以下、本発明の第1の実施の形態に係る画像データ受信装置について、図面に基づき説明する。この画像データ受信装置1は、外部から受信した画像データに基づいてプリントデータを生成し、生成したプリントデータを所定のデータ転送インターフェースを介してプリンタ装置22に転送する装置である。なお、本実施の形態においては、外部の装置からファクシミリ受信した画像データに基づいてプリントデータを生成し、生成したプリントデータ等をUSBケーブル24を介してプリンタ装置22に転送する場合について説明する。
図1は、画像データ受信装置1の構成例を示したブロック図である。画像データ受信装置1は、図示するように制御部(MPU:Microprocessing Unit)2、ROM(Read Only Memory)3、RAM(Random Access Memory)4、原稿読取部5、ページメモリ6、入力色変換回路7、出力色変換回路8、コーデック(CODEC:Coder and Decoder)9、画像メモリ10、操作部11、表示部12、通信部13、PDL変換回路14、及びUSBホストコントローラ15を備えたものであって、各部2乃至15は、バス16によって通信可能に接続されている。
制御部2は、ROM3に格納されている制御プログラムに従って、この画像データ受信装置1を構成する各部を制御する。ROM3は前記制御プログラムを格納している。RAM4は、制御部2の主メモリ、ワークエリア等として機能し、ファクシミリ番号などの他に、表示用データ及び表示コマンドが格納されている。ここで、表示用データは、画像データ受信装置1がファクシミリ受信した画像データに基づいて生成されたプリントデータがプリンタ装置22に転送されてからプリンタ装置22における前記プリントデータの印刷処理が完了するまでの間、印刷中であることを報知するための表示を表示部12に行わせるためのものであり、表示コマンドは、プリンタ装置22において同様の表示を行わせるためのコマンドである。
原稿読取部5は、原稿の画像を走査して画像データとして読み取るものであり、カラー原稿の画像を読み取ることができる機構を備えたものである。原稿読取部5は、カラーラインセンサ(CCD:Charge Coupled Device)、A/Dコンバータ、画像処理回路等を具備し、カラーラインセンサにより原稿の画像を読取って、A/D変換及び、シェーディング補正、ずれ/ライン補正等の画像処理を施したRGB表色系(RGB color system)の画像データを生成し、所定の出力先へ出力する。ページメモリ6は、原稿読取部5で読み取られた画像データ等を一時的に格納する。
入力色変換回路7は、原稿読取部5から出力されたRGB表色系の画像データをYCrCb表色系の画像データ又はL*a*b*表色系の画像データに変換し、さらに拡大/縮小、地色補正等の画像処理を施す。また、入力色変換回路7には、多値メモリコントローラ(不図示)が実装されており、多値メモリコントローラは、制御部2の制御命令に従って前記表色系に変換された画像データをページメモリ6の多値領域に張り付けたり、ページメモリ6の多値領域に張り付けられている画像データをコーデック9、出力色変換回路8又は、コーデック9を介さずに画像メモリ10へ出力する。
出力色変換回路8は、入力色変換回路7が出力したL*a*b*表色系の画像データに対して各成分1ビットのCMYKの出力色表色系の画像データに変換した後、誤差拡散処理等を行って二値化する処理を行う。また、出力色変換回路8には、二値メモリコントローラ(不図示)が実装されており、二値メモリコントローラは、制御部2の制御命令に従って前記二値化された画像データをページメモリ6の二値領域に張り付けたり、ページメモリ6の二値領域に張り付けられている画像データをコーデック9又はコーデック9を介さずに画像メモリ10へ出力する。
コーデック9は、多値メモリコントローラ又は二値メモリコントローラによってページメモリ6から読み出された画像データをJPEG(Joint Photographic Experts Group)、MH(Modified Huffman)、MR(Modified Read)、MMR(Modified Modified Read)、JBIG(Joint Bi-level Image Group)方式等により圧縮符号化し、ファクシミリ受信した画像データ等を復号する。
画像メモリ10は、外部の装置からファクシミリ受信した画像データ、ページメモリ6から読み出されてコーデック9によって圧縮符号化された画像データ、入力色変換回路7若しくは出力色変換回路8から圧縮符号化されずに直接出力された画像データを格納する。なお、PDL変換回路14において生成されたプリントデータがファクシミリ受信した画像データに基づいて生成されたものである場合には、生成されたプリントデータは、USBを介してプリンタ装置22に転送されると共に、画像メモリ10に格納される。具体的には、USBを介してプリンタ装置22に転送されたものと同一のプリントデータがプリンタ装置22におけるプリントデータの印刷処理が完了するまで画像メモリ10に格納される。したがって、画像メモリ10が格納手段として機能する。なお、この画像メモリ10に格納されたプリントデータは、プリンタ装置22において印刷処理が中止された場合に再転送されるものであるが、ファクシミリ受信した画像データを画像メモリ10にそのまま格納しておき、プリンタ装置22において印刷処理が中止された場合に、ファクシミリ受信した画像データからプリントデータを生成してプリンタ装置22に転送するようにしてもよい。
操作部11は、原稿読取部5に原稿の読取開始を指示するためのスタートキー、ファクシミリ番号等を入力するためのテンキー、各種設定を行うためのカーソルキーなど、表示部12と連動した各種操作キーを備えている。表示部12は、各種の設定状態や画像データ受信装置1の動作状態などを文字や図形などで表示する液晶表示装置(LCD:Liquid Crystal Display)17や、点灯又は消灯で表示するLEDランプ18などを備えている。なお、液晶表示装置17は、外部の装置からファクシミリ受信した画像データに基づいて生成されたプリントデータがプリンタ装置22に転送されてからプリンタ装置22におけるプリントデータの印刷処理が完了するまでの間、印刷中であることをユーザに報知するための表示を行う表示手段として機能する。具体的には、制御部2によってRAM4から読み出された表示用データに基づくメッセージを表示する。
通信部13は、モデム19及びNCU(Network Control Unit)20を備えており、外部から画像データを受信する受信手段として機能する。モデム19は、例えばITU−T(国際電気通信連合電気通信標準化部門)の勧告V.34規格又はこれと同様のものに従った送受信データの変調及び復調を行うものである。NCU20は、電話回線を制御して電話をかけたり、切ったりする回線網制御装置であり、PSTN(Public Switched Telephone Network)21に接続されている。
PDL変換回路14は、画像メモリ10に格納された画像データを、例えばPostScriptなどのPDL(Page Description Language)に変換してプリントデータ(PDLデータ)を生成する処理を行うものであり、ファクシミリ受信した画像データを復号するコーデック9及び復号されて画像メモリ10に格納された画像データに基づいてプリントデータを生成するPDL変換回路14がプリントデータ生成手段として機能する。なお、原稿読取部5で読取られた原稿の画像データをプリンタ装置22に転送して印刷する場合にも、原稿の画像データに基づいてプリントデータを生成する処理がこのPDL変換回路14において行われる。
USBホストコントローラ15は、USB(Universal Serial Bus)のホストコントローラ機能を実行するものである。また、USBホストコントローラ15にはUSBポート23が設けられており、これにUSBケーブル24の一端が接続されることによりUSB(所定データ転送インターフェース)が形成される。そして実際にUSBケーブル24によりプリンタ装置22と接続されると、USBホストコントローラ15は、接続されたことを電気的に検出し、接続先デバイスであるプリンタ装置22との間でネゴシエーションを行って同プリンタ装置22の識別情報を取得するようになっている。このように、プリンタ装置22と通信可能に接続された画像データ受信装置1において、プリンタ装置22へプリントデータ、表示コマンド等を転送するためのUSB及びこれらのデータ転送を制御する制御部2が転送手段として機能する。
なお、画像データ受信装置1がUSB(ケーブル)を介してプリンタ装置22にプリントデータを転送すると、そのプリントデータの印刷処理の結果としてプリンタ装置22から印刷完了情報又は印刷中止情報がUSB(ケーブル)を介して画像データ受信装置1へ転送される。ここで、印刷完了情報は、画像データ受信装置1からUSBを介して転送されたプリントデータの印刷処理が完了したことを画像データ受信装置1に通知するための情報である。印刷中止情報は、画像データ受信装置1から転送されたプリントデータの印刷処理が途中で中止されたことを画像データ受信装置1に通知するための情報である。したがって、このプリンタ装置22から転送された印刷完了情報又は印刷中止情報を受信するためのUSB及び受信した情報に基づいて印刷の完了又は印刷の中止を判断する制御部2が検出手段として機能する。また、USBホストコントローラ15としては、USB−IF(Implement Forum)が公開している規格であるOTG(On-The-Go)を搭載したコントローラ等もある。
上記構成を備えた画像データ受信装置1によれば、ファクシミリ機能によって画像データを他のG3ファクシミリ装置(不図示)とファクシミリ送受信することができるようになっている。なお、この画像データ受信装置1は、原稿読取部5で読取られた原稿の画像データ又は他のファクシミリ装置等からファクシミリ受信した画像データの画像を用紙に印刷する印刷手段を備えていない。したがって、この画像データ受信装置1では、前記原稿の画像データ又はファクシミリ受信した画像データに基づいてプリントデータを生成し、生成したプリントデータをUSBケーブル24を介してプリンタ装置22に転送することにより、プリンタ装置22に印刷処理を行わせるようになっている。
以下、画像データ受信装置1から転送されたプリントデータの印刷処理を行うプリンタ装置22について説明する。図2は、プリンタ装置22の構成例を示したブロック図である。プリンタ装置22は、図示するように制御部(MPU)26、ROM27、RAM28、入力回路29、画像メモリ30、PDL展開回路31、プリント部32、操作部33、及び表示部34を備えたものであって、各部26乃至34は、バス35によって通信可能に接続されている。
制御部26は、ROM27に格納されている制御プログラムに従って、このプリンタ装置22を構成する各部を制御する。ROM27は前記制御プログラムを格納している。RAM28は、制御部26の主メモリ、ワークエリア等として機能する。
入力回路29は、画像データ受信装置1からUSBケーブル24を介して転送されたプリントデータを受信する回路である。画像メモリ30は、画像データ受信装置1から受信したプリントデータ及びPDL展開回路31において展開されたビットマップデータを一時的に格納する。PDL展開回路31は、画像メモリ30に格納されたプリントデータをビットマップデータに展開する処理を行うものであり、画像データ受信装置1のPDL変換回路14において変換されたプリントデータのPDLに対応してプリントデータを展開可能な回路である。このPDL展開回路31において展開されたビットマップデータは、画像メモリ30の所定領域に一旦格納された後、1ページ分毎にプリント部32へ出力される。
プリント部32は、画像メモリ30に格納されたビットマップデータの画像を1ページ単位で用紙に記録するものである。このプリント部32の記録方式としては、例えば、電子写真方式やインクジェット記録方式等の各種の記録方式を用いることができる。このプリント部32におけるプリントデータの印刷処理が完了した後、制御部26はその旨を報知するための印刷完了情報をUSB24を介して画像データ受信装置1に転送する。なお、操作部33のジョブキャンセルキーがユーザによって押下された場合には、印刷中止情報が制御部26の制御命令に従って画像データ受信装置1に転送される。
操作部33は、ユーザが情報を入力する入力キーなど、表示部34と連動した各種操作キーを備えている。なお、操作部33は、入力キーとして、プリントデータの印刷予定をキャンセルしたり実行中の印刷処理を途中で中止させるためのジョブキャンセルキーを備えている。画像データ受信装置1からプリントデータが転送された後にこのジョブキャンセルキーがユーザによって押下されると、このプリンタ装置22の各部において実行中の印刷処理は中止され、印刷予定はキャンセルされる。
表示部34は、各種の設定状態やプリンタ装置22の動作状態などを文字や図形などで表示する液晶表示装置36や、点灯又は消灯で表示するLEDランプ37、各種警告音を鳴動するスピーカ38などを備えている。なお、このプリンタ装置22が画像データ受信装置1からプリントデータと共に表示コマンドを受信した場合、液晶表示装置36は、該表示コマンドに従って所定の情報を表示する。具体的には、画像データ受信装置1がファクシミリ受信した画像データに基づいて生成されたプリントデータの画像を印刷する場合に、ファクシミリ受信した画像データの印刷処理実行中であることをユーザに報知するための情報を表示する。
上記のように構成されたプリンタ装置22では、USBケーブル24を介して画像データ受信装置1から受信したプリントデータは、画像メモリ30に一旦蓄積された後、PDL展開回路31においてビットマップデータに変換する処理が行われる。このようにしてPDL展開回路31で展開されたビットマップデータは、画像メモリ30に再度格納された後、1ページ単位でプリント部32へと出力され、該プリント部32においてその画像が用紙に記録されるようになっている。このようにして、画像データ受信装置1において、原稿読取部5で読取られた読取原稿のプリンタデータ、又はファクシミリ受信した画像データのプリントデータの画像が用紙に記録される。
以下、原稿読取部5で読取られた原稿の画像データに基づいてプリントデータを生成し、生成したプリントデータをUSBケーブル24を介してプリンタ装置22に転送する画像データ受信装置1において行われる処理動作、及び画像データ受信装置1から転送されたプリントデータの印刷処理を行うプリンタ装置22において行われる処理動作について、図3及び図4に示すフローチャートに基づいて説明する。なお、画像データ受信装置1における処理動作は、制御部2の制御命令に従って行われるものであり、プリンタ装置22における処理動作は、制御部26の制御命令に従って行われるものである。
画像データ受信装置1の制御部2は、操作部11からの所定操作が行われたか否かに基づいて、原稿読取部5に原稿の画像を読取らせてその画像をプリンタ装置22において用紙に記録させるコピー開始の指示入力が行われたか否かを判断する(S1)。そして、コピー開始の指示入力が行われたと判断した場合(S1:YES)、原稿の画像を読取り、所定の画像処理を施してプリントデータを生成する(S2)。例えば、原稿読取部5でカラー原稿の画像を読取った場合、原稿読取部5で読取られて出力されたRGB表色系のカラー画像データを入力色変換回路7においてL*a*b*表色系のカラー画像データへと変換して拡大/縮小、地色補正等の画像処理を施し、該表色系のカラー画像データを順次画像メモリ10へと出力して該画像メモリ10に蓄積させる。そして、画像メモリ10に蓄積されたカラー画像データをPDL変換回路14において変換して所定のPLDによって表されるプリントデータを生成する。
制御部2は、このようにして生成された読取原稿のプリントデータと共に表示コマンドをUSBケーブル24を介してプリンタ装置22に転送する処理をUSBホストコントローラ15に行わせる(S3)。それに伴い、読取原稿の印刷中である旨の情報を液晶表示装置17に表示させる(S4)。具体的には、RAM4に格納されている表示用データを読み出して、例えば「コピープリント中です」等のメッセージを表示させる。
一方、プリンタ装置22の制御部26は、画像データ受信装置1から転送された読取原稿のプリントデータ及び表示コマンドを受信すると(S11)、読取原稿のプリントデータの印刷処理を開始する(S12)。ここで、印刷処理は、画像メモリ30に格納されたプリントデータをPDL展開回路31においてビットマップデータに展開し、1ページ毎にプリント部32で用紙に記録する処理である。そして、S12の印刷処理を行うと共に、表示コマンドに基づいて液晶表示装置36に情報を表示させる(S13)。具体的には、「コピープリント中です」等のメッセージを表示させる。
続いて、制御部26は、操作部33のジョブキャンセルキーが押下されたか否かに基づいて印刷中止命令が入力されたか否かを判断する(S14)。ここで、印刷中止命令が入力されていないと判断した場合には(S14:NO)、S12において開始したプリントデータの印刷処理が完了したか否かを判断し(S15)、完了したと判断した場合には(S15:YES)、印刷完了情報を画像データ受信装置1に転送する(S16)。また、印刷処理が完了していないと判断した場合には(S15:NO)、S13の処理を継続して行う。
一方、制御部26は、S14において印刷中止命令が入力されたと判断した場合(S14:YES)、すなわちユーザによって操作部33のジョブキャンセルキーが押下されたと判断した場合、印刷処理を中止する(S17)。そして、印刷処理を中止したことを画像データ受信装置1に通知するために印刷中止情報を画像データ受信装置1に転送する(S18)。
これに対し、画像データ受信装置1の制御部2は、S4の処理後プリンタ装置22から印刷中止情報を受信したか否か判断し(S5)、印刷中止情報を受信した場合には(S5:YES)、液晶表示装置17を待機画面に戻して処理を終了する。逆に、印刷中止情報を受信していない場合には(S5:NO)、印刷完了情報を受信したか否かを判断する(S6)。すなわち、プリンタ装置22に転送した読取原稿のプリントデータの印刷処理が完了したか否かを判断する。ここで、印刷完了情報を受信していないと判断した場合には(S6:NO)、S4の処理を継続して行う。
以上説明したように、画像データ受信装置1の原稿読取部5で読取られた読取原稿のプリントデータをUSBケーブル24を介してプリンタ装置22に転送して、プリンタ装置22において印刷処理を行う場合、プリンタ装置22の操作部33のジョブキャンセルキーがユーザによって押下されると、プリンタ装置22ではプリントデータの印刷処理が中止される。ここで、プリンタ装置22において印刷処理が中止されたプリントデータは、ユーザが画像データ受信装置1の原稿読取部5によって読取られた画像データに基づいて生成されたものであるため、例え印刷処理が中止されてプリントデータが消去されたとしても原稿が存在するので、印刷を行いたい場合には再度原稿の画像を読取らせればよい。しかしながら、プリントデータが外部からファクシミリ受信した画像データに基づいて生成されたものである場合には、ユーザの手元に原稿がないため、プリンタ装置22において印刷処理が中止されてプリントデータが消去されると、ユーザは外部から送信されたファクシミリ原稿の内容を確認できないという問題が生じる。
以下、本実施形態に係る画像データ受信装置1において、外部からファクシミリ送信された画像データを受信すると共に受信した画像データに基づいてプリントデータを生成し、該プリントデータをUSBケーブル24を介してプリンタ装置22に転送して印刷処理を行う場合に、画像データ受信装置1及びプリンタ装置22において行われる処理動作について、図5及び図6に示すフローチャートに基づいて説明する。
画像データ受信装置1の制御部2は、外部からファクシミリ送信された画像データを受信したか否かを判断する(S21)。そして、外部からファクシミリ送信された画像データを受信したと判断した場合(S21:YES)、受信した画像データに基づいてプリントデータを生成する(S22)。具体的には、受信して画像メモリ10に一時的に蓄積された画像データをコーデック9において復号し、復号した画像データを画像メモリ10の所定領域に一旦格納し、画像メモリ10に格納された画像データをPDL変換回路14において変換して所定のPLDによって表されるプリントデータを生成する。
続いて、制御部2は生成されたプリントデータを画像メモリ10の所定領域に格納する処理を行う(S23)。そして、PDL変換回路14で生成されたプリントデータと共に表示コマンドをUSBケーブル24を介してプリンタ装置22に転送する処理をUSBホストコントローラ15に行わせる(S24)。それに伴い、ファクシミリ受信原稿の印刷中である旨の情報を液晶表示装置17に表示させる(S25)。具体的には、RAM4に格納されている表示用データを読み出して、「ファクシミリ受信原稿のプリント中です」等のメッセージを表示させる。なお、S23で画像メモリ10に格納されたプリントデータは、S24においてプリンタ装置22に転送されるプリントデータと同一のデータであり、このプリントデータはプリンタ装置22における印刷処理が完了するまでは画像メモリ10の所定領域にそのまま格納される。
一方、プリンタ装置22の制御部26は、画像データ受信装置1から転送されたファクシミリ受信原稿のプリントデータと共に表示コマンドを受信すると(S31)、ファクシミリ受信原稿のプリントデータの印刷処理を開始する(S32)。そして、S32の印刷処理を行うと共に、表示コマンドに基づいて液晶表示装置36に情報を表示させる(S33)。ここでは、画像データ受信装置1から転送されたプリントデータは、該画像データ受信装置1が外部からファクシミリ受信した画像データに基づいて生成されたものであるため、例えば「ファクシミリ受信原稿のプリント中です」等のメッセージを表示させる。
続いて、制御部26は操作部33のジョブキャンセルキーが押下されたか否かに基づいて、印刷中止命令が入力されたか否かを判断する(S34)。ここで、印刷中止命令が入力されていない場合には(S34:NO)、S32において開始したプリントデータの印刷処理が完了したか否かを判断し(S35)、完了したと判断した場合には(S35:YES)、印刷完了情報を画像データ受信装置1に転送する(S36)。また、印刷処理が完了していないと判断した場合には(S35:NO)、S33の処理を継続して行う。
一方、制御部26はS34において印刷中止命令が入力されたと判断した場合(S34:YES)、すなわちユーザによって操作部33のジョブキャンセルキーが押下されたと判断した場合、印刷処理を中止する(S37)。そして、印刷処理を中止したことを画像データ受信装置1に通知するために印刷中止情報を画像データ受信装置1に転送する(S38)。
これに対し、画像データ受信装置1の制御部2は、S25の処理後プリンタ装置22から印刷中止情報を受信したか否かを判断し(S26)、印刷中止情報を受信していない場合には(S26:NO)、印刷完了情報を受信したか否か判断する(S27)。すなわち、プリンタ装置22に転送したファクシミリ受信原稿のプリントデータの印刷処理が完了したか否か判断する。ここで、印刷完了情報を受信していないと判断した場合には(S27:NO)、S25の処理を継続して行う。逆に、印刷完了情報を受信したと判断した場合には(S27:YES)、S23において格納していたファクシミリ受信原稿のプリントデータを消去する(S28)。
一方、制御部2は、プリンタ装置22においてS38の処理が行われたことによりS26において印刷中止情報を受信したと判断した場合(S26:YES)、S23で画像メモリ10に格納しておいたプリントデータを読出し、再度プリントデータと共に表示コマンドをプリンタ装置22に転送する(S24)。なお、ここでプリントデータと共に転送する表示コマンドは、プリンタ装置22の液晶表示装置36に「ファクシミリ受信原稿のリプリント中です」など、プリンタ装置22における1回目の印刷処理中に表示されていた情報と異なる情報を表示させるためのコマンドであってもよい。
以上説明したように、画像データ受信装置1は、プリンタ装置22にプリントデータを転送した後も、同プリントデータを画像メモリ10にそのまま格納しているので、例えユーザがファクシミリ受信原稿のプリント中であるということに気付かずに操作部33のジョブキャンセルキーを押下してしまったとしても、再度プリントデータを転送して印刷処理を行わせるので、ファクシミリ受信原稿の画像を用紙に記録する処理をプリンタ装置22に確実に行わせることができる。したがって、プリンタ装置22において操作部33のジョブキャンセルキーが押下されたことにより、ファクシミリ受信原稿のデータが消去されてユーザがファクシミリ受信原稿の内容を確認できなくなるといった問題が生じるのを防止することができる。
なお、画像データ受信装置1が外部から受信する画像データは、ファクシミリ受信した画像データに限定されるものではなく、画像データ受信装置1を操作するユーザの手元に原稿が存在しないデータであれば他のものであってもよい。例えば、画像データ受信装置1にインターネットファクシミリ機能を備えて、インターネットファクシミリ機能により外部から受信した画像データについて、プリンタ装置22において操作部33のジョブキャンセルキーが押下された場合にプリントデータを再転送する処理を行うことも当然可能である。また、所定データ転送インターフェースはUSBに限定されるものではなく、例えばLANなどであってもよい。
以下、本発明の第2の実施形態について説明する。この第2の実施形態における画像データ受信装置は、第1の実施形態における画像データ受信装置1と同様に構成された装置であり、異なる点についてのみ以下で説明する。本実施形態における画像データ受信装置1は、第1の実施形において説明したような画像メモリ10に格納しておく処理は行わず、ファクシミリ受信原稿のプリントデータ及び表示コマンドに加えて、無効コマンドをプリンタ装置22に転送する。ここで、無効コマンドは、プリンタ装置22の操作部33のジョブキャンセルキーが押下された場合でも、プリンタ装置22において印刷中止が許可されないようにするためのコマンドである。
以下、画像データ受信装置1が外部からファクシミリ送信された画像データを受信した場合に、この画像データ受信装置1及びプリンタ装置22において行われる処理動作について、図7および図8に示すフローチャートに基づいて説明する。画像データ受信装置1の制御部2は、外部からファクシミリ送信された画像データを受信したか否かを判断する(S41)。そして、外部からファクシミリ送信された画像データを受信したと判断した場合(S41:YES)、受信した画像データに基づいてプリントデータを生成する(S42)。具体的には、受信して画像メモリ10に一時的に蓄積された画像データをコーデック9において復号し、復号された画像データを画像メモリ10の所定領域に一旦格納する。そして、この画像メモリ10に格納された画像データをPDL変換回路14において変換して所定のPLDによって表されるプリントデータを生成する。
そして、制御部2は生成されたプリントデータ、表示コマンド、及び無効コマンドをUSBケーブル24を介してプリンタ装置22に転送する処理をUSBホストコントローラ15に行わせる(S43)。それに伴い、ファクシミリ受信原稿の印刷中である旨の情報を液晶表示装置17に表示させる(S44)。具体的には、RAM4に格納されている表示用データを読み出して、「ファクシミリ受信原稿のプリント中です」等のメッセージを表示させる。
一方、プリンタ装置22の制御部26は、画像データ受信装置1から転送されたファクシミリ受信原稿のプリントデータ、表示コマンド、及び無効コマンドを受信すると(S51)、ファクシミリ受信原稿のプリントデータの印刷処理を開始する(S52)。そして、S52の印刷処理を行うと共に、表示コマンドに基づいて液晶表示装置36に情報を表示させる(S53)。ここでは、画像データ受信装置1から転送されたプリントデータは、該画像データ受信装置1がファクシミリ受信した画像データに基づいて生成されたものであるため、例えば「ファクシミリ受信原稿のプリント中です」等のメッセージを表示させる。
続いて、制御部26は操作部33のジョブキャンセルキーが押下されたか否かに基づいて、印刷中止命令が入力されたか否かを判断する(S54)。ここで、印刷中止命令が入力された場合には(S54:YES)、例えば「ファクシミリ受信原稿のプリントは中止できません」などの印刷処理を中止できない旨の情報を液晶表示装置36に表示させる(S55)。なお、この表示と共にスピーカ38から所定の警告音を鳴動させるようにしてもよい。そして、S52において開始したプリントデータの印刷処理が完了したか否かを判断し(S56)、完了したと判断した場合には(S56:YES)、印刷完了情報を画像データ受信装置1に転送する(S57)。また、印刷処理が完了していないと判断した場合には(S56:NO)、S53の処理を継続して行う。
これに対し、画像データ受信装置1の制御部2は、S44の処理後、印刷完了情報を受信したか否か判断する(S45)。ここで、印刷完了情報を受信していないと判断した場合には(S45:NO)、印刷完了情報を受信するまでS44の処理を継続して行う。
このように、画像データ受信装置1は、プリントデータ及び表示コマンドに加え、無効コマンドをプリンタ装置22に対して転送することにより、ファクシミリ受信原稿のプリントデータの画像を用紙に記録する処理をプリンタ装置22に確実に行わせることができる。
以下、本発明の第3の実施形態について説明する。この第3の実施形態における画像データ受信装置は、第1の実施形態における画像データ受信装置1と同様に構成された装置であり、異なる点についてのみ以下で説明する。本実施形態における画像データ受信装置1は、第1の実施形においてプリンタ装置22におけるプリントデータの印刷処理が完了するまでの間、プリントデータを画像メモリ10に格納しておく処理の代わりに、ファクシミリ受信原稿のプリントデータ及び表示コマンドに加えて、暗証番号データをプリンタ装置22へ転送する。ここで、暗証番号データは、プリンタ装置22の操作部33のジョブキャンセルキーが押下された場合に、プリンタ装置22における印刷処理の中止命令を許可するか否かを判断するためのものであり、プリンタ装置22は、操作部33のジョブキャンセルキーが押下された後に暗証番号データと同じ暗証番号が操作部33から入力された場合にのみプリントデータの印刷処理を中止する。なお、画像データ受信装置1から転送された暗証番号データは、プリンタ装置22のRAM28に格納される。
以下、画像データ受信装置1が外部からファクシミリ送信された画像データを受信した場合に、この画像データ受信装置1及びプリンタ装置22において行われる処理動作について、図9および図10に示すフローチャートに基づいて説明する。画像データ受信装置1の制御部2は、外部からファクシミリ送信された画像データを受信したか否か判断する(S61)。そして、外部からファクシミリ送信された画像データを受信したと判断した場合(S61:YES)、受信した画像データに基づいてプリントデータを生成する(S62)。具体的には、受信して画像メモリ10に一時的に蓄積された画像データをコーデック9において復号し、復号した画像データを画像メモリ10の所定領域に一旦格納し、画像メモリ10に格納された画像データをPDL変換回路14において変換して所定のPLDによって表されるプリントデータを生成する。
そして、制御部2は生成されたプリントデータ、表示コマンド、及び暗証番号データをUSBケーブル24を介してプリンタ装置22に転送する処理をUSBホストコントローラ15に行わせる(S63)。それに伴い、ファクシミリ受信原稿の印刷中である旨の情報を液晶表示装置17に表示させる(S64)。具体的には、RAM4に格納されている表示用データを読み出して、例えば「ファクシミリ受信原稿のプリント中です」等のメッセージを表示させる。
一方、プリンタ装置22の制御部26は、画像データ受信装置1から転送されたファクシミリ受信原稿のプリントデータ、表示コマンド、及び暗証番号データを受信すると(S71)、ファクシミリ受信原稿のプリントデータの印刷処理を開始する(S72)。そして、S72の印刷処理を行うと共に、表示コマンドに基づいて液晶表示装置36に情報を表示させる(S73)。ここでは、画像データ受信装置1から転送されたプリントデータは、該画像データ受信装置1が外部からファクシミリ受信した画像データに基づいて生成されたものであるため、例えば「ファクシミリ受信原稿のプリント中です」等のメッセージを表示させる。
続いて、制御部26は操作部33のジョブキャンセルキーが押下されたか否かに基づいて、印刷中止命令が入力されたか否かを判断する(S74)。ここで、印刷中止命令が入力されていないと判断した場合には(S74:NO)、S72において開始したプリントデータの印刷処理が完了したか否かを判断し(S75)、印刷処理が完了したと判断した場合には(S75:YES)、印刷完了情報を画像データ受信装置1に転送する(S76)。一方、印刷処理が完了していないと判断した場合には(S75:NO)、S73の処理を継続して行う。
また、制御部26はS74において印刷中止命令が入力されたと判断した場合には(S74:YES)、例えば「暗証番号を入力してください」等の暗証番号の入力を要求する情報を液晶表示装置36に表示させる(S77)。そして、暗証番号が入力されたか否か判断し(S78)、暗証番号が入力されたと判断した場合には(S78:YES)、入力された暗証番号が画像データ受信装置1から転送された暗証番号データのものと一致するか否かを判断し(S79)、一致すると判断した場合には(S79:YES)、印刷処理を中止し(S80)、印刷中止情報を画像データ受信装置1に転送する(S81)。一方、ユーザによって暗証番号が入力されなかった場合(S78:NO)、及び入力された暗証番号が画像データ受信装置1から転送された暗証番号データのものと一致しないと判断した場合には(S79:NO)、印刷中止命令を受付けることなくS73の処理を継続して行う。
これに対し、画像データ受信装置1の制御部2は、S64の処理後、印刷中止情報を受信したか否か判断する(S65)。ここで、印刷中止情報を受信していないと判断した場合には(S65:NO)、印刷完了情報を受信したか否か判断し(S66)、印刷完了情報を受信していないと判断した場合には(S66:NO)、S64の処理を継続して行う。また、S65において印刷中止情報を受信したと判断した場合には(S65:YES)、例えば「ファクシミリ受信原稿の印刷が中止されました」等のファクシミリ受信原稿の印刷が中止された旨の情報を液晶表示装置17に表示させる(S67)。
このように、画像データ受信装置1は、プリントデータ及び表示コマンドに加え、暗証番号データをプリンタ装置22に対して転送する処理を行い、プリンタ装置22ではユーザによって正しい暗証番号が入力された場合にのみプリントデータの印刷中止命令が受付けられるので、ファクシミリ受信原稿のプリントデータの印刷処理がユーザの誤操作で中止されてしまうのを防止することができる。