JP2005019822A - マスク保護装置及びマスク保護装置の製造方法、並びにマスク - Google Patents
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Abstract
【課題】略四角形等に形成される枠部材の内面側からの加工やコーナー部分の加工等の困難な加工を行うことなく、容易に枠部材に貫通孔を形成することができるマスク保護装置等を提供する。
【解決手段】一端部がマスク基板P上のパターン形成領域PAの周辺に設けられる枠部材Fと、枠部材Fの他端部に設けられてパターン形成領域PAを保護する保護部材Cとを備えるマスク保護装置PEにおいて、他端部の端面と保護部材Cとの間に、枠部材Fと保護部材Cとで形成される空間S側と外気とを連通する連通溝1,2が形成されるようにした。
【選択図】 図1
【解決手段】一端部がマスク基板P上のパターン形成領域PAの周辺に設けられる枠部材Fと、枠部材Fの他端部に設けられてパターン形成領域PAを保護する保護部材Cとを備えるマスク保護装置PEにおいて、他端部の端面と保護部材Cとの間に、枠部材Fと保護部材Cとで形成される空間S側と外気とを連通する連通溝1,2が形成されるようにした。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば、半導体素子製造における露光工程で用いられるマスク保護装置、マクスに関する。
【0002】
【従来の技術】
半導体素子、薄膜磁気ヘッド、液晶表示素子等のデバイスを製造するフォトリソグラフィー工程では、フォトマスクあるいはレチクルに形成されたパターンの像をフォトレジスト等の感光剤を塗布した基板上に転写させる露光装置が一般的に使用されている。そして、半導体メモリの大容量化やCPUプロセッサの高速化・高集積化の進展に伴い、基板上のショット領域に投影されるパターン形状の微細化の要請は年を追う毎に厳しくなり、露光装置に使用される露光用照明光(以下、「露光光」という)は、従来の主流であった水銀ランプに代わってKrFエキシマレーザー(248nm)、ArFエキシマレーザー(193nm)のような短波長の光が用いられるようになってきている。また、更なるパターン形状の微細化を目指してF2レーザー(157nm)を用いた露光装置の開発が進められている。しかし、真空紫外線と呼ばれる約190nm以下の波長の光は、酸素分子、水分子、二酸化炭素分子等の気体(以下、吸光ガスという)に吸収されやすいという性質を持つため、大気中を透過することができない。したがって、真空紫外線を露光光に用いる露光装置では、露光光が通過する空間内の吸光ガスを低減して、露光光を基板上面まで十分な照度で到達させる必要がある。
【0003】
ところで、マスクには、パターン面へのゴミの付着を防止する保護装置が取り付けられているのが一般的である。この保護装置は、例えば、ニトロセルロース等を主成分とする透光性の薄膜を枠部材を介してマスク基板に装着するものである。したがって、上述のような真空紫外線を露光光として用いる場合には、薄膜とマスク基板と枠部材との間に形成される空間内(以下、マスク内空間と称する)の吸光ガスも低減し、露光光のエネルギー吸収の少ないガス(低吸光性ガス)を供給する技術がある。
このため、例えば、特開2002−33258号公報で示すように、枠部材のコーナー部分に貫通孔を設け、この貫通孔を介して、マスク内空間に低吸光性ガスを供給するとともに、マスク内空間に存在する吸光ガスを排出させている。
【0004】
【特許文献1】
特開2002−33258号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上記の技術では、枠部材のコーナー部分に設けられた通気孔に給気管又は排気管の先端部を押し当てて、マスク内空間内のガス置換を行っている。このため、枠部材のコーナー部分に給気管又は排気管の先端部を押し当てる際に枠部材に発生する変形は、枠部材の側面部分に上記先端部を押し当てた際に発生する変形よりも小さく抑えることができる。
しかしながら、枠部材のコーナー部分にマスク内空間と外気とを連通する貫通穴を形成しているため、枠部材の強度が低下し、保護部材と枠部材が僅かながら変形する可能性がある。
【0006】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたもので、マスク内空間内のガス置換の際に、保護部材及び枠部材の変形を極力抑えることができるマスク保護装置、マスク保護装置の製造方法、及びマスクを提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明に係るマスク保護装置、マスクでは、上記課題を解決するために以下の手段を採用した。
第1の発明は、一端部がマスク基板(P)上のパターン形成領域(PA)の周辺に設けられる枠部材(F)と、枠部材(F)の他端部に設けられてパターン形成領域(PA)を保護する保護部材(C)とを備えるマスク保護装置(PE)において、他端部の端面と保護部材(C)との間に、枠部材(F)と保護部材(C)とで形成される空間(S)側と外気とを連通する連通溝(1,2)が形成されるようにした。この発明によれば、空間側と外気とを連通する連通溝の形成に際して、枠部材の他端部の端面に溝を設け、その溝を保護部材で覆うだけで済むので、枠部材への加工を簡略化することができ、かつマスク内空間内のガス置換の際の枠部材及び保護部材の変形を抑えることができる。
【0008】
第2の発明は、一端部がマスク基板(P)上のパターン形成領域(PA)の周辺に設けられる枠部材(F)と、枠部材(F)の他端部に設けられてパターン形成領域(PA)を保護する保護部材(C)とを備えるマスク保護装置(PE)の製造方法において、他端部の端面に溝(1,2)を形成する工程と、他端部に保護部材(C)を固着させて溝(1,2)の全て或いは一部を覆う工程とを有するようにした。この発明によれば、枠部材の他端部の端面に溝を設け、その溝を保護部材で覆うだけで、枠部材と保護部材とで形成される空間側と外気とを連通する連通孔を形成することができ、枠部材への加工を簡略化することができ、かつマスク内空間内のガス置換の際の枠部材及び保護部材の変形を抑えることができる。
【0009】
第3の発明は、一端部がマスク基板(P)上のパターン形成領域(PA)の周辺に設けられる枠部材(F)と、枠部材(F)の他端部に設けられてパターン形成領域(PA)を保護する保護部材(C)とを備えるマスク保護装置(PE)の製造方法において、枠部材(F)の外面から内面に連通する第1貫通孔(k1)を形成するとともに、端面から第1貫通孔(k1)に連通する第2貫通孔(k2)を形成する工程と、第1貫通孔(k1)のうち、外面から第2貫通孔(k2)に連通する部分の少なくとも一部を塞ぐ工程とを有するようにした。この発明によれば、枠部材の他端部の端面に開口して枠部材の内面に連通する貫通孔の形成に際して、枠部材の内面側からの加工を行う必要がないので、加工工具と枠部材との干渉が回避でき、加工が容易となり、更にマスク内空間内のガス置換の際の枠部材及び保護部材の変形を抑えることができる。
【0010】
第4の発明は、マスク(R,R2)が、マスク基板(P)上に、第1の発明に係るマスク保護装置(PE)、或いは第2又は第3の発明に係る製造方法により製造されたマスク保護装置(PE)を備えるようにした。この発明によれば、マスク保護装置に容易に貫通孔が形成されているので、マスク保護装置には変形やクラック等が発生せず、マスクを用いた露光作業を正確かつ安全に行うことができる。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、本発明のマスク保護装置、マスクの第1実施形態について図を参照しながら説明する。図1は、マスク保護装置PEを備えるレチクル(マスク)Rを示す模式図であって、図1(a)は平面図、図1(b)は図1(a)におけるX−X断面図、図1(c)は図1(a)におけるY−Y断面図である。
レチクルRは、図1(a)〜(c)に示すように、レチクル板(マスク基板)Pとマスク保護装置PEとから構成され、レチクル板P上のパターン(パターン形成領域)PAを保護するために、例えば、ペリクルと呼ばれるマスク保護装置PEがレチクル板P上に設けられる。このマスク保護装置PEは、フレーム(又はスタンド)と呼ばれる枠部材Fと薄膜(保護部材)Cとから構成され、略四角形の枠部材Fの一端部がレチクル板Pに接着されるとともに、他端部の端面には薄膜Cが装着される。
薄膜Cとしては、通常、ニトロセルロース等を主成分とする厚さが1〜2μm程度の透光性のフィルム部材が用いられるが、波長120nm〜190nmの真空紫外線の露光光ELを良好に透過させるためにレチクル板Pと同様に硝材、例えば、蛍石、フッ化マグネシウム、フッ化リチウム等の結晶材料や、石英ガラス(又は、フッ素ドープ石英)等で形成された厚さ300〜800μm程度の光学部材を用いてもよい。枠部材Fとしては、金属材料(例えば、アルミニウム等)或いは上述した硝材等で構成され、その形状は、略四角形の枠形に形成される。
そして、図1(b),(c)に示すように、マスク保護装置PEとレチクル板Pとの間には、空間、すなわち、薄膜Cとレチクル板Pと枠部材Fとの間に空間(以下、レチクル内空間Sと称する)が形成される。
【0012】
枠部材Fと薄膜Cとの間には、後述するレチクル内空間S内のガス置換の際にガスが流通する供給孔或いは排気孔として機能する貫通孔hが設けられる。
貫通孔h(h1〜h4)は、枠部材Fの端部の端面に装着された薄膜Cの表面から枠部材Fの内面に貫通して、レチクル内空間Sと外部とを連通する。すなわち、薄膜Cの表面及び枠部材Fの内面とには、それぞれ開口が形成される。貫通孔hの数と大きさは、ガス置換の効率(作業時間)等を考慮して決められる。また、貫通孔hは、枠部材Fの四隅部分(コーナー部分)に設けられる。これは、四角形に形成された枠部材Fの直線部分がレチクルRの位置決めの基準等としての各種計測に利用される場合が多いので、これらの計測に影響しないように配慮されたものである。
更に、枠部材Fと薄膜Cとの間には、気圧の変化に伴う薄膜Cの破損を防止するために貫通孔g(g1,g2)が設けられる。貫通孔gは、枠部材Fの枠形のうちの直線部に開口して、枠部材Fのそれぞれの辺、すなわち、四隅部分の間の側面(直線部分)に形成され、枠部材Fの外面と内面とを貫通して、レチクル内空間Sと外部とを連通する。この貫通孔gによって、例えば、航空機による輸送や天候の変化等によって大気圧が変化しレチクル内空間S内の気体が膨張、収縮した際に、貫通孔gを介してレチクル内空間Sと外部との間で空気が流通してレチクル内空間S内の圧力と大気圧との圧力差が低減されることにより、レチクル内空間Sの膨張、収縮を抑えて薄膜Cの破損を防止する。
また、貫通孔h及び貫通孔gには、外部からレチクル内空間S内への塵埃の侵入を防止するエアフィルタや、酸性ガス、アルカリ性ガス、有機ガスといったガス状汚染化学物質の進入を防止するケミカルフィルタ等のフィルタFLが設けられ、これらの物質によるパターンPAの汚染が防止される。なお、フィルタFLは、枠部材Fの内側、外側のいずれでもよい。枠部材Fの内側に貼り付けた場合には、枠部材Fに形成した貫通孔h及び貫通孔gの削りカスを除去できるので、より好ましい。
【0013】
ここで、貫通孔h及び貫通孔gの構成及び形成方法について説明する。貫通孔h及び貫通孔gは、薄膜Cが装着される枠部材Fの端部の端面に形成された溝(連通溝)1、2と、その溝1、2を覆う薄膜Cとにより形成される。すなわち、端面に形成された溝1、2を薄膜Cで蓋をすることにより、ガスを流通させ流路が形成される。
貫通孔gの場合には、枠部材Fの端部の端面に内面側から外面側に連通する溝2が形成される。そして、溝2を薄膜Cで覆うことにより、枠部材Fの内面から外面に連通する貫通孔gが形成される。一方、貫通孔hの場合には、枠部材Fの端部の端面に内面側から外面側に向けた溝1が形成されるが、外面側までは連通せずに、端面の途中まで形成される。また、溝1を覆う薄膜Cの一部分に穴部3を開口させておく。これにより、溝1を薄膜Cで覆うことにより、薄膜Cの表面から枠部材Fの内面に連通する貫通孔hが形成される。なお、薄膜Cの穴部3は、溝1を薄膜Cで覆った後に開口させてもよい。このようにして、レチクル内空間Sと外部とを連通する貫通孔h,gが形成される。
なお、溝1,2の加工には、例えば、エンドミルが用いられる。エンドミルとしては、ストレートエンドミル、ボールエンドミルのいずれであってもよい。ストレートエンドミルを用いた場合には、貫通孔g及び貫通孔hの断面形状が四角形となり、一方、ボールエンドミルを用いたの場合には、半円形或いはU字形となる。また、溝1,2の幅と深さは、任意に定めることができる。
以上のように、貫通孔h,gの形成に際して、枠部材Fに対しては、端部の端面に溝1,2を形成するだけで済むので、加工が従来に比べて容易になる。例えば、枠部材Fの端部の方向からの加工のみで済むので、加工方向を変更する段取り時間を従来に比べて大幅に短縮することができる。すなわち、枠部材Fの辺(直線部分)にそれぞれ外面から内面に連通する貫通孔を形成する場合であっても、枠部材をそれぞれの辺(直線部分)毎に位置決めする必要がなく、枠部材Fの端部の方向からの加工が行えるように位置決めさせればよいので、段取り時間を大幅に短縮することができる。
また、貫通孔hのように、薄膜Cの表面から枠部材Fの内面に連通する貫通孔であっても、枠部材Fの端部の方向からの加工(溝の形成)のみで済むので、枠部材Fと加工治具等との干渉等が発生しづらく、加工が行いやすくなる。
また、枠部材Fの端部の端面が平坦であることから、曲面或いは角部(コーナー部分の外面側等)への加工のように、ドリル等の工具が加工面で滑って加工位置がずれたり、工具が折れたりすることが発生しない。
【0014】
続いて、上述したレチクルRが用いられる露光装置と、枠部材Fに形成した貫通孔h,gを用いたガス置換方法について簡単に述べる。
図2は、露光装置STPの構成を示す概念図である。図2において、露光装置STPは、真空紫外域の露光用照明光(露光光)ELをレチクルRに照明しつつ、レチクルRとウエハ(基板)Wとを一次元方向に相対的に同期移動させて、レチクルRに形成されたパターン(回路パターン等)PAを投影光学系40を介してウエハW上に転写するステップ・アンド・スキャン方式の走査型露光装置、いわゆるスキャニング・ステッパである。この露光装置STPは、真空紫外域の露光光ELによりレチクルRを照明する露光照明系10、レチクルRを保持するレチクル室20、レチクル室20への大気流入を阻止するレチクル予備室30、レチクルRから射出される露光光ELをウエハW上に照射する投影光学系40、ウエハWを保持するウエハ室50、ウエハ室50への大気流入を阻止するウエハ予備室60、露光装置STPの動作を統括的に制御する主制御系70、レチクルR及びウエハWを露光装置STPに搬送する搬送系80、レチクル室20等の各室内のガスを置換するガス置換系(ガス置換装置)90(図3参照)から構成される。
露光装置STPには、後述する光源12から照射された露光光ELが、露光照明系10、レチクル室20及び投影光学系40を経てウエハ室50内に収納されたウエハWまでの到達するように光路空間LSが形成されるが、露光光ELとして真空紫外域の波長の光を用いることから、この光路空間LSから露光光ELを吸収する吸光ガス(例えば、酸素、水蒸気、炭化水素系のガス)を低減させる必要がある。そのため、光路空間LSを形成する露光照明系10、レチクル室20、投影光学系40及びウエハ室50は、それぞれ密閉された空間(室)内に配置され、その各室内から吸光ガスが排除される。また、レチクルR及びウエハWの搬送の際に、光路空間LSに大気が侵入しないようにレチクル予備室30及びウエハ予備室60が設けられ、これらの空間内からも吸光ガスが排除される。
なお、密閉された空間とは、各室が外部(大気)から完全に遮断された完全密閉構造であってもよいし、各室内の圧力が大気圧よりも高めに設定され、各室内から外部に気体が漏れる構造であってもよい。また、各室内の気圧が大気圧と同気圧であり、各室と外部との間で気体の流れがほとんどない構造も含まれる。
【0015】
図3は、露光装置STPにおけるガス置換系(ガス置換装置)90を示す概念図である。ガス置換系90は、露光照明系10、レチクル室20、投影光学系40及びウエハ室50により形成される光路空間LS、及びレチクル予備室30、ウエハ予備室60の各室内に存在するガスを真空紫外域の光に対する吸収性が酸素より少ない特性を有する、窒素、ヘリウム、アルゴン、ネオン、クリプトン等のガス、又はこれらの混合ガス(以下、これらを低吸光性ガス(所定ガス)Gという)に交換(置換)するものであり、各室内に低吸光性ガスGを供給するガス供給装置(ガス供給系)91と、各室内のガスを外部に排気するガス排気装置(気体排気系)96とから構成される。
ガス供給装置91は、低吸光性ガスGを貯蔵するガスボンベ92、ガスボンベ92から低吸光性ガスGを送り出す供給ポンプ93、供給ポンプ93と各室内とを連結する供給管路95(95a〜95f)、供給管路95の管路の途中に設けられた供給用制御弁94(94a〜94f)とから構成される。また、ガス排気装置96は、ガスを吸引する排気ポンプ97、排気ポンプ97と各室とを連結する排気管路99(99a〜99f)、排気管路99の管路の途中に設けられた排気用制御弁98(98a〜98f)とから構成される。そして、供給管路95を介して各室内に低吸光性ガスGを供給するとともに、各室内のガスを排気管路99を介して外部に排気することにより、各室内に存在する吸光ガスの濃度を低減させる、ガス置換が行われる。これらガス供給装置91及びガス排気装置96のガス供給量及び排気量は、主制御系(ガス供給制御部)70の指示に基づいて各ポンプ93、97が動作し、また各制御弁94,98が開閉することにより制御される。
【0016】
図2において、レチクル予備室30は、レチクルRの搬入及び搬出時に、レチクル室20への吸光ガスの流入を阻止するために設けられた空間であり、さらに、マスク保護装置PEを備えるレチクルRをレチクル室20へ搬入するに先立ち、このレチクル予備室30内においてレチクル内空間S内の吸光ガスを排除することにより、レチクル室20すなわち光路空間LSへの吸光ガスの侵入、或いはレチクル内空間S内における露光光ELの減衰を防止するものである。
レチクル予備室30は、レチクル室20と密着して設けられ、隔壁31によって覆われて光路空間LSとは独立して異なる密閉空間を有している。レチクル室20と密着する隔壁31には、開口部32が形成され、この開口部32には主制御系70の指示によって開閉する開閉扉33が設けられる。また、開口部32と対向する隔壁31には、開口部34が形成されており、この開口部34にも主制御系70の指示によって開閉する開閉扉35が設けられる。したがって、開閉扉35及び開閉扉35を閉じることによって、レチクル予備室30は密閉されて外部からの大気の侵入が遮断される。
また、レチクル予備室30の隔壁31(床面)の一部には、ガラス等の透光性部材が用いられた窓部36が設けられるとともに、その窓部36の下方に変位計測装置73が設置される。この変位計測装置73は、薄膜Cの変位をレーザー光を用いて計測するものであって、変位計測装置73から投光されたレーザー光が窓部36を透過して、薄膜Cで反射し、その反射光を受光することにより、薄膜Cの変位が計測される。そして、変位計測装置73からの出力信号は主制御系70に出力され、薄膜Cの変位量が一定範囲内となるようにガス供給装置91によるガス供給量、及びガス排気装置96によるガス排気量が制御される。
【0017】
レチクル室20は、後述する照明系ハウジング11、投影系ハウジング41及び隔壁31と隙間無く接合された隔壁21によって覆われた密閉空間内に、レチクルRを保持するレチクルホルダ22、レチクルステージ23、コラム24を備える。レチクルホルダ22は、レチクルステージ23に支持されるとともに、レチクルR上のパターンPAに対応した開口を有し、レチクルRのパターンPAを下にして真空吸着によって保持する。
レチクル室20は、レチクル予備室30と密着しており、開口部32を密閉する開閉扉35が開くことによりレチクル予備室30と連通し、開閉扉35が閉じることによってレチクル室20は密閉されて外部からのガスの流入が遮断される。また、隔壁21の天井部には、照明系ハウジング11の内部空間と、レチクルRが配置されるレチクル室20の内部空間とを分離する透過窓25が配置されている。この透過窓25は、露光照明系10からレチクルRに照明される露光光ELの光路上に配置されるため、真空紫外線である露光光ELに対して透過性の高い蛍石等の結晶材料によって形成される。
そして、レチクルステージ23は、コラム24に支持されており、不図示の駆動部によりX方向に一次元走査移動し、さらにY方向、及び回転方向(Z軸回りのθ方向)に微動する。
なお、図2において、投影光学系40の光軸に平行な方向をZ方向とし、光軸に垂直な平面内でレチクルRと照明領域との相対走査の方向(紙面に平行な方向)をX方向、これに直交する方向(紙面に直交する方向)をY方向とする。
そして、レチクル室20の外部に設けたレーザー干渉式測長器(不図示)によってレチクルステージ23のY方向の位置が逐次検出されて、主制御系70に出力される。
【0018】
露光照明系10は、光源12から照射された露光光ELがレチクルR上の所定の照明領域内にほぼ均一な照度分布で照射するために、オプティカルインテグレータを備える。露光照明系10では、光源12から照射された露光光ELが透過窓25を介してレチクルR上の所定の照明領域内にほぼ均一な照度分布で照射する。そして、オプティカルインテグレータは、照明系ハウジング11の内部に収納、密閉される。
露光光ELには、波長約120nm〜約190nmの真空紫外線であり、例えば、発振波長193nmのArFエキシマレーザー(ArFレーザー)、発振波長157nmのフッ素レーザー(F2レーザー)、発振波長146nmのクリプトンダイマーレーザー(Kr2レーザー)、発振波長126nmのアルゴンダイマーレーザー(Ar2レーザー)等が用いられる。
【0019】
投影光学系40は、蛍石、フッ化リチウム等のフッ化物結晶からなるレンズや反射鏡などの複数の投影レンズ系42を投影系ハウジング41(鏡筒)で密閉したものである。投影レンズ系42は、レチクルRを介して射出される照明光を所定の投影倍率β(βは例えば1/4)で縮小して、レチクルRのパターンPAの像をウエハW上の特定領域(ショット領域)に結像させる。
【0020】
ウエハ予備室60は、ウエハWの搬入及び搬出時に、ウエハ室50への吸光ガスの流入を阻止するために設けられた空間であり、ウエハ室50と密着して設けられ、隔壁61によって覆われて光路空間LSとは独立して異なる密閉空間を有している。ウエハ室50と密着する隔壁61には、開口部62が形成され、この開口部62には主制御系70の指示によって開閉する開閉扉63が設けられる。また、開口部62と対向する隔壁61には、開口部64が形成されており、この開口部64にも主制御系70の指示によって開閉する開閉扉65が設けられる。したがって、開閉扉65及び開閉扉65を閉じることによって、ウエハ予備室60は密閉されて外部からの大気の侵入が遮断される。
そして、ウエハ室50へのウエハWの搬入に先だって、ウエハ室50に隣接するウエハ予備室60にウエハWを一時的に収容し、ガス置換系90によってウエハ室50及びウエハ予備室60内の吸光ガスの濃度を低減させた後、ウエハ予備室60からウエハWをウエハ室50に搬入することにより、ウエハ室50への外気の混入を防いでいる。
【0021】
ウエハ室50は、投影系ハウジング41及び隔壁61と隙間無く接合された隔壁51によって覆われた密閉空間内に、ウエハWを真空吸着することによって保持するためのウエハホルダ52、ウエハステージ53を備える。ウエハ室50は、ウエハ予備室60と密着しており、開口部62を密閉する開閉扉63が開くことによりウエハ予備室60と連通し、開閉扉63を閉じることによってウエハ室50は密閉されて外部からのガスの侵入が遮断される。
ウエハホルダ52は、ウエハステージ53に支持されるとともに、ウエハWを真空吸着によって保持する。ウエハステージ53は、互いに直交する方向へ移動可能な一対のブロックをベース54上に重ね合わせたものであって、不図示の駆動部によりXY平面内で移動可能となっている。
そして、ウエハ室50の外部に設けたレーザー干渉式測長器(以下、レーザー干渉計57という。)によってウエハステージ53のX方向およびY方向の位置が逐次検出されて、主制御系70に出力される。すなわち、ウエハ室50の隔壁51の−X側の側壁には光透過窓55Xが設けられている。これと同様に、隔壁51の+Y側(図2における紙面奥側)の側壁にも光透過窓55Y(不図示)が設けられている。ウエハホルダ52の−X側の端部には、平面鏡からなるX移動鏡56XがY方向に延設されている。
このX移動鏡56Xにほぼ垂直にウエハ室50の外部に配置されたX軸レーザー干渉計57Xからの測長ビームが光透過窓55Xを透過して投射され、その反射光がX軸レーザー干渉計57Xに受光されることによりウエハWのX位置が検出される。また、略同様の構成により不図示のY軸レーザー干渉計57YによってウエハWのY位置が検出される。
そして、ウエハステージ53のXY面内の移動により、ウエハW上の任意のショット領域をレチクルRのパターンPAの投影位置(露光位置)に位置決めして、レチクルRのパターンPAの像をウエハWに投影転写する。
【0022】
搬送系80は、レチクル搬送系81とウエハ搬送系85とから構成される。レチクル搬送系81は、レチクル予備室30の内部に配置されて開口部32を介してレチクル室20に対してレチクルRを搬送するロボットアーム82と、露光装置STPの外部に配置されて開口部34を介してレチクル予備室30に対してレチクルRを搬送するロボットアーム83と、ロボットアーム82、83を制御する制御部84(不図示)とから構成される。そして、ロボットアーム83は、露光処理に使用するレチクルRを露光装置STPに付設されたレチクルライブラリ89からレチクル予備室30内に搬入し、また、露光処理が完了したレチクルRをレチクル予備室30内からレチクルライブラリ89に搬出する。なお、レチクルライブラリ89は複数の棚Tを有しており、各段の棚Tにはそれぞれ異なるパターンPAを有する複数のレチクルRが収納、保管される。
ウエハ搬送系85は、ウエハ予備室60の内部に配置されて開口部62を介してウエハ室50に対してウエハWを搬送するロボットアーム86と、露光装置STPの外部に配置されて開口部64を介してウエハ予備室60に対してウエハWを搬送するロボットアーム87と、ロボットアーム86、87を制御する制御部88(不図示)とから構成される。そして、ロボットアーム87は、露光装置STPの外部にある前工程から搬送されてきた露光処理前のウエハWをウエハ予備室60内に搬入し、また、露光処理が完了したウエハWをウエハ予備室60から露光装置STPの外部にある次工程に向けて搬出する。
また、制御部84、88は通信路を介して主制御系70と接続されており、主制御系70と各種情報をやり取りすることにより、露光装置STPと連動してレチクル搬送系81及びウエハ搬送系85を制御する。
【0023】
主制御系(ガス供給制御部)70は、露光装置STPを統括的に制御するものである。例えば、露光量(露光光の照射量)や後述するレチクルステージ23及びウエハステージ53の位置等を制御して、レチクルRに形成されたパターンPAの像をウエハW上のショット領域に転写する露光動作を繰り返し行う。
主制御系70には、各種演算を行う演算部71の他、各種情報を記録する記憶部72が設けられ、記憶部72に薄膜Cが破損しない変位量等の情報が記憶される。
そして、主制御系70は、変位計測装置73から得た計測結果と、記憶部72に記憶されている変位量とを比較し、薄膜Cの変位が所定範囲になるように、供給用制御弁94c、排気用制御弁98cを開閉し、また供給ポンプ93及び排気ポンプ97の作動・停止させる。これにより、薄膜Cが膨張(レチクル内空間Sが膨張)した場合のみならず、収縮(レチクル内空間Sが収縮)した場合でも破損を防止できる。
【0024】
続いて、以上のような構成をもつガス置換系90を備えた露光装置STPを用いて、光路空間LS及びレチクルRのレチクル内空間Sのガスを置換する方法と、ガス置換を行ったレチクルRに露光光ELを照射して露光を行う方法について説明する。
ガス置換方法及び露光方法は、光路空間LS内の吸光ガスをガス置換系90により低減する工程と、レチクルRをレチクル予備室30に搬入する工程と、レチクルRのレチクル内空間S内を低吸光性ガスGに置換する工程と、レチクルRをレチクル室20に搬入する工程と、ウエハWをウエハ室50に搬入する工程と、ウエハWにレチクルRのパターンPAを露光する工程とからなる。
【0025】
まず、光路空間LS内に存在する吸光ガスをガス置換系90により低減する工程では、主制御系70の指示により、各室に設けた供給用制御弁94及び排気用制御弁98を開放するとともに、供給ポンプ93及び排気ポンプ97を動作させて、ガスボンベ92に貯蔵された低吸光性ガスGを供給管路95から各室に送る。また、各室内に存在した吸光ガスを含むガスを排気管路99から排気される。なお、開閉扉33、35、63、65は、全て閉じておく。このようにして、各室内に存在する吸光ガスの濃度を低減させる。
【0026】
次に、レチクルRをレチクル予備室30に搬入する工程では、まず、主制御系70がレチクル搬送系81の制御部84に指令することにより、ロボットアーム83がレチクルライブラリ89に収納されている複数のレチクルRのなかから所望のレチクルRを取り出す。そして、ロボットアーム83が開閉扉35に近づくと、主制御系70の指令によりレチクル予備室30の開閉扉35が開く。そして、ロボットアーム83が開閉扉35からレチクル予備室30内にレチクルRを搬入し、レチクル予備室30内に設置されたレチクル仮置場にレチクルを戴置する。そして、ロボットアーム83がレチクル予備室30から退避すると、開閉扉35が閉じる。このようにして、レチクルRがレチクル予備室30内に搬入される。
【0027】
次に、レチクルRのレチクル内空間S内を低吸光性ガスGに置換する工程について説明する。レチクル予備室30に搬入されたレチクルRのレチクル内空間S内には、大気が含まれている。したがって、このままレチクルRをレチクル室20に搬入すると、レチクル室20内に吸光ガスを含んだ大気が侵入し、露光光ELを著しく吸収して、許容できない程度の透過率低下や透過率変動を招いてしまう。そこで、レチクル室20へのレチクルRの搬入に先だって、レチクル予備室30のガス置換を再び行う。
ガス置換の手順は上述した手順と同一である。そして、レチクル予備室30内にレチクルRを配置し、更にレチクル予備室30のガス置換を行うことにより、貫通孔h,gを介して低吸光性ガスGがレチクル内空間S内に導入されるとともに、レチクル内空間S内の大気が貫通孔h,gを介してレチクル予備室30内に放出される。そして、レチクル内空間S内から放出された大気は、レチクル予備室30内のガス置換作業により、外部に放出される。このようにして、レチクル内空間Sのガス置換が行われる。
このとき、レチクル予備室30及びレチクル内空間Sのガス置換の際に行われるガス供給及び排気動作によって、レチクル予備室30及びレチクル内空間Sには圧力変化が生じる。また、レチクル予備室30とレチクル内空間Sとの圧力差も生じる。この圧力変化や圧力差によって、薄膜Cが変位する。圧力変化が小さい場合には、貫通孔h,gを介してガスが流通することにより、薄膜Cの変位は緩和される。しかし,短時間でレチクル内空間Sのガス置換を行おうとすると、圧力変化、圧力差が大きくなり、破損してしまう虞がある。そこで、薄膜Cの変位をレーザー光を用いた変位計測装置73を用いて計測し、変位が所定範囲内に収まるように、主制御系70が供給用制御弁94c、排気用制御弁98c、供給ポンプ93、排気ポンプ97制御する。すなわち、変位計測装置73からの計測結果に基づいて主制御系70がガス供給装置91によるガス供給量、及びガス排気装置96によるガス排気量を制御して、薄膜Cの変位が所定の範囲内に収まるようにする。なお、ガスの供給量及び排気量は、薄膜Cの変化量が所定範囲内となるように、予め算出或いは実験等で求められた供給量、排気量を基準にして行われる。なお、実験的に薄膜Cが破損しないことが検討された範囲内のガス流量であれば、レーザー変位計による薄膜Cの変位測定は不要である。
以上のように、レチクル予備室30内及びレチクル内空間S内の吸光ガスの濃度を低減させた後に、レチクルRをレチクル室20に搬入することにより、レチクル室20への大気の侵入を防ぐことができる。
【0028】
レチクルRをレチクル室20に搬入する工程では、主制御系70の指示により開閉扉33が開くとともに、主制御系70から指令を受けた制御部84によりロボットアーム82が動作して、レチクルRをレチクル用ガス置換部100からレチクル室20内に搬送して、レチクルホルダ22上に戴置する。そして、ロボットアーム82がレチクル室20から退避すると開閉扉33が閉じる。このように、レチクルRがレチクル予備室30を経由してレチクル室20に搬送されたので、大気がレチクル室20に直接流れ込むことがなく、また、レチクル内空間Sのガス置換も行われているので、即座に露光処理に移行することができる。
【0029】
ウエハWを搬入する工程では、主制御系70の指令により開閉扉65が開き、主制御系70から指令を受けた制御部88によりロボットアーム87が動作して、前工程から搬送されてきたウエハWをウエハ予備室60に搬入する。そして、ロボットアーム87がウエハ予備室60から退避すると、開閉扉65が閉じて、ウエハ予備室60内のガス置換が開始される。その後、開閉扉63が開き、ロボットアーム86がウエハWをウエハ予備室60からウエハ室50内の搬入し、ウエハホルダ52上に戴置する。ロボットアーム86がウエハ室50から退避すると、開閉扉63が閉じる。このようにして、ウエハ室50内への大気の流入が阻止される。
そして、ウエハ室50に搬入されたウエハWが露光されている間に、ウエハ予備室60には次のウエハWが搬送され、即座にウエハWの入れ換えが行えるように準備される。
【0030】
ウエハWにレチクルRのパターンPAを露光する工程では、従来通りの露光作業が行われる。この際、光路空間LS内には、低吸光性ガスGが充満し、吸光ガスが排除されているので、真空紫外線光が十分な強度でウエハWまで到達する。したがって、真空紫外線光を用いたパターンの微細化が実現できる。
【0031】
以上のようにして、光路空間LSから吸光ガスが低減され、真空紫外線が十分な強度を保ったままウエハWの露光面まで到達させることができる。また、複数のウエハWを露光する場合には、以上の処理を繰り返して行えばよい。
【0032】
次に、本発明のマスク保護装置及びマスクの第2実施形態について図を参照しながら説明する。図4は、マスク保護装置PEを備えるレチクル(マスク)R2を示す模式図であって、図4(a)は平面図、図4(b)は図1(a)におけるZ−Z断面図、図4(c)は、貫通孔jの拡大断面図である。
レチクルR2は、レチクルRと同様に、枠部材Fと薄膜Cとから構成されるマスク保護装置PEと、レチクル板Pとから構成されるとともに、図4(b)に示すように、マスク保護装置PEとレチクル板Pとの間には、レチクル内空間Sが形成される。
枠部材F及び薄膜Cには、レチクル内空間S内のガス置換の際にガスが流通する供給孔或いは排気孔として機能する貫通孔j(j1〜j8)が設けられる。貫通孔jは、枠部材Fの端面に装着された薄膜Cの表面から枠部材Fの内面に貫通して、レチクル内空間Sと外部とを連通する。すなわち、薄膜Cの表面及び枠部材Fの内面には、それぞれ開口が形成され、薄膜Cの表面から枠部材Fの内面に向かう略L字形の貫通孔jが形成される。
また、枠部材Fの内面には、外部からレチクル内空間S内への塵埃の侵入を防止するエアフィルタやケミカルフィルタ等のフィルタFLが設けられ、これらの物質によるパターンPAの汚染が防止される。
【0033】
次に、貫通孔jの構成及び形成方法について詳述する。貫通孔jは、上述したように、薄膜Cの表面に形成された開口を有し、枠部材Fの内面に連通している。この貫通孔jの形成には、まず、枠部材Fの外面側から内面側に連通する貫通(第1貫通孔)孔k1が形成される(図4(c)参照)。その後に、枠部材Fの端面に装着された薄膜Cを介して、枠部材Fの端面から貫通孔k1に連通する貫通孔(第2貫通孔)k2が形成される。貫通孔k1と貫通孔k2とは、互いに交差するため、略T字形の貫通孔が形成される。なお、貫通孔k2の加工の後に貫通孔k1の加工を行うようにしてもよい。
そして、最後に、貫通孔k1の外面側の開口から貫通孔k1と貫通孔k2との接続部分の手前までをパテや軟金属等の充填材で埋める。充填材で埋める範囲は、外面側の開口から貫通孔k1と貫通孔k2との接続部分の手前までの全てであってもよく、また、その一部のみであってもよい。このようにして、略L字形の貫通孔jが形成される。なお、薄膜Cに、枠部材Fの端面に形成される開口と一致するように、穴部5を設けておき、貫通孔k1と貫通孔k2とを接続した後に、枠部材Fの端面に装着してもよい。
以上のように、貫通孔jの形成に際して、枠部材Fの端部の方向及び外面側からの加工(穴加工)のみで済むので、枠部材Fと加工治具等との干渉等が発生せずに、加工が行いやすくなる。
なお、上述したレチクルR2が用いられる露光装置と、枠部材Fに形成した貫通孔jを用いたガス置換方法は、レチクルRを用いた場合と略同一であるため、省略する。
【0034】
上述した実施の形態において示した動作手順、あるいは各構成部材の諸形状や組み合わせ等は一例であって、本発明の主旨から逸脱しない範囲においてプロセス条件や設計要求等に基づき種々変更可能である。本発明は、例えば以下のような変更をも含むものとする。
【0035】
本実施の形態では、枠部材Fに、ガス置換の際の給気孔或いは排気孔としての貫通孔h及び気圧調整孔としての貫通孔gの両方を設ける構成について説明した。しかしながら、気圧調整孔としての貫通孔gを省略し、給気孔或いは排気孔としての貫通孔hが気圧調整孔として機能してもよい。
【0036】
貫通孔h及び貫通孔jを枠部材Fのコーナー部分に設ける場合について説明したが、これに限らず、貫通孔gのように直線部分に設けてもよい。逆に、貫通孔hをコーナー部分に設けても良い。
また、例えば、貫通孔hと貫通孔gの径を異なる径にして、ガスの供給或いは排出の効率を調整してもよい。
【0037】
また、上記実施形態では、レチクル室20に隣接して設けられたレチクル予備室30において、レチクルRのレチクル内空間Sのガス置換を実施しているが、これに限るものではなく、例えば、レチクル室20で行ってもよい。
【0038】
また、露光照明系10、レチクル室20、投影光学系40、及びウエハ室50における各室内や、レチクル予備室30、ウエハ予備室60の各室内を満たす低吸光性ガスGとして、全てを同一種類としてもよいし、異なる種類のガスを用いてもよい。ただし、低吸光性ガスGとして窒素、ヘリウム、ネオン、アルゴン等の単一ガスを用いる場合には、少なくともレチクル室20、レチクル予備室30及びレチクル内空間Sに供給するガスは同一のガスを用いることが望ましい。これは、ガスの混合による屈折率変化を避けるためである。
【0039】
また、本発明に係るウエハWとしては、保護部材磁気ヘッド用のセラミックウエハのみならず、半導体デバイス用の半導体ウエハや、液晶表示デバイス用のガラスプレートであってもよい。
【0040】
また、本発明が適用される露光装置として、マスクと基板とを静止した状態でマスクのパターンを露光し、基板を順次ステップ移動させるステップ・アンド・リピート型の露光装置を用いてもよい。
【0041】
また、本発明が適用される露光装置として、投影光学系を用いることなくマスクと基板とを密接させてマスクのパターンを露光するプロキシミティ露光装置を用いてもよい。
【0042】
また、投影光学系としては、エキシマレーザーなどの遠紫外線を用いる場合は硝材として石英や蛍石などの遠紫外線を透過する材料を用いればよい。
【0043】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば以下の効果を得ることができる。
第1の発明は、一端部がマスク基板上のパターン形成領域の周辺に設けられる枠部材と、枠部材の他端部に設けられてパターン形成領域を保護する保護部材とを備えるマスク保護装置において、他端部の端面と保護部材との間に、枠部材と保護部材とで形成される空間側と外気とを連通する連通溝が形成されるようにした。これにより、空間側と外気とを連通する連通溝の形成に際して、枠部材の他端部の端面に溝を設け、その溝を保護部材で覆うだけで済むので、枠部材への加工を簡略化することができ、かつマスク内空間内のガス置換の際の枠部材及び保護部材の変形を抑えることができる。
【0044】
第2の発明は、一端部がマスク基板上のパターン形成領域の周辺に設けられる枠部材と、枠部材の他端部に設けられてパターン形成領域を保護する保護部材とを備えるマスク保護装置の製造方法において、他端部の端面に溝を形成する工程と、他端部に保護部材を固着させて溝の全て或いは一部を覆う工程とを有するようにした。これにより、枠部材の他端部の端面に溝を設け、その溝を保護部材で覆うだけで、枠部材と保護部材とで形成される空間側と外気とを連通する連通孔を形成することができ、枠部材への加工を簡略化することができ、かつマスク内空間内のガス置換の際の枠部材及び保護部材の変形を抑えることができる。
【0045】
第3の発明は、一端部がマスク基板上のパターン形成領域の周辺に設けられる枠部材と、枠部材の他端部に設けられてパターン形成領域を保護する保護部材とを備えるマスク保護装置の製造方法において、枠部材の外面から内面に連通する第1貫通孔を形成するとともに、端面から第1貫通孔に連通する第2貫通孔を形成する工程と、第1貫通孔のうち、外面から第2貫通孔に連通する部分の少なくとも一部を塞ぐ工程とを有するようにした。これにより、枠部材の他端部の端面に開口して枠部材の内面に連通する貫通孔の形成に際して、枠部材の内面側からの加工を行う必要がないので、加工工具と枠部材との干渉が回避でき、加工が容易となり、更にマスク内空間内のガス置換の際の枠部材及び保護部材の変形を抑えることができる。
【0046】
第4の発明は、マスクが、マスク基板上に、第1の発明に係るマスク保護装置、或いは第2又は第3の発明に係る製造方法により製造されたマスク保護装置を備えるようにした。これにより、マスク保護装置に容易に貫通孔が形成されているので、マスク保護装置には変形やクラック等が発生せず、マスクを用いた露光作業を正確かつ安全に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】レチクルの第1実施形態を示す模式図
【図2】露光装置の構成を示す概念図
【図3】ガス置換系を示す概念図
【図4】レチクルの第2実施形態を示す模式図
【符号の説明】
R,R2 レチクル(マスク)
P レチクル板(マスク基板)
PA パターン(パターン形成領域)
PE マスク保護装置
C 薄膜(保護部材)
F 枠部材
1,2 溝(連通溝)
h,g,j 貫通孔
k1 貫通孔(第1貫通孔)
k2 貫通孔(第2貫通孔)
STP 露光装置
90 ガス置換系
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば、半導体素子製造における露光工程で用いられるマスク保護装置、マクスに関する。
【0002】
【従来の技術】
半導体素子、薄膜磁気ヘッド、液晶表示素子等のデバイスを製造するフォトリソグラフィー工程では、フォトマスクあるいはレチクルに形成されたパターンの像をフォトレジスト等の感光剤を塗布した基板上に転写させる露光装置が一般的に使用されている。そして、半導体メモリの大容量化やCPUプロセッサの高速化・高集積化の進展に伴い、基板上のショット領域に投影されるパターン形状の微細化の要請は年を追う毎に厳しくなり、露光装置に使用される露光用照明光(以下、「露光光」という)は、従来の主流であった水銀ランプに代わってKrFエキシマレーザー(248nm)、ArFエキシマレーザー(193nm)のような短波長の光が用いられるようになってきている。また、更なるパターン形状の微細化を目指してF2レーザー(157nm)を用いた露光装置の開発が進められている。しかし、真空紫外線と呼ばれる約190nm以下の波長の光は、酸素分子、水分子、二酸化炭素分子等の気体(以下、吸光ガスという)に吸収されやすいという性質を持つため、大気中を透過することができない。したがって、真空紫外線を露光光に用いる露光装置では、露光光が通過する空間内の吸光ガスを低減して、露光光を基板上面まで十分な照度で到達させる必要がある。
【0003】
ところで、マスクには、パターン面へのゴミの付着を防止する保護装置が取り付けられているのが一般的である。この保護装置は、例えば、ニトロセルロース等を主成分とする透光性の薄膜を枠部材を介してマスク基板に装着するものである。したがって、上述のような真空紫外線を露光光として用いる場合には、薄膜とマスク基板と枠部材との間に形成される空間内(以下、マスク内空間と称する)の吸光ガスも低減し、露光光のエネルギー吸収の少ないガス(低吸光性ガス)を供給する技術がある。
このため、例えば、特開2002−33258号公報で示すように、枠部材のコーナー部分に貫通孔を設け、この貫通孔を介して、マスク内空間に低吸光性ガスを供給するとともに、マスク内空間に存在する吸光ガスを排出させている。
【0004】
【特許文献1】
特開2002−33258号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上記の技術では、枠部材のコーナー部分に設けられた通気孔に給気管又は排気管の先端部を押し当てて、マスク内空間内のガス置換を行っている。このため、枠部材のコーナー部分に給気管又は排気管の先端部を押し当てる際に枠部材に発生する変形は、枠部材の側面部分に上記先端部を押し当てた際に発生する変形よりも小さく抑えることができる。
しかしながら、枠部材のコーナー部分にマスク内空間と外気とを連通する貫通穴を形成しているため、枠部材の強度が低下し、保護部材と枠部材が僅かながら変形する可能性がある。
【0006】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたもので、マスク内空間内のガス置換の際に、保護部材及び枠部材の変形を極力抑えることができるマスク保護装置、マスク保護装置の製造方法、及びマスクを提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明に係るマスク保護装置、マスクでは、上記課題を解決するために以下の手段を採用した。
第1の発明は、一端部がマスク基板(P)上のパターン形成領域(PA)の周辺に設けられる枠部材(F)と、枠部材(F)の他端部に設けられてパターン形成領域(PA)を保護する保護部材(C)とを備えるマスク保護装置(PE)において、他端部の端面と保護部材(C)との間に、枠部材(F)と保護部材(C)とで形成される空間(S)側と外気とを連通する連通溝(1,2)が形成されるようにした。この発明によれば、空間側と外気とを連通する連通溝の形成に際して、枠部材の他端部の端面に溝を設け、その溝を保護部材で覆うだけで済むので、枠部材への加工を簡略化することができ、かつマスク内空間内のガス置換の際の枠部材及び保護部材の変形を抑えることができる。
【0008】
第2の発明は、一端部がマスク基板(P)上のパターン形成領域(PA)の周辺に設けられる枠部材(F)と、枠部材(F)の他端部に設けられてパターン形成領域(PA)を保護する保護部材(C)とを備えるマスク保護装置(PE)の製造方法において、他端部の端面に溝(1,2)を形成する工程と、他端部に保護部材(C)を固着させて溝(1,2)の全て或いは一部を覆う工程とを有するようにした。この発明によれば、枠部材の他端部の端面に溝を設け、その溝を保護部材で覆うだけで、枠部材と保護部材とで形成される空間側と外気とを連通する連通孔を形成することができ、枠部材への加工を簡略化することができ、かつマスク内空間内のガス置換の際の枠部材及び保護部材の変形を抑えることができる。
【0009】
第3の発明は、一端部がマスク基板(P)上のパターン形成領域(PA)の周辺に設けられる枠部材(F)と、枠部材(F)の他端部に設けられてパターン形成領域(PA)を保護する保護部材(C)とを備えるマスク保護装置(PE)の製造方法において、枠部材(F)の外面から内面に連通する第1貫通孔(k1)を形成するとともに、端面から第1貫通孔(k1)に連通する第2貫通孔(k2)を形成する工程と、第1貫通孔(k1)のうち、外面から第2貫通孔(k2)に連通する部分の少なくとも一部を塞ぐ工程とを有するようにした。この発明によれば、枠部材の他端部の端面に開口して枠部材の内面に連通する貫通孔の形成に際して、枠部材の内面側からの加工を行う必要がないので、加工工具と枠部材との干渉が回避でき、加工が容易となり、更にマスク内空間内のガス置換の際の枠部材及び保護部材の変形を抑えることができる。
【0010】
第4の発明は、マスク(R,R2)が、マスク基板(P)上に、第1の発明に係るマスク保護装置(PE)、或いは第2又は第3の発明に係る製造方法により製造されたマスク保護装置(PE)を備えるようにした。この発明によれば、マスク保護装置に容易に貫通孔が形成されているので、マスク保護装置には変形やクラック等が発生せず、マスクを用いた露光作業を正確かつ安全に行うことができる。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、本発明のマスク保護装置、マスクの第1実施形態について図を参照しながら説明する。図1は、マスク保護装置PEを備えるレチクル(マスク)Rを示す模式図であって、図1(a)は平面図、図1(b)は図1(a)におけるX−X断面図、図1(c)は図1(a)におけるY−Y断面図である。
レチクルRは、図1(a)〜(c)に示すように、レチクル板(マスク基板)Pとマスク保護装置PEとから構成され、レチクル板P上のパターン(パターン形成領域)PAを保護するために、例えば、ペリクルと呼ばれるマスク保護装置PEがレチクル板P上に設けられる。このマスク保護装置PEは、フレーム(又はスタンド)と呼ばれる枠部材Fと薄膜(保護部材)Cとから構成され、略四角形の枠部材Fの一端部がレチクル板Pに接着されるとともに、他端部の端面には薄膜Cが装着される。
薄膜Cとしては、通常、ニトロセルロース等を主成分とする厚さが1〜2μm程度の透光性のフィルム部材が用いられるが、波長120nm〜190nmの真空紫外線の露光光ELを良好に透過させるためにレチクル板Pと同様に硝材、例えば、蛍石、フッ化マグネシウム、フッ化リチウム等の結晶材料や、石英ガラス(又は、フッ素ドープ石英)等で形成された厚さ300〜800μm程度の光学部材を用いてもよい。枠部材Fとしては、金属材料(例えば、アルミニウム等)或いは上述した硝材等で構成され、その形状は、略四角形の枠形に形成される。
そして、図1(b),(c)に示すように、マスク保護装置PEとレチクル板Pとの間には、空間、すなわち、薄膜Cとレチクル板Pと枠部材Fとの間に空間(以下、レチクル内空間Sと称する)が形成される。
【0012】
枠部材Fと薄膜Cとの間には、後述するレチクル内空間S内のガス置換の際にガスが流通する供給孔或いは排気孔として機能する貫通孔hが設けられる。
貫通孔h(h1〜h4)は、枠部材Fの端部の端面に装着された薄膜Cの表面から枠部材Fの内面に貫通して、レチクル内空間Sと外部とを連通する。すなわち、薄膜Cの表面及び枠部材Fの内面とには、それぞれ開口が形成される。貫通孔hの数と大きさは、ガス置換の効率(作業時間)等を考慮して決められる。また、貫通孔hは、枠部材Fの四隅部分(コーナー部分)に設けられる。これは、四角形に形成された枠部材Fの直線部分がレチクルRの位置決めの基準等としての各種計測に利用される場合が多いので、これらの計測に影響しないように配慮されたものである。
更に、枠部材Fと薄膜Cとの間には、気圧の変化に伴う薄膜Cの破損を防止するために貫通孔g(g1,g2)が設けられる。貫通孔gは、枠部材Fの枠形のうちの直線部に開口して、枠部材Fのそれぞれの辺、すなわち、四隅部分の間の側面(直線部分)に形成され、枠部材Fの外面と内面とを貫通して、レチクル内空間Sと外部とを連通する。この貫通孔gによって、例えば、航空機による輸送や天候の変化等によって大気圧が変化しレチクル内空間S内の気体が膨張、収縮した際に、貫通孔gを介してレチクル内空間Sと外部との間で空気が流通してレチクル内空間S内の圧力と大気圧との圧力差が低減されることにより、レチクル内空間Sの膨張、収縮を抑えて薄膜Cの破損を防止する。
また、貫通孔h及び貫通孔gには、外部からレチクル内空間S内への塵埃の侵入を防止するエアフィルタや、酸性ガス、アルカリ性ガス、有機ガスといったガス状汚染化学物質の進入を防止するケミカルフィルタ等のフィルタFLが設けられ、これらの物質によるパターンPAの汚染が防止される。なお、フィルタFLは、枠部材Fの内側、外側のいずれでもよい。枠部材Fの内側に貼り付けた場合には、枠部材Fに形成した貫通孔h及び貫通孔gの削りカスを除去できるので、より好ましい。
【0013】
ここで、貫通孔h及び貫通孔gの構成及び形成方法について説明する。貫通孔h及び貫通孔gは、薄膜Cが装着される枠部材Fの端部の端面に形成された溝(連通溝)1、2と、その溝1、2を覆う薄膜Cとにより形成される。すなわち、端面に形成された溝1、2を薄膜Cで蓋をすることにより、ガスを流通させ流路が形成される。
貫通孔gの場合には、枠部材Fの端部の端面に内面側から外面側に連通する溝2が形成される。そして、溝2を薄膜Cで覆うことにより、枠部材Fの内面から外面に連通する貫通孔gが形成される。一方、貫通孔hの場合には、枠部材Fの端部の端面に内面側から外面側に向けた溝1が形成されるが、外面側までは連通せずに、端面の途中まで形成される。また、溝1を覆う薄膜Cの一部分に穴部3を開口させておく。これにより、溝1を薄膜Cで覆うことにより、薄膜Cの表面から枠部材Fの内面に連通する貫通孔hが形成される。なお、薄膜Cの穴部3は、溝1を薄膜Cで覆った後に開口させてもよい。このようにして、レチクル内空間Sと外部とを連通する貫通孔h,gが形成される。
なお、溝1,2の加工には、例えば、エンドミルが用いられる。エンドミルとしては、ストレートエンドミル、ボールエンドミルのいずれであってもよい。ストレートエンドミルを用いた場合には、貫通孔g及び貫通孔hの断面形状が四角形となり、一方、ボールエンドミルを用いたの場合には、半円形或いはU字形となる。また、溝1,2の幅と深さは、任意に定めることができる。
以上のように、貫通孔h,gの形成に際して、枠部材Fに対しては、端部の端面に溝1,2を形成するだけで済むので、加工が従来に比べて容易になる。例えば、枠部材Fの端部の方向からの加工のみで済むので、加工方向を変更する段取り時間を従来に比べて大幅に短縮することができる。すなわち、枠部材Fの辺(直線部分)にそれぞれ外面から内面に連通する貫通孔を形成する場合であっても、枠部材をそれぞれの辺(直線部分)毎に位置決めする必要がなく、枠部材Fの端部の方向からの加工が行えるように位置決めさせればよいので、段取り時間を大幅に短縮することができる。
また、貫通孔hのように、薄膜Cの表面から枠部材Fの内面に連通する貫通孔であっても、枠部材Fの端部の方向からの加工(溝の形成)のみで済むので、枠部材Fと加工治具等との干渉等が発生しづらく、加工が行いやすくなる。
また、枠部材Fの端部の端面が平坦であることから、曲面或いは角部(コーナー部分の外面側等)への加工のように、ドリル等の工具が加工面で滑って加工位置がずれたり、工具が折れたりすることが発生しない。
【0014】
続いて、上述したレチクルRが用いられる露光装置と、枠部材Fに形成した貫通孔h,gを用いたガス置換方法について簡単に述べる。
図2は、露光装置STPの構成を示す概念図である。図2において、露光装置STPは、真空紫外域の露光用照明光(露光光)ELをレチクルRに照明しつつ、レチクルRとウエハ(基板)Wとを一次元方向に相対的に同期移動させて、レチクルRに形成されたパターン(回路パターン等)PAを投影光学系40を介してウエハW上に転写するステップ・アンド・スキャン方式の走査型露光装置、いわゆるスキャニング・ステッパである。この露光装置STPは、真空紫外域の露光光ELによりレチクルRを照明する露光照明系10、レチクルRを保持するレチクル室20、レチクル室20への大気流入を阻止するレチクル予備室30、レチクルRから射出される露光光ELをウエハW上に照射する投影光学系40、ウエハWを保持するウエハ室50、ウエハ室50への大気流入を阻止するウエハ予備室60、露光装置STPの動作を統括的に制御する主制御系70、レチクルR及びウエハWを露光装置STPに搬送する搬送系80、レチクル室20等の各室内のガスを置換するガス置換系(ガス置換装置)90(図3参照)から構成される。
露光装置STPには、後述する光源12から照射された露光光ELが、露光照明系10、レチクル室20及び投影光学系40を経てウエハ室50内に収納されたウエハWまでの到達するように光路空間LSが形成されるが、露光光ELとして真空紫外域の波長の光を用いることから、この光路空間LSから露光光ELを吸収する吸光ガス(例えば、酸素、水蒸気、炭化水素系のガス)を低減させる必要がある。そのため、光路空間LSを形成する露光照明系10、レチクル室20、投影光学系40及びウエハ室50は、それぞれ密閉された空間(室)内に配置され、その各室内から吸光ガスが排除される。また、レチクルR及びウエハWの搬送の際に、光路空間LSに大気が侵入しないようにレチクル予備室30及びウエハ予備室60が設けられ、これらの空間内からも吸光ガスが排除される。
なお、密閉された空間とは、各室が外部(大気)から完全に遮断された完全密閉構造であってもよいし、各室内の圧力が大気圧よりも高めに設定され、各室内から外部に気体が漏れる構造であってもよい。また、各室内の気圧が大気圧と同気圧であり、各室と外部との間で気体の流れがほとんどない構造も含まれる。
【0015】
図3は、露光装置STPにおけるガス置換系(ガス置換装置)90を示す概念図である。ガス置換系90は、露光照明系10、レチクル室20、投影光学系40及びウエハ室50により形成される光路空間LS、及びレチクル予備室30、ウエハ予備室60の各室内に存在するガスを真空紫外域の光に対する吸収性が酸素より少ない特性を有する、窒素、ヘリウム、アルゴン、ネオン、クリプトン等のガス、又はこれらの混合ガス(以下、これらを低吸光性ガス(所定ガス)Gという)に交換(置換)するものであり、各室内に低吸光性ガスGを供給するガス供給装置(ガス供給系)91と、各室内のガスを外部に排気するガス排気装置(気体排気系)96とから構成される。
ガス供給装置91は、低吸光性ガスGを貯蔵するガスボンベ92、ガスボンベ92から低吸光性ガスGを送り出す供給ポンプ93、供給ポンプ93と各室内とを連結する供給管路95(95a〜95f)、供給管路95の管路の途中に設けられた供給用制御弁94(94a〜94f)とから構成される。また、ガス排気装置96は、ガスを吸引する排気ポンプ97、排気ポンプ97と各室とを連結する排気管路99(99a〜99f)、排気管路99の管路の途中に設けられた排気用制御弁98(98a〜98f)とから構成される。そして、供給管路95を介して各室内に低吸光性ガスGを供給するとともに、各室内のガスを排気管路99を介して外部に排気することにより、各室内に存在する吸光ガスの濃度を低減させる、ガス置換が行われる。これらガス供給装置91及びガス排気装置96のガス供給量及び排気量は、主制御系(ガス供給制御部)70の指示に基づいて各ポンプ93、97が動作し、また各制御弁94,98が開閉することにより制御される。
【0016】
図2において、レチクル予備室30は、レチクルRの搬入及び搬出時に、レチクル室20への吸光ガスの流入を阻止するために設けられた空間であり、さらに、マスク保護装置PEを備えるレチクルRをレチクル室20へ搬入するに先立ち、このレチクル予備室30内においてレチクル内空間S内の吸光ガスを排除することにより、レチクル室20すなわち光路空間LSへの吸光ガスの侵入、或いはレチクル内空間S内における露光光ELの減衰を防止するものである。
レチクル予備室30は、レチクル室20と密着して設けられ、隔壁31によって覆われて光路空間LSとは独立して異なる密閉空間を有している。レチクル室20と密着する隔壁31には、開口部32が形成され、この開口部32には主制御系70の指示によって開閉する開閉扉33が設けられる。また、開口部32と対向する隔壁31には、開口部34が形成されており、この開口部34にも主制御系70の指示によって開閉する開閉扉35が設けられる。したがって、開閉扉35及び開閉扉35を閉じることによって、レチクル予備室30は密閉されて外部からの大気の侵入が遮断される。
また、レチクル予備室30の隔壁31(床面)の一部には、ガラス等の透光性部材が用いられた窓部36が設けられるとともに、その窓部36の下方に変位計測装置73が設置される。この変位計測装置73は、薄膜Cの変位をレーザー光を用いて計測するものであって、変位計測装置73から投光されたレーザー光が窓部36を透過して、薄膜Cで反射し、その反射光を受光することにより、薄膜Cの変位が計測される。そして、変位計測装置73からの出力信号は主制御系70に出力され、薄膜Cの変位量が一定範囲内となるようにガス供給装置91によるガス供給量、及びガス排気装置96によるガス排気量が制御される。
【0017】
レチクル室20は、後述する照明系ハウジング11、投影系ハウジング41及び隔壁31と隙間無く接合された隔壁21によって覆われた密閉空間内に、レチクルRを保持するレチクルホルダ22、レチクルステージ23、コラム24を備える。レチクルホルダ22は、レチクルステージ23に支持されるとともに、レチクルR上のパターンPAに対応した開口を有し、レチクルRのパターンPAを下にして真空吸着によって保持する。
レチクル室20は、レチクル予備室30と密着しており、開口部32を密閉する開閉扉35が開くことによりレチクル予備室30と連通し、開閉扉35が閉じることによってレチクル室20は密閉されて外部からのガスの流入が遮断される。また、隔壁21の天井部には、照明系ハウジング11の内部空間と、レチクルRが配置されるレチクル室20の内部空間とを分離する透過窓25が配置されている。この透過窓25は、露光照明系10からレチクルRに照明される露光光ELの光路上に配置されるため、真空紫外線である露光光ELに対して透過性の高い蛍石等の結晶材料によって形成される。
そして、レチクルステージ23は、コラム24に支持されており、不図示の駆動部によりX方向に一次元走査移動し、さらにY方向、及び回転方向(Z軸回りのθ方向)に微動する。
なお、図2において、投影光学系40の光軸に平行な方向をZ方向とし、光軸に垂直な平面内でレチクルRと照明領域との相対走査の方向(紙面に平行な方向)をX方向、これに直交する方向(紙面に直交する方向)をY方向とする。
そして、レチクル室20の外部に設けたレーザー干渉式測長器(不図示)によってレチクルステージ23のY方向の位置が逐次検出されて、主制御系70に出力される。
【0018】
露光照明系10は、光源12から照射された露光光ELがレチクルR上の所定の照明領域内にほぼ均一な照度分布で照射するために、オプティカルインテグレータを備える。露光照明系10では、光源12から照射された露光光ELが透過窓25を介してレチクルR上の所定の照明領域内にほぼ均一な照度分布で照射する。そして、オプティカルインテグレータは、照明系ハウジング11の内部に収納、密閉される。
露光光ELには、波長約120nm〜約190nmの真空紫外線であり、例えば、発振波長193nmのArFエキシマレーザー(ArFレーザー)、発振波長157nmのフッ素レーザー(F2レーザー)、発振波長146nmのクリプトンダイマーレーザー(Kr2レーザー)、発振波長126nmのアルゴンダイマーレーザー(Ar2レーザー)等が用いられる。
【0019】
投影光学系40は、蛍石、フッ化リチウム等のフッ化物結晶からなるレンズや反射鏡などの複数の投影レンズ系42を投影系ハウジング41(鏡筒)で密閉したものである。投影レンズ系42は、レチクルRを介して射出される照明光を所定の投影倍率β(βは例えば1/4)で縮小して、レチクルRのパターンPAの像をウエハW上の特定領域(ショット領域)に結像させる。
【0020】
ウエハ予備室60は、ウエハWの搬入及び搬出時に、ウエハ室50への吸光ガスの流入を阻止するために設けられた空間であり、ウエハ室50と密着して設けられ、隔壁61によって覆われて光路空間LSとは独立して異なる密閉空間を有している。ウエハ室50と密着する隔壁61には、開口部62が形成され、この開口部62には主制御系70の指示によって開閉する開閉扉63が設けられる。また、開口部62と対向する隔壁61には、開口部64が形成されており、この開口部64にも主制御系70の指示によって開閉する開閉扉65が設けられる。したがって、開閉扉65及び開閉扉65を閉じることによって、ウエハ予備室60は密閉されて外部からの大気の侵入が遮断される。
そして、ウエハ室50へのウエハWの搬入に先だって、ウエハ室50に隣接するウエハ予備室60にウエハWを一時的に収容し、ガス置換系90によってウエハ室50及びウエハ予備室60内の吸光ガスの濃度を低減させた後、ウエハ予備室60からウエハWをウエハ室50に搬入することにより、ウエハ室50への外気の混入を防いでいる。
【0021】
ウエハ室50は、投影系ハウジング41及び隔壁61と隙間無く接合された隔壁51によって覆われた密閉空間内に、ウエハWを真空吸着することによって保持するためのウエハホルダ52、ウエハステージ53を備える。ウエハ室50は、ウエハ予備室60と密着しており、開口部62を密閉する開閉扉63が開くことによりウエハ予備室60と連通し、開閉扉63を閉じることによってウエハ室50は密閉されて外部からのガスの侵入が遮断される。
ウエハホルダ52は、ウエハステージ53に支持されるとともに、ウエハWを真空吸着によって保持する。ウエハステージ53は、互いに直交する方向へ移動可能な一対のブロックをベース54上に重ね合わせたものであって、不図示の駆動部によりXY平面内で移動可能となっている。
そして、ウエハ室50の外部に設けたレーザー干渉式測長器(以下、レーザー干渉計57という。)によってウエハステージ53のX方向およびY方向の位置が逐次検出されて、主制御系70に出力される。すなわち、ウエハ室50の隔壁51の−X側の側壁には光透過窓55Xが設けられている。これと同様に、隔壁51の+Y側(図2における紙面奥側)の側壁にも光透過窓55Y(不図示)が設けられている。ウエハホルダ52の−X側の端部には、平面鏡からなるX移動鏡56XがY方向に延設されている。
このX移動鏡56Xにほぼ垂直にウエハ室50の外部に配置されたX軸レーザー干渉計57Xからの測長ビームが光透過窓55Xを透過して投射され、その反射光がX軸レーザー干渉計57Xに受光されることによりウエハWのX位置が検出される。また、略同様の構成により不図示のY軸レーザー干渉計57YによってウエハWのY位置が検出される。
そして、ウエハステージ53のXY面内の移動により、ウエハW上の任意のショット領域をレチクルRのパターンPAの投影位置(露光位置)に位置決めして、レチクルRのパターンPAの像をウエハWに投影転写する。
【0022】
搬送系80は、レチクル搬送系81とウエハ搬送系85とから構成される。レチクル搬送系81は、レチクル予備室30の内部に配置されて開口部32を介してレチクル室20に対してレチクルRを搬送するロボットアーム82と、露光装置STPの外部に配置されて開口部34を介してレチクル予備室30に対してレチクルRを搬送するロボットアーム83と、ロボットアーム82、83を制御する制御部84(不図示)とから構成される。そして、ロボットアーム83は、露光処理に使用するレチクルRを露光装置STPに付設されたレチクルライブラリ89からレチクル予備室30内に搬入し、また、露光処理が完了したレチクルRをレチクル予備室30内からレチクルライブラリ89に搬出する。なお、レチクルライブラリ89は複数の棚Tを有しており、各段の棚Tにはそれぞれ異なるパターンPAを有する複数のレチクルRが収納、保管される。
ウエハ搬送系85は、ウエハ予備室60の内部に配置されて開口部62を介してウエハ室50に対してウエハWを搬送するロボットアーム86と、露光装置STPの外部に配置されて開口部64を介してウエハ予備室60に対してウエハWを搬送するロボットアーム87と、ロボットアーム86、87を制御する制御部88(不図示)とから構成される。そして、ロボットアーム87は、露光装置STPの外部にある前工程から搬送されてきた露光処理前のウエハWをウエハ予備室60内に搬入し、また、露光処理が完了したウエハWをウエハ予備室60から露光装置STPの外部にある次工程に向けて搬出する。
また、制御部84、88は通信路を介して主制御系70と接続されており、主制御系70と各種情報をやり取りすることにより、露光装置STPと連動してレチクル搬送系81及びウエハ搬送系85を制御する。
【0023】
主制御系(ガス供給制御部)70は、露光装置STPを統括的に制御するものである。例えば、露光量(露光光の照射量)や後述するレチクルステージ23及びウエハステージ53の位置等を制御して、レチクルRに形成されたパターンPAの像をウエハW上のショット領域に転写する露光動作を繰り返し行う。
主制御系70には、各種演算を行う演算部71の他、各種情報を記録する記憶部72が設けられ、記憶部72に薄膜Cが破損しない変位量等の情報が記憶される。
そして、主制御系70は、変位計測装置73から得た計測結果と、記憶部72に記憶されている変位量とを比較し、薄膜Cの変位が所定範囲になるように、供給用制御弁94c、排気用制御弁98cを開閉し、また供給ポンプ93及び排気ポンプ97の作動・停止させる。これにより、薄膜Cが膨張(レチクル内空間Sが膨張)した場合のみならず、収縮(レチクル内空間Sが収縮)した場合でも破損を防止できる。
【0024】
続いて、以上のような構成をもつガス置換系90を備えた露光装置STPを用いて、光路空間LS及びレチクルRのレチクル内空間Sのガスを置換する方法と、ガス置換を行ったレチクルRに露光光ELを照射して露光を行う方法について説明する。
ガス置換方法及び露光方法は、光路空間LS内の吸光ガスをガス置換系90により低減する工程と、レチクルRをレチクル予備室30に搬入する工程と、レチクルRのレチクル内空間S内を低吸光性ガスGに置換する工程と、レチクルRをレチクル室20に搬入する工程と、ウエハWをウエハ室50に搬入する工程と、ウエハWにレチクルRのパターンPAを露光する工程とからなる。
【0025】
まず、光路空間LS内に存在する吸光ガスをガス置換系90により低減する工程では、主制御系70の指示により、各室に設けた供給用制御弁94及び排気用制御弁98を開放するとともに、供給ポンプ93及び排気ポンプ97を動作させて、ガスボンベ92に貯蔵された低吸光性ガスGを供給管路95から各室に送る。また、各室内に存在した吸光ガスを含むガスを排気管路99から排気される。なお、開閉扉33、35、63、65は、全て閉じておく。このようにして、各室内に存在する吸光ガスの濃度を低減させる。
【0026】
次に、レチクルRをレチクル予備室30に搬入する工程では、まず、主制御系70がレチクル搬送系81の制御部84に指令することにより、ロボットアーム83がレチクルライブラリ89に収納されている複数のレチクルRのなかから所望のレチクルRを取り出す。そして、ロボットアーム83が開閉扉35に近づくと、主制御系70の指令によりレチクル予備室30の開閉扉35が開く。そして、ロボットアーム83が開閉扉35からレチクル予備室30内にレチクルRを搬入し、レチクル予備室30内に設置されたレチクル仮置場にレチクルを戴置する。そして、ロボットアーム83がレチクル予備室30から退避すると、開閉扉35が閉じる。このようにして、レチクルRがレチクル予備室30内に搬入される。
【0027】
次に、レチクルRのレチクル内空間S内を低吸光性ガスGに置換する工程について説明する。レチクル予備室30に搬入されたレチクルRのレチクル内空間S内には、大気が含まれている。したがって、このままレチクルRをレチクル室20に搬入すると、レチクル室20内に吸光ガスを含んだ大気が侵入し、露光光ELを著しく吸収して、許容できない程度の透過率低下や透過率変動を招いてしまう。そこで、レチクル室20へのレチクルRの搬入に先だって、レチクル予備室30のガス置換を再び行う。
ガス置換の手順は上述した手順と同一である。そして、レチクル予備室30内にレチクルRを配置し、更にレチクル予備室30のガス置換を行うことにより、貫通孔h,gを介して低吸光性ガスGがレチクル内空間S内に導入されるとともに、レチクル内空間S内の大気が貫通孔h,gを介してレチクル予備室30内に放出される。そして、レチクル内空間S内から放出された大気は、レチクル予備室30内のガス置換作業により、外部に放出される。このようにして、レチクル内空間Sのガス置換が行われる。
このとき、レチクル予備室30及びレチクル内空間Sのガス置換の際に行われるガス供給及び排気動作によって、レチクル予備室30及びレチクル内空間Sには圧力変化が生じる。また、レチクル予備室30とレチクル内空間Sとの圧力差も生じる。この圧力変化や圧力差によって、薄膜Cが変位する。圧力変化が小さい場合には、貫通孔h,gを介してガスが流通することにより、薄膜Cの変位は緩和される。しかし,短時間でレチクル内空間Sのガス置換を行おうとすると、圧力変化、圧力差が大きくなり、破損してしまう虞がある。そこで、薄膜Cの変位をレーザー光を用いた変位計測装置73を用いて計測し、変位が所定範囲内に収まるように、主制御系70が供給用制御弁94c、排気用制御弁98c、供給ポンプ93、排気ポンプ97制御する。すなわち、変位計測装置73からの計測結果に基づいて主制御系70がガス供給装置91によるガス供給量、及びガス排気装置96によるガス排気量を制御して、薄膜Cの変位が所定の範囲内に収まるようにする。なお、ガスの供給量及び排気量は、薄膜Cの変化量が所定範囲内となるように、予め算出或いは実験等で求められた供給量、排気量を基準にして行われる。なお、実験的に薄膜Cが破損しないことが検討された範囲内のガス流量であれば、レーザー変位計による薄膜Cの変位測定は不要である。
以上のように、レチクル予備室30内及びレチクル内空間S内の吸光ガスの濃度を低減させた後に、レチクルRをレチクル室20に搬入することにより、レチクル室20への大気の侵入を防ぐことができる。
【0028】
レチクルRをレチクル室20に搬入する工程では、主制御系70の指示により開閉扉33が開くとともに、主制御系70から指令を受けた制御部84によりロボットアーム82が動作して、レチクルRをレチクル用ガス置換部100からレチクル室20内に搬送して、レチクルホルダ22上に戴置する。そして、ロボットアーム82がレチクル室20から退避すると開閉扉33が閉じる。このように、レチクルRがレチクル予備室30を経由してレチクル室20に搬送されたので、大気がレチクル室20に直接流れ込むことがなく、また、レチクル内空間Sのガス置換も行われているので、即座に露光処理に移行することができる。
【0029】
ウエハWを搬入する工程では、主制御系70の指令により開閉扉65が開き、主制御系70から指令を受けた制御部88によりロボットアーム87が動作して、前工程から搬送されてきたウエハWをウエハ予備室60に搬入する。そして、ロボットアーム87がウエハ予備室60から退避すると、開閉扉65が閉じて、ウエハ予備室60内のガス置換が開始される。その後、開閉扉63が開き、ロボットアーム86がウエハWをウエハ予備室60からウエハ室50内の搬入し、ウエハホルダ52上に戴置する。ロボットアーム86がウエハ室50から退避すると、開閉扉63が閉じる。このようにして、ウエハ室50内への大気の流入が阻止される。
そして、ウエハ室50に搬入されたウエハWが露光されている間に、ウエハ予備室60には次のウエハWが搬送され、即座にウエハWの入れ換えが行えるように準備される。
【0030】
ウエハWにレチクルRのパターンPAを露光する工程では、従来通りの露光作業が行われる。この際、光路空間LS内には、低吸光性ガスGが充満し、吸光ガスが排除されているので、真空紫外線光が十分な強度でウエハWまで到達する。したがって、真空紫外線光を用いたパターンの微細化が実現できる。
【0031】
以上のようにして、光路空間LSから吸光ガスが低減され、真空紫外線が十分な強度を保ったままウエハWの露光面まで到達させることができる。また、複数のウエハWを露光する場合には、以上の処理を繰り返して行えばよい。
【0032】
次に、本発明のマスク保護装置及びマスクの第2実施形態について図を参照しながら説明する。図4は、マスク保護装置PEを備えるレチクル(マスク)R2を示す模式図であって、図4(a)は平面図、図4(b)は図1(a)におけるZ−Z断面図、図4(c)は、貫通孔jの拡大断面図である。
レチクルR2は、レチクルRと同様に、枠部材Fと薄膜Cとから構成されるマスク保護装置PEと、レチクル板Pとから構成されるとともに、図4(b)に示すように、マスク保護装置PEとレチクル板Pとの間には、レチクル内空間Sが形成される。
枠部材F及び薄膜Cには、レチクル内空間S内のガス置換の際にガスが流通する供給孔或いは排気孔として機能する貫通孔j(j1〜j8)が設けられる。貫通孔jは、枠部材Fの端面に装着された薄膜Cの表面から枠部材Fの内面に貫通して、レチクル内空間Sと外部とを連通する。すなわち、薄膜Cの表面及び枠部材Fの内面には、それぞれ開口が形成され、薄膜Cの表面から枠部材Fの内面に向かう略L字形の貫通孔jが形成される。
また、枠部材Fの内面には、外部からレチクル内空間S内への塵埃の侵入を防止するエアフィルタやケミカルフィルタ等のフィルタFLが設けられ、これらの物質によるパターンPAの汚染が防止される。
【0033】
次に、貫通孔jの構成及び形成方法について詳述する。貫通孔jは、上述したように、薄膜Cの表面に形成された開口を有し、枠部材Fの内面に連通している。この貫通孔jの形成には、まず、枠部材Fの外面側から内面側に連通する貫通(第1貫通孔)孔k1が形成される(図4(c)参照)。その後に、枠部材Fの端面に装着された薄膜Cを介して、枠部材Fの端面から貫通孔k1に連通する貫通孔(第2貫通孔)k2が形成される。貫通孔k1と貫通孔k2とは、互いに交差するため、略T字形の貫通孔が形成される。なお、貫通孔k2の加工の後に貫通孔k1の加工を行うようにしてもよい。
そして、最後に、貫通孔k1の外面側の開口から貫通孔k1と貫通孔k2との接続部分の手前までをパテや軟金属等の充填材で埋める。充填材で埋める範囲は、外面側の開口から貫通孔k1と貫通孔k2との接続部分の手前までの全てであってもよく、また、その一部のみであってもよい。このようにして、略L字形の貫通孔jが形成される。なお、薄膜Cに、枠部材Fの端面に形成される開口と一致するように、穴部5を設けておき、貫通孔k1と貫通孔k2とを接続した後に、枠部材Fの端面に装着してもよい。
以上のように、貫通孔jの形成に際して、枠部材Fの端部の方向及び外面側からの加工(穴加工)のみで済むので、枠部材Fと加工治具等との干渉等が発生せずに、加工が行いやすくなる。
なお、上述したレチクルR2が用いられる露光装置と、枠部材Fに形成した貫通孔jを用いたガス置換方法は、レチクルRを用いた場合と略同一であるため、省略する。
【0034】
上述した実施の形態において示した動作手順、あるいは各構成部材の諸形状や組み合わせ等は一例であって、本発明の主旨から逸脱しない範囲においてプロセス条件や設計要求等に基づき種々変更可能である。本発明は、例えば以下のような変更をも含むものとする。
【0035】
本実施の形態では、枠部材Fに、ガス置換の際の給気孔或いは排気孔としての貫通孔h及び気圧調整孔としての貫通孔gの両方を設ける構成について説明した。しかしながら、気圧調整孔としての貫通孔gを省略し、給気孔或いは排気孔としての貫通孔hが気圧調整孔として機能してもよい。
【0036】
貫通孔h及び貫通孔jを枠部材Fのコーナー部分に設ける場合について説明したが、これに限らず、貫通孔gのように直線部分に設けてもよい。逆に、貫通孔hをコーナー部分に設けても良い。
また、例えば、貫通孔hと貫通孔gの径を異なる径にして、ガスの供給或いは排出の効率を調整してもよい。
【0037】
また、上記実施形態では、レチクル室20に隣接して設けられたレチクル予備室30において、レチクルRのレチクル内空間Sのガス置換を実施しているが、これに限るものではなく、例えば、レチクル室20で行ってもよい。
【0038】
また、露光照明系10、レチクル室20、投影光学系40、及びウエハ室50における各室内や、レチクル予備室30、ウエハ予備室60の各室内を満たす低吸光性ガスGとして、全てを同一種類としてもよいし、異なる種類のガスを用いてもよい。ただし、低吸光性ガスGとして窒素、ヘリウム、ネオン、アルゴン等の単一ガスを用いる場合には、少なくともレチクル室20、レチクル予備室30及びレチクル内空間Sに供給するガスは同一のガスを用いることが望ましい。これは、ガスの混合による屈折率変化を避けるためである。
【0039】
また、本発明に係るウエハWとしては、保護部材磁気ヘッド用のセラミックウエハのみならず、半導体デバイス用の半導体ウエハや、液晶表示デバイス用のガラスプレートであってもよい。
【0040】
また、本発明が適用される露光装置として、マスクと基板とを静止した状態でマスクのパターンを露光し、基板を順次ステップ移動させるステップ・アンド・リピート型の露光装置を用いてもよい。
【0041】
また、本発明が適用される露光装置として、投影光学系を用いることなくマスクと基板とを密接させてマスクのパターンを露光するプロキシミティ露光装置を用いてもよい。
【0042】
また、投影光学系としては、エキシマレーザーなどの遠紫外線を用いる場合は硝材として石英や蛍石などの遠紫外線を透過する材料を用いればよい。
【0043】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば以下の効果を得ることができる。
第1の発明は、一端部がマスク基板上のパターン形成領域の周辺に設けられる枠部材と、枠部材の他端部に設けられてパターン形成領域を保護する保護部材とを備えるマスク保護装置において、他端部の端面と保護部材との間に、枠部材と保護部材とで形成される空間側と外気とを連通する連通溝が形成されるようにした。これにより、空間側と外気とを連通する連通溝の形成に際して、枠部材の他端部の端面に溝を設け、その溝を保護部材で覆うだけで済むので、枠部材への加工を簡略化することができ、かつマスク内空間内のガス置換の際の枠部材及び保護部材の変形を抑えることができる。
【0044】
第2の発明は、一端部がマスク基板上のパターン形成領域の周辺に設けられる枠部材と、枠部材の他端部に設けられてパターン形成領域を保護する保護部材とを備えるマスク保護装置の製造方法において、他端部の端面に溝を形成する工程と、他端部に保護部材を固着させて溝の全て或いは一部を覆う工程とを有するようにした。これにより、枠部材の他端部の端面に溝を設け、その溝を保護部材で覆うだけで、枠部材と保護部材とで形成される空間側と外気とを連通する連通孔を形成することができ、枠部材への加工を簡略化することができ、かつマスク内空間内のガス置換の際の枠部材及び保護部材の変形を抑えることができる。
【0045】
第3の発明は、一端部がマスク基板上のパターン形成領域の周辺に設けられる枠部材と、枠部材の他端部に設けられてパターン形成領域を保護する保護部材とを備えるマスク保護装置の製造方法において、枠部材の外面から内面に連通する第1貫通孔を形成するとともに、端面から第1貫通孔に連通する第2貫通孔を形成する工程と、第1貫通孔のうち、外面から第2貫通孔に連通する部分の少なくとも一部を塞ぐ工程とを有するようにした。これにより、枠部材の他端部の端面に開口して枠部材の内面に連通する貫通孔の形成に際して、枠部材の内面側からの加工を行う必要がないので、加工工具と枠部材との干渉が回避でき、加工が容易となり、更にマスク内空間内のガス置換の際の枠部材及び保護部材の変形を抑えることができる。
【0046】
第4の発明は、マスクが、マスク基板上に、第1の発明に係るマスク保護装置、或いは第2又は第3の発明に係る製造方法により製造されたマスク保護装置を備えるようにした。これにより、マスク保護装置に容易に貫通孔が形成されているので、マスク保護装置には変形やクラック等が発生せず、マスクを用いた露光作業を正確かつ安全に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】レチクルの第1実施形態を示す模式図
【図2】露光装置の構成を示す概念図
【図3】ガス置換系を示す概念図
【図4】レチクルの第2実施形態を示す模式図
【符号の説明】
R,R2 レチクル(マスク)
P レチクル板(マスク基板)
PA パターン(パターン形成領域)
PE マスク保護装置
C 薄膜(保護部材)
F 枠部材
1,2 溝(連通溝)
h,g,j 貫通孔
k1 貫通孔(第1貫通孔)
k2 貫通孔(第2貫通孔)
STP 露光装置
90 ガス置換系
Claims (4)
- 一端部がマスク基板上のパターン形成領域の周辺に設けられる枠部材と、前記枠部材の他端部に設けられて前記パターン形成領域を保護する保護部材と、を備えるマスク保護装置において、
前記他端部の端面と前記保護部材との間に、前記枠部材と前記保護部材とで形成される空間側と外気とを連通する連通溝が形成されることを特徴とするマスク保護装置。 - 一端部がマスク基板上のパターン形成領域の周辺に設けられる枠部材と、前記枠部材の他端部に設けられて前記パターン形成領域を保護する保護部材と、を備えるマスク保護装置の製造方法において、
前記他端部の端面に溝を形成する工程と、前記他端部に前記保護部材を固着させて前記溝の全て或いは一部を覆う工程と、を有することを特徴とするマスク保護装置の製造方法。 - 一端部がマスク基板上のパターン形成領域の周辺に設けられる枠部材と、前記枠部材の他端部に設けられて前記パターン形成領域を保護する保護部材と、を備えるマスク保護装置の製造方法において、
前記枠部材の外面から前記内面に連通する第1貫通孔を形成するとともに、前記端面から該第1貫通孔に連通する第2貫通孔を形成する工程と、前記第1貫通孔のうち、前記外面から前記第2貫通孔に連通する部分の少なくとも一部を塞ぐ工程と、を有することを特徴とするマスク保護装置の製造方法。 - 前記マスク基板上に、請求項1に記載のマスク保護装置、或いは請求項2又は請求項3に記載の製造方法により製造されたマスク保護装置を備えることを特徴とするマスク。
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2003
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