JP2005135927A - 加熱体およびその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】 保護膜表面粗さを所定以下に維持しつつ、その絶縁耐圧をさらに高めた加熱体を提供する。
【解決手段】 耐熱絶縁性基板11上に形成され、かつ、平行に延びる2つの帯状部、およびこれらの帯状部の一端どうしを連結する連結部を有する発熱抵抗体12と、この発熱抵抗体12を覆う保護膜14と、を備える加熱体であって、保護膜14は、平均粒径が0.5〜2.0μmのAl2O3粉末を3〜40重量%混合したガラスによって形成されている。
【選択図】 図1
【解決手段】 耐熱絶縁性基板11上に形成され、かつ、平行に延びる2つの帯状部、およびこれらの帯状部の一端どうしを連結する連結部を有する発熱抵抗体12と、この発熱抵抗体12を覆う保護膜14と、を備える加熱体であって、保護膜14は、平均粒径が0.5〜2.0μmのAl2O3粉末を3〜40重量%混合したガラスによって形成されている。
【選択図】 図1
Description
本発明は、電子写真プロセスにおいてトナーを記録紙に熱定着させるべく記録紙を加熱する場合等に使用される加熱体およびその製造方法に関する。
本発明が前提とするこの種の加熱体は、ハロゲンランプを内蔵した円筒部材からなる伝統的な加熱部材に代え、瞬時にして所定温度まで昇温しうる応答性能、および小型・薄型化を達成するべく開発されたものであって、その基本的な構成は、たとえば特許文献1に示されている。すなわち、この種の加熱体は、セラミック等の耐熱絶縁性の基板上に、帯状の発熱抵抗体をたとえば厚膜印刷法によって形成し、この発熱抵抗体の両端部に電極を形成した上で、上記加熱抵抗体をガラス製の保護膜で覆った基本構成を有する。
この加熱体をたとえば電子写真プロセスにおいてトナーを記録紙に熱定着するための定着ヒータとして使用する場合、発熱抵抗体にその長手方向全長にわたって相当なジュール熱を発生させるべく大電流を流すため、上記ガラス製の保護膜には、高い絶縁性が求められる。しかしながら、このように絶縁性を高めるには、保護膜の膜厚を厚くせねばならず、そうすると、発熱抵抗体が発する熱が保護膜表面に伝達するまでの時間が長くなり、すなわち、熱応答性が悪くなり、上記電子写真プロセスの高速化の障害となる。
このような問題を解決するために、本出願人は先に、上記保護膜の厚みを所定以上に上げることなく、所定の絶縁性能が得られるようにした加熱体の構成を提案している(特許文献2参照)。すなわち、この出願に提案された加熱体は、上記ガラス製の保護膜に、粒径が5μm以下のAl2O3粉末を3〜30重量%混合したものである。このようにすると、単位厚み当たりの保護膜の絶縁耐圧値をAl2O3粉末を混合しない場合に比較して2倍以上に高めることができる。その結果、保護膜として、通常のガラスを使用する場合に比較して、この保護膜を薄型化しつつ、所定の絶縁性を得ることができる。
上記出願に示された加熱体において、その保護膜を形成するガラスに混合するべきAl2O3粉末の割合が3〜30重量%の範囲に規定されているのは、普通に入手可能な粒径5μm以下のAl2O3粉末を用いる場合、その混合割合が3重量%未満であっても、30重量%を超えても、所定の絶縁耐圧値が得られないことが実験により示されたからである。
ところで、前述の電子写真プロセスのさらなる高速化に対応するには、上記加熱体において、保護膜の厚みをさらに薄型化して、その伝熱応答性を高める必要がある。ところが、上記出願に係る加熱体において、5μm以下の粒径のAl2O3粉末の混合割合を単に30重量%より増やしても、絶縁耐圧値を上げることができないことが判明しているし、また、図6に示すように、保護膜の表面にAl2O3粒Aが露出して無視できない凹凸が形成されてしまうという別の問題が生じてしまう。
本発明は、このような事情のもとで考え出されたものであって、保護膜表面粗さを所定以下に維持しつつ、その絶縁耐圧をさらに高めた加熱体を提供することをその課題としている。
本発明者は、上記出願に係る加熱体に関連して種々の検討をし、保護膜の形成に際して粒径5μm以下のAl2O3粉末をガラス材料に混合する場合において、その混合割合が30%を超えると保護膜の絶縁耐圧値が低下する理由は、Al2O3粉末の粒径が比較的大きいことと、焼成時における見掛け上のガラスの流動性が悪化することとがあいまって、図6に示すように、保護膜の内部に比較的大きな気泡Bが混入するためであるとの知見を得た上で、本発明に到達した。
すなわち、本発明の第1の側面により提供される加熱体は、耐熱絶縁性基板上に形成され、かつ、平行に延びる2つの帯状部、およびこれらの帯状部の一端どうしを連結する連結部を有する発熱抵抗体と、この発熱抵抗体を覆う保護膜と、を備える加熱体であって、上記保護膜は、平均粒径が0.5〜2.0μmのAl2O3粉末を3〜40重量%混合したガラスによって形成されていることに特徴づけられる。
好ましい実施形態においては、上記保護膜は、Al2O3粉末を30〜40重量%混合したガラスによって形成されている。
平均粒径が0.5〜2.0μmのAl2O3粉末は、普通に入手可能な粒径5μm以下のAl2O3粉末をさらにボールミル等で粉砕することによって比較的容易に得ることができる。ガラスに混合されるAl2O3粉末の粒径が上記出願の場合に比較して小さくなる結果、焼成時に流動化するガラス成分に気泡が混入することが少なくなり、その結果、Al2O3粉末の混合割合を40重量%まで増大させても、Al2O3粉末による絶縁耐圧値増加が得られる。ただし、混合割合が40重量%を超えると、焼成時の見掛け上の流動性が悪化して気泡混入の可能性が増大し、むしろ絶縁耐圧値が低下する傾向となるとともに、保護膜表面にAl2O3粒子による微小な凹凸が露出する可能性が増大し、加熱対象との摺動面である保護膜の表面粗さが増大する不具合を招く。しかし、この傾向は、後述するように、焼成時でのガラス成分の流動性を高めるべく手段を講じれば、軽減される。なお、上記出願における加熱体によって得られる絶縁耐圧に対する比較において、より絶縁耐圧値、および熱伝導係数を高めるためには、上記Al2O3粉末の混合割合は、30〜40重量%とすることが望ましい。
このようなことから、本発明の第1の側面による加熱体によれば、保護膜の表面粗さの増大を招くことなく、この保護膜の絶縁耐圧をさらに高めることができるので、この保護膜をより薄状とすることにより、この加熱体は、熱応答性と絶縁性において著しく優れたものとなる。その結果、この加熱体を電子写真プロセスの熱定着ヒータとして使用する場合、電子写真プロセス機器のより高速化が可能となる。加えて、Al2O3は、それ自体熱伝導性に優れているので、保護膜にこのAl2O3をより高い割合で混合することができる本発明の加熱体は、上記のように保護膜を薄状とすることができることとあいまって、さらに熱応答性の高いものとなる。
好ましい実施形態においては、上記保護膜のガラス成分は、SiO2−PbO−B2O3系のガラスである。この種の保護膜に通常用いられるガラス成分の軟化点が約650〜760℃であることに比較すると、上記の場合の軟化点は580〜630℃であり相当に低い。たとえば、上記のAl2O3粉末を含んだガラスペーストを上記発熱抵抗体の形成を終えた絶縁基板上に印刷し、それをたとえば810℃前後で焼成する場合、ガラス成分の軟化点が通常のガラスに比較して低いが故に、ガラス成分はより流動化する。こうして流動性が促進されたガラス成分は、Al2O3粉末粒子を容易に取り巻くことができ、したがって焼成時に保護膜に気泡が混入する可能性を著しく減じることができる。その結果、焼成時にガラス中に気泡が混入してこれが保護膜の絶縁耐圧値を下げてしまうといったことを回避することができる。同時に、焼成後の保護膜の表面の平滑化が促進される。
PbOとB2O3とはいずれもガラスの軟化点を下げる作用をするが、PbOはガラスの線膨張率を上げ、B2O3はガラスの線膨張率を下げる作用をするので、これらPbOとB2O3の双方をガラスに混入することにより、焼成後に形成される保護膜の線膨張率を所望のように調整することができる。これにより、保護膜の線膨張率を基板材料の線膨張率と対応させ、駆動時での昇温によって加熱体に反りが発生することを効果的に回避することができる。
また、PbOとB2O3とは、いずれも、焼成時にガラスの結晶化を促進するアルカリ土類ではないので、焼成過程におけるガラス結晶の成長によって保護膜の表面が荒れが生じるといったこともない。
本発明の第2の側面によって提供される加熱体の製造方法は、耐熱絶縁性基板上に平行に延びる2つの帯状部、およびこれらの帯状部の一端どうしを連結する連結部を有する発熱抵抗体を形成するステップと、上記発熱抵抗体を覆うように保護膜を形成するステップと、を含む加熱体の製造方法であって、上記保護膜を形成するステップは、固体成分中、平均粒径が0.5〜2.0μmのAl2O3粉末を3〜40重量%混合したガラスペーストを用いて印刷を行うステップ、および、上記印刷されたガラスペーストを焼成するステップ、を含んでいることに特徴づけられる。
好ましい実施形態においては、上記保護膜を形成するステップは、固体成分中、平均粒径が0.5〜2.0μmのAl2O3粉末を30〜40重量%混合したガラスペーストを用いて行う。
好ましい実施形態においては、上記ガラスペーストとしては、SiO2−PbO−B2O3系のガラス成分からなるガラスペーストを用いる。
かかる方法によって製造される加熱体は、本発明の第1の側面について上述したのと同様の利点を有することは明らかである。
上述したように、軟化点を低めたガラス成分を含むガラスペーストを用いると、たとえば、810℃で焼成する場合、ガラス成分の流動性が大いに高められる。そうすると、かりに粒径5μm以下のAl2O3粉末が混入していても、流動性が高められたガラスが容易にAl2O3粒子を取り巻くことができ、相対的に流動性の低いガラスが用いられていた従来に比較し、焼成後の保護膜中に大きな気泡が混入する可能性が少なくなり、その結果、保護膜に、Al2O3粉末による所定の絶縁耐圧値を与えることができる。
本発明のその他の特徴および利点は、添付図面を参照して以下に行う詳細な説明によって、より明らかとなろう。
以下、本発明の好ましい実施の形態につき、図面を参照して具体的に説明する。
図1は、本発明に係る加熱体10の外形の一例を示し、図2は図1のII−II線断面を示している。所定幅および所定厚みをもった長矩形状をした耐熱絶縁性基板11の上面に、その一端から長手方向に延び、他端でUターンして一端側まで戻るように延びる帯状の発熱抵抗体12が形成されており、この発熱抵抗体12の両端部には、電極13,13が形成されている。上記絶縁性基板11としては、たとえば、アルミナセラミックが用いられる。上記発熱抵抗体12は、たとえば銀・パラジウムペースト、あるいは酸化ルテニウムペーストなどの抵抗体ペーストを用いた厚膜印刷法によって形成することができる。また、上記電極13は、導電性ペーストを用いた厚膜印刷法によって形成することができる。たとえば、上記基板11の表面または裏面に配設した温度センサ(図示略)によって表面温度を監視しながら、この表面温度が所定の温度となるように、上記発熱抵抗体12が駆動制御される。なお、帯状発熱体12の形態は、図示したものの他にも種々のものがある。
上記基板11には、各電極13を除く発熱抵抗体12を覆うようにして、保護膜14が形成される。この保護膜14として要求される機能は、優れた絶縁性能と、表面平滑性と、良好な熱伝導性能である。絶縁性能は、上記帯状発熱抵抗体12の全長にわたって大きなジュール熱を発生させるべく、比較的大きな電流を流す必要故に求められる。表面平滑性は、加熱対象との相対摺動を円滑にするために求められる。良好な熱伝導性能は、発熱抵抗体12の駆動を開始してから保護膜表面の温度が所定の温度まで上昇するまでの時間、すなわち、熱応答性を高めるために求められる。
上記保護膜14に求められる機能を高度に達成するため、本発明では、上記保護膜14は次のように形成されている。
すなわち、上記保護膜14は、平均粒径が0.5〜2.0μmのAl2O3粉末を3〜40重量%、好ましくは30〜40重量%含むガラスによって形成される。上記保護膜14の形成成分のうち、上記Al2O3粉末を除くガラス成分は、好ましくは軟化点が580〜630℃である、この種の保護膜として用いられる通常のガラスよりも軟化点が低められたガラス成分が用いられる。より具体的には、このガラス成分は、SiO2−PbO−B2O3系の低軟化点ガラスを使用することができる。
上記保護膜14はまた、厚膜印刷法によって形成される(図4参照)。より具体的には、ガラスフリットと、上記Al2O3粉末とを溶剤成分中に混練してなるガラスペーストを用い、スクリーン印刷法によって上記基板11上の上記発熱抵抗体12を覆う領域に付着させる。こうして付着させるガラスペーストの厚みは、焼成後の保護膜の目的厚みにみあった適当な厚みに設定される。この場合、ガラスフリットに対するAl2O3粉末の割合は、ガラスフリットとAl2O3粉末の総和に対するAl2O3の割合が、上記のように、3〜40重量%、好ましくは30〜40重量%となるようにする。
上記のようにガラスペーストが印刷された基板11は次に、焼成炉内に装填され、たとえば810℃の焼成温度によって保護膜14の焼成を行う(図4参照)。このとき、次のような過程を経て、高い絶縁耐圧値と、良好な熱伝導性と、高い表面平滑性をもつ保護膜14が形成される。
すなわち、焼成炉における熱により、ガラスペースト中の溶剤成分が蒸発してゆくとともに、ガラス成分が軟化して流動化する。上述のように、ガラス成分として軟化点の低いものが採用されている場合、焼成温度におけるガラス成分の流動性は高められる。これに加えて、混入されるAl2O3粉末の粒径が0.5〜2.0μmと比較的小さいため、流動性が高められたガラス成分がAl2O3粒子を容易に取り巻くことができるとともに、溶剤の気化等によって発生する気泡もまた容易に外部に逃げることができるので、Al2O3粒子とガラス成分との境界に大きな気泡が混入されてしまうといったことがなくなる。また、保護膜14の表層付近のAl2O3粒子もまた、上記流動性が高められたガラス成分によって取り巻かれるので、Al2O3粒子が保護膜14の表面に露出して表面平滑性が阻害されるといったこともなくなる。なお、上記のように流動化されたガラス成分がAl2O3粒子を取り巻く作用は、前述のように軟化点が低められたガラス成分を使用するとより良く発揮するが、Al2O3粉末の平均粒径を0.5〜2.0μmといった小径に設定するだけでも発揮される。
また、ガラス成分の軟化点を低下させるために、PbOおよびB2O3という、非アルカリ土類の成分を混入したガラスを使用すると、焼成過程においてガラス成分が結晶化してこれが保護膜14の表面を荒らすといったこともなくなる。PbOおよびB2O3は、いずれもガラスの軟化点を下げる作用をするが、PbOはガラスの線膨張率を上げる作用をし、B2O3はガラスの線膨張率を上げる作用をするので、これらの混合比率を調整することにより、保護膜14の線膨張率を所望のように調整することができる。このように調整される保護膜14の線膨張率をセラミックからなる基板11の線膨張率と対応させておくと、加熱体10の駆動時に発生する熱によってこの加熱体10に反りが発生することを効果的に回避することができる。
以上の過程によって形成される保護膜14は、図3に示されるように、大きな割合のAl2O3が含まれていることになるので、単位厚み当たりの絶縁耐圧値が高まる。しかも、焼成過程において気泡が混入する可能性が少なくなるので、気泡の混入に起因する絶縁耐圧値の低下もなく、その結果、保護膜の絶縁耐圧値は高いレベルで安定する。しかも上述のように保護膜14の表面平滑性が確保されるので、加熱対象との摺動円滑性が得られる。
さらに、上記保護膜14は、その単位厚み当たりの絶縁耐圧値が高められるので、その結果保護膜14の厚みを従来よりも薄くすることができ、そうすると、発熱抵抗体からの熱が保護膜14の表面まで到達するまでの時間、すなわち、熱応答性も高まる。この点についてはまた、伝熱性の良好なAl2O3が比較的高い密度で保護膜中に含まれることになるから、このことによっても保護膜14の伝熱性が高まる。たとえば、上記Al2O3粉末の混合割合を30重量%以上とすると、保護膜14の熱伝導率を3.0〜6.0×10-3cal/cm・sec・℃、好ましくは3.8〜6.0×10-3cal/cm・sec・℃まで高めることができる。なお熱伝導率は、ガラス単体では1.5〜2.5×10-3cal/cm・sec・℃であることを考慮すれば、その増加は著しい。
ところで、高い絶縁耐圧値と、良好な熱伝導性と、高い表面平滑性をもつ保護膜14は、ガラス成分の軟化点をたとえば580〜630℃に下げ、Al2O3粒子の粒径を5μm以下としただけであっても、ある程度は達成される。すなわち、焼成時におけるガラス成分の流動性により、このガラス成分がAl2O3粒子を取り巻く作用を発揮し、気泡の残存を回避することができる。なお、この場合についても、Al2O3粒子の混合比率は、3〜40重量%、好ましくは30〜40重量%としておくのがよい。
〔実施例〕
固体成分中、中心径が0.8〜1.3μmであるAl2O3粉末を35重量%含むとともに、ガラス成分として、PbOおよびB2O3の添加量を調節することにより軟化点を約600℃に設定したものを含むガラスペーストを用い、焼成後の厚みが45μmとなるようにして印刷・焼成して保護膜14を形成した。焼成温度は810℃とした。なお、ガラス成分中、PbOとB2O3の添加比率は、保護膜の線膨張率が55〜70×10-7/℃となるように設定した。こうして保護膜14を形成した加熱体10の保護膜表面と電極間に図5に示すように1.5kVの交流電圧を3秒印加する耐圧試験を行ったところ、不良率は約2%であった。また、表面粗さRzは0.6μmであった。
固体成分中、中心径が0.8〜1.3μmであるAl2O3粉末を35重量%含むとともに、ガラス成分として、PbOおよびB2O3の添加量を調節することにより軟化点を約600℃に設定したものを含むガラスペーストを用い、焼成後の厚みが45μmとなるようにして印刷・焼成して保護膜14を形成した。焼成温度は810℃とした。なお、ガラス成分中、PbOとB2O3の添加比率は、保護膜の線膨張率が55〜70×10-7/℃となるように設定した。こうして保護膜14を形成した加熱体10の保護膜表面と電極間に図5に示すように1.5kVの交流電圧を3秒印加する耐圧試験を行ったところ、不良率は約2%であった。また、表面粗さRzは0.6μmであった。
〔比較例〕
固体成分中、中心径が5μmであるAl2O3粉末を30重量%含むガラスペーストを用い、焼成後の厚みが45μmとなるようにして印刷・焼成して保護膜を形成した加熱体の保護膜表面と電極間に図5に示すように1.5kVの交流電圧を3秒印加する耐圧試験を行ったところ、不良率は約10%であった。
固体成分中、中心径が5μmであるAl2O3粉末を30重量%含むガラスペーストを用い、焼成後の厚みが45μmとなるようにして印刷・焼成して保護膜を形成した加熱体の保護膜表面と電極間に図5に示すように1.5kVの交流電圧を3秒印加する耐圧試験を行ったところ、不良率は約10%であった。
なお、本発明は上記した実施形態に限定されるものではなく、ガラスとしての基本的組成は、SiO2を主成分として含む種々なものが採用されることはいうまでもない。
10 加熱体
11 基板
12 発熱抵抗体
14 保護膜
11 基板
12 発熱抵抗体
14 保護膜
Claims (6)
- 耐熱絶縁性基板上に形成され、かつ、平行に延びる2つの帯状部、およびこれらの帯状部の一端どうしを連結する連結部を有する発熱抵抗体と、
この発熱抵抗体を覆う保護膜と、を備える加熱体であって、
上記保護膜は、平均粒径が0.5〜2.0μmのAl2O3粉末を3〜40重量%混合したガラスによって形成されていることを特徴とする、加熱体。 - 上記保護膜は、Al2O3粉末を30〜40重量%混合したガラスによって形成されている、請求項1に記載の加熱体。
- 上記保護膜のガラス成分は、SiO2−PbO−B2O3系のガラスである、請求項1または2に記載の加熱体。
- 耐熱絶縁性基板上に平行に延びる2つの帯状部、およびこれらの帯状部の一端どうしを連結する連結部を有する発熱抵抗体を形成するステップと、
上記発熱抵抗体を覆うように保護膜を形成するステップと、を含む加熱体の製造方法であって、
上記保護膜を形成するステップは、固体成分中、平均粒径が0.5〜2.0μmのAl2O3粉末を3〜40重量%混合したガラスペーストを用いて印刷を行うステップ、および、上記印刷されたガラスペーストを焼成するステップ、を含んでいることを特徴とする、加熱体の製造方法。 - 上記保護膜を形成するステップは、固体成分中、平均粒径が0.5〜2.0μmのAl2O3粉末を30〜40重量%混合したガラスペーストを用いて行う、請求項4に記載の加熱体の製造方法。
- 上記ガラスペーストとしては、SiO2−PbO−B2O3系のガラス成分からなるガラスペーストを用いる、請求項4または5に記載の加熱体の製造方法。
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