JP3703770B2 - 複合機 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、ファクシミリ機能、スキャナ機能、コピー機能、プリンタ機能といった、画像形成に関する複数の機能を有する複合機に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、複写機のデジタル化に伴い、複写機のスキャナ機能、コピー機能、プリンタ機能等を利用してファクシミリ送信を行ったりすることのできる、複数のファンクションモードを有するデジタル複合機が実用化されるようになった。そのようなデジタル複合機では、メモリを共用化するなどして、コスト低減を図っているものが多い。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、デジタル複合機においては、1のファンクションモードでの原稿の読み込みが終了すれば(物理的な読み込み動作が終了すれば)、すぐに別のファンクションモードに切り換えて、別の原稿の読み込みを開始するのが好ましい。
【0004】
しかし、上記従来技術のようにメモリが共用化されている場合には、たとえ1のファンクションモードでの読み込み(メモリへの書き込み)が終了して、物理的に読み込み部が空いていたとしても、そのファンクションモードでの出力(メモリからの読み出し)が終了していないときには、別ファンクションモードでの読み込みを開始できない。その場合には、操作入力パネル等において、ファンクションモードに対応する操作モードを切り換えること自体ができず、ユーザの操作を待たせてしまう。
【0005】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、内部処理の都合により、ユーザの操作を待たせることのない複合機を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明は、画像形成に関する所定の機能ごとに、当該機能を処理可能な機能処理部を有し、各機能処理部は画像に関する処理データを読み書きするための一つの記憶部を共用している複合機であって、機能処理部に対してそれぞれ所定の指示を与えるための操作モードを有し、この操作モード間での切換操作を行う操作入力部と、1の機能処理部が記憶部を使用する処理を実行しているときに、操作入力部の操作モードを、他の機能処理部による同記憶部を使用する処理の予約を行うことのできる操作モードに切換可能とする第1の制御手段と、上記操作モードが切り換えられて予約された他の機能処理部による処理を、上記1の機能処理部による処理が終了したときに開始させる第2の制御手段とを備え、第1の制御手段は、1の機能処理部が記憶部を使用する処理を実行しているときの操作入力部の操作モードを他の機能処理部による同記憶部を使用する処理の予約を行うことのできる操作モードに切り換えた後に、上記操作入力部による当該他の機能処理部についての設定のうちの上記記憶部を使用せずに行うことが可能な処理の設定を受け付けることを特徴とするものである。なお、上記画像形成に関する所定の機能には、例えばファクシミリ機能、スキャナ機能、コピー機能、プリンタ機能などが含まれる。
【0007】
この構成によれば、1の機能処理部が記憶部を使用する処理を実行しているときに、機能処理部に対してそれぞれ所定の指示を与えるための操作モード間での切換操作を行う操作入力部の操作モードが、他の機能処理部による同記憶部を使用する処理の予約を行うことのできる操作モードに切換可能とされ、上記操作モードが切り換えられて予約された他の機能処理部による処理が、上記1の機能処理部による処理が終了したときに開始されるので、例えば1の機能処理部による処理を行うファンクションモードでの読み込み(記憶部への書き込み)が終了して、物理的に読み込み部が空いている場合には、そのファンクションモードでの出力(記憶部からの読み出し)が終了していないときであっても、すぐに他の機能処理部による処理を行う別ファンクションモードでの読み込みを予約できるようになる。したがって、例えば原稿セットのために、ユーザを待たせる時間がなくなり、作業効率が向上される。
【0008】
また、第1の制御手段は、1の機能処理部が記憶部を使用する処理を実行しているときの操作モードの切換後に、操作入力部による、上記記憶部を使用しない所定の入力操作をも受付け可能であることとすれば、内部処理の都合により、例えば読み込み動作ができないときであっても、上記操作モードを切り換えて、ユーザが例えばファクシミリの操作モードに切り換えたときには、所定の入力操作として、ファクシミリ送信の相手先や送信時刻やスタート等の入力操作までを行えるようになり便利である。また、この入力操作を行った場合には、1の機能処理部による処理が終了した後に、すぐにファクシミリ送信が開始されるので、作業効率がさらに向上される。
【0009】
【発明の実施の形態】
図1は、本発明の一実施形態に係る複合機の概略構成を示す機能ブロック図である。
【0010】
図1に示すように、このデジタル複合機(複合機)1は、スキャナ部2、プリンタ部(又はコピー部)3、画像メモリ4、操作部5、表示部6、ファクシミリ通信部7及び制御部8を備えている。そして、このデジタル複合機1は、インターフェース9を介してパーソナルコンピュータ10に接続されるとともに、電話回線11を介して他のファクシミリ装置(FAX:以下、受信機という)12に接続されている。なお、スキャナ部2、プリンタ部(又はコピー部)3およびファクシミリ通信部7は、いずれも機能処理部に相当し、画像メモリ4は各機能処理部によって共用される記憶部に相当する。
【0011】
パーソナルコンピュータ10は、表示部10aと操作部10bとを備え、これらを用いて作成した文書等を画像データとしてデジタル複合機1に送るものである。なお、表示部10aはCRT(Cathode Ray Tube)等、操作部10bはマウスやキーボード等、インターフェース9はRS−232C等からなっている。
【0012】
スキャナ部2は、図示しない原稿載置部にセットされた原稿を読み取り、ライン単位で画像信号に変換し、この画像信号に所定の信号処理(レベル補正、γ補正、A/D変換等)を施して順次、制御部8に出力することによって、スキャナ機能を発揮するものである。
【0013】
プリンタ部3は、パーソナルコンピュータ10あるいはスキャナ部2で作成された画像データや電話回線11を介して受信機12から送信された画像データ(以下、受信画像データという。)を用紙にプリントアウトすることによってプリンタ機能(又はコピー機能)を発揮するものであって、専用のコントローラ3aを備えている。このプリンタ部3は、例えばレーザプリンタからなり、画像データで変調されたレーザ光を感光体に照射して当該画像データからなる画像の潜像を形成するとともに、この潜像にトナーを静電的に付着して顕在化し、この顕像を用紙に転写して画像を形成する。
【0014】
画像メモリ4は、画像データ及び受信画像データ等を読み書きするものであって、例えばA4サイズの標準原稿を略100枚程度記憶することができる大容量メモリである。
【0015】
操作部(操作入力部)5は、スキャナ部2、プリンタ部3及びファクシミリ通信部7に対してそれぞれ所定の指示(例えばスキャナ部2に対しては原稿の読み取り、信号変換、信号処理及び出力の指示)を与えるための操作モードを有し、この操作モード間での切換操作(スキャナ操作モード、プリント操作モードおよびファクシミリ通信モードのいずれかの選択)や、この切換操作後に、例えばファクシミリ送信モードにおける画像データの送信処理を行うための、画像メモリ4を使用しない所定の入力操作(画像データの送信先の情報(FAXNo.等)の入力、ファクシミリ送信の開始/停止の指示、ワンタッチキー又は短縮No.の登録及び通信モード等の各種のモードや条件の設定)などを行うものである。この操作部5は、テンキー、ワンタッチキー等の各種キースイッチを有するとともに、デジタル複合機1へ電源を投入するためのメインスイッチ51をも備えている。
【0016】
表示部6は、LCD(Liquid Crystal Display)及びLED(Light Emitted Diode)から構成され、回線接続状態、送信状態及び受信機12との通信状態等の各種状態や画像データの送信先の情報(FAXNo.)等を文字情報でLCD表示するとともに、通信エラーの有無、設定モード、受信画質、メモリ受信及びメンテナンスの要否等をLEDで表示するものである。
【0017】
ファクシミリ通信部7は、画像データの送受信処理を行うことによりファクシミリ機能を発揮するものであって、専用のコントローラ7aを備えている。このファクシミリ通信部7は、符号化/復号化部71、変復調部72及び網制御部73を有する。符号化/復号化部71は、ファクシミリ送信すべきデータ(画像データ)の圧縮及び符号化を行うとともに、ファクシミリ受信したデータ(画像データ)の伸長及び復号化を行うものである。変復調部72は、圧縮/符号化された画像データの音声信号への変調及びファクシミリ受信した信号(音声信号)の画像データへの復調を行うものである。網制御部73は、NCU(Network Control Unit)に相当し、送受信相手である受信機12との電話回線11の接続を制御するものである。
【0018】
制御部8は、マイクロコンピュータからなり、プリンタ部3およびファクシミリ通信部7の動作を専用のコントローラ3a,7aを介して制御するとともに、スキャナ部2、記憶メモリ4、操作部5および表示部6の動作を直接制御するものである。なお、この制御部8は、デジタル複合機1による各処理を行うための処理手順を行うための各種プログラムや各種の処理用データ等が記録されたROM(Read Only Memory)と、上記処理プログラムに従って所定の演算処理を行うためのRAM(Random Access Memory)とを有する。
【0019】
以上の構成に加えて、本発明に係るデジタル複合機1の制御部8は、図1に示すように、第1の制御手段81と、第2の制御手段82とを備えている。
【0020】
第1の制御手段81は、例えば、1の機能処理部としてのプリンタ部3が画像メモリ4を使用する処理を実行しているときに、操作部5の操作モードを、他の機能処理部としてのファクシミリ通信部7による画像メモリ4を使用する処理の予約を行うことができる操作モードに切換可能とするものである。
【0021】
この第1の制御手段81は、操作部5からの切換信号を受けて、例えばプリンタ部3に対応する操作モードから例えばファクシミリ通信部7に対応する操作モードへの切換操作を受付ける切換手段811と、この切換手段811による切換操作の受付けによって、ファクシミリ通信部7、あるいは、プリンタ部3が稼動中であっても、スキャナ部2による画像データの読み込み動作を予約する動作予約部812とを備えてなっている。
【0022】
第2の制御手段82は、例えば、プリンタ部3による画像メモリ4の使用が終了したときに、操作部5が切り換えられて予約されたファクシミリ通信部7に画像メモリ4の使用を開始させるもので、ファクシミリ通信部7、あるいは、プリンタ部3の稼動終了を検知する検知部821と、この検知によって、原稿の読込みが可能となったか否かを判定する読込判定部823と、この判定により読込みが可能となったときに、スキャナ部2の動作を開始させる動作開始部822とを備えてなっている。
【0023】
なお、制御部8は、ファクシミリ通信部7がITU−T勧告T.30の通信プロトコルに従って受信機12との間で、予約された時刻に通信を開始するように、ファクシミリ通信部7の動作をそのコントローラ7aを介して制御するものでもある。
【0024】
図2は本デジタル複合機の動作を示すフローチャートである。以下、図2を参照して、本デジタル複合機1の動作を説明する。ここでは、本デジタル複合機1は電源が投入され、ROMから各種プログラムが制御部8に読み込まれて、各部811〜812,821〜823が仮想的に構築されるとともに、RAMには各種デフォルト値が設定された後、所定のプリント処理を実行中であるものとする。
【0025】
まず、図2に示すように、操作部5からの操作信号を受けて、切換手段811による、プリント処理に対応する操作モード(プリントモード)からファクシミリ送信処理に対応する操作モード(ファクシミリ送信モード)への切換操作が行われる(ステップS1)。なお、従来のデジタル複合機では、プリントモードの動作が終了するまでは、この切換操作ができなかった。
【0026】
ついで、動作予約部812によって、操作部5からのファクシミリ送信処理に必要な各種操作信号の受け付けが行われる(ステップS2)。読込判定部823によって、原稿読み込みが可能か否かが判定される(ステップS3)。この判定には、検知部821によって検知される、上記プリント処理でのプリントアウトの動作信号が用いられる。
【0027】
そして、このプリントアウトの動作信号がないときには、原稿読み込みが可能でないと判定され、表示部6に「読み込み待ちです。」と表示されて、上記ステップS3の手前に戻る(ステップS4)。
【0028】
一方、上記プリントアウトの動作信号があるときには、原稿読み込みが可能であると判定されて、動作開始部822による、読み込み動作が開始される(ステップS5)。そして、所定のファクシミリ送信動作が行われて(ステップS6)、作業が終了する。
【0029】
以上説明したように、この実施形態によれば、例えば、プリンタ部3が画像メモリ4を使用する処理を実行しているときに、操作部5の操作モードが、ファクシミリ通信部7による画像メモリ4を使用する処理の予約を行うことのできる操作モードに切換可能とされ、上記操作モードが切り換えられて予約されたファクシミリ通信部7による処理が、上記プリント部3による処理が終了したときに開始されるので、例えばプリント部3による処理を行うファンクションモードでの読み込み(画像メモリ4への書き込み)が終了して、物理的に読み込み部が空いている場合には、そのファンクションモードでの出力(画像メモリ4からの読み出し)が終了していないときであっても、すぐにファクシミリ通信部7による処理を行う別ファンクションモードでの読み込みを予約できるようになる。したがって、例えば原稿セットのために、ユーザを待たせる時間がなくなり、作業効率が向上される。
【0030】
なお、上記実施形態では、デジタル複合機1として、プリンタ部3とファクシミリ通信部7との相互間での切換操作を説明したが、その他組み合わせによる切換操作を行うように構成してもよいのはもちろんである。
【0031】
また、上記実施形態では、制御部8を別個に設けたが、この制御部8をプリンタ部3のコントローラ3a、あるいは、ファクシミリ通信部7のコントローラ7aのいずれかと兼用するものとしてもよい。その場合、装置構成をさらに簡略化して、そのコストダウンを図ることもできる。
【0032】
【発明の効果】
本発明によれば、例えば1の機能処理部による処理を行うファンクションモードでの読み込み(記憶部への書き込み)が終了して、物理的に読み込み部が空いている場合には、そのファンクションモードでの出力(記憶部からの読み出し)が終了していないときであっても、すぐに他の機能処理部による処理を行う別ファンクションモードでの読み込みを予約できるようになる。したがって、例えば原稿セットのために、ユーザを待たせる時間がなくなり、作業効率を向上することができる。
【0033】
また、内部処理の都合により、例えば読み込み動作ができないときであっても、上記操作モードを切り換えて、ユーザが例えばファクシミリの操作モードに切り換えたときには、所定の入力操作として、ファクシミリ送信の相手先や送信時刻やスタート等の入力操作までを行えるようになり便利である。また、この入力操作を行った場合には、1の機能処理部による処理が終了した後に、すぐにファクシミリ送信が開始されるので、作業効率をさらに向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一実施形態に係るデジタル複合機の概略構成を示す機能ブロック図である。
【図2】 本デジタル複合機の動作を示すフローチャートである。
【符号の説明】
1 デジタル複合機(複合機)
2 スキャナ部
3 プリンタ部(1の機能処理部)
3a コントローラ
4 画像メモリ(記憶部)
7 ファクシミリ通信部(他の機能処理部)
7a コントローラ
8 制御部
81 第1の制御手段
811 切換手段
812 動作予約部
82 第2の制御手段
821 検知部
822 動作開始部
823 読込判定部
Claims (1)
- 画像形成に関する所定の機能ごとに、当該機能を処理可能な機能処理部を有し、各機能処理部は画像に関する処理データを読み書きするための一つの記憶部を共用している複合機であって、
機能処理部に対してそれぞれ所定の指示を与えるための操作モードを有し、この操作モード間での切換操作を行う操作入力部と、
1の機能処理部が記憶部を使用する処理を実行しているときに、操作入力部の操作モードを、他の機能処理部による同記憶部を使用する処理の予約を行うことのできる操作モードに切換可能とする第1の制御手段と、
上記操作モードが切り換えられて予約された他の機能処理部による処理を、上記1の機能処理部による処理が終了したときに開始させる第2の制御手段とを備え、
第1の制御手段は、1の機能処理部が記憶部を使用する処理を実行しているときの操作入力部の操作モードを他の機能処理部による同記憶部を使用する処理の予約を行うことのできる操作モードに切り換えた後に、上記操作入力部による当該他の機能処理部についての設定のうちの上記記憶部を使用せずに行うことが可能な処理の設定を受け付けることを特徴とする複合機。
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