1に示す。
次いで、得られた処理水100重量部に対してHを5重量部配合したものを500℃で25MPaの超臨界水下で30分間処理を行った。処理液中のCODMn、TOC、メラミン硬化剤量を表1に示す。
実施例4
実施例2で得られた処理液(B)の10重量%に相当する量の水酸化カルシウムを処理液(B)中に添加して攪拌した後、マイクロ波(周波数2.45GHz、出力500W)を10分間照射した。この12CaO・7Al処理後の処理液(C)中のCODMn、TOC、メラミン硬化剤量を表1に示す。
次いで、得られた処理水100重量部に対してHを5重量部配合したものを500℃で25MPaの超臨界水下で30分間処理を行った。処理液中のCODMn、TOC、メラミン硬化剤量を表1に示す。
比較例1
実施例1において、超臨界水処理を行わない以外は実施例1と同様にして処理を行った。処理液中のCODMn、TOC、メラミン硬化剤量を表1に示す。
比較例2
実施例2において、超臨界水処理を行わない以外は実施例2と同様にして処理を行った。処理液中のCODMn、TOC、メラミン硬化剤量を表1に示す。
比較例3
実施例3において、超臨界水処理を行わない以外は実施例3と同様にして処理を行った。処理液中のCODMn、TOC、メラミン硬化剤量を表1に示す。
比較例4
実施例4において、超臨界水処理を行わない以外は実施例4と同様にして処理を行った。処理液中のCODMn、TOC、メラミン硬化剤量を表1に示す。
Figure 2005138099
表1において、CODMnの単位はmg/リットル、TOCの単位はmg/リットル、メラミン硬化剤量の単位はmV・秒である。
実施例5
実施例1で示した塗装廃水試料(A)280gに、硝酸ナトリウム溶液を濃度0.02mol/リットルとなるように混合し、その混合液を電解槽に入れ、スターラーで攪拌下、その中に電極面積(片面)が35cmのアルミ電極板2枚を電極間距離20mmとなるように設置し、電圧10Vで0.17時間通電する条件にて電気分解処理を行なった。
次いで、得られた電気分解処理水を濾過し、その濾過液100重量部に対してHを5重量部配合したものを500℃で25MPaの超臨界水下で30分間処理を行った。
次いで、該処理液を生物反応槽に入れ、シュードモナス属、アシトバクター属、ロドコッカス属、バチルス属、キャンディダ属及びフザリウム属の好気性菌を有する活性汚泥を使用し、処理温度20〜25℃、pH7〜8.5及び水理学的滞留時間48時間の条件下に生物処理を行った後、生物処理水を濾過処理した。CODMn、TOC、メラミン硬化剤量を表2に示す。
実施例6
上記と同様の塗装廃水(A)280gに凝集剤クリスタックB100(栗田工業社製)を15,000mg、クリスタックB450(栗田工業社製)を1,500mg添加して攪拌した後1日放置し、凝集物を取り除いた。この凝集処理後の処理液(B)のCODMnは5,800mg/l及びTOCは6,800mg/lであった。該処理液(B)にマイクロ波(周波数2.45GHz、出力500W)を5分間照射した。
次いで、得られたマイクロ波処理水を500℃で25MPaの超臨界水下で30分間処理を行った。
次いで該処理液を生物反応槽に入れ、シュードモナス属、アシトバクター属、ロドコッカス属、バチルス属、キャンディダ属及びフザリウム属の好気性菌を有する活性汚泥を使用し、処理温度20〜25℃、pH7〜8.5及び水理学的滞留時間48時間の条件下に生物処理を行った後、生物処理水を濾過した。CODMn、TOC、メラミン硬化剤量を表2に示す。
実施例7
実施例6で得られた処理液(B)の10重量%に相当する量の12CaO・7Al(純酸素雰囲気下で1250℃・3時間焼成して得られたもの)を処理液(B)中に添加して攪拌した後、マイクロ波(周波数2.45GHz、出力500W)を10分間照射した。この12CaO・7Al処理後の処理液(C)のCODMn、TOC、メラミン硬化剤量を表2に示す。
次いで、得られた処理水100重量部に対してHを5重量部配合したものを500℃で25MPaの超臨界水下で30分間処理を行った。
次いで、該処理液を生物反応槽に入れ、シュードモナス属、アシトバクター属、ロドコッカス属、バチルス属、キャンディダ属及びフザリウム属の好気性菌を有する活性汚泥を使用し、処理温度20〜25℃、pH7〜8.5及び水理学的滞留時間48時間の条件下に生物処理を行った後、生物処理水を濾過した。CODMn、TOC、メラミン硬化剤量を表2に示す。
実施例8
実施例6で得られた処理液(B)の10重量%に相当する量の水酸化カルシウムを処理液(B)中に添加して攪拌した後、マイクロ波(周波数2.45GHz、出力500W)を10分間照射した。この12CaO・7Al処理後の処理液(C)のCODMn、TOC、メラミン硬化剤量を表2に示す。
次いで、得られた処理水100重量部に対してHを5重量部配合したものを500℃で25MPaの超臨界水下で30分間処理を行った。
次いで、該処理液を生物反応槽に入れ、シュードモナス属、アシトバクター属、ロドコッカス属、バチルス属、キャンディダ属及びフザリウム属の好気性菌を有する活性汚泥を使用し、処理温度20〜25℃、pH7〜8.5及び水理学的滞留時間48時間の条件下に生物処理を行った後、生物処理水を濾過した。CODMn、TOC、メラミン硬化剤量を表1に示す。
比較例5
実施例5において、超臨界水処理を行わない以外は実施例5と同様にして処理を行った。CODMn、TOC、メラミン硬化剤量を表2に示す。
比較例6
実施例6において、超臨界水処理を行わない以外は実施例6と同様にして処理を行った。CODMn、TOC、メラミン硬化剤量を表2に示す。
比較例7
実施例7において、超臨界水処理を行わない以外は実施例7と同様にして処理を行った。CODMn、TOC、メラミン硬化剤量を表2に示す。
比較例8
実施例8において、超臨界水処理を行わない以外は実施例8と同様にして処理を行った。CODMn、TOC、メラミン硬化剤量を表2に示す。
Figure 2005138099
実施例9
実施例1で示した塗装廃水試料(A)280gに、硝酸ナトリウム溶液を濃度0.02mol/リットルとなるように混合し、その混合液を電解槽に入れ、スターラーで攪拌下、その中に電極面積(片面)が35cmのアルミ電極板2枚を電極間距離20mmとなるように設置し、電圧10Vで0.17時間通電する条件にて電気分解処理を行なった。
次いで、得られた電気分解処理水を濾過し、次いで該濾過液を生物反応槽に入れ、シュードモナス属、アシトバクター属、ロドコッカス属、バチルス属、キャンディダ属及びフザリウム属の好気性菌を有する活性汚泥を使用し、処理温度20〜25℃、pH7〜8.5及び水理学的滞留時間48時間の条件下に生物処理を行った後、生物処理水を濾過した。次いで、その濾過液100重量部に対してHを5重量部配合したものを500℃で25MPaの超臨界水下で30分間処理を行った。CODMn、TOC、メラミン硬化剤量を表3に示す。
実施例10
上記と同様の塗装廃水(A)280gに凝集剤クリスタックB100(栗田工業社製)を15,000mg、クリスタックB450(栗田工業社製)を1,500mg添加して攪拌した後1日放置し、凝集物を取り除いた。この凝集処理後の処理液(B)にマイクロ波(周波数2.45GHz、出力500W)を5分間照射した。
次いで、得られたマイクロ波処理水を生物反応槽に入れ、シュードモナス属、アシトバクター属、ロドコッカス属、バチルス属、キャンディダ属及びフザリウム属の好気性菌を有する活性汚泥を使用し、処理温度20〜25℃、pH7〜8.5及び水理学的滞留時間48時間の条件下に生物処理を行った後、生物処理水を濾過した。次いで、その濾過液100重量部に対してHを5重量部配合したものを500℃で25MPaの超臨界水下で30分間処理を行った。CODMn、TOC、メラミン硬化剤量を表3に示す。
実施例11
実施例10で得られた処理液(B)の10重量%に相当する量の12CaO・7Al(純酸素雰囲気下で1250℃・3時間焼成して得られたもの)を処理液(B)中に添加して攪拌した後、マイクロ波(周波数2.45GHz、出力500W)を10分間照射した。この12CaO・7Al処理後の処理液(C)のCODMn、TOC、メラミン硬化剤量を表3に示す。
次いで、該処理液を生物反応槽に入れ、シュードモナス属、アシトバクター属、ロドコッカス属、バチルス属、キャンディダ属及びフザリウム属の好気性菌を有する活性汚泥を使用し、処理温度20〜25℃、pH7〜8.5及び水理学的滞留時間48時間の条件下に生物処理を行った後、生物処理水を濾過した。
次いで、得られた処理水100重量部に対してHを100重量%に換算して5重量部配合したものを500℃で25MPaの超臨界水下で30分間処理を行った。CODMn、TOC、メラミン硬化剤量を表3に示す。
実施例12
実施例10で得られた処理液(B)の10重量%に相当する量の水酸化カルシウムを処理液(B)中に添加して攪拌した後、マイクロ波(周波数2.45GHz、出力500W)を10分間照射した。この処理後の処理液(C)を生物反応槽に入れ、シュードモナス属、アシトバクター属、ロドコッカス属、バチルス属、キャンディダ属及びフザリウム属の好気性菌を有する活性汚泥を使用し、処理温度20〜25℃、pH7〜8.5及び水理学的滞留時間48時間の条件下に生物処理を行った後、生物処理水を濾過した。
次いで、得られた処理水100重量部に対してHを5重量部配合したものを500℃で25MPaの超臨界水下で30分間処理を行った。CODMn、TOC、メラミン硬化剤量を表3に示す。
比較例9
実施例9において、超臨界水処理を行わない以外は実施例9と同様にして処理を行った。CODMn、TOC、メラミン硬化剤量を表3に示す。
比較例10
実施例10において、超臨界水処理を行わない以外は実施例10と同様にして処理を行った。CODMn、TOC、メラミン硬化剤量を表3に示す。
比較例11
実施例11において、超臨界水処理を行わない以外は実施例11と同様にして処理を行った。CODMn、TOC、メラミン硬化剤量を表3に示す。
比較例12
実施例12において、超臨界水処理を行わない以外は実施例12と同様にして処理を行った。CODMn、TOC、メラミン硬化剤量を表1に示す。
Figure 2005138099

Claims (22)

  1. 有機性物質を含有する廃水を、超臨界処理又は亜臨界処理を補助する補助処理をおこなった後に、超臨界処理又は亜臨界処理を含む処理により浄化処理することを特徴とする有機性物質を含有する廃水の浄化処理方法。
  2. 補助処理が、凝集剤分離処理、沈降分離処理、浮上分離処理、濾過処理の中から選ばれる少なくとも1種の物理的処理である請求項1に記載の浄化処理方法。
  3. 補助処理が、酸化還元処理、マイクロ波処理、無機物質による処理の中から選ばれる少なくとも1種の化学的処理である請求項1に記載の浄化処理方法。
  4. 酸化還元処理が、電気分解処理である請求項3に記載の浄化処理方法。
  5. 超臨界処理又は亜臨界処理と無機物質による処理とを同時に行う請求項3に記載の浄化処理方法。
  6. 超臨界処理又は亜臨界処理の後に無機物質による処理を行う請求項3に記載の浄化処理方法。
  7. マイクロ波処理と無機物質による処理とを同時に行う請求項3、5又は6に記載の浄化処理方法。
  8. 電気分解処理を行うために、有機性物質含有する廃水をアルミ電極を具備した電解槽に供給し、電解質として硝酸ナトリウムを使用する請求項4に記載の浄化処理方法。
  9. 無機物質が、12CaO・7Al、アルカリ土類金属の酸化物及びアルカリ土類金属の水酸化物の中から選ばれる少なくとも1種の無機化合物である請求項5、6又は7に記載の浄化処理方法。
  10. 加熱を行う請求項5、6、7又は9に記載の浄化処理方法。
  11. 無機物質の存在下でマイクロ波処理を行う請求項10に記載の浄化処理方法。
  12. 有機性物質を有する廃水を、超臨界処理又は亜臨界処理を補助する補助処理を行った後に、超臨界処理又は亜臨界処理し、その後生物学的処理を含む処理により浄化処理することを特徴とする有機性物質を含有する廃水の浄化処理方法。
  13. 補助処理が、凝集剤分離処理、沈降分離処理、浮上分離処理、濾過処理から選ばれる少なくとも1種の処理である請求項12に記載の浄化処理方法。
  14. 補助処理が、酸化還元処理、マイクロ波処理、無機物質による処理の中から選ばれる少なくとも1種の処理である請求項12に記載の浄化処理方法。
  15. 超臨界処理又は亜臨界処理と無機物質による処理とを同時に行う請求項14に記載の浄化処理方法。
  16. 超臨界処理又は亜臨界処理の後に無機物質による処理を行う請求項14に記載の浄化処理方法。
  17. 有機性物質を含有する廃水を、生物学的処理をおこなったのち、超臨界処理又は亜臨界処理を含む処理により浄化処理することを特徴とする有機性物質を含有する廃水の浄化処理方法。
  18. 生物学的処理の前に、固液分離処理を行う請求項17に記載の浄化処理方法。
  19. 固液分離処理が、凝集剤分離処理、沈降分離処理、浮上分離処理、濾過処理の中から選ばれる少なくとも1種の処理である請求項18に記載の浄化処理方法。
  20. 固液分離処理と生物学的処理との間に、生物学的処理及び/又は超臨界処理又は亜臨界処理を促進する中間処理を行う請求項18又は19に記載の浄化処理方法。
  21. 中間処理が、酸化還元処理、マイクロ波処理、無機物質による処理の中から選ばれる少なくとも1種の処理である請求項20に記載の浄化処理方法。
  22. 生物学的処理と超臨界処理又は亜臨界処理との間に、無機物質による処理をおこなう請求項17〜21のいずれかに記載の浄化処理方法。
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