JPWO2003034475A1 - ガス置換方法及び装置、マスク保護装置、マスク、露光方法及び装置 - Google Patents
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Abstract
マスクと枠部材を介して装着された保護部材との間に形成される空間内のガスを効率良く安定して置換できるガス置換装置を提供する。ガス置換装置は、マスクと、ペリクルと、ペリクル枠との間に形成される第1空間内部を特定ガスに置換するものであって、ガス置換室に対して特定ガスを供給可能な置換室用ガス置換機構を備えている。ペリクル枠は、第1空間内部と外部とを連通する第1開口部を有しており、ペリクル枠には、第1空間に対してペリクルを挟んで反対側に第2空間を形成する空間形成部材が接続されている。置換室用ガス置換機構がガス置換室に対して特定ガスを供給することにより、第1開口部を介して第1空間に対して特定ガスが供給される。
Description
技術分野
本発明は、例えば、半導体素子製造における露光工程で用いられるガス置換方法及びガス置換装置、並びに露光方法及び露光装置に関するものである。
本出願は、日本国特許出願2001−313136号を基礎としており、その内容を本明細書に組み込む。
背景技術
従来より、半導体素子や薄膜磁気ヘッドあるいは液晶表示素子等をフォトリソグラフィ工程で製造する場合に種々の露光装置が使用されている。この露光装置は、フォトマスクあるいはレチクル(以下、「マスク」と称する)に形成されたパターンの像を、表面にフォトレジスト等の感光剤が塗布された基板上に投影光学系を介して投影する構成である。そして、近年、基板上のショット領域に投影されるパターン形状の微細化の要求に伴い、使用される露光用照明光(以下、「露光光」と称する)は短波長化される傾向にある。すなわち、これまで主流だった水銀ランプに代わって、KrFエキシマレーザー(248nm)、ArFエキシマレーザー(193nm)を用いた露光装置が実用化されつつある。また、更なるパターン形状の微細化を目指してF2レーザー(157nm)を用いた露光装置の開発も進められている。
このような露光装置において、露光光として約180nm以下の波長を有する真空紫外線光を用いる場合、この露光光が通過する空間である光路空間内に、例えば、酸素分子、水分子、二酸化炭素分子などといった、かかる波長域の光に対し強い吸収特性を有する物質(以下、「吸光物質」と称する)が存在していると、この露光光は減光されてしまい、十分な強度で基板上に到達できなくなる。したがって、真空紫外線光を用いた露光装置は、露光光の通過する光路空間の密閉性を高めて外部からの吸光物質の流入を遮断するような構造になっているとともに、露光に際し、光路空間内に存在する吸光物質を低減する作業が施される。
ところで、上記のようなマスクは、パターン面に対するゴミの付着防止や保護を目的としてペリクルと呼ばれる保護部材を備えている。このペリクルは、例えば、ニトロセルロース等を主成分とする透光性の薄膜によって構成されており、ペリクル枠と呼ばれる枠部材を介してマスクに装着されている。このとき、ペリクルとマスクとの間には空間が形成され、この空間に吸光物質が存在していても、真空紫外線光の露光光が減光されてしまう。そのために、ペリクルとマスクとの間に形成される空間内の吸光物質を低減する必要がある。
発明の開示
本発明はこのような事情に鑑みてなされたもので、マスク等の基板とこの基板に枠部材を介して装着された保護部材との間に形成される空間内のガスを効率良く安定して置換できるガス置換方法及びガス置換装置を提供することを第1の目的とする。
また、前記空間内の吸光物質を低減して精度良い露光処理ができる露光方法及び露光装置、並びにこれに用いられるマスク及びマスク保護装置を提供することを第2の目的とする。
上記の課題を解決するため本発明は、実施の形態に示す図1〜図17に対応付けした以下の構成を採用している。
本発明のガス置換方法は、パターン(PA)が形成された基板(M)と、基板(M)のパターン(PA)が形成された面を保護する保護部材(PE)と、保護部材(PE)を基板(M)に対して所定間隔離して保持する枠部材(PF1)との間に形成される第1空間(S1)内のガスを所定ガスに置換するガス置換方法において、第1空間(S1)に対して保護部材(PE)を挟んで反対側に第2空間(S2)を形成する空間形成部材(200)を配置し、第2空間(S2)の圧力を調整しつつ、枠部材(PF1)に設けられている第1空間(S1)内部と外部とを連通する第1開口部(h1)を介して前記第1空間内のガスを所定ガスに置換することを特徴とする。
本発明のガス置換装置(CH)は、パターン(PA)が形成された基板(M)と、基板(M)のパターン(PA)が形成された面を保護する保護部材(PE)と、保護部材(PE)を基板(M)に対して所定間隔離して保持する枠部材(PF1)との間に形成される第1空間(S1)内のガスを所定ガスに置換するガス置換装置において、枠部材(PF1)は、第1空間(S1)内部と外部とを連通する第1開口部(h1)を備え、第1開口部(h1)を介して、第1空間(S1)に対する所定ガスの供給及び第1空間内部のガスの排出の少なくとも一方を行うガス置換部(300)と、第1空間(S1)に対して保護部材(PE)を挟んで反対側に第2空間(S2)を形成する空間形成部材(200)と、第2空間(S2)の圧力を調整する圧力調整装置(300)とを備えることを特徴とする。
本発明によれば、第1空間内部のガス置換をする際、第1空間に対して保護部材を挟んで反対側に第2空間を形成する空間形成部材を配置し、この第2空間の圧力を調整しつつ第1空間のガス置換を行うことにより、保護部材にはガス置換に伴う圧力変化に基づく過剰な力が作用しない。したがって、保護部材は破損したり劣化したりすることなく迅速で安定したガス置換ができる。
ここで、保護部材は、ペリクルなど光を透過可能な薄膜状部材の他に、ガラス薄板など光を透過可能な光学素子を含む。
本発明のマスク保護装置(250)は、マスク(M)に備えられた所定のパターン(PA)を保護する保護部材(PE)と、一方の端部(C2)に保護部材(PE)が取り付けられた第1枠部材(PF1)とを有するマスク保護装置において、第1枠部材(PF1)の一方の端部(C2)に接続される接続部(C3)が一端部(C3)に形成された第2枠部材(PF2)と、第2枠部材(PF2)の他端部(C4)に装着され、保護部材(PE)と第2枠部材(PF2)との間で空間(S2)を形成する板状部材(B)とを備えることを特徴とする。
本発明によれば、マスクと保護部材と枠部材との間に形成される第1空間のガス置換を行う際、保護部材と第2枠部材と板状部材との間に形成される第2空間の圧力を調整しつつ第1空間のガス置換を行うことができ、保護部材に対してガス置換に伴う圧力変化に基づく過剰な力が作用することを防止できる。したがって、保護部材にダメージを与えることなく迅速で安定したガス置換ができる。また、マスクを輸送する場合などにおいて、保護部材は板状部材によって保護される。
本発明のマスク(M)は、所定のパターン(PA)を備えたマスクにおいて、第1枠部材(PF1)の他方の端部(C1)を介してマスク保護装置(250)が接続されたことを特徴とする。
本発明によれば、例えば輸送時においてマスクのパターンは保護部材及び板状部材によって確実に保護される。更に、保護部材は板状部材によって保護される。露光処理を行う際には、第2枠部材の一端部に形成された接続部を第1枠部材から離脱させる。
本発明の露光方法は、枠部材(PF1)を介して保護部材(PE)で保護されたマスク(M)のパターン(PA)で感光性基板(W)を露光する露光方法において、枠部材(PF1)は、保護部材(PE)とマスク(M)との間に形成される第1空間(S1)内部と外部とを連通する第1開口部(h1)を備え、第1空間(S1)に対して保護部材(PE)を挟んで反対側に第2空間(S2)を形成する空間形成部材(200)を配置し、第2空間(S2)の圧力を調整しつつ、第1開口部(h1)を介して前記第1空間内のガスを露光光(EL)に対する吸収が少ない特性を有する特定ガスに置換し、露光処理を行うことを特徴とする。
本発明の露光装置(EX)は、枠部材(PF1)を介して保護部材(PE)で保護されたマスク(M)のパターン(PA)で感光性基板(W)を露光する露光装置において、枠部材(PF1)は、保護部材(PE)とマスク(M)との間に形成される第1空間(S1)内部と外部とを連通する第1開口部(h1)を備え、第1開口部(h1)を介して、第1空間(S1)に対する露光光(EL)に対する吸収が少ない特性を有する特定ガスの供給及び第1空間(S1)内部のガスの排出の少なくとも一方を行うガス置換部(300)と、第1空間(S1)に対して保護部材(PE)を挟んで反対側に第2空間(S2)を形成する空間形成部材(200)と、第2空間(S2)の圧力を調整する圧力調整装置(300)とを具備するガス置換装置(CH)を備えることを特徴とする。
本発明によれば、第1空間内部のガス置換をする際、第1空間に対して保護部材を挟んで反対側に第2空間を形成する空間形成部材を配置し、この第2空間の圧力を調整しつつ第1空間のガス置換を行うことにより、保護部材にはガス置換に伴う圧力変化に基づく過剰な力が作用しない。したがって、保護部材は破損したり光学特性が変化(劣化)したりすることなく、迅速で安定したガス置換ができ、マスクのパターンは確実に保護されて精度良い露光処理ができる。
発明を実施するための最良の形態
以下、本発明のガス置換装置及び露光装置の第1実施形態について図面を参照しながら説明する。図1は本発明に係る露光装置の全体概略構成図である。
図1において、露光装置EXは、光源1から露光光ELでマスクステージMSTに支持されたマスク(基板)Mを照明する照明光学系ILと、露光光ELで照明されたマスクMのパターンをウエハステージWSTに支持されたウエハ(感光性基板)Wに投影する投影光学系PLとを備えている。マスクステージMSTは密閉空間であるマスク室5内部に設置され、ウエハステージWSTは密閉空間であるウエハ室6内部に設置されている。
光源1は、波長約120nm〜約180nmの真空紫外線光を照明光学系ILに射出するものであって、例えば発振波長157nmのフッ素レーザー(F2レーザー)によって構成される。なお、光源1として、発振波長193nmのArFレーザーエキシマレーザーや、発振波長146nmのクリプトンダイマーレーザー(Kr2レーザー)、発振波長126nmのアルゴンダイマーレーザー(Ar2レーザー)を用いることもできる。
照明光学系ILは、光源1から射出し第1ミラー22によって導かれた光束(レーザービーム)をほぼ均一な照度分布の光束に調整して露光光ELに変換するオプティカルインテグレータ(例えば、フライアイレンズやロッドレンズ等で構成される)24と、露光光ELを反射しレンズ系26に導く第2ミラー25と、レンズ系26を介した露光光ELを通過可能な開口を有し、マスクMに対する露光光ELの照明範囲を規定するブラインド部BLと、ブラインド部BLを通過した露光光ELをマスクMに導く第3ミラー28とを備えている。そして、これら各光学素子及びブラインド部BLは、密閉空間である照明系ハウジング20の内部に所定位置関係で配置されている。この場合、ブラインド部BLはマスクMのパターン面と共役な面に配置されている。
マスク室5に設置されているマスクステージMSTはマスクMを真空吸着によって保持するマスクホルダを有している。マスクステージMSTはマスクMに形成されているパターン領域に対応した開口を備えており、ボイスコイルモータなどの駆動機構によりX方向、Y方向、θ方向(Z軸回りの回転方向)に微動可能となっており、これによって、パターン領域の中心が投影光学系PLの光軸AXを通るようにマスクMの位置決めをする。また、マスク室5の天井部には、照明系ハウジング20の内部空間とマスク室5の内部空間とを分離するように透過窓56が配置されており、照明光学系ILからの露光光ELは透過窓56を介してマスクMを照明する。
投影光学系PLは、露光光ELで照明されたマスクMのパターンをウエハWに露光するものであって、複数の光学素子から構成され、鏡筒(投影系ハウジング)30内部に支持されている。
ウエハ室6に設置されているウエハステージWSTはウエハWを真空吸着によって保持するマスクホルダWHを有している。ウエハステージWSTは第1の水平方向(X方向)に移動可能なXステージと、第1の水平方向とは異なる方向(Y方向)に移動可能なYステージと、垂直方向(Z方向)に移動可能なZステージとを有している。更に、ウエハステージWSTは支持したウエハWの傾斜方向における位置調整(レベリング調整)も可能となっている。そして、ウエハWを保持するウエハホルダWHの位置はレーザ干渉計65によって検出される。レーザ干渉計65の検出結果は制御装置CONTに出力され、制御装置CONTはレーザ干渉計65の検出結果に基づいてウエハステージWSTを駆動し、ウエハWの位置制御を行う。ここで、レーザ干渉計65はウエハ室6の外部に配置されており、レーザ干渉計65の検出光はウエハ室6の一部に設けられた光透過窓63を介してウエハホルダWHに設置されている移動鏡64を照射する。
そして、マスク室5と照明系ハウジング20と鏡筒30とウエハ室6とは隙間なく接合されており、これら各室内に形成された内部空間(密閉空間)は外部とのガスの出入りを遮断され、光源1から射出しウエハWに照射される露光光ELの光路空間LSとなっている。本実施形態における露光装置EXは、マスクMとウエハWとを静止した状態でマスクMのパターンをウエハWに露光し、ウエハWを順次ステップ移動させるステップ・アンド・リピート型の露光装置である。
ウエハ室6にはウエハガス置換室10が隣接して設けられている。このウエハガス置換室10は、露光光ELの光路空間LSとは独立した異なる密閉空間を有しており、ウエハ室6と隙間無く接合されている。ウエハガス置換室10とウエハ室6との間には開口部64が形成されており、ウエハ室6とウエハガス置換室10とは開口部64を介して連通している。一方、ウエハガス置換室10のうち、ウエハ室6に接する側と反対側(+X側)の側壁には開口部104が形成されている。そして、ウエハ室6とウエハガス置換室10との間の開口部64には開閉扉65が設けられ、ウエハガス置換室10の開口部104には開閉扉105が設けられている。開閉扉65及び開閉扉105は制御装置CONTの指示に基づいて開閉し、開閉扉65が閉じることによってウエハ室6は密閉され、開閉扉65及び開閉扉105が閉じることによってウエハガス置換室10が密閉される。
ウエハガス置換室10の内部には、開口部104を介してウエハ室6に対してウエハWを搬送するウエハローダ111が配置されている。また、開閉扉105の外部には、開口部104を介してウエハガス置換室10に対してウエハWを搬送するウエハ搬送機構112が設けられている。ウエハローダ111及びウエハ搬送機構112は制御装置CONTに接続しており、制御装置CONTの指示に基づいて動作する。
マスク室5の+X側にはローダ室120が隣接して設けられており、ローダ室120の+X側にはマスクガス置換室70が隣接して設けられている。ローダ室120及びマスクガス置換室70は、露光光ELの光路空間LSとは独立した異なる密閉空間を有しており、マスク室5とローダ室120とマスクガス置換室70とはそれぞれ隙間無く接合されている。マスク室5とローダ室120との間には開口部54が形成されており、マスク室5とローダ室120とは開口部54を介して連通している。一方、ローダ室120とマスクガス置換室70との間には開口部71が形成されており、ローダ室120とマスクガス置換室70とは開口部71を介して連通している。更に、マスクガス置換室70のうち、マスク室5に接する側と反対側(+X側)の側壁には開口部74が形成されている。そして、マスク室5とローダ室120との間の開口部54には開閉扉55が設けられ、ローダ室120とマスクガス置換室70との間の開口部71には開閉扉72が設けられ、マスクガス置換室70の開口部74には開閉扉75が設けられている。開閉扉55及び開閉扉72及び開閉扉75のそれぞれは制御装置CONTの指示に基づいて開閉し、開閉扉55が閉じることによってマスク室5は密閉され、開閉扉55及び開閉扉72が閉じることによってローダ室120が密閉され、開閉扉72及び開閉扉75が閉じることによってマスクガス置換室70が密閉される。
露光処理に用いられるマスクMはマスクライブラリMLに収容されている。マスクライブラリMLはマスクガス置換室70の開閉扉75と対向する位置に設置されており、複数の棚を有している。マスクMはマスクケース103に収納された状態でマスクライブラリMLの棚に保管されている。
マスクガス置換室70とマスクライブラリMLとの間には、マスクライブラリMLとマスクガス置換室70との間でマスクMを搬送するマスク搬送機構102が設けられている。マスク搬送機構102はX方向及びZ方向に移動可能であり、マスクライブラリMLの複数の棚にそれぞれ配置されているマスクケース103のうち予め指定されたマスクケース103にアクセス可能となっているとともに、後述するマスクガス置換室70内のマスク搬送装置86に対してマスクMを受け渡し可能となっている。そして、マスク搬送機構102は指定されたマスクケース103に進入することによって所望のマスクMを取り出し可能であるとともに、マスクケース103に戻されるべきマスクMを指定されたマスクケース103に収納可能となっている。
マスクローダ101はローダ室120内部に設けられ、X方向及びZ方向に移動可能となっており、露光装置EXのマスクステージMSTに対してマスクMを搬送可能となっている。更に、マスクローダ101はマスクガス置換室70内のマスク搬送装置86に対してマスクMを受け渡し可能となっている。
マスクローダ101及びマスク搬送機構102及びマスク搬送装置86は、真空吸着穴を有するアーム部をそれぞれを備えており、連結された不図示の真空ポンプのON・OFFによってマスクMの保持・解除を行うようになっており、制御装置CONTの指示に基づいて動作する。
ところで、真空紫外域の波長の光を露光光ELとする場合には、その光路空間LSから酸素、水蒸気、炭化水素系のガス等の、かかる波長帯域の光に対し強い吸収特性を有するガス(以下、「吸光物質」と称する)の濃度を低減する必要がある。このため、光路空間LSは、不図示の光路空間用のガス置換装置により、必要に応じて内部に存在する吸光物質の濃度を低減する作業が施される。このとき、光路空間LSは真空紫外域の光に対する吸収性の少ない特性を有する窒素、ヘリウム、アルゴン、ネオン、クリプトン等のガス、またはそれらの混合ガス(以下、「低吸光物質」あるいは「特定ガス」と称する)で満たされる。すなわち、光路空間LSに存在する吸光物質は特定ガスに置換されることによって低減される。この光路空間LS内を特定ガスに置換するためのガス置換装置(不図示)は、光路空間LSを構成する各室内のガスを排気する排気装置と、各室内に特定ガスを給気する給気装置とを備えている。また、ローダ室120やウエハガス置換室10、マスクガス置換室70内部も特定ガスに置換されるようになっている。そして、前記ガス置換装置を構成する排気装置及び給気装置の給気量及び排気量は制御装置CONTの指示に基づいて調整される。
なお、光路空間LS内の吸光物質を低減する方法としては、上述した光路空間LS内のガスを特定ガスで置換する他に、排気減圧によっても実現することができ、ガス置換と同様の効果が得られる。なお、光路空間LSを構成する各室内に圧力センサを配置し、圧力センサで計測される圧力値に基づいて、排気装置によるガス排気量と給気装置によるガス供給量とを調整するように構成してもよい。
次に、図2及び図3を参照しながら本発明の特徴的な部分であるマスク及びマスク保護装置について説明する。図2Aはマスク保護装置を備えたマスクの平面図、図2Bは図2AのA−A矢視図、図3は図2の斜視図である。
図2及び図3に示すように、マスクMは平板状であり、一方の面に所定のパターンPAを備えている。更に、マスクMは、マスクMのパターンPAが形成された面を保護するペリクル(保護部材)PEと、ペリクルPEをマスクMに対して所定間隔離して保持するペリクル枠(枠部材、第1枠部材)PF1とを備えている。ペリクル枠PF1は平面視矩形状に形成された金属製部材であり、一方の端部C1がマスクMのパターンPAが形成されている面に取り付けられている。ペリクルPEは、ニトロセルロースあるいはフッ素系樹脂等を主成分とする厚さが1〜2μm程度の透明な薄膜であり、ペリクル枠PF1の他方の端部C2に隙間無く取り付けられている。そして、マスクMとペリクルPEとペリクル枠PF1との間には第1空間S1が形成されている。
なお、ペリクルPEとしては、マスクM及びレンズ系と同材質の蛍石、フッ化マグネシウム、フッ化リチウム等の結晶材料、石英ガラス(フッ素が均一にドープされた石英等)からなる100〜800μm程度の厚さを有する薄板状の光学部材で形成してもよい。。これらは波長120nm〜180nmの真空紫外線光の露光光ELを良好に透過する。
マスクMのペリクル枠PF1の端部C2には、この端部C2と接続可能な端部C3を有する空間形成部材200が接続されるようになっている。空間形成部材200は、ペリクル枠PF1の他方の端部C2に対して接続可能な一端部C3を有する第2枠部材PF2と、第2枠部材PF2の他端部C4に装着される板状部材Bとを有している。第2枠部材PF2はペリクル枠PF1と同形状であり、第2枠部材PF2の他端部C4と板状部材Bとは隙間無く接合されて一体となっている。第2枠部材PF2は、ペリクル枠PF1と同じ金属製であり、板状部材Bは金属、合成樹脂、ガラスなどガスを通しにくい材質(ガスの単位時間当たりの通過量が所定値以下の材質)によって構成されている。なお、第2枠部材PF2はペリクル枠PF1と異なる金属、あるいは所定の強度を有する合成樹脂製でもよい。また、第2枠部材PF2と板状部材Bとは同じ材質でもよいし、異なる材質でもよい。更に、第2枠部材PF2と板状部材Bとは一体成形されていてもよい。
そして、第2枠部材PF2と板状部材Bとからなる空間形成部材200の端部C3がペリクル枠PF1の端部C2に対する接続部となっており、図3に示すように、空間形成部材200はペリクル枠PF1の端部C2に対して接続・離間可能となっている。そして、空間形成部材200の端部(接続部)C3がペリクル枠PF1の端部C2に接続することによって、ペリクルPEと板状部材Bと第2枠部材PF2との間には第2空間S2が形成される。すなわち、空間形成部材200はペリクル枠PF1と接続することにより、第1空間S1に対してペリクルPEを挟んで反対側に第2空間S2を形成する。ここで、空間形成部材200とペリクルPEとの間に形成される第2空間S2の体積と、第1空間S1の体積とはほぼ同じである。
空間形成部材200の端部C3は平坦に形成され、ペリクル枠PF1の端部C2も平坦に形成されている。したがって、空間形成部材200とペリクル枠PF1とを接続した際、端部C2と端部C3とは密着する。ここで、ペリクルPEがペリクル枠PF1の端部C2全面に貼付されている場合には、ペリクル枠PF1の端部C2と空間形成部材200の端部C3とはペリクルPEを介して接続し、ペリクル枠PF1の端部C2の外縁部分がペリクルPEに貼られないで露出している場合には、端部C2の露出部分と空間形成部材200の端部C3とが密着する。なお、ペリクル枠PF1の端部C2全面にペリクルPEが貼付されている場合、空間形成部材200の端部C3がペリクルPEに直接接触して、ペリクルPEを破損する恐れがあるので、空間形成部材200の端部C3が接触するペリクルPEの表面に保護膜(破損防止部材)を形成することが望ましい。この保護膜としては、アルミなどの金属を蒸着した金属膜や、耐損傷性をもつシート部材や、弾性部材などを用いることが望ましい。また、空間形成部材200の端部C3全面にペリクルPEと同じフィルム状部材を貼付しておいてもよい。
そして、ペリクルPEと、一方の端部C2にペリクルPEが取り付けられたペリクル枠PF1と、ペリクル枠PF1の一方の端部C2に接続される接続部が一端部C3に形成された第2枠部材PF2と、第2枠部材PF2の他端部C4に装着され、ペリクルPEと第2枠部材PF2との間で第2空間S1を形成する板状部材Bとによってマスク保護装置250が構成されている。
ペリクル枠PF1には、第1空間S1内部と外部との連通する第1開口部h1が複数形成されている。本実施形態において、第1開口部h1はペリクル枠PF1の中央を挟んで対向する位置に1対形成されている。第1開口部h1は、気圧の変化に伴うペリクルPEの破損を防止するためのものであって、例えば、航空機による輸送や天候の変化等によって気圧が低下し第1空間S1内部のガスが膨張した際に、第1空間S1の密閉性を低下させることによってペリクルPEの破損を防止する。また、第1開口部h1のそれぞれには不図示のパーティクルフィルタが設けられている。パーティクルフィルタによって第1空間S1へのパーティクル(異物)の侵入が防止される。なお、本実施形態において、ペリクル枠PFには第1開口部h1が互いに対向する位置に1対設けられているが、その設置個数や設置位置は任意に設定可能である。
一方、空間形成部材200のうち第2枠部材PF2にも、第2空間S2内部と外部とを連通する第2開口部h2が複数形成されている。第2開口部h2は、ペリクル枠PF1の第1開口部h1と同じ形状及び大きさに設定されており、その設置数及び設置位置も同じに設定されている。すなわち、第2開口部h2も、第2枠部材PF2の中央を挟んで対向する位置に1対形成されている。
また、第2開口部h2にも不図示のパーティクルフィルタが設けられている。第2開口部h2に設置されたパーティクルフィルタは第1開口部h1に設置されたパーティクルフィルタと同一のものである。ペリクル枠PF1に形成する第1開口部h1と、このペリクル枠PF1と同じ形状である第2枠部材PF2に形成する第2開口部h2との形状や大きさ、設置数や設置位置を等しくし、同一のパーティクルフィルタを用いることによって、第1開口部h1を介した第1空間S1に対する単位時間当たりのガスの流量と、第2開口部h2を介した第2空間S2に対する単位時間当たりのガスの流量とは等しくなる。
なお、第1開口部h1と第2開口部h2とのそれぞれに設置するパーティクルフィルタのそれぞれは異なる材質・構造でもよく、第1開口部h1と第2開口部h2とのそれぞれを通過する単位時間当たりのガス流量が等しくなればよい。
例えば、第1開口部h1と第2開口部h2とのそれぞれを通過する単位時間当たりのガス流量を等しくする構成として、上述したように第1開口部h1にパーティクルフィルタを取り付けた場合、第2開口部h2にはパーティクルフィルタを取り付けずに、第2開口部h2の開口の大きさを第1開口部h1より小さく形成すればよい。
マスクMは、ペリクル枠PF1の端部C2に空間形成部材200を接続した状態でマスクライブラリMLに収容されている。このとき、マスクMは空間形成部材200の端部C3にペリクル枠PF1を介して載置された状態で保持されている。本実施形態では、空間形成部材200にペリクル枠PF1を介してマスクMが単に載置された状態を説明したが、ペリクル枠PF1と空間形成部材200とは、端部C2と端部C3とを粘着テープあるいは後述の図9のように機械的なクランプ方法によって接合されている。
次に、本発明の特徴的な部分である、マスクMとペリクルPEとペリクル枠PFとの間に形成された第1空間S1を露光光ELに対する吸収が少ない特性を有する特定ガス(所定ガス)に置換するガス置換装置CHについて図4及び図5を参照しながら説明する。ここで、本実施形態において、ガス置換装置CHは図1で説明したマスクガス置換室70を含むものであって、図4はマスクガス置換室70に備えられたガス置換装置CHの概略斜視図であり、図5は概略構成図である。
図4に示すように、マスクMの第1空間S1を特定ガスに置換するガス置換装置CHは、空間形成部材200が接続された状態のマスクMを収容する前記マスクガス置換室70と、マスクガス置換室70内部のガスを特定ガス(所定ガス)に置換する置換室用ガス置換機構300とを備えている。なお、本実施形態における特定ガスとは、前述したように、窒素、ヘリウム、アルゴン、ネオン、クリプトン等のガス、またはそれらの混合ガスである。
置換室用ガス置換機構300は、特定ガスをマスクガス置換室70に供給可能なボンベなどの特定ガス供給装置301と、マスクガス置換室70内部のガスを排気可能な真空ポンプからなるガス排出装置306と、特定ガス供給装置301に対して流路304を介して接続されているとともに、真空ポンプ306に対して流路305を介して接続されている3方向バルブ303と、一端をマスクガス置換室70内部に接続し他端を3方向バルブ303に接続した流路302と、流路302の途中に設けられ、この流路302のガスの流通を停止可能な停止弁307とを備えている。流路302,304,305はガス配管である。3方向バルブ303は、流路302と特定ガス供給装置301又は真空ポンプ306のいずれか一方とを選択的に接続する。そして、3方向バルブ303によって、特定ガス供給装置301と流路302とを接続することにより、特定ガス供給装置301からマスクガス置換室70に対して特定ガスが供給可能となっており、真空ポンプ306と流路302とを接続することにより、マスクガス置換室70内部のガスを排出可能となっている。
図1及び図5に示すように、マスクガス置換室70内部には、空間形成部材200が接続されているマスクMを支持可能であるとともに支持したマスクMを搬送可能な搬送装置86が設けられている。この搬送装置86は、マスクMの下方に接続されている空間形成部材200の下部を支持可能となっており、マスクMを空間形成部材200を介して支持する。搬送装置86の支持機構とは3点支持又は真空吸着の少なくても一方で構成される。また、マスクガス置換室70のうち、搬送装置86に支持されたマスクMの上方には、搬送装置86に支持されているマスクMを上方から所定の力で押圧可能な押圧装置87が設けられている。搬送装置86に空間形成部材200を介して支持されているマスクMを押圧装置87が押圧することにより、マスクMのペリクル枠PF1の端部C2と空間形成部材200の端部(接続部)C3とは確実に密着する。なお、押圧装置87を下降させてマスクMを押圧しているが、搬送装置86に昇降機構を設け、搬送装置86を介して、マスクMを押圧装置87に押圧する構成であってもよい。ここで、押圧装置87は、マスクMの上面(パターンPAが形成されていない側の面)のうち、ペリクル枠PFが取り付けられている位置に対応する部分を押圧する。こうすることにより、マスクMは押圧装置87によって押圧された際、大きく反ったりしない。
次に、上述した構成を備えるガス置換装置CH及び露光装置EXを用いて、マスクMの第1空間S1を特定ガスに置換するとともに、マスクMのパターンPAでウエハWを露光する露光方法について説明する。
ここで、本実施形態における露光方法は、露光工程に先立ち、露光空間LS内部の吸光物質をガス置換装置(不図示)により低減する工程と、マスクライブラリMLからガス置換装置CHのマスクガス置換室70にマスクMを搬送する工程と、マスクMとペリクルPEとペリクル枠PF1との間の第1空間S1を特定ガスに置換する工程と、マスクガス置換室70からマスク室5にマスクMを搬送する工程と、マスクMのパターンをウエハステージWSTに支持されているウエハに露光する露光工程と、露光工程を終えたマスクM又はウエハWを露光装置EX外部に搬送する工程とを有している。
まず、制御装置CONTは、前記不図示のガス置換装置のうち、各室内のガスを排気する排気装置と各室内に特定ガスを給気する給気装置とを用いて、各室内のガスを排気しながら各室内に対してガスを給気し、光路空間LS内の吸光物質を低減する。すなわち、制御装置CONTは、ガス置換装置を用いて、照明系ハウジング20、マスク室5、鏡筒(投影系ハウジング)30、ウエハ室6、及びローダ室120、ウエハガス置換室10のそれぞれの内部の吸光物質を低減する。
次に、マスクMが露光装置EXに搬入される際の動作について説明する。
まず、制御装置CONTは、マスクケース103に収納されマスクライブラリMLに保管されているマスクMを、マスク搬送機構102によってマスクケース103から取り出す。マスク搬送機構102は、制御装置CONTの指示に基づき、マスクMをガス置換装置CHに搬送する。このとき、マスク搬送機構102は、マスクMの下方に接続されている空間形成部材200の下部を支持し(真空吸着)、搬送する。制御装置CONTは、マスクMを保持するマスク搬送機構102がガス置換装置CHのガス置換室70に所定距離内に近づいた時点で開閉扉75を開放する。このとき、露光装置EX側に設けられている開口部71は開閉扉72によって閉鎖されている。
次に、マスク搬送機構102は、保持しているマスクMを開口部74を介してマスクガス置換室70内の搬送装置86に渡す。ここで、マスク搬送機構102がマスクMを搬送装置86に渡すためにマスクガス置換室70内部に移動するに際し、開閉扉75が開放されて外気がマスクガス置換室70内に流入するが、露光装置EX側に面している開閉扉72は閉鎖されているので、外気中の酸素等の吸光物質が露光装置EX(光路空間LS)内に混入することはない。
マスクMが搬送装置86に渡された後、制御装置CONTはマスク搬送機構102を開口部74を介してマスクガス置換室70の外部に退避させ、開閉扉75を閉じる。開閉扉75を閉じることにより、マスクガス置換室70は密閉された空間となる。すなわち、ペリクルPEを装着したマスクMは、密閉室に収容される状態となる。ペリクルPEとペリクル枠PF1との間に第1空間S1が形成されているマスクMは、第1空間S1に対してペリクルPEを挟んで反対側に第2空間S2を形成する空間形成部材200を配置した状態で、密閉室であるマスクガス置換室70に収容された状態となる。
次いで、制御装置CONTは、搬送装置86に支持されているマスクMを押圧装置87で上方から押圧し、ペリクル枠PF1の端部C2と空間形成部材200の端部C3とを密着させ、ペリクル枠PF1と空間形成部材200との接続を安定させる。
次いで、制御装置CONTは、ガス置換装置CHによってマスクガス置換室70内部のガスを特定ガスに置換する。
具体的には、制御装置CONTは、まず、ガス置換装置CHの置換室用ガス置換機構300のうち、3方向バルブ303を制御してマスクガス置換室7と真空ポンプ306とを接続し、真空ポンプ306によってマスクガス置換室70内部のガスを外部へ排気する。マスクガス置換室70内部のガスが排気され、マスクガス置換室70内部の圧力が低下することによって、第1空間S1のガスはペリクル枠PF1に形成されている第1開口部h1を介して外部に排出される。このとき、第1空間S1に対してペリクルPEを挟んで反対側に形成されている第2空間S2のガスも空間形成部材200に形成されている第2開口部h2を介して外部に排出される。第1空間S1と第2空間S2とのそれぞれのガスは第1開口部h1と第2開口部h2とのそれぞれを介して同時に同じ速度で排出されるので、第1空間S1の圧力と第2空間S2の圧力とはほぼ同じ圧力に調整された状態で、第1空間S1のガスが第1開口部h1を介して排出されることになる。
真空ポンプ306によるマスクガス置換室70内部のガスの排出動作を所定時間、あるいはマスクガス置換室70の圧力が所定値以下になるまで、あるいはガス置換室70内部の吸収物質の濃度が所定値以下になるまで行ったら、制御装置CONTは、ガス置換装置CHの置換室用ガス置換機構300のうち、3方向バルブ303を制御してマスクガス置換室7と特定ガス供給装置301とを接続し、特定ガス供給装置301によってマスクガス置換室70内部に対して特定ガスを供給し、マスクガス置換室70を特定ガスに置換する。マスクガス置換室70内部に対して特定ガスが供給され、マスクガス置換室70内部の圧力が上昇することによって、特定ガスが第1開口部h1を介して第1空間S1に供給される。このとき、第1空間S1に対してペリクルPEを挟んで反対側に形成されている第2空間S2に対しても第2開口部h2を介して特定ガスが供給される。第1空間S1と第2空間S2とのそれぞれは第1開口部h1と第2開口部h2とのそれぞれを介して特定ガスを同時に同じ速度で供給されるので、第1空間S1の圧力と第2空間S2の圧力とはほぼ同じ圧力に調整された状態で特定ガスが第1空間S1に対して第1開口部h1を介して供給され、第1空間S1は特定ガスで満たされることになる。
ここで、第1空間S1に対してペリクルPEを挟んで反対側に第2空間S2を形成しない場合、排気に伴うマスクガス置換室70内部の圧力低下、あるいは特定ガスの供給に伴うマスクガス置換室70内部の圧力上昇によって、ペリクルPEはマスクMと反対側に膨むように変形したりマスクMに向かって凹むように変形して破損する恐れがある。なぜなら、第1開口部h1にはパーティクルフィルタが設けられており、第1開口部h1を介した第1空間S1に対する単位時間当たりのガスの流量は少ない状態なので、ガスの給排気によって第1空間S1内部と外部との圧力差が大きくなるからである。しかしながら、第1空間S1に対してペリクルPEを挟んで空間形成部材200を用いて第2空間S2を形成し、この空間形成部材200に第1開口部h1と同等の第2開口部h2を設けておくことにより、第2空間S2の圧力を第1空間S1の圧力とほぼ同じ圧力に調整しつつ第1開口部h1を介して第1空間S1を特定ガスに置換できるので、ガス置換を行っている際、ペリクルPEの変形は抑えられる。
なお、真空ポンプ306でマスクガス置換室70内部のガスを排気する際には、マスクガス置換室70、ひいては第1空間S1及び第2空間S2の圧力が1×10−1Pa以下になるまで排気動作を行うことが好ましい。こうすることにより、第1空間S1及び第2空間S2の酸素濃度は、例えば0.2ppm以下程度に十分に低減される。そして、酸素濃度を十分に低減した状態で特定ガスを供給することにより、第1空間S1のガスを特定ガスに効率良く置換できる。更に、上記ガス排気動作と特定ガス供給動作とを複数回繰り返すことによっても、第1空間S1のガスを特定ガスに効率良く置換できる。
マスクMの第1空間S1のガスが特定ガスに置換されたら、制御装置CONTは押圧装置87によるマスクMに対する押圧を解除する。そして、制御装置CONTは、第1空間S1に特定ガスが満たされているマスクMを搬送装置86によってマスクガス置換室70の露光装置EX側に設けられている開口部71に向けて搬送し、開口部71に対して所定距離内に近づいた時点で開閉扉72を開放する。制御装置CONTは、ローダ室120に設けられているマスクローダ101をマスクガス置換室70内部に移動させ、搬送装置86上のマスクMをマスクローダ101で保持する。マスクローダ101はマスクMの下面(パターンPAが形成されている側の面)のうち、ペリクル枠PF1が取り付けられている位置の外側を保持し、一旦、マスクMを上昇(搬送装置86の上方にマスクMを移動)させてから、マスクMを水平方向(搬送方向)に移動させて、ローダ室120側に搬送する。このとき、マスクMのペリクル枠PF1と空間形成部材200との接続は解除され、マスクMはペリクル枠PF1及びペリクルPEのみを装着した状態でマスクローダ101に保持される。なお、このとき、ローダ室120は特定ガスで満たされているので、マスクMの第1空間S1には吸光物質が侵入しない。なお、マスクローダ101にマスクMを載置する場合には、マスクローダ101と搬送装置86とを相対的に昇降させればよい。
なお、マスクガス置換室70内において、マスクMのペリクル枠PF1との接続を解除され搬送装置86に支持された状態の空間形成部材200は、搬送装置86及びマスク搬送機構102によって、マスクライブラリMLのうちマスクMを収容していないマスクケース103に戻されたり、他の空間形成部材用収容部に搬送され、保管される。また、この空間形成部材200はマスクガス置換室70に保管されてもよい。
マスクMがマスクローダ101に渡された後、制御装置CONTはマスクMを保持したマスクローダ101をローダ室120に移動し、開閉扉72によって開口部71を閉じる。そして、制御装置CONTは、マスク室5側の開閉扉55を開け、マスクローダ101で第1空間S1に特定ガスが満たされたマスクMを露光装置EXのマスクステージMSTにロードする。マスクMがマスクステージMSTにロードされたら、マスクローダ101がマスクステージMSTから退避した後、マスク室5の開口部54が開閉扉55によって閉じられる。
次に、ウエハWを露光装置EXに搬送する動作について説明する。
まず、ウエハ搬送機構112が制御装置CONTの制御のもとで、ウエハWをウエハガス置換室10に開口部104を介して搬送する。ウエハWはウエハガス置換室10内に設けられているウエハローダ111に渡される。そして、ウエハWがウエハローダ111に渡されたら開口部104が開閉扉105で閉じられる。このとき、ウエハガス置換室10は特定ガスで満たされる。そして、ウエハローダ111はウエハWをウエハ室6側の開口部64を介してウエハステージWSTにロードする。ウエハWがウエハステージWSTにロードされたら、ウエハローダ111がウエハステージWSTから退避した後、ウエハ室6の開口部64が開閉扉65によって閉じられる。
以上のようにして、マスクMをマスクステージMSTにロードするとともに、ウエハWをウエハステージWSTにロードしたら、制御装置CONTは照明光学系ILによりマスクMを露光光ELで照明し、ペリクル枠PF1を介してペリクルPEで保護されたマスクMのパターンを投影光学系PLを介してウエハWに対して露光処理する。
露光処理を終えたウエハWは、ウエハアンローダ(ウエハローダ)111によって、ウエハステージWSTからアンロードされる。ウエハWを保持したウエハアンローダ101は、開閉扉105を介してウエハ搬送機構112にウエハWを渡す。そして、ウエハWはウエハ搬送機構112や他の外部搬送機構によって後の工程に搬送される。
一方、露光処理を終えたマスクMは、マスクアンローダ(マスクローダ)101によって、マスクステージMSTからアンロードされる。マスクMを保持したマスクアンローダ101は、開口部71を介してマスクガス置換室70内部の搬送装置86にマスクMを渡す。マスクMを保持した搬送装置86は、開口部74を介してマスク搬送機構102にこのマスクMを渡す。そして、マスクMはマスク搬送機構102によってマスクライブラリMLの所定のマスクケース103に収納される。
以上説明したように、ペリクル枠PF1に第1開口部h1を形成することによって、マスクMとペリクルPEとペリクル枠PF1との間に形成された第1空間S1のガスを第1開口部h1を介して特定ガスに効率良く置換できる。そして、第1空間S1内部のガス置換をする際、第1空間S1に対してペリクルPEを挟んで反対側に第2空間S2を形成する空間形成部材200を配置し、この第2空間S2の圧力を調整しつつ第1空間S1のガス置換を行うことにより、ペリクルPEにはガス置換に伴う圧力変化に基づく過剰な力が作用せず、大きく変形しない。すなわち、空間形成部材200を配置することによって、第1空間S1の圧力を第2空間S2の圧力と同じように変化させることができる。したがって、ペリクルPEを破損したり劣化したり光学特性を変化したりすることなく迅速で安定したガス置換ができ、マスクのパターンは確実に保護されて精度良い露光処理ができる。
そして、本実施形態では、第1空間S1に対してペリクルPEを挟んで空間形成部材200を用いて第2空間S2を形成し、この空間形成部材200に第1開口部h1と同等の給排気速度(開口部を介して流れるガスの単位時間当たりの流量)に設定されている第2開口部h2を設けておくことにより、第2空間S2の圧力を第1空間S1の圧力とほぼ同じ圧力に調整しつつ第1開口部h1を介して第1空間S1を所定ガスに置換できるので、簡易な構成でペリクルPEの変形を抑えつつガス置換ができる。
そして、本実施形態では、第1開口部h1を介して、第1空間S1に対する特定ガスの供給及び第1空間S1内部のガスの排出の少なくともいずれか一方を行うガス置換部は、マスクガス置換室70と置換室用ガス置換機構300とによって構成され、第2空間S2の圧力を調整する圧力調整装置は、空間形成部材200に形成され、ペリクル枠PF1の第1開口部h1と同等の給排気速度(開口部を介して流れるガスの単位時間当たりの流量)に設定されている第2開口部h2によって構成されている。
本実施形態に係るマスクMは、マスクMに備えられた所定のパターンを保護するペリクルPEと、一方の端部C2にペリクルPEが取り付けられたペリクル枠PF1と、ペリクル枠PF1の一方の端部C2に接続される接続部が一端部C3に形成された第2枠部材PF2と、第2枠部材PF2の他端部C4に装着され、ペリクルPEと第2枠部材PF2との間で第2空間S1を形成する板状部材Bとを有するマスク保護装置250を有しているので、第1空間S1のガス置換を行う際、第2空間S2の圧力を調整しつつ第1空間S1のガス置換を簡易な構成で容易に行うことができ、ペリクルPEに対してガス置換に伴う圧力変化に基づく過剰な力が作用することを防止できる。したがって、ペリクルPEに悪影響を与えることなく迅速で安定したガス置換ができる。そして、ペリクル枠PF1と空間形成部材200とは空間形成部材200に設けられた接続部を介して着脱自在となっているので、第1空間S1のガス置換が終了したら、マスクMのペリクル枠PF1から空間形成部材200を取り外してからマスクステージMSTにロードすることができる。更に、空間形成部材200とペリクル枠PF1とが接続している際、空間形成部材200はペリクルPEを保護するので、マスクMを輸送する場合などにおいて、ペリクルPEは空間形成部材200の板状部材Bによって保護されるので、輸送中におけるペリクルPEの破損は確実に防止される。特に、ペリクルPEがガラス薄板など光を透過可能な光学素子によって構成されている場合、輸送中に破損する可能性が高くなるが、空間形成部材200によってペリクルPEの破損は防止され、ひいてはマスクMのパターンPAも確実に保護される。また、空間形成部材200によってペリクルPEの汚染も防止されるので、ペリクルPEの汚染による露光光ELの透過率変動に起因する露光精度の低下を回避できる。
なお、本実施形態において、マスクガス置換室70に酸素濃度計や水分濃度計などの吸光物質検出装置を接続しておくことにより、マスクガス置換室70の吸光物質濃度、ひいては第1空間S1の吸光物質濃度をモニターしつつ、ガス置換動作を行うことができる。
なお、本実施形態においては、ペリクル枠PF1の端部C2と空間形成部材200の端部C3とをそれぞれ平坦面とし、互いを密着させてこの接合部でのガスの出入りを遮断しているが、一方の端部C2を例えば凹凸形状とした場合でも、他方の端部C3の形状を一方の端部C2の形状に対応させ、互いに密着させることにより、接合部でのガスの出入りを遮断できる。
また、図6に示すように、空間形成部材200の端部C3に平面視環状に溝400を形成し、この溝400に接続部としてのOリング401を配置し、ペリクル枠PF1と空間形成部材200とを接続した際の第2空間S2の密閉性を高めるようにしてもよい。この場合、用いるOリング401はフッ素系樹脂を基調とした脱ガスの少ない材質によって構成されていることが好ましい。更に、図6に示したように、空間形成部材200のうちペリクル枠PF1に接続される側の端部C3に、ペリクル枠PF1の外周を覆うような大口部402を形成してもよい。大口部402を形成することにより、ペリクル枠PF1と空間形成部材200とを接続する際、大口部402にペリクル枠PF1を嵌合するように接続することによって、ペリクル枠PF1と空間形成部材200との位置合わせを容易に行うことができる。なお、図6では大口部402は空間形成部材200側に形成されているが、ペリクル枠PF1側に形成されていても構わないし、ペリクル枠PF1と空間形成部材200との双方に形成されていても構わない。更に、Oリング401やこのOリング401を配置する溝400もペリクル枠PF1に形成されていても構わない。
上記実施形態では、マスクMにはペリクル枠PF1が接続され、ペリクル枠PF1の端部C2にペリクルPEが装着され、ペリクル枠PF1の端部C2に対して、第2枠部材PF2と板状部材Bとからなる空間形成部材200が接続される構成であるが、図7に示すように、ペリクル枠PF1と第2枠部材PF2との間にペリクルPEを挟んで一体構造とし、第2枠部材PF2の端部C4に対して板状部材Bが接続・分離する構成とすることもできる。そして、第1空間S1のガス置換を行う際には、第2枠部材PF2の端部C4に板状部材Bを接続して第2空間S2を形成してからガス置換を行い、露光処理する際には第2枠部材PF2から板状部材Bを分離してマスクステージMSTにロードすればよい。この場合、板状部材Bが第2空間S2を形成する空間形成部材となる。更に、第1枠部材(ペリクル枠)PF1と第2枠部材PF2との間にペリクルPEを挟むようにせず、ペリクル枠を図中Z方向に長く形成しておくとともにペリクル枠のZ方向中間位置にペリクルPEを装着し、第1空間S1のガス置換をする際にはこのペリクル枠の端部C2に板状部材Bを接続する構成としてもよい。
また、板状部材Bが第2枠部材PF2に対して分離する構成とする際には、図8に示すように、板状部材Bのうち第2枠部材PF2の端部C4と接続される部分に平面視環状の溝405を形成するとともに、この溝405にOリング406を配置し、板状部材Bと第2枠部材PF2とを接続した際、第2空間S2の密閉性を高めるようにしてもよい。更にこの場合も、図8に示したように、板状部材Bのうち第2枠部材PF2に接続される部分に、第2枠部材PF2の外周を覆うような係止部407を形成してもよい。係止部407を形成することにより、第2枠部材PF2と板状部材Bとを接続する際、係止部407に第2枠部材PF2を嵌合するように接続することによって、第2枠部材PF2と板状部材Bとの位置合わせを容易に行うことができる。
上記実施形態において、ペリクル枠PF1を備えたマスクMがマスクライブラリMLからマスクガス置換室70に搬送される際には、空間形成部材200に載置された状態で搬送されるか、あるいは端部C2と端部C3とを粘着テープなどで固定した状態で搬送される構成であるが、図9に示すように、ペリクル枠PF1のうち空間形成部材200と接続する端部C2側にフランジ部410を設けるとともに、空間形成部材200のうちペリクル枠PF1と接続する端部C3側にもフランジ部411を設け、これらフランジ部410,411どうしをクランプ部材412によって固定するようにしてもよい。そして、マスクガス置換室70において第1空間S1のガス置換が終了したら、クランプ部材412による固定を解除してペリクル枠PF1と空間形成部材200との接続を解き、ペリクル枠PF1及びペリクルPEを備えたマスクMをマスクステージMSTにロードすればよい。なお、この場合、マスクガス置換室70にはクランプ部材412をフランジ部410,411から取り外すクランプ解除装置が設けられる。
なお、ペリクル枠PF1と空間形成部材200とを接着剤で接続した際、汚染物質を含む脱ガスが発生する場合があるが、脱ガスが発生したら光オゾン洗浄してもよい。光オゾン洗浄とは、エキシマランプ等による波長200nm以下の光を洗浄対象物に照射し、微量の酸素、オゾンと洗浄対象物に付着している有機物などの汚染物質とを反応させ、汚染物質を除去する方法である。そして、エキシマランプなどの光オゾン洗浄用光源を例えばマスクガス置換室70に設置しておくことにより、ペリクル枠PF1と空間形成部材200とを接着する接着剤から発生した汚染物質をマスクガス置換室70において除去できる。また、板状部材Bを、弗化カルシウム(蛍石)や弗化バリウム、あるいは弗化リチウム、石英、フッ素をドープした石英など、波長が200nm以下の光を透過可能な材質にし、かつその厚さを100μm〜800μmの範囲内で形成しておくことにより、ペリクル枠PF1と空間形成部材200とを接続した状態のままで、板状部材B側からマスクMに対して光洗浄用光源から光を照射することにより、マスクガス置換室70においてマスクMを光洗浄することもできる。光洗浄する場合の照明光は、波長172nm、波長193nm、あるいは波長193nmより長波長の紫外域の光と用いることが望ましい。
上記実施形態では、マスクMはマスクライブラリMLにおいてペリクル枠PF1に空間形成部材200が予め接続されており、マスク搬送機構102によって空間形成部材200とともにマスクガス置換室70に搬送される構成であるが、マスクライブラリMLにおいてマスクMと空間形成部材200とを接続しておかずに、図10に示すように、マスクガス置換室70においてマスクMのペリクル枠PF1に空間形成部材200を接続するようにしてもよい。図10において、マスクガス置換室70にはマスクMのペリクル枠PF1の端部C2に接続可能な接続部としての端部C3を有する空間形成部材200が予め配置されており、空間形成部材200はこの空間形成部材200を昇降可能な昇降装置450に支持されている。また、マスクガス置換室70内にはマスク搬送機構102及びマスクローダ101のそれぞれに対してマスクMを受け渡し可能な搬送装置86’が設けられている。マスクMはペリクル枠PF1に空間形成部材200を接続していない状態でマスクライブラリMLに収容されており、マスク搬送機構102によってマスクライブラリMLから搬送装置86’に渡される。そして、マスクMの第1空間S1をガス置換する際には、まず、マスクガス置換室70においてマスクMの下面のうちペリクル枠PF1が取り付けられている位置の外側を搬送装置86’で支持する。次いで、昇降装置450によって空間形成部材450を上昇し、空間形成部材450の端部C3とマスクMのペリクル枠PF1の端部C2とを接続する。更に、マスクMの上方から押圧装置87でマスクMを押圧し、端部C2と端部C3とを密着させる。そして、ペリクル枠PF1の端部C2と空間形成部材200の端部C3とを密着したら、置換室用ガス置換機構300でマスクガス置換室70のガスを特定ガスに置換することにより、第1空間S1のガスが特定ガスに置換される。ガス置換が終了したら、押圧装置87が上昇するとともに空間形成部材200も昇降装置450によって下降し、搬送装置86’がマスクMをマスクローダ101に渡す。
次に、本発明の第2実施形態について、図11及び図12を参照しながら説明する。図11は本発明のガス置換装置の第2実施形態に係る斜視図、図12は図11の側方断面図である。ここで、以下の説明において、上述した第1実施形態と同一あるいは同等の構成部分についてはその説明を簡略もしくは省略する。
第2実施形態に係るガス置換装置CH2は、マスクMをペリクル枠PF1と空間形成部材200とを接続した状態で収容するマスクガス置換室70と、第1開口部h1を介して第1空間S1に特定ガスを供給可能な特定ガス供給装置(ガス置換機構)301Aと、第2開口部h2を介して第2空間S2に特定ガスを供給可能な特定ガス供給装置(圧力調整機構)301Bと、特定ガス供給装置301Aと第1空間S1とを第1開口部h1を介して接続する流路308Aと、特定ガス供給装置301Bと第2空間S2とを第2開口部h2を介して接続する流路308Bとを備えている。流路308A,308Bはステンレス鋼などの不純物の発生の少ない材質からなるガス配管であり、マスクガス置換室70の壁部には、流路308A,308Bを挿通可能な穴が形成されている。また、図11及び図12には図示されていないが、マスクガス置換室70にはこのマスクガス置換室70のガスを特定ガスに置換する置換室用ガス置換機構300が接続されている。
第1開口部h1及び第2開口部h2のそれぞれには、流路308A及び流路308Bのそれぞれと接続可能な継手(第1連結部)309A及び継手(第2連結部)309Bが予め取り付けられている。流路308A,308Bは継手309A,309Bに対して取り付け・取り外し自在となっている。また、第1,第2開口部h1,h2のそれぞれには、第1,第2空間S1,S2に対するパーティクルの侵入を防ぐパーティクルフィルタ310A、310Bがそれぞれ取り付けられている。フィルタ310A及びフィルタ310Bのそれぞれは同一の材質・構造となっている。また、ペリクル枠PF1には、継手309Aが取り付けられている第1開口部h1とは異なる位置に、別の第1開口部h1が形成されている。同様に、空間形成部材200には、継手309Bが取り付けられている第2開口部h2とは異なる位置に別の第2開口部h2が形成されている。
図11に示すように、流路308Aの途中には、第1空間S1に対する特定ガスの単位時間当たりの流量を調整するバルブなどの流量調整装置311Aが設けられている。同様に、流路308Bの途中には、第2空間S1に対する特定ガスの単位時間当たりの流量を調整するバルブなどの流量調整装置311Bが設けられている。また、流路308A、308Bの途中には、流路308A,308Bを介して第1空間S1及び第2空間S2の圧力を検出可能な圧力検出装置313が設けられている。圧力検出装置313の検出結果は制御装置CONTに出力され、制御装置CONTは圧力検出装置313の検出結果に基づいて、流量調整装置311A、311Bを制御する。流量調整装置311A、311Bが圧力調整装置として機能する。また、マスクガス置換室70には、マスクガス置換室70内部の酸素濃度を検出可能な酸素濃度検出装置312と、マスクガス置換室70内部の水分濃度を検出可能な水分濃度検出装置313とが接続されている。本実施形態において、第1空間S1に特定ガスが特定ガス供給装置301Aを介して供給され、また、第2空間S2に対しても特定ガスが特定ガス供給装置301Bを介して供給される。しかしながら、特定ガス供給装置301Aと特定ガス供給装置301Bとをそれぞれ別々に設ける必要はなく、一台の特定ガス供給装置を兼用してもよい。すなわち、特定ガス供給装置301Aが特定ガス供給装置301Bを兼用してもよい。
また第2空間S2に対しても、本実施形態では第1空間S1に供給される特定ガスと同じガスを供給しているが、第1空間S1の圧力と第2空間S2の圧力とがほぼ同じになるように第2空間S2の圧力を調整できればよいので、第2空間S2に必ずしも特定ガスを供給する必要はなく、特定ガスとは異なるガス、例えば、ドライエアを供給するように構成してもよい。
次に、上述した構成を有するガス置換装置CH2によってマスクMの第1空間S1と特定ガスに置換する方法について説明する。
まず、マスクガス置換室70に収容されているマスクMのうち、ペリクル枠PF1の第1開口部h1に取り付けられている継手309Aに流路308Aが接続されるとともに、ペリクル枠PF1に接続されている空間形成部材200の第2開口部h2に取り付けられている継手309Bに流路309Aが接続される。そして、制御装置CONTは、特定ガス供給装置301Aから流路308Aを介して第1空間S1に特定ガスを供給する。特定ガスが供給されることによって第1空間S1内部のガスは別の第1開口部h1から排出され、第1空間S1は特定ガスに置換される。
第1空間S1に対する特定ガスの供給とともに、第2空間S2に対しても特定ガス供給装置301Bから流路308Bを介して特定ガスが供給される。ここで、制御装置CONTは、第2空間S2の圧力と第1空間S1の圧力とがほぼ同じ圧力になるように、第2空間S2に対する特定ガスの単位時間当たりの流量を流量調整装置311Bを用いて調整する。流量調整装置311Bによって第2空間S2に対する特定ガスの単位時間当たりの流量を調整することにより、第2空間S2内部の圧力が制御される。第2空間S2の圧力を調整するに際し、圧力検出装置313により流路308Aを介して第1空間S1の圧力が検出される。圧力検出装置313の検出結果は制御装置CONTに出力され、制御装置CONTは、第1空間S1の圧力検出結果に基づいて、第2空間S2の圧力が第1空間S1の圧力とほぼ同じ圧力になるように、流量調整装置311Bを制御する。
こうして、第1空間S1及び第2空間S2のそれぞれの圧力をほぼ同じ圧力に調整しつつ、継手309A,309Bが取り付けられている第1,第2開口部h1,h2のそれぞれから第1空間S1及び第2空間S2に対して特定ガスを供給することにより、別の第1,第2開口部h1,h2から第1,第2空間S1,S2内部のガスが排出され、やがて第1,第2空間S1,S2は特定ガスに置換される。なお、圧力検出装置313は、第1空間S1の圧力だけを検出してもよい。
ここで、第1,第2空間S1,S2内部のガスは、別の第1,第2開口部h1,h2を介してマスクガス置換室70内部に排出されるが、マスクガス置換室70の内部のガスは、置換室用ガス置換機構300の真空ポンプ306によってマスクガス置換室70に排気される。
そして、マスクガス置換室70には酸素濃度検出装置312及び水分濃度検出装置313が接続されており、これら検出装置312,313の検出結果は制御装置CONTに出力される。制御装置CONTはこれら検出装置312,313の検出結果に基づいて、マスクガス置換室70の酸素・水分濃度、ひいては第1空間S1の酸素・水分濃度が所定値以下(例えば数ppm以下)になった時点で、第1空間S1が特定ガスに置換されたと判断し、第1空間S1及び第2空間S2に対する特定ガスの供給を停止する。こうして、第1空間S1が特定ガスで満たされたマスクMからは空間形成部材200が分離され、マスクMはマスクローダ101によってマスクステージMSTにロードされる。
以上説明したように、第1空間S1に第1開口部h1を介して特定ガスを直接供給するようにしてもよい。そして、第1空間S1の圧力を検出し、この検出結果に基づいて第2空間S2の圧力が第1空間S1の圧力と同じ圧力になるように第2空間S2に対する特定ガスの単位時間当たりの流量を調整することにより、ペリクルPEを大きく変形させることなく安定したガス置換ができる。
なお、本実施形態では、第1,第2開口部h1,h2から第1,第2空間S1,S2に対して特定ガスを供給することによって、別の第1,第2開口部h1,h2から空間内部のガスを排気する構成であるが、別の第1,第2開口部h1,h2に継手を取りつけ、この継手に真空ポンプなどのガス排出装置の流路を接続して、空間内部のガスを積極的に排出してもよい。この場合、ガス排出装置のガス排気量と、特定ガス供給装置から供給される特定ガスの供給量とが、ほぼ同じになるように調整されることによって、第1空間S1内の圧力と、第2空間S2内の圧力とをほぼ等しくすることができる。
本実施形態では、第1空間S1に対して流路308Aを介して特定ガスを直接供給する構成であるため、空間形成部材200に接続されたマスクMを密閉室であるマスクガス置換室70に必ずしも配置する必要はない。一方、本実施形態のように、ガス置換を密閉室内で行うことにより、酸素濃度検出装置312や水分濃度検出装置313によってガス置換の状態を検出できる。なお、酸素濃度検出装置や水分濃度検出装置を、別の第1開口部h1や第2開口部h2に直接接続する構成とすることもできる。
本実施形態では、流路308A,308Bと第1,第2空間S1,S2との接続は継手309A,309Bを介して行っているが、継手を設けずに、ガス供給装置301A,301Bに接続された流路308A,308Bを第1,第2開口部h1,h2のそれぞれに押し当てるようにして接続し、ガス置換を行ってもよい。一方、継手309A,309Bを設けて第1,第2開口部h1,h2と流路308A,308Bとのそれぞれの間からのガスのリーク量を抑えることによって、第1空間S1と第2空間S2との圧力をほぼ同じ圧力にするための圧力制御は安定される。
なお、本実施形態では、第1空間S1と第2空間S2との体積はほぼ等しく設定されており、第1開口部h1及び第2開口部h2の大きさや設置数、フィルタ310A及びフィルタ310Bも同等であるので、圧力検出装置313によって第1空間S1の圧力検出をし、この検出結果に基づいて第2空間S2に対する特定ガスの単位時間当たりの流量調整をしなくても、流量調整装置311A及び流量調整装置311Bを制御して第1空間S1及び第2空間S2に対する単位時間当たりのガス流量をほぼ等しくなるように設定することによって、第1空間S1の圧力と第2空間S2の圧力とをほぼ同じ圧力にした状態で、第1空間S1のガス置換を行うことができる。
本実施形態では、第1空間S1内部の圧力を検出する圧力検出装置は、流路308Aの途中に設けられ、流路308Aを介して第1空間S1の圧力を検出する構成であるが、例えば別の第1開口部h1に圧力検出装置を直接取り付けることもできる。更に、第2空間S2の圧力調整は、圧力検出装置の検出結果に寄らず、例えば、光学式の変位量計測装置によって第1空間S1と第2空間S2との圧力差に基づくペリクルPEの変位量を計測し、この計測結果によって、ペリクルPEの変位量が小さくなるように、第2空間S2の圧力調整をしてもよい。光学式の変位量計測装置を用いる際には、例えば空間形成部材200の板状部材Bを透明基板とし、この透明基板を介してペリクルPEの変位量を計測すればよい。
次に、本発明の第3実施形態について図13を参照しながら説明する。
図13に示すように、マスクMは、パターンPAを保護するペリクルPEと、ペリクルPEをマスクMに対して所定間隔離して保持するペリクル枠PF1とを備えている。なお、図13では、マスクMのパターンPA面が上に向けられた状態を描いている。
本実施形態の特徴的な部分は、ペリクル枠PF1に接続されている空間形成部材200の形状である。本実施形態に係る空間形成部材200は、図13に示すように、中央部がペリクルPEから離れる方向に膨出した形状を有している。すなわち、本実施形態における第1空間S1と第2空間S2とは異なる体積及び形状に設定されている。
空間形成部材200のうち、図中、上面に空間形成部材200とペリクルPEとの間に形成されている第2空間S2内部と外部とを連通する第2開口部h2が1つ形成されている。一方、ペリクル枠PF1には第1空間S1の内部と外部とを連通する第1開口部h1が2つ形成されている。すなわち、本実施形態では、第1開口部h1と第2開口部h2との大きさ・設置数が異なっている。
第1開口部h1にはパーティクルフィルタ501が設けられている。一方、第2開口部h1には、第1開口部h1に設けられているパーティクルフィルタ501とは材質あるいは構造が異なる別のパーティクルフィルタ502が設けられている。パーティクルフィルタ501,502の材質・構造は、2つの第1開口部h1を介して流れるガスの単位時間当たりの総流量と、1つの第2開口部h2を介して流れるガスの単位時間当たりの総流量とが等しくなるように設定されている。
第1空間S1のガスを特定ガスに置換するには、マスクMのペリクル枠PF1と空間形成部材200とを接続した状態でマスクガス置換室70に設置し、第1実施形態同様、置換室用ガス置換機構300によってガス置換する。このとき、第1空間S1と第2空間S2との体積や形状が異なっていても、フィルタ501,502のそれぞれの材質・構造を調整し、第1開口部h1を介して流れるガスの単位時間当たりの総流量と、第2開口部h2を介して流れるガスの単位時間当たりの総流量とをほぼ等しくすることによって、第1空間S1の圧力と第2空間S2の圧力とをほぼ同じ圧力にした状態で第1空間S1のガス置換ができる。
次に、本発明の第4実施形態について図14を参照しながら説明する。
図14に示すガス置換装置CH3は、ペリクル枠PF1を介してペリクルPEが装着されているマスクMを収容する密閉室であるマスクガス置換室70と、マスクガス置換室70に配置されたマスクMのペリクル枠PF1の端部C2に接続され、第1空間S1に対してペリクルPEを挟んで反対側に第2空間S2を形成する圧力調整室600と、圧力調整室600に設置され、第2空間S2の圧力を検出する圧力センサ601と、圧力調整室600に設置され、ペリクルPEの変位量を計測可能な光学式の変位量計測装置602と、ペリクル枠PF1に設置され、第1開口部h1を介して第1空間S1の圧力を検出する圧力検出装置604と、第2空間S2に対して特定ガスを供給可能であるとともに第2空間S2のガスを排出可能であり、第2空間S2の圧力を調整可能な圧力調整装置605とを備えている。
圧力調整装置605は、特定ガスを第2空間S2に供給可能な特定ガス供給装置606と、第2空間S2内部のガスを排気可能な真空ポンプからなるガス排出装置607と、特定ガス供給装置606に対して流路608を介して接続されているとともに、真空ポンプ607に対して流路609を介して接続されている3方向バルブ610と、一端を第2空間S2内部に接続し他端を3方向バルブ610に接続した流路611と、流路608の途中に設けられ、この流路608のガスの単位時間当たりの流量を調整可能なバルブからなる流量調整装置612とを備えている。流路608,609,611はガス配管であり、流路611と圧力調節室600とは継手613を介して接続されている。3方向バルブ610は、流路611と特定ガス供給装置606又は真空ポンプ607のいずれか一方とを選択的に接続する。そして、3方向バルブ610によって、特定ガス供給装置606と流路611とを接続することにより、特定ガス供給装置606から第2空間S2に対して特定ガスが供給可能となっており、真空ポンプ607と流路611とを接続することにより、第2空間S2内部のガスを排出可能となっている。
また、マスクガス置換室70には、第1実施形態で説明した、マスクガス置換室70に対して特定ガスを供給可能であるとともに、マスクガス置換室70のガスを排出可能であり、マスクガス置換室70内部のガスを特定ガスに置換する置換室用ガス置換機構300が接続されている。
次に、上述した構成を有するガス置換装置CH3によって第1空間S1のガスを特定ガスに置換する方法について説明する。
まず、マスクガス置換室70にマスクMが搬送され、マスクMのペリクル枠PF1に対して圧力調節室600が接続される。次に、マスクガス置換室70内部のガスが置換室用ガス置換機構300によって外部に排出される。このとき、第1空間S1のガスは第1開口部h1に設けられているパーティクルフィルタ620を介して外部に排出され、第1空間S1の圧力は低下する。第1空間S1の圧力変化は圧力検出装置604によって検出され、この圧力検出装置604の検出結果は制御装置CONTに出力される。制御装置CONTは圧力検出装置604の検出結果に基づいて、3方向バルブ610を制御し、真空ポンプ607と流路611とを接続する。真空ポンプ607と流路611とが接続することにより、第2空間S2のガスは外部に排出され、第2空間S2の圧力は低下する。第2空間S2の圧力は圧力センサ601によって検出されており、圧力センサ601の検出結果は制御装置CONTに出力される。制御装置CONTは、第2空間S2の圧力と第1空間S1の圧力とがほぼ同じ圧力になるように、真空ポンプ607の出力を調整する。
第1空間S1の圧力が十分に低下した時点で、マスクガス置換室70に置換室用ガス置換機構300より特定ガスを供給する。すると、第1開口部h1を介して第1空間S1に特定ガスが供給され、第1空間S1の圧力は徐々に上昇する。第1空間S1の圧力変化は圧力検出装置604によって検出され、この圧力検出装置604の検出結果は制御装置CONTに出力される。制御装置CONTは圧力検出装置604の検出結果に基づいて、3方向バルブ610を制御し、特定ガス供給装置606と流路611とを接続する。特定ガス供給装置606と流路611とが接続することにより、第2空間S2には特定ガスが供給され、第2空間S2の圧力は上昇する。第2空間S2の圧力は圧力センサ601によって検出されており、圧力センサ601の検出結果は制御装置CONTに出力される。制御装置CONTは、第2空間S2の圧力と第1空間S1の圧力とがほぼ同じ圧力になるように、流量調整装置612を制御し、第2空間S2に対する特定ガスの単位時間当たりの流量を調整する。そして、第1空間S1の圧力が外部の圧力(通常1気圧)と等しくなった時点で圧力調整室600とペリクル枠PF1との接続を解除し、マスクMを露光装置EXのマスクステージMSTに搬送する。
以上説明したように、第1空間S1をガス置換する際には、マスクガス置換室70をガス置換することによってガス置換を行い、第2空間S2をガス置換するには、第2空間S2に特定ガス供給装置から特定ガスを直接供給する構成とすることができる。なお、第4、第5実施形態では、説明の都合上、マスクに形成されたパターン面が紙面上方を向いているが、第1〜第3実施形態と同様に、マスクに形成されたパターン面が紙面下方に向けられたものである。
次に、本発明の第5実施形態について図15及び図16を参照しながら説明する。
図15に示すように、ガス置換装置CH4は、密閉室であるマスクガス置換室70を有しており、マスクガス置換室70にはローダ室120が接続している。そして、ローダ室120には露光装置EXのうちマスク室5が接続している。マスクガス置換室70のマスク室5と反対側にはマスクライブラリMLが設けられている。
図16はマスクガス置換室70の拡大斜視図である。図16に示すように、マスクガス置換室70には、マスクガス置換室70内部のガスを特定ガスに置換する置換室用ガス置換機構300が接続されている。置換室用ガス置換機構300は、第1実施形態において説明したように、マスクガス置換室70に特定ガスを供給可能な特定ガス供給装置301と、マスクガス置換室70内部のガスを排出可能な真空ポンプ306と、マスクガス置換室302に接続している流路302と、特定ガス供給装置301及び真空ポンプ306及び流路302に接続している3方向バルブ303とを備えている。
マスクガス置換室70の内部には、Z方向に複数並んだ支持台700が設けられている。支持台700のそれぞれは、空間形成部材200を接続したマスクMを支持可能となっている。また、支持台70のそれぞれには、置換室用ガス置換機構300によるガス置換がマスクガス置換室70全体に均一に作用されるように、開口部701が形成されている。
マスクガス置換室70全体は不図示の駆動装置によって、図15の矢印z1で示すように、Z方向(上下方向)に往復移動可能となっている。マスクガス置換室70がZ方向に移動することにより、マスクガス置換室70内部でZ方向に複数設置されている複数のマスクMのうち、任意のマスクMに対してローダ室120のマスクローダ101がアクセス可能となっている。
次に、上述した構成を有するガス置換装置CH4によって第1空間S1のガスを特定ガスに置換する方法について説明する。
まず、第1実施形態同様、マスクライブラリMLのマスクMがマスク搬送機構74によってマスクガス置換室70に搬送される。このとき、マスクガス置換室70がZ方向に移動することにより、マスクライブラリMLからのマスクMは複数の支持台700のうち任意の支持台700に容易に設置可能となる。
そして、複数の支持台700のそれぞれでマスクMを支持したら、置換室用ガス置換機構300によって第1実施形態同様、マスクガス置換室70のガスを特定ガスに置換する。すると、第1実施実施形態同様、複数のマスクMのそれぞれの第1空間S1は特定ガスで満たされる。第1空間S1を特定ガスで満たされたマスクMは、ローダ室120を介してマスク室5のマスクステージMSTにロードされる。ここで、1つのマスクMが露光処理に用いられている間、他のマスクMの第1空間S1はマスクガス置換室70において特定ガスを常時供給されている。
以上説明したように、マスクガス置換室70に複数の支持台700を設けてマスクガス置換室70に複数のマスクMを収容することにより、複数のマスクMのそれぞれの第1空間S1に対するガス置換を同時に行うことができる。そして、複数の第1空間S1に対するガス置換を同時に行うことによって、ガス置換動作をマスクMの交換毎(マスクライブラリMLからマスクMをマスクガス置換室70に搬送する毎)に行う必要がなくなり、スループットを向上できる。
なお、マスクガス置換室70が十分に大きく、多数のマスクMを収容可能であれば、マスクガス置換室70をマスクライブラリとして用い、図15に示したマスクライブラリMLを省略することができる。この場合、露光装置全体の省スペース化を実現できる。
なお、上記各実施形態では、ペリクル枠PF1に対して空間形成部材200を接続することにより第2空間S2を形成しているが、例えば、マスクMのそれぞれを収納するマスクケース103(図1参照)の底部に空間形成部材に相当する第2枠部材を一体的に設けておき、マスクケース103内部で第1空間S1のガス置換を行うこともできる。あるいは、マスクライブラリMLや図16に示した支持台700の底部に空間形成部材に相当する第2枠部材を一体的に設けておき、この第2枠部材とペリクル枠PF1とを接続し、マスクライブラリML内部で第1空間S1のガス置換を行うようにしてもよい。
本実施形態では、マスク室5及びウェハ室6を備える構成について説明したが、マスク室5を設けずに、照明光学系ILと投影光学系PLとの間の空間における露光光の光路部分だけを局所的にガス置換する構成であってもよい。また、ウェハ室6についても同様に、ウェハ室6を設ける代わりに、投影光学系PLとウェハWとの間の空間のうち、露光光の光路部分だけを局所的にガス置換する構成であってもよい。
また、本実施形態では、空間形成部材200の一端部C3がペリクル枠PF1の端部に接続される構成であったが、この空間形成部材200の一端部C3をマスク表面に接続する構成にしてもよい。また、空間形成部材200の一端部C3をペリクル枠PF1の側面に接続するように形成してもよい。
本発明に係るウエハWとしては半導体デバイス用の半導体ウエハのみならず、薄膜磁気ヘッド用のセラミックウエハや、液晶表示デバイス用のガラスプレートであってもよい。
露光装置EXとしてはマスクMとウエハWとを静止した状態でマスクMのパターンを露光し、ウエハWを順次ステップ移動させるステップ・アンド・リピート方式の露光装置(ステッパー)に限らず、マスクMとウエハWとを同期移動してマスクMのパターンをウエハWに露光するステップ・アンド・スキャン方式の走査型露光装置(スキャニング・ステッパー)にも適用することができる。
露光装置EXの種類としては、上記半導体製造用のみならず、液晶表示デバイス製造用の露光装置や、薄膜磁気ヘッド、撮像素子(CCD)あるいはマスクMなどを製造するための露光装置などにも広く適用できる。
また、照明光学系ILの光源1として、YAGレーザや半導体レーザなどの高周波などを用いてもよい。
投影光学系PLの倍率は、縮小系のみならず、等倍系および拡大系のいずれでもよい。
また、投影光学系PLとしては、エキシマレーザなどの遠紫外線を用いる場合は硝材として石英や蛍石などの遠紫外線を透過する材料を用い、F2レーザを用いる場合は反射屈折系または屈折系の光学系にすればよい。
ウエハステージWSTの移動により発生する反力は、特開平8−166475号公報に記載されているように、フレーム部材を用いて機械的に床(大地)に逃がしてもよい。本発明は、このような構造を備えた露光装置においても適用可能である。
マスクステージMSTの移動により発生する反力は、特開平8−330224号公報に記載されているように、フレーム部材を用いて機械的に床(大地)に逃がしてもよい。本発明は、このような構造を備えた露光装置においても適用可能である。
以上のように、本願実施形態の露光装置は、本願特許請求の範囲に挙げられた各構成要素を含む各種サブシステムを、所定の機械的精度、電気的精度、光学的精度を保つように、組み立てることで製造される。これら各種精度を確保するために、この組み立ての前後には、各種光学系については光学的精度を達成するための調整、各種機械系については機械的精度を達成するための調整、各種電気系については電気的精度を達成するための調整が行われる。各種サブシステムから露光装置への組み立て工程は、各種サブシステム相互の、機械的接続、電気回路の配線接続、気圧回路の配管接続等が含まれる。この各種サブシステムから露光装置への組み立て工程の前に、各サブシステム個々の組み立て工程があることはいうまでもない。各種サブシステムの露光装置への組み立て工程が終了したら、総合調整が行われ、露光装置全体としての各種精度が確保される。なお、露光装置の製造は温度およびクリーン度等が管理されたクリーンルームで行うことが望ましい。
半導体デバイスは、図17に示すように、デバイスの機能・性能設計を行うステップ201、この設計ステップに基づいたマスクを製作するステップ202、デバイスの基材となる基板(ウエハ、ガラスプレート)を製造するステップ203、前述した実施形態の露光装置によりマスクのパターンを基板(ウエハ)に露光する基板処理ステップ204、デバイス組み立てステップ(ダイシング工程、ボンディング工程、パッケージ工程を含む)205、検査ステップ206等を経て製造される。
産業上の利用可能性
本発明のガス置換方法及びガス置換装置によれば、枠部材に形成した第1開口部を介して第1空間内部のガスを特定ガスに置換する際、第1空間に対して保護部材を挟んで反対側に第2空間を形成する空間形成部材を配置し、この第2空間の圧力を調整しつつ第1空間のガス置換を行うことにより、保護部材にはガス置換に伴う圧力変化に基づく過剰な力が作用せず、保護部材は大きく変形しない。したがって、保護部材の破損や劣化を防止しつつ迅速で安定したガス置換ができる。
本発明のマスク保護装置及びマスクによれば、第1空間のガス置換を行う際、第2空間の圧力を調整しつつ第1空間のガス置換を行うことができ、保護部材に対してガス置換に伴う圧力変化に基づく過剰な力が作用することを防止できる。したがって、保護部材を大きく変形させることなく迅速で安定したガス置換ができる。また、マスクを輸送する場合などにおいて、保護部材は板状部材によって保護されるので、マスクのパターンは保護部材によって確実に保護されるとともに、保護部材の劣化や汚れの付着、損傷も防止できる。
本発明の露光方法及び露光装置によれば、枠部材に形成した第1開口部を介して第1空間内部のガスを露光光に対する吸収が少ない特性を有する特定ガスに置換する際、第1空間に対して保護部材を挟んで反対側に第2空間を形成する空間形成部材を配置し、この第2空間の圧力を調整しつつ第1空間のガス置換を行うことにより、保護部材にはガス置換に伴う圧力変化に基づく過剰な力が作用しない。したがって、保護部材の破損や光学特性の変化(劣化)を防止しつつ迅速で安定したガス置換ができ、マスクのパターンは確実に保護されて短波長の露光光を用いた場合でも精度良い露光処理ができる。
【図面の簡単な説明】
図1は本発明のガス置換装置を備えた露光装置を示す概略構成図である。
図2は本発明のマスク及びマスク保護装置を示す図であって、図2Aは平面図、図2Bは図2AのA−A矢視図である。
図3は本発明のマスク及びマスク保護装置を示す斜視図である。
図4は本発明のガス置換装置の第1実施形態を示す斜視図である。
図5は本発明のガス置換装置のうち搬送系を示す側面図である。
図6は本発明のマスク及びマスク保護装置の他の実施形態を示す側方断面図である。
図7は本発明のマスク及びマスク保護装置の他の実施形態を示す斜視図である。
図8は本発明のマスク及びマスク保護装置の他の実施形態を示す側方断面図である。
図9は本発明のマスク及びマスク保護装置の他の実施形態を示す側方断面図である。
図10は本発明のガス置換装置の他の実施形態を示す側面図である。
図11は本発明のガス置換装置の第2実施形態を示す斜視図である。
図12は図11の要部を拡大した側方断面図である。
図13は本発明のガス置換装置の第3実施形態を示す斜視図である。
図14は本発明のガス置換装置の第4実施形態を示す側方断面図である。
図15は本発明のガス置換装置の第5実施形態を示す概略構成図である。
図16は図15の要部を拡大した斜視図である。
図17は半導体デバイスの製造工程の一例を示すフローチャート図である。
本発明は、例えば、半導体素子製造における露光工程で用いられるガス置換方法及びガス置換装置、並びに露光方法及び露光装置に関するものである。
本出願は、日本国特許出願2001−313136号を基礎としており、その内容を本明細書に組み込む。
背景技術
従来より、半導体素子や薄膜磁気ヘッドあるいは液晶表示素子等をフォトリソグラフィ工程で製造する場合に種々の露光装置が使用されている。この露光装置は、フォトマスクあるいはレチクル(以下、「マスク」と称する)に形成されたパターンの像を、表面にフォトレジスト等の感光剤が塗布された基板上に投影光学系を介して投影する構成である。そして、近年、基板上のショット領域に投影されるパターン形状の微細化の要求に伴い、使用される露光用照明光(以下、「露光光」と称する)は短波長化される傾向にある。すなわち、これまで主流だった水銀ランプに代わって、KrFエキシマレーザー(248nm)、ArFエキシマレーザー(193nm)を用いた露光装置が実用化されつつある。また、更なるパターン形状の微細化を目指してF2レーザー(157nm)を用いた露光装置の開発も進められている。
このような露光装置において、露光光として約180nm以下の波長を有する真空紫外線光を用いる場合、この露光光が通過する空間である光路空間内に、例えば、酸素分子、水分子、二酸化炭素分子などといった、かかる波長域の光に対し強い吸収特性を有する物質(以下、「吸光物質」と称する)が存在していると、この露光光は減光されてしまい、十分な強度で基板上に到達できなくなる。したがって、真空紫外線光を用いた露光装置は、露光光の通過する光路空間の密閉性を高めて外部からの吸光物質の流入を遮断するような構造になっているとともに、露光に際し、光路空間内に存在する吸光物質を低減する作業が施される。
ところで、上記のようなマスクは、パターン面に対するゴミの付着防止や保護を目的としてペリクルと呼ばれる保護部材を備えている。このペリクルは、例えば、ニトロセルロース等を主成分とする透光性の薄膜によって構成されており、ペリクル枠と呼ばれる枠部材を介してマスクに装着されている。このとき、ペリクルとマスクとの間には空間が形成され、この空間に吸光物質が存在していても、真空紫外線光の露光光が減光されてしまう。そのために、ペリクルとマスクとの間に形成される空間内の吸光物質を低減する必要がある。
発明の開示
本発明はこのような事情に鑑みてなされたもので、マスク等の基板とこの基板に枠部材を介して装着された保護部材との間に形成される空間内のガスを効率良く安定して置換できるガス置換方法及びガス置換装置を提供することを第1の目的とする。
また、前記空間内の吸光物質を低減して精度良い露光処理ができる露光方法及び露光装置、並びにこれに用いられるマスク及びマスク保護装置を提供することを第2の目的とする。
上記の課題を解決するため本発明は、実施の形態に示す図1〜図17に対応付けした以下の構成を採用している。
本発明のガス置換方法は、パターン(PA)が形成された基板(M)と、基板(M)のパターン(PA)が形成された面を保護する保護部材(PE)と、保護部材(PE)を基板(M)に対して所定間隔離して保持する枠部材(PF1)との間に形成される第1空間(S1)内のガスを所定ガスに置換するガス置換方法において、第1空間(S1)に対して保護部材(PE)を挟んで反対側に第2空間(S2)を形成する空間形成部材(200)を配置し、第2空間(S2)の圧力を調整しつつ、枠部材(PF1)に設けられている第1空間(S1)内部と外部とを連通する第1開口部(h1)を介して前記第1空間内のガスを所定ガスに置換することを特徴とする。
本発明のガス置換装置(CH)は、パターン(PA)が形成された基板(M)と、基板(M)のパターン(PA)が形成された面を保護する保護部材(PE)と、保護部材(PE)を基板(M)に対して所定間隔離して保持する枠部材(PF1)との間に形成される第1空間(S1)内のガスを所定ガスに置換するガス置換装置において、枠部材(PF1)は、第1空間(S1)内部と外部とを連通する第1開口部(h1)を備え、第1開口部(h1)を介して、第1空間(S1)に対する所定ガスの供給及び第1空間内部のガスの排出の少なくとも一方を行うガス置換部(300)と、第1空間(S1)に対して保護部材(PE)を挟んで反対側に第2空間(S2)を形成する空間形成部材(200)と、第2空間(S2)の圧力を調整する圧力調整装置(300)とを備えることを特徴とする。
本発明によれば、第1空間内部のガス置換をする際、第1空間に対して保護部材を挟んで反対側に第2空間を形成する空間形成部材を配置し、この第2空間の圧力を調整しつつ第1空間のガス置換を行うことにより、保護部材にはガス置換に伴う圧力変化に基づく過剰な力が作用しない。したがって、保護部材は破損したり劣化したりすることなく迅速で安定したガス置換ができる。
ここで、保護部材は、ペリクルなど光を透過可能な薄膜状部材の他に、ガラス薄板など光を透過可能な光学素子を含む。
本発明のマスク保護装置(250)は、マスク(M)に備えられた所定のパターン(PA)を保護する保護部材(PE)と、一方の端部(C2)に保護部材(PE)が取り付けられた第1枠部材(PF1)とを有するマスク保護装置において、第1枠部材(PF1)の一方の端部(C2)に接続される接続部(C3)が一端部(C3)に形成された第2枠部材(PF2)と、第2枠部材(PF2)の他端部(C4)に装着され、保護部材(PE)と第2枠部材(PF2)との間で空間(S2)を形成する板状部材(B)とを備えることを特徴とする。
本発明によれば、マスクと保護部材と枠部材との間に形成される第1空間のガス置換を行う際、保護部材と第2枠部材と板状部材との間に形成される第2空間の圧力を調整しつつ第1空間のガス置換を行うことができ、保護部材に対してガス置換に伴う圧力変化に基づく過剰な力が作用することを防止できる。したがって、保護部材にダメージを与えることなく迅速で安定したガス置換ができる。また、マスクを輸送する場合などにおいて、保護部材は板状部材によって保護される。
本発明のマスク(M)は、所定のパターン(PA)を備えたマスクにおいて、第1枠部材(PF1)の他方の端部(C1)を介してマスク保護装置(250)が接続されたことを特徴とする。
本発明によれば、例えば輸送時においてマスクのパターンは保護部材及び板状部材によって確実に保護される。更に、保護部材は板状部材によって保護される。露光処理を行う際には、第2枠部材の一端部に形成された接続部を第1枠部材から離脱させる。
本発明の露光方法は、枠部材(PF1)を介して保護部材(PE)で保護されたマスク(M)のパターン(PA)で感光性基板(W)を露光する露光方法において、枠部材(PF1)は、保護部材(PE)とマスク(M)との間に形成される第1空間(S1)内部と外部とを連通する第1開口部(h1)を備え、第1空間(S1)に対して保護部材(PE)を挟んで反対側に第2空間(S2)を形成する空間形成部材(200)を配置し、第2空間(S2)の圧力を調整しつつ、第1開口部(h1)を介して前記第1空間内のガスを露光光(EL)に対する吸収が少ない特性を有する特定ガスに置換し、露光処理を行うことを特徴とする。
本発明の露光装置(EX)は、枠部材(PF1)を介して保護部材(PE)で保護されたマスク(M)のパターン(PA)で感光性基板(W)を露光する露光装置において、枠部材(PF1)は、保護部材(PE)とマスク(M)との間に形成される第1空間(S1)内部と外部とを連通する第1開口部(h1)を備え、第1開口部(h1)を介して、第1空間(S1)に対する露光光(EL)に対する吸収が少ない特性を有する特定ガスの供給及び第1空間(S1)内部のガスの排出の少なくとも一方を行うガス置換部(300)と、第1空間(S1)に対して保護部材(PE)を挟んで反対側に第2空間(S2)を形成する空間形成部材(200)と、第2空間(S2)の圧力を調整する圧力調整装置(300)とを具備するガス置換装置(CH)を備えることを特徴とする。
本発明によれば、第1空間内部のガス置換をする際、第1空間に対して保護部材を挟んで反対側に第2空間を形成する空間形成部材を配置し、この第2空間の圧力を調整しつつ第1空間のガス置換を行うことにより、保護部材にはガス置換に伴う圧力変化に基づく過剰な力が作用しない。したがって、保護部材は破損したり光学特性が変化(劣化)したりすることなく、迅速で安定したガス置換ができ、マスクのパターンは確実に保護されて精度良い露光処理ができる。
発明を実施するための最良の形態
以下、本発明のガス置換装置及び露光装置の第1実施形態について図面を参照しながら説明する。図1は本発明に係る露光装置の全体概略構成図である。
図1において、露光装置EXは、光源1から露光光ELでマスクステージMSTに支持されたマスク(基板)Mを照明する照明光学系ILと、露光光ELで照明されたマスクMのパターンをウエハステージWSTに支持されたウエハ(感光性基板)Wに投影する投影光学系PLとを備えている。マスクステージMSTは密閉空間であるマスク室5内部に設置され、ウエハステージWSTは密閉空間であるウエハ室6内部に設置されている。
光源1は、波長約120nm〜約180nmの真空紫外線光を照明光学系ILに射出するものであって、例えば発振波長157nmのフッ素レーザー(F2レーザー)によって構成される。なお、光源1として、発振波長193nmのArFレーザーエキシマレーザーや、発振波長146nmのクリプトンダイマーレーザー(Kr2レーザー)、発振波長126nmのアルゴンダイマーレーザー(Ar2レーザー)を用いることもできる。
照明光学系ILは、光源1から射出し第1ミラー22によって導かれた光束(レーザービーム)をほぼ均一な照度分布の光束に調整して露光光ELに変換するオプティカルインテグレータ(例えば、フライアイレンズやロッドレンズ等で構成される)24と、露光光ELを反射しレンズ系26に導く第2ミラー25と、レンズ系26を介した露光光ELを通過可能な開口を有し、マスクMに対する露光光ELの照明範囲を規定するブラインド部BLと、ブラインド部BLを通過した露光光ELをマスクMに導く第3ミラー28とを備えている。そして、これら各光学素子及びブラインド部BLは、密閉空間である照明系ハウジング20の内部に所定位置関係で配置されている。この場合、ブラインド部BLはマスクMのパターン面と共役な面に配置されている。
マスク室5に設置されているマスクステージMSTはマスクMを真空吸着によって保持するマスクホルダを有している。マスクステージMSTはマスクMに形成されているパターン領域に対応した開口を備えており、ボイスコイルモータなどの駆動機構によりX方向、Y方向、θ方向(Z軸回りの回転方向)に微動可能となっており、これによって、パターン領域の中心が投影光学系PLの光軸AXを通るようにマスクMの位置決めをする。また、マスク室5の天井部には、照明系ハウジング20の内部空間とマスク室5の内部空間とを分離するように透過窓56が配置されており、照明光学系ILからの露光光ELは透過窓56を介してマスクMを照明する。
投影光学系PLは、露光光ELで照明されたマスクMのパターンをウエハWに露光するものであって、複数の光学素子から構成され、鏡筒(投影系ハウジング)30内部に支持されている。
ウエハ室6に設置されているウエハステージWSTはウエハWを真空吸着によって保持するマスクホルダWHを有している。ウエハステージWSTは第1の水平方向(X方向)に移動可能なXステージと、第1の水平方向とは異なる方向(Y方向)に移動可能なYステージと、垂直方向(Z方向)に移動可能なZステージとを有している。更に、ウエハステージWSTは支持したウエハWの傾斜方向における位置調整(レベリング調整)も可能となっている。そして、ウエハWを保持するウエハホルダWHの位置はレーザ干渉計65によって検出される。レーザ干渉計65の検出結果は制御装置CONTに出力され、制御装置CONTはレーザ干渉計65の検出結果に基づいてウエハステージWSTを駆動し、ウエハWの位置制御を行う。ここで、レーザ干渉計65はウエハ室6の外部に配置されており、レーザ干渉計65の検出光はウエハ室6の一部に設けられた光透過窓63を介してウエハホルダWHに設置されている移動鏡64を照射する。
そして、マスク室5と照明系ハウジング20と鏡筒30とウエハ室6とは隙間なく接合されており、これら各室内に形成された内部空間(密閉空間)は外部とのガスの出入りを遮断され、光源1から射出しウエハWに照射される露光光ELの光路空間LSとなっている。本実施形態における露光装置EXは、マスクMとウエハWとを静止した状態でマスクMのパターンをウエハWに露光し、ウエハWを順次ステップ移動させるステップ・アンド・リピート型の露光装置である。
ウエハ室6にはウエハガス置換室10が隣接して設けられている。このウエハガス置換室10は、露光光ELの光路空間LSとは独立した異なる密閉空間を有しており、ウエハ室6と隙間無く接合されている。ウエハガス置換室10とウエハ室6との間には開口部64が形成されており、ウエハ室6とウエハガス置換室10とは開口部64を介して連通している。一方、ウエハガス置換室10のうち、ウエハ室6に接する側と反対側(+X側)の側壁には開口部104が形成されている。そして、ウエハ室6とウエハガス置換室10との間の開口部64には開閉扉65が設けられ、ウエハガス置換室10の開口部104には開閉扉105が設けられている。開閉扉65及び開閉扉105は制御装置CONTの指示に基づいて開閉し、開閉扉65が閉じることによってウエハ室6は密閉され、開閉扉65及び開閉扉105が閉じることによってウエハガス置換室10が密閉される。
ウエハガス置換室10の内部には、開口部104を介してウエハ室6に対してウエハWを搬送するウエハローダ111が配置されている。また、開閉扉105の外部には、開口部104を介してウエハガス置換室10に対してウエハWを搬送するウエハ搬送機構112が設けられている。ウエハローダ111及びウエハ搬送機構112は制御装置CONTに接続しており、制御装置CONTの指示に基づいて動作する。
マスク室5の+X側にはローダ室120が隣接して設けられており、ローダ室120の+X側にはマスクガス置換室70が隣接して設けられている。ローダ室120及びマスクガス置換室70は、露光光ELの光路空間LSとは独立した異なる密閉空間を有しており、マスク室5とローダ室120とマスクガス置換室70とはそれぞれ隙間無く接合されている。マスク室5とローダ室120との間には開口部54が形成されており、マスク室5とローダ室120とは開口部54を介して連通している。一方、ローダ室120とマスクガス置換室70との間には開口部71が形成されており、ローダ室120とマスクガス置換室70とは開口部71を介して連通している。更に、マスクガス置換室70のうち、マスク室5に接する側と反対側(+X側)の側壁には開口部74が形成されている。そして、マスク室5とローダ室120との間の開口部54には開閉扉55が設けられ、ローダ室120とマスクガス置換室70との間の開口部71には開閉扉72が設けられ、マスクガス置換室70の開口部74には開閉扉75が設けられている。開閉扉55及び開閉扉72及び開閉扉75のそれぞれは制御装置CONTの指示に基づいて開閉し、開閉扉55が閉じることによってマスク室5は密閉され、開閉扉55及び開閉扉72が閉じることによってローダ室120が密閉され、開閉扉72及び開閉扉75が閉じることによってマスクガス置換室70が密閉される。
露光処理に用いられるマスクMはマスクライブラリMLに収容されている。マスクライブラリMLはマスクガス置換室70の開閉扉75と対向する位置に設置されており、複数の棚を有している。マスクMはマスクケース103に収納された状態でマスクライブラリMLの棚に保管されている。
マスクガス置換室70とマスクライブラリMLとの間には、マスクライブラリMLとマスクガス置換室70との間でマスクMを搬送するマスク搬送機構102が設けられている。マスク搬送機構102はX方向及びZ方向に移動可能であり、マスクライブラリMLの複数の棚にそれぞれ配置されているマスクケース103のうち予め指定されたマスクケース103にアクセス可能となっているとともに、後述するマスクガス置換室70内のマスク搬送装置86に対してマスクMを受け渡し可能となっている。そして、マスク搬送機構102は指定されたマスクケース103に進入することによって所望のマスクMを取り出し可能であるとともに、マスクケース103に戻されるべきマスクMを指定されたマスクケース103に収納可能となっている。
マスクローダ101はローダ室120内部に設けられ、X方向及びZ方向に移動可能となっており、露光装置EXのマスクステージMSTに対してマスクMを搬送可能となっている。更に、マスクローダ101はマスクガス置換室70内のマスク搬送装置86に対してマスクMを受け渡し可能となっている。
マスクローダ101及びマスク搬送機構102及びマスク搬送装置86は、真空吸着穴を有するアーム部をそれぞれを備えており、連結された不図示の真空ポンプのON・OFFによってマスクMの保持・解除を行うようになっており、制御装置CONTの指示に基づいて動作する。
ところで、真空紫外域の波長の光を露光光ELとする場合には、その光路空間LSから酸素、水蒸気、炭化水素系のガス等の、かかる波長帯域の光に対し強い吸収特性を有するガス(以下、「吸光物質」と称する)の濃度を低減する必要がある。このため、光路空間LSは、不図示の光路空間用のガス置換装置により、必要に応じて内部に存在する吸光物質の濃度を低減する作業が施される。このとき、光路空間LSは真空紫外域の光に対する吸収性の少ない特性を有する窒素、ヘリウム、アルゴン、ネオン、クリプトン等のガス、またはそれらの混合ガス(以下、「低吸光物質」あるいは「特定ガス」と称する)で満たされる。すなわち、光路空間LSに存在する吸光物質は特定ガスに置換されることによって低減される。この光路空間LS内を特定ガスに置換するためのガス置換装置(不図示)は、光路空間LSを構成する各室内のガスを排気する排気装置と、各室内に特定ガスを給気する給気装置とを備えている。また、ローダ室120やウエハガス置換室10、マスクガス置換室70内部も特定ガスに置換されるようになっている。そして、前記ガス置換装置を構成する排気装置及び給気装置の給気量及び排気量は制御装置CONTの指示に基づいて調整される。
なお、光路空間LS内の吸光物質を低減する方法としては、上述した光路空間LS内のガスを特定ガスで置換する他に、排気減圧によっても実現することができ、ガス置換と同様の効果が得られる。なお、光路空間LSを構成する各室内に圧力センサを配置し、圧力センサで計測される圧力値に基づいて、排気装置によるガス排気量と給気装置によるガス供給量とを調整するように構成してもよい。
次に、図2及び図3を参照しながら本発明の特徴的な部分であるマスク及びマスク保護装置について説明する。図2Aはマスク保護装置を備えたマスクの平面図、図2Bは図2AのA−A矢視図、図3は図2の斜視図である。
図2及び図3に示すように、マスクMは平板状であり、一方の面に所定のパターンPAを備えている。更に、マスクMは、マスクMのパターンPAが形成された面を保護するペリクル(保護部材)PEと、ペリクルPEをマスクMに対して所定間隔離して保持するペリクル枠(枠部材、第1枠部材)PF1とを備えている。ペリクル枠PF1は平面視矩形状に形成された金属製部材であり、一方の端部C1がマスクMのパターンPAが形成されている面に取り付けられている。ペリクルPEは、ニトロセルロースあるいはフッ素系樹脂等を主成分とする厚さが1〜2μm程度の透明な薄膜であり、ペリクル枠PF1の他方の端部C2に隙間無く取り付けられている。そして、マスクMとペリクルPEとペリクル枠PF1との間には第1空間S1が形成されている。
なお、ペリクルPEとしては、マスクM及びレンズ系と同材質の蛍石、フッ化マグネシウム、フッ化リチウム等の結晶材料、石英ガラス(フッ素が均一にドープされた石英等)からなる100〜800μm程度の厚さを有する薄板状の光学部材で形成してもよい。。これらは波長120nm〜180nmの真空紫外線光の露光光ELを良好に透過する。
マスクMのペリクル枠PF1の端部C2には、この端部C2と接続可能な端部C3を有する空間形成部材200が接続されるようになっている。空間形成部材200は、ペリクル枠PF1の他方の端部C2に対して接続可能な一端部C3を有する第2枠部材PF2と、第2枠部材PF2の他端部C4に装着される板状部材Bとを有している。第2枠部材PF2はペリクル枠PF1と同形状であり、第2枠部材PF2の他端部C4と板状部材Bとは隙間無く接合されて一体となっている。第2枠部材PF2は、ペリクル枠PF1と同じ金属製であり、板状部材Bは金属、合成樹脂、ガラスなどガスを通しにくい材質(ガスの単位時間当たりの通過量が所定値以下の材質)によって構成されている。なお、第2枠部材PF2はペリクル枠PF1と異なる金属、あるいは所定の強度を有する合成樹脂製でもよい。また、第2枠部材PF2と板状部材Bとは同じ材質でもよいし、異なる材質でもよい。更に、第2枠部材PF2と板状部材Bとは一体成形されていてもよい。
そして、第2枠部材PF2と板状部材Bとからなる空間形成部材200の端部C3がペリクル枠PF1の端部C2に対する接続部となっており、図3に示すように、空間形成部材200はペリクル枠PF1の端部C2に対して接続・離間可能となっている。そして、空間形成部材200の端部(接続部)C3がペリクル枠PF1の端部C2に接続することによって、ペリクルPEと板状部材Bと第2枠部材PF2との間には第2空間S2が形成される。すなわち、空間形成部材200はペリクル枠PF1と接続することにより、第1空間S1に対してペリクルPEを挟んで反対側に第2空間S2を形成する。ここで、空間形成部材200とペリクルPEとの間に形成される第2空間S2の体積と、第1空間S1の体積とはほぼ同じである。
空間形成部材200の端部C3は平坦に形成され、ペリクル枠PF1の端部C2も平坦に形成されている。したがって、空間形成部材200とペリクル枠PF1とを接続した際、端部C2と端部C3とは密着する。ここで、ペリクルPEがペリクル枠PF1の端部C2全面に貼付されている場合には、ペリクル枠PF1の端部C2と空間形成部材200の端部C3とはペリクルPEを介して接続し、ペリクル枠PF1の端部C2の外縁部分がペリクルPEに貼られないで露出している場合には、端部C2の露出部分と空間形成部材200の端部C3とが密着する。なお、ペリクル枠PF1の端部C2全面にペリクルPEが貼付されている場合、空間形成部材200の端部C3がペリクルPEに直接接触して、ペリクルPEを破損する恐れがあるので、空間形成部材200の端部C3が接触するペリクルPEの表面に保護膜(破損防止部材)を形成することが望ましい。この保護膜としては、アルミなどの金属を蒸着した金属膜や、耐損傷性をもつシート部材や、弾性部材などを用いることが望ましい。また、空間形成部材200の端部C3全面にペリクルPEと同じフィルム状部材を貼付しておいてもよい。
そして、ペリクルPEと、一方の端部C2にペリクルPEが取り付けられたペリクル枠PF1と、ペリクル枠PF1の一方の端部C2に接続される接続部が一端部C3に形成された第2枠部材PF2と、第2枠部材PF2の他端部C4に装着され、ペリクルPEと第2枠部材PF2との間で第2空間S1を形成する板状部材Bとによってマスク保護装置250が構成されている。
ペリクル枠PF1には、第1空間S1内部と外部との連通する第1開口部h1が複数形成されている。本実施形態において、第1開口部h1はペリクル枠PF1の中央を挟んで対向する位置に1対形成されている。第1開口部h1は、気圧の変化に伴うペリクルPEの破損を防止するためのものであって、例えば、航空機による輸送や天候の変化等によって気圧が低下し第1空間S1内部のガスが膨張した際に、第1空間S1の密閉性を低下させることによってペリクルPEの破損を防止する。また、第1開口部h1のそれぞれには不図示のパーティクルフィルタが設けられている。パーティクルフィルタによって第1空間S1へのパーティクル(異物)の侵入が防止される。なお、本実施形態において、ペリクル枠PFには第1開口部h1が互いに対向する位置に1対設けられているが、その設置個数や設置位置は任意に設定可能である。
一方、空間形成部材200のうち第2枠部材PF2にも、第2空間S2内部と外部とを連通する第2開口部h2が複数形成されている。第2開口部h2は、ペリクル枠PF1の第1開口部h1と同じ形状及び大きさに設定されており、その設置数及び設置位置も同じに設定されている。すなわち、第2開口部h2も、第2枠部材PF2の中央を挟んで対向する位置に1対形成されている。
また、第2開口部h2にも不図示のパーティクルフィルタが設けられている。第2開口部h2に設置されたパーティクルフィルタは第1開口部h1に設置されたパーティクルフィルタと同一のものである。ペリクル枠PF1に形成する第1開口部h1と、このペリクル枠PF1と同じ形状である第2枠部材PF2に形成する第2開口部h2との形状や大きさ、設置数や設置位置を等しくし、同一のパーティクルフィルタを用いることによって、第1開口部h1を介した第1空間S1に対する単位時間当たりのガスの流量と、第2開口部h2を介した第2空間S2に対する単位時間当たりのガスの流量とは等しくなる。
なお、第1開口部h1と第2開口部h2とのそれぞれに設置するパーティクルフィルタのそれぞれは異なる材質・構造でもよく、第1開口部h1と第2開口部h2とのそれぞれを通過する単位時間当たりのガス流量が等しくなればよい。
例えば、第1開口部h1と第2開口部h2とのそれぞれを通過する単位時間当たりのガス流量を等しくする構成として、上述したように第1開口部h1にパーティクルフィルタを取り付けた場合、第2開口部h2にはパーティクルフィルタを取り付けずに、第2開口部h2の開口の大きさを第1開口部h1より小さく形成すればよい。
マスクMは、ペリクル枠PF1の端部C2に空間形成部材200を接続した状態でマスクライブラリMLに収容されている。このとき、マスクMは空間形成部材200の端部C3にペリクル枠PF1を介して載置された状態で保持されている。本実施形態では、空間形成部材200にペリクル枠PF1を介してマスクMが単に載置された状態を説明したが、ペリクル枠PF1と空間形成部材200とは、端部C2と端部C3とを粘着テープあるいは後述の図9のように機械的なクランプ方法によって接合されている。
次に、本発明の特徴的な部分である、マスクMとペリクルPEとペリクル枠PFとの間に形成された第1空間S1を露光光ELに対する吸収が少ない特性を有する特定ガス(所定ガス)に置換するガス置換装置CHについて図4及び図5を参照しながら説明する。ここで、本実施形態において、ガス置換装置CHは図1で説明したマスクガス置換室70を含むものであって、図4はマスクガス置換室70に備えられたガス置換装置CHの概略斜視図であり、図5は概略構成図である。
図4に示すように、マスクMの第1空間S1を特定ガスに置換するガス置換装置CHは、空間形成部材200が接続された状態のマスクMを収容する前記マスクガス置換室70と、マスクガス置換室70内部のガスを特定ガス(所定ガス)に置換する置換室用ガス置換機構300とを備えている。なお、本実施形態における特定ガスとは、前述したように、窒素、ヘリウム、アルゴン、ネオン、クリプトン等のガス、またはそれらの混合ガスである。
置換室用ガス置換機構300は、特定ガスをマスクガス置換室70に供給可能なボンベなどの特定ガス供給装置301と、マスクガス置換室70内部のガスを排気可能な真空ポンプからなるガス排出装置306と、特定ガス供給装置301に対して流路304を介して接続されているとともに、真空ポンプ306に対して流路305を介して接続されている3方向バルブ303と、一端をマスクガス置換室70内部に接続し他端を3方向バルブ303に接続した流路302と、流路302の途中に設けられ、この流路302のガスの流通を停止可能な停止弁307とを備えている。流路302,304,305はガス配管である。3方向バルブ303は、流路302と特定ガス供給装置301又は真空ポンプ306のいずれか一方とを選択的に接続する。そして、3方向バルブ303によって、特定ガス供給装置301と流路302とを接続することにより、特定ガス供給装置301からマスクガス置換室70に対して特定ガスが供給可能となっており、真空ポンプ306と流路302とを接続することにより、マスクガス置換室70内部のガスを排出可能となっている。
図1及び図5に示すように、マスクガス置換室70内部には、空間形成部材200が接続されているマスクMを支持可能であるとともに支持したマスクMを搬送可能な搬送装置86が設けられている。この搬送装置86は、マスクMの下方に接続されている空間形成部材200の下部を支持可能となっており、マスクMを空間形成部材200を介して支持する。搬送装置86の支持機構とは3点支持又は真空吸着の少なくても一方で構成される。また、マスクガス置換室70のうち、搬送装置86に支持されたマスクMの上方には、搬送装置86に支持されているマスクMを上方から所定の力で押圧可能な押圧装置87が設けられている。搬送装置86に空間形成部材200を介して支持されているマスクMを押圧装置87が押圧することにより、マスクMのペリクル枠PF1の端部C2と空間形成部材200の端部(接続部)C3とは確実に密着する。なお、押圧装置87を下降させてマスクMを押圧しているが、搬送装置86に昇降機構を設け、搬送装置86を介して、マスクMを押圧装置87に押圧する構成であってもよい。ここで、押圧装置87は、マスクMの上面(パターンPAが形成されていない側の面)のうち、ペリクル枠PFが取り付けられている位置に対応する部分を押圧する。こうすることにより、マスクMは押圧装置87によって押圧された際、大きく反ったりしない。
次に、上述した構成を備えるガス置換装置CH及び露光装置EXを用いて、マスクMの第1空間S1を特定ガスに置換するとともに、マスクMのパターンPAでウエハWを露光する露光方法について説明する。
ここで、本実施形態における露光方法は、露光工程に先立ち、露光空間LS内部の吸光物質をガス置換装置(不図示)により低減する工程と、マスクライブラリMLからガス置換装置CHのマスクガス置換室70にマスクMを搬送する工程と、マスクMとペリクルPEとペリクル枠PF1との間の第1空間S1を特定ガスに置換する工程と、マスクガス置換室70からマスク室5にマスクMを搬送する工程と、マスクMのパターンをウエハステージWSTに支持されているウエハに露光する露光工程と、露光工程を終えたマスクM又はウエハWを露光装置EX外部に搬送する工程とを有している。
まず、制御装置CONTは、前記不図示のガス置換装置のうち、各室内のガスを排気する排気装置と各室内に特定ガスを給気する給気装置とを用いて、各室内のガスを排気しながら各室内に対してガスを給気し、光路空間LS内の吸光物質を低減する。すなわち、制御装置CONTは、ガス置換装置を用いて、照明系ハウジング20、マスク室5、鏡筒(投影系ハウジング)30、ウエハ室6、及びローダ室120、ウエハガス置換室10のそれぞれの内部の吸光物質を低減する。
次に、マスクMが露光装置EXに搬入される際の動作について説明する。
まず、制御装置CONTは、マスクケース103に収納されマスクライブラリMLに保管されているマスクMを、マスク搬送機構102によってマスクケース103から取り出す。マスク搬送機構102は、制御装置CONTの指示に基づき、マスクMをガス置換装置CHに搬送する。このとき、マスク搬送機構102は、マスクMの下方に接続されている空間形成部材200の下部を支持し(真空吸着)、搬送する。制御装置CONTは、マスクMを保持するマスク搬送機構102がガス置換装置CHのガス置換室70に所定距離内に近づいた時点で開閉扉75を開放する。このとき、露光装置EX側に設けられている開口部71は開閉扉72によって閉鎖されている。
次に、マスク搬送機構102は、保持しているマスクMを開口部74を介してマスクガス置換室70内の搬送装置86に渡す。ここで、マスク搬送機構102がマスクMを搬送装置86に渡すためにマスクガス置換室70内部に移動するに際し、開閉扉75が開放されて外気がマスクガス置換室70内に流入するが、露光装置EX側に面している開閉扉72は閉鎖されているので、外気中の酸素等の吸光物質が露光装置EX(光路空間LS)内に混入することはない。
マスクMが搬送装置86に渡された後、制御装置CONTはマスク搬送機構102を開口部74を介してマスクガス置換室70の外部に退避させ、開閉扉75を閉じる。開閉扉75を閉じることにより、マスクガス置換室70は密閉された空間となる。すなわち、ペリクルPEを装着したマスクMは、密閉室に収容される状態となる。ペリクルPEとペリクル枠PF1との間に第1空間S1が形成されているマスクMは、第1空間S1に対してペリクルPEを挟んで反対側に第2空間S2を形成する空間形成部材200を配置した状態で、密閉室であるマスクガス置換室70に収容された状態となる。
次いで、制御装置CONTは、搬送装置86に支持されているマスクMを押圧装置87で上方から押圧し、ペリクル枠PF1の端部C2と空間形成部材200の端部C3とを密着させ、ペリクル枠PF1と空間形成部材200との接続を安定させる。
次いで、制御装置CONTは、ガス置換装置CHによってマスクガス置換室70内部のガスを特定ガスに置換する。
具体的には、制御装置CONTは、まず、ガス置換装置CHの置換室用ガス置換機構300のうち、3方向バルブ303を制御してマスクガス置換室7と真空ポンプ306とを接続し、真空ポンプ306によってマスクガス置換室70内部のガスを外部へ排気する。マスクガス置換室70内部のガスが排気され、マスクガス置換室70内部の圧力が低下することによって、第1空間S1のガスはペリクル枠PF1に形成されている第1開口部h1を介して外部に排出される。このとき、第1空間S1に対してペリクルPEを挟んで反対側に形成されている第2空間S2のガスも空間形成部材200に形成されている第2開口部h2を介して外部に排出される。第1空間S1と第2空間S2とのそれぞれのガスは第1開口部h1と第2開口部h2とのそれぞれを介して同時に同じ速度で排出されるので、第1空間S1の圧力と第2空間S2の圧力とはほぼ同じ圧力に調整された状態で、第1空間S1のガスが第1開口部h1を介して排出されることになる。
真空ポンプ306によるマスクガス置換室70内部のガスの排出動作を所定時間、あるいはマスクガス置換室70の圧力が所定値以下になるまで、あるいはガス置換室70内部の吸収物質の濃度が所定値以下になるまで行ったら、制御装置CONTは、ガス置換装置CHの置換室用ガス置換機構300のうち、3方向バルブ303を制御してマスクガス置換室7と特定ガス供給装置301とを接続し、特定ガス供給装置301によってマスクガス置換室70内部に対して特定ガスを供給し、マスクガス置換室70を特定ガスに置換する。マスクガス置換室70内部に対して特定ガスが供給され、マスクガス置換室70内部の圧力が上昇することによって、特定ガスが第1開口部h1を介して第1空間S1に供給される。このとき、第1空間S1に対してペリクルPEを挟んで反対側に形成されている第2空間S2に対しても第2開口部h2を介して特定ガスが供給される。第1空間S1と第2空間S2とのそれぞれは第1開口部h1と第2開口部h2とのそれぞれを介して特定ガスを同時に同じ速度で供給されるので、第1空間S1の圧力と第2空間S2の圧力とはほぼ同じ圧力に調整された状態で特定ガスが第1空間S1に対して第1開口部h1を介して供給され、第1空間S1は特定ガスで満たされることになる。
ここで、第1空間S1に対してペリクルPEを挟んで反対側に第2空間S2を形成しない場合、排気に伴うマスクガス置換室70内部の圧力低下、あるいは特定ガスの供給に伴うマスクガス置換室70内部の圧力上昇によって、ペリクルPEはマスクMと反対側に膨むように変形したりマスクMに向かって凹むように変形して破損する恐れがある。なぜなら、第1開口部h1にはパーティクルフィルタが設けられており、第1開口部h1を介した第1空間S1に対する単位時間当たりのガスの流量は少ない状態なので、ガスの給排気によって第1空間S1内部と外部との圧力差が大きくなるからである。しかしながら、第1空間S1に対してペリクルPEを挟んで空間形成部材200を用いて第2空間S2を形成し、この空間形成部材200に第1開口部h1と同等の第2開口部h2を設けておくことにより、第2空間S2の圧力を第1空間S1の圧力とほぼ同じ圧力に調整しつつ第1開口部h1を介して第1空間S1を特定ガスに置換できるので、ガス置換を行っている際、ペリクルPEの変形は抑えられる。
なお、真空ポンプ306でマスクガス置換室70内部のガスを排気する際には、マスクガス置換室70、ひいては第1空間S1及び第2空間S2の圧力が1×10−1Pa以下になるまで排気動作を行うことが好ましい。こうすることにより、第1空間S1及び第2空間S2の酸素濃度は、例えば0.2ppm以下程度に十分に低減される。そして、酸素濃度を十分に低減した状態で特定ガスを供給することにより、第1空間S1のガスを特定ガスに効率良く置換できる。更に、上記ガス排気動作と特定ガス供給動作とを複数回繰り返すことによっても、第1空間S1のガスを特定ガスに効率良く置換できる。
マスクMの第1空間S1のガスが特定ガスに置換されたら、制御装置CONTは押圧装置87によるマスクMに対する押圧を解除する。そして、制御装置CONTは、第1空間S1に特定ガスが満たされているマスクMを搬送装置86によってマスクガス置換室70の露光装置EX側に設けられている開口部71に向けて搬送し、開口部71に対して所定距離内に近づいた時点で開閉扉72を開放する。制御装置CONTは、ローダ室120に設けられているマスクローダ101をマスクガス置換室70内部に移動させ、搬送装置86上のマスクMをマスクローダ101で保持する。マスクローダ101はマスクMの下面(パターンPAが形成されている側の面)のうち、ペリクル枠PF1が取り付けられている位置の外側を保持し、一旦、マスクMを上昇(搬送装置86の上方にマスクMを移動)させてから、マスクMを水平方向(搬送方向)に移動させて、ローダ室120側に搬送する。このとき、マスクMのペリクル枠PF1と空間形成部材200との接続は解除され、マスクMはペリクル枠PF1及びペリクルPEのみを装着した状態でマスクローダ101に保持される。なお、このとき、ローダ室120は特定ガスで満たされているので、マスクMの第1空間S1には吸光物質が侵入しない。なお、マスクローダ101にマスクMを載置する場合には、マスクローダ101と搬送装置86とを相対的に昇降させればよい。
なお、マスクガス置換室70内において、マスクMのペリクル枠PF1との接続を解除され搬送装置86に支持された状態の空間形成部材200は、搬送装置86及びマスク搬送機構102によって、マスクライブラリMLのうちマスクMを収容していないマスクケース103に戻されたり、他の空間形成部材用収容部に搬送され、保管される。また、この空間形成部材200はマスクガス置換室70に保管されてもよい。
マスクMがマスクローダ101に渡された後、制御装置CONTはマスクMを保持したマスクローダ101をローダ室120に移動し、開閉扉72によって開口部71を閉じる。そして、制御装置CONTは、マスク室5側の開閉扉55を開け、マスクローダ101で第1空間S1に特定ガスが満たされたマスクMを露光装置EXのマスクステージMSTにロードする。マスクMがマスクステージMSTにロードされたら、マスクローダ101がマスクステージMSTから退避した後、マスク室5の開口部54が開閉扉55によって閉じられる。
次に、ウエハWを露光装置EXに搬送する動作について説明する。
まず、ウエハ搬送機構112が制御装置CONTの制御のもとで、ウエハWをウエハガス置換室10に開口部104を介して搬送する。ウエハWはウエハガス置換室10内に設けられているウエハローダ111に渡される。そして、ウエハWがウエハローダ111に渡されたら開口部104が開閉扉105で閉じられる。このとき、ウエハガス置換室10は特定ガスで満たされる。そして、ウエハローダ111はウエハWをウエハ室6側の開口部64を介してウエハステージWSTにロードする。ウエハWがウエハステージWSTにロードされたら、ウエハローダ111がウエハステージWSTから退避した後、ウエハ室6の開口部64が開閉扉65によって閉じられる。
以上のようにして、マスクMをマスクステージMSTにロードするとともに、ウエハWをウエハステージWSTにロードしたら、制御装置CONTは照明光学系ILによりマスクMを露光光ELで照明し、ペリクル枠PF1を介してペリクルPEで保護されたマスクMのパターンを投影光学系PLを介してウエハWに対して露光処理する。
露光処理を終えたウエハWは、ウエハアンローダ(ウエハローダ)111によって、ウエハステージWSTからアンロードされる。ウエハWを保持したウエハアンローダ101は、開閉扉105を介してウエハ搬送機構112にウエハWを渡す。そして、ウエハWはウエハ搬送機構112や他の外部搬送機構によって後の工程に搬送される。
一方、露光処理を終えたマスクMは、マスクアンローダ(マスクローダ)101によって、マスクステージMSTからアンロードされる。マスクMを保持したマスクアンローダ101は、開口部71を介してマスクガス置換室70内部の搬送装置86にマスクMを渡す。マスクMを保持した搬送装置86は、開口部74を介してマスク搬送機構102にこのマスクMを渡す。そして、マスクMはマスク搬送機構102によってマスクライブラリMLの所定のマスクケース103に収納される。
以上説明したように、ペリクル枠PF1に第1開口部h1を形成することによって、マスクMとペリクルPEとペリクル枠PF1との間に形成された第1空間S1のガスを第1開口部h1を介して特定ガスに効率良く置換できる。そして、第1空間S1内部のガス置換をする際、第1空間S1に対してペリクルPEを挟んで反対側に第2空間S2を形成する空間形成部材200を配置し、この第2空間S2の圧力を調整しつつ第1空間S1のガス置換を行うことにより、ペリクルPEにはガス置換に伴う圧力変化に基づく過剰な力が作用せず、大きく変形しない。すなわち、空間形成部材200を配置することによって、第1空間S1の圧力を第2空間S2の圧力と同じように変化させることができる。したがって、ペリクルPEを破損したり劣化したり光学特性を変化したりすることなく迅速で安定したガス置換ができ、マスクのパターンは確実に保護されて精度良い露光処理ができる。
そして、本実施形態では、第1空間S1に対してペリクルPEを挟んで空間形成部材200を用いて第2空間S2を形成し、この空間形成部材200に第1開口部h1と同等の給排気速度(開口部を介して流れるガスの単位時間当たりの流量)に設定されている第2開口部h2を設けておくことにより、第2空間S2の圧力を第1空間S1の圧力とほぼ同じ圧力に調整しつつ第1開口部h1を介して第1空間S1を所定ガスに置換できるので、簡易な構成でペリクルPEの変形を抑えつつガス置換ができる。
そして、本実施形態では、第1開口部h1を介して、第1空間S1に対する特定ガスの供給及び第1空間S1内部のガスの排出の少なくともいずれか一方を行うガス置換部は、マスクガス置換室70と置換室用ガス置換機構300とによって構成され、第2空間S2の圧力を調整する圧力調整装置は、空間形成部材200に形成され、ペリクル枠PF1の第1開口部h1と同等の給排気速度(開口部を介して流れるガスの単位時間当たりの流量)に設定されている第2開口部h2によって構成されている。
本実施形態に係るマスクMは、マスクMに備えられた所定のパターンを保護するペリクルPEと、一方の端部C2にペリクルPEが取り付けられたペリクル枠PF1と、ペリクル枠PF1の一方の端部C2に接続される接続部が一端部C3に形成された第2枠部材PF2と、第2枠部材PF2の他端部C4に装着され、ペリクルPEと第2枠部材PF2との間で第2空間S1を形成する板状部材Bとを有するマスク保護装置250を有しているので、第1空間S1のガス置換を行う際、第2空間S2の圧力を調整しつつ第1空間S1のガス置換を簡易な構成で容易に行うことができ、ペリクルPEに対してガス置換に伴う圧力変化に基づく過剰な力が作用することを防止できる。したがって、ペリクルPEに悪影響を与えることなく迅速で安定したガス置換ができる。そして、ペリクル枠PF1と空間形成部材200とは空間形成部材200に設けられた接続部を介して着脱自在となっているので、第1空間S1のガス置換が終了したら、マスクMのペリクル枠PF1から空間形成部材200を取り外してからマスクステージMSTにロードすることができる。更に、空間形成部材200とペリクル枠PF1とが接続している際、空間形成部材200はペリクルPEを保護するので、マスクMを輸送する場合などにおいて、ペリクルPEは空間形成部材200の板状部材Bによって保護されるので、輸送中におけるペリクルPEの破損は確実に防止される。特に、ペリクルPEがガラス薄板など光を透過可能な光学素子によって構成されている場合、輸送中に破損する可能性が高くなるが、空間形成部材200によってペリクルPEの破損は防止され、ひいてはマスクMのパターンPAも確実に保護される。また、空間形成部材200によってペリクルPEの汚染も防止されるので、ペリクルPEの汚染による露光光ELの透過率変動に起因する露光精度の低下を回避できる。
なお、本実施形態において、マスクガス置換室70に酸素濃度計や水分濃度計などの吸光物質検出装置を接続しておくことにより、マスクガス置換室70の吸光物質濃度、ひいては第1空間S1の吸光物質濃度をモニターしつつ、ガス置換動作を行うことができる。
なお、本実施形態においては、ペリクル枠PF1の端部C2と空間形成部材200の端部C3とをそれぞれ平坦面とし、互いを密着させてこの接合部でのガスの出入りを遮断しているが、一方の端部C2を例えば凹凸形状とした場合でも、他方の端部C3の形状を一方の端部C2の形状に対応させ、互いに密着させることにより、接合部でのガスの出入りを遮断できる。
また、図6に示すように、空間形成部材200の端部C3に平面視環状に溝400を形成し、この溝400に接続部としてのOリング401を配置し、ペリクル枠PF1と空間形成部材200とを接続した際の第2空間S2の密閉性を高めるようにしてもよい。この場合、用いるOリング401はフッ素系樹脂を基調とした脱ガスの少ない材質によって構成されていることが好ましい。更に、図6に示したように、空間形成部材200のうちペリクル枠PF1に接続される側の端部C3に、ペリクル枠PF1の外周を覆うような大口部402を形成してもよい。大口部402を形成することにより、ペリクル枠PF1と空間形成部材200とを接続する際、大口部402にペリクル枠PF1を嵌合するように接続することによって、ペリクル枠PF1と空間形成部材200との位置合わせを容易に行うことができる。なお、図6では大口部402は空間形成部材200側に形成されているが、ペリクル枠PF1側に形成されていても構わないし、ペリクル枠PF1と空間形成部材200との双方に形成されていても構わない。更に、Oリング401やこのOリング401を配置する溝400もペリクル枠PF1に形成されていても構わない。
上記実施形態では、マスクMにはペリクル枠PF1が接続され、ペリクル枠PF1の端部C2にペリクルPEが装着され、ペリクル枠PF1の端部C2に対して、第2枠部材PF2と板状部材Bとからなる空間形成部材200が接続される構成であるが、図7に示すように、ペリクル枠PF1と第2枠部材PF2との間にペリクルPEを挟んで一体構造とし、第2枠部材PF2の端部C4に対して板状部材Bが接続・分離する構成とすることもできる。そして、第1空間S1のガス置換を行う際には、第2枠部材PF2の端部C4に板状部材Bを接続して第2空間S2を形成してからガス置換を行い、露光処理する際には第2枠部材PF2から板状部材Bを分離してマスクステージMSTにロードすればよい。この場合、板状部材Bが第2空間S2を形成する空間形成部材となる。更に、第1枠部材(ペリクル枠)PF1と第2枠部材PF2との間にペリクルPEを挟むようにせず、ペリクル枠を図中Z方向に長く形成しておくとともにペリクル枠のZ方向中間位置にペリクルPEを装着し、第1空間S1のガス置換をする際にはこのペリクル枠の端部C2に板状部材Bを接続する構成としてもよい。
また、板状部材Bが第2枠部材PF2に対して分離する構成とする際には、図8に示すように、板状部材Bのうち第2枠部材PF2の端部C4と接続される部分に平面視環状の溝405を形成するとともに、この溝405にOリング406を配置し、板状部材Bと第2枠部材PF2とを接続した際、第2空間S2の密閉性を高めるようにしてもよい。更にこの場合も、図8に示したように、板状部材Bのうち第2枠部材PF2に接続される部分に、第2枠部材PF2の外周を覆うような係止部407を形成してもよい。係止部407を形成することにより、第2枠部材PF2と板状部材Bとを接続する際、係止部407に第2枠部材PF2を嵌合するように接続することによって、第2枠部材PF2と板状部材Bとの位置合わせを容易に行うことができる。
上記実施形態において、ペリクル枠PF1を備えたマスクMがマスクライブラリMLからマスクガス置換室70に搬送される際には、空間形成部材200に載置された状態で搬送されるか、あるいは端部C2と端部C3とを粘着テープなどで固定した状態で搬送される構成であるが、図9に示すように、ペリクル枠PF1のうち空間形成部材200と接続する端部C2側にフランジ部410を設けるとともに、空間形成部材200のうちペリクル枠PF1と接続する端部C3側にもフランジ部411を設け、これらフランジ部410,411どうしをクランプ部材412によって固定するようにしてもよい。そして、マスクガス置換室70において第1空間S1のガス置換が終了したら、クランプ部材412による固定を解除してペリクル枠PF1と空間形成部材200との接続を解き、ペリクル枠PF1及びペリクルPEを備えたマスクMをマスクステージMSTにロードすればよい。なお、この場合、マスクガス置換室70にはクランプ部材412をフランジ部410,411から取り外すクランプ解除装置が設けられる。
なお、ペリクル枠PF1と空間形成部材200とを接着剤で接続した際、汚染物質を含む脱ガスが発生する場合があるが、脱ガスが発生したら光オゾン洗浄してもよい。光オゾン洗浄とは、エキシマランプ等による波長200nm以下の光を洗浄対象物に照射し、微量の酸素、オゾンと洗浄対象物に付着している有機物などの汚染物質とを反応させ、汚染物質を除去する方法である。そして、エキシマランプなどの光オゾン洗浄用光源を例えばマスクガス置換室70に設置しておくことにより、ペリクル枠PF1と空間形成部材200とを接着する接着剤から発生した汚染物質をマスクガス置換室70において除去できる。また、板状部材Bを、弗化カルシウム(蛍石)や弗化バリウム、あるいは弗化リチウム、石英、フッ素をドープした石英など、波長が200nm以下の光を透過可能な材質にし、かつその厚さを100μm〜800μmの範囲内で形成しておくことにより、ペリクル枠PF1と空間形成部材200とを接続した状態のままで、板状部材B側からマスクMに対して光洗浄用光源から光を照射することにより、マスクガス置換室70においてマスクMを光洗浄することもできる。光洗浄する場合の照明光は、波長172nm、波長193nm、あるいは波長193nmより長波長の紫外域の光と用いることが望ましい。
上記実施形態では、マスクMはマスクライブラリMLにおいてペリクル枠PF1に空間形成部材200が予め接続されており、マスク搬送機構102によって空間形成部材200とともにマスクガス置換室70に搬送される構成であるが、マスクライブラリMLにおいてマスクMと空間形成部材200とを接続しておかずに、図10に示すように、マスクガス置換室70においてマスクMのペリクル枠PF1に空間形成部材200を接続するようにしてもよい。図10において、マスクガス置換室70にはマスクMのペリクル枠PF1の端部C2に接続可能な接続部としての端部C3を有する空間形成部材200が予め配置されており、空間形成部材200はこの空間形成部材200を昇降可能な昇降装置450に支持されている。また、マスクガス置換室70内にはマスク搬送機構102及びマスクローダ101のそれぞれに対してマスクMを受け渡し可能な搬送装置86’が設けられている。マスクMはペリクル枠PF1に空間形成部材200を接続していない状態でマスクライブラリMLに収容されており、マスク搬送機構102によってマスクライブラリMLから搬送装置86’に渡される。そして、マスクMの第1空間S1をガス置換する際には、まず、マスクガス置換室70においてマスクMの下面のうちペリクル枠PF1が取り付けられている位置の外側を搬送装置86’で支持する。次いで、昇降装置450によって空間形成部材450を上昇し、空間形成部材450の端部C3とマスクMのペリクル枠PF1の端部C2とを接続する。更に、マスクMの上方から押圧装置87でマスクMを押圧し、端部C2と端部C3とを密着させる。そして、ペリクル枠PF1の端部C2と空間形成部材200の端部C3とを密着したら、置換室用ガス置換機構300でマスクガス置換室70のガスを特定ガスに置換することにより、第1空間S1のガスが特定ガスに置換される。ガス置換が終了したら、押圧装置87が上昇するとともに空間形成部材200も昇降装置450によって下降し、搬送装置86’がマスクMをマスクローダ101に渡す。
次に、本発明の第2実施形態について、図11及び図12を参照しながら説明する。図11は本発明のガス置換装置の第2実施形態に係る斜視図、図12は図11の側方断面図である。ここで、以下の説明において、上述した第1実施形態と同一あるいは同等の構成部分についてはその説明を簡略もしくは省略する。
第2実施形態に係るガス置換装置CH2は、マスクMをペリクル枠PF1と空間形成部材200とを接続した状態で収容するマスクガス置換室70と、第1開口部h1を介して第1空間S1に特定ガスを供給可能な特定ガス供給装置(ガス置換機構)301Aと、第2開口部h2を介して第2空間S2に特定ガスを供給可能な特定ガス供給装置(圧力調整機構)301Bと、特定ガス供給装置301Aと第1空間S1とを第1開口部h1を介して接続する流路308Aと、特定ガス供給装置301Bと第2空間S2とを第2開口部h2を介して接続する流路308Bとを備えている。流路308A,308Bはステンレス鋼などの不純物の発生の少ない材質からなるガス配管であり、マスクガス置換室70の壁部には、流路308A,308Bを挿通可能な穴が形成されている。また、図11及び図12には図示されていないが、マスクガス置換室70にはこのマスクガス置換室70のガスを特定ガスに置換する置換室用ガス置換機構300が接続されている。
第1開口部h1及び第2開口部h2のそれぞれには、流路308A及び流路308Bのそれぞれと接続可能な継手(第1連結部)309A及び継手(第2連結部)309Bが予め取り付けられている。流路308A,308Bは継手309A,309Bに対して取り付け・取り外し自在となっている。また、第1,第2開口部h1,h2のそれぞれには、第1,第2空間S1,S2に対するパーティクルの侵入を防ぐパーティクルフィルタ310A、310Bがそれぞれ取り付けられている。フィルタ310A及びフィルタ310Bのそれぞれは同一の材質・構造となっている。また、ペリクル枠PF1には、継手309Aが取り付けられている第1開口部h1とは異なる位置に、別の第1開口部h1が形成されている。同様に、空間形成部材200には、継手309Bが取り付けられている第2開口部h2とは異なる位置に別の第2開口部h2が形成されている。
図11に示すように、流路308Aの途中には、第1空間S1に対する特定ガスの単位時間当たりの流量を調整するバルブなどの流量調整装置311Aが設けられている。同様に、流路308Bの途中には、第2空間S1に対する特定ガスの単位時間当たりの流量を調整するバルブなどの流量調整装置311Bが設けられている。また、流路308A、308Bの途中には、流路308A,308Bを介して第1空間S1及び第2空間S2の圧力を検出可能な圧力検出装置313が設けられている。圧力検出装置313の検出結果は制御装置CONTに出力され、制御装置CONTは圧力検出装置313の検出結果に基づいて、流量調整装置311A、311Bを制御する。流量調整装置311A、311Bが圧力調整装置として機能する。また、マスクガス置換室70には、マスクガス置換室70内部の酸素濃度を検出可能な酸素濃度検出装置312と、マスクガス置換室70内部の水分濃度を検出可能な水分濃度検出装置313とが接続されている。本実施形態において、第1空間S1に特定ガスが特定ガス供給装置301Aを介して供給され、また、第2空間S2に対しても特定ガスが特定ガス供給装置301Bを介して供給される。しかしながら、特定ガス供給装置301Aと特定ガス供給装置301Bとをそれぞれ別々に設ける必要はなく、一台の特定ガス供給装置を兼用してもよい。すなわち、特定ガス供給装置301Aが特定ガス供給装置301Bを兼用してもよい。
また第2空間S2に対しても、本実施形態では第1空間S1に供給される特定ガスと同じガスを供給しているが、第1空間S1の圧力と第2空間S2の圧力とがほぼ同じになるように第2空間S2の圧力を調整できればよいので、第2空間S2に必ずしも特定ガスを供給する必要はなく、特定ガスとは異なるガス、例えば、ドライエアを供給するように構成してもよい。
次に、上述した構成を有するガス置換装置CH2によってマスクMの第1空間S1と特定ガスに置換する方法について説明する。
まず、マスクガス置換室70に収容されているマスクMのうち、ペリクル枠PF1の第1開口部h1に取り付けられている継手309Aに流路308Aが接続されるとともに、ペリクル枠PF1に接続されている空間形成部材200の第2開口部h2に取り付けられている継手309Bに流路309Aが接続される。そして、制御装置CONTは、特定ガス供給装置301Aから流路308Aを介して第1空間S1に特定ガスを供給する。特定ガスが供給されることによって第1空間S1内部のガスは別の第1開口部h1から排出され、第1空間S1は特定ガスに置換される。
第1空間S1に対する特定ガスの供給とともに、第2空間S2に対しても特定ガス供給装置301Bから流路308Bを介して特定ガスが供給される。ここで、制御装置CONTは、第2空間S2の圧力と第1空間S1の圧力とがほぼ同じ圧力になるように、第2空間S2に対する特定ガスの単位時間当たりの流量を流量調整装置311Bを用いて調整する。流量調整装置311Bによって第2空間S2に対する特定ガスの単位時間当たりの流量を調整することにより、第2空間S2内部の圧力が制御される。第2空間S2の圧力を調整するに際し、圧力検出装置313により流路308Aを介して第1空間S1の圧力が検出される。圧力検出装置313の検出結果は制御装置CONTに出力され、制御装置CONTは、第1空間S1の圧力検出結果に基づいて、第2空間S2の圧力が第1空間S1の圧力とほぼ同じ圧力になるように、流量調整装置311Bを制御する。
こうして、第1空間S1及び第2空間S2のそれぞれの圧力をほぼ同じ圧力に調整しつつ、継手309A,309Bが取り付けられている第1,第2開口部h1,h2のそれぞれから第1空間S1及び第2空間S2に対して特定ガスを供給することにより、別の第1,第2開口部h1,h2から第1,第2空間S1,S2内部のガスが排出され、やがて第1,第2空間S1,S2は特定ガスに置換される。なお、圧力検出装置313は、第1空間S1の圧力だけを検出してもよい。
ここで、第1,第2空間S1,S2内部のガスは、別の第1,第2開口部h1,h2を介してマスクガス置換室70内部に排出されるが、マスクガス置換室70の内部のガスは、置換室用ガス置換機構300の真空ポンプ306によってマスクガス置換室70に排気される。
そして、マスクガス置換室70には酸素濃度検出装置312及び水分濃度検出装置313が接続されており、これら検出装置312,313の検出結果は制御装置CONTに出力される。制御装置CONTはこれら検出装置312,313の検出結果に基づいて、マスクガス置換室70の酸素・水分濃度、ひいては第1空間S1の酸素・水分濃度が所定値以下(例えば数ppm以下)になった時点で、第1空間S1が特定ガスに置換されたと判断し、第1空間S1及び第2空間S2に対する特定ガスの供給を停止する。こうして、第1空間S1が特定ガスで満たされたマスクMからは空間形成部材200が分離され、マスクMはマスクローダ101によってマスクステージMSTにロードされる。
以上説明したように、第1空間S1に第1開口部h1を介して特定ガスを直接供給するようにしてもよい。そして、第1空間S1の圧力を検出し、この検出結果に基づいて第2空間S2の圧力が第1空間S1の圧力と同じ圧力になるように第2空間S2に対する特定ガスの単位時間当たりの流量を調整することにより、ペリクルPEを大きく変形させることなく安定したガス置換ができる。
なお、本実施形態では、第1,第2開口部h1,h2から第1,第2空間S1,S2に対して特定ガスを供給することによって、別の第1,第2開口部h1,h2から空間内部のガスを排気する構成であるが、別の第1,第2開口部h1,h2に継手を取りつけ、この継手に真空ポンプなどのガス排出装置の流路を接続して、空間内部のガスを積極的に排出してもよい。この場合、ガス排出装置のガス排気量と、特定ガス供給装置から供給される特定ガスの供給量とが、ほぼ同じになるように調整されることによって、第1空間S1内の圧力と、第2空間S2内の圧力とをほぼ等しくすることができる。
本実施形態では、第1空間S1に対して流路308Aを介して特定ガスを直接供給する構成であるため、空間形成部材200に接続されたマスクMを密閉室であるマスクガス置換室70に必ずしも配置する必要はない。一方、本実施形態のように、ガス置換を密閉室内で行うことにより、酸素濃度検出装置312や水分濃度検出装置313によってガス置換の状態を検出できる。なお、酸素濃度検出装置や水分濃度検出装置を、別の第1開口部h1や第2開口部h2に直接接続する構成とすることもできる。
本実施形態では、流路308A,308Bと第1,第2空間S1,S2との接続は継手309A,309Bを介して行っているが、継手を設けずに、ガス供給装置301A,301Bに接続された流路308A,308Bを第1,第2開口部h1,h2のそれぞれに押し当てるようにして接続し、ガス置換を行ってもよい。一方、継手309A,309Bを設けて第1,第2開口部h1,h2と流路308A,308Bとのそれぞれの間からのガスのリーク量を抑えることによって、第1空間S1と第2空間S2との圧力をほぼ同じ圧力にするための圧力制御は安定される。
なお、本実施形態では、第1空間S1と第2空間S2との体積はほぼ等しく設定されており、第1開口部h1及び第2開口部h2の大きさや設置数、フィルタ310A及びフィルタ310Bも同等であるので、圧力検出装置313によって第1空間S1の圧力検出をし、この検出結果に基づいて第2空間S2に対する特定ガスの単位時間当たりの流量調整をしなくても、流量調整装置311A及び流量調整装置311Bを制御して第1空間S1及び第2空間S2に対する単位時間当たりのガス流量をほぼ等しくなるように設定することによって、第1空間S1の圧力と第2空間S2の圧力とをほぼ同じ圧力にした状態で、第1空間S1のガス置換を行うことができる。
本実施形態では、第1空間S1内部の圧力を検出する圧力検出装置は、流路308Aの途中に設けられ、流路308Aを介して第1空間S1の圧力を検出する構成であるが、例えば別の第1開口部h1に圧力検出装置を直接取り付けることもできる。更に、第2空間S2の圧力調整は、圧力検出装置の検出結果に寄らず、例えば、光学式の変位量計測装置によって第1空間S1と第2空間S2との圧力差に基づくペリクルPEの変位量を計測し、この計測結果によって、ペリクルPEの変位量が小さくなるように、第2空間S2の圧力調整をしてもよい。光学式の変位量計測装置を用いる際には、例えば空間形成部材200の板状部材Bを透明基板とし、この透明基板を介してペリクルPEの変位量を計測すればよい。
次に、本発明の第3実施形態について図13を参照しながら説明する。
図13に示すように、マスクMは、パターンPAを保護するペリクルPEと、ペリクルPEをマスクMに対して所定間隔離して保持するペリクル枠PF1とを備えている。なお、図13では、マスクMのパターンPA面が上に向けられた状態を描いている。
本実施形態の特徴的な部分は、ペリクル枠PF1に接続されている空間形成部材200の形状である。本実施形態に係る空間形成部材200は、図13に示すように、中央部がペリクルPEから離れる方向に膨出した形状を有している。すなわち、本実施形態における第1空間S1と第2空間S2とは異なる体積及び形状に設定されている。
空間形成部材200のうち、図中、上面に空間形成部材200とペリクルPEとの間に形成されている第2空間S2内部と外部とを連通する第2開口部h2が1つ形成されている。一方、ペリクル枠PF1には第1空間S1の内部と外部とを連通する第1開口部h1が2つ形成されている。すなわち、本実施形態では、第1開口部h1と第2開口部h2との大きさ・設置数が異なっている。
第1開口部h1にはパーティクルフィルタ501が設けられている。一方、第2開口部h1には、第1開口部h1に設けられているパーティクルフィルタ501とは材質あるいは構造が異なる別のパーティクルフィルタ502が設けられている。パーティクルフィルタ501,502の材質・構造は、2つの第1開口部h1を介して流れるガスの単位時間当たりの総流量と、1つの第2開口部h2を介して流れるガスの単位時間当たりの総流量とが等しくなるように設定されている。
第1空間S1のガスを特定ガスに置換するには、マスクMのペリクル枠PF1と空間形成部材200とを接続した状態でマスクガス置換室70に設置し、第1実施形態同様、置換室用ガス置換機構300によってガス置換する。このとき、第1空間S1と第2空間S2との体積や形状が異なっていても、フィルタ501,502のそれぞれの材質・構造を調整し、第1開口部h1を介して流れるガスの単位時間当たりの総流量と、第2開口部h2を介して流れるガスの単位時間当たりの総流量とをほぼ等しくすることによって、第1空間S1の圧力と第2空間S2の圧力とをほぼ同じ圧力にした状態で第1空間S1のガス置換ができる。
次に、本発明の第4実施形態について図14を参照しながら説明する。
図14に示すガス置換装置CH3は、ペリクル枠PF1を介してペリクルPEが装着されているマスクMを収容する密閉室であるマスクガス置換室70と、マスクガス置換室70に配置されたマスクMのペリクル枠PF1の端部C2に接続され、第1空間S1に対してペリクルPEを挟んで反対側に第2空間S2を形成する圧力調整室600と、圧力調整室600に設置され、第2空間S2の圧力を検出する圧力センサ601と、圧力調整室600に設置され、ペリクルPEの変位量を計測可能な光学式の変位量計測装置602と、ペリクル枠PF1に設置され、第1開口部h1を介して第1空間S1の圧力を検出する圧力検出装置604と、第2空間S2に対して特定ガスを供給可能であるとともに第2空間S2のガスを排出可能であり、第2空間S2の圧力を調整可能な圧力調整装置605とを備えている。
圧力調整装置605は、特定ガスを第2空間S2に供給可能な特定ガス供給装置606と、第2空間S2内部のガスを排気可能な真空ポンプからなるガス排出装置607と、特定ガス供給装置606に対して流路608を介して接続されているとともに、真空ポンプ607に対して流路609を介して接続されている3方向バルブ610と、一端を第2空間S2内部に接続し他端を3方向バルブ610に接続した流路611と、流路608の途中に設けられ、この流路608のガスの単位時間当たりの流量を調整可能なバルブからなる流量調整装置612とを備えている。流路608,609,611はガス配管であり、流路611と圧力調節室600とは継手613を介して接続されている。3方向バルブ610は、流路611と特定ガス供給装置606又は真空ポンプ607のいずれか一方とを選択的に接続する。そして、3方向バルブ610によって、特定ガス供給装置606と流路611とを接続することにより、特定ガス供給装置606から第2空間S2に対して特定ガスが供給可能となっており、真空ポンプ607と流路611とを接続することにより、第2空間S2内部のガスを排出可能となっている。
また、マスクガス置換室70には、第1実施形態で説明した、マスクガス置換室70に対して特定ガスを供給可能であるとともに、マスクガス置換室70のガスを排出可能であり、マスクガス置換室70内部のガスを特定ガスに置換する置換室用ガス置換機構300が接続されている。
次に、上述した構成を有するガス置換装置CH3によって第1空間S1のガスを特定ガスに置換する方法について説明する。
まず、マスクガス置換室70にマスクMが搬送され、マスクMのペリクル枠PF1に対して圧力調節室600が接続される。次に、マスクガス置換室70内部のガスが置換室用ガス置換機構300によって外部に排出される。このとき、第1空間S1のガスは第1開口部h1に設けられているパーティクルフィルタ620を介して外部に排出され、第1空間S1の圧力は低下する。第1空間S1の圧力変化は圧力検出装置604によって検出され、この圧力検出装置604の検出結果は制御装置CONTに出力される。制御装置CONTは圧力検出装置604の検出結果に基づいて、3方向バルブ610を制御し、真空ポンプ607と流路611とを接続する。真空ポンプ607と流路611とが接続することにより、第2空間S2のガスは外部に排出され、第2空間S2の圧力は低下する。第2空間S2の圧力は圧力センサ601によって検出されており、圧力センサ601の検出結果は制御装置CONTに出力される。制御装置CONTは、第2空間S2の圧力と第1空間S1の圧力とがほぼ同じ圧力になるように、真空ポンプ607の出力を調整する。
第1空間S1の圧力が十分に低下した時点で、マスクガス置換室70に置換室用ガス置換機構300より特定ガスを供給する。すると、第1開口部h1を介して第1空間S1に特定ガスが供給され、第1空間S1の圧力は徐々に上昇する。第1空間S1の圧力変化は圧力検出装置604によって検出され、この圧力検出装置604の検出結果は制御装置CONTに出力される。制御装置CONTは圧力検出装置604の検出結果に基づいて、3方向バルブ610を制御し、特定ガス供給装置606と流路611とを接続する。特定ガス供給装置606と流路611とが接続することにより、第2空間S2には特定ガスが供給され、第2空間S2の圧力は上昇する。第2空間S2の圧力は圧力センサ601によって検出されており、圧力センサ601の検出結果は制御装置CONTに出力される。制御装置CONTは、第2空間S2の圧力と第1空間S1の圧力とがほぼ同じ圧力になるように、流量調整装置612を制御し、第2空間S2に対する特定ガスの単位時間当たりの流量を調整する。そして、第1空間S1の圧力が外部の圧力(通常1気圧)と等しくなった時点で圧力調整室600とペリクル枠PF1との接続を解除し、マスクMを露光装置EXのマスクステージMSTに搬送する。
以上説明したように、第1空間S1をガス置換する際には、マスクガス置換室70をガス置換することによってガス置換を行い、第2空間S2をガス置換するには、第2空間S2に特定ガス供給装置から特定ガスを直接供給する構成とすることができる。なお、第4、第5実施形態では、説明の都合上、マスクに形成されたパターン面が紙面上方を向いているが、第1〜第3実施形態と同様に、マスクに形成されたパターン面が紙面下方に向けられたものである。
次に、本発明の第5実施形態について図15及び図16を参照しながら説明する。
図15に示すように、ガス置換装置CH4は、密閉室であるマスクガス置換室70を有しており、マスクガス置換室70にはローダ室120が接続している。そして、ローダ室120には露光装置EXのうちマスク室5が接続している。マスクガス置換室70のマスク室5と反対側にはマスクライブラリMLが設けられている。
図16はマスクガス置換室70の拡大斜視図である。図16に示すように、マスクガス置換室70には、マスクガス置換室70内部のガスを特定ガスに置換する置換室用ガス置換機構300が接続されている。置換室用ガス置換機構300は、第1実施形態において説明したように、マスクガス置換室70に特定ガスを供給可能な特定ガス供給装置301と、マスクガス置換室70内部のガスを排出可能な真空ポンプ306と、マスクガス置換室302に接続している流路302と、特定ガス供給装置301及び真空ポンプ306及び流路302に接続している3方向バルブ303とを備えている。
マスクガス置換室70の内部には、Z方向に複数並んだ支持台700が設けられている。支持台700のそれぞれは、空間形成部材200を接続したマスクMを支持可能となっている。また、支持台70のそれぞれには、置換室用ガス置換機構300によるガス置換がマスクガス置換室70全体に均一に作用されるように、開口部701が形成されている。
マスクガス置換室70全体は不図示の駆動装置によって、図15の矢印z1で示すように、Z方向(上下方向)に往復移動可能となっている。マスクガス置換室70がZ方向に移動することにより、マスクガス置換室70内部でZ方向に複数設置されている複数のマスクMのうち、任意のマスクMに対してローダ室120のマスクローダ101がアクセス可能となっている。
次に、上述した構成を有するガス置換装置CH4によって第1空間S1のガスを特定ガスに置換する方法について説明する。
まず、第1実施形態同様、マスクライブラリMLのマスクMがマスク搬送機構74によってマスクガス置換室70に搬送される。このとき、マスクガス置換室70がZ方向に移動することにより、マスクライブラリMLからのマスクMは複数の支持台700のうち任意の支持台700に容易に設置可能となる。
そして、複数の支持台700のそれぞれでマスクMを支持したら、置換室用ガス置換機構300によって第1実施形態同様、マスクガス置換室70のガスを特定ガスに置換する。すると、第1実施実施形態同様、複数のマスクMのそれぞれの第1空間S1は特定ガスで満たされる。第1空間S1を特定ガスで満たされたマスクMは、ローダ室120を介してマスク室5のマスクステージMSTにロードされる。ここで、1つのマスクMが露光処理に用いられている間、他のマスクMの第1空間S1はマスクガス置換室70において特定ガスを常時供給されている。
以上説明したように、マスクガス置換室70に複数の支持台700を設けてマスクガス置換室70に複数のマスクMを収容することにより、複数のマスクMのそれぞれの第1空間S1に対するガス置換を同時に行うことができる。そして、複数の第1空間S1に対するガス置換を同時に行うことによって、ガス置換動作をマスクMの交換毎(マスクライブラリMLからマスクMをマスクガス置換室70に搬送する毎)に行う必要がなくなり、スループットを向上できる。
なお、マスクガス置換室70が十分に大きく、多数のマスクMを収容可能であれば、マスクガス置換室70をマスクライブラリとして用い、図15に示したマスクライブラリMLを省略することができる。この場合、露光装置全体の省スペース化を実現できる。
なお、上記各実施形態では、ペリクル枠PF1に対して空間形成部材200を接続することにより第2空間S2を形成しているが、例えば、マスクMのそれぞれを収納するマスクケース103(図1参照)の底部に空間形成部材に相当する第2枠部材を一体的に設けておき、マスクケース103内部で第1空間S1のガス置換を行うこともできる。あるいは、マスクライブラリMLや図16に示した支持台700の底部に空間形成部材に相当する第2枠部材を一体的に設けておき、この第2枠部材とペリクル枠PF1とを接続し、マスクライブラリML内部で第1空間S1のガス置換を行うようにしてもよい。
本実施形態では、マスク室5及びウェハ室6を備える構成について説明したが、マスク室5を設けずに、照明光学系ILと投影光学系PLとの間の空間における露光光の光路部分だけを局所的にガス置換する構成であってもよい。また、ウェハ室6についても同様に、ウェハ室6を設ける代わりに、投影光学系PLとウェハWとの間の空間のうち、露光光の光路部分だけを局所的にガス置換する構成であってもよい。
また、本実施形態では、空間形成部材200の一端部C3がペリクル枠PF1の端部に接続される構成であったが、この空間形成部材200の一端部C3をマスク表面に接続する構成にしてもよい。また、空間形成部材200の一端部C3をペリクル枠PF1の側面に接続するように形成してもよい。
本発明に係るウエハWとしては半導体デバイス用の半導体ウエハのみならず、薄膜磁気ヘッド用のセラミックウエハや、液晶表示デバイス用のガラスプレートであってもよい。
露光装置EXとしてはマスクMとウエハWとを静止した状態でマスクMのパターンを露光し、ウエハWを順次ステップ移動させるステップ・アンド・リピート方式の露光装置(ステッパー)に限らず、マスクMとウエハWとを同期移動してマスクMのパターンをウエハWに露光するステップ・アンド・スキャン方式の走査型露光装置(スキャニング・ステッパー)にも適用することができる。
露光装置EXの種類としては、上記半導体製造用のみならず、液晶表示デバイス製造用の露光装置や、薄膜磁気ヘッド、撮像素子(CCD)あるいはマスクMなどを製造するための露光装置などにも広く適用できる。
また、照明光学系ILの光源1として、YAGレーザや半導体レーザなどの高周波などを用いてもよい。
投影光学系PLの倍率は、縮小系のみならず、等倍系および拡大系のいずれでもよい。
また、投影光学系PLとしては、エキシマレーザなどの遠紫外線を用いる場合は硝材として石英や蛍石などの遠紫外線を透過する材料を用い、F2レーザを用いる場合は反射屈折系または屈折系の光学系にすればよい。
ウエハステージWSTの移動により発生する反力は、特開平8−166475号公報に記載されているように、フレーム部材を用いて機械的に床(大地)に逃がしてもよい。本発明は、このような構造を備えた露光装置においても適用可能である。
マスクステージMSTの移動により発生する反力は、特開平8−330224号公報に記載されているように、フレーム部材を用いて機械的に床(大地)に逃がしてもよい。本発明は、このような構造を備えた露光装置においても適用可能である。
以上のように、本願実施形態の露光装置は、本願特許請求の範囲に挙げられた各構成要素を含む各種サブシステムを、所定の機械的精度、電気的精度、光学的精度を保つように、組み立てることで製造される。これら各種精度を確保するために、この組み立ての前後には、各種光学系については光学的精度を達成するための調整、各種機械系については機械的精度を達成するための調整、各種電気系については電気的精度を達成するための調整が行われる。各種サブシステムから露光装置への組み立て工程は、各種サブシステム相互の、機械的接続、電気回路の配線接続、気圧回路の配管接続等が含まれる。この各種サブシステムから露光装置への組み立て工程の前に、各サブシステム個々の組み立て工程があることはいうまでもない。各種サブシステムの露光装置への組み立て工程が終了したら、総合調整が行われ、露光装置全体としての各種精度が確保される。なお、露光装置の製造は温度およびクリーン度等が管理されたクリーンルームで行うことが望ましい。
半導体デバイスは、図17に示すように、デバイスの機能・性能設計を行うステップ201、この設計ステップに基づいたマスクを製作するステップ202、デバイスの基材となる基板(ウエハ、ガラスプレート)を製造するステップ203、前述した実施形態の露光装置によりマスクのパターンを基板(ウエハ)に露光する基板処理ステップ204、デバイス組み立てステップ(ダイシング工程、ボンディング工程、パッケージ工程を含む)205、検査ステップ206等を経て製造される。
産業上の利用可能性
本発明のガス置換方法及びガス置換装置によれば、枠部材に形成した第1開口部を介して第1空間内部のガスを特定ガスに置換する際、第1空間に対して保護部材を挟んで反対側に第2空間を形成する空間形成部材を配置し、この第2空間の圧力を調整しつつ第1空間のガス置換を行うことにより、保護部材にはガス置換に伴う圧力変化に基づく過剰な力が作用せず、保護部材は大きく変形しない。したがって、保護部材の破損や劣化を防止しつつ迅速で安定したガス置換ができる。
本発明のマスク保護装置及びマスクによれば、第1空間のガス置換を行う際、第2空間の圧力を調整しつつ第1空間のガス置換を行うことができ、保護部材に対してガス置換に伴う圧力変化に基づく過剰な力が作用することを防止できる。したがって、保護部材を大きく変形させることなく迅速で安定したガス置換ができる。また、マスクを輸送する場合などにおいて、保護部材は板状部材によって保護されるので、マスクのパターンは保護部材によって確実に保護されるとともに、保護部材の劣化や汚れの付着、損傷も防止できる。
本発明の露光方法及び露光装置によれば、枠部材に形成した第1開口部を介して第1空間内部のガスを露光光に対する吸収が少ない特性を有する特定ガスに置換する際、第1空間に対して保護部材を挟んで反対側に第2空間を形成する空間形成部材を配置し、この第2空間の圧力を調整しつつ第1空間のガス置換を行うことにより、保護部材にはガス置換に伴う圧力変化に基づく過剰な力が作用しない。したがって、保護部材の破損や光学特性の変化(劣化)を防止しつつ迅速で安定したガス置換ができ、マスクのパターンは確実に保護されて短波長の露光光を用いた場合でも精度良い露光処理ができる。
【図面の簡単な説明】
図1は本発明のガス置換装置を備えた露光装置を示す概略構成図である。
図2は本発明のマスク及びマスク保護装置を示す図であって、図2Aは平面図、図2Bは図2AのA−A矢視図である。
図3は本発明のマスク及びマスク保護装置を示す斜視図である。
図4は本発明のガス置換装置の第1実施形態を示す斜視図である。
図5は本発明のガス置換装置のうち搬送系を示す側面図である。
図6は本発明のマスク及びマスク保護装置の他の実施形態を示す側方断面図である。
図7は本発明のマスク及びマスク保護装置の他の実施形態を示す斜視図である。
図8は本発明のマスク及びマスク保護装置の他の実施形態を示す側方断面図である。
図9は本発明のマスク及びマスク保護装置の他の実施形態を示す側方断面図である。
図10は本発明のガス置換装置の他の実施形態を示す側面図である。
図11は本発明のガス置換装置の第2実施形態を示す斜視図である。
図12は図11の要部を拡大した側方断面図である。
図13は本発明のガス置換装置の第3実施形態を示す斜視図である。
図14は本発明のガス置換装置の第4実施形態を示す側方断面図である。
図15は本発明のガス置換装置の第5実施形態を示す概略構成図である。
図16は図15の要部を拡大した斜視図である。
図17は半導体デバイスの製造工程の一例を示すフローチャート図である。
Claims (21)
- パターンが形成された基板と、該基板の前記パターンが形成された面を保護する保護部材と、前記保護部材を前記基板に対して所定間隔離して保持する枠部材との間に形成される第1空間内のガスを所定ガスに置換するガス置換方法において、
前記第1空間に対して前記保護部材を挟んで反対側に第2空間を形成する空間形成部材を配置し、前記第2空間の圧力を調整しつつ、前記枠部材に設けられている該第1空間内部と外部とを連通する第1開口部を介して前記第1空間内のガスを前記所定ガスに置換する。 - 請求項1記載のガス置換方法であって、前記第1空間内の圧力を検出し、該検出結果に応じて、前記第2空間の圧力を調整する。
- 請求項1又は2記載のガス置換方法であって、
前記枠部材は、前記基板に取り付けられる一方の端部と、前記保護部材が取り付けられる他方の端部とを備え、
前記空間形成部材は、前記第2空間内部と外部とを連通する第2開口部を有し、
前記第1空間に対して前記保護部材を挟んで反対側に前記空間形成部材を配置した状態で前記基板をガス置換室に収容し、前記ガス置換室内部のガスを前記所定ガスに置換することによって、前記第2空間の圧力と前記第1空間の圧力とがほぼ同じ圧力のもとで、前記第1空間を前記第1開口部を介して前記所定ガスに置換する。 - 請求項3記載のガス置換方法であって、
前記空間形成部材は、前記枠部材の他方の端部に接続される接続部を介して前記枠部材に取り付けられる。 - 請求項1又は2記載のガス置換方法であって、
前記枠部材は、前記基板に取り付けられる一方の端部と、前記保護部材が取り付けられる他方の端部とを備え、
前記空間形成部材は、前記第2空間内部と外部とを連通する第2開口部を有し、
前記第1開口部に接続されたガス置換機構を介して、前記第1空間内のガスを特定ガスに置換する間、前記第2開口部に接続された圧力調整機構を介して、前記第2空間内の圧力を調整する。 - 請求項5記載のガス置換方法であって、
前記ガス置換機構は前記圧力調整機構を兼用する。 - パターンが形成された基板と、該基板の前記パターンが形成された面を保護する保護部材と、前記保護部材を前記基板に対して所定間隔離して保持する枠部材との間に形成される第1空間内のガスを所定ガスに置換するガス置換装置において、
前記枠部材は、前記第1空間内部と外部とを連通する第1開口部を備え、
前記第1開口部を介して、前記第1空間に対する前記所定ガスの供給及び第1空間内部のガスの排出の少なくとも一方を行うガス置換部と、
前記第1空間に対して前記保護部材を挟んで反対側に第2空間を形成する空間形成部材と、
前記第2空間の圧力を調整する圧力調整装置とを備える。 - 請求項7記載のガス置換装置であって、
前記第1空間内部の圧力を検出する圧力検出装置を備え、
前記圧力調整装置は、前記圧力検出装置の検出結果に応じて、前記第2空間の圧力を調整する。 - 請求項7又は8記載のガス置換装置であって、
前記枠部材は、前記基板に取り付けられる一方の端部と、前記保護部材が取り付けられる他方の端部とを備え、
前記空間形成部材は、前記第2空間内部と外部とを連通する第2開口部と、前記枠部材の他方の端部に接続される接続部とを有し、
前記枠部材に前記空間形成部材を接続した状態で前記基板及び前記保護部材を収容するガス置換室と、
前記ガス置換室内部のガスを前記所定ガスに置換する置換室ガス置換部とを備える。 - 請求項7又は8記載のガス置換装置であって、
前記枠部材は、前記基板に取り付けられる一方の端部と、前記保護部材が取り付けられる他方の端部とを備え、
前記空間形成部材は、前記第2空間内部と外部とを連通する第2開口部を有し、
前記ガス置換部は、第1連結部を介して前記第1開口部に接続され、
前記圧力調整装置は、第2連結部を介して前記第2開口部に接続される。 - 請求項10記載のガス置換装置であって、
前記ガス置換部は前記圧力調整装置を兼用する。 - マスクに備えられた所定のパターンを保護する保護部材と、一方の端部に前記保護部材が取り付けられた第1枠部材とを有するマスク保護装置において、
前記第1枠部材の一方の端部に接続される接続部が一端部に形成された第2枠部材と、
前記第2枠部材の他端部に装着され、前記保護部材と前記第2枠部材との間で空間を形成する板状部材とを備える。 - 請求項12記載のマスク保護装置であって、
前記第1枠部材の一方の端部における前記保護部材に、前記第2枠部材の一端部が接触することによって生じる破損を防止するために、前記保護部材のうち、前記第2枠部材が接触する部分と、前記第2枠部材の一端部との間に、破損防止部材を設ける。 - 請求項12又は13記載のマスク保護装置であって、
前記第1枠部材は、ガス置換機構が接続可能な連結部を備える第1開口部を有する。 - 所定のパターンを備えたマスクにおいて、
前記第1枠部材の他方の端部を介して請求項12に記載のマスク保護装置が接続されている。 - 枠部材を介して保護部材で保護されたマスクのパターンで感光性基板を露光する露光方法において、
前記枠部材は、前記保護部材と前記マスクとの間に形成される第1空間内部と外部とを連通する第1開口部を備え、
前記第1空間に対して前記保護部材を挟んで反対側に第2空間を形成する空間形成部材を配置し、前記第2空間の圧力を調整しつつ、前記第1開口部を介して前記第1空間内のガスを露光光に対する吸収が少ない特性を有する特定ガスに置換し、露光処理を行う。 - 請求項16記載の露光方法であって、
前記枠部材は、前記基板に取り付けられる一方の端部と、前記保護部材が取り付けられる他方の端部とを備え、
前記空間形成部材は、前記第2空間内部と外部とを連通する第2開口部を有し、
前記第1空間に対して前記保護部材を挟んで反対側に前記空間形成部材を配置した状態で前記基板をガス置換室に収容し、前記ガス置換室内部のガスを露光光に対する吸収が少ない特性を有する特定ガスに置換することによって、前記第2空間の圧力と前記第1空間の圧力とがほぼ同じ圧力のもとで、前記第1空間を前記第1開口部を介して前記特定ガスに置換する。 - 請求項17に記載の露光方法であって、前記ガス置換が終了したら、前記第2空間形成部材と前記枠部材との接続を解除し、前記露光処理を行う。
- 枠部材を介して保護部材で保護された前記マスクのパターンで感光性基板を露光する露光装置において、
前記枠部材は、前記保護部材と前記マスクとの間に形成される第1空間内部と外部とを連通する第1開口部を備え、
前記第1開口部を介して、前記第1空間に対する露光光に対する吸収が少ない特性を有する特定ガスの供給及び第1空間内部のガスの排出の少なくとも一方を行うガス置換部と、
前記第1空間に対して前記保護部材を挟んで反対側に第2空間を形成する空間形成部材と、
前記第2空間の圧力を調整する圧力調整装置とを具備するガス置換装置を備える。 - 請求項19記載の露光装置であって、
前記枠部材は、前記基板に取り付けられる一方の端部と、前記保護部材が取り付けられる他方の端部とを備え、
前記空間形成部材は、前記第2空間内部と外部とを連通する第2開口部と、前記枠部材の他方の端部に接続される接続部とを有し、
前記枠部材に前記空間形成部材を接続した状態で収容するガス置換室と、
前記ガス置換室内部のガスを前記所定ガスに置換する置換室ガス置換部とを備える。 - 請求項19記載の露光装置であって、
前記枠部材は、前記基板に取り付けられる一方の端部と、前記保護部材が取り付けられる他方の端部と、前記第1開口部に設けられる第1連結部とを備え、
前記空間形成部材は、前記第2空間内部と外部とを連通する第2開口部と、該第2開口部に設けられる第2連結部とを備え、
前記ガス置換部は、前記第1連結部を介して前記第1開口部に接続され、
前記圧力調整装置は、前記第2連結部を介して前記第2開口部に接続される。
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