JP2005136052A - 配線基板及び電気装置並びにその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】貫通導体にクラックが発生するのを抑制し、配線基板の接続信頼性を向上させることが可能な配線基板の製造方法を提供する。
【解決手段】ガラスクロス1と樹脂とを含有してなる絶縁層3と、前記絶縁層3を貫通する貫通孔5と、該貫通孔5の内部に形成された貫通導体7とを具備してなる配線基板の前記貫通孔5の内壁において、ガラスクロス部が凹状に形成された凹部17を有することを特徴とする。
【選択図】図1
【解決手段】ガラスクロス1と樹脂とを含有してなる絶縁層3と、前記絶縁層3を貫通する貫通孔5と、該貫通孔5の内部に形成された貫通導体7とを具備してなる配線基板の前記貫通孔5の内壁において、ガラスクロス部が凹状に形成された凹部17を有することを特徴とする。
【選択図】図1
Description
本発明は、例えば、各種AV機器や家電機器・通信機器・コンピューターおよびその周辺機器に使用される配線基板に関するものであり、特に配線基板を形成する絶縁層に貫通孔の表裏の導通をとる貫通導体を具備する配線基板及び電気装置並びにその製造方法に関するものである。
従来より、半導体素子等の電子部品を搭載する為の有機材料系の配線基板として、例えばガラス−エポキシ板から成り、その上面から下面にかけて貫通する貫通孔を有する絶縁樹脂板の上下両面に銅箔およびその上に施しためっき導体層から成る配線基板を被着させるとともに、前記貫通孔の内面に前記上下両面の配線導体同士を接続するめっき導体から成る貫通導体を被着させて成る配線基板が使用されている。
このような有機材料系の配線基板は、ガラス−エポキシ板から成る絶縁樹脂板の上下両面に銅箔が被着された両面銅張板を準備するとともに、この両面銅張板を上下に貫通する貫通孔をドリル加工により穿孔し、次に前記上下両面の銅箔上および貫通孔内面に銅から成るめっき導体を無電解めっき法および電解めっき法により析出させて前記上下両面の銅箔の上にめっき導体層を被着するとともに貫通孔の内面にめっき導体から成る貫通孔導体を形成し、次に前記絶縁樹脂板の上下両面に被着された銅箔およびその銅箔に被着しためっき導体層をフォトリソグラフィー技術を採用して部分的にエッチングして配線導体を形成することによって製作されている。
また、この配線基板の両面にビルドアップ樹脂層およびビルドアップ配線層を形成することによりビルドアップ配線基板が製作される。なお、このような配線基板においては、貫通導体が被着された貫通孔は通常、エポキシ樹脂等の穴埋め樹脂により充填されている。
ところで、このような有機材料系の多層配線基板においては、電子装置の小型・薄型化の要求に対応してその配線密度を高めるために、例えば絶縁樹脂板の厚みを0.2〜1mm程度、貫通孔の直径を130μm以下の小さなものとする試みがなされている。また、小径の貫通孔をドリルで開けるには生産性、信頼性に問題があり、このような直径が130μm以下の小さな貫通孔を形成するためには、例えばレーザによる穿孔方法が採用される(特許文献1参照)。
特開2000−91750号公報
しかしながら、特に微細な貫通孔の場合には、貫通導体と貫通孔との接触面積が小さくなるため、貫通孔の内壁と貫通導体との接合強度が低くなる傾向にあり、温度サイクル等において、その接触が離れてしまうことによる導通抵抗の増加や、貫通導体にクラックが発生し断線してしまうという問題点を有していた。
本発明は、かかる従来技術の問題点に鑑み案出されたものであり、接続信頼性に優れた配線基板を提供することを目的とする。
本発明の配線基板は少なくともガラスクロスと樹脂とを含有してなる絶縁層と、前記絶縁層を貫通する貫通孔と、該貫通孔の内部に形成された貫通導体とを具備してなる配線基板の前記貫通孔の内壁において、ガラスクロス部が凹状に形成された凹部を有することを特徴とする。
本発明の配線基板は凹部の深さが3〜30μmであることが望ましい。
本発明の配線基板は凹部において、ガラスクロスと貫通導体との間に少なくとも樹脂を含有する隔壁層が介在していることが望ましい。
本発明の配線基板は凹部の深さと隔壁層の厚さの差が3〜30μmであることが望ましい。
本発明の配線基板は貫通導体が、少なくとも貫通孔めっきからなることが望ましい。
本発明の配線基板は貫通導体が、少なくとも樹脂と金属粉末よりなる導電性ペーストからなることが望ましい。
本発明の電気素子は、以上説明した配線基板の少なくとも一方の主面に電気素子を搭載してなることを特徴とする。
本発明の配線基板は貫通導体が、貫通孔めっきと少なくとも樹脂と金属粉末よりなる導電性ペーストからなることが望ましい。
本発明の配線基板の製造方法は少なくともガラスクロスと樹脂とを含有してなる絶縁層に、貫通孔を形成する穿孔工程と、凹部を設けた貫通孔に貫通導体を形成する工程とを具備することが望ましい。
本発明の配線基板の製造方法は凹部を設けた貫通孔において、薬品を用いてガラスクロスの一部を除去することが望ましい。
本発明の配線基板の製造方法は凹部形成工程と貫通導体形成工程との間に凹部のガラスクロスと貫通導体とを遮断できる、少なくとも樹脂を含有してなる凹部の深さより薄い隔壁層を設ける隔壁層形成工程を有することが望ましい。
このような配線基板の製造方法を用いることで、クラックの伝播を防ぐことができる。また、貫通銅体間のマイグレーションを防止することができる。
本発明の配線基板は、貫通導体を形成する場合には、ガラスクロス部を凹状とすることで貫通孔内壁と貫通導体の接合を強固にすることができ、貫通導体のクラックの伝播を防ぐことができるとともに、貫通導体の接続信頼性を確保することができる。
また、本発明の配線基板は、凹量を3μm以上にした場合には、貫通孔めっきと絶縁層の熱膨張係数差による貫通導体のクラックの伝播を防ぐ効果が得られるとともに、凹量を30μm以下にした場合では、凹部底部までめっき液が浸透し、貫通孔めっき厚みを均一にすることができ、接続信頼性を向上させることができる。
また、本発明の配線基板は、ガラスクロスの端部に隔壁層が存在した場合は、ガラスクロスの端面が露出することが無いため、マイグレーションが発生することが無く、絶縁信頼性を確保することができる。
また、本発明の配線基板は、凹部の深さと隔壁層の厚さの差を3μm以上にした場合には、貫通孔めっきと絶縁層の熱膨張係数差による貫通導体のクラックの伝播を防ぐ効果が得られるとともに、凹量を30μm以下にした場合では、凹部底面までめっき液が浸透し、断線の危険のない貫通孔めっき厚みを確保することができ、接続信頼性を得ることができる。
また、本発明の配線基板は、貫通導体を貫通孔めっきで形成した場合では、貫通導体を低抵抗化することができ、電気特性を向上させることができる。
また、本発明の配線基板は貫通導体が樹脂を含んだ場合には、貫通孔と貫通導体の接着が強固となり、接続信頼性を向上させることができる。
また、本発明の配線基板は、貫通導体を低抵抗化できるとともに、ペーストが充填されるため、貫通導体が保護されるので、接続信頼性を向上させることができる。
また、本発明の電気装置は以上説明した配線基板に電気素子を搭載することで、信頼性の格段に優れた電気装置となる。
また、本発明の配線基板の製造方法では、ガラスクロス部を凹ませて凹部を形成することで、貫通導体と絶縁樹脂間を強固に接着することができ、導体配線間を確実に接続することができるとともに、長期の熱応力が繰り返し印加されたとしても貫通導体にクラックが発生しないので、貫通導体が断線することのない接続信頼性の高い配線基板とすることができる。
また、本発明の配線基板の製造方法では、薬品を用いることで貫通孔の内壁のガラスクロス部を確実に凹状にすることができるため、貫通孔内のめっき液の流れを良好にすることができ、めっきを均一に成長させることができる。さらに、多数の貫通孔についてのガラスクロスの除去を一度に行うことが可能なため、ガラスクロス除去を短時間かつ簡易に行うことができる。
また、本発明の配線基板の製造方法では、ガラスクロスの端部に隔壁層が存在していることで、ガラスクロスの端面が露出することが無いため、マイグレーションが発生することが無く、絶縁信頼性を確保することができる。
本発明の製造方法によって製造される配線基板は、例えば、図1に示すように少なくともガラスクロス1と樹脂とを含有してなる一層以上の絶縁層3を貫通して貫通孔5が設けられており、この貫通孔5には、絶縁層3の両面を電気的に接続する貫通導体7が設けられている。そして、貫通導体7が取り囲んで形成する空間には埋め込み樹脂9が充填されている。また、絶縁層3の両面には、金属箔11とめっき層13とからなる配線導体15が形成されている。
このような配線基板において、絶縁層3は、絶縁層3を狭持して形成された配線導体15と、絶縁層3を貫通して設けられた貫通導体7とを支持するとともに、電気的に絶縁する機能を有している。そして、配線導体15と貫通導体7とが任意に接続され、配線回路を形成している。
そして、本発明の配線基板は、貫通孔5においてガラスクロス1が、貫通孔5に露出する部分が凹状に形成された凹部17を形成していることが重要である。
このように貫通孔5の壁面において、凹部17を設けたことで、貫通導体7に例えば、引き抜き方向の力が加わったとしても、凹部17に貫通導体7が係合して、貫通導体7が貫通孔5から抜けることも、ずれることも防止することができる。
そして、また、絶縁層3と貫通導体7との界面において、剥離などが生じたとしても、その進展を物理的に停止させることができるため、信頼性の高い配線基板となる。この剥離の進展を防止する効果は、特に、凹状にしたガラスクロスの凹部17の凹量が3μm以上の場合に顕著であり、さらに5μm以上とすることが望ましい。一方、凹量があまり大きすぎると、例えば隣り合う貫通孔5に達したり、マイグレーションを起こしやすくなることや、製造方法によっては凹部17の底面にまでめっき液を浸透させる必要があることなどから30μm以下とすることが望ましい。また、絶縁層3と貫通導体7の熱膨張係数差が大きい場合、凹部17がその応力を緩和するため、特に、凹部17の深さをを7μm以上にすることが望ましく、凹部17の深さを20μm以下にすることで、バラツキのない均一なめっき厚みを確保することができ、接続信頼性を向上させることができる。
そして、凹部17には、貫通導体7と凹部17に露出したガラスクロス1とを隔絶する樹脂を含有してなる隔壁層19が、貫通導体7と凹部17に露出したガラスクロス1との間に設けられていることが望ましい。
このように、貫通導体7と凹部17に露出したガラスクロス1との間に隔壁層19を設けることで、貫通導体7とガラスクロス1との接触を防ぎ、絶縁層3内のガラスクロス1の界面を通じて生じるマイグレーションを防止することができる。
そして、凹部17の深さと隔壁層19の厚さの差は、前記したガラスクロスの凹部17の凹量と同じ理由で3〜30μmであることが望ましい。
この隔壁層19に用いる樹脂の絶縁層3に用いる樹脂と同じであることが望ましく、絶縁層3と隔壁層21の熱膨張係数差によるクラックの発生を防止することができる。また、絶縁層3と隔壁層19との密着性も向上する。さらに、コストの点からも望ましい。
このような配線基板において、絶縁層3あるいは絶縁層3を複数積層してなる絶縁基板は、例えば、ガラスクロスにエポキシ樹脂やビスマレイミドトリアジン樹脂・ポリフェニレンエーテル樹脂等の樹脂を含浸させた厚みが0.2〜0.8mmの平板を用いることが望ましい。
この絶縁層3あるいは絶縁層3を複数積層してなる絶縁基板は、その厚みを0.2mm以上とすることで、絶縁層3あるいは絶縁層3を複数積層してなる絶縁基板および金属箔11を貫通して複数の貫通孔5を形成したり、あるいは絶縁層3あるいは絶縁層3を複数積層してなる絶縁基板の上下両面に配線導体15を形成したり、さらには穴埋め樹脂9を形成する際等に印加される熱や外力等の影響により、発生する配線基板の反り、変形を抑制することができ、配線基板に要求される平坦度を確保することができる。
また、絶縁層3あるいは絶縁層3を複数積層してなる絶縁基板の厚みを0.8mm以下とすることで、貫通孔5の内部に貫通導体7を形成するときに、貫通孔5の内壁にめっき液を浸入させやすくなり、貫通導体7を良好に形成することできる。
なお、絶縁層3は、ガラスクロスに含浸させるエポキシ樹脂やビスマレイミドトリアジン樹脂・ポリフェニレンエーテル樹脂等の樹脂中にシリカやアルミナあるいはアラミド樹脂等から成るフィラーをガラスクロス部分と樹脂部分とでレーザ光の透過度が略同等となる程度に含有させておけば、絶縁層3と金属箔11との積層体にレーザ光で貫通孔5を穿孔する際に、貫通孔5を略均一な大きさで良好に形成することが可能となる。したがって、絶縁層3のガラスクロスに含浸させるエポキシ樹脂やビスマレイミドトリアジン樹脂・ポリフェニレンエーテル樹脂等の樹脂中にはシリカやアルミナあるいはアラミド樹脂等から成るフィラーをガラスクロス部分と樹脂部分とでレーザ光の透過度が略同等となるように含有させておくことが望ましい。
また、絶縁層3と金属箔11との積層体を貫通して直径が75〜130μmの貫通孔5が形成されることが望ましく、この貫通孔5の内壁に金属メッキを施すことにより貫通導体7が形成される。貫通孔5は、貫通導体7を絶縁層3の上面から下面にかけて導出させるための導出路を提供するためのものであり、レーザで加工するのが望ましい。そして、このように貫通孔5の孔径を75〜130μmと微細にした場合には、貫通孔5の大きさが小さくなるため、貫通導体7を高密度で配置することができ、極めて高密度な配線を有する配線基板を得ることができる。
また、貫通孔5内に被着・形成された貫通導体7は低抵抗化できることから銅めっき等のめっき金属であることが望ましく、絶縁層3を挟んで上下に位置する配線導体15同士を互いに電気的に接続する接続導体として機能する。さらに、図1では貫通導体7をめっきで形成した後、樹脂ペースト9を充填しているが、樹脂ペーストに換えて導電ペーストを充填することで、さらに低抵抗化できるとともに接続信頼性を向上させることができる。
また、貫通導体7を導電ペーストのみから形成してもよいのは勿論である。
なお、図1においては、隔壁層19は凹部17にのみ設けられているが、貫通孔5と貫通導体7とを隔絶するように、貫通孔5と貫通導体7との間に設けられていてもよいことはいうまでもない。
次に、図1に示した配線基板を製造する本発明の配線基板の製造方法について、図2(a)〜図4(f)を用いて詳細に説明する。
まず、図2(a)に示すように、例えばガラスクロス1にエポキシ樹脂やビスマレイミドトリアジン樹脂・ポリフェニレンエーテル樹脂等の樹脂を含浸させた厚みが0.4mmの絶縁層3の両面に厚みが5〜20μmの金属箔11である銅箔11が被着形成された両面銅張板である絶縁樹脂板21を準備する。
このような銅箔11は、例えば、絶縁層3の上下全面に厚みが8〜40μm程度の銅箔11を貼着するとともに、この銅箔11を硫酸−過酸化水素水などの銅エッチング液で膜厚が均一となるようにエッチングし、厚みが5〜20μmとなるように加工して形成される。
次に、図2(b)に示すように、ドリルや、金型打ち抜き、レーザ加工により絶縁樹脂板21を貫通する直径が75〜130μmの貫通孔5を形成する。その際、貫通導体7を形成する際にめっき液が貫通孔5内に良好に浸透するように、あるいは埋め込み樹脂9や導電ペーストを貫通孔5内に良好に侵入できるように、絶縁層3の表層において外側に向けて拡径する貫通孔5を穿孔することが望ましい。
なお、貫通孔5の直径を75〜130μmと微細とした場合には、貫通導体7および配線導体15を形成する際に貫通導体7および配線導体15を高密度で配置することができ、それにより高密度な配線基板を得ることができる。
なお、絶縁層3および銅箔11に貫通孔5を形成するには、銅箔11上に例えばレーザ光のエネルギーを良好に吸収する黒色もしくは黒色に近い色を有する樹脂から成るレーザ加工用シートを貼着し、このレーザ加工用シートの上から炭酸ガスレーザ光を照射する方法、もしくは銅箔11の表面を算術平均粗さRaで0.2〜2μmの範囲で表面を粗化した後、その銅箔11に酸化雰囲気150℃で30分程度の熱処理を施し、その表面をレーザ光のエネルギーを良好に吸収する黒色もしくは黒色に近い色を有する色として炭酸ガスレーザ光を照射する方法のどちらかの方法を使用し、8〜30mJの出力の炭酸ガスレーザ光を40〜240μ秒のパルス幅で所定の位置に照射して貫通孔5を穿孔する方法が採用される。
このとき、炭酸ガスレーザ光の出力を8mJ以上とすることで、貫通孔5を十分な大きさに穿孔することが可能となる。また、30mJ以下とすることで絶縁層3における貫通孔5の孔径を精度よく形成することができる。したがって、照射する炭酸ガスレーザ光は、その出力が8〜30mJでパルス幅が40〜240μ秒の範囲ですることが好ましい。
例えば、出力が8〜30mJでパルス幅が40〜500μ秒の数パルスのレーザ光を照射して銅箔11および絶縁層3を貫通し、貫通孔5を形成する。
例えば、厚みが0.4mmのガラス−エポキシ板から成る絶縁層3の上下面に厚みが10μmの銅箔11が被着された絶縁樹脂板21に炭酸ガスレーザを用いて貫通孔5を形成する場合には、レーザの1パルス当たりのパルス幅を40〜240μ秒、エネルギー値を8〜30mJ、ショット数3〜10にすればよい。このとき、レーザ光照射のショット数が少なすぎると貫通孔5を良好に拡径することができなくなり、ショット数が多すぎると貫通孔5の下面側の径が大きくなりすぎてしまう。
そのため、炭酸ガスレーザを用いてレーザ加工を行う場合の条件は、パルス幅40〜240μs、出力8〜30mJ、ショット数3〜10ショットとすることにより、絶縁樹脂板21に貫通孔5を安定して形成することが可能となる。
すなわち、パルス幅を240μs以下とすることで銅箔11を安定して開口できるのである。また、出力を8mJ以上とすることで、絶縁樹脂板21の裏面まで安定して穿孔することができる。また、ショット数を3ショット以上とすることで、レーザ光が絶縁樹脂板21の裏面まで届くため、絶縁樹脂板21の裏面まで安定して穿孔することができる。また、10ショット以下の場合も同様に良好に開口でき、10ショットを超える場合のようにエネルギーが大きすぎて絶縁樹脂板15に形成した貫通孔5が大きくなりすぎてしまい微細な配線の形成ができないということがない。
次に、図3(c)に示すように、絶縁樹脂板21にフッ化アンモニウム水溶液を0.5〜2.5分間噴射し、貫通孔5の内壁にあるガラスクロス1の一部を除去することでガラスクロス凹部17が形成された絶縁樹脂板21が得られる。
また、絶縁樹脂板21を固定せず、噴射装置内を連続して移動させることが、生産性、コストの面で望ましい。また、あるいはノズルを絶縁樹脂板21に対して移動させるなどしてもよい。
また、フッ化アンモニウム水溶液を貫通孔5に流通させる際は、5〜60MPaの圧力とすることが望ましく、この範囲の圧力は貫通孔5内のガラスクロス1の一部を除去するのに十分な圧力であり、液圧が強すぎて過度にガラスクロス1を溶解してしまうことがない。さらに圧力を20〜40MPaの範囲とすることで、短時間で除去を行うことができる。
このように、ガラスクロスの一部を除去した後、図3(d)に示すように、凹部17を具備する貫通孔5を設けた絶縁樹脂板21を樹脂に浸漬させたのち、絶縁樹脂板21を洗浄し、ガラスクロス凹部17底面以外に付着・埋め込まれた樹脂を除去することにより、凹部17底面のみに隔壁層21を形成することができる。
次に、図4(e)に示すように、貫通孔5の内部に無電解めっき銅めっき(図示せず)および電解銅めっき(図示せず)を順次析出させて貫通孔5に貫通導体7を形成するとともに、銅箔11の表面に厚みが1〜3μmの無電解銅めっきおよび厚みが20〜30μmの電解銅めっきを順次析出させて、めっき層13を形成する。このとき、貫通孔5の内壁からガラスクロスの一部が除去されていることから貫通孔5の内壁で貫通導体7を起点にしてクラックが伝播するようなことが無く、接続信頼性の高い、貫通導体5を形成することができる。
なお、無電解銅めっきを析出させるには、例えば、塩化アンモニウム系酢酸パラジウムを含有するパラジウム活性液を使用して貫通孔5内面および銅箔11の表面にパラジウム触媒を付着させるとともに、その上に硫酸銅系の無電解銅めっき液を用いて無電解銅めっきを被着させればよい。また、電解銅めっきを被着させるための電解銅めっき液としては例えば、硫酸銅系の電解銅めっき液を用いればよい。
次に、図4(f)に示すように、貫通孔5の内部に形成された貫通導体7で囲まれた空間に埋め込み樹脂9を充填し、硬化させた後にめっき層13および穴埋め樹脂9表面を研磨して平坦化する。
最後に、従来周知のサブトラクト法、セミアディティブ法などにより配線導体15を形成して、図1に示すような配線基板を作製する。
かくして、本発明の配線基板の製造方法によれば、貫通孔5内壁のガラスクロス部を凹状に形成した凹部17が存在することで貫通導体7のクラックの伝播を防止することができ、断線が発生することなく、極めて高密度な配線が可能な配線基板を得ることができる。
また、その上にビルドアップ樹脂層およびビルドアップ配線層を積層してビルドアップ配線基板を製作したとしてもビルドアップ樹脂層に貫通孔5内からのクラックが発生することのない配線基板を得ることができる。
なお、貫通孔5の上に蓋めっきを施してもよいのは言うまでもない。
また、本発明の配線基板に半導体素子などの電気素子を実装することで、高信頼性の電気装置が得られるのは勿論である。
なお、上述の実施例では貫通孔5の直径が75〜130μm、厚みが0.2〜0.8mmの配線基板を例にとって示したが、本発明は上述の実施例に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲であれば、種々の変更が可能であることはいうまでもない。
(1)凹部17を有する配線基板
本発明の配線基板の製造方法を評価するために、サンプルを作製し、次の評価を行なった。
本発明の配線基板の製造方法を評価するために、サンプルを作製し、次の評価を行なった。
主面に厚み10μmの銅箔11を具備する全体の厚みが0.4mmの絶縁樹脂板21に炭酸ガスレーザにより貫通孔5を複数形成した。なお、炭酸ガスレーザの穿孔条件はパルス幅が160μsで出力が20mJでショット数を6ショットとした。
なお、作製した貫通孔5の直径は90μmとした。次に作製した貫通孔5を有する絶縁樹脂板21に、5%のフッ化アンモニウム水溶液を30MPaの圧力で1〜10分間噴射し、ガラスクロス1の一部を除去し、凹部17を形成した。そして、銅箔11と貫通孔5にCu無電解めっき、電解銅めっきを順次成長させ、貫通導体7を形成した。
次に、貫通孔5に穴埋め樹脂9をスクリーン印刷により充填し、次に貫通孔5上に銅めっきを施し、貫通孔蓋めっきを形成した。次に、ネガ形の感光性ドライフィルムレジストを貼り付けして配線として残す部分をガラスマスクを通して感光させた。その後、炭酸ナトリウム水溶液により、非感光部分を現像して、電解めっき13を露出させ、塩化第二鉄により、めっき層13、銅箔11をエッチングして、配線導体15を形成した。
なお、接続信頼性の評価を行うためのテスト基板は、絶縁層3を挟持して位置する上下の2層の配線導体15と、両者を電気的に接続する貫通導体7とでチェーンを形成したものとした。
(2)凹部17と隔壁層19とを有する配線基板
主面に厚み10μmの銅箔9を具備する全体の厚みが0.4mmの絶縁樹脂板21に炭酸ガスレーザにより貫通孔5を複数形成した。なお、炭酸ガスレーザの穿孔条件はパルス幅が160μsで出力が20mJでショット数を6ショットとした。
主面に厚み10μmの銅箔9を具備する全体の厚みが0.4mmの絶縁樹脂板21に炭酸ガスレーザにより貫通孔5を複数形成した。なお、炭酸ガスレーザの穿孔条件はパルス幅が160μsで出力が20mJでショット数を6ショットとした。
なお、作製した貫通孔5の直径は90μmとした。次に作製した貫通孔5を有する絶縁樹脂板21を、5%のフッ化アンモニウム水溶液を30MPaで1〜2.5分間噴射しガラスクロス1の一部を除去した。次にガラスクロス1の一部を除去し、貫通孔内壁に凹部17を形成した絶縁樹脂板21をエポキシ樹脂に5秒間浸漬させたのち、IPAでシャワーによる洗浄を行った。IPAによる洗浄を行うことで、凹部底面以外のエポキシ樹脂を完全に洗い流した。その後、90℃30分の加熱をし、凹部底面に隔壁層21を形成した。
そして銅箔11と貫通孔5にCu無電解めっき、電解銅めっきを順次成長させ、貫通導体7を形成した。次に、貫通孔5に銅粉末と有機バインダを含有する導電性ペースト23をスクリーン印刷により充填し、次に貫通孔5上に銅めっきを施し、貫通孔蓋めっきを形成した。次に、ネガ形の感光性ドライフィルムレジストを貼り付けして配線として残す部分をガラスマスクを通して感光させた。その後、炭酸ナトリウム水溶液により、非感光部分を現像して、電解めっきを露出させ、塩化第二鉄により、めっき層13、銅箔11をエッチングして、配線導体15を形成した。
(3)凹部のない従来の配線基板
主面に厚み10μmの銅箔11を具備する全体の厚みが0.4mmの絶縁樹脂板21に炭酸ガスレーザにより貫通孔5を複数形成した。なお、炭酸ガスレーザの穿孔条件はパルス幅が160μsで出力が20mJでショット数を6ショットとした。
主面に厚み10μmの銅箔11を具備する全体の厚みが0.4mmの絶縁樹脂板21に炭酸ガスレーザにより貫通孔5を複数形成した。なお、炭酸ガスレーザの穿孔条件はパルス幅が160μsで出力が20mJでショット数を6ショットとした。
なお、作製した貫通孔5の直径は90μmとした。そして銅箔11と貫通孔5にCu無電解めっき、電解銅めっきを順次形成した。次に、貫通孔5に穴埋め樹脂9をスクリーン印刷により充填し、次に貫通孔5上に銅めっき13を施し、貫通孔蓋めっきを形成した。次に、ネガ形の感光性ドライフィルムレジストを貼り付けして配線として残す部分をガラスマスクを通して感光させた。その後、炭酸ナトリウム水溶液により、非感光部分を現像して、電解めっきを露出させ、塩化第二鉄により、めっき層13、銅箔11をエッチングして、配線導体15を形成した。
(評価)
以上のようにして、作製した配線基板について評価を行った。
以上のようにして、作製した配線基板について評価を行った。
なお、接続信頼性の評価は、試料を温度が−55℃の条件で30分、125℃の条件で30分を1サイクルとする温度サイクル試験(TCT)を行い、1000サイクル後の貫通導体チェーンの導通抵抗を測定し、試験前後の導通抵抗の変化率を比較することにより評価した。また、クロスセクションにより、ガラスクロス凹部17の凹量の測定と、クラックの有無の確認と、マイグレーションの有無の確認を行った。表1に導通信頼性の評価結果とガラスクロス凹量、クラックの有無、マイグレーションの有無を示す。
本発明の範囲外である絶縁樹脂板の貫通孔内壁のガラスクロスを溶解させずに貫通孔に凹部のない試料No.1では、温度サイクル試験後に絶縁層と貫通導体との間にクラックが認められ、また、温度サイクル後の抵抗変化率が25.0%となり、信頼性に劣ることが判る。
一方、本発明の凹部を有する試料No.2〜18では、いずれも、温度サイクル試験後に絶縁層と貫通導体との間にクラックが認められず、また、温度サイクル後の抵抗変化率が9.2%以下となり、信頼性が著しく改善された。
以下に、本発明の試料について詳細に説明する。
凹部の深さを3〜40μmの範囲で変化させた試料No.2〜13では、いずれもクラックも、抵抗変化もなく信頼性に優れる配線基板が得られた。しかしながら、凹部の深さが40μmの試料No.13では、実用上問題ないものの、極僅かなマイグレーションが確認された。
また、隔壁層を設けた試料No.14〜16では、初期抵抗、抵抗変化率については、隔壁層を設けないものとほぼ同等の値が得られた。また、試料No.13と同様に凹部の深さを40μmとした試料No.16では、全くマイグレーションが確認されず、隔壁層を設けることで、さらに信頼性が向上することが判る。
また、貫通孔に金属めっきに加えて絶縁樹脂と金属粒子とで構成される導電性ペーストを埋め込んだ試料No.17、18では、最も低い初期抵抗値が得られた。また、蓋めっきと、貫通導体との接触面積が大きいために、両者の接続信頼性が向上し、5%前後の低い抵抗変化率となった。
1・・・ガラスクロス
3・・・絶縁層
5・・・貫通孔
7・・・貫通導体
9・・・埋め込み樹脂
11・・・金属箔
13・・・めっき層
15・・・配線導体
17・・・ガラスクロス凹部
19・・・隔壁層
3・・・絶縁層
5・・・貫通孔
7・・・貫通導体
9・・・埋め込み樹脂
11・・・金属箔
13・・・めっき層
15・・・配線導体
17・・・ガラスクロス凹部
19・・・隔壁層
Claims (11)
- 少なくともガラスクロスと樹脂とを含有してなる絶縁層と、前記絶縁層を貫通する貫通孔と、該貫通孔の内部に形成された貫通導体とを具備してなる配線基板であって、前記貫通孔の内壁において、ガラスクロス部が凹状に形成された凹部を有することを特徴とする配線基板。
- 凹部の深さが3〜30μmであることを特徴とする請求項1に記載の配線基板。
- 凹部において、ガラスクロスと、貫通導体との間に少なくとも樹脂を含有する隔壁層が介在していることを特徴とする請求項1又は2記載の配線基板。
- 凹部の深さと隔壁層の厚さの差が3〜30μmであることを特徴とする請求項3に記載の配線基板。
- 貫通導体が、少なくとも貫通孔めっきからなることを特徴とする請求項1〜4に記載の配線基板。
- 貫通導体が、樹脂と金属粉末を含有する導電性ペーストからなることを特徴とする請求項1乃至4のうちいずれかに記載の配線基板。
- 貫通導体が、貫通孔めっきと、樹脂と金属粉末を含有する導電性ペーストからなることを特徴とする請求項1乃至4のうちいずれかにに記載の配線基板。
- 請求項1乃至7のうちいずれかに記載の配線基板の少なくとも一方の主面に電気素子を搭載してなることを特徴とする電気装置。
- 少なくともガラスクロスと樹脂とを含有してなる絶縁層に、貫通孔を形成する穿孔工程と、該貫通孔の内壁においてガラスクロス部を凹ませて凹部を形成する凹部形成工程と、凹部を設けた貫通孔に貫通導体を形成する貫通導体形成工程と、を具備することを特徴とする配線基板の製造方法。
- 凹部形成工程において、薬品を用いてガラスクロスの一部を除去することを特徴とする請求項9に記載の配線基板の製造方法。
- 凹部形成工程と貫通導体形成工程との間に凹部のガラスクロスと貫通導体とを遮断できる、少なくとも樹脂を含有してなる凹部の深さより薄い隔壁層を設ける隔壁層形成工程を有することを特徴とする請求項9又は10に記載の配線基板の製造方法。
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JP2003368795A JP2005136052A (ja) | 2003-10-29 | 2003-10-29 | 配線基板及び電気装置並びにその製造方法 |
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JP2011009649A (ja) * | 2009-06-29 | 2011-01-13 | Kyocera Corp | 電気配線基板および光モジュール |
JP2012033974A (ja) * | 2005-06-17 | 2012-02-16 | Nec Corp | 配線基板及び半導体パッケージ |
-
2003
- 2003-10-29 JP JP2003368795A patent/JP2005136052A/ja active Pending
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