JP2005136216A - ガス置換装置、ガス置換方法、露光装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】 マスク保護装置とマスク基板との間に形成されるマスク内空間のガスを短時間に効率良く安定して置換することができるガス置換装置を提供する。
【解決手段】 所望のパターンが形成されたマスク基板Pと、パターンが形成された領域を保護する保護部材Cと、保護部材Cを支持するとともに少なくとも2つの通気部hを有する枠部材Fとにより形成される空間S内の気体を所定ガスGに置換するガス置換装置100において、マスク基板Pを支持する支持部材110と、2つの通気部hの一方に対向するガス供給口113を備えるガス供給機構101と、マスク基板P或いは枠部材Fを押圧して、2つの通気部hの一方をガス供給口113に押し付ける押圧部120とを備える。
【選択図】 図4
【解決手段】 所望のパターンが形成されたマスク基板Pと、パターンが形成された領域を保護する保護部材Cと、保護部材Cを支持するとともに少なくとも2つの通気部hを有する枠部材Fとにより形成される空間S内の気体を所定ガスGに置換するガス置換装置100において、マスク基板Pを支持する支持部材110と、2つの通気部hの一方に対向するガス供給口113を備えるガス供給機構101と、マスク基板P或いは枠部材Fを押圧して、2つの通気部hの一方をガス供給口113に押し付ける押圧部120とを備える。
【選択図】 図4
Description
本発明は、例えば、半導体素子製造における露光工程で用いられるガス置換装置、露光装置及びガス置換方法に関する。
半導体素子、薄膜磁気ヘッド、液晶表示素子等のデバイスを製造するフォトリソグラフィー工程では、フォトマスクあるいはレチクルに形成されたパターンの像をフォトレジスト等の感光剤を塗布した基板上に転写させる露光装置が一般的に使用されている。そして、半導体メモリの大容量化やCPUプロセッサの高速化・高集積化の進展に伴い、基板上のショット領域に投影されるパターン形状の微細化の要請は年を追う毎に厳しくなり、露光装置に使用される露光用照明光(以下、「露光光」という)は、従来の主流であった水銀ランプに代わってKrFエキシマレーザー(248nm)、ArFエキシマレーザー(193nm)のような短波長の光が用いられるようになってきている。また、更なるパターン形状の微細化を目指してF2レーザー(157nm)を用いた露光装置の開発が進められている。しかし、真空紫外線と呼ばれる約190nm以下の波長の光は、酸素分子、水分子、二酸化炭素分子等の物質(以下、吸光物質という)に吸収されやすいという性質を持つため、大気中を透過することができない。したがって、真空紫外線を露光光に用いる露光装置では、露光光が通過する空間内の吸光物質を低減して、露光光を基板上面まで十分な照度で到達させる必要がある。
ところで、マスクには、パターン面へのゴミの付着を防止する保護装置が取り付けられているのが一般的である。この保護装置は、例えば、ニトロセルロース等を主成分とする透光性の薄膜を枠部材を介してマスク基板に装着するものである。したがって、上述のような真空紫外線を露光光として用いる場合には、保護装置とマスク基板と枠部材との間に形成される空間内(以下、マスク内空間と称する)の吸光ガスも低減し、露光光のエネルギー吸収の少ないガス(低吸光性ガス)を供給する技術がある。しかしながら、この薄膜は変形及び破損しやすいため、マスク内空間内の吸光ガスを低減し、低吸光性ガスを供給するといったガス置換を安定して行うことは困難である。このため、例えば、特開2001−230202号公報で示すように、マスクを収容した予備空間内のガス置換を行うことでマスク内空間内のガスを置換する技術が提案されている。
特開2001−230202号公報
しかしながら、上記の技術では、薄膜の破損や枠部材の変形を防止できるが、マスク内空間内のガス置換に時間を要するという問題がある。すなわち、露光処理中は、頻繁にマスクの交換を行う必要があるので、露光装置の処理能力を低下させないためには、マスク内空間内のガス置換を短時間かつ繰り返し行う必要がある。その一方で、薄膜及び枠部材が歪むと、光学性能を著しく劣化させる可能性があるので、薄膜及び枠部材の変形を最小限に抑える必要がある。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたもので、マスク保護装置とマスク基板との間に形成されるマスク内空間のガスを短時間に効率良く安定して置換することができるガス置換装置及びガス置換方法を提供することを目的とする。
本発明に係るガス置換装置及びガス置換方法では、上記課題を解決するために以下の手段を採用した。
第1の発明は、所望のパターン(PA)が形成されたマスク基板(P)と、パターン(PA)が形成された領域を保護する保護部材(C)と、保護部材(C)を支持するとともに少なくとも2つの通気部(h)を有する枠部材(F)とにより形成される空間(S)内の気体を所定ガス(G)に置換するガス置換装置(100)において、マスク基板(P)を支持する支持部材(110)と、2つの通気部(h)の一方に対向するガス供給口(113)を備えるガス供給機構(101)と、マスク基板(P)或いは枠部材(F)を押圧して、2つの通気部(h)の一方をガス供給口(113)に押し付ける押圧部(120)とを備えるようにした。この発明によれば、押圧部を用いるので、マスク基板と保護部材と枠部材とにより形成される空間内の気体を所定ガスに置換する際に、ガス供給機構のガス供給口と枠部材に設けられた通気孔の一部とが密着し、ガス供給口と通気孔との接触部分からのガス漏れを防止できる。
第1の発明は、所望のパターン(PA)が形成されたマスク基板(P)と、パターン(PA)が形成された領域を保護する保護部材(C)と、保護部材(C)を支持するとともに少なくとも2つの通気部(h)を有する枠部材(F)とにより形成される空間(S)内の気体を所定ガス(G)に置換するガス置換装置(100)において、マスク基板(P)を支持する支持部材(110)と、2つの通気部(h)の一方に対向するガス供給口(113)を備えるガス供給機構(101)と、マスク基板(P)或いは枠部材(F)を押圧して、2つの通気部(h)の一方をガス供給口(113)に押し付ける押圧部(120)とを備えるようにした。この発明によれば、押圧部を用いるので、マスク基板と保護部材と枠部材とにより形成される空間内の気体を所定ガスに置換する際に、ガス供給機構のガス供給口と枠部材に設けられた通気孔の一部とが密着し、ガス供給口と通気孔との接触部分からのガス漏れを防止できる。
また、押圧部(120)におけるマスク(R)との接触部分に緩衝部材(121)が設けられるものでは、ガス供給口と通気孔とを密着させる際に、マスクに対する負荷が緩和される。
また、マスク(R)を搬送する搬送系(81)を有し、ガス供給機構(101)がマスク(R)の搬送経路中に設けられるものでは、搬送中に空間内のガス置換を行うことができる。
また、ガス供給機構(101)が、マスク(R)を戴置するとともに所定方向に移動可能なマスクステージ(23)に設けられるものでは、露光処理の直前にガス置換を行うことができる。
また、マスク(R)を搬送する搬送系(81)を有し、ガス供給機構(101)がマスク(R)の搬送経路中に設けられるものでは、搬送中に空間内のガス置換を行うことができる。
また、ガス供給機構(101)が、マスク(R)を戴置するとともに所定方向に移動可能なマスクステージ(23)に設けられるものでは、露光処理の直前にガス置換を行うことができる。
第2の発明は、露光光(EL)のもとで、マスク(R)に形成されたパターン(PA)の像を基板(W)に転写する露光装置(STP)において、マスク基板(P)と保護部材(C)と枠部材(F)とにより形成される空間(S)内の気体を所定ガス(G)に置換するガス置換装置(100)として、第1の発明のガス置換装置(100)を備えるようにした。この発明によれば、マスク基板と保護部材と枠部材とにより形成される空間内の気体が所定ガスに効率よく置換されるので、露光光が減衰することなく、良好に基板まで到達することができる。
第3の発明は、所望のパターン(PA)が形成されたマスク基板(P)と、パターン(PA)が形成された領域を保護する保護部材(C)と、保護部材(C)を支持するとともに少なくとも2つの通気部(h)を有する枠部材(F)とにより形成される空間(S)内の気体を所定ガス(G)に置換するガス置換方法において、2つの通気部(h)の一方にガス供給口(113)を対向させる工程と、マスク基板(P)或いは枠部材(F)を押圧して、2つの通気部(h)の一方をガス供給口(113)に押し付ける工程と、ガス供給口(113)から2つの通気部(h)の一方を介して空間(S)内に所定ガス(G)を供給する工程とを有するようにした。この発明によれば、マスク基板と保護部材と枠部材とにより形成される空間内の気体を所定ガスに置換する際に、ガス供給機構のガス供給口と枠部材に設けられた通気孔の一部とが密着するので、ガス供給口と通気孔との接触部分からのガス漏れを防止できる。
本発明によれば以下の効果を得ることができる。
第1の発明は、所望のパターンが形成されたマスク基板と、パターンが形成された領域を保護する保護部材と、保護部材を支持するとともに少なくとも2つの通気部を有する枠部材とにより形成される空間内の気体を所定ガスに置換するガス置換装置において、マスク基板を支持する支持部材と、2つの通気部の一方に対向するガス供給口を備えるガス供給機構と、マスク基板或いは枠部材を押圧して、2つの通気部の一方をガス供給口に押し付ける押圧部とを備えるようにした。これにより、ガス供給口と通気孔との接触部分からのガス漏れを防止されるので、効率のよいガス置換が実施され、露光処理のスループットを低下させない。
第1の発明は、所望のパターンが形成されたマスク基板と、パターンが形成された領域を保護する保護部材と、保護部材を支持するとともに少なくとも2つの通気部を有する枠部材とにより形成される空間内の気体を所定ガスに置換するガス置換装置において、マスク基板を支持する支持部材と、2つの通気部の一方に対向するガス供給口を備えるガス供給機構と、マスク基板或いは枠部材を押圧して、2つの通気部の一方をガス供給口に押し付ける押圧部とを備えるようにした。これにより、ガス供給口と通気孔との接触部分からのガス漏れを防止されるので、効率のよいガス置換が実施され、露光処理のスループットを低下させない。
また、押圧部におけるマスクとの接触部分に緩衝部材が設けられるようにしたので、マスクに対する負荷が緩和され、マスクの破損を回避することができる。
また、マスクを搬送する搬送系を有し、ガス供給機構がマスクの搬送経路中に設けられるようにしたので、搬送中に空間内のガス置換を行い、露光処理を中断することなく、スループットを低下させない。
また、ガス供給機構がマスクを戴置するとともに所定方向に移動可能なマスクステージに設けられるようにしたので、確実にガス置換が行われたマスクにより露光を行うことができ、微細な線幅のパターンを転写することができる。
また、マスクを搬送する搬送系を有し、ガス供給機構がマスクの搬送経路中に設けられるようにしたので、搬送中に空間内のガス置換を行い、露光処理を中断することなく、スループットを低下させない。
また、ガス供給機構がマスクを戴置するとともに所定方向に移動可能なマスクステージに設けられるようにしたので、確実にガス置換が行われたマスクにより露光を行うことができ、微細な線幅のパターンを転写することができる。
第2の発明は、露光光)のもとで、マスクに形成されたパターンの像を基板に転写する露光装置において、マスク基板と保護部材と枠部材とにより形成される空間内の気体を所定ガスに置換するガス置換装置として、第1の発明のガス置換装置を備えるようにした。
これにより、露光光が減衰することなく、良好に基板まで到達することができるので、微細なパターンを基板上に露光することができる。
これにより、露光光が減衰することなく、良好に基板まで到達することができるので、微細なパターンを基板上に露光することができる。
第3の発明は、所望のパターンが形成されたマスク基板と、パターンが形成された領域を保護する保護部材と、保護部材を支持するとともに少なくとも2つの通気部を有する枠部材とにより形成される空間内の気体を所定ガスに置換するガス置換方法において、2つの通気部の一方にガス供給口を対向させる工程と、マスク基板或いは枠部材を押圧して、2つの通気部の一方をガス供給口に押し付ける工程と、ガス供給口から2つの通気部の一方を介して空間内に所定ガスを供給する工程とを有するようにした。これにより、ガス供給口と通気孔との接触部分からのガス漏れを防止されるので、効率のよいガス置換が実施され、露光処理のスループットを低下させることがない。
以下、本発明のガス置換装置、露光装置及びガス置換方法の実施形態について図を参照して説明する。図1は、保護装置PEを備えるレチクルRを示す模式図であって、図1(a)は平面図、図1(b)は図1(a)におけるA−A断面図である。
レチクル(マスク)Rは、図1(a)及び図1(b)に示すように、レチクル板(マスク基板)Pと保護装置PEとから構成され、レチクル板P上のパターンPAを保護するために、例えば、保護装置PEがレチクル板P上に設けられる。この保護装置PEは、フレーム(又はスタンド)と呼ばれる枠部材Fと薄膜(保護部材)Cとから構成され、略四角形の枠部材Fの一端部がレチクル板Pに接着されるとともに、他端部には薄膜Cが装着される。そして、図1(b)に示すように、保護装置PEとレチクル板Pとの間、すなわち、薄膜Cとレチクル板Pと枠部材Fとの間には、空間S(以下、レチクル内空間Sと称する)が形成される。
薄膜Cとしては、通常、ニトロセルロース等を主成分とする厚さが1〜2μm程度の透光性のフィルム部材が用いられるが、波長120nm〜190nmの真空紫外線の露光光ELを良好に透過させるためにレチクル板P及びレンズ類と同材質の蛍石、フッ化マグネシウム、フッ化リチウム等の結晶材料や、石英ガラス又は、フッ素ドープ石英等で形成された厚さ300〜800μm程度の光学部材を用いてもよい。
枠部材Fには、後述するレチクル内空間S内のガス置換の際にガスが流通する通気孔hが複数設けられる。通気孔hは、四角形状の枠部材Fのそれぞれの辺(直線部分)に2つずつ形成される。通気孔hの直径は、レチクル内空間Sのガス置換効率を考慮すると、1.0mm〜2.0mmの範囲で形成されることが望ましい。特に、直径が1.6mmであり、かつ各辺に2つずつ形成されることが望ましい。また、通気孔hは、枠部材Fのそれぞれの辺に2つずつ形成される構造に限らず、それぞれの辺に1つ形成したり、3つ以上形成したりしてもよい。また、通気孔hは、枠部材Fの辺のうち、互いに対向する2辺のそれぞれに少なくとも1つ以上の通気孔hを形成してもよい。さらには、互いに対向しない2辺に形成してもよい。これら通気孔hは、枠部材Fの内面と外面とを連通して、レチクル内空間Sと外部とのガスの流通を可能とする。
そして、通気孔hによって、例えば、航空機による輸送や天候の変化等によって大気圧が変化しレチクル内空間S内の気体が膨張、収縮した際に、通気孔hを介してレチクル内空間Sと外部との間で空気が流通してレチクル内空間S内の圧力と大気圧との圧力差が低減されることにより、レチクル内空間Sの膨張、収縮を抑えて薄膜Cの破損を防止する。
なお、通気孔hには、外部からレチクル内空間S内への塵埃の侵入を防止するエアフィルタや、酸性ガス、アルカリ性ガス、有機ガスといったガス状汚染化学物質の進入を防止するケミカルフィルタ等のフィルタFLを設けることが好ましい。
なお、露光時には、露光光ELがレチクル板P側から照射されてレチクル内空間Sを透過するので、レチクル内空間S内から吸光ガスを排除して、レチクル内空間S内で真空紫外光が減衰されないようにする必要がある。
レチクル(マスク)Rは、図1(a)及び図1(b)に示すように、レチクル板(マスク基板)Pと保護装置PEとから構成され、レチクル板P上のパターンPAを保護するために、例えば、保護装置PEがレチクル板P上に設けられる。この保護装置PEは、フレーム(又はスタンド)と呼ばれる枠部材Fと薄膜(保護部材)Cとから構成され、略四角形の枠部材Fの一端部がレチクル板Pに接着されるとともに、他端部には薄膜Cが装着される。そして、図1(b)に示すように、保護装置PEとレチクル板Pとの間、すなわち、薄膜Cとレチクル板Pと枠部材Fとの間には、空間S(以下、レチクル内空間Sと称する)が形成される。
薄膜Cとしては、通常、ニトロセルロース等を主成分とする厚さが1〜2μm程度の透光性のフィルム部材が用いられるが、波長120nm〜190nmの真空紫外線の露光光ELを良好に透過させるためにレチクル板P及びレンズ類と同材質の蛍石、フッ化マグネシウム、フッ化リチウム等の結晶材料や、石英ガラス又は、フッ素ドープ石英等で形成された厚さ300〜800μm程度の光学部材を用いてもよい。
枠部材Fには、後述するレチクル内空間S内のガス置換の際にガスが流通する通気孔hが複数設けられる。通気孔hは、四角形状の枠部材Fのそれぞれの辺(直線部分)に2つずつ形成される。通気孔hの直径は、レチクル内空間Sのガス置換効率を考慮すると、1.0mm〜2.0mmの範囲で形成されることが望ましい。特に、直径が1.6mmであり、かつ各辺に2つずつ形成されることが望ましい。また、通気孔hは、枠部材Fのそれぞれの辺に2つずつ形成される構造に限らず、それぞれの辺に1つ形成したり、3つ以上形成したりしてもよい。また、通気孔hは、枠部材Fの辺のうち、互いに対向する2辺のそれぞれに少なくとも1つ以上の通気孔hを形成してもよい。さらには、互いに対向しない2辺に形成してもよい。これら通気孔hは、枠部材Fの内面と外面とを連通して、レチクル内空間Sと外部とのガスの流通を可能とする。
そして、通気孔hによって、例えば、航空機による輸送や天候の変化等によって大気圧が変化しレチクル内空間S内の気体が膨張、収縮した際に、通気孔hを介してレチクル内空間Sと外部との間で空気が流通してレチクル内空間S内の圧力と大気圧との圧力差が低減されることにより、レチクル内空間Sの膨張、収縮を抑えて薄膜Cの破損を防止する。
なお、通気孔hには、外部からレチクル内空間S内への塵埃の侵入を防止するエアフィルタや、酸性ガス、アルカリ性ガス、有機ガスといったガス状汚染化学物質の進入を防止するケミカルフィルタ等のフィルタFLを設けることが好ましい。
なお、露光時には、露光光ELがレチクル板P側から照射されてレチクル内空間Sを透過するので、レチクル内空間S内から吸光ガスを排除して、レチクル内空間S内で真空紫外光が減衰されないようにする必要がある。
図2は、露光装置STPの構成を示す概念図である。露光装置STPは、真空紫外域の露光光ELをレチクルRに照明しつつ、レチクルRとウエハWとを一次元方向に相対的に同期移動させて、レチクルRに形成されたパターンPAを投影光学系40を介してウエハW上に転写するステップ・アンド・スキャン方式の走査型露光装置、いわゆるスキャニング・ステッパである。
この露光装置STPは、真空紫外域の露光光ELによりレチクルRを照明する露光照明系10、レチクルRを収容するレチクル室20、レチクル室20への大気流入を阻止するレチクル予備室30、レチクルRから射出される露光光ELをウエハW上に照射する投影光学系40、ウエハWを収容するウエハ室50、ウエハ室50への大気流入を阻止するウエハ予備室60、露光装置STPの動作を統括的に制御する主制御系70、レチクルR及びウエハWを露光装置STPに搬送する搬送系80、レチクル室20等の各空間内のガスを置換するガス置換系90(図3参照)から構成される。
露光装置STPには、後述する光源12から照射された露光光ELが、露光照明系10、レチクル室20及び投影光学系40を経てウエハ室50内に収納されたウエハWまで到達するように光路空間LSが形成されるが、露光光ELとして真空紫外域の波長の光を用いることから、この光路空間LSから露光光ELを吸収する吸光ガス(例えば、酸素、水蒸気、炭化水素系のガス)を低減させる必要がある。そのため、光路空間LSを形成する露光照明系10、レチクル室20、投影光学系40及びウエハ室50は、それぞれ密閉された空間(室)内に配置され、その各空間内から吸光ガスが排除される。そして、外部からの大気の侵入を遮断することにより、その状態が維持される。また、レチクルR及びウエハWの搬送の際に、光路空間LSに大気が侵入しないようにレチクル予備室30及びウエハ予備室60が設けられ、これらの空間内からも吸光ガスが排除される。
この露光装置STPは、真空紫外域の露光光ELによりレチクルRを照明する露光照明系10、レチクルRを収容するレチクル室20、レチクル室20への大気流入を阻止するレチクル予備室30、レチクルRから射出される露光光ELをウエハW上に照射する投影光学系40、ウエハWを収容するウエハ室50、ウエハ室50への大気流入を阻止するウエハ予備室60、露光装置STPの動作を統括的に制御する主制御系70、レチクルR及びウエハWを露光装置STPに搬送する搬送系80、レチクル室20等の各空間内のガスを置換するガス置換系90(図3参照)から構成される。
露光装置STPには、後述する光源12から照射された露光光ELが、露光照明系10、レチクル室20及び投影光学系40を経てウエハ室50内に収納されたウエハWまで到達するように光路空間LSが形成されるが、露光光ELとして真空紫外域の波長の光を用いることから、この光路空間LSから露光光ELを吸収する吸光ガス(例えば、酸素、水蒸気、炭化水素系のガス)を低減させる必要がある。そのため、光路空間LSを形成する露光照明系10、レチクル室20、投影光学系40及びウエハ室50は、それぞれ密閉された空間(室)内に配置され、その各空間内から吸光ガスが排除される。そして、外部からの大気の侵入を遮断することにより、その状態が維持される。また、レチクルR及びウエハWの搬送の際に、光路空間LSに大気が侵入しないようにレチクル予備室30及びウエハ予備室60が設けられ、これらの空間内からも吸光ガスが排除される。
露光照明系10は、光源12から照射された露光光ELがレチクルR上の所定の照明領域内にほぼ均一な照度分布で照射するために、オプティカルインテグレータ等を備える。オプティカルインテグレータ等は、照明系ハウジング11の内部に収納、密閉される。そして、光源12から照射された露光光ELが透過窓25を介してレチクルR上の所定の照明領域内にほぼ均一な照度分布で照射される。
露光光ELには、波長約120nm〜約190nmの真空紫外線又は深紫外線であり、例えば、発振波長193nmのArFエキシマレーザー(ArFレーザー)、発振波長157nmのフッ素レーザー(F2レーザー)、発振波長146nmのクリプトンダイマーレーザー(Kr2レーザー)、発振波長126nmのアルゴンダイマーレーザー(Ar2レーザー)等が用いられる。
露光光ELには、波長約120nm〜約190nmの真空紫外線又は深紫外線であり、例えば、発振波長193nmのArFエキシマレーザー(ArFレーザー)、発振波長157nmのフッ素レーザー(F2レーザー)、発振波長146nmのクリプトンダイマーレーザー(Kr2レーザー)、発振波長126nmのアルゴンダイマーレーザー(Ar2レーザー)等が用いられる。
レチクル室20は、照明系ハウジング11、投影系ハウジング41及び隔壁31と隙間無く接合された隔壁21によって覆われた密閉空間内に、レチクルRを保持するレチクルホルダ22、レチクルステージ23、コラム24を備える。
レチクル室20は、レチクル予備室30と密着しており、開口部32を密閉する開閉扉35が開くことによりレチクル予備室30と連通し、開閉扉35を閉じることによってレチクル室20は密閉されて外部からのガスの流入が遮断される。また、隔壁21の天井部には、照明系ハウジング11の内部空間と、レチクルRが配置されるレチクル室20の内部空間とを分離する透過窓25が配置される。この透過窓25は、真空紫外線である露光光ELに対して透過性の高い蛍石等の結晶材料によって形成される。
レチクルステージ(マスクステージ)23は、コラム24に支持されており、不図示の駆動部によりX方向に一次元走査移動し、さらにY方向、及び回転方向(Z軸回りのθ方向)に微動する。駆動部としては、例えばリニアコイルモータが用いられる。また、レチクルホルダ22は、レチクルステージ23に支持されるとともに、レチクルR上のパターンPAに対応した開口を有し、レチクルRのパターンPAを下にして真空吸着によって保持する。
これにより、レチクルRのパターン領域PAの中心が投影光学系40の光軸を通るようにレチクルRの位置決めが可能な構成となっている。
そして、レチクル室20の外部に設けたレーザー干渉式測長器(不図示)によってレチクルステージ23のY方向の位置が逐次検出されて、主制御系70に出力される。
レチクル室20は、レチクル予備室30と密着しており、開口部32を密閉する開閉扉35が開くことによりレチクル予備室30と連通し、開閉扉35を閉じることによってレチクル室20は密閉されて外部からのガスの流入が遮断される。また、隔壁21の天井部には、照明系ハウジング11の内部空間と、レチクルRが配置されるレチクル室20の内部空間とを分離する透過窓25が配置される。この透過窓25は、真空紫外線である露光光ELに対して透過性の高い蛍石等の結晶材料によって形成される。
レチクルステージ(マスクステージ)23は、コラム24に支持されており、不図示の駆動部によりX方向に一次元走査移動し、さらにY方向、及び回転方向(Z軸回りのθ方向)に微動する。駆動部としては、例えばリニアコイルモータが用いられる。また、レチクルホルダ22は、レチクルステージ23に支持されるとともに、レチクルR上のパターンPAに対応した開口を有し、レチクルRのパターンPAを下にして真空吸着によって保持する。
これにより、レチクルRのパターン領域PAの中心が投影光学系40の光軸を通るようにレチクルRの位置決めが可能な構成となっている。
そして、レチクル室20の外部に設けたレーザー干渉式測長器(不図示)によってレチクルステージ23のY方向の位置が逐次検出されて、主制御系70に出力される。
レチクル予備室30は、レチクルRの搬入及び搬出時に、レチクル室20への吸光ガスの流入を阻止するために設けられた空間であり、保護装置PEを備えるレチクルRをレチクル室20へ搬入するに先立ち、レチクル予備室30内から吸光ガスを排除することにより、レチクル室20すなわち光路空間LSへの吸光ガスの侵入と、露光光ELの減衰を防止するものである。また、レチクル予備室30内には、レチクルRのレチクル内空間Sから吸光ガスを排除するレチクル用ガス置換部100が設けられる。
レチクル予備室30は、レチクル室20と密着して設けられ、隔壁31によって覆われて光路空間LSとは独立して異なる密閉空間を有している。レチクル室20と密着する隔壁31には、開口部32が形成され、この開口部32には主制御系70の指示によって開閉する開閉扉33が設けられる。また、開口部32と対向する隔壁31には、開口部34が形成されており、この開口部34にも主制御系70の指示によって開閉する開閉扉35が設けられる。したがって、開閉扉35及び開閉扉35を閉じることによって、レチクル予備室30は密閉されて外部からの大気の侵入が遮断される。
レチクル予備室30は、レチクル室20と密着して設けられ、隔壁31によって覆われて光路空間LSとは独立して異なる密閉空間を有している。レチクル室20と密着する隔壁31には、開口部32が形成され、この開口部32には主制御系70の指示によって開閉する開閉扉33が設けられる。また、開口部32と対向する隔壁31には、開口部34が形成されており、この開口部34にも主制御系70の指示によって開閉する開閉扉35が設けられる。したがって、開閉扉35及び開閉扉35を閉じることによって、レチクル予備室30は密閉されて外部からの大気の侵入が遮断される。
投影光学系40は、蛍石、フッ化リチウム等のフッ化物結晶からなるレンズや反射鏡などの複数の投影レンズ系42を投影系ハウジング41で密閉したものである。投影レンズ系42は、レチクルRを介して射出される照明光を所定の投影倍率β(βは、例えば1/4)で縮小して、レチクルRのパターンPAの像をウエハW上の特定領域(ショット領域)に結像させる。なお、投影光学系40の投影レンズ系42の各要素は、それぞれ保持部材(不図示)を介して投影系ハウジング41に支持され、該各保持部材は各要素の周縁部を保持するように例えば円環状に形成されている。
ウエハ室50は、投影系ハウジング41及び隔壁61と隙間無く接合された隔壁51によって覆われた密閉空間内に、ウエハWを真空吸着することによって保持するためのウエハホルダ52、ウエハステージ53を備える。ウエハ室50は、ウエハ予備室60と密着しており、開口部62を密閉する開閉扉63が開くことによりウエハ予備室60と連通し、開閉扉63を閉じることによってウエハ室50は密閉されて外部からのガスの侵入が遮断される。
ウエハホルダ52は、ウエハステージ53に支持されるとともに、ウエハWを真空吸着によって保持する。ウエハステージ53は、互いに直交する方向へ移動可能な一対のブロックをベース54上に重ね合わせたものであって、不図示の駆動部によりXY平面内で移動可能となっている。そして、ウエハ室50の外部に設けたレーザー干渉式測長器によってウエハステージ53のX方向およびY方向の位置が光透過窓55を介して逐次検出されて、主制御系70に出力される。
そして、ウエハステージ53のXY面内の移動により、ウエハW上の任意のショット領域をレチクルRのパターンPAの投影位置(露光位置)に位置決めして、レチクルRのパターンPAの像をウエハWに投影転写する。
ウエハホルダ52は、ウエハステージ53に支持されるとともに、ウエハWを真空吸着によって保持する。ウエハステージ53は、互いに直交する方向へ移動可能な一対のブロックをベース54上に重ね合わせたものであって、不図示の駆動部によりXY平面内で移動可能となっている。そして、ウエハ室50の外部に設けたレーザー干渉式測長器によってウエハステージ53のX方向およびY方向の位置が光透過窓55を介して逐次検出されて、主制御系70に出力される。
そして、ウエハステージ53のXY面内の移動により、ウエハW上の任意のショット領域をレチクルRのパターンPAの投影位置(露光位置)に位置決めして、レチクルRのパターンPAの像をウエハWに投影転写する。
ウエハ予備室60は、ウエハWの搬入及び搬出時に、ウエハ室50への吸光ガスの流入を阻止するために設けられた空間であり、ウエハ室50と密着して設けられ、隔壁61によって覆われて光路空間LSとは独立して異なる密閉空間を有している。ウエハ室50と密着する隔壁61には、開口部62が形成され、この開口部62には主制御系70の指示によって開閉する開閉扉63が設けられる。また、開口部62と対向する隔壁61には、開口部64が形成されており、この開口部64にも主制御系70の指示によって開閉する開閉扉65が設けられる。したがって、開閉扉65及び開閉扉65を閉じることによって、ウエハ予備室60は密閉されて外部からの大気の侵入が遮断される。
そして、ウエハ室50へのウエハWの搬入に先だって、ウエハ室50に隣接するウエハ予備室60にウエハWを一時的に収容し、ガス置換系90によってウエハ室50及びウエハ予備室60内の吸光ガスの濃度を低減させた後、ウエハ予備室60からウエハWをウエハ室50に搬入することにより、ウエハ室50への外気の混入を防いでいる。
そして、ウエハ室50へのウエハWの搬入に先だって、ウエハ室50に隣接するウエハ予備室60にウエハWを一時的に収容し、ガス置換系90によってウエハ室50及びウエハ予備室60内の吸光ガスの濃度を低減させた後、ウエハ予備室60からウエハWをウエハ室50に搬入することにより、ウエハ室50への外気の混入を防いでいる。
搬送系80は、レチクル搬送系(搬送系)81とウエハ搬送系85とから構成される。レチクル搬送系81は、レチクル予備室30の内部に配置されたロボットアーム82と、露光装置STPの外部に配置されたロボットアーム83と、ロボットアーム82,83を制御する制御部84(不図示)とから構成される。そして、ロボットアーム83は、露光処理に使用するレチクルRを露光装置STPに付設されたレチクルライブラリ89から開口部34を介してレチクル予備室30に搬入し、また、露光処理が完了したレチクルRをレチクル予備室30内からレチクルライブラリ89に搬出する。ロボットアーム82は、レチクル予備室30内に搬送されたレチクルRを開口部32を介してレチクル室20に搬送し、また、露光処理が完了したレチクルRをレチクル室20からレチクル予備室30に搬出する。なお、レチクルライブラリ89は複数の棚を有しており、各段の棚にはそれぞれ異なるパターンPAを有するレチクルRが収納、保管される。
ウエハ搬送系85は、ウエハ予備室60の内部に配置されて開口部62を介してウエハ室50に対してウエハWを搬送するロボットアーム86と、露光装置STPの外部に配置されて開口部64を介してウエハ予備室60に対してウエハWを搬送するロボットアーム87と、ロボットアーム86,87を制御する制御部88(不図示)とから構成される。そして、ロボットアーム87は、露光装置STPの外部にある前工程から搬送されてきた露光処理前のウエハWをウエハ予備室60内に搬入し、また、露光処理が完了したウエハWをウエハ予備室60から露光装置STPの外部にある次工程に向けて搬出する。
なお、制御部84,88は通信路を介して主制御系70と接続されており、主制御系70と各種情報をやり取りすることにより、露光装置STPと連動してレチクル搬送系81及びウエハ搬送系85を制御する。
ウエハ搬送系85は、ウエハ予備室60の内部に配置されて開口部62を介してウエハ室50に対してウエハWを搬送するロボットアーム86と、露光装置STPの外部に配置されて開口部64を介してウエハ予備室60に対してウエハWを搬送するロボットアーム87と、ロボットアーム86,87を制御する制御部88(不図示)とから構成される。そして、ロボットアーム87は、露光装置STPの外部にある前工程から搬送されてきた露光処理前のウエハWをウエハ予備室60内に搬入し、また、露光処理が完了したウエハWをウエハ予備室60から露光装置STPの外部にある次工程に向けて搬出する。
なお、制御部84,88は通信路を介して主制御系70と接続されており、主制御系70と各種情報をやり取りすることにより、露光装置STPと連動してレチクル搬送系81及びウエハ搬送系85を制御する。
主制御系70は、露光装置STPを統括的に制御するものである。例えば、露光量(露光光の照射量)や後述するレチクルステージ23及びウエハステージ53の位置等を制御して、レチクルRに形成されたパターンPAの像をウエハW上のショット領域に転写する露光動作を繰り返し行う。また、主制御系70には、各種演算を行う演算部71の他、各種情報を記録する記憶部72が設けられる。
図3は、ガス置換系90を示す概念図である。ガス置換系90は、露光照明系10、レチクル室20、レチクル予備室30、投影光学系40、ウエハ室50、ウエハ予備室60の各空間内に存在するガスを露光光ELに対する吸収性が酸素より少ない特性を有するガス、例えば、窒素、ヘリウム、アルゴン、ネオン、クリプトン等、又はこれらの混合ガス(以下、これらを低吸光性ガス(所定ガス)Gという)に交換(置換)するものであり、各空間内に低吸光性ガスGを供給するガス供給装置91と、各空間内のガスを外部に排気するガス排気装置96とから構成される。また、ガス置換系90は、レチクル予備室30内に設けられるレチクル用ガス置換部100にも接続され、レチクル用ガス置換部100に戴置されるレチクルRのレチクル内空間Sにも低吸光性ガスGを供給する。
ガス供給装置91は、低吸光性ガスGを貯蔵するガスボンベ92、ガスボンベ92から低吸光性ガスGを送り出す供給ポンプ93、供給ポンプ93と各空間内とを連結する供給管路95(95a〜95g)、供給管路95の管路の途中に設けられた供給用制御弁94(94a〜94g)とから構成される。また、ガス排気装置96は、ガスを吸引する排気ポンプ97、排気ポンプ97と各空間とを連結する排気管路99(99a〜99f)、排気管路99の管路の途中に設けられた排気用制御弁98(98a〜98f)とから構成される。
そして、供給管路95a〜95fを介して各空間内に低吸光性ガスGを供給するとともに、各空間内のガスを排気管路99a〜99fを介して外部に排気することにより、各空間内に存在する吸光ガスの濃度を低減させる、ガス置換が行われる。
また、レチクル用ガス置換部100には、供給管路95gを介して戴置されたレチクルRのレチクル内空間Sに低吸光性ガスGが供給される。そして、レチクル内空間S内のガスは、一旦、通気孔hを介してレチクル予備室30に排気され、レチクル予備室30内のガスとともに排気管路99cを介して外部に排気される。
ガス供給装置91は、低吸光性ガスGを貯蔵するガスボンベ92、ガスボンベ92から低吸光性ガスGを送り出す供給ポンプ93、供給ポンプ93と各空間内とを連結する供給管路95(95a〜95g)、供給管路95の管路の途中に設けられた供給用制御弁94(94a〜94g)とから構成される。また、ガス排気装置96は、ガスを吸引する排気ポンプ97、排気ポンプ97と各空間とを連結する排気管路99(99a〜99f)、排気管路99の管路の途中に設けられた排気用制御弁98(98a〜98f)とから構成される。
そして、供給管路95a〜95fを介して各空間内に低吸光性ガスGを供給するとともに、各空間内のガスを排気管路99a〜99fを介して外部に排気することにより、各空間内に存在する吸光ガスの濃度を低減させる、ガス置換が行われる。
また、レチクル用ガス置換部100には、供給管路95gを介して戴置されたレチクルRのレチクル内空間Sに低吸光性ガスGが供給される。そして、レチクル内空間S内のガスは、一旦、通気孔hを介してレチクル予備室30に排気され、レチクル予備室30内のガスとともに排気管路99cを介して外部に排気される。
図4は、レチクル用ガス置換部100にレチクルRを戴置した場合の断面図である。
レチクル用ガス置換部(ガス置換装置)100は、ガス置換系90の一部であって、レチクル予備室30内に配置されて、レチクル予備室30に収容されたレチクルRのレチクル内空間S内に存在する吸光ガスを低吸光性ガスGにガス置換を行うものである(図3参照)。レチクル用ガス置換部100は、レチクル内空間Sに低吸光性ガスGを供給するガス供給部(ガス供給機構)101と、レチクルRを戴置するアタッチメント(支持部材)110とから構成される。ガス供給部101は、ガス供給装置91の一部であって、アタッチメント110と供給ポンプ93とを連結する供給管路95gと、供給管路95gの途中に設けられた供給用制御弁94gとを備える。アタッチメント110は、パターンPAを下側にしたレチクルRのレチクル板P部分を戴置(支持)するために4本の支柱111(2本の支柱111は不図示)と、戴置したレチクルRの枠部材Fの一辺と対向する対向面112と、対向面112に形成されてレチクルRの通気孔hと接続するガス供給口113とを備える。ガス供給口113は、通気孔hと接続するとともに供給管路95gと連結して、ガス流路を形成する。したがって、アタッチメント110にレチクルRを戴置すると、ガス供給部101と連結したガス供給口113を介して、通気孔hからレチクル内空間S内に低吸光性ガスGを供給可能となる。そして、ガス供給口113と接続しない通気孔hからレチクル内空間S内のガスを外部(レチクル予備室30)に排気可能となる。
また、アタッチメント110には、通気孔hとガス供給口113との接触部分からの低吸光性ガスGの漏れを防止するために、レチクルRの通気孔hをガス供給口113に向けて押し付ける押圧部120が設けられる。押圧部120は、アタッチメント110に戴置されたレチクルRのレチクル板Pを押し付けて、レチクルRの通気孔hと対向面112に形成されたガス供給口113に当接させる。これにより、ガス供給口113と通気孔hとが密着して、接触部分からのガスの漏洩が防止されて、ガス置換の効率が高められる。なお、押圧部120におけるレチクル板Pとの接触面には緩衝部材121が設けられ、押圧時におけるレチクルRの損傷を防いでいる。なお、レチクルRのレチクル板Pを押し付ける場合に限らず、枠部材Fを押し付けてもよい。
また、通気孔hとガス供給口113との接触部分にはシール部材114が設けられ、ガスの給排気時に接触部分からのガスの漏出を防止して更にガス置換の効率を高める。また、対向面112には、レチクルRの衝突を緩和する緩衝部材を設けてもよい。
レチクル用ガス置換部(ガス置換装置)100は、ガス置換系90の一部であって、レチクル予備室30内に配置されて、レチクル予備室30に収容されたレチクルRのレチクル内空間S内に存在する吸光ガスを低吸光性ガスGにガス置換を行うものである(図3参照)。レチクル用ガス置換部100は、レチクル内空間Sに低吸光性ガスGを供給するガス供給部(ガス供給機構)101と、レチクルRを戴置するアタッチメント(支持部材)110とから構成される。ガス供給部101は、ガス供給装置91の一部であって、アタッチメント110と供給ポンプ93とを連結する供給管路95gと、供給管路95gの途中に設けられた供給用制御弁94gとを備える。アタッチメント110は、パターンPAを下側にしたレチクルRのレチクル板P部分を戴置(支持)するために4本の支柱111(2本の支柱111は不図示)と、戴置したレチクルRの枠部材Fの一辺と対向する対向面112と、対向面112に形成されてレチクルRの通気孔hと接続するガス供給口113とを備える。ガス供給口113は、通気孔hと接続するとともに供給管路95gと連結して、ガス流路を形成する。したがって、アタッチメント110にレチクルRを戴置すると、ガス供給部101と連結したガス供給口113を介して、通気孔hからレチクル内空間S内に低吸光性ガスGを供給可能となる。そして、ガス供給口113と接続しない通気孔hからレチクル内空間S内のガスを外部(レチクル予備室30)に排気可能となる。
また、アタッチメント110には、通気孔hとガス供給口113との接触部分からの低吸光性ガスGの漏れを防止するために、レチクルRの通気孔hをガス供給口113に向けて押し付ける押圧部120が設けられる。押圧部120は、アタッチメント110に戴置されたレチクルRのレチクル板Pを押し付けて、レチクルRの通気孔hと対向面112に形成されたガス供給口113に当接させる。これにより、ガス供給口113と通気孔hとが密着して、接触部分からのガスの漏洩が防止されて、ガス置換の効率が高められる。なお、押圧部120におけるレチクル板Pとの接触面には緩衝部材121が設けられ、押圧時におけるレチクルRの損傷を防いでいる。なお、レチクルRのレチクル板Pを押し付ける場合に限らず、枠部材Fを押し付けてもよい。
また、通気孔hとガス供給口113との接触部分にはシール部材114が設けられ、ガスの給排気時に接触部分からのガスの漏出を防止して更にガス置換の効率を高める。また、対向面112には、レチクルRの衝突を緩和する緩衝部材を設けてもよい。
続いて、以上のような構成をもつガス置換系90を備えた露光装置STPを用いて、光路空間LS及びレチクルRのレチクル内空間Sのガスを置換する方法について説明する。
まず、ガス置換系90により光路空間LS内に存在する吸光ガスを低減させる。具体的には、主制御系70の指示により、各室に設けた供給用制御弁94及び排気用制御弁98を開放するとともに、供給ポンプ93及び排気ポンプ97を動作させて、ガスボンベ92に貯蔵された低吸光性ガスGを供給管路95から各室に送る。また、各室内に存在した吸光ガスを含むガスを排気管路99から排気される。なお、開閉扉33、35、63、65は、全て閉じておく。このようにして、各室内に存在する吸光ガスの濃度を低減させる。
まず、ガス置換系90により光路空間LS内に存在する吸光ガスを低減させる。具体的には、主制御系70の指示により、各室に設けた供給用制御弁94及び排気用制御弁98を開放するとともに、供給ポンプ93及び排気ポンプ97を動作させて、ガスボンベ92に貯蔵された低吸光性ガスGを供給管路95から各室に送る。また、各室内に存在した吸光ガスを含むガスを排気管路99から排気される。なお、開閉扉33、35、63、65は、全て閉じておく。このようにして、各室内に存在する吸光ガスの濃度を低減させる。
次に、レチクルRをレチクル予備室30に搬入する。具体的には、主制御系70がレチクル搬送系81の制御部84に指令することにより、ロボットアーム83がレチクルライブラリ89に収納されている複数のレチクルRのなかから所望のレチクルRを取り出す。そして、ロボットアーム83が開閉扉35に近づくと、主制御系70の指令によりレチクル予備室30の開閉扉35が開く。そして、ロボットアーム83が開閉扉35からレチクル予備室30内にレチクルRを搬入し、レチクル予備室30内に設置されたレチクル用ガス置換部100にレチクルを戴置する。そして、ロボットアーム83がレチクル予備室30から退避すると、開閉扉35が閉じる。このようにして、レチクルRがレチクル予備室30内に搬入される。このとき、レチクルRを搬入することによりレチクル予備室30内に大気が侵入してしまう。また、レチクルRのレチクル内空間S内にも大気が含まれている。したがって、このままレチクルRをレチクル室20に搬入すると、レチクル室20内に吸光ガスを含んだ大気が侵入し、露光光ELを著しく吸収して、許容できない程度の透過率低下や透過率変動を招いてしまう。そのため、レチクル室20へのレチクルRの搬入に先だって、レチクル予備室30及びレチクルRのレチクル内空間Sのガス置換を行う。レチクル予備室30のガス置換の手順は上述した手順と同一である。
次に、レチクルRのレチクル内空間S内を低吸光性ガスGに置換する。
まず、前工程において、レチクルRがロボットアーム83によりレチクル用ガス置換部100の上方に搬送されて、アタッチメント110上に戴置されている。これにより、レチクルRの枠部材Fに形成された通気孔hは、アタッチメント110に形成されたガス供給口と対向する。
次に、押圧部120が駆動して、レチクルRの端部(レチクル板P)を押圧する。これにより、レチクルRがアタッチメント110上を滑って、通気孔hが対向面112に形成されたガス供給口113に押し付けられる。このようにして、通気孔hがガス供給口113と接続する。
そして、前工程のレチクル予備室30のガス置換と並行して、レチクル内空間Sのガス置換が行われる。レチクル内空間Sのガス置換は、供給用制御弁94gを開放し、供給管路95g及びガス供給口113を介して、ガス供給口113に対向する通気孔hとは異なる通気孔hからレチクル内空間S内に低吸光性ガスGを供給するとともに、レチクル内空間S内のガスを通気孔h(排気用通気孔h)から外部に排気することにより行われる。なお、通気孔hとガス供給口との接触部にシール部材114が設けられているので、ガス漏れがなく、効率のよいガス置換が行われる。
そして、レチクル予備室30及びレチクル内空間Sの吸光ガスの濃度を低減させた後にレチクルRをレチクル室20に搬入することにより、レチクル室20への大気の侵入を防ぐことができる。
まず、前工程において、レチクルRがロボットアーム83によりレチクル用ガス置換部100の上方に搬送されて、アタッチメント110上に戴置されている。これにより、レチクルRの枠部材Fに形成された通気孔hは、アタッチメント110に形成されたガス供給口と対向する。
次に、押圧部120が駆動して、レチクルRの端部(レチクル板P)を押圧する。これにより、レチクルRがアタッチメント110上を滑って、通気孔hが対向面112に形成されたガス供給口113に押し付けられる。このようにして、通気孔hがガス供給口113と接続する。
そして、前工程のレチクル予備室30のガス置換と並行して、レチクル内空間Sのガス置換が行われる。レチクル内空間Sのガス置換は、供給用制御弁94gを開放し、供給管路95g及びガス供給口113を介して、ガス供給口113に対向する通気孔hとは異なる通気孔hからレチクル内空間S内に低吸光性ガスGを供給するとともに、レチクル内空間S内のガスを通気孔h(排気用通気孔h)から外部に排気することにより行われる。なお、通気孔hとガス供給口との接触部にシール部材114が設けられているので、ガス漏れがなく、効率のよいガス置換が行われる。
そして、レチクル予備室30及びレチクル内空間Sの吸光ガスの濃度を低減させた後にレチクルRをレチクル室20に搬入することにより、レチクル室20への大気の侵入を防ぐことができる。
次いで、ウエハWをウエハ室50に搬入する。まず、主制御系70の指令により開閉扉65が開き、主制御系70から指令を受けた制御部88によりロボットアーム87が動作して、前工程から搬送されてきたウエハWをウエハ予備室60に搬入する。そして、ロボットアーム87がウエハ予備室60から退避すると、開閉扉65が閉じて、ウエハ予備室60内のガス置換が開始される。その後、開閉扉63が開き、ロボットアーム86がウエハWをウエハ予備室60からウエハ室50内の搬入し、ウエハホルダ52上に戴置する。ロボットアーム86がウエハ室50ら退避すると、開閉扉63が閉じる。このようにして、ウエハ室50内への大気の流入が阻止される。
なお、次工程においてウエハWが露光されている間に、ウエハ予備室60には次のウエハWが搬送され、即座にウエハWの入れ換えが行えるように準備される。また、ウエハ予備室60に一度に複数枚のウエハWを搬入するようにして、開閉扉65の開閉、及びウエハ予備室60のガス置換の回数を減らすようにしてもよい。
なお、次工程においてウエハWが露光されている間に、ウエハ予備室60には次のウエハWが搬送され、即座にウエハWの入れ換えが行えるように準備される。また、ウエハ予備室60に一度に複数枚のウエハWを搬入するようにして、開閉扉65の開閉、及びウエハ予備室60のガス置換の回数を減らすようにしてもよい。
そして、ウエハWにレチクルRのパターンPAを露光する。露光処理は、従来通りであるため説明を省略する。なお、光路空間LS内には、低吸光性ガスGが充満し、吸光ガスが排除されているので、真空紫外線光が十分な強度でウエハWまで到達する。したがって、真空紫外線光を用いたパターンの微細化が実現できる。
最後に、レチクルR及びウエハWを露光装置STP外に搬出する。搬出は、レチクルR及びウエハWの搬入作業を後戻りするように行われる。すなわち、レチクルR及びウエハWは、ロボットアーム82,86により各予備室30,60に搬出され、更にロボットアーム83,87により外部に搬出される。その際、開閉扉33,35,63,65が順次開閉して、レチクル室20、ウエハ室50内への大気の流入が阻止される。
なお、レチクルR及びウエハWを露光装置STP外に搬出した直後に、光路空間LS内のガス置換を行うことが望ましい。
なお、レチクルR及びウエハWを露光装置STP外に搬出した直後に、光路空間LS内のガス置換を行うことが望ましい。
以上のようにして、レチクル内空間Sから吸光ガスが低減され、真空紫外線が十分な強度を保ったままウエハWの露光面まで到達させることができる。また、繰り返し露光処理を行う場合には、以上の処理を繰り返して行えばよい。
なお、上述した実施の形態において示した動作手順、あるいは各構成部材の諸形状や組み合わせ等は一例であって、本発明の主旨から逸脱しない範囲においてプロセス条件や設計要求等に基づき種々変更及び省略可能である。本発明は、例えば以下のような変更をも含むものとする。
なお、上述した実施の形態において示した動作手順、あるいは各構成部材の諸形状や組み合わせ等は一例であって、本発明の主旨から逸脱しない範囲においてプロセス条件や設計要求等に基づき種々変更及び省略可能である。本発明は、例えば以下のような変更をも含むものとする。
本実施形態では、レチクル用ガス置換部100をレチクル予備室30内に配置する場合について説明したが、搬送経路中の他の場所に設けてもよい。例えば、レチクルライブラリ89とレチクル予備室30との間等であってもよい。また、レチクルホルダ22にガス供給部101を設けてレチクル用ガス置換部100として機能させてもよい。更に、レチクルライブラリ89をレチクル用ガス置換部100として機能させてもよい。
また、レチクルRの枠部材Fの通気孔hを介して、レチクル内空間Sをガス置換する際に、枠部材Fの通気孔hに取り付けられているフィルタFLを取り外してもよい。
また、例えば、ガス供給口112と接続する供給用通気孔hに比べて、排気用通気孔hの径を大きしたり、数を増やしたりして、ガスの排出を効率よくしてもよい。
また、例えば、ガス供給口112と接続する供給用通気孔hに比べて、排気用通気孔hの径を大きしたり、数を増やしたりして、ガスの排出を効率よくしてもよい。
また、上述したレチクルライブラリ89の代わりに、レチクル(マスク)Rを収納する手段として、不活性ガスが充填されたマスク搬送ケース(例えば、密閉度を向上させて構成したSMIFポット)を用いてもよい。この場合、このマスク搬送ケース内に収納されているレチクルRのレチクル内空間Sは通常は低吸光性ガスGで置換されていると考えられるが、薄膜Cや枠部材Fからの脱ガス(アウトガス)によってレチクル内空間Sが汚染されている虞があるため、レチクル室20に搬入する前に、ガス置換を実施するのが好ましい。
また、上記実施形態では、大気中にレチクルライブラリ89を設け、レチクルライブラリ89とレチクル予備室30との間でレチクルRを搬送するロボットアーム83を備える構成としたが、これに限らず、レチクルライブラリ89を低吸光性ガスGで満たされた空間内に収容し、レチクルライブラリ89とレチクル予備室30との間に低吸光性ガスGで所定圧に満たされたレチクル搬送路が設けてもよい。また、レチクルライブラリ89をレチクル予備室30内に配置してもよい。
また、上記実施形態では、大気中にレチクルライブラリ89を設け、レチクルライブラリ89とレチクル予備室30との間でレチクルRを搬送するロボットアーム83を備える構成としたが、これに限らず、レチクルライブラリ89を低吸光性ガスGで満たされた空間内に収容し、レチクルライブラリ89とレチクル予備室30との間に低吸光性ガスGで所定圧に満たされたレチクル搬送路が設けてもよい。また、レチクルライブラリ89をレチクル予備室30内に配置してもよい。
また、露光照明系10、レチクル室20、投影光学系40、及びウエハ室50における各室内や、レチクル予備室30、ウエハ予備室60の各室内を満たす低吸光性ガスGとして、全てを同一種類としてもよいし、異なる種類の混合ガスを用いてもよい。この低吸光性ガスGとして窒素、ヘリウム、ネオン、アルゴン等、及びこれらの混合ガスが用いられる。ただし、レチクル室20、レチクル予備室30及びレチクル内空間Sに供給される低吸光性ガスGの種類は、同じ種類にすることが望ましい。これは、ガスの混合を避けるためである。
また、レチクル予備室30を2つ設けて、レチクル室20からレチクルRを搬出する動作とレチクル室20にレチクルRを搬入する動作とを並行して行うようにしてもよい。これにより、レチクルRのレチクル室20への搬入の終了を待つことなく、レチクル予備室30から外部にレチクルRを搬出できるので、レチクルRの交換時間を短縮することができる。
また、照明系ハウジング11、隔壁21、隔壁31、投影系ハウジング41、隔壁51、隔壁61、供給管路95は、研磨などの処理によって表面粗さが低減されたステンレス(SUS)等の材質を用いて脱ガスの発生を抑制してもよい。
また、照明系ハウジング11、隔壁21、隔壁31、投影系ハウジング41、隔壁51、隔壁61、供給管路95は、研磨などの処理によって表面粗さが低減されたステンレス(SUS)等の材質を用いて脱ガスの発生を抑制してもよい。
また、本発明に係るウエハWとしては、保護部材磁気ヘッド用のセラミックウエハのみならず、半導体デバイス用の半導体ウエハや、液晶表示デバイス用のガラスプレートであってもよい。
また、本発明が適用される露光装置として、マスクと基板とを静止した状態でマスクのパターンを露光し、基板を順次ステップ移動させるステップ・アンド・リピート型の露光装置を用いてもよい。
また、本発明が適用される露光装置として、投影光学系を用いることなくマスクと基板とを密接させてマスクのパターンを露光するプロキシミティ露光装置を用いてもよい。
また、露光装置の用途としては半導体デバイス製造用の露光装置に限定されることなく、例えば、角型のガラスプレートに液晶表示素子パターンを露光する液晶用の露光装置や、保護部材磁気ヘッドを製造するための露光装置にも広く適当できる。
また、投影光学系としては、エキシマレーザーなどの遠紫外線を用いる場合は硝材として石英や蛍石などの遠紫外線を透過する材料を用いればよい。
また、ウエハステージやレチクルステージにリニアモータを用いる場合は、エアベアリングを用いたエア浮上型およびローレンツ力またはリアクタンス力を用いた磁気浮上型のどちらを用いてもいい。また、ステージは、ガイドに沿って移動するタイプでもいいし、ガイドを設けないガイドレスタイプでもよい。さらに、ステージの駆動装置として平面モ−タを用いる場合、磁石ユニット(永久磁石)と電機子ユニットのいずれか一方をステージに接続し、磁石ユニットと電機子ユニットの他方をステージの移動面側(ベース)に設ければよい。
また、ウエハステージの移動により発生する反力は、特開平8−166475号公報に記載されているように、フレーム部材を用いて機械的に床(大地)に逃がしてもよい。本発明は、このような構造を備えた露光装置においても適用可能である。
また、レチクルステージの移動により発生する反力は、特開平8−330224号公報に記載されているように、フレーム部材を用いて機械的に床(大地)に逃がしてもよい。本発明は、このような構造を備えた露光装置においても適用可能である。
また、本発明が適用される露光装置は、本願特許請求の範囲に挙げられた各構成要素を含む各種サブシステムを、所定の機械的精度、電気的精度、光学的精度を保つように、組み立てることで製造される。これら各種精度を確保するために、この組み立ての前後には、各種光学系については光学的精度を達成するための調整、各種機械系については機械的精度を達成するための調整、各種電気系については電気的精度を達成するための調整が行われる。各種サブシステムから露光装置への組み立て工程は、各種サブシステム相互の、機械的接続、電気回路の配線接続、気圧回路の配管接続等が含まれる。この各種サブシステムから露光装置への組み立て工程の前に、各サブシステム個々の組み立て工程があることはいうまでもない。各種サブシステムの露光装置への組み立て工程が終了したら、総合調整が行われ、露光装置全体としての各種精度が確保される。なお、露光装置の製造は温度およびクリーン度等が管理されたクリーンルームで行うことが望ましい。
また、半導体デバイスは、デバイスの機能・性能設計を行う工程、この設計ステップに基づいたマスク(レチクル)を製作する工程、シリコン材料からウエハを製造する工程、前述した実施形態の露光装置によりレチクルのパターンをウエハに露光するウエハ処理工程、デバイス組み立て工程(ダイシング工程、ボンディング工程、パッケージ工程を含む)、検査工程等を経て製造される。
R レチクル(マスク)
PA パターン
P レチクル板(マスク基板)
F 枠部材
C 薄膜(保護部材)
h 通気孔
S レチクル内空間(空間)
G 低吸光性ガス(所定ガス)
W ウエハ(基板)
23 レチクルステージ(マスクステージ)
81 レチクル搬送系(搬送系)
100 レチクル用ガス置換部(ガス置換装置)
101 ガス供給部(ガス供給機構)
110 アタッチメント(支持部材)
113 ガス供給口
120 押圧部
121 緩衝部材
STP 露光装置
PA パターン
P レチクル板(マスク基板)
F 枠部材
C 薄膜(保護部材)
h 通気孔
S レチクル内空間(空間)
G 低吸光性ガス(所定ガス)
W ウエハ(基板)
23 レチクルステージ(マスクステージ)
81 レチクル搬送系(搬送系)
100 レチクル用ガス置換部(ガス置換装置)
101 ガス供給部(ガス供給機構)
110 アタッチメント(支持部材)
113 ガス供給口
120 押圧部
121 緩衝部材
STP 露光装置
Claims (6)
- 所望のパターンが形成されたマスク基板と、前記パターンが形成された領域を保護する保護部材と、前記保護部材を支持するとともに少なくとも2つの通気部を有する枠部材とにより形成される空間内の気体を所定ガスに置換するガス置換装置において、
前記マスク基板を支持する支持部材と、
前記2つの通気部の一方に対向するガス供給口を備えるガス供給機構と、
前記マスク基板或いは前記枠部材を押圧して、前記2つの通気部の一方を前記ガス供給口に押し付ける押圧部と、を備えることを特徴とするガス置換装置。 - 前記押圧部における前記マスクとの接触部分に緩衝部材が設けられることを特徴とする請求項1に記載のガス置換装置。
- 前記マスクを搬送する搬送系を有し、
前記ガス供給機構は、前記マスクの搬送経路中に設けられることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のガス置換装置。 - 前記ガス供給機構は、前記マスクを戴置するとともに、所定方向に移動可能なマスクステージに設けられることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のガス置換装置。
- 露光光のもとで、マスクに形成されたパターンの像を基板に転写する露光装置において、
マスク基板と保護部材と枠部材とにより形成される空間内の気体を所定ガスに置換するガス置換装置として、
請求項1から請求項4のうちいずれか一項に記載のガス置換装置を備えることを特徴とする露光装置。 - 所望のパターンが形成されたマスク基板と、前記パターンが形成された領域を保護する保護部材と、前記保護部材を支持するとともに少なくとも2つの通気部を有する枠部材とにより形成される空間内の気体を所定ガスに置換するガス置換方法において、
前記2つの通気部の一方にガス供給口を対向させる工程と、
前記マスク基板或いは前記枠部材を押圧して、前記2つの通気部の一方を前記ガス供給口に押し付ける工程と、
前記ガス供給口から前記2つの通気部の一方を介して前記空間内に前記所定ガスを供給する工程と、
を有することを特徴とするガス置換方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003370993A JP2005136216A (ja) | 2003-10-30 | 2003-10-30 | ガス置換装置、ガス置換方法、露光装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
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JP2005136216A true JP2005136216A (ja) | 2005-05-26 |
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ID=34647826
Family Applications (1)
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JP2003370993A Withdrawn JP2005136216A (ja) | 2003-10-30 | 2003-10-30 | ガス置換装置、ガス置換方法、露光装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP2005136216A (ja) |
-
2003
- 2003-10-30 JP JP2003370993A patent/JP2005136216A/ja not_active Withdrawn
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