JP2001230202A - ガス置換方法及び装置、露光方法及び装置、並びにデバイスの製造方法 - Google Patents

ガス置換方法及び装置、露光方法及び装置、並びにデバイスの製造方法

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JP2001230202A
JP2001230202A JP2000375001A JP2000375001A JP2001230202A JP 2001230202 A JP2001230202 A JP 2001230202A JP 2000375001 A JP2000375001 A JP 2000375001A JP 2000375001 A JP2000375001 A JP 2000375001A JP 2001230202 A JP2001230202 A JP 2001230202A
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mask
displacement
space
chamber
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達夫 佐藤
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  • Preparing Plates And Mask In Photomechanical Process (AREA)
  • Exposure And Positioning Against Photoresist Photosensitive Materials (AREA)
  • Exposure Of Semiconductors, Excluding Electron Or Ion Beam Exposure (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 ペリクル付きマスクにおけるペリクルとマス
クとの間に形成される空間内のガスを効率良く安定して
置換することができるガス置換方法及びガス置換装置、
並びに露光方法及び露光装置を提供することを目的とす
る。 【解決手段】 露光装置は、ペリクルPEが装着された
マスクMを収容する予備室7と、予備室7のガスを排気
する排気装置80と、ペリクルPEの変位を計測する変
位計測装置85と、予備室7内のガスの排気量を調整す
る制御部9とを備えている。予備室7内のガスを排気す
ることにより空間GSのガス置換を行う際、制御部9
は、変位計測装置80の計測結果に基づいてペリクルP
Eの変位が所定範囲になるように予備室7内のガスの排
気量を調整することにより、ペリクルPEの破損を防ぎ
つつ安定したガス置換を行うことができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えば、半導体素
子製造における露光工程で用いられるガス置換方法及び
ガス置換装置、露光方法及び露光装置、並びにデバイス
の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、半導体素子や薄膜磁気ヘッド
あるいは液晶表示素子等をフォトリソグラフィ工程で製
造する場合に種々の露光装置が使用されているが、フォ
トマスクあるいはレチクル(以下、マスクという)に形
成されたパターンの像を、表面にフォトレジスト等の感
光剤を塗布された基板上に投影光学系を介して投影する
露光装置が一般的に使用されている。近年、基板上のシ
ョット領域に投影されるパターンの形状の微細化に伴
い、使用される露光用照明光(以下、「露光光」とい
う)は短波長化される傾向にある。すなわち、これまで
主流だった水銀ランプに代わって、KrFエキシマレー
ザー(248nm)、ArFエキシマレーザー(193
nm)を用いた露光装置が実用化されつつある。また、
さらなるパターンの形状の微細化を目指してF2 レーザ
ー(157nm)を用いた露光装置の開発も進められて
いる。
【0003】このような、約180nm以下の波長を有
する真空紫外線を露光光として用いる場合、露光光の通
過する空間である光路空間内に酸素分子、水分子、二酸
化炭素分子などといった、かかる波長域の光に対し強い
吸収特性を備える物質(以下、「吸光物質」という)が
存在していると、露光光は減衰され十分な強度で基板上
に到達できない。したがって、真空紫外線を用いた露光
装置は、露光光の通過する光路空間の密閉性を高めて、
外部からの吸光物質の流入を遮断する構造にするととも
に、光路空間内に存在する吸光物質を低減する作業が施
される。この吸光物質を低減する方法には、光路空間内
を真空に引いて減圧し、その状態を維持する方法、真空
に引いた後に露光光に対する吸収性の少ない特性を有す
る物質(例えば、ヘリウム、アルゴン、窒素などの不活
性ガス)を充填する方法、真空引きせずに前記のような
不活性ガスを光路空間内に供給する方法、などが挙げら
れる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところで、マスクに
は、パターン面へのゴミ付着防止のために「ペリクル」
と呼ばれる光透過性の薄膜が取り付けられているのが一
般的である。したがって、上述のような真空紫外線を露
光光として用いる場合、ペリクルとマスクとの間に形成
される空間内の吸光物質も低減する必要がある。しかし
ながら、このペリクルは破損しやすく、この空間内の吸
光物質を低減し不活性ガスを供給するといったガス置換
を安定して行うことは困難である。
【0005】本発明は、このような事情に鑑みてなされ
たもので、ペリクル付きマスクの場合のように、薄膜と
基板との間に形成される空間内のガスを効率良く安定し
て置換することができるガス置換方法及びガス置換装
置、並びに露光方法及び露光装置を提供することを目的
とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記の課題を解決するた
め本発明は、実施の形態に示す図1〜図8に対応付けし
た以下の構成を採用している。本発明のガス置換方法
は、薄膜(PE)を装着した基板(M)を収容する密閉
室(7)内のガスを排気するに際し、排気に伴う薄膜
(PE)の変位が所定範囲になるように、密閉室(7)
内のガスの排気量を調整することを特徴とする。
【0007】本発明によれば、基板(M)を密閉室
(7)内に収容してこの密閉室(7)内のガスを排気す
ることにより、薄膜(PE)と基板(M)との間に形成
される空間(GS)内のガス置換を行うが、薄膜(P
E)の変位が所定範囲になるように密閉室(7)内のガ
スの排気量を調整することにより、薄膜(PE)の破損
を防ぎつつ安定したガス置換を行うことができる。
【0008】この場合、密閉室(7)内のガスの排気量
の調整は、薄膜(PE)の変位を計測し、この計測結果
に基づいて行われるので、ガス置換に際し、薄膜(P
E)の破損は確実に防止される。
【0009】このようなガス置換方法は、薄膜(PE)
を装着した基板(M)を収容する密閉室(7)内のガス
を置換するガス置換装置(8)において、密閉室(7)
内のガスを排気する排気装置(80)と、薄膜(PE)
の変位を計測する変位計測装置(85)と、この計測結
果に基づいて、変位が所定範囲になるように、ガスの排
気量を調整する制御系(9)とを備えることを特徴とす
るガス置換装置(8)によって実現することができる。
【0010】一方、密閉室(7)内の圧力を計測し、こ
の計測結果に基づいて、排気量を調整することもでき
る。この場合も、ガス置換に際し、薄膜(PE)の破損
は確実に防止される。このようなガス置換方法は、薄膜
(PE)を装着した基板(M)を収容する密閉室(7)
内のガスを置換するガス置換装置(8)において、密閉
室(7)内のガスを排気する排気装置(80)と、密閉
室(7)内の圧力を計測する圧力計測装置(87)と、
この計測結果に基づいて、薄膜(PE)の変位が所定範
囲になるように、ガスの排気量を調整する制御系(9)
とを備えることを特徴とするガス置換装置によって行う
ことができる。
【0011】また、密閉室(7)内に置換ガスを給気す
ることにより、薄膜(PE)と基板(M)との間に形成
される空間(GS)に置換ガスを供給するが、この密閉
室(7)内へ置換ガスを給気するに際し、給気に伴う薄
膜(PE)の変位が所定範囲になるように、置換ガスの
給気量又は排気量の少なくとも一方を調整することによ
り、薄膜(PE)の破損を防ぎつつ安定したガス置換を
行うことができる。これは、前記ガス置換装置(8)に
密閉室(7)に置換ガスを給気する給気装置(81)を
設け、制御系(9)が、薄膜(PE)の変位が所定範囲
になるように置換ガスの給気量と密閉室(7)内のガス
の排気量との少なくとも一方を調整することにより行わ
れる。
【0012】また、本発明のガス置換方法は、基板
(M)と基板(M)に装着される薄膜(PE)との間に
形成される空間(GS)内のガスを置換するガス置換方
法において、空間(GS)内のガスを排気するに際し、
排気に伴う薄膜(PE)の変位が所定範囲になるよう
に、空間(GS)内のガスの排気量を調整することを特
徴とする。
【0013】すなわち、基板(M)と薄膜(PE)との
間に形成される空間(GS)内のガスを直接置換しても
よく、この場合、薄膜(PE)の変位が所定範囲になる
ように、空間(GS)内のガスの排気量を調整すること
により、薄膜(PE)の破損を防止しつつ安定したガス
置換を行うことができる。
【0014】このようなガス置換方法は、基板(M)と
基板(M)に装着される薄膜(PE)との間に形成され
る空間(GS)内のガスを置換するガス置換装置(8
9)において、空間(GS)内のガスを排気する排気装
置(90)と、薄膜(PE)の変位を計測する変位計測
装置(91)と、この計測結果に基づいて、変位が所定
範囲になるように、ガスの排気量を調整する制御系
(9)とを備えることを特徴とするガス置換装置(8
9)によって行うことができる。
【0015】また、空間(GS)内に直接置換ガスを供
給することもでき、空間(GS)内に置換ガスを給気す
るに際し、給気に伴う薄膜(PE)の変位が所定範囲に
なるように、置換ガスの給気量又は排気量の少なくとも
一方を調整することによって、安定したガス置換を実現
することができる。これは、ガス置換装置(89)に空
間(GS)内に置換ガスを給気する給気装置(92)を
設け、制御系(9)が、薄膜(PE)の変位が所定範囲
になるように、置換ガスの給気量又は空間(GS)内の
ガスの排気量の少なくとも一方を調整することにより行
われる。
【0016】本発明の露光方法は、保護部材(PE)が
装着されたマスク(M)に露光光(EL)を照射してマ
スク(M)のパターンの像を基板(W)上に転写する露
光方法において、露光光(EL)の光路を含む空間(L
S)と異なる空間を有する予備室(7)内にマスク
(M)を収容し、予備室(7)内のガスを露光光(E
L)の吸収が少ない特性を有する特定ガスに置換するこ
とにより、保護部材(PE)とマスク(M)との間に形
成される空間(GS)内のガスを特定ガスに置換するに
際し、予備室(7)内のガスの排気に伴う保護部材(P
E)の変位が所定範囲になるように、排気量を調整しつ
つガス置換を行った後、マスク(M)を光路を含む空間
(LS)に搬入し露光処理を行うことを特徴とする。
【0017】本発明によれば、マスク(M)を予備室
(7)内に収容してこの予備室(7)内のガスを特定ガ
スに置換することにより保護部材(PE)とマスク
(M)との間に形成される空間(GS)内のガスを特定
ガスに置換するが、保護部材(PE)の変位が所定範囲
になるように予備室(7)内のガスの排気量を調整する
ことにより、保護部材(PE)の破損を防ぎつつ、空間
(GS)内のガス置換を安定して行うことができる。し
たがって、マスク(M)は空間(GS)内の吸光物質を
低減した状態で光路を含む空間(LS)に配置されるの
で、安定した露光処理が行われる。
【0018】このような露光方法は、保護部材(PE)
が装着されたマスク(M)に露光光(EL)を照射して
マスク(M)のパターンの像を基板(W)上に転写する
露光装置(1)において、露光光(EL)の光路を含む
空間(LS)と異なる空間を有し、マスク(M)を収容
する予備室(7)と、予備室(7)内のガスを露光光
(EL)の吸収が少ない特性を有する特定ガスに置換す
るに際し、予備室(7)のガスを排気する排気装置(8
0)と、保護部材(PE)の変位を計測する変位計測装
置(85)と、この計測結果に基づいて、変位が所定範
囲になるように、予備室(7)内のガスの排気量を調整
する制御系(9)とを備えることを特徴とする露光装置
(1)によって行うことができる。
【0019】また、本発明の露光方法は、保護部材(P
E)が装着されたマスク(M)に露光光(EL)を照射
してマスク(M)のパターンの像を基板(W)上に転写
する露光方法において、露光光(EL)の光路を含む空
間(LS)と異なる空間を有する予備室(7)内にマス
ク(M)を収容し、予備室(7)内のガスを露光光(E
L)の吸収が少ない特性を有する特定ガスに置換するこ
とにより、保護部材(PE)とマスク(M)との間に形
成される空間(GS)内のガスを特定ガスに置換するに
際し、予備室(7)内のガスの排気に伴う予備室(7)
内の圧力変化に基づいて、排気量を調整しつつガス置換
を行った後、マスク(M)を光路を含む空間(LS)に
搬入し露光処理を行うことを特徴とする。
【0020】すなわち、本発明の露光方法によれば、マ
スク(M)を予備室(7)内に収容してこの予備室
(7)内のガスを特定ガスに置換することにより保護部
材(PE)とマスク(M)との間に形成されるガスを特
定ガスに置換するに際し、予備室(7)内の圧力変化に
基づいてガスの排気量を調整することも可能であり、こ
の場合も、保護部材(PE)の破損を防ぎつつ、空間
(GS)内のガス置換を安定して行うことができる。し
たがって、マスク(M)は空間(GS)内の吸光物質を
低減した状態で光路を含む空間(LS)に配置されるの
で、安定した露光処理が行われる。
【0021】このような露光方法は、保護部材(PE)
が装着されたマスク(M)に露光光(EL)を照射して
マスク(M)のパターンの像を基板(W)上に転写する
露光装置(1)において、露光光(EL)の光路を含む
空間(LS)と異なる空間を有し、マスク(M)を収容
する予備室(7)と、予備室(7)内のガスを露光光
(EL)の吸収が少ない特性を有する特定ガスに置換す
るに際し、予備室(7)のガスを排気する排気装置(8
0)と、予備室(7)内の圧力変化を計測する圧力計測
装置(87)と、この計測結果に基づいて、保護部材
(PE)の変位が所定範囲になるように、予備室(7)
内のガスの排気量を調整する制御系(9)とを備えるこ
とを特徴とする露光装置(1)によって行うことができ
る。
【0022】また、本発明の露光方法は、保護部材(P
E)が装着されたマスク(M)に露光光を照射して該マ
スク(M)のパターンの像を基板(M)上に転写する露
光方法において、前記露光光の光路を含む空間もしくは
該空間と異なる空間を有する密閉室(7)内に前記マス
ク(M)を収容し、前記密閉室(7)内のガスを前記露
光光の吸収が少ない特性を有する特定ガスに置換し、該
置換に伴い、前記保護部材(PE)とマスク(M)との
間に形成される空間内のガスを前記特定ガスに置換し、
前記保護部材(PE)と前記マスク(M)との間に形成
される空間内のガスを前記特定ガスに置換した後、前記
マスク(M)に前記露光光を照射して、該マスク(M)
のパターンの像を基板(M)上に転写することを特徴と
していてもよい。
【0023】また、本発明の露光方法は、保護部材(P
E)が装着されたマスク(M)に露光光を照射して該マ
スク(M)のパターンの像を基板(M)上に転写する露
光方法において、前記露光光の光路を含む空間もしくは
該空間と異なる空間を有する密閉室(7)内に前記マス
ク(M)を収容し、前記密閉室(7)内で、前記保護部
材(PE)と前記マスク(M)との間に形成される空間
内のガスを前記特定ガスに置換し、前記保護部材(P
E)と前記マスク(M)との間に形成される空間内のガ
スを前記特定ガスに置換した後に、前記マスク(M)に
露光光を照射して、該マスク(M)のパターンの像を基
板(M)上に転写することを特徴としていてもよい。
【0024】また、本発明の露光装置は、保護部材(P
E)が装着されたマスク(M)に露光光を照射して該マ
スク(M)のパターンの像を基板(M)上に転写する露
光装置において、前記露光光の光路を含む空間もしくは
該空間と異なる空間を有し、前記マスク(M)を収容す
る密閉室(7)と、前記密閉室(7)内のガスを前記露
光光の吸収が少ない特性を有する特定ガスに置換するこ
とにより、前記保護部材(PE)と前記マスク(M)と
の間に形成される空間を前記特定ガスに置換するガス置
換装置(8)と、前記保護部材(PE)の変位を計測す
る変位計測装置(85)と、前記計測結果に基づいて、
前記変位が所定範囲になるように、前記ガス置換装置
(8)を制御する制御系(9)とを備えることを特徴と
していてもよい。
【0025】また、本発明の露光装置は、保護部材(P
E)が装着されたマスク(M)に露光光を照射して該マ
スク(M)のパターンの像を基板(M)上に転写する露
光装置において、前記露光光の光路を含む空間もしくは
該空間と異なる空間を有し、前記マスク(M)を収容す
る密閉室(7)と、前記密閉室(7)内のガスを前記露
光光の吸収が少ない特性を有する特定ガスに置換するこ
とにより、前記保護部材(PE)と前記マスク(M)と
の間に形成される空間を前記特定ガスに置換するガス置
換装置(8)と、前記密閉室(7)内の圧力を計測する
圧力計測装置と、前記圧力計測装置の計測結果に基づい
て、前記保護部材(PE)の変位が所定範囲になるよう
に、前記ガス置換装置(8)を制御する制御系(9)と
を備えていてもよい。
【0026】また、本発明の露光装置は、保護部材(P
E)が装着されたマスク(M)に露光光を照射して該マ
スク(M)のパターンの像を基板(M)上に転写する露
光装置において、前記露光光の光路を含む空間と該空間
に隣接する空間との少なくとも一方を有し、フレームを
介して保護部材(PE)が装着されたマスク(M)を収
容する密閉室(7)と、前記フレームを介して、前記保
護部材(PE)と前記マスク(M)との間に形成される
空間内のガスを前記露光光の吸収が少ない特定ガスに置
換するガス置換装置(8)と、前記保護部材(PE)の
変位を検出する変位計測装置とを有していてもよい。
【0027】本発明のデバイスの製造方法は、リソグラ
フィ工程を含むデバイスの製造方法であって、前記リソ
グラフィ工程で、前記の露光方法を用いることを特徴と
している。
【0028】
【発明の実施の形態】以下、本発明の第1実施形態に係
るガス置換方法及びガス置換装置、並びに露光方法及び
露光装置を図面を参照しながら説明する。このうち図1
は、本発明のガス置換装置を備えた露光装置1の概略構
成図である。また、図2はペリクル(薄膜)PEを装着
したマスク(基板)Mを説明するための図であり、図3
は予備室7に設けられたガス置換装置を説明するための
構成図である。
【0029】この露光装置1は、真空紫外域の露光用照
明光(露光光)ELをマスクMに照明して、このマスク
Mのパターンの像を投影光学系3を介して基板(ウェー
ハ)W上に転写する。
【0030】図1〜図3において、露光装置1は、光源
21からの光束LBをマスクMに照明する照明光学系2
と、この照明光学系2内に配置され開口Sの面積を調整
して露光光ELによるマスクMの照明範囲を規定するブ
ラインド部4と、マスクMを収容するマスク室5と、露
光光ELで照明されたマスクMのパターンの像を基板
(ウェーハ)W上に投影する投影光学系3と、ウェーハ
Wを収容するウェーハ室6と、マスク室5に隣接し、露
光光ELの光路空間LSと異なる空間を有するマスクガ
ス置換室(予備室)7と、ウェーハ室6に隣接するウェ
ーハガス置換室10と、露光光ELの光路上の空間LS
のガスを置換するためのガス置換装置(不図示)と、露
光装置1の動作全体を制御する制御部(制御系)9とを
備えている。さらに、マスクMの搬送系、及びウェーハ
Wの搬送系を備えている。
【0031】光源21は、波長約120nm〜約180
nmの真空紫外線の露光光を照明光学系2に射出するも
のであって、例えば発振波長157nmのフッ素レーザ
ー(F2 レーザー)、発振波長146nmのクリプトン
ダイマーレーザー(Kr2 レーザー)、発振波長126
nmのアルゴンダイマーレーザー(Ar2 レーザー)な
どによって構成される。なお、光源21として、発振波
長193nmのArFエキシマレーザー等を用いること
が可能である。
【0032】照明光学系2は、光源21から射出し反射
鏡22によって導かれた光束(レーザービーム)LBを
ほぼ均一な照度分布の露光光ELに変換するオプチカル
インテグレータ24(ロッドレンズタイプまたはフライ
アイレンズであってもよい)と、この露光光ELの大部
分(例えば97%)をレンズ系26を介してブラインド
部4に導くとともに残りの部分(例えば3%)を光量モ
ニター29に導くハーフミラー25と、ブラインド部4
によって照明範囲を規定されレンズ系27を透過した露
光光ELをマスクMに導く反射鏡28とを備えている。
これら各光学部材及びブラインド部4は、密閉空間であ
る照明系ハウジング20の内部に所定位置関係で配置さ
れている。この場合、ブラインド部4はマスクMのパタ
ーン面と共役な面に配置されている。
【0033】光量モニター29は光電変換素子からなっ
ており、ハーフミラー25によって導かれる露光光EL
の一部分を光電変換し、この光電変換信号を制御部9に
供給する。すなわち、制御部9はこの光量モニター29
からの情報に基づいて光源21を駆動・停止させるよう
になっており、これによってウェーハWに対する露光量
(露光光の照射量)が制御される。
【0034】ブラインド部4は、例えば、平面L字状に
屈曲し露光光ELの光軸AXと直交する面内で組み合わ
せられることによって矩形状の開口Sを形成する一対の
ブレードと、これらブレードを制御部9の指示に基づい
て光軸AXと直交する面内で移動させる移動装置とを備
えている。このとき、開口Sの大きさはブレードの移動
に伴って変化し、開口Sはオプチカルインテグレータ2
4から入射される露光光ELのうち、通過させた露光光
ELのみをレンズ系27に送る。開口Sにより規定され
た露光光ELは、レンズ系27を介してマスク室5に配
置されたマスクMの特定領域をほぼ均一な照度で照明す
る。
【0035】マスク室5は、マスクMを真空吸着によっ
て保持するマスクホルダー51を備えている。このマス
ク室5は、照明系ハウジング20及び投影光学系3の投
影系ハウジング30と隙間無く接合された隔壁50によ
って覆われている。また、隔壁50の側壁部にはマスク
Mを搬入・搬出するための開口部54が設けられてお
り、この開口部54には、制御部9の指示によって開閉
する開閉扉55が設けられている。開閉扉55を閉じる
ことによって、マスク室5は密閉される。
【0036】また、マスクホルダー51は、マスクM上
のパターンが形成された領域であるパターン領域に対応
した開口を有し、不図示の駆動機構によりX方向、Y方
向、θ方向(Z軸回りの回転方向)に微動可能となって
おり、これによって、パターン領域の中心が投影光学系
3の光軸AXを通るようにマスクMの位置決めが可能な
構成となっている。このマスクホルダー51の駆動機構
は、例えば2組のボイスコイルモータを用いて構成され
る。
【0037】マスク室5の隔壁50の天井部には、照明
系ハウジング20の内部空間と、マスクMが配置される
マスク室5の内部空間とを分離する透過窓56が配置さ
れている。この透過窓56は、照明光学系2からマスク
Mに照明される露光光ELの光路上に配置されるため、
真空紫外線である露光光ELに対して透過性の高い蛍石
等の結晶材料によって形成される。
【0038】投影光学系3は、開口Sによって規定され
た露光光ELの照明範囲に存在するマスクMのパターン
の像をウェーハWに結像させ、ウェーハWの特定領域
(ショット領域)にパターンの像を露光する。この投影
光学系3は、蛍石、フッ化リチウム等のフッ化物結晶か
らなるレンズや反射鏡などの複数の光学部材を投影系ハ
ウジング30で密閉したものである。本実施形態では、
この投影光学系3として、投影倍率が例えば1/4ある
いは1/5の縮小光学系が用いられている。このため、
マスクMに形成されたパターンは投影光学系3によりウ
ェーハW上のショット領域に縮小投影され、ウェーハW
上にはパターンの縮小像が転写形成される。
【0039】投影光学系3の各光学部材は、それぞれ保
持部材を介して投影系ハウジング30に支持されてい
る。各保持部材は、各光学部材の周縁部を保持するよう
に円環状に設けられる。各光学部材及びマスク室5の隔
壁50のそれぞれの間には、密閉された空間が形成され
ている。このとき、保持部材はガス溜まりを生じないよ
うに光軸AXに対して傾斜されたり、各光学部材の表面
と保持部材の表面とがほぼ一致するように構成される。
したがって、各空間内部において、ガスは円滑に流れ
る。
【0040】ウェーハ室6は、ウェーハWを真空吸着す
ることによって保持するためのウェーハホルダー61を
備えている。このウェーハ室6は、投影系ハウジング3
0と隙間無く接合された隔壁60によって覆われてい
る。また、隔壁60の側壁部にはウェーハWを搬入・搬
出するための開口部64が設けられており、この開口部
64には、制御部9の指示によって開閉する開閉扉65
が設けられている。開閉扉65を閉じることによって、
ウェーハ室6は密閉される。
【0041】ウェーハホルダー61は、ウェーハステー
ジ62に支持されている。ウェーハステージ62は、互
いに直交する方向へ移動可能な一対のブロックを重ね合
わせたものであって、X−Y平面に沿った水平方向に移
動可能となっている。あるいは、例えば磁気浮上型の2
次元リニアモータ(平面モータ)等からなるウェーハ駆
動系(図示略)によってベース66の上面に沿って且つ
非接触でX−Y面内で自在に駆動される。すなわち、こ
のウェーハステージ62に固定されたウェーハWは、X
−Y平面に沿った水平方向に(投影光学系3の光軸AX
に対して垂直な方向に)移動可能に支持されている。
【0042】また、ウェーハステージ62の位置はレー
ザ干渉計システムによって調整される。これを詳述する
と、ウェーハ室6の隔壁60の−X側の側壁には光透過
窓63が設けられている。これと同様に、隔壁60の+
Y側(図1中における紙面奥側)の側壁にも光透過窓が
設けられている。これらの光透過窓は、隔壁60に形成
された窓部(開口部)にこの窓部を閉塞する光透過部
材、ここでは一般的な光学ガラスを取り付けることによ
って構成されている。この場合、光透過窓63を構成す
る光透過部材の取り付け部分からのガス漏れが生じない
ように、取り付け部には、インジウムや銅等の金属シー
ルや、フッ素系樹脂による封止(シーリング)が施され
ている。
【0043】ウェーハホルダー61の−X側の端部に
は、平面鏡からなるX移動鏡64XがY方向に延設され
ている。このX移動鏡64Xにほぼ垂直にウェーハ室6
の外部に配置されたX軸レーザー干渉計65Xからの測
長ビームが光透過窓63を介して投射され、その反射光
が光透過窓63を介してX軸レーザー干渉計65X内部
のディテクタによって受光され、X軸レーザー干渉計6
5X内部の参照鏡の位置を基準としてX移動鏡64Xの
位置、すなわちウェーハWのX位置が検出される。
【0044】同様に、図示は省略されているが、ウェー
ハホルダー61の+Y側の端部には、平面鏡からなるY
移動鏡がY方向に延設されている。このY移動鏡を介し
てY軸レーザー干渉計によって上記と同様にしてY移動
鏡の位置、すなわちウェーハWのY位置が検出される。
X軸及びY軸それぞれのレーザー干渉計の検出値(計測
値)は制御部9に供給され、制御部9は、各ショット領
域間のステッピング時などにこれらのレーザー干渉計の
検出値をモニターしつつウェーハステージ62の位置制
御を行う。
【0045】このとき、X、Y軸の各レーザー干渉計、
すなわちレーザー光源やプリズム等の光学部材及びディ
テクタなどはウェーハ室6の外部に配置されているの
で、レーザー干渉計を構成するディテクタ等から仮に微
量の吸光物質が発生しても、これが露光に対して悪影響
を及ぼすことがない構成となっている。なお、各レーザ
ー干渉計を構成する各部品から吸光物質の発生が抑制さ
れている場合は、これら各部品をウェーハ室6に配置し
てもよい。
【0046】すなわち、本実施形態の露光装置1におい
ては、制御部9によりウェーハW上の各ショット領域を
露光位置に順次位置決めするようにウェーハステージ6
2を移動するショット間ステッピング動作と、その位置
決め状態で露光光ELをマスクMに照明してマスクMに
形成されたパターンの像をウェーハW上のショット領域
に転写する露光動作とが繰り返し行われる。
【0047】照明光学系2の照明系ハウジング20とマ
スク室5と投影光学系3の投影系ハウジング30とウェ
ーハ室6とのそれぞれに形成された内部空間(密閉空
間)は、外部とのガスの出入りを遮断され、且つ光源2
1から射出されウェーハWに照射される露光光ELの光
路空間LSとなる。
【0048】予備室(マスクガス置換室)7は、マスク
室5に隣接して設けられており、露光光ELの光路空間
LSとは独立した異なる密閉空間を有している。このマ
スクガス置換室7は、マスク室5の隔壁50と隙間無く
接合された隔壁70によって覆われている。隔壁70は
マスク室5の隔壁50の開口部54側に設けられてお
り、マスク室5とマスクガス置換室7とは開口部54を
介して連通している。
【0049】一方、マスクガス置換室7の隔壁70のう
ち、マスク室5に接する側と反対側(+X側)の側壁に
は開口部74が形成されており、この開口部74には、
制御部9の指示によって開閉する開閉扉75が設けられ
ている。開閉扉55及び開閉扉75を閉じることによっ
て、マスクガス置換室7は密閉される。
【0050】マスクガス置換室7の内部には、開口部5
4を介してマスク室5に対してマスクMを搬入及び搬出
するロボットアームからなる第1マスク搬送系としての
マスクローダ101が配置されている。さらに、開閉扉
75の外部には、マスクライブラリMLに保管されてい
るマスクMを開口部74を介してマスクガス置換室7に
対して搬入及び搬出するロボットアームからなる第2マ
スク搬送系としてのマスク搬送機構102が設けられて
いる。マスクライブラリMLは複数の棚を有しており、
各段の棚にはマスクMを収納したマスクケース103が
保管されている。マスクローダ101及びマスク搬送機
構102は、制御部9に接続されており、制御部9の指
示に基づいて動作する。
【0051】ウェーハ室6には、ウェーハガス置換室1
0が隣接して設けられている。このウェーハガス置換室
10は、露光光ELの光路空間LSとは独立した異なる
密閉空間を有しており、ウェーハ室6の隔壁60と隙間
無く接合された隔壁100によって覆われている。隔壁
100はウェーハ室6の隔壁60の開口部64側に設け
られており、ウェーハ室6とウェーハガス置換室10と
は開口部64を介して連通している。
【0052】一方、ウェーハガス置換室10の隔壁10
0のうち、ウェーハ室6に接する側と反対側(+X側)
の側壁には開口部104が形成されており、この開口部
104には、制御部9の指示によって開閉する開閉扉1
05が設けられている。開閉扉65及び開閉扉105を
閉じることによって、ウェーハガス置換室10は密閉さ
れる。
【0053】ウェーハガス置換室10の内部には、開口
部104を介してウェーハ室6に対してウェーハWを搬
入及び搬出するロボットアームからなる第1基板搬送系
としてのウェーハローダ111が配置されている。さら
に、開閉扉105の外部には、ウェーハWを開口部10
4を介してウェーハガス置換室10に対して搬入及び搬
出するロボットアームからなる第2基板搬送系としての
ウェーハ搬送機構112が設けられている。ウェーハロ
ーダ111及びウェーハ搬送機構112は制御部9に接
続されており、制御部9の指示に基づいて動作する。
【0054】マスクMは、図2(a)および図2(b)
に示すように、保護部材としてのペリクル(薄膜)PE
を装着している。図2(a)は、パターン面PAを上面
としたマスクMの平面図であり、図2(b)は、図2
(a)のB−B断面図である。このペリクルPEは、マ
スクMのパターン面PAに、ペリクルフレーム(又はペ
リクルスタンド)と呼ばれる金枠PFを介して接着され
ている。ペリクルPEとしては、通常、ニトロセルロー
ス等を主成分とする厚さが1〜2μm程度の透明な薄膜
が用いられるが、波長120nm〜180nmの真空紫
外線の露光光ELを良好に透過させるため、マスクM及
びレンズ系と同材質の蛍石、フッ化マグネシウム、フッ
化リチウム等の結晶材料からなるフィルム状部材を用い
ても良い。さらに、このペリクル(薄膜)PEとして
は、例えば100〜300μm程度の厚さを有する石英
ガラス(フッ素ドープ石英等)であってもよい。
【0055】ペリクルPEとパターン面PAとの間に
は、図2(b)に示されるように、所定量の気体が満た
される空間GSが形成されている。また、金枠PFに
は、気圧の変化に伴うペリクルPEの破損を防止するた
めの、通気孔h(h1、h2、h3、h4)が形成され
ている。この通気孔hによって、例えば、航空機による
輸送や天候の変化等によって気圧が低下し空間GS内の
気体が膨張した際に、空間GSの密閉性を低下させるこ
とによってペリクルPEが破損するのを防止している。
【0056】ところで、真空紫外域の波長の光を露光光
ELとする場合には、その光路空間LSから酸素、水蒸
気、炭化水素系のガス等の、かかる波長帯域の光に対し
強い吸収特性を有するガス(以下、「吸光物質」とい
う)の濃度を低減する必要がある。このため、光路空間
LSは、不図示のガス置換装置により、必要に応じて内
部に存在する吸光物質の濃度を低減する作業を施され
る。すなわち、光路空間LSに存在する吸光物質は、真
空紫外域の光に対する吸収性の少ない特性を有する窒
素、ヘリウム、アルゴン、ネオン、クリプトン等のガ
ス、またはそれらの混合ガス(以下、「低吸光物質」あ
るいは「特定ガス」という)に交換(置換)される。
【0057】また、光路空間LS内の吸光物質の濃度を
低減する方法として、上述した光路空間LS内のガスを
特定ガスで置換する他に、光路空間LSを減圧すること
によっても実現することができ、ガス置換と同様の効果
が得られる。
【0058】さらに、マスクMは、外部から光路空間L
S内(マスク室5内)に搬入されてマスクホルダー51
上にロードされた後、露光光が照射され、マスクMに形
成されたパターンの像がウェーハWの各ショット領域に
転写された後に再び装置外に搬出される。このマスクM
の搬入・搬出時にマスクMとともに外気(大気)がマス
ク室5内部に混入する場合がある。このとき、外気は酸
素等の吸光物質を含んでいるため、露光光ELを著しく
吸収してしまい、許容できない透過率低下や透過率変動
を招くことになる。
【0059】したがって、マスク室5へのマスクMの搬
入に先だって、マスク室5に隣接するマスクガス置換室
7にマスクMを一時的に収容し、不図示のガス置換装置
によってこのマスク室5及びマスクガス置換室7内の吸
光物質の濃度を低減させた後、マスクガス置換室7から
マスクMをマスク室5に搬入することにより、マスク室
5への外気の混入を防いでいる。
【0060】同様に、ウェーハ室6へのウェーハWの搬
入に先だって、ウェーハ室6に隣接するウェーハガス置
換室10にウェーハWを一時的に収容し、不図示のガス
置換装置によってこのウェーハ室6及びウェーハガス置
換室10内の吸光物質の濃度を低減させた後、ウェーハ
ガス置換室10からウェーハWをウェーハ室6に搬入す
ることにより、ウェーハ室6への外気の混入を防いでい
る。
【0061】ガス置換装置は、前記各室内のガスを排気
する排気装置と、前記各室内に特定ガス(置換ガス)を
給気する給気装置とを備えている。これら排気装置及び
給気装置の給気量及び排気量は制御部9の指示に基づい
て調整される。
【0062】なお、各室20、5、30、6、7、10
に接続された特定ガスの給気管路、及び各室内のガス
(吸光物質または吸光物質と特定ガスの混合ガス)の排
気管路中にエアフィルタ及びケミカルフィルタを設け、
各室内のガスを循環させてもよい。この場合、循環され
るガス中に含まれる有機物質(この有機物質は各室を構
成する材質や、各室内に存在する配線などから発生する
アウターガスを含むものである)はほどんど除去される
ので、特定ガスを長時間に渡って循環しても、露光に対
して悪影響をほとんど及ぼさない。
【0063】マスクガス置換室(予備室)7に接続され
るガス置換装置8について、図3を参照しながらさらに
詳しく説明する。マスクガス置換室7は、前述したよう
に、マスクMの搬入及び搬出時においてマスク室5への
大気の混入を防止するために設けられている。さらに、
このマスクガス置換室7内において、ペリクルPEを装
着したマスクMをマスク室5,すなわち光路空間LS内
への搬入に先立ち、ペリクルPEとマスクMとの間に形
成される空間GS内の吸光物質の濃度を低減することに
より、光路空間LS内への大気の混入あるいは、空間G
S内における露光光の吸収をさらに防止することができ
る。
【0064】この場合、マスクガス置換室7内のガスを
特定ガスに置換することにより、ペリクルPEとマスク
Mとの間に形成される空間GS内のガス(ここで言うガ
スは、クリーンルーム内の空気、あるいは大気を示す)
を金枠PFに設けられ、かつ空間GSに連通する通気孔
hから特定ガスに置換する。このとき、マスクガス置換
室7内のガス置換する際に行われる排気及び給気動作に
よって、マスクガス置換室7内部には圧力変化が生じ、
この圧力変化によって、ペリクルPEは変位する。
【0065】マスクガス置換室7に接続されるガス置換
装置8は、ペリクルPEを装着したマスクMを収容する
マスクガス置換室7内のガスを排気する排気装置80
と、排気に伴うペリクルPEの変位を計測する変位計測
装置85と、この変位計測装置85の計測結果に基づい
て、ペリクルPEの変位が所定範囲になるように、マス
クガス置換室7内のガスの排気量を調整する制御部9と
を備えている。排気装置80は、マスクガス置換室7内
に連通する排気管路と、この排気管路を介してマスクガ
ス置換室7内部のガスを排気する排気ポンプVP1と、
排気管路の途中に設けられた排気弁84とを備えてい
る。
【0066】さらに、このガス置換装置8は、マスクガ
ス置換室7に特定ガスを給気する給気装置81を備え、
制御部9は、ペリクルPEの変位が所定範囲になるよう
に、給気装置81による給気量を調整する。給気装置8
1は、マスクガス置換室7内に連通する給気管路と、給
気管路の途中に設けられた給気弁83とを備えている。
【0067】変位計測装置85は、ペリクルPEの変位
を計測するものであって、マスクガス置換室7の隔壁7
0に設置されている。この変位計測装置85にはレーザ
ー変位センサを始めとする種々の変位センサを用いるこ
とができる。例えば、レーザー変位センサを用いる場
合、変位計測装置85からの投光光はペリクルPEで反
射し、ディテクタに受光される。なお、変位計測装置8
5をマスクガス置換室7の隔壁70の内側に設置するこ
とも可能である。変位計測装置85からの出力信号は、
制御部9に送られる。変位計測装置85はペリクルPE
の中央領域(すなわち、金枠PFに取付けられた周辺領
域から離れた領域であって、該周辺領域に対して、変位
量が大きい領域)を計測対象としている。
【0068】制御部9には、ペリクルPEの変位に関す
る情報を記憶した記憶装置86Aが接続されている。こ
の情報とは、ペリクルPEが破損しない程度の変位に関
するデータである。すなわち、記憶装置86Aには、ペ
リクルPEが破損しない変位の範囲(所定範囲)が予め
記憶されている。この所定範囲内においては、ペリクル
PEは破損しないように設定されている。このペリクル
PEの変位の所定範囲は、予め実験によって求めること
ができる。
【0069】制御部9は、変位計測装置85による計測
結果と、記憶装置86Aに記憶されている変位に関する
情報とを比較し、ペリクルPEの変位が所定範囲になる
ように、排気弁84の開閉及び排気ポンプVP1の作動
・停止、給気弁83の開閉及び給気ポンプP5の作動・
停止を行う。
【0070】このような構成を持つガス置換装置8を備
えた露光装置1を用いて、ペリクルPEが金枠PFを介
して装着されたマスクMに露光光ELを照射してマスク
Mのパターンの像をウェーハW上に転写する露光方法に
ついて説明する。
【0071】本実施形態における露光方法は、露光工程
に先立ち、光路空間LS内の吸光物質をガス置換装置に
より低減する工程と、光路空間LS内に大気の混入を防
止するために設けられたマスクガス置換室7及びウェー
ハガス置換室10に外部からマスクM及びウェーハWを
それぞれ搬入する工程と、マスクM及びウェーハWをそ
れぞれ収容したマスクガス置換室7及びウェーハガス置
換室10内の吸光物質を低減する工程と、このマスクガ
ス置換室7及びウェーハガス置換室10からマスク室5
及びウェーハ室6にマスクM及びウェーハWをそれぞれ
搬入する工程と、このマスクMのパターンの像をウェー
ハW上に転写する露光工程と、露光工程を終えたマスク
M又はウェーハWを露光装置1外に搬出する工程とを備
えている。
【0072】まず、制御部9は、各室内のガスを排気す
る排気装置と、各室内に特定ガスを給気する給気装置と
を制御し、光路空間LS内の吸光物質を低減する。すな
わち、照明系ハウジング20、マスク室5、投影系ハウ
ジング30、ウェーハ室6のそれぞれの内部の吸光物質
を低減する。この際、給気装置から供給する特定ガスの
量は、各室内の気圧が、大気圧より僅かに高く、具体的
には、大気圧に対し1〜10%程度高くなるように制御
される。このように、各室内の気圧を大気圧に対し1〜
10%程度高くすることにより、外気の混入(リーク)
を防止できる。
【0073】上述のような方法と同様な方法で、マスク
室5、投影系ハウジング30、ウェーハ室6の各室の吸
光物質の低減を行う。
【0074】次に、マスクMが露光装置1に搬入される
際の動作について説明する。まず、制御部9は、マスク
ケース103中に収納され、マスクライブラリMLに保
管されているマスクMを、マスク搬送機構102によっ
てマスクライブラリML内のマスクケース103から取
り出す。マスク搬送機構102は、制御部9の指示に基
づき、マスクMをマスクガス置換室7に向けて搬送す
る。制御部9は、マスクMを保持するマスク搬送機構1
02がマスクガス置換室7に対して所定距離内に近づい
た時点で、開閉扉75を開放する。このとき、マスクガ
ス置換室7とマスク室5との境界である開口部54は、
開閉扉55によって閉鎖されている。
【0075】次に、制御部9は、マスクMを保持したマ
スク搬送機構102を開口部74を介してマススガス置
換室7内に侵入させ、マスクMをマスク搬送機構102
からマスクローダ101に渡す。
【0076】上記のマスク搬送機構102のマスクガス
置換室7内への侵入に際し、外側の開閉扉75が開放さ
れて外気がマスクガス置換室7内に流入するが、内側の
開閉扉55は閉鎖されているので、外気中の酸素等の吸
光物質がマスク室5(光路空間LS)内に混入すること
はない。
【0077】マスクMがマスクローダ101に渡された
後、制御部9はマスク搬送機構102を開口部74を介
してマスクガス置換室7の外部に退避させ、開閉扉75
を閉じる。
【0078】開閉扉75を閉じることにより、マスクガ
ス置換室7は密閉された空間となる。すなわち、ペリク
ルPEを装着したマスクMは、密閉室であるマスクガス
置換室7に収容される状態となる。制御部9は、排気装
置80により、このペリクルPEを装着したマスクMを
収容するマスクガス置換室7内のガスを排気する。すな
わち、制御部9は、排気弁84を開くとともに、排気ポ
ンプVP1を作動し、マスクガス置換室7内の減圧を開
始する。
【0079】マスクガス置換室7内のガスの排気による
減圧に伴い、ペリクルPEとマスクMとの間に形成され
る空間GS内のガスが、金枠PFの複数の通気孔h(図
3では1つのみ図示)から排気される。このとき、通気
孔hの径は小さいため、空間GS内のガスが外部(マス
クガス置換室7内部)に排出される量は少ない。すなわ
ち、空間GS内のガスの排気量と排気装置80によるマ
スクガス置換室7内のガスの排気量とが異なるので、マ
スクガス置換室7内の圧力Pr1と空間GS内の圧力P
r2との間には差が生じる。
【0080】この圧力差によって、ペリクルPEは変位
する。ペリクルPEの変位は変位計測装置85によって
計測される。変位計測装置85の出力は制御部9に送ら
れ、制御部9は、このペリクルPEの変位が所定範囲に
なるように、排気装置80を制御してマスクガス置換室
7内のガスの排気量を調整する。すなわち、制御部9
は、変位計測装置85の計測結果と、記憶装置86Aに
記憶されているペリクルPEの変位に関する情報(所定
範囲)とを比較し、ペリクルPEの変位が所定範囲以上
にならないように排気弁84の開閉及び排気ポンプVP
1の出力の調整を行う。
【0081】この場合、制御部9は、ペリクルPEの変
位が所定範囲より小さい場合には、排気装置80に、マ
スクガス置換室7内のガスの排気量を多くするよう指示
する。一方、ペリクルPEの変位が所定範囲より大きい
又は大きくなる直前である場合には、ガスの排気量を小
さくするよう指示する。
【0082】制御部9は、変位計測装置85によってペ
リクルPEの変位を計測しつつ、マスクガス置換室7内
部に設けられた圧力センサの出力をモニタしながら、マ
スクガス置換室7内が、例えば0.1Pa程度まで減圧
された時点で、排気弁84を閉じるとともに排気ポンプ
VP1を停止する。
【0083】次いで、制御部9は、給気装置81によ
り、減圧されたマスクガス置換室7内に特定ガスを給気
する。すなわち、制御部9は、給気弁83を開放すると
ともに、給気ポンプP5を作動する。これにより、ガス
供給装置82からマスクガス置換室7内への低吸光物質
(特定ガス)の供給が開始される。
【0084】マスクガス置換室7内への特定ガスの給気
に伴い、ペリクルPEとマスクMとの間に形成される空
間GS内には、この空間GSに連通する通気孔hから特
定ガスが給気される。このとき、通気孔hの径は小さい
ため、空間GS内に外部(マスクガス置換室7内部)か
ら特定ガスが流入する量は小さい。すなわち、空間GS
内への特定ガスの給気量と給気装置81によるマスクガ
ス置換室7内のガスの給気量とが異なるので、マスクガ
ス置換室7内の圧力Pr1と空間GS内の圧力Pr2と
の間には差が生じる。
【0085】この圧力差によって、ペリクルPEは変位
する。ペリクルPEの変位は変位計測装置85によって
計測される。変位計測装置85の出力は制御部9に送ら
れ、制御部9は、このペリクルPEの変位が所定範囲に
なるように、給気装置81を制御してマスクガス置換室
7内への特定ガスの給気量を調整する。すなわち、制御
部9は、変位計測装置85の計測結果と、記憶装置86
Aに記憶されているペリクルPEの変位に関する情報
(所定範囲)とを比較し、ペリクルPEの変位が所定範
囲以上にならないように、給気弁83の開閉及び給気ポ
ンプP5の出力の調整を行う。
【0086】この場合、制御部9は、ペリクルPEの変
位が所定範囲より小さい場合には、給気装置81に、マ
スクガス置換室7内への特定ガスの給気量を多くするよ
う指示する。一方、ペリクルPEの変位が所定範囲より
大きい又は大きくなる直前である場合には、ガスの給気
量を小さくするよう指示する。
【0087】この特定ガスの供給開始後、制御部9は、
マスクガス置換室7内部に設けられた圧力センサの出力
に基づいて、内圧が大気圧より僅かに高くなった時点で
給気弁83を閉じるとともに、給気ポンプP5を停止す
る。こうして、ペリクルPEとマスクMとの間に形成さ
れた空間GS内及びマスクガス置換室7内のガスは、特
定ガスに置換される。
【0088】マスクガス置換室7内のガスを特定ガスに
置換した後、制御部9は開閉扉55を開放し、マスクロ
ーダ101によりマスクMをマスク室5内部のマスクホ
ルダー51上に搬入して、マスクMのロードを行う。マ
スクローダ101を開口部54を介してマスクガス置換
室7内に戻し、開閉扉55を閉じる。
【0089】ウェーハWを露光装置1内に搬送する動作
について説明する。制御部9は、不図示の基板プリアラ
イメント装置によって露光装置外部から搬送されたウェ
ーハWのプリアライメント(位置決め)を行う。次い
で、制御部9は、ウェーハ搬送機構112によってプリ
アライメントが終了したウェーハWをウェーハガス置換
室10に搬送する。制御部9は、ウェーハWを保持する
ウェーハ搬送機構112がウェーハガス置換室10に対
して所定距離内に近づいた時点で、開閉扉105を開放
する。このとき、ウェーハガス置換室10とウェーハ室
6との境界である開口部64は、開閉扉65によって閉
鎖されている。
【0090】次に、制御部9は、ウェーハWを保持した
ウェーハ搬送機構112を開口部104を介してウェー
ハガス置換室10内に侵入させ、ウェーハWをウェーハ
搬送機構112からウェーハローダ111に渡す。
【0091】上記のウェーハ搬送機構112のウェーハ
ガス置換室10内への侵入に際し、外側の開閉扉105
が開放されて外気がウェーハガス置換室10内に流入す
るが、内側の開閉扉65は閉鎖されているので、外気中
の酸素等の吸光物質がウェーハ室6(光路空間LS)内
に混入することはない。
【0092】ウェーハWがウェーハローダ111に渡さ
れた後、制御部9はウェーハ搬送機構112を開口部1
04を介してウェーハガス置換室10の外部に退避さ
せ、開閉扉105を閉じる。
【0093】次に、制御部9は排気弁114を開くとと
もに、不図示の排気ポンプを作動し、ウェーハガス置換
室10内の減圧を開始する。制御部9は、ウェーハガス
置換室10内部に設けられた圧力センサの出力をモニタ
しながらウェーハガス置換室10内が例えば0.1Pa
程度まで減圧された時点で、排気弁114を閉じるとと
もに排気ポンプを停止する。
【0094】上記の減圧により、ウェーハガス置換室1
0内から酸素等の吸光物質が除去される。なお、この場
合、ウェーハガス置換室10内が減圧されるため、仮に
外部からウェーハガス置換室10内にウェーハWを搬入
した時点で、そのウェーハWの表面又は裏面に水が吸着
していたとしても、そのほとんどは上記の減圧によって
ウェーハWから除去されるので、ウェーハWに吸着した
水によってウェーハ室6が汚染されるという事態の発生
を未然に防ぐことができる。これにより、ウェーハWの
表面に吸着した水の層が露光光を強烈に吸収し、かつ分
解されることにより、必要な露光光が増大し、結果的に
真の露光量が不安定になるという事態の発生を未然に防
止することもできる。
【0095】次いで、制御部9は給気弁113を開放す
る。これにより、ガス供給装置82からウェーハガス置
換室10内への低吸光物質(特定ガス)の供給が開始さ
れる。この特定ガスの供給開始後、制御部9は、ウェー
ハガス置換室10内部に設けられた圧力センサの出力に
基づいて、内圧が上記の所定の目標圧力になった時点で
給気弁113を閉じる。
【0096】その後、制御部9は、開閉扉65を開放
し、ウェーハローダ111によりウェーハWをウェーハ
室6内のウェーハホルダー61上に搬入して、ウェーハ
Wのロードを行う。ウェーハローダ111を開口部64
を介してウェーハガス置換室10内に戻し、開閉扉65
を閉じる。
【0097】マスクホルダー51に保持されたマスクM
に露光光ELを照射することにより、マスクMに形成さ
れたパターンの像を、ウェーハホルダー61に保持され
たウェーハWに転写する露光処理が行われる。
【0098】ウェーハWに対する露光処理を終えたら、
制御部9は、露光処理済みのウェーハWを露光装置1外
へ搬出するために、開閉扉65を開け、ウェーハローダ
111を開口部64を介してウェーハ室6内に移動す
る。制御部9は、ウェーハローダ111によりウェーハ
Wをウェーハホルダー61からアンロードし、ウェーハ
Wを保持したウェーハローダ111を開口部64を介し
てウェーハガス置換室10内に戻し、開閉扉65を閉じ
る。
【0099】次いで、制御部9は開閉扉105を開け、
ウェーハ搬送機構112を開口部104を介してウェー
ハガス置換室10内に侵入させ、ウェーハWをウェーハ
ローダ111からウェーハ搬送機構112に渡す。ウェ
ーハWがウェーハ搬送機構112に渡された後、制御部
9はウェーハWを保持したウェーハ搬送機構112を開
口部104を介してウェーハガス置換室10の外部に退
避させ、開閉扉105を閉じる。
【0100】その後、ウェーハ搬送機構112によって
ウェーハWが外部搬送機構に渡され、この外部搬送機構
によって露光装置1外へ搬送される。
【0101】本実施形態では、照明光学系2の照明系ハ
ウジング20、マスク室5、投影光学系3の投影系ハウ
ジング30、ウェハ室のそれぞれに形成された内部空間
だけでなく、ペリクルPEとマスクMに形成されたパタ
ーン面との間の空間も特定ガスで満たすようにしてい
る。そのため、ペリクルPEを装着したマスクMを密閉
室であるマスクガス置換室7内に収容し、このマスクガ
ス置換室7内において、ペリクルPEとマスクMとの間
に形成される空間GSのガスを特定ガスに置換してい
る。したがって、光源21からウェーハWまでの露光光
の光路空間LSには吸光物質が混入しない。マスクガス
置換室7内において空間GSのガスを特定ガスに置換す
る際、まず、マスクガス置換室7内のガスを排気するこ
とにより空間GS内のガスを排気するが、ペリクルPE
の変位が所定範囲になるようにマスクガス置換室7内の
ガスの排気量を調整することにより、ペリクルPEの破
損を防ぎつつ安定したガスの排気を行うことができる。
同様に、空間GS内への特定ガスの給気の際も、ペリク
ルPEの変位が所定範囲になるようにマスクガス置換室
7内への特定ガスの給気量が調整されるので、ペリクル
PEの破損を防止しつつ、安定したガス置換が行える。
【0102】この場合、マスクガス置換室7内に対する
ガスの排気量及び給気量の調整は、ペリクルPEの変位
を計測し、この計測結果に基づいて行われるので、ペリ
クルPEの破損は確実に防止される。ペリクルPEの変
位が所定範囲以下である場合にはガスの排気量又は給気
量を多くし、所定範囲以上である場合にはガスの排気量
又は給気量を少なくするといった制御が可能となるの
で、空間GS内のガス置換に要する時間を短縮すること
ができ、効率の良い安定したガス置換を行うことができ
る。
【0103】なお、ペリクルPEの変位を計測しつつこ
の変位が所定範囲になるように、マスクガス置換室7内
のガスの排気とマスクガス置換室7内への特定ガスの給
気とを同時に行うことももちろん可能である。すなわ
ち、制御部9は、変位計測装置85によるペリクルPE
の変位を計測しながら、この変位が所定範囲におさまる
ように、排気装置80と給気装置81とを同時に制御し
つつ作動することができる。
【0104】次に、本発明のガス置換方法及びガス置換
装置を備えた露光装置の第2実施形態について図4
(a)および図4(b)を参照しながら説明する。前述
した第1実施形態と同一もしくは同等の構成部分につい
ては、同一の符号を用いるとともに、その説明を簡略も
しくは省略する。
【0105】図4(a)において、ペリクルPEを金枠
PFを介して装着したマスクMを収容するマスクガス置
換室(予備室)7には、マスクガス置換室7内のガスを
排気する排気装置80と、このマスクガス置換室7内の
圧力を計測する圧力センサ(圧力計測装置)87と、マ
スクガス置換室7に特定ガスを給気する給気装置81と
が設けられている。また、圧力センサ87には制御部9
が接続しており、圧力センサ87からの出力信号は制御
部9に送られる。制御部9は、圧力センサ87の計測結
果に基づいて、排気装置80を制御するように設けられ
ている。
【0106】さらに、制御部9には、マスクガス置換室
7内の圧力変化とマスクガス置換室7内に収容されるマ
スクMに装着されたペリクルPEの変位との関係を予め
記憶した記憶装置86Bが接続されている。具体的に
は、記憶装置86Bは、マスクガス置換室7内のガスの
排気に伴う圧力変化によってペリクルPEが破損しない
程度の排気速度に関するデータを記憶している。
【0107】図4(b)を参照しながら説明すると、単
純に排気ポンプVP1と排気バルブ84とを開けた場合
には、曲線L1で示されるように、排気開始直後にはマ
スクガス置換室7内の圧力は急激に低下するため、マス
クガス置換室7内の圧力Pr1と空間GS内の圧力Pr
2との圧力差が大きくなり、ペリクルPEが破損する恐
れがある。一方、排気が進むにつれて排気速度は小さく
なり排気に要する時間が長くなる。なお、図4(b)に
示すグラフにおいて、縦軸はマスクガス置換室7内およ
び空間GSの圧力を、横軸は排気時間を示しており、排
気時間0の時、空間GSおよびマスクガス置換室7内の
圧力は、大気圧(または1気圧)P0となる。
【0108】詳述すると、空間GSのガスを置換するに
際し、はじめにマスクガス置換室7内を、例えば0.1
Pa程度まで減圧し、続いて特定ガスを満たす方法とす
ることによって効率の良いガス置換が行えるが、マスク
ガス置換室7内を減圧する場合、単純に排気ポンプVP
1を駆動するとともに排気弁84を開けた場合には、有
効排気速度(単位時間当たりの排気するガスの体積とそ
のときの圧力との積)Sは、排気ポンプの排気速度Sp
と排気管路のコンダクタンスCとによって、以下のよう
に表すことができる。 S=(Sp+C)/Sp・C (1) C=kP・d4 /L (2) k:排気系の特性によるパラメータ d:排気管路の径 L:排気管路の長さ P:排気管路の平均圧力 なお、この場合、通気孔を介した空間GSからのガスの
排気量Qは、以下のように表すことができる。 Q=S(Pr2−Pr1) (3) 式(1)、(2)より、マスクガス置換室7内のガスを
排気する際、排気開始直後における排気速度は大きく、
排気が進みマスクガス置換室7内の圧力が低下するにし
たがって排気速度は小さくなる。すなわち、排気が進む
につれてマスクガス置換室7内は減圧しにくくなる。し
たがって、例えば大口径の排気管路を用いて排気を行え
ば時間の短縮にはなるが、排気開始直後にペリクルPE
が破損する恐れがある。一方、排気管路を小口径にすれ
ばペリクルPEの破損は防止されるが、排気に要する時
間が長くなり、作業効率が低くなる。
【0109】そのため、排気開始直後にはペリクルPE
が破損しない程度に排気速度を低くし、排気が進むにつ
れて排気速度が大きくなるように排気装置80を駆動す
ることにより、効率の良い排気が行える。したがって、
記憶装置86Bには、曲線L2で表されるように、理想
的な排気速度(排気時間と圧力変化との関係)に関する
情報が記憶されている。
【0110】この曲線L2の傾きは、ペリクルPEが破
損せず、且つ排気時間を短縮できるように求められた値
であって、予め、実験等によって求められる。制御部9
は、圧力センサ87の出力信号を検出しつつ、この理想
曲線L2(データテーブル)を参照し、圧力センサ87
の出力信号と理想曲線L2との差がほぼ無くなる、ある
いは所定の範囲内におさまるように、排気装置80を制
御し、排気量の調整を行う。すなわち、排気開始直後の
排気速度を低くし、排気が進んだ段階で排気速度を高く
する等の制御を行う。このように、ペリクルPEの破損
を防止しつつ排気に要する時間を短縮することができ
る。
【0111】このように、マスクガス置換室7内の圧力
変化を圧力センサ87により計測し、この計測結果に基
づいて、ペリクルPEの変位が所定範囲内になるように
排気量を調整しつつマスクガス置換室7内のガスの排気
を行う。
【0112】マスクガス置換室7内の圧力が所定値まで
低下したら、制御部9は、給気装置81により特定ガス
をマスクガス置換室7内に供給する。こうして、ペリク
ルPEとマスクMとの間に形成される空間GSのガスは
特定ガスに置換される。この場合の特定ガスの給気の速
度に関しても理想曲線が予め設定されており、制御部9
はこの理想曲線と圧力センサ87からの出力信号との差
がほぼ無くなる、あるいは所定の範囲内におさまるよう
に、給気装置81を制御し、給気量の調整を行う。
【0113】このガス置換を施されたマスクMを光路空
間LSであるマスク室5に搬入し、第1実施形態と同様
の手順で露光処理を行う。
【0114】このように、マスクガス置換室7内の圧力
を計測し、この計測結果に基づいて、マスクガス置換室
7内の圧力が理想曲線L2に沿うように排気量を調整す
ることによって、ペリクルPEの変位を所定範囲内に収
めることができる。したがって、ペリクルPEの破損は
確実に防止される。さらに、ガス置換に要する時間を短
縮することができる。
【0115】なお、上述の方法は、マスクガス置換室7
内の圧力Pr1をモニターしながら理想曲線(データテ
ーブル)L2を参照しつつ排気量の調整を行う、いわゆ
るフィードバック制御であるが、排気装置80による排
気量を理想曲線L2に沿うように予め設定しておいた状
態で排気装置80を駆動する、いわゆるオープンループ
制御とすることもできる。この場合、記憶装置86Bを
省略した構成とすることができる。
【0116】また、本実施形態における理想曲線L2は
直線状となっているが、ペリクルPEが破損しないよう
にペリクル内外の圧力差を抑えるようにするために、例
えば、排気開始直後の排気速度を低く設定し、排気が進
むにつれて排気速度を上昇させてもよい。この場合、理
想曲線L2は曲線状になる。
【0117】なお、上記各実施形態においては、マスク
ガス置換室7のガスを例えば0.1Pa程度まで排気し
た後、特定ガスを大気圧より僅かに高くなるまで給気す
るという構成であるが、1回のガス置換において、給気
と排気とを複数回に設定して行ってもよい。すなわち、
例えば、排気によってマスクガス置換室7を100Pa
まで排気した後、特定ガスと給気して一旦、大気圧程度
まで圧力を上昇させ、この状態から再び排気を行い、特
定ガスを給気するといった方法を採用することも可能で
ある。この場合、排気及び給気の制御が容易に行えると
ともに、処理時間はさらに短縮される。すなわち、圧力
が高い状態における排気(例えば100Pa程度から1
0Pa程度までの排気)は容易に短時間で行えるが、圧
力が低い状態における排気(例えば1Pa程度から0.
1Pa程度までの排気)は、制御が困難であるととも
に、排気に時間を要する。したがって、目標の吸光物質
濃度を得るために、排気及び給気動作を複数回に分割し
て行うことにより、効率の良いガス置換が行える。
【0118】次に、本発明のガス置換方法及びガス置換
装置を備えた露光装置の第3実施形態について図5
(a)および図5(b)を参照しながら説明する。前述
した第1、第2実施形態と同一もしくは同等の構成部分
については、同一の符号を用い、その説明を簡略もしく
は省略する。
【0119】図5(a)において、ペリクルPEを装着
したマスクMを収容するマスクガス置換室(予備室)7
には、マスクガス置換室7内のガスを排気する排気装置
80と、このマスクガス置換室7内の圧力を計測する圧
力センサ(圧力計測装置)87と、マスクガス置換室7
に特定ガスを給気する給気装置81とが設けられてい
る。また、圧力センサ87には制御部9が接続してお
り、圧力センサ87からの出力信号は制御部9に送られ
る。制御部9は、圧力センサ87の計測結果に基づい
て、給気装置81を制御するように設けられている。
【0120】さらに、制御部9には、マスクガス置換室
7内の圧力変化とマスクガス置換室7内に収容されるマ
スクMに装着されたペリクルPEの変位との関係を予め
記憶した記憶装置86Cが接続されている。
【0121】具体的には、記憶装置86Cは、図5
(b)に示すような、マスクガス置換室7内のガス置換
に伴う圧力変化によってペリクルPEが破損しない程度
の給気及び排気速度に関するデータ(理想曲線)L3を
記憶している。なお、図5(b)に示すグラフにおい
て、縦軸はマスクガス置換室7、空間GSの圧力を、横
軸は排気時間を示しており、排気時間0の時、空間G
S、マスクガス置換室7内の圧力は、大気圧(または1
気圧)P0となる。
【0122】このような構成を持つガス置換装置の動作
について説明する。本実施形態においては、排気装置8
0はマスクガス置換室7内のガスを、排気弁84及び排
気ポンプVP1を単純に開けた状態で排気し、一方、給
気装置81がマスクガス置換室7内の圧力を理想曲線L
3に沿うように特定ガスを供給する。
【0123】すなわち、マスクガス置換室7内のガスの
排気を行いつつ、室内の圧力が理想曲線L3に沿うよう
に、マスクガス置換室7への特定ガスの給気を行う。こ
の場合、制御部9は、圧力センサ87の計測結果と理想
曲線L3とを比較し、これらの差がほぼ無くなるあるい
は所定の範囲内におさまるように、給気装置81による
特定ガスの給気量の調整を行う。
【0124】この場合、もちろん、排気装置80の排気
量を同時に調整することも可能である。すなわち、マス
クガス置換室7へ特定ガスを給気するに際し、給気に伴
うペリクルPEの変位が所定範囲になるように、特定ガ
スの給気量又はマスクガス置換室7内のガスの排気量の
少なくとも一方を調整することも可能である。
【0125】上述のように、マスクガス置換室7内のガ
スの排気と特定ガスの給気とを同時に行いつつ、マスク
ガス置換室7内の圧力が所定値(例えば、0.1Pa)
まで達したら、制御部9は、排気装置80を停止する。
次いで、制御部9は、圧力センサ87によってマスクガ
ス置換室7内の圧力を計測しつつ、理想曲線L3に沿う
ように、給気装置81による特定ガスの給気を行う。マ
スクガス置換室7の圧力が、例えば大気圧より僅かに高
くなったら、制御部9は給気装置81を停止する。
【0126】このように、マスクガス置換室7内のガス
置換を行うに際し、特定ガスを給気しつつ、室内のガス
の排気を行うことにより、より短時間のうちに、マスク
ガス置換室7内を目標の吸光物質濃度にすることができ
る。
【0127】この場合においても、マスクガス置換室7
内の圧力を所定値まで減圧し、一旦、特定ガスを給気す
ることによって大気圧程度まで上昇させ、この状態から
再び排気を行い、特定ガスを給気するといった、ガス置
換動作を複数回に分割する方法を採用することが可能で
ある。このように、目標の吸光物質濃度を得るために、
ガスの排気と給気とを同時に行うとともにガス置換動作
を複数回に分割して行うことにより、効率の良いガス置
換が行える。換言すれば、同じ処理時間もしくは処理回
数であっても、ガスの排気と給気とを同時に行うことに
より、より純度の高いガス置換を行うことができる。
【0128】なお、本実施形態においても、マスクガス
置換室7内の圧力Pr1をモニターしながら理想曲線L
3を参照しつつ排気量の調整を行う、いわゆるフィード
バック制御を採用する他に、給気装置81による給気量
を理想曲線L3に沿うように予め設定しておいた状態で
給気装置81を駆動する、いわゆるオープンループ制御
とすることができる。
【0129】次に、本発明のガス置換方法及びガス置換
装置を備えた露光装置の第4実施形態について図6、図
7を参照しながら説明する。前述した各実施形態と同一
もしくは同等の構成部分については、同一の符号を用い
るとともに、その説明を簡略もしくは省略する。
【0130】上述した各実施形態におけるガス置換は、
マスクMとペリクルPEとの間に形成される空間GSの
ガス置換を密閉室内に配置し、密閉室内のガスを置換す
ることによって、通気孔hを介して空間GSのガスを特
定ガスにガス置換を行うが、本実施形態におけるガス置
換方法は、空間GSのガスを直接置換する。
【0131】本実施形態に関わるガス置換装置89は、
図6、図7に示すように、マスクMとペリクルPEとの
間に形成される空間GS内のガスを排気する排気装置9
0と、空間GS内に特定ガスを給気する給気装置92
と、ペリクルPEの変位を計測する変位計測装置91
と、変位計測装置91の計測結果に基づいて、ペリクル
PEの変位が所定範囲になるように、ガスの給気量又は
排気量の少なくとも一方を調整する制御部9とを備えて
いる。
【0132】すなわち、排気装置90は、金枠PFに設
けられ空間GSに連通する通気孔hに装着される排気管
93と、この排気管93に設けられた排気弁93aと、
排気ポンプ95とを備えている。一方、給気装置92
は、空間GSに連通する通気孔hに装着される給気管9
4と、この給気管94に設けられた給気弁94aと、不
図示の特定ガス供給源96とを備えている。これら排気
管93及び給気管94にもパーティクルを除去するエア
フィルタと、吸光物質を除去するケミカルフィルタとが
設けられている。
【0133】制御部9には、ペリクルPEの変位に関す
る情報を記憶した記憶装置86Dが接続されている。こ
の情報とは、ペリクルPEが破損しない程度の変位に関
するデータである。すなわち、記憶装置86Dには、ペ
リクルPEが破損しない変位の範囲(所定範囲)が予め
記録されている。この所定範囲内においては、ペリクル
PEは破損しないように設定されている。このペリクル
PEの変位の所定範囲は、予め実験によって求めること
ができる。
【0134】制御部9は、変位計測装置91による計測
結果と、記憶装置86Dに記憶されている変位に関する
情報とを比較し、ペリクルPEの変位が所定範囲になる
ように、排気弁93aの開閉及び排気ポンプ95の作動
・停止、給気弁94aの開閉及び給気ポンプ96の作動
・停止を行う。
【0135】図7に示すように、排気装置90と金枠P
Fに設けられた通気孔hとの接続部分のうち、金枠PF
の空間GS側の側壁には、開閉蓋97が設けられてい
る。この開閉蓋97は、ばね98、99等により常時金
枠PFの側壁に向けて付勢されている。このため、開閉
蓋97に対して外部から何らの力も作用しない状態で
は、この開閉蓋97は金枠PFの側壁に密着して通気孔
53を気密性良く閉鎖している。
【0136】金枠PFの外側には支持板200が設けら
れており、支持板200の外面には、この支持板200
の板面にほぼ垂直にガイド部材201が設けられてい
る。このガイド部材201を往復移動する可動部材20
2が排気装置90の排気管93の先端部に一体的に固定
されている。また、排気管93の先端部は、支持板20
0に形成された開口部内に常時挿入されている。
【0137】したがって、可動部材202を、図7にお
ける左側に駆動することにより、排気管93の先端部の
最先端部が金枠PFの通気孔hに挿入される。これによ
り、開閉蓋97は内部(空間GS側)に開き、図7に示
される状態となる。排気管93の最先端部近傍の周囲に
は、シール材204が設けられており、これにより排気
管93の先端部を通気孔hに挿入した状態で、外気が空
間GS内部に侵入することを防止している。
【0138】一方、給気装置92の給気管94と金枠P
Fの通気孔hとの接続も、上記のような構成となってい
る。
【0139】このような構成を持つガス置換装置89に
よって、空間GS内のガス置換を行う場合には、はじめ
に、空間GS内のガスを、排気装置90によって所定の
圧力になるまで排気する。このとき、制御部9は、変位
計測装置91によるペリクルPEの変位の計測結果に基
づいて、ペリクルPEの変位が所定範囲内におさまるよ
うに排気装置90の制御を行い、排気量の調整を行う。
例えば、ペリクルPEの変位が所定範囲を越えそうであ
る場合には排気量を低減し、変位が所定範囲以下である
場合には、排気量を上昇させる。
【0140】次いで、制御部9は、給気装置92によっ
て空間GS内に特定ガスを給気する。このとき、制御部
9は、変位計測装置91によるペリクルPEの変位の計
測結果に基づいて、ペリクルPEの変位が所定範囲内に
おさまるように給気装置92の制御を行い、給気量の調
整を行う。
【0141】空間GS内のガスが特定ガスに置換された
ら、制御部9はこのマスクMをマスクローダにより光路
空間LS内のマスク室5に搬送する。なお、この空間G
S内のガス置換は、例えばマスクガス置換室7をはじめ
とする光路空間LSとは異なる任意の空間において行う
ことができる。あるいは、ガス置換が施される前のペリ
クルPEを備えたマスクMを光路空間LSに配置し、こ
の光路空間LS内においてガス置換を行うこともでき
る。
【0142】また、本実施形態における空間GSのガス
置換は、空間GS内のガスを排気した後に特定ガスを給
気する方法であるが、例えば、空間GS内のガスの排気
と空間GSへの特定ガスの給気とを、ペリクルPEが所
定範囲になるように制御しつつ同時に行うこともでき
る。
【0143】また、上述したガス置換方法は、変位計測
装置91の計測結果に基づいてガスの排気量又は給気量
の少なくともいずれか一方を調整するが、ペリクルPE
が破損しない程度のガスの排気量、給気量を予め求めて
おき、この求めておいた値に基づいてガス置換を行う、
いわゆるオープンループ制御によってガス置換を行うこ
ともできる。この場合、ガス置換装置は、変位計測装置
91や記憶装置86Dを省いた構成となる。
【0144】また、本実施形態においても、排気を給気
とを複数回に分けて行うことができる。本実施形態にお
いて、排気管93の途中に、不純物センサ(例えば、酸
素濃度センサ)を配置しておくことによって、空間GS
内のガス置換の状態を監視することも可能である。ま
た、第2、第3実施形態において、ペリクルPEの変位
を計測する変位計測装置を設けて、ペリクルPEの変位
状態を監視してもよい。
【0145】なお、各実施形態においては、照明系ハウ
ジング20、マスク室5、投影系ハウジン30、ウェー
ハ室6、マスクガス置換室7、ウェーハガス置換室10
の全てに同一種類の特定ガスを供給しているが、これは
ガスの種類を同一にすることにより、一種類のガス(混
合ガスを含む)を用意すれば足りるからである。しかし
ながら、これに限らず、各部に供給する特定ガスとして
異なる種類のガスを用いることは可能である。但し、特
定ガスとして窒素、ヘリウム、ネオン、アルゴン等の単
一ガスを用いる場合には、少なくともマスク室5とマス
クガス置換室7とに供給するガスどうし、ウェーハ室6
とウェーハガス置換室10とに供給するガスどうしは、
同一のガスを用いることが望ましい。これは、ガスの混
合を避けるためである。
【0146】また、各実施形態においては、マスクガス
置換室7は、マスク室5に隣接する構成としているが、
必ずしも隣接されていなくてよい。例えば、マスクライ
ブラリ内に予備室(マスクガス置換室)を設けるととも
に、ライブラリから光路空間LSまでの搬送途中を特定
ガスで満たしておく構成とすることも可能である。同様
に、ウェーハガス置換室10とウェーハ室6とを必ずし
も隣接させる必要はない。
【0147】マスクガス置換室7を2つ設け、一方をマ
スクMの搬入専用、他方をマスクMの搬出専用として、
上述した各実施形態のマスク室5からマスクMを搬出す
る動作とマスク室5にマスクMを搬入する動作とを並行
して行うようにしてもよい。この場合、搬出専用のマス
クガス置換室7は、搬出に先立ってガス置換を完了して
おく必要があるが、マスクMのマスク室5への搬入の終
了を待つことなく、マスクガス置換室7から外部にマス
クMを搬出できるので、マスクMの交換時間を短縮する
ことができる。同様に、ウェーハガス置換室10を2つ
設けることにより、ウェーハWの交換時間を短縮するこ
とができる。
【0148】また、各実施形態において、マスクガス置
換室としての機能をマスク室5に持たせてもよい。その
場合は、マスク室5内のガスを特定ガスに置換するに伴
い、空間GSのガス置換も同時に行うことができる。各
実施形態において、マスク室5の隔壁50、ウェーハ室
6の隔壁60、マスクガス置換室7の隔壁70、ウェー
ハガス置換室10の隔壁100、照明光学系2の照明系
ハウジング20、投影光学系3の投影系ハウジング3
0、特定ガスの供給配管等は、研磨などの処理によっ
て、表面粗さが低減されたステンレス(SUS)等の材
質を用いているので、脱ガスの発生が抑制されている。
【0149】なお、マスク室5は、隔壁50による第1
のハウジングによって形成され、ウェーハ室6は、隔壁
60による第2のハウジングによって形成され、マスク
ガス置換室7は、隔壁70による第3のハウジングによ
って形成され、ウェーハガス置換室10は、隔壁100
による第4のハウジングによって形成される。また、金
枠PFに形成される孔の教は、空間GS内に特定ガスを
供給するための少なくとも一つと、空間GSからガスを
排気するための少なくとも一つとを備えていればよい。
但し、その数は、一つに限定されず、複数であってもよ
い。さらに、各実施形態において、金枠PFを構成する
材料は、金属材料に限定されず、硝材であってもよい。
この硝材は、例えば、蛍石、フッ化リチウムなどのフッ
化物結晶、フッ素を添加したフッ素ド−プ石英であって
もよい。また、投影光学系を構成する光学部材と同様の
材質であってもよい。本発明に係るウェーハWとして
は、薄膜磁気ヘッド用のセラミックウェーハのみなら
ず、半導体デバイス用の半導体ウェーハや、液晶表示デ
バイス用のガラスプレートであってもよい。
【0150】露光装置1としては、マスクMとウェーハ
Wとを静止した状態でマスクMのパターンを露光し、ウ
ェーハWを順次ステップ移動させるステップ・アンド・
リピート方式の露光装置(ステッパー)に限らず、マス
クMとウェーハWとを同期移動してマスクMのパターン
をウェーハWに露光するステップ・アンド・スキャン方
式の走査型露光装置(スキャニング・ステッパー)にも
適用できる。
【0151】露光装置1の種類としては、上記半導体製
造用のみならず、液晶表示デバイス製造用の露光装置
や、薄膜磁気ヘッド、撮像素子(CCD)あるいはマス
クMなどを製造するための露光装置などにも広く適用で
きる。
【0152】また、照明光学系2の光源21として、水
銀ランプから発生する輝線(g線(436nm)、h線
(404.7nm)、i線(365nm))、KrFエ
キシマレーザ(248nm)、ArFエキシマレーザ
(193nm)、F2 レーザ(157nm)のみなら
ず、X線や電子線などの荷電粒子線などを用いることが
できる。例えば、電子線を用いる場合には、電子銃とし
て熱電子放射型のランタンヘキサボライト(LaB
6 )、タンタル(Ta)を用いることができる。また、
YAGレーザや半導体レーザなどの高周波などを用いて
もよい。
【0153】投影光学系3の倍率は、縮小系のみなら
ず、等倍系および拡大系のいずれでもよい。
【0154】また、投影光学系3としては、エキシマレ
ーザなどの遠紫外線を用いる場合は硝材として石英や蛍
石などの遠紫外線を透過する材料を用い、F2 レーザや
X線を用いる場合は反射屈折系または屈折系の光学系に
し(レチクルも反射型タイプのものを用いる)、また、
電子線を用いる場合には光学系として電子レンズおよび
偏向器からなる電子光学系を用いればいい。なお、電子
線が通過する光路は真空状態にする。
【0155】ウェーハステージやマスクホルダーにリニ
アモータを用いる場合には、エアベアリングを用いたエ
ア浮上型およびローレンツ力またはリアクタンス力を用
いた磁気浮上型のどちらを用いてもよい。また、ウェー
ハステージ、マスクホルダーは、ガイドに沿って移動す
るタイプでもよく、ガイドを設けないガイドレスタイプ
であってもよい。
【0156】ステージの駆動装置として平面モ−タを用
いる場合、磁石ユニット(永久磁石)と電機子ユニット
のいずれか一方をステージに接続し、磁石ユニットと電
機子ユニットの他方をステージの移動面側(ベース)に
設ければよい。
【0157】ウェーハステージの移動により発生する反
力は、特開平8−166475号公報に記載されている
ように、フレーム部材を用いて機械的に床(大地)に逃
がしてもよい。本発明は、このような構造を備えた露光
装置においても適用可能である。
【0158】マスクステージの移動により発生する反力
は、特開平8−330224号公報に記載されているよ
うに、フレーム部材を用いて機械的に床(大地)に逃が
してもよい。本発明は、このような構造を備えた露光装
置においても適用可能である。
【0159】以上のように、本願実施形態の露光装置
は、本願特許請求の範囲に挙げられた各構成要素を含む
各種サブシステムを、所定の機械的精度、電気的精度、
光学的精度を保つように、組み立てることで製造され
る。これら各種精度を確保するために、この組み立ての
前後には、各種光学系については光学的精度を達成する
ための調整、各種機械系については機械的精度を達成す
るための調整、各種電気系については電気的精度を達成
するための調整が行われる。各種サブシステムから露光
装置への組み立て工程は、各種サブシステム相互の、機
械的接続、電気回路の配線接続、気圧回路の配管接続等
が含まれる。この各種サブシステムから露光装置への組
み立て工程の前に、各サブシステム個々の組み立て工程
が設けられる。各種サブシステムの露光装置への組み立
て工程が終了したら、総合調整が行われ、露光装置全体
としての各種精度が確保される。なお、露光装置の製造
は温度およびクリーン度等が管理されたクリーンルーム
で行うことが望ましい。
【0160】半導体デバイスは、図8に示すように、デ
バイスの機能・性能設計を行うステップ301、この設
計ステップに基づいたマスクを製作するステップ30
2、デバイスの基材となる基板(ウェーハ、ガラスプレ
ート)を製造するステップ303、前述した実施形態の
露光装置によりマスクのパターンを基板(ウェーハ)に
露光する基板処理ステップ304、デバイス組み立てス
テップ(ダイシング工程、ボンディング工程、パッケー
ジ工程を含む)305、検査ステップ306等を経て製
造される。
【0161】
【発明の効果】本発明のガス置換方法及びガス置換装
置、並びに露光方法及び露光装置は以下のような効果を
有するものである。
【0162】本発明のガス置換方法及びガス置換装置に
よれば、基板を密閉室内に収容してこの密閉室内のガス
を排気することにより薄膜と基板との間に形成される空
間内のガスを置換するが、薄膜の変位が所定範囲になる
ように密閉室内のガスの排気量を調整することにより、
薄膜の破損を防ぎつつ安定したガス置換を行うことがで
きる。この場合、密閉室内のガスの排気量の調整は、薄
膜の変位を計測し、この計測結果に基づいて行われるの
で、薄膜の破損は確実に防止される。また、密閉室内の
圧力を計測し、この計測結果に基づいて排気量を調整す
ることもでき、この場合も、薄膜の破損は確実に防止さ
れる。一方、密閉室内へ置換ガスを給気するに際し、こ
の給気に伴う薄膜の変位が所定範囲になるように、置換
ガスの給気量を調整することにより、薄膜の破損を防ぎ
つつ安定したガス置換を行うことができる。また、基板
と薄膜との間に形成される空間内のガスを直接置換して
もよく、この場合、薄膜の変位が所定範囲になるように
空間内のガスの排気量及び置換ガスの給気量を調整する
ことにより、薄膜の破損を防止しつつ安定したガス置換
が行われる。
【0163】本発明の露光方法及び露光装置によれば、
マスクを予備室内に収容してこの予備室内のガスを特定
ガスに置換することにより保護部材とマスクとの間に形
成される空間内のガスを特定ガスに置換するが、保護部
材の変位が所定範囲になるように予備室内のガスの排気
量を調整することにより、保護部材の破損を防ぎつつ、
空間内のガス置換を安定して行うことができる。したが
って、マスクは空間内の吸光物質を低減した状態で光路
を含む空間に配置されるので、安定した露光処理が行わ
れる。また、予備室内の圧力変化に基づいてガスの排気
量を調整することも可能であり、この場合も、保護部材
の破損を防ぎつつ、空間内のガス置換を安定して行うこ
とができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のガス置換装置を備えた露光装置の一実
施形態を示す構成図である。
【図2】薄膜を装着した基板を説明するための図であ
る。
【図3】本発明のガス置換装置の第1実施形態を説明す
るための図である。
【図4】本発明のガス置換装置の第2実施形態を説明す
るための図である。
【図5】本発明のガス置換装置の第3実施形態を説明す
るための図である。
【図6】本発明のガス置換装置の第4実施形態を説明す
るための図である。
【図7】図7のうち管と通気孔との接続部分を説明する
ための図である。
【図8】半導体デバイスの製造工程の一例を示すフロー
チャート図である。
【符号の説明】
1 露光装置 2 照明光学系 3 投影光学系 5 マスク室 6 ウェーハ室 7 予備室(マスクガス置換室) 8、89 ガス置換装置 9 制御部(制御系) 10 ウェーハガス置換室 80、90 排気装置 81、92 給気装置 85、91 変位計測装置 87 圧力センサ(圧力計測装置) EL 露光光 GS 空間 LS 光路空間 M マスク(基板) PE ペリクル(薄膜、保護部材) W ウェーハ

Claims (23)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 薄膜を装着した基板を収容する密閉室内
    のガスを排気するに際し、該排気に伴う前記薄膜の変位
    が所定範囲になるように、前記密閉室内のガスの排気量
    を調整することを特徴とするガス置換方法。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載のガス置換方法におい
    て、 前記薄膜の変位を計測し、該計測結果に基づいて、前記
    排気量を調整することを特徴とするガス置換方法。
  3. 【請求項3】 請求項1に記載のガス置換方法におい
    て、 前記密閉室内の圧力を計測し、該計測結果に基づいて、
    前記排気量を調整することを特徴とするガス置換方法。
  4. 【請求項4】 請求項1〜3のいずれかに記載のガス置
    換方法において、 前記密閉室内へ置換ガスを給気するに際し、該給気に伴
    う前記薄膜の変位が所定範囲になるように、前記置換ガ
    スの給気量又は前記排気量の少なくとも一方を調整する
    ことを特徴とするガス置換方法。
  5. 【請求項5】 基板と該基板に装着される薄膜との間に
    形成される空間内のガスを置換するガス置換方法におい
    て、 前記空間内のガスを排気するに際し、該排気に伴う前記
    薄膜の変位が所定範囲になるように、前記空間内のガス
    の排気量を調整することを特徴とするガス置換方法。
  6. 【請求項6】 請求項5に記載のガス置換方法におい
    て、 前記空間内に置換ガスを給気するに際し、該給気に伴う
    前記薄膜の変位が所定範囲になるように、前記置換ガス
    の給気量又は前記排気量の少なくとも一方を調整するこ
    とを特徴とするガス置換方法。
  7. 【請求項7】 薄膜を装着した基板を収容する密閉室内
    のガスを置換するガス置換装置において、 前記密閉室内のガスを排気する排気装置と、 前記薄膜の変位を計測する変位計測装置と、 前記計測結果に基づいて、前記変位が所定範囲になるよ
    うに、前記ガスの排気量を調整する制御系とを備えるこ
    とを特徴とするガス置換装置。
  8. 【請求項8】 薄膜を装着した基板を収容する密閉室内
    のガスを置換するガス置換装置において、 前記密閉室内のガスを排気する排気装置と、 前記密閉室内の圧力を計測する圧力計測装置と、 前記計測結果に基づいて、前記薄膜の変位が所定範囲に
    なるように、前記ガスの排気量を調整する制御系とを備
    えることを特徴とするガス置換装置。
  9. 【請求項9】 請求項7又は8に記載のガス置換装置に
    おいて、 前記密閉室に置換ガスを給気する給気装置を備え、 前記制御系は、前記薄膜の変位が所定範囲になるよう
    に、前記置換ガスの給気量と前記密閉室内のガスの排気
    量との少なくとも一方を調整することを特徴とするガス
    置換装置。
  10. 【請求項10】 基板と該基板に装着される薄膜との間
    に形成される空間内のガスを置換するガス置換装置にお
    いて、 前記空間内のガスを排気する排気装置と、 前記薄膜の変位を計測する変位計測装置と、 前記計測結果に基づいて、前記変位が所定範囲になるよ
    うに、前記ガスの排気量を調整する制御系とを備えるこ
    とを特徴とするガス置換装置。
  11. 【請求項11】 請求項10に記載のガス置換装置にお
    いて、 前記空間内に置換ガスを給気する給気装置を備え、 前記制御系は、前記薄膜の変位が所定範囲になるよう
    に、前記置換ガスの給気量又は前記排気量の少なくとも
    一方を調整することを特徴とするガス置換装置。
  12. 【請求項12】 保護部材が装着されたマスクに露光光
    を照射して該マスクのパターンの像を基板上に転写する
    露光方法において、 前記露光光の光路を含む空間もしくは該空間と異なる空
    間を有する密閉室内に前記マスクを収容し、 前記密閉室内のガスを前記露光光の吸収が少ない特性を
    有する特定ガスに置換し、 該置換に伴い、前記保護部材とマスクとの間に形成され
    る空間内のガスを前記特定ガスに置換し、 前記保護部材と前記マスクとの間に形成される空間内の
    ガスを前記特定ガスに置換した後、前記マスクに前記露
    光光を照射して、該マスクのパターンの像を基板上に転
    写することを特徴とする露光方法。
  13. 【請求項13】 前記密閉室内のガスを前記特定ガスに
    置換する際に、前記密閉室内のガスの排気に伴う前記保
    護部材の変位が所定範囲になるように、前記ガスの排気
    量を調整することを特徴とする請求項12に記載の露光
    方法。
  14. 【請求項14】 前記密閉室内のガスを前記特定ガスに
    置換する際に、前記保護部材の変位が所定範囲になるよ
    うに、前記密閉室内への前記特定ガスの供給量を調整す
    ることを特徴とする請求項12又は請求項13に記載の
    露光方法。
  15. 【請求項15】 前記保護部材の変位は、変位計測装置
    によって計測されることを特徴とする請求項13又は請
    求項14に記載の露光方法。
  16. 【請求項16】 前記密閉室内のガスを前記特定ガスに
    置換する際に、前記密閉室のガスの排気に伴う該密閉室
    内の圧力変化に基づいて、前記密閉室内のガスの排気量
    を調整することを特徴とする請求項12に記載の露光方
    法。
  17. 【請求項17】 保護部材が装着されたマスクに露光光
    を照射して該マスクのパターンの像を基板上に転写する
    露光方法において、 前記露光光の光路を含む空間もしくは該空間と異なる空
    間を有する密閉室内に前記マスクを収容し、 前記密閉室内で、前記保護部材と前記マスクとの間に形
    成される空間内のガスを前記特定ガスに置換し、 前記保護部材と前記マスクとの間に形成される空間内の
    ガスを前記特定ガスに置換した後に、前記マスクに露光
    光を照射して、該マスクのパターンの像を基板上に転写
    することを特徴とする露光方法。
  18. 【請求項18】 保護部材が装着されたマスクに露光光
    を照射して該マスクのパターンの像を基板上に転写する
    露光装置において、 前記露光光の光路を含む空間もしくは該空間と異なる空
    間を有し、前記マスクを収容する密閉室と、 前記密閉室内のガスを前記露光光の吸収が少ない特性を
    有する特定ガスに置換することにより、前記保護部材と
    前記マスクとの間に形成される空間を前記特定ガスに置
    換するガス置換装置と、 前記保護部材の変位を計測する変位計測装置と、 前記計測結果に基づいて、前記変位が所定範囲になるよ
    うに、前記ガス置換装置を制御する制御系とを備えるこ
    とを特徴とする露光装置。
  19. 【請求項19】 保護部材が装着されたマスクに露光光
    を照射して該マスクのパターンの像を基板上に転写する
    露光装置において、 前記露光光の光路を含む空間もしくは該空間と異なる空
    間を有し、前記マスクを収容する密閉室と、 前記密閉室内のガスを前記露光光の吸収が少ない特性を
    有する特定ガスに置換することにより、前記保護部材と
    前記マスクとの間に形成される空間を前記特定ガスに置
    換するガス置換装置と、 前記密閉室内の圧力を計測する圧力計測装置と、 前記圧力計測装置の計測結果に基づいて、前記保護部材
    の変位が所定範囲になるように、前記ガス置換装置を制
    御する制御系とを備えることを特徴とする露光装置。
  20. 【請求項20】 前記ガス置換装置は、前記密閉室内の
    ガスを排気する排気装置又は前記密閉室内に前記特定ガ
    スを供給する給気装置の少なくとも一方を備えることを
    特徴とする請求項18又は請求項19に記載の露光装
    置。
  21. 【請求項21】 保護部材が装着されたマスクに露光光
    を照射して該マスクのパターンの像を基板上に転写する
    露光装置において、 前記露光光の光路を含む空間と該空間に隣接する空間と
    の少なくとも一方を有し、フレームを介して保護部材が
    装着されたマスクを収容する密閉室と、 前記フレームを介して、前記保護部材と前記マスクとの
    間に形成される空間内のガスを前記露光光の吸収が少な
    い特定ガスに置換するガス置換装置と、 前記保護部材の変位を検出する変位計測装置とを有する
    ことを特徴とする露光装置。
  22. 【請求項22】 前記ガス置換装置は、前記フレームに
    形成された孔を介して、前記保護部材と前記マスクとの
    間に形成される空間内のガスを排気する排気装置と、前
    記フレームに形成された孔を介して、前記保護部材と前
    記マスクとの間に形成される空間内に前記特定ガスを供
    給する供給装置とを備えることを特徽とする請求項21
    に記載の露光装置。
  23. 【請求項23】 リソグラフィ工程を含むデバイスの製
    造方法において、前記リソグラフィ工程で、請求項13
    から請求項17のいずれかに記載の露光方法を用いるこ
    とを特徴とするデバイスの製造方法。
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